JP2577770B2 - Pb−Ba−Zr−Ti系均一酸化物粉末の合成方法 - Google Patents
Pb−Ba−Zr−Ti系均一酸化物粉末の合成方法Info
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Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、Pb−Ba−Zr−Ti系均一酸化物粉末の合成方
法に関する。
法に関する。
該粉末は電歪現象が認められる。
従来の技術 従来の酸化物粉末の製造方法としては、 (1) 成分元素の酸化物粉末を高温で焼成する固相反
応法、 (2) 水溶液中の成分元素イオンをシュウ酸塩として
共沈させる方法、 (3) 成分元素をアルカリ中へ入れ水酸化物として共
沈させる方法、 (4) 成分元素のアルコキシドを加水分解して共沈さ
せる方法 等が知られている。
応法、 (2) 水溶液中の成分元素イオンをシュウ酸塩として
共沈させる方法、 (3) 成分元素をアルカリ中へ入れ水酸化物として共
沈させる方法、 (4) 成分元素のアルコキシドを加水分解して共沈さ
せる方法 等が知られている。
しかしながら、(1)の固相反応によって得られる粉
末は最も焼結しにくく、該粉末を焼結するには高温もし
くは焼結促進剤の添加を必要とする。(2)のシュウ酸
塩として共沈させる方法(シュウ酸法)は、Zr、Tiのシ
ュウ酸塩は水に対する溶解度が大きく完全に沈澱を生じ
ないため、希望する割合で共沈させることが困難であ
る。また、(4)のアルコキシド法は、高純度で均一性
の高いものが得られるが、各種成分イオンを一度アルコ
キシドに合成しなけらばならないので、製法が煩雑とな
り、経済的にも不利である等、それぞれ欠点を有してい
る。
末は最も焼結しにくく、該粉末を焼結するには高温もし
くは焼結促進剤の添加を必要とする。(2)のシュウ酸
塩として共沈させる方法(シュウ酸法)は、Zr、Tiのシ
ュウ酸塩は水に対する溶解度が大きく完全に沈澱を生じ
ないため、希望する割合で共沈させることが困難であ
る。また、(4)のアルコキシド法は、高純度で均一性
の高いものが得られるが、各種成分イオンを一度アルコ
キシドに合成しなけらばならないので、製法が煩雑とな
り、経済的にも不利である等、それぞれ欠点を有してい
る。
Pb−Ba−Zr−Ti系のような4成分系において所定の割
合で粉末に合成することは非常に難しい。共泡によりこ
の系の粉末を得ようとする場合、上記(2)のシュウ酸
法ではZr、Tiが完全に沈澱しない。また上記(3)の水
酸化物法ではBaの水酸化物が水に溶解するという問題が
ある。
合で粉末に合成することは非常に難しい。共泡によりこ
の系の粉末を得ようとする場合、上記(2)のシュウ酸
法ではZr、Tiが完全に沈澱しない。また上記(3)の水
酸化物法ではBaの水酸化物が水に溶解するという問題が
ある。
発明が解決しようとする課題 本発明の目的は、Pb−Ba−Zr−Tiからなる4成分系の
粉末を均一に、かつ、希望の組成で合成する方法を提供
することにある。
粉末を均一に、かつ、希望の組成で合成する方法を提供
することにある。
課題を解決するための手段 本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討し
た結果、各種金属を特定の条件下に共沈させることによ
り本発明の目的が達成されることを見出し、本発明を完
成させるに至った。
た結果、各種金属を特定の条件下に共沈させることによ
り本発明の目的が達成されることを見出し、本発明を完
成させるに至った。
すなわち、本発明は、 Pb−Ba−Zr−Ti系均一酸化物粉末の合成方法におい
て、 A)Ba、Zrを含有した水溶液とシュウ酸水溶液とを混合
し沈澱物が溶解するまで酸を添加して得られる透明な酸
性水溶液と、 B)Pb、Tiを含有した透明な酸性水溶液とを、PHが9以
上に保持されたアルカリ水溶液に同時に滴下することを
特徴とするPb−Ba−Zr−Ti系均一酸化物粉末の合成方法
である。
て、 A)Ba、Zrを含有した水溶液とシュウ酸水溶液とを混合
し沈澱物が溶解するまで酸を添加して得られる透明な酸
性水溶液と、 B)Pb、Tiを含有した透明な酸性水溶液とを、PHが9以
上に保持されたアルカリ水溶液に同時に滴下することを
特徴とするPb−Ba−Zr−Ti系均一酸化物粉末の合成方法
である。
本発明にかかるBa、Zrを含有した水溶液とは、例え
ば、硝酸バリウム、硝酸ジルコニウムを水に溶解させた
ものであるが、硝酸バリウム、硝酸ジルコニウム以外で
も、水に溶けるものであればなんでも良い。そのような
例としては、それぞれの酢酸塩、塩化物などがあげられ
る。また、本発明においては、Ba、Zrを含有した水溶液
とシュウ酸水素液とを混合し、次に沈澱物が溶解するま
で酸を添加する。沈澱物が冠絶に溶解した場合、透明な
酸性水溶液が得られる。この場合酸としては、例えば、
硝酸、酢酸等があげられる。酸の添加後のPHは1以下で
あることが望ましい。もしもPHが1をこえる場合、Ba、
Zrのシュウ酸塩が再沈澱する。
ば、硝酸バリウム、硝酸ジルコニウムを水に溶解させた
ものであるが、硝酸バリウム、硝酸ジルコニウム以外で
も、水に溶けるものであればなんでも良い。そのような
例としては、それぞれの酢酸塩、塩化物などがあげられ
る。また、本発明においては、Ba、Zrを含有した水溶液
とシュウ酸水素液とを混合し、次に沈澱物が溶解するま
で酸を添加する。沈澱物が冠絶に溶解した場合、透明な
酸性水溶液が得られる。この場合酸としては、例えば、
硝酸、酢酸等があげられる。酸の添加後のPHは1以下で
あることが望ましい。もしもPHが1をこえる場合、Ba、
Zrのシュウ酸塩が再沈澱する。
本発明にかかるPb、Tiを含有した透明な酸性水溶液と
は、例えば、硝酸鉛、硝酸チタンを水に完全に溶解させ
たものである。硝酸鉛、硝酸チタン以外でも、水に溶け
水溶液が酸性を示すものであればなんでも良い。そのよ
うな例としては、それぞれの酢酸塩、塩化物などがあげ
られる。
は、例えば、硝酸鉛、硝酸チタンを水に完全に溶解させ
たものである。硝酸鉛、硝酸チタン以外でも、水に溶け
水溶液が酸性を示すものであればなんでも良い。そのよ
うな例としては、それぞれの酢酸塩、塩化物などがあげ
られる。
前記2種の酸性水溶液には、Pb、Ba、Zr、Ti以外の金
属塩を第3成分として添加しても良い。
属塩を第3成分として添加しても良い。
本発明にかかるアルカリ水溶液は、アンモニア水で良
い。アンモニア水以外でもアルカリ性水溶液であればな
んでも良い。例えば、NaOH、KOH、RbOHおよび/またはC
sOHなどの水溶液でも良い。
い。アンモニア水以外でもアルカリ性水溶液であればな
んでも良い。例えば、NaOH、KOH、RbOHおよび/またはC
sOHなどの水溶液でも良い。
本発明にかかるアルカリ水溶液は、PHを9以上に保持
する。PHが9に満たない場合、水酸化鉛、水酸化チタ
ン、水酸化ジルコニウムの沈澱が再溶解してしまう。
する。PHが9に満たない場合、水酸化鉛、水酸化チタ
ン、水酸化ジルコニウムの沈澱が再溶解してしまう。
本発明において水酸化物を共沈させる温度は、特に限
定されないが、通常は、10〜60℃の範囲である。
定されないが、通常は、10〜60℃の範囲である。
本発明にかかる沈澱物の焼成条件は、通常は、500〜8
00℃での仮焼、1100〜1350℃での焼結である。
00℃での仮焼、1100〜1350℃での焼結である。
実施例 以下実施例により本発明を更に説明する。
実施例1 Ba(NO3)2、ZrO(NO3)2を所定量秤量し、水に溶
解させた。次にBa、Zrの総モル数の5倍量のシュウ酸を
秤量し、水に溶解させた。この2種類の水溶液を混合し
た。混合後に生じた沈澱物を溶解させるために、硝酸を
加え、PHを1以下とした。また、これとは別に、硝酸
鉛、硝酸チタンを所定量秤量し、水に溶解させた。これ
ら2種類の酸性水溶液を、PH10以上のNaOH水溶液に滴下
し沈澱物を得た。滴下終了後のPHは10であった。この沈
澱物を得て400℃に加熱し、酸化物混合粉末を作成し
た。このようにして得られた粉末の組成分析の結果、希
望した組成であることが確認された。また、粉末の均一
性を評価するためにX線マイクロアナライザーによる分
析を行った。酸化物混合法で作成したものと比較する
と、明らかに混合の均一性が向上していることが確認で
きた。また、得られた粉末の電歪特性を調べるために、
800℃で仮焼し、粉砕成型して得たサンプルを1320℃で
焼結した。焼結した試料を切断、電極付けを行った。こ
れに10kv/cmの電圧を印加したところ、酸化物混合法で
得たものより約2倍の伸びを示した。
解させた。次にBa、Zrの総モル数の5倍量のシュウ酸を
秤量し、水に溶解させた。この2種類の水溶液を混合し
た。混合後に生じた沈澱物を溶解させるために、硝酸を
加え、PHを1以下とした。また、これとは別に、硝酸
鉛、硝酸チタンを所定量秤量し、水に溶解させた。これ
ら2種類の酸性水溶液を、PH10以上のNaOH水溶液に滴下
し沈澱物を得た。滴下終了後のPHは10であった。この沈
澱物を得て400℃に加熱し、酸化物混合粉末を作成し
た。このようにして得られた粉末の組成分析の結果、希
望した組成であることが確認された。また、粉末の均一
性を評価するためにX線マイクロアナライザーによる分
析を行った。酸化物混合法で作成したものと比較する
と、明らかに混合の均一性が向上していることが確認で
きた。また、得られた粉末の電歪特性を調べるために、
800℃で仮焼し、粉砕成型して得たサンプルを1320℃で
焼結した。焼結した試料を切断、電極付けを行った。こ
れに10kv/cmの電圧を印加したところ、酸化物混合法で
得たものより約2倍の伸びを示した。
比較例1 Ba(NO3)2、ZrO(NO3)2、Bb(NO3)2、Ti(N
O3)4を所定量秤量し、水に溶解させた。次に全モル数
の5倍量のシュウ酸を秤量し、水に溶解させた。次い
で、この2種類の水溶液を混合した。混合後に生じた沈
澱物を濾過した。この沈澱物を400℃に加熱して酸化物
混合粉末を作成した。このようにして得られた粉末の組
成分析の結果、ZrおよびTiが希望した値よりも低かっ
た。また、得られた粉末の電歪特性を調べるために、80
0℃で仮焼し、粉砕成型して得たサンプルを1320℃で焼
結した。焼結した試料を切断、電極付けを行った。これ
に10kv/cmの電圧を印加したところ、実施例1の1/4の伸
びしか示さなかった。
O3)4を所定量秤量し、水に溶解させた。次に全モル数
の5倍量のシュウ酸を秤量し、水に溶解させた。次い
で、この2種類の水溶液を混合した。混合後に生じた沈
澱物を濾過した。この沈澱物を400℃に加熱して酸化物
混合粉末を作成した。このようにして得られた粉末の組
成分析の結果、ZrおよびTiが希望した値よりも低かっ
た。また、得られた粉末の電歪特性を調べるために、80
0℃で仮焼し、粉砕成型して得たサンプルを1320℃で焼
結した。焼結した試料を切断、電極付けを行った。これ
に10kv/cmの電圧を印加したところ、実施例1の1/4の伸
びしか示さなかった。
比較例2 Ba(NO3)2、ZrO(NO3)2、Pb(NO3)2、Ti(N
O3)2を所定量秤量し、水に溶解させた。次に全モル数
の5倍量の水酸化ナトリウムを秤量し、水に溶解させ
た。次いで、この2種類の水溶液を混合した。混合後に
生じた沈澱物を濾過した。この沈澱物を400℃に加熱し
て酸化物混合粉末を作成した。このようにして得られた
粉末の組成分析の結果、Baが希望した値よりも低かっ
た。また、得られた粉末の電歪特性を調べるために、80
0℃で仮焼し、粉砕成型して得たサンプルを1320℃で焼
結した。焼結した試料を切断、電極付けを行った。これ
に10kv/cmの電圧を印加したところ、実施例1の1/4の伸
びしか示さなかった。
O3)2を所定量秤量し、水に溶解させた。次に全モル数
の5倍量の水酸化ナトリウムを秤量し、水に溶解させ
た。次いで、この2種類の水溶液を混合した。混合後に
生じた沈澱物を濾過した。この沈澱物を400℃に加熱し
て酸化物混合粉末を作成した。このようにして得られた
粉末の組成分析の結果、Baが希望した値よりも低かっ
た。また、得られた粉末の電歪特性を調べるために、80
0℃で仮焼し、粉砕成型して得たサンプルを1320℃で焼
結した。焼結した試料を切断、電極付けを行った。これ
に10kv/cmの電圧を印加したところ、実施例1の1/4の伸
びしか示さなかった。
比較例3 BaCO3、ZrO2、PbO、TiO2を所定量秤量し、ボールミル
で粉砕混合した。これを乾燥して粉末を得た。得られた
粉末の電歪特性を調べるために、800℃で仮焼し、粉砕
成型して得たサンプルを1320℃で焼結した。焼結した試
料を切断、電極付けを行った。これに10kv/cmの電圧を
印加したところ、実施例1の1/2の伸びしか示さなかっ
た。
で粉砕混合した。これを乾燥して粉末を得た。得られた
粉末の電歪特性を調べるために、800℃で仮焼し、粉砕
成型して得たサンプルを1320℃で焼結した。焼結した試
料を切断、電極付けを行った。これに10kv/cmの電圧を
印加したところ、実施例1の1/2の伸びしか示さなかっ
た。
これらの結果を第1表に示した。
発明の効果 上記したように本発明の方法により、これまでの技術
ではなし遂げられなかった多成分系での共沈が可能にな
った。その結果、均一性にすぐれ、かつ、希望の組成の
酸化物が得られた。このようにして得られた粉末を原料
とする焼結体を電歪特性は、酸化物混合法による焼結体
と比べて、明らかに異なる性質を示すものであり、成分
元素の均一性が電歪特性の向上に寄与していることは非
常に驚くべき結果である。
ではなし遂げられなかった多成分系での共沈が可能にな
った。その結果、均一性にすぐれ、かつ、希望の組成の
酸化物が得られた。このようにして得られた粉末を原料
とする焼結体を電歪特性は、酸化物混合法による焼結体
と比べて、明らかに異なる性質を示すものであり、成分
元素の均一性が電歪特性の向上に寄与していることは非
常に驚くべき結果である。
Claims (1)
- 【請求項1】Pb−Ba−Zr−Ti系均一酸化物粉末の合成方
法において、 A)Ba、Zrを含有した水溶液とシュウ酸水溶液とを混合
し沈澱物が溶解するまで酸を添加して得られる透明な酸
性水溶液と、 B)Pb、Tiを含有した透明な酸性水溶液とを、PHが9以
上に保持されたアルカリ水溶液に同時に滴下することを
特徴とするPb−Ba−Zr−Ti系均一酸化物粉末の合成方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8720488A JP2577770B2 (ja) | 1988-04-11 | 1988-04-11 | Pb−Ba−Zr−Ti系均一酸化物粉末の合成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8720488A JP2577770B2 (ja) | 1988-04-11 | 1988-04-11 | Pb−Ba−Zr−Ti系均一酸化物粉末の合成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01259583A JPH01259583A (ja) | 1989-10-17 |
JP2577770B2 true JP2577770B2 (ja) | 1997-02-05 |
Family
ID=13908437
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8720488A Expired - Lifetime JP2577770B2 (ja) | 1988-04-11 | 1988-04-11 | Pb−Ba−Zr−Ti系均一酸化物粉末の合成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2577770B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6153113A (ja) * | 1984-08-18 | 1986-03-17 | Natl Inst For Res In Inorg Mater | 湿式法による易焼結性ペロブスカイト及びその固溶体の原料粉末の製造方法 |
JPS61186219A (ja) * | 1985-02-13 | 1986-08-19 | Natl Inst For Res In Inorg Mater | 鉛含有微粉末の製造法 |
-
1988
- 1988-04-11 JP JP8720488A patent/JP2577770B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01259583A (ja) | 1989-10-17 |
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