JP2584104B2 - 砥石形状定義装置 - Google Patents

砥石形状定義装置

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Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、加工物を研削する砥石車の砥石軸線を含む
砥石断面形状（以下、砥石形状と称す）を定義する砥石
形状定義装置に関する。
（従来の技術） 第10図は従来の砥石形状定義装置の一例を示すブロッ
ク図であり、オペレータが、グラフィック表示可能なCR
T1とキーボード２と表示制御部７と入力制御部４とで成
る操作盤３を用いて、砥石基本形状記憶部８と砥石基本
形状選択部13とで成る砥石形状定義装置５を制御する構
成となっている。
構成の詳細としては、オペレータによるキーボード２
からの各種入力や操作指示SBが入力制御部４に入力さ
れ、砥石基本形状選択指令SMに変換されて砥石基本形状
選択部13へ送出される。
一方、砥石基本形状記憶部８には、よく使用される代
表的な砥石形状を単純２次元形状として定型化した複数
種類の砥石基本形状が予め記憶されており、砥石基本形
状選択部13により砥石基本形状選択指令SMに従った砥石
基本形状SIが選択され読込まれる。読込まれた砥石基本
形状SIはそのまま砥石形状SLとして加工シミュレーショ
ン表示部又はパートプログラム作成部に送出され、また
その砥石基本形状SIをCRT1に表示させるための表示制御
指令SEが生成されて表示制御部７へ送出される。
そして、表示制御指令SEは表示制御部７で表示出力指
令SAに変換されてCRT1に送出され、砥石基本形状選択部
13で選択された砥石基本形状が画面表示されるようにな
っている。
第14図は砥石基本形状記憶部８に記憶されている砥石
基本形状の例を示したもので、（ａ）はプレーンタイプ
砥石、（ｂ）はアングルタイプ砥石、（ｃ）は内研用砥
石である。これらの形状31,32,33は定型化されているの
で、外形寸法，砥石幅寸法等の基本データを入力するだ
けで形状31,32,33を簡便に定義できる。
第11図及び第12図は、上述した砥石形状定義装置５を
有する自動プログラミング装置及び研削盤用NC装置の一
例を示すブロック図である。
第11図の自動プログラミング装置14では、砥石定義装
置５により定義された砥石形状SLがパートプログラム作
成部９に読込まれて解析され、ドレス用パートプログラ
ムが作成されるようになっている。また、第12図の研削
盤用NC装置15では、砥石形状定義装置５により定義され
た砥石形状SLが加工シミュレーション表示部11に読込ま
れて解析され、研削シミュレーションが行われるように
なっている。
ところで、一般に自動プログラミング装置等における
研削加工の最終形状である加工物断面形状（以下、加工
物形状と称す）の定義には、 （イ）直線、テーパ、円弧等の一次元の形状要素を用い
る方法 （ロ）長方形、台形、Ｒ付台形等の二次元形状要素を用
いる方法 等がある。これらは共に加工図面上に記載された寸法等
を基に複雑な加工物形状を簡便に定義することができ
る。たとえば第13図に示す加工物形状20の場合、二次元
形状要素である長方形を４個、Ｒ付台形を２個用い、形
状要素毎に大きさの指定をしてそれぞれを組合わせる事
によって目的の加工物形状を定義することができる。
（発明が解決しようとする課題） 上述した従来の砥石形状定義装置５は自動プログラミ
ング装置等が有する加工物形状の定義機能を持っていな
い。これらは加工図面には砥石形状寸法等が記載されて
おらず、加工物形状定義方法を砥石形状定義にそのまま
では利用できないためである。したがって、実際の研削
加工に使用する砥石形状が砥石基本形状記憶部８に記憶
されていない複雑な形状の場合、その砥石形状を正確に
定義することができない。例えば、第13図に示す加工物
形状20の加工面22を一回のプランジ研削で研削加工を行
う場合（以下、総形プランジと称す）の砥石形状は、第
15図（ａ）に示すような複雑な形状40となり、従来の砥
石形状定義装置５では第14図（ａ）に示すプレーンタイ
プ砥石31を仮に選択して砥石形状と定義している。
そして、研削盤用NC装置15において総形プランジの研
削加工シミュレーションを行うと、第15図（ｂ）に示す
様に砥石と加工物が衝突したかの様に表示され、干渉チ
ェック機能などの加工シミュレーションの有効性が半減
してしまうという欠点があった。
また、自動プログラミング装置14においては、シング
ルポイントダイヤモンドを使用したドレス用パートプロ
グラム作成に自動プログラミング機能を用いることが出
来ないので、オペレータ自身が加工図面を参照しながら
ドレス用パートプログラム作成を行わねばならず、プロ
グラムミスも発生し易く、多大な時間を要するという問
題があった。
本発明は上述の様な事情からなされたものであり、本
発明の目的は、複雑な形状を有する砥石形状の定義を容
易に行うことが可能な砥石形状定義装置を提供する事に
ある。
（課題を解決するための手段） 本発明は、加工物を研削する砥石車の砥石軸線を含む
砥石断面形状を定義する砥石形状定義装置に関するもの
であり、本発明の上記目的は、研削加工の最終形状であ
る加工物断面形状を記憶する記憶手段を備え、予め記憶
されている代表的な砥石形状を単純２次元形状として定
型化した複数種類の砥石基本形状の中から選択した砥石
基本形状を前記第１の記憶手段から読出した加工物形状
に重ね合わせ、そのときの重複形状を当該砥石基本形状
から除いた形状を砥石形状として定義することによって
達成される。
（作用） 本発明にあっては、既に定義された加工物形状と砥石
基本形状との重複形状を利用して砥石形状を定義するよ
うにしているので、複雑な形状を有する砥石車であって
も簡単に、かつ正確に砥石形状定義を行うことが可能に
なる。又、本発明の砥石形状定義装置によって定義され
た砥石形状を基にすることにより、研削盤用NC装置にお
いては忠実な研削加工シミュレーションが可能になり、
自動プログラミング装置においては正確なドレス用パー
トプログラム作成を行う事が可能となる。
（実施例） 第１図は本発明の砥石形状定義装置の一例を第10図に
対応させて示すブロック図であり、新たに重ね合わせ位
置記憶部10と加工物形状記憶部６と砥石形状定義制御部
12が追加されている。
オペレータによるキーボード２からの各種入力や操作
指示SBが入力制御部４に入力されて解析され、砥石基本
形状選択指令SM及び砥石形状定義指令SCに分類されて砥
石基本形状選択部13及び砥石形状定義制御部12に送出さ
れる。砥石基本形状選択部13により砥石基本形状選択指
令SMに従った砥石基本形状SIが砥石基本形状記憶部８か
ら選択され、砥石形状定義制御部12に送出される。そし
て、砥石形状定義制御部12により砥石形状定義指令SCに
従った加工物形状SNが加工物形状記憶部６から読出さ
れ、その加工物形状SNと砥石基本形状SIとの重ね合わせ
位置SJが重ね合わせ位置記憶部10に書込まれる。さら
に、砥石形状定義指令SCの中に加工物形状SNと砥石基本
形状SIとの重ね合わせによる重複形状の修正指令が有れ
ば、重複形状の修正が行われる。以上の砥石形状定義指
令の解析により、砥石形状SLが生成されて加工シミュレ
ーション表示部又はパートプログラム作成部に送出さ
れ、また加工物形状SNと砥石基本形状SIとをCRT1に表示
させるための表示制御指令SEが生成されて表示制御部７
に送出される。
そして、表示制御指令SEは表示制御部７で表示出力指
令SAに変換されてCRT1に送出され、加工物形状SNと砥石
基本形状SIとが画面表示されるようになっている。
又、このような構成の砥石形状定義装置５′を有する
自動プログラミング装置及び研削盤用NC装置は、従来技
術と同様にそれぞれパートプログラム作成部及び加工シ
ミュレーション表示部を備え、砥石形状定義装置５′に
より定義された砥石形状SLを基にして、それぞれドレス
用パートプログラム作成及び研削加工シミュレーション
が行われるようになっている。
上述の様に構成された砥石形状定義装置５′の主要部
である砥石形状定義制御部12の動作例を第２図のフロー
チャートを基に説明する。
先ず、加工物形状記憶部６から例えば第13図に示す加
工物形状20を読出し（ステップS1）、この加工物形状20
の寸法から適正な表示スケールを演算して求める（ステ
ップS2）。求めたスケールに合うように加工物形状20を
拡大・縮小し、その表示制御指令を表示制御部７へ送出
し、加工物形状20を例えば第３図（ａ）に示すようにCR
T1に表示させる（ステップS3）。ここで、オペレータに
より「形状コード」欄に各砥石基本形状に付与されたコ
ード番号（この例では“1"）を入力する操作が行われ
（ステップS4,S5）、さらに「位置X,位置Ｚ」に加工物
形状20の基準位置21に対する砥石基本形状の基準位置34
の相対位置（この例では“x,z"）を入力する操作が行わ
れたならば（ステップS6,S7）、形状コード“1"により
選択された砥石基本形状31を読出し（ステップS8）、相
対位置“x,z"により決まる重ね合わせ位置に加工物形状
20と砥石基本形状31とを重ね合わせた場合の形状が表示
できるスケールを演算して求める（ステップS9）。求め
たスケールに合うように砥石基本形状31を拡大・縮小
し、その表示制御指令を表示制御部７へ送出し、第３図
（ｂ）に示す様にしてCRT1に表示させる（ステップS1
0）。そして、加工物形状20と砥石基本形状31と重ね合
わせ位置とから重複形状（第３図斜線部）50を第４図に
示す形状要素51,52,53,54の単位に分類して求める（ス
テップS11）。次に、重複形状50の寸法の修正の有無を
示す入力により（ステップS12）、修正が無い場合には
ステップS18に進み、修正が有る場合にはステップS14に
進む（ステップS13）。この例ではオペレータにより
「修正有無」欄に“1"が入力されるので重複形状50の寸
法の修正が有りとなり、第５図に示す様に形状要素51が
強調表示された重複形状50及び形状要素51の寸法a,w,h
を砥石基本形状の基準位置34と共に表示させる（ステッ
プS14）。なお、操作盤３により強調させる形状要素を
選択することができる。
そして、オペレータにより例えばの形状要素51の
「幅」を“w"から“w1"に、「左端面位置」を“a"から
“0"に修正する入力操作が行われたならば（ステップS1
5）、形状要素51を第６図に示す形状要素55に修正し、
修正された重複形状50′を第３図（ｃ）に示す様に砥石
基本形状31及び加工物形状20と共に表示させる（ステッ
プS17）。
そして、第７図（ａ）に示すように重複形状50′を砥
石軸線35に対して線対称の位置に配置した形状である対
称形状56を求め（ステップS18）、その形状56と重複形
状50′とを同図（ｂ）に示す砥石基本形状31から除いた
同図（ｃ）に示す砥石形状36を演算によって求め（ステ
ップS19）、全ての処理を終了する。
第８図は上述した砥石形状定義装置５′を有する研削
盤用NC装置における総形プランジの研削加工シミュレー
ションを行う場合の画面表示例であり、砥石形状定義装
置５′によって定義された実際の研削に使用される砥石
の形状と相似である砥石形状が表示されている。
第９図は上述した砥石形状定義装置５′を有する自動
プログラミング装置14が作成した砥石40をシングルポイ
ントダイヤモンド60を用いてドレッシングする場合のド
レス用パートプログラム例である。ドレス用パートプロ
グラム原点61を基準とした砥石形状寸法w1、w2、w3、w
4、w5、h1、h2及びR1、R2を基に、パートプログラム作
成部にてシングルポイントダイヤモンド60による砥石40
上を倣う手順が解析され、このドレス用パートプログラ
ムが作成される。
（発明の効果） 以上の様に本発明の砥石形状定義装置によれば、複雑
な形状を有する砥石車の正確な砥石形状定義を自動的に
行うことができるので、オペレータの負担を軽減させる
ことができる。又、本発明装置が適用された研削盤用NC
装置においては実際の研削に使用している砥石と相似形
状で砥石加工シミュレーションを行うことができるの
で、干渉チェック等の機能を有効に利用でき、本発明装
置が適用された自動プログラミング装置においては実際
の研削に使用する砥石のドレス用パートプログラムを自
動的に作成することができるので、プログラム作成の手
間と時間を大幅に省くことができる。
【図面の簡単な説明】
第１図は本発明の砥石形状定義装置の一例を示すブロッ
ク図、第２図はその主要部の動作例を説明するフローチ
ャート、第３図〜第７図は本発明の砥石形状定義装置の
動作手順を説明するための図、第８図は本発明の砥石形
状定義装置を有する研削盤用NC装置の加工シミュレーシ
ョン表示例を示す図、第９図は本発明の砥石形状定義装
置を有する自動プログラミング装置のドレス用パートプ
ログラム作成を説明するための図、第10図は従来の砥石
形状定義装置の一例を示すブロック図、第11図及び第12
図は従来装置を有する自動プログラミング装置及び研削
盤用NC装置の一例を示すブロック図、第13図は加工物形
状の一例を示す図、第14図は砥石基本形状の例を示す
図、第15図は従来装置の課題を説明するための図であ
る。 １……CRT、２……キーボード、３……操作盤、４……
入力制御部、5,5′……砥石形状定義装置、６……加工
物形状記憶部、７……表示制御部、８……砥石基本形状
記憶部、９……パートプログラム作成部、10……重ね合
わせ位置記憶部、11……加工シミュレーション表示部、
12……砥石形状定義制御部、13……砥石基本形状選択
部、14……自動プログラミング装置、15……研削盤用NC
装置。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】加工物を研削する砥石車の砥石軸線を含む
    砥石断面形状を定義する砥石形状定義装置において、研
    削加工の最終形状である加工物断面形状を記憶する記憶
    手段を備え、予め記憶されている代表的な砥石形状を単
    純２次元形状として定型化した複数種類の砥石基本形状
    の中から選択した砥石基本形状を前記第１の記憶手段か
    ら読出した加工物形状に重ね合わせ、そのときの重複形
    状を当該砥石基本形状から除いた形状を砥石形状として
    定義するようにしたことを特徴とする砥石形状定義装
    置。
  2. 【請求項２】前記重複形状の寸法を外部からの指令によ
    って修正することができるようにした請求項１に記載の
    砥石形状定義装置。
  3. 【請求項３】前記重複形状を砥石軸線に対して線対称の
    位置に配置した形状である対称形状と当該重複形状とを
    前記砥石基本形状から除いた形状を砥石形状として定義
    するようにした請求項１又は２に記載の砥石形状定義装
    置。
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