JPH0647233Y2 - コンバインの刈取部における穀稈の送り込み案内装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、刈取る穀稈が掻込オーガの前方側となる刈取
部の横側方に引っかかったり停滞しないように後方に送
り案内することができるようにしたコンバインの刈取部
における穀稈の送り込み案内装置に関する。

〔従来の技術〕

従来は、それぞれの分草板の後方となる両側の刈取フレ
ームの間に軸架したリールの下部後方にはレシプロ式刈
刃を横設するとともに、この刈刃の後方に掻込オーガを
横設して構成するコンバインの刈取部において、刈取部
の両側方となる刈取フレームは、前記リールや刈刃の両
側方に起立する構造になっていた。

この場合、特に刈取フレーム付近の、リールが作用しな
い部分で、刈取フレームへ穀稈が停滞する不具合があ
る。

［考案が解決しようとする問題点］ 穀稈を中央に寄せる従来技術として、実開60-190224に
見られるように、オーガの斜め上方位置に掻込スパイラ
を設ける構成が知られている。しかし、これはまっすぐ
入ってきた穀稈にも作用して稈通路の邪魔になり、穀稈
を前方に倒してしまう不具合が生じる。実開56-81629に
見られるように刈刃上に中央に向けて案内する搬送部材
を設けることも考えられるが、これも同様である。

そのため、刈取部に取り込まれて刈り取られる穀稈は、
リールの作用が終わった後で側板が穀稈の支えになる結
果、オーガ側に倒れずに側板に寄り掛かった状態で停滞
して、後方への搬送に支障が生じたり、脱粒が生じる、
最悪の場合には前方に倒れてロスになってしまう問題点
があった。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、そのような問題点を解決し、側方に取り込ま
れた穀稈の後方への搬送を確実良好に行わせることがで
きるとともに、簡単な構造にして良好に作動させること
ができるようにしたものであり、掻込オーガの前方側と
なる刈取フレームに沿うようにして、前後方向に延出さ
れる穀稈案内用ガイド体を設け、その穀稈案内ガイド体
の前部を回動自在に枢支し、このガイド体が刈取フレー
ムに沿う位置から、刈幅の内側に向けて揺動するよう、
前記刈刃の可動部に連動連繋して構成したものである。

［作用］ したがって、刈刃の作動に連動してガイド体は前部を中
心に往復動しながら横方向に揺動することになり、刈取
部の横内側方に取り込まれて刈り取られる穀稈は、刈取
フレームに沿う位置からスムーズに内側に向けて案内さ
れて、オーガに取り込まれることになり、刈取フレーム
側に引っかかったり停滞しないように、ガイド体により
後方へと送られることになる。

〔実施例〕

次に、図面を示す実施例について説明する。

第１図ないし第５図は第１実施例を示し、第１図および
第２図に示すコンバインは、脱穀部（７）や籾タンク部
（８）からなる本機（Ａ）の前方右側には搭乗運転部
（９）を連設するとともに下方両側には両クローラ（1
0）をそれぞれ配備し、本機（Ａ）の前方左側にはフィ
ーダ（11a）を内装して油圧シリンダ（12）により昇降
させることができるフィーダ室（11）の後部を連通連設
し、該フィーダ室（11）の前部に刈取部（Ｂ）を連設し
て構成するが、該刈取部（Ｂ）は、両側に起立する両刈
取フレーム（２）の前方側にそれぞれ分草板（１）を連
設し、両刈取フレーム（２）の間にはステー（13）によ
って上下動自在に支持するリール（３）を軸架し、該リ
ール（３）の下部後方となる両刈取フレーム（２）の下
部間には、横方向に往復動する可動刃（4a）と固定刃
（4b）を重合してなるレシプロ式刈刃（４）を横設し、
該刈刃（４）の後方となるプラットホーム（14）の上方
には掻込オーガ（５）を横幅一杯にわたり横設して従来
形構造同様に構成する。

前記刈刃（４）の両端側の上方となる両刈取フレーム
（２）の部位には上下のメタル（15a）（15b）に回動自
由に嵌挿する両軸（16）をそれぞれ立設し、刈取フレー
ム（２）の上方に突出した軸（16）の上端部に固定する
取付金具（17）には、刈取フレーム（２）の上部にそう
ようにして掻込オーガ（５）の端部上方に向け彎曲して
延出する棒製ガイド体（６）の前部を固設し、前記軸
（16）の下端部には長孔（18）を有する連動体（19）の
端部を固設し、刈刃（４）における可動刃（4a）の端部
に固定して立設したピン（20）を前記長孔（18）に嵌合
して構成する。

したがって、コンバイン作業時には、可動刃（4a）が矢
印（イ）で示すように横方向に往復動するのにともなっ
て、ピン（20）と連動体（19）の係合により軸（16）は
往復回動するとともに、ガイド体（６）は軸（16）を中
心に回動しながら、刈取フレーム（２）の上方から掻込
オーガ（５）の上方にかけて矢印（ロ）で示すよに横方
向に揺動することになり、その状態で、刈取フレーム
（２）側に接近して刈取られる穀稈はガイド体（６）に
より掻込オーガ（５）の内方側に積極的に送り込み案内
されて、刈取フレーム（２）側に引っかかったり停滞す
ることなくスムーズに案内されることになる。

第６図ないし第８図は第２実施例を示し、前記リール
（３）の横側方となる刈取フレーム（２）の内側面を打
抜いて板製ガイド体（６）を張設するとともに、該ガイ
ド体（６）の前端部を刈取フレーム（２）の内側面にヒ
ンジ（21）（21）を介して枢着し、ガイド体（６）の後
端下部を、前記可動刃（4a）の端部上方に立設した連動
体（22）に連結ピン（23）を介し遊びをもたせて連動連
繋し、可動刃（4a）の往復動とともにガイド体（６）が
リール（３）側に矢印（ハ）で示すように揺動するよう
に装設して構成する。

したがって、刈取フレーム（２）とリール（３）の間の
隙間内を前記ガイド体（６）が揺動することになって、
刈取フレーム（２）側に寄って刈取られる穀稈はその隙
間に引っかかることなくガイド体（６）により揺れ動か
されながら送り出されることになる。

また、第９図ないし第11図は第３実施例を示し、分草板
（１）の先端側の先端板（1a）の内方に立設した連結片
（24）に、刈取フレーム（２）の上方側に延出する棒製
ガイド体（６）の前端部を遊動自在に連結し、該ガイド
体（６）の後部の下方となる刈取フレーム（２）の部位
の外側面に突設した支持片（25）に上下方向となる連動
（26）の中間部を回動自在に枢着し、連動（26）の
上端部に形成した環部（26a）にはガイド体（６）の後
部を嵌挿し、連動（26）の下端部（26b）を、前記可
動刃（4a）の端部上方に立設した連動体（27）に連動連
繋し、可動刃（4a）の往復動とともにガイド体（６）が
刈取フレーム（２）の上方で矢印（ニ）で示すように横
方向に揺動するように装設して構成する。

したがって、分草板（１）から刈取フレーム（２）の上
方にかけて延出するガイド体（６）が横方向に揺動する
ことになって、左右方向に倒伏する穀稈はガイド体
（６）の揺動により内方側に送り込まれることになる。

〔考案の効果〕

このように本考案は、刈取部の横内側方に取り込まれて
刈取られる穀稈を、横方向に揺動するガイド体（６）に
より刈取フレーム（２）側に引っかかったり停滞しない
ように確実良好に後方へ送り込み案内することができる
ことになって、刈取部での刈取り収穫を支障なくスムー
ズに行わせることができることになり、また、ガイド体
（６）を刈刃（４）側より良好に揺動させることができ
る簡単な構造にして好適に実施できる特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部を省略した本考案の実施例であるコンバイ
ンの平面図、第２図はその側面図、第３図は第２図の一
部の拡大図、第４図は第３図の一部の斜視図、第５図は
第１図の一部の拡大図、第６図は第２実施例の要部の側
面図、第７図はその一部の平面図、第８図は第６図の一
部の縦断面図、第９図は第３実施例の要部の側面図、第
10図はその一部の平面図、第11図は第９図の一部の縦断
面図である。 （１）……分草板、（２）……刈取フレーム、 （３）……リール、（４）……レシプロ式刈刃、 （５）……掻込オーガ、（６）……ガイド体、 （4a）……可動刃。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】それぞれ分草板の後方となる両側の刈取フ
   レーム２の間に軸架したリール３の下部後方には、レシ
   プロ式刈刃４を横設するとともに、この刈刃４の後方に
   掻込オーガ４を横設して構成するコンバインの刈取部に
   おいて、前記掻込オーガの前方側となる刈取フレーム２
   に沿うようにして、前後方向に延出される穀稈案内用ガ
   イド体６を設け、その穀稈案内ガイド体６の前部を回動
   自在に枢支し、このガイド体６が刈取フレーム２に沿う
   位置から、刈幅の内側に向けて揺動するよう、前記刈刃
   ４の可動部に連動連繋して構成したことを特徴とする穀
   稈の送り込み案内装置。