JP2580212B2 - ウエーハの枚葉化装置 - Google Patents

ウエーハの枚葉化装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、半導体基板の製造工程において、ウエー
ハを1枚ずつ切り離しウエーハケース外へ取り出すウエ
ーハの枚葉化装置に関する。
(従来の技術) スライスされ当て板のついたウエーハは、剥離洗浄さ
れて後、ウエーハカセットに装入されるが、これら作業
のうち、洗浄後のウエーハをウエーハカセットに装入す
る作業は、従来、作業者が重り合っているウエーハを手
で1枚ずつ剥しウエーハカセットに装入する如く行なわ
れていた。
(発明が解決しようとする課題) しかし、重った状態のウエーハを空気中で一枚ずつ剥
そうとすると、それ迄液体中に浸されていて濡れた状態
にある重り状ウエーハの相互間に液膜の表面張力及び負
圧力が働いて、剥離するのが極めて難しい。また、人力
に依ればウエーハ同士を剥す際に無理な力が掛ってウエ
ーハの外周部にチッピング等を生ぜしめることがあり、
更にまた、上記従来のウエーハカセットへの装入作業が
単純な繰返し作業であって作業者の負担が大きいという
問題もあった。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記問題点を解決するウエーハ枚葉化装置
を提供する目的でなされ、下記技術手段を採用してい
る。
すなわち、本発明に係るウエーハの枚葉化装置は、ウ
エーハを1枚ずつ切り離しウエーハケース外へ取り出す
ウエーハの枚葉化装置であって、ウエーハケース中に存
在するウエーハの傾斜角度に対応して上下及び左右の方
向に移動可能に設けられたウエーハ保持部材と、前記ウ
エーハ保持部材に対向して設置されると共に該ウエーハ
保持部材と同行移動可能に設けられたスクレーパとを備
えて構成した。
なお、ウエーハ保持部材の上下及び左右方向の移動機
構は、適宜従来公知の移動機構を置換使用し得るもので
あり、またスクレーパは、ウエーハ保持部材と同一の取
付材に装着する外、他の固定部材、例えばウエーハケー
ス等に装着することもできる。
(作用) 本発明装置は、重り状に配置されたウエーハに対して
用いられるものである。
すなわち、ウエーハケース受台に重り状のウエーハを
載置しておき、ここで、保持部材にウエーハに対応した
傾斜角度を持たせると共に、該保持部材を上下、左右に
移動させて、該保持部材にて最外に存するウエーハの表
面を保持させて上方へとウエーハを引き上げるのであ
り、この際、保持部材に支持されている最外のウエーハ
に付着して同行する2枚目以降のウエーハは、引上げ方
向上方に待機しているスクレーパによって通路を妨害さ
れ、下方へ掻き落されてウエーハケース受台に戻るので
あり、この結果、保持部材によって保持されている最外
のウエーハのみが取り出されることになる。
そして上記操作において、スクレーパの下縁を空気中
に位置付けておいてもよいが液体中に存せしめておけ
ば、液体中にて枚葉化が行なわれることになり、ウエー
ハ間の表面張力や負圧力が無くなり、剥離性が良くなっ
てウエーハ外周部のチッピング等が生じにくい。いずれ
にしても、人手に依らず機械的に枚葉化が行われるた
め、ウエーハに均一に負荷がかかり、ウエーハに破損を
生じることなく作業がスムーズに行われる。
(実施例) 以下、本発明を例示図面に基いて更に詳述する。
第1図は本発明に係る枚葉化装置の一実施例を示す正
面図、第2図は同右側面図、第3図は第1図におけるA
−A断面図、第4図(a)〜(c)はそれぞれ洗浄ケー
スの平面図、正面図、右側面図であり、第5図は使用状
態を示す正面図、第6図(a)〜(d)は枚葉化装置の
作動状態説明図である。
本発明に係る枚葉化装置は、概ね、ウエーハ保持部材
1とスクレーパ2とからなる。そして図示実施例では、
ウエーハ保持部材1とスクレーパ2とが、直角ブラケッ
ト形状の連結材3で一体になされたものを示している。
まずウエーハ保持部材1について説明する。
ウエーハ保持部材1は、実施例では吸着作用をなす部
材を用いている。すなわち、吸引管4の一端にパッド取
付金具5によって吸着パッドを取付け、吸引管4の他端
に吸着用ホース7を接続した構成とされ、上記吸引管4
は、垂直バー8の下部に、水平方向に摺動可能として支
持されており、更に、ブッシュ9を介して垂直バー8と
吸着パッド6との間に圧縮スプリング10を介在させ、以
って吸着パッド6が常時水平方向の一方(第1図におけ
る右側、以下同じ)に突出付勢された状態となしてあ
る。
そして上記実施例装置におけるウエーハ保持部材1は
ウエーハ11の有無を検出する機能を有するものとしてあ
る。
すなわち上記吸引管4の上面にウエーハ有無検出用バ
ー12を立設固定すると共に、垂直バー8の一側で且つ上
記ウエーハ有無検出用バー12の上方位置に、ウエーハ有
無検出用バー12の位置を検出するウエーハ有無検出用ス
イッチ13を設けている。このようにウエーハ有無検出用
バー12及びウエーハ有無検出用スイッチ13を吸引管4の
上方に設けた理由は、本発明装置が空気中は勿論、液体
中において使用されても実施できるという特殊性に基く
もので、具体的には、腐蝕等液体が付着することによる
問題点発生を未然に防止せんという考慮に基く。
そして上記ウエーハ保持部材1は上下方向に移動可能
な構成とされている。
すなわち、吸着管4を支持する垂直バー8の上部にシ
リンダ14が装着され、該シリンダ14が、略垂直方向に伸
びたシリンダケース15の案内軸16に沿って上下動するこ
とにより、ウエーハ保持部材1が垂直バー8と共に上下
動する構成とされている。17は、シリンダ14の移動量を
調整する調節ボルトである。
上記シリンダケース15の右側には、スクレーパ2をウ
エーハ保持部材1に一体として取り付けるべく、直角ブ
ラケット形状の連結材3を固着している。なお、18は連
結材3の補強杆を示す。従ってスクレーパ2はウエーハ
保持部材1と共に上下動することはないが、後述する構
成によってウエーハ保持部材1と共に水平方向に移動
し、且つ傾斜角度を可変する。
ここで、連結材3に対するスクレーパ2の取り付け構
造について説明する。
連結材3の右端部に、スクレーパ取り付け用ブラケッ
ト19が固着され、該スクレーパ取り付け用ブラケット19
に対し、スクレーパ2が上下動操作可能として間接的に
取り付けられている。
具体的には、上記スクレーパ取り付け用ブラケット19
に対し、シリンダケース20を垂下状として固着してお
り、該シリンダケース20の上下方向に伸びた案内杆21に
シリンダ22を係合し、該シリンダ22に一体固着された支
杆23を更に下方へ伸ばして設け、該支杆23の下端にスク
レーパ2のホルダー24を固着している。上記ホルダー24
の保持構造は、ブロック24aと座板24b間にスクレーパ2
を挾み込み、ボルト(図示せず)をスクレーパ2に形成
した長孔(図示せず)に押し込んで調整可能に締付固定
した構成を採っており、スクレーパ2はウエーハ11の厚
みのバラツキに対応できるよう弾性材で形成されてい
る。従ってスクレーパ2はウエーハ保持部材1とは無関
係にシリンダ22により上下動操作されることになる。
上記ウエーハ保持部材1及びスクレーパ2は一体とし
て水平方向に移動操作される構成となっている。
すなわち、固定部材たるベース板25にシリンダ摺動板
26を取り付け、該シリンダ摺動板26に水平方向に移動可
能としてシリンダ27を装着し、このシリンダ27から左側
に固定杆27aを突設すると共に他方上記シリンダケース1
5から連結杆15aを突設し、上記固定杆27aと連結杆15aを
枢着すると共に連結ロッド28を上記シリンダ29とシリン
ダケース15との間に掛け渡し、以って、上記シリンダ27
がシリンダ摺動板26に対して移動することにより、ウエ
ーハ保持部材1がスクレーパ2に一体となって水平方向
に移動する構成としてある。
更に上記ウエーハ保持部材1及びスクレーパ2は一体
として、ベース板25に対し傾斜角度を変え得る構成とさ
れている。
すなわち上記連結ロッド28をシリンダ29の伸縮ロッド
となして、該連結ロッド28の先端部(左側端部)をシリ
ンダケース15から右側に突設した突杆30に枢着すると共
に、シリンダ29を上記水平方向移動用のシリンダ27に枢
着している。31は連結ロッド28の伸縮量調整ボルトを示
す。従って、シリンダ29を作動して連結ロッド28を伸縮
動作させると、固定杆27aと連結杆15aとの枢支点32を中
心として連結杆15aが回転され、この結果ウエーハ保持
部材1及びスクレーパ2の垂下角度が変ることになるの
である。
上記実施例装置は、第5図に示すように、液体33中に
ウエーハ11を傾斜せしめて配置しておき、ウエーハ保持
部材1を液体33中に浸して吸着を行い、スクレーパ2も
液体33中に配して、液体33中でその機能(掻落し機能)
を発揮させる如く使用する。
ここで、34は、ウエーハ11を重なり状として収めるウ
エーハケースであって、該ウエーハケース34は、第4図
(a)〜(c)に示すように、上下面開口の角筒状とな
され、その底面近傍に2本のウエーハ支持バー35を掛渡
し状に備えており、正面壁(第5図における左側壁)に
は吸着パッド6を挿入するための挿入口36が形成され、
他方、背面壁(第5図における右側壁)には、開口37が
形成されている。この開口37は、後に詳述するように、
ウエーハ有無検出に際し、ウエーハケース34にウエーハ
11がない場合に、吸着パッド6が該開口を貫通すべく設
けてある。ここに開口37を設けないと、吸着パッド6が
ウエーハケース34の背面壁に当接して、そこにウエーハ
が存在すると誤って判断してしまうからである。なお、
上記支持バー35は、カケ、ワレ等のウエーハ11が下方へ
落されるよう、実施例の如く必要最少限の2本とするの
が好ましい。
上記ウエーハケース34は、配設角度調整可能なケース
ホルダ38によって、液体33中で支持される。
すなわち、ケースホルダ38の背面に上下2本の支持ア
ーム39,40を固着し、液体33中に配設される大重量物の
支持体41の正面側下部に連結杆42を突設して該連結杆42
に下側の支持アーム40を枢着し(枢支点を符号43で示
す)、更に支持体41の側壁44に形成した円弧溝孔45にボ
ルトナット46を用いて上記上側の支持アーム39端を固着
する構成としてある。従ってケースホルダ38の傾斜角
度、換言すればウエーハケース34の傾斜角度を変えたい
場合には、まずボルト・ナット46を緩めて、ケースホル
ダ38を枢支点43を中心にして回動せしめ、ケースホルダ
38が望む傾斜角度となったときに上記ボルト・ナットを
締め、所定の傾斜角度を保持させる。
次に本発明装置の使用の態様について具体的に説明す
る。
まず、準備作業であるが、上述の如くボルト・ナット
46を締緩操作してケースホルダ38の傾斜角度を決め、液
体33中に存する該ケースホルダ38の所定位置に、複数枚
のウエーハ11を収めたウエーハケース34を載置する。こ
の場合、各ウエーハ11のオリエンテーションフラットの
向きは必ずしも一定でなくてよい。
そして、連結ロッド28の収縮時に、吸着パッド6の吸
着面がウエーハケース36の正面(第5図における左側
面)壁と平行になるよう、伸縮量調整ボルトの突出量を
調整しておく。
ここで説明の都合上、ウエーハ保持部材1用のシリン
ダ14及びスクレーパ2用のシリンダ22が上昇端に存し、
水平方向移動用のシリンダ27が左限に存し、且つ連結ロ
ッド28が収縮した状態を出発点として以下説明する。
まずウエーハ保持部材1用のシリンダ14及びスクレー
パ2用のシリンダ22それぞれを順次降下させ、その後、
水平方向移動用のシリンダ27を右方向に移動させて第6
図(a)に示す状態となす。
上記第6図(a)は、吸着パッド6が最外のウエーハ
11面に押し当てられた時点の状態を示し、ここで圧縮ス
プリング10が更に収縮され、ブッシュ9を介して吸引管
4が垂直バー8の左側(ウエーハケース34と反対の側)
に相対的に移動する。従って、この際吸引管4に取り付
けられたウエーハ有無検出用バー12の上部をウエーハ有
無検出用スイッチ13で検出し、液面上においてウエーハ
11の有無を間接的に検知できる。なお、最外に存するウ
エーハ11とそれに続くウエーハ11との間に存する面ズレ
は、吸着パッド6の押し付け時に起きるものであり、ウ
エーハケース34内での剥離性を良くしている。つまり吸
着パッドに押し付けられた最外ウエーハ11は、吸着パッ
ド6と最外ウエーハ11の摩擦抵抗が、最外ウエーハ11と
それに続く2枚目以降のウエーハ11よりも大きいため、
最外ウエーハ11は吸着パッド6と同じ水平方向に移動し
ようとし、2枚目以降のウエーハ11はウエーハ支持バー
35に沿って移動するため、吸着パッド6を最外ウエーハ
11に押し付けた時、2枚目以降のウエーハとの間に面ズ
レを生ずる。上記説明した第6図(a)の状態において
ウエーハ11をバキュームチャックする。
バキュームチャック後、第6図(b)に示すように、
水平方向移動用のシリンダ27を左限側に移動させる。
この操作によって圧縮スプリング10が再び伸び、吸着
パッド6の吸着面とスクレーパ2の先端部の間隔が所定
値に、すなわちウエーハ11の厚さに等しく設定される。
従って、この状態(第6図(b)の状態)下にウエー
ハ保持部材1用のシリンダ14を上昇せしめれば該シリン
ダ14に垂直バー8を介して一体とされているウエーハ保
持部材1が上昇し、この時に第6図(c)に示すよう
に、最外のウエーハ11に付着して同行する2枚目以降の
ウエーハ11がスクレーパ2の先端部で掻き落され、第6
図(d)に示すように、1枚のウエーハ11のみがウエー
ハ保持部材1に吸着された状態となる。すなわち枚葉化
される。上記したように第6図(b)及び(c)におけ
る吸着パッド6とスクレーパ2との間隔をウエーハ11の
厚みに設定する必要はあるが、実施例の構成では、スク
レーパ2を弾性材で形成していて、多少の間隔誤差は許
容でき、また、ウエーハ11の厚みのバラツキに対応でき
る。
最後にスクレーパ2用のシリンダ22を上昇させ、バキ
ュームチャックをOFFすればウエーハ11を取り出すこと
が出来、ここに取り出されたウエーハ11は、図示しない
ウエーハカセットに収納される。
上述の例示図面では、スクレーパ取り付け用ブラケッ
ト19を鋭角ブラケットとしているが、このように構成す
ることにより、スクレーパ2用のシリンダ22が上昇した
際、該シリンダ22とウエーハ保持部材1用シリンダ14と
の間隔を広く設定することが出来、上昇端に位置してい
る吸着パッド6とスクレーパ2との干渉が防止される。
このような操作を繰り返して液面下に存するウエーハ
ケース34内のウエーハを1枚ずつ取り出し、取り出すべ
きウエーハ11がウエーハケース34内に無くなると、吸着
パッド6が右限へ移動されても接触すべきウエーハ11が
なく、従って、吸引管4が換言すればウエーハ有無検出
用バー12が垂直バー8の左側へ相対移動せず、ウエーハ
有無検出用スイッチ13が働かない状態となって、ここに
1ロットの枚葉化作業が終る。
上記実施例ではスクレーパ2をウエーハ保持部材1に
一体化した構成としているが、ケースホルダ38に対する
ウエーハケース34の挿入装置に支障が無ければケースホ
ルダ38側に装着してもよい。更に上記実施例ではスクレ
ーパ2を上下動させる構成としているが、該スクレーパ
2の設定位置が吸着パッド6の吸着面との間に一定の間
隔を調整できる構成であれば十分であり、例えば下方の
位置に固定された構成とすることもできる。
また、上記実施例では、各動作をシリンダで行わせる
構成としているが、勿論、モータとボールネジを連結し
た駆動構成など、任意の手段を採ることができる。
なお、実施例において、スクレーパの位置を液体中と
して説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
い。液面上にスクレーパを位置させても、枚葉化がスム
ーズに行われていることを確認している。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明に依れば、ウエーハを自
動的に枚葉化して取り出すことができ、ウエーハにかか
る負荷が一定してチッピング等が発生せず、作業性、歩
留り向上の両面において著しい効果を奏し、殊に、液体
中に使用してより一層の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る枚葉化装置の一実施例を示す正面
図、第2図は同右側面図、第3図は第1図におけるA−
A断面図、第4図(a)〜(c)はそれぞれ洗浄ケース
の平面図、正面図、右側面図であり、第5図は使用状態
を示す正面図、第6図(a)〜(d)は枚葉化装置の作
動状態説明図である。 1……ウエーハ保持部材 2……スクレーパ 14,22,27,29……シリンダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−7645(JP,A) 特開 昭63−60832(JP,A) 特開 昭63−267631(JP,A) 実開 昭62−179246(JP,U) 実開 昭55−86036(JP,U) 実開 昭64−26648(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウエーハを1枚ずつ切り離しウエーハケー
    ス外へ取り出すウエーハの枚葉化装置であって、ウエー
    ハケース中に存在するウエーハの傾斜角度に対応して上
    下及び左右の方向に移動可能に設けられたウエーハ保持
    部材と、前記ウエーハ保持部材に対向して設置されると
    共に該ウエーハ保持部材と同行移動可能に設けられたス
    クレーパとを備えたことを特徴とするウエーハの枚葉化
    装置。
  2. 【請求項2】前記ウエーハケースは液中に設置されると
    共に、前記ウエーハ保持部材及びスクレーパの移動下限
    が液中に及ぶことを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載のウエーハの枚葉化装置。
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