JP2616772B2 - プロトン導電性セラミックスの製造方法 - Google Patents
プロトン導電性セラミックスの製造方法Info
- Publication number
- JP2616772B2 JP2616772B2 JP62125374A JP12537487A JP2616772B2 JP 2616772 B2 JP2616772 B2 JP 2616772B2 JP 62125374 A JP62125374 A JP 62125374A JP 12537487 A JP12537487 A JP 12537487A JP 2616772 B2 JP2616772 B2 JP 2616772B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- powder
- zirconium
- proton conductive
- conductive ceramics
- metal component
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はSr(Ce,Zr)O3系のプロトン導電性セラミッ
クスの製造方法に関する。
クスの製造方法に関する。
Sr(Ce,Zr)O3系セラミックスはプロトン導電体とし
て各種センサ、燃料電池などの機能性セラミックスとし
て高範囲な分野で利用されている。
て各種センサ、燃料電池などの機能性セラミックスとし
て高範囲な分野で利用されている。
[従来の技術] 高性能が要求されるセラミックス製品の製造には良質
の原料粉末を得ることが重要な要件であり、一般に高密
度の焼結体を得るためにはなるべく粒径の小さい粉末の
使用が有利である。
の原料粉末を得ることが重要な要件であり、一般に高密
度の焼結体を得るためにはなるべく粒径の小さい粉末の
使用が有利である。
一方、Sr(Ce,Zr)O3系セラミックスは、通常SrCO3、
CeO2、ZrO2を出発原料として使用し、乾式法で焼結用原
料粉末を調製している。しかしながらジルコニア粉末は
極めて凝集しやすく、これを出発原料としても得られる
原料粉末の平均粒径では3〜5μm以上となり、そのま
ま焼結用原料として使用しても高密度かつ高性能の機能
性セラミックスを得ることは難しい。そこで従来は、さ
らに原料粉末の粉砕工程を必要とし、またより高密度の
焼結体を得るために装置が複雑化するなどコストが増大
する傾向にあった。
CeO2、ZrO2を出発原料として使用し、乾式法で焼結用原
料粉末を調製している。しかしながらジルコニア粉末は
極めて凝集しやすく、これを出発原料としても得られる
原料粉末の平均粒径では3〜5μm以上となり、そのま
ま焼結用原料として使用しても高密度かつ高性能の機能
性セラミックスを得ることは難しい。そこで従来は、さ
らに原料粉末の粉砕工程を必要とし、またより高密度の
焼結体を得るために装置が複雑化するなどコストが増大
する傾向にあった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は前述した乾式法の欠点を解消し、サブミクロ
ン級の粉末特性の優れた原料粉末を得、簡単な工程でか
つ高性能を有するSr(Ce,Zr)O3系セラミックスを得る
方法を提供することを目的とする。
ン級の粉末特性の優れた原料粉末を得、簡単な工程でか
つ高性能を有するSr(Ce,Zr)O3系セラミックスを得る
方法を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、Sr(C
e,Zr)O3系のプロトン導電性セラミックスを製造するに
際し、先ず第1工程としてジルコニウムと、ジルコニウ
ム以外の金属成分の少なくとも一種を含有し、該ジルコ
ニウム以外の金属成分の少なくとも一種の含有量を目的
組成とするに必要な量の一部とした混合溶液を調製し、
これを加水分解して生成するゾルを乾燥後700〜1300℃
で仮焼して変性粉末を得る。
e,Zr)O3系のプロトン導電性セラミックスを製造するに
際し、先ず第1工程としてジルコニウムと、ジルコニウ
ム以外の金属成分の少なくとも一種を含有し、該ジルコ
ニウム以外の金属成分の少なくとも一種の含有量を目的
組成とするに必要な量の一部とした混合溶液を調製し、
これを加水分解して生成するゾルを乾燥後700〜1300℃
で仮焼して変性粉末を得る。
次に第2工程として得られた変性粉末と、上記第1工
程で添加したのと同一の上記ジルコニウム以外の金属成
分の残量を含有する化合物粉末と、目的組成とするに必
要な残りの金属成分の化合物粉末を混合して500〜1300
℃で仮焼する。
程で添加したのと同一の上記ジルコニウム以外の金属成
分の残量を含有する化合物粉末と、目的組成とするに必
要な残りの金属成分の化合物粉末を混合して500〜1300
℃で仮焼する。
さらに第3工程で得られた仮焼物粉末を成形して700
〜1700℃で焼結する。
〜1700℃で焼結する。
第1工程において、混合溶液はジルコニウム溶液に、
ジルコニウム以外の少なくとも一金属成分の適量を添加
することにより調製される。ジルコニウム溶液として
は、オキシ塩化ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウ
ム、塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム及び金属ジル
コニウム等の水溶液またはアルコール溶液が挙げられ
る。
ジルコニウム以外の少なくとも一金属成分の適量を添加
することにより調製される。ジルコニウム溶液として
は、オキシ塩化ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウ
ム、塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム及び金属ジル
コニウム等の水溶液またはアルコール溶液が挙げられ
る。
ジルコニウム溶液と混合するジルコニウム以外の成分
の化合物してはセリウムおよびストロンチウムのハロゲ
ン化物、硝酸塩、硫酸塩等が挙げられ、焼成して得られ
るジルコニア粉末の凝集を抑制するものが好ましい。
の化合物してはセリウムおよびストロンチウムのハロゲ
ン化物、硝酸塩、硫酸塩等が挙げられ、焼成して得られ
るジルコニア粉末の凝集を抑制するものが好ましい。
得られた混合溶液は煮沸により加水分解してゾルを形
成し、乾燥後仮焼する。仮焼温度は700〜1300℃が好ま
しく、700℃より低いと凝集が顕著に起り1300℃を越え
ると粒子が粗大化する傾向がある。
成し、乾燥後仮焼する。仮焼温度は700〜1300℃が好ま
しく、700℃より低いと凝集が顕著に起り1300℃を越え
ると粒子が粗大化する傾向がある。
このようにして得られた粉末はジルコニウム以外の構
成成分を一種以上含む変成ジルコニア粉末であり、分散
性の良いサブミクロン級の微細粒子である。
成成分を一種以上含む変成ジルコニア粉末であり、分散
性の良いサブミクロン級の微細粒子である。
第2工程では上記変性粉末に、第1工程で添加した金
属成分の残量を含有する化合物粉末と、目的とするセラ
ミックス組成を構成するに必要な残りの成分の化合物粉
末を混合し仮焼する。この残りの成分は、通常、塩また
は酸化物として添加され、具体的には炭酸ストロンチウ
ム、酸化セリウム、ジルコニア等が挙げられる。粒径は
上記仮焼物粉末とほぼ同じ粒度のものを用いることが望
ましい。
属成分の残量を含有する化合物粉末と、目的とするセラ
ミックス組成を構成するに必要な残りの成分の化合物粉
末を混合し仮焼する。この残りの成分は、通常、塩また
は酸化物として添加され、具体的には炭酸ストロンチウ
ム、酸化セリウム、ジルコニア等が挙げられる。粒径は
上記仮焼物粉末とほぼ同じ粒度のものを用いることが望
ましい。
仮焼温度は固相反応がほぼまたは完全に終了する最低
温度以上で顕著な粒子成長が生じない最高温度範囲内で
行なわれ、通常500〜1300℃である。
温度以上で顕著な粒子成長が生じない最高温度範囲内で
行なわれ、通常500〜1300℃である。
得られる仮焼物粉末は分散性の良いサブミクロン級の
微細粒子であり、粉砕工程を特に必要としないで第3工
程における原料粉末として使用することができる。
微細粒子であり、粉砕工程を特に必要としないで第3工
程における原料粉末として使用することができる。
第3工程では、第2工程で得られた仮焼物粉末を通常
の方法で成形し焼結する。焼結温度は通常700〜1700℃
の範囲である。700℃より低いと焼結が不十分であり、1
700℃を越えると粒子が粗大化したりあるいは構成成分
の揮発が起る。
の方法で成形し焼結する。焼結温度は通常700〜1700℃
の範囲である。700℃より低いと焼結が不十分であり、1
700℃を越えると粒子が粗大化したりあるいは構成成分
の揮発が起る。
また焼結性や特性を改善するために微量の助剤例えば
Yb2O3等を添加してもよい。これら助剤は本発明の第1
工程あるいは第2工程で適宜添加される。
Yb2O3等を添加してもよい。これら助剤は本発明の第1
工程あるいは第2工程で適宜添加される。
なお、得られたSr(Ce,Zr)O3系セラミックスにおい
てSrと(Ce,Zr)のモル比は1.0ないしそれに近似した値
を取り得る。
てSrと(Ce,Zr)のモル比は1.0ないしそれに近似した値
を取り得る。
[作用効果] 本発明によれば、第1工程で極めて分散性の良いサブ
ミクロン級の変成ジルコニア粉末を得、これと他の原料
粉末を混合して容易にSr(Ce,Zr)O3系セラミックスの
原料粉末を得ることができる。得られる原料は易焼結性
かつ高崇密度の特性を有し、従って極めて高密度のもの
が要求されるSr(Ce,Zr)O3系セラミックスをホットプ
レスや熱間ガス圧焼結(HIP)などの操作を要せずに単
なる固相焼結によって製造することができる。
ミクロン級の変成ジルコニア粉末を得、これと他の原料
粉末を混合して容易にSr(Ce,Zr)O3系セラミックスの
原料粉末を得ることができる。得られる原料は易焼結性
かつ高崇密度の特性を有し、従って極めて高密度のもの
が要求されるSr(Ce,Zr)O3系セラミックスをホットプ
レスや熱間ガス圧焼結(HIP)などの操作を要せずに単
なる固相焼結によって製造することができる。
[実施例] 以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は以
下の実施例により限定されるものではない。
下の実施例により限定されるものではない。
実施例1 オキシ塩化ジルコニウム水溶液(0.5モル/)200cc
と硝酸第2セリウムアンモニウム水溶液(0.5モル/
)50ccの混合溶液を100℃で100時間保持してジルコニ
ウム、セリウムを含むゾルを得た。これを洗浄、乾燥し
た後1100℃で仮焼して(Ce0.2Zr0.8)O2粉末を調製し
た。平均粒径は0.32μmであつた。
と硝酸第2セリウムアンモニウム水溶液(0.5モル/
)50ccの混合溶液を100℃で100時間保持してジルコニ
ウム、セリウムを含むゾルを得た。これを洗浄、乾燥し
た後1100℃で仮焼して(Ce0.2Zr0.8)O2粉末を調製し
た。平均粒径は0.32μmであつた。
得られた粉末13.3gと市販のSrCO3粉末59.052g、CeO24
8.1936g、Yb2O33.9408gとをボールミルで一昼夜混合し
た後、1100℃で1時間仮焼してSrCe0.75Zr0.2YB0.05O3
粉末を得た。平均粒径は0.5μmであった。該粉末を1t/
cm2で成型したタブレットを1500℃で12時間焼結した。
得られた焼結体の密度は理論密度に極めて近い値であっ
た。
8.1936g、Yb2O33.9408gとをボールミルで一昼夜混合し
た後、1100℃で1時間仮焼してSrCe0.75Zr0.2YB0.05O3
粉末を得た。平均粒径は0.5μmであった。該粉末を1t/
cm2で成型したタブレットを1500℃で12時間焼結した。
得られた焼結体の密度は理論密度に極めて近い値であっ
た。
Claims (1)
- 【請求項1】Sr(Ce,Zr)O3系のプロトン導電性セラミ
ックスを製造する方法であって、 (1)ジルコニウムと、ジルコニウム以外の金属成分の
少なくとも一種を含有し、該ジルコニウム以外の金属成
分の少なくとも一種の含有量を目的組成とするに必要な
量の一部とした混合溶液を調製し、これを加水分解して
生成するゾルを乾燥後700〜1300℃で仮焼して変性粉末
を得る第1工程、 (2)得られた変性粉末と、上記第1工程で添加したの
と同一の上記ジルコニウム以外の金属成分の残量を含有
する化合物粉末と、目的組成とするに必要な残りの金属
成分の化合物粉末を混合して500〜1300℃で仮焼する第
2工程、 (3)得られた仮焼物粉末を成形して700〜1700℃で焼
結する第3工程とからなることを特徴とするプロトン導
電性セラミックスの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62125374A JP2616772B2 (ja) | 1987-05-22 | 1987-05-22 | プロトン導電性セラミックスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62125374A JP2616772B2 (ja) | 1987-05-22 | 1987-05-22 | プロトン導電性セラミックスの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63291868A JPS63291868A (ja) | 1988-11-29 |
JP2616772B2 true JP2616772B2 (ja) | 1997-06-04 |
Family
ID=14908550
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62125374A Expired - Lifetime JP2616772B2 (ja) | 1987-05-22 | 1987-05-22 | プロトン導電性セラミックスの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2616772B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DK171537B1 (da) * | 1994-08-17 | 1996-12-23 | Topsoe Haldor As | Ionselektiv keramisk membran og anvendelse heraf |
JP6859926B2 (ja) * | 2017-11-03 | 2021-04-14 | 株式会社デンソー | 固体電解質、その製造方法、ガスセンサ |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6291467A (ja) * | 1985-06-20 | 1987-04-25 | 東ソー株式会社 | 透光性ジルコニア焼結体の製造法 |
-
1987
- 1987-05-22 JP JP62125374A patent/JP2616772B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63291868A (ja) | 1988-11-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPS63156057A (ja) | 高密度ペロブスカイトセラミックスの製造法 | |
JP2616772B2 (ja) | プロトン導電性セラミックスの製造方法 | |
JPH0159967B2 (ja) | ||
JPH027906B2 (ja) | ||
JPS63151672A (ja) | ジルコン酸チタン酸鉛系圧電磁器の製造方法 | |
JP2607517B2 (ja) | ジルコニアセラミックスの製造方法 | |
JP2607519B2 (ja) | 光学セラミックスの製造方法 | |
JPS63151673A (ja) | ジルコン酸チタン酸鉛系圧電磁器の製造方法 | |
JP2617938B2 (ja) | 誘電体共振器材料の製造方法 | |
JP2616773B2 (ja) | ジルコニアセラミックスの製造方法 | |
JPH0818867B2 (ja) | ジルコニウムを含むペロブスカイトセラミツクスの製造方法 | |
JP2608558B2 (ja) | 光学セラミックスの製造方法 | |
JPS63151676A (ja) | チタン酸ジルコニウム系セラミツクスの製造方法 | |
JPH0784345B2 (ja) | ペロブスカイトセラミックスの製造方法 | |
JPS63288960A (ja) | (Pb,Bi)(Zr,Ti)0↓3の製造方法 | |
JPS6363512B2 (ja) | ||
JPH0678188B2 (ja) | ジルコン酸鉛の製造方法 | |
JPS62230667A (ja) | 固体電解質磁器の製造法 | |
JPS62138354A (ja) | 易焼結性鉛含有酸化物粉末の製造法 | |
JPS63151671A (ja) | ジルコン酸鉛の製造方法 | |
JPS63156067A (ja) | チタン酸ジルコニウム系セラミツクスの製造方法 | |
JPS63156059A (ja) | アルミナ磁器の製造方法 | |
JPH0729848B2 (ja) | 誘電体共振器材料の製造方法 | |
JPH0784350B2 (ja) | ペロブスカイトセラミックスの製造方法 | |
JPH0624979B2 (ja) | 特に透過性の優れたセラミツクス用粉末の製造法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |