JP2580656B2 - 口腔用組成物 - Google Patents

口腔用組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は口臭予防効果に優れた口腔用組成物に関す
る。
従来の技術及び発明が解決しようとする問題点 従来、歯磨等の口腔用組成物に口臭防止効果を付与す
るため、ローズマリー等のシソ科植物の溶媒抽出物を配
合することが知られている(特開昭59−5110号公報)。
しかし、かかる植物抽出物の配合は口腔用組成物を着色
させる場合があり、組成物の外観を損なうことがある
上、口臭防止効果も十分とはいい難い。
一方、グルコン酸銅、クエン酸銅等の銅化合物に口臭
除去効果があることも知られており、銅化合物を配合し
た口腔用組成物も種々提案されている(米国特許第3,04
4,939号、同第3,565,933号、同第3,655,868号、同第4,1
12,066号、特開昭56−169619号、同第56−169620号、同
第61−37720号、同第61−143317号、同第62−142109号
公報)。
しかしながら、本発明者らの検討によると、これらの
銅化合物は他の配合成分の影響を受け易く、例えば歯磨
を調製する場合、米国特許第3,044,939号では研磨剤と
してリン酸水素カルシウムや炭酸カルシウムを使用して
いるが、これらの金属塩研磨剤を使用した場合、銅塩の
効果が十分発揮されないものである。また、特開昭56−
169619号では、歯垢の形成を防止する目的で比表面積が
約150〜800m2/gのシリカゲルを銅塩と併用することが記
載されているが、シルカゲルの使用、特に比表面積が上
記のように大きいシリカゲルの使用は口臭除去効果に不
利に働き、十分な口臭除去効果が得られないことがわか
った。
この場合、銅化合物の配合量を多くすれば、ある程度
の口臭除去効果は発揮されるが、銅化合物を多量に配合
すると、銅化合物に由来する収れん性が生じ、使用感が
低下する問題がある。
問題点を解決するための手段及び作用 本発明者らは、上記事情に鑑み、特に歯磨を製造する
場合に銅化合物の口臭除去効果を阻害することがない研
磨剤につき更に検討を進めた結果、グルコン酸銅及び/
又はクエン酸銅を配合した歯磨組成物において、研磨剤
として沈降性無水ケイ素や沈降性ケイ酸素を使用した場
合、特に比表面積(N2を用いたBET法)が120m2/g以下の
ものを用いた場合、上記銅化合物の使用量が少なくとも
優れた口臭防止効果が発揮されることを知見し、本発明
をなすに至った。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の口腔用組成物は、上述したように、グルコン
酸銅及び/又はクエン酸銅と、沈降性無水ケイ酸及び沈
降性ケイ酸塩の1種又は2種以上とを併用してなるもの
である。
ここで、沈降性無水ケイ酸、沈降性ケイ酸塩として
は、公知の方法によって得られるいずれのものも好適に
使用することができるが、特に比表面積(N2によるBET
法)が120m2/g以下、より望ましくは80m2/g以下のもの
を用いることが好ましい。
なお、沈降性無水ケイ酸としては、SIDENT12(DEGU
SSA社製)等が例示される。また、沈降性ケイ酸塩とし
ては、沈降性のアルミノケイ酸塩、ジルコノケイ酸塩、
ホウケイ酸塩、カルシウムケイ酸塩、マグネシウムケイ
酸塩などが挙げられる。この場合、これらの多価金属の
ケイ酸塩中での含有量は20重量%以下、特に10重量%以
下とすることが好ましい。
上記沈降性無水ケイ酸及び沈降性ケイ酸塩の配合量は
特に限定されないが、通常組成物全体の5〜50%(重量
%、以下同じ)、特に8〜35%である。
なお、上記銅化合物の配合量は組成物全体の0.00001
〜2%、特に0.001〜0.5%とすることが好ましい。
本発明に係る口腔用組成物は、練歯磨、潤製歯磨等の
歯磨類などとして調製し得るが、この場合口腔用組成物
の他の成分としては、その目的等により通常使用される
適宜な成分を配合することができる。例えば練歯磨の場
合であれば、粘結剤、保湿剤、界面活性剤、甘味剤、香
料、防腐剤、各種有効成分などが配合され得る。
この場合、上記沈降性無水ケイ酸、沈降性ケイ酸塩に
加え、本発明の効果を損なわない範囲で他の研磨剤を併
用することは差支えない。
発明の効果 本発明の口腔用組成物は、優れた口臭除去効果を有す
るものであり、また銅化合物を消臭有効成分として用い
ているので、組成物を着色することがなく、しかも銅化
合物の使用量が少なくとも良好な口臭除去効果を発揮す
るので、銅化合物に由来する収れん味を生じさせること
なく使用感に優れた口腔用組成物を調製し得る。
次に、実施例を示し、本発明の効果を具体的に説明す
る。
〔実施例〕
第1表に示す組成の練歯磨を調製し、外観と消臭力を
調べた。結果を第1表に示す。なお、消臭力は下記方法
により測定した。
消臭力測定方法 内容量15mlの試験管に歯磨1gを入れ、更に0.1Mリン酸
緩衝溶液を加えてpHを7.5に調整した。これにメチルメ
ルカプタン1μg/mlを含む10容量%エタノール水溶液0.
5ml(メチルメルカプタン0.5μg)を添加し、直ちにゴ
ム栓をして1分間激しく撹拌した。その後、37℃で6分
間静置したのち、ガスクロマトグラフ用シリンジにて5m
lの空気をゴム栓を突き刺して試験管内に注入した。30
秒間激しく撹拌した後、同じくガス用シリンジでヘッド
スペースから気体を5ml採取して直ちにガスクロマトグ
ラフに注入し、メチルメルカプタンの積分カウントを測
定して、下記式から消臭率を求めた。なおガスクロマト
グラフとしては日立製作所製163を使用した。
C:コントロール(水)の積分カウント S:サンプルの積分カウント 第1表の結果より、沈降性無水ケイ酸や沈降性ケイ酸
塩をグルコン酸銅やクエン酸銅と併用した場合、優れた
消臭効果を与えることが確認された。
以下に実施例を示して本発明の具体的に説明するが、
本発明では下記実施例に制限されるものではない。
なお、以下に示す%は全て重量%を表す。
〔実施例〕
グルコン酸銅 0.008% 沈降性無水ケイ酸(比表面積65m2/g) 30.0 プロピレングリコール 3.0 ソルビット液(60%) 35.0 グリセリン 5.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.8 カラギーナン 0.3 サッカリンナトリウム 0.1 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 パラオキシ安息香酸メチル 0.02 香料 1.0 精製水 残 計 100.0% 〔実施例2〕 クエン酸銅 0.03% 沈降性ジルコノケイ酸塩(比表面積20m2/g) 25.0 ポリエチレングリコール400 4.0 ソルビット液(60%) 60.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.5 ポリアクリル酸ナトリウム 0.5 グリチルリチン酸ジカリウム0.05 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 パラオキシ安息香酸ブチル 0.01 香料 1.0 精製水 残 計 100.0% 〔実施例3〕 グルコン酸銅 0.005% 沈降性アルミノケイ酸塩(比表面積80m2/g) 35.0 プロピレングリコール 2.0 ソルビット液(60%) 40.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.8 アルギン酸ナトリウム 0.4 サッカリンナトリウム 0.1 ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 N−ラウロイルサルコシンナトリウム 0.3 安息香酸ナトリウム 0.1 パリオキシ安息香酸ブチル 0.01 香料 1.0 デキストラナーゼ 5000u/g 精製水 残 計 100.0% 〔実施例4〕 クエン酸銅 0.02% 沈降性ケイ酸マグネシウム(比表面積50m2/g) 30.0 ポリエチレングリコール400 3.0 ソルビット液(60%) 45.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.2 サッカリンナトリウム 0.1 ウラリル硫酸ナトリウム 1.2 パラオキシ安息香酸メチル 0.02 パラオキシ安息香酸ブチル 0.01 香料 1.0 精製水 残 計 100.0% 〔実施例5〕 クエン酸銅 0.05% 沈降性無水ケイ酸(比表面積50m2/g) 25.0 酸化アルミニウム 1.0 プロピレングリコール 2.5 ソルビット液(60%) 25.0 グリセリン 15.0 ポリアクリル酸ナトリウム 0.5 キサンタンガム 0.5 サッカリンナトリウム 0.05 グリチルリチン酸ジカリウム 0.05 ショ糖ラウリン酸エステル 1.0 パラオキシ安息香酸メチル 0.02 香料 1.0 トラネキサム酸 0.05 精製水 残 計 100.0% 〔実施例6〕 グレコン酸銅 0.1% 沈降性ジルコノケイ酸塩(比表面積65m2/g) 15.0 火成性無水ケイ酸 2.5 ポリエチレングリコール400 5.0 ソルビット液(60%) 65.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.2 サッカリンナトリウム 0.1 ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 N−ラウロイルサルコシンナトリウム 0.3 ラウリン酸ジエタノールアミド 0.3 パラオキシ安息香酸ブチル 0.01 香料 1.0 アラントインクロルヒドロキシアルミニウム 0.1 精製水 残 計 100.0% 〔実施例7〕 グルコン酸銅 0.007% クエン酸銅 0.008 沈降性アルミノケイ酸塩(比表面積20m2/g) 20.0 火成性無水ケイ酸 2.0 酸化チタン 0.2 ポリエチレングリコール400 4.0 ソルビット液(60%) 50.0 カラギーナン 0.5 アルギン酸ナトリウム 0.5 サッカリンナトリウム 0.1 ラウリル硫酸ナトリウム 1.2 ラウリン酸ジエタノールアミド 0.5 パラオキシ安息香酸メチル 0.02 パラオキシ安息香酸ブチル 0.01 香料 1.0 酢酸dl−α−トコフェロール 0.1 精製水 残 計 100.0% 〔実施例8〕 グルコン酸銅 0.02% クエン酸銅 0.03 沈降性無水ケイ酸(比表面積80m2/g) 35.0 プロピレングリコール 2.0 ソルビット液(60%) 30.0 ポリアクリル酸ナトリウム 1.2 サッカリンナトリウム 0.1 ラウリン酸ジエタノールアミド 0.5 ショ糖ラウリン酸エステル 0.5 安息香酸ナトリウム 0.1 パラオキシ安息香酸メチル 0.01 香料 1.0 β−グリチルリチン酸 0.01 精製水 残 計 100.0%

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グルコン酸銅及び/又はクエン酸銅と、N2
    を使用したBET法による比表面積が120m2/g以下の沈降性
    無水ケイ酸及び沈降性ケイ酸塩の1種又は2種以上とを
    併用してなることを特徴とする口腔用組成物。
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