JP2585229Y2 - 刈取収穫機の茎稈ガイド構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、コンバインやバインダ
ー等の刈取収穫機における取り込み茎稈の確実な刈取作
用を図ってあるものに係り、詳しくは、左右両端の分草
具の間に取り込まれる植立茎稈を刈取装置の刈幅範囲内
に案内するガイドを、最外側の分草具の支持杆における
刈取装置の直前位置に備えた刈取収穫機の茎稈ガイド構
造に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の刈取収穫機では、上述のよう
に、左右端の分草具によって分草されて取り込まれる茎
稈を刈取装置で切断するのであるが、その取り込み茎稈
の左右端部分のものが左右方向に倒伏して刈取装置の切
断作用領域からずれてしまい、うまく切断出来なくなる
ことを防止するためにガイドを設けてあり、従来では、
図６に示すように、上下調節式の刈取装置７が最も上昇
した位置に合わせた３角形状の板ガイド１８を支持杆１
０に固着してあるものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところが、この手段で
は板部材である板ガイドが刈取装置の直前位置に存在し
ているため、刈刃を横スライド移動させての交換作業時
には刈刃の抜き出し操作の邪魔になり、刈刃抜き出し方
向が多少前にずれたりすると、刈刃が板ガイドにぶつか
って損傷することがあった。本考案の目的は、取り込み
茎稈の確実な切断作用を確保させるべくガイド機能を備
えながらも刈刃の交換作業を容易に行えるようにする点
にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】請求項１にかかる発明の
特徴構成は、冒頭に記載した刈取収穫機の茎稈ガイド構
造において、前記ガイドを、その後端側が前記刈取装置
の刈刃の先端側に対して直前位置で対向した状態と、刈
刃の先端側に対して上下方向で離間した状態とに上下に
位置変更調節自在に構成してあることにある。 請求項２
にかかる発明の特徴構成は、請求項１にかかる発明にお
いて、取付け金具に対する前記刈取装置の取付け位置を
上下方向で変更調節自在に構成してあることにある。

【０００５】

【作用】請求項１の構成によれば、図１に示すように、
刈取装置が低い位置にあるときは、ガイド１８を上方側
に位置させることで、ガイド１８の下側には空間部Ｓが
形成され、刈取装置が高い位置にあるときは、ガイド１
８を下側に位置させることで、ガイド１８の上側には空
間部Ｓが形成されて、これらの空間部Ｓが刈刃１５の抜
き出しの際の前方への余裕空間となり、刈刃抜き出し方
向が多少前にずれてもガイドに衝突するおそれがないよ
うになる。請求項２の構成によれば、取付け金具に対す
る刈取装置の取付け位置を上下方向で変更調節すること
で刈り高さの変更調節ができ、このような刈り高さの変
更調節ができる構造のものにおいても、上記請求項１の
構成による作用と同様の作 用を奏することができる。

【０００６】

【考案の効果】従って、請求項１の構成によれば、取り
込み茎稈の有効なガイド機能を備えながらも刈刃の交換
作業が容易に行える茎稈ガイド構造を提供することがで
きた。請求項２の構成によれば、刈り高さの変更調節が
できる構造のものにおいても上記請求項１の構成による
効果と同様の効果を奏することができるようになった。

【０００７】

【実施例】以下に、本考案の実施例を図面に基づいて説
明する。図５にコンバインの前部が示され、１は刈取
部、２は脱穀部であり、図４に示すようにフィードチェ
ン３におけるチェンリンク４の左右の上方突起５，５の
うち、外側の突起５を、挟持搬送される茎稈の引っ掛け
具合改善のために、その茎稈の姿勢に沿うべく若干外倒
れ傾斜させてある。図５に示すように、刈取部１には分
草装置６、バリカン型の刈取装置７、引き起こし装置８
等が装備され、刈取装置７については、図１乃至図３に
示すように、刈り高さ調節が可能に構成してある。つま
り、分草装置６における分草具９の支持杆１０に固定さ
れた横ステー１１に取付金具１２を固着し、この取付金
具１２に中間金具１３を介して受刃１４と駆動刃１５と
で成る刈取装置７を取付けてあり、中間金具１３の取付
金具１２に対する取付位置の変更により、図１の（イ）
と（ロ）に示す刈刃高さの変更調節を可能としてある。
駆動刃１５とこれを往復移動させる駆動アーム１６と
は、上下に幅のあるローラ１７の介装によって相対上下
位置の調節が可能である。そして、左右両端の支持杆１
０，１０における刈取装置７の直前位置には、左右両端
の分草具９，９の間に取り込まれる植立茎稈を、図２に
示すように刈取装置７の刈幅範囲内に案内するガイド１
８を設けてある。ガイド１８は上下方向に小幅の帯状部
材で構成するとともに、その前端側に設けた左右軸心Ｐ
を中心に上下揺動調節自在に構成してある。取付ボルト
１９を軸心Ｐに備えてあり、この取付ボルト１９の操作
でガイド１８の固定及び揺動調節を行うとともに、ガイ
ド１８の無い部分に、駆動刃１５（又は受刃１４）の左
右への抜き出し時における余裕空間部Ｓが現出されるよ
うになる。つまり、前記ガイド１８を、その後端側が刈
取装置７の刈刃１５の先端側に対して直前位置で対向し
た状態と、刈刃１５の先端側に対して上下方向で離間し
た状態とに上下位置変更調節自在に構成してある。支点
Ｐ以外の位置でボルト止めする手段でも良く、上下の位
置決め用のストッパを設けておけば好都合である。

【０００８】尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面と
の対照を便利にする為に符号を記すが、該記入により本
考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】ガイド及び刈取装置の昇降構造の構造を示す側
面図

【図２】ガイドによる穀稈の誘導作用を示す正面図

【図３】刈取装置の平面図

【図４】フィードチェーン始端部での穀稈搬送状態を示
す正面図

【図５】コンバイン前部の側面図

【図６】ガイドの従来例及び比較例を示す側面図

【符号の説明】

７ 刈取装置 ９ 分草具 １０ 支持杆１２ 取付け金具 １５ 刈刃 １８ ガイド

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右両端の分草具（９），（９）の間に
   取り込まれる植立茎稈を刈取装置（７）の刈幅範囲内に
   案内するガイド（１８）を、最外側の分草具（９）の支
   持杆（１０）における刈取装置（７）の直前位置に備え
   た刈取収穫機の茎稈ガイド構造であって、前記ガイド（１８）を、その後端側が前記刈取装置
   （７）の刈刃（１５）の先端側に対して直前位置で対向
   した状態と、刈刃（１５）の先端側に対して上下方向で
   離間した状態とに上下に位置変更調節自在に構成してあ
   る 刈取収穫機の茎稈ガイド構造。
2. 【請求項２】 取付け金具（１２）に対する前記刈取装
   置（７）の取付け位置を上下方向で変更調節自在に構成
   してある請求項１記載の刈取収穫機の茎稈ガイド構造。