JPH06155189A - 吸着式自動ネジ締着装置における付着物の除去方法および吸着式自動ネジ締着装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルタおよび吸引経路のゴミその他の付着
物を除去して、吸着パイプの吸引力の低下を防止するこ
とにより、製品におけるネジ欠品を防止すること。 【構成】 ネジを搬送ホース１１により搬送するネジ搬
送装置１と、搬送されたネジを吸着する吸着パイプ２
と、吸着パイプ２の上方部に連絡する吸引経路３１を介
して真空発生装置３０により吸着パイプ２内を吸引する
とともに、フィルタ３２を備えた吸引装置３と、吸着パ
イプ２の上方に同軸的に配設され下端に回転可能および
上下動可能に配設したドライバ４１を有する締着装置４
と、切換弁５１により、フィルタ３２および吸引経路３
１に吸引時とは逆方向に圧縮空気源５０の圧縮空気を供
給して、フィルタ３２および吸引経路３１に付着してい
る付着物を除去する除去装置５と、および上記各装置を
支持してネジの各締着部に移動するロボット６とから成
る吸着式自動ネジ締着装置および付着物の除去方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、吸引装置のフィルタお
よび吸引経路における付着物の除去を可能にした吸着式
自動ネジ締着装置における付着物の除去方法および吸着
式自動ネジ締着装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の吸着式自動ネジ締着装置は、ネジ
搬送装置によって搬送されたネジを吸着パイプ内に確実
に供給するため、真空吸引により吸い込ませていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の吸着式自動
ネジ締着装置は、ネジの締着が終了するまでは真空吸引
により吸い込んでいるため、ネジの表面の塗装物や、ネ
ジの締着時に発生する相手部品の切りかすなどのゴミが
フィルタや吸引経路の配管、バルブその他の隙間に付着
し、吸着パイプ先端の吸引力が低下し、ネジが吸着パイ
プ先端より落下し、ワークの所定箇所におけるネジ欠品
となり品質不良が発生するとともに、このような事態を
回避するためにゴミその他の付着物を相当頻度多く除去
する必要があるという問題があった。

【０００４】そこで本発明者は、ネジの締着後、フィル
タおよび吸引経路に吸引時とは逆方向に空気を供給すれ
ばゴミその他の付着物を除去できるのではないかという
本発明の技術的思想に着眼し、更に研究開発を重ねて、
フィルタおよび吸引経路のゴミその他の付着物を除去し
て、吸着パイプの吸引力の低下を防止することにより、
吸着パイプ先端からのネジの落下によるネジ欠品を防止
して製品の品質を向上するという目的を達成する本発明
方法および装置に到達した。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明（請求項１に記載
の第１発明）吸着式自動ネジ締着装置における付着物の
除去方法は、ネジを搬送するネジ搬送装置と、搬送され
たネジを吸着する吸着パイプと、吸着パイプ内に吸着セ
ットするために吸引経路を介して吸着パイプ内を吸引す
るとともにフィルタを備えた吸引装置と、吸着パイプ内
にセットされたネジを上下動するとともに回転するドラ
イバにより締着する締着装置と、から成る吸着式自動ネ
ジ締着装置において、締着装置によるネジの締着終了
後、吸引装置のフィルタに吸引時とは逆方向に空気を供
給し、フィルタおよび吸引経路に付着した付着物を除去
するものである。

【０００６】本発明（請求項２に記載の第２発明）の吸
着式自動ネジ締着装置は、ネジを搬送するネジ搬送装置
と、搬送されたネジを吸着する吸着パイプと、吸着パイ
プ内に吸着セットするために吸引経路を介して吸着パイ
プ内を吸引するとともにフィルタを備えた吸引装置と、
吸着パイプ内にセットされたネジを上下動するとともに
回転するドライバにより締着する締着装置と、締着装置
によりネジの締着終了後、吸引装置のフィルタに吸引時
とは逆方向に空気を供給しフィルタおよび吸引経路の付
着物を除去する除去装置とから成るものである。

【０００７】本発明（請求項３に記載の第３発明）の吸
着式自動ネジ締着装置は、第２発明に対して、吸引装置
とフィルタとの間に切換弁を付加して、真空吸引する吸
引装置と圧縮空気を供給する除去装置との選択的な連絡
を可能にする構成にしたものである。

【０００８】本発明（請求項４に記載の第４発明）の吸
着式自動ネジ締着装置は、第３発明に対して、前記除去
装置によって供給された圧縮空気によってフィルタおよ
び吸引経路に付着していたゴミその他の付着物のうち除
去されたものを吸引する吸引ダクトを付加したものであ
る。

【０００９】

【作用】上記構成より成る第１発明の吸着式自動ネジ締
着装置における付着物の除去方法は、ネジの締着後にフ
ィルタおよび吸引経路に対して吸引時とは逆方向に空気
を供給して、フィルタおよび吸引経路に付着したゴミそ
の他の付着物を除去するものである。

【００１０】上記構成より成る第２発明の吸着式自動ネ
ジ締着装置は、ネジの締着終了後に除去装置によりフィ
ルタおよび吸引経路に対して吸引時とは逆方向に空気を
供給することにより、吸引装置の吸引作用によりフィル
タおよび吸引経路に付着したゴミその他の付着物を除去
するものである。

【００１１】上記構成より成る第３発明の吸着式自動ネ
ジ締着装置は、ネジの締着終了前までは、切換弁を介し
て吸引装置によって吸着パイプから吸引経路およびフィ
ルタへの吸引流を形成し、ネジの締着終了後は切換弁を
介してフィルタから吸引経路および吸着パイプに除去装
置により圧縮空気の吸引時とは逆方向の流れを形成し
て、フィルタおよび吸引経路に付着したゴミその他の付
着物を除去するものである。

【００１２】上記構成より成る第４発明の吸着式自動ネ
ジ締着装置は、除去装置によって形成された圧縮空気の
流れによってフィルタおよび吸引経路に付着していたゴ
ミその他の付着物が除去され、装置外に排出されたもの
を吸引ダクトにより吸引するものである。

【００１３】

【発明の効果】上記作用を奏する第１発明の吸着式自動
ネジ締着装置における付着物の除去方法は、フィルタお
よび吸引経路に付着したゴミその他の付着物を除去し
て、吸着パイプの吸引力の低下を防止することにより、
吸着パイプ先端からのネジの落下によるネジ欠品を防止
して、製品の品質を向上するという効果を奏する。

【００１４】上記作用を奏する第２発明の吸着式自動ネ
ジ締着装置は、除去装置によりフィルタおよび吸引経路
に付着したゴミその他の付着物を除去して、吸着パイプ
の吸引力の低下を防止することにより、吸着パイプ先端
からのネジの落下によるネジ欠品を防止して、製品の品
質を向上するという効果を奏する。

【００１５】上記作用を奏する第３発明の吸着式自動ネ
ジ締着装置は、切換弁の切換により、フィルタおよび吸
引経路に付着したゴミその他の付着物を除去して、吸着
パイプの吸引力の低下を防止することにより、吸着パイ
プ先端からのネジの落下によるネジ欠品を防止して製品
の品質を向上するという効果を奏する。

【００１６】上記作用を奏する第４発明の吸着式自動ネ
ジ締着装置は、第２発明の効果に加え、吸引ダクトによ
り排出されたゴミその他の付着物を吸引して、作業環境
を良い状態に維持するという効果を奏する。

【００１７】

【実施例】以下本発明の実施例につき、図面を用いて詳
細に説明する。

【００１８】（第１実施例）第１実施例の吸着式自動ネ
ジ締着装置およびその付着物の除去方法（以下単に吸着
式自動ネジ締着装置と言う）は、図１ないし図５に示す
ように、第１ないし第３発明の実施例であり、圧縮空気
によりネジを搬送するネジ搬送装置１と、搬送されたネ
ジを吸着する吸着パイプ２と、吸着パイプ２の上方部に
連絡する吸引経路３１を介して吸着パイプ２内を吸引す
るとともに、フィルタ３２を備えた吸引装置３と、吸着
パイプ２の上方に同軸的に配設され下端に回転可能およ
び上下動可能に配設したドライバ４１を有する締着装置
４と、吸引装置３のフィルタ３２と圧縮空気源５０との
間に配設された切換弁５１により、フィルタ３２を介し
て吸引経路３１に吸引時とは逆方向に圧縮空気を供給し
て、フィルタ３２および吸引経路に付着しているゴミそ
の他の付着物を除去する除去装置５と、および上記各装
置を支持して製品のネジの各締着部に移動するスカラ型
のロボット６とから成る。

【００１９】搬送装置１は、ネジフィーダ１０に接続し
た搬送ホース１１内を圧縮空気源５０からの圧縮空気を
利用してネジを吸着パイプ２に固着した金具１２まで搬
送する。

【００２０】締着装置４は、ロボット６の側部に固着し
たベース４Ｂにステーにより固着した上下動用シリンダ
４２と、ベース４Ｂの上下に固着した上下のステーによ
り支持され上下に配設されたスライド軸上を上下動用シ
リンダ４２内に介挿されたピストン４２Ｐと一体的にス
ライドするケース本体４３と、ケース本体４３の上部に
同軸的に配設した駆動モータ４４と、ケース本体４３内
に回転可能に支持され駆動モータ４４の回転をドライバ
４１に伝える駆動軸４５と、ドライバ４１が介挿されケ
ース本体４３の下部に配設した細いチューブ４６とから
成る。

【００２１】吸着パイプ２は、スライド軸の下部にホル
ダにより固着されたパイプ部材２０で構成され、前記チ
ューブ４６が同軸的に介挿されるとともに、搬送装置１
の搬送ホース１１の先端に配設された金具１２が斜めに
開口しており、ネジを吸着パイプ内に供給する構成より
成る。

【００２２】吸引装置３は、圧縮空気源５０からの圧縮
空気によりサクションポンプが回転され真空吸引する真
空発生装置３０と、図３に示される切換弁５１を介して
真空発生装置３０に連絡した中央部３２Ｃと外周部３２
Ｐとを環状のフィルタエレメント３２Ｅで分離するフィ
ルタ３２と、一端がフィルタ３２の外周部３２Ｐに連絡
するとともに、他端がケース本体４３の下部に連絡した
ホース３１Ｈによって形成される吸引通路３１とから成
る。

【００２３】除去装置５は、図４に示すように、圧縮空
気源５０と真空発生装置３０とに連絡する切換弁５１が
図に示した位置において、圧縮空気源５０からの圧縮空
気が切換弁５１を介してフィルタ３２の中央部３２Ｃに
供給されフィルタエレメント３２Ｅの外側に付着した付
着物Ｆや吸引通路３１を構成するホース３１Ｈ内、ケー
ス４３下部の内部およびチューブ４６内に付着した付着
物を吹き飛ばす構成より成る。

【００２４】上記構成より成る第１実施例の吸着式自動
ネジ締着装置は、搬送装置１のネジフィーダ１０から圧
縮空気によりホース１１を介して、斜めに配設され開口
した金具１２より吸着パイプ２内に供給され、吸引装置
３による真空吸引作用により下方に移動してきているド
ライバ４１に係合してネジ締めが出来る状態になってい
る。

【００２５】図５に示されるように、ネジ締めされる製
品がセットされると、スタートスイッチがオンになり、
吸引装置３の真空発生装置３０により、真空吸引が開始
され、製品をクランプした後、ドライバ４１およびネジ
を内挿した吸着パイプ２が移動して、製品の必要箇所に
ネジが締着されると、前記除去装置５の切換弁５１が図
４の図示した状態に切換えられ、フィルタ３２、ホース
３１Ｈに対して逆方向に圧縮空気が供給され、フィルタ
エレメント３２Ｅの外側他に付着した付着物Ｆを吹き飛
ばす。

【００２６】上記クランプを解除して製品を取り出した
後、スカラ型のロボット６がロボット原点に復帰する
と、上記切換弁５１が制御され圧縮空気の噴射供給が解
除され、付着物の除去工程が終了する。

【００２７】上記作用を奏する第１実施例の吸着式自動
ネジ締着装置は、切換弁５１の真空と圧縮空気の切換に
より、フィルタ３２およびホース３１Ｈに付着したゴミ
その他の付着物Ｆを除去して、吸着パイプ２の吸引力の
添加を防止することにより、吸着パイプ先端からのネジ
の落下による製品におけるネジ欠品率を、従来の４分の
１以下にして、製品の品質および製品の歩留りを向上す
るという効果を奏する。

【００２８】また第１実施例の吸着式自動ネジ締着装置
は、フィルタ３２およびホース３１Ｈに付着した付着物
の除去を搬送ホース１１内においてネジをフィードした
り真空発生装置３０のサクションポンプを動作させたり
するために利用する圧縮空気源５０からの圧縮空気を利
用して行うので、装置全体が簡単になるという効果を奏
する。

【００２９】さらに第１実施例装置は、製品へのネジの
締着後ロボットが原点復帰する間に付着物の除去を行う
ので、付着物の除去のためにサイクルタイムが増加する
ことが無いとともに、従来頻度多く行っていた清掃点検
の頻度を大幅に少なくすることができるという効果を奏
する。

【００３０】（第２実施例）第２実施例の吸着式自動ネ
ジ締着装置は、第１ないし第４発明の実施例であり、図
６および図７に示すように、Ｘ−Ｙ型のロボットに適用
した点と、ホッパー１４から斜めにネジを供給するシュ
ート１５により搬送装置１を構成した点と、吸着パイプ
２の近くに大きな開口面積を有する吸引ダクト７を配設
した点が第１実施例との構成上の主たる相違点である。

【００３１】上記構成より成る第２実施例の吸着式自動
ネジ締着装置は、第１実施例と同様の作用効果を奏する
他、吸引ダクト７によりフィルタおよびホースその他に
付着したゴミその他の付着物が除去され、吸着パイプに
より排出された付着物を吸引し、作業環境を改善すると
いう作用効果を奏する。

【００３２】上述の実施例は、説明のために例示したも
ので、本発明としてはそれらに限定されるものでは無
く、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記
載から当業者が認識することができる本発明の技術的思
想に反しない限り、変更および付加が可能である。

【００３３】上記実施例における除去装置による付着物
の除去は、付着物の付着量に応じて定期的に行えば良
く、必ずしも製品の締着毎に行わなくても良い。

【００３４】上述の実施例においては、圧縮空気源を利
用して除去装置を構成したが、圧縮空気源が予め用意さ
れていない場合は、コンプレッサによって構成すること
が可能である。

【００３５】上述の実施例において説明したロボットに
限らず予め締めの作業箇所、製品の形態およびコストに
応じ、関節型ロボットその他を利用することが可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示す側面図である。

【図２】第１実施例の吸着パイプを示す部分拡大断面図
である。

【図３】第１実施例のフィルタを示す分解斜視図であ
る。

【図４】第１実施例の除去装置を示す空気回路図であ
る。

【図５】第１実施例装置の動作フローを示すチャート図
である。

【図６】第２実施例を示す斜視図である。

【図７】第２実施例の除去装置と吸引ダクトを示す空気
回路図である。

【符号の説明】

１ 搬送装置 ２ 吸着パイプ ３ 吸引装置 ４ 締着装置 ５ 除去装置 ６ ロボット ７ 吸引ダクト １０ ネジフィーダ １１ 搬送ホース １２ 金具 ２０ パイプ部材 ３０ 真空発生装置 ３１ 吸引経路 ３２ フィルタ ４１ ドライバ ４２ 上下動用シリンダ ４３ ケース本体 ４４ 駆動モータ ４５ 駆動軸 ４６ チューブ ５０ 圧縮空気源 ５１ 切換弁

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ネジを搬送するネジ搬送装置と、 搬送されたネジを吸着する吸着パイプと、 吸着パイプ内に吸着セットするために吸引経路を介して
   吸着パイプ内を吸引するとともにフィルタを備えた吸引
   装置と、 吸着パイプ内にセットされたネジを上下動するとともに
   回転するドライバにより締着する締着装置と、から成る
   吸着式自動ネジ締着装置において、 締着装置によるネジの締着終了後、吸引装置のフィルタ
   に吸引時とは逆方向に空気を供給し、 フィルタおよび吸引経路に付着した付着物を除去する吸
   着式自動ネジ締着装置における付着物の除去方法。
2. 【請求項２】 ネジを搬送するネジ搬送装置と、 搬送されたネジを吸着する吸着パイプと、 吸着パイプ内に吸着セットするために吸引経路を介して
   吸着パイプ内を吸引するとともにフィルタを備えた吸引
   装置と、 吸着パイプ内にセットされたネジを上下動するとともに
   回転するドライバにより締着する締着装置と、 締着装置によりネジの締着終了後、吸引装置のフィルタ
   に吸引時とは逆方向に空気を供給しフィルタおよび吸引
   経路の付着物を除去する除去装置とから成ることを特徴
   とする吸着式自動ネジ締着装置。
3. 【請求項３】 請求項２に対して、 吸引装置とフィルタとの間に切換弁を付加して、真空吸
   引する吸引装置と圧縮空気を供給する除去装置との選択
   的な連絡を可能にする構成にしたことを特徴とする吸着
   式自動ネジ締着装置。
4. 【請求項４】 請求項３に対して、 前記除去装置によって供給された圧縮空気によってフィ
   ルタおよび吸引経路に付着していたゴミその他の付着物
   のうち除去されたものを吸引する吸引ダクトを付加した
   ことを特徴とする吸着式自動ネジ締着装置。