JPH05105511A - 圧電体の製造方法 - Google Patents

圧電体の製造方法

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JPH05105511A
JPH05105511A JP29499791A JP29499791A JPH05105511A JP H05105511 A JPH05105511 A JP H05105511A JP 29499791 A JP29499791 A JP 29499791A JP 29499791 A JP29499791 A JP 29499791A JP H05105511 A JPH05105511 A JP H05105511A
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浩正 下嶋
Mamoru Ishii
守 石井
Eiji Fukuda
英二 福田
Keizo Tsukamoto
▲恵▼三 塚本
Senjo Yamagishi
千丈 山岸
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Sr、Nb及びMnを含むPb−Zr−Ti
−O系圧電体を製造する方法を提供すること。 【構成】 Sr及びNbを含むPb−Zr−Ti−O系
のペロブスカイト相結晶構造を有する粉末を原料として
使用し、この原料粉末にMnを添加し、1150〜1250℃で
酸素の存在下で焼成し、前記組成からなる圧電体を製造
すること。上記原料粉末は、(1)平均粒径2μm以下であ
り、90%以上のペロブスカイト相を有する粉末であり、
また、(2)各金属元素を含む化合物を900〜1000℃で酸素
の存在下で仮焼して得た仮焼粉末であること。 【効果】 高密度のものが得られるばかりでなく、高い
電気機械結合係数を有し、しかも、高温下での経時変化
(劣化)が少ない圧電体が得られる。そして、本発明に
より、長期間に亘り使用することができる圧電体を提供
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Sr、Nb及びMnを
含むPb−Zr−Ti−O系圧電体の製造方法に関し、
特に、高い電気機械結合係数を有し、しかも、高温下で
の経時変化(劣化)が少ない上記組成からなる圧電体の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Pb−Zr−Ti−O系圧電体にSr、
Nb及びMnを添加した圧電体は、電気機械結合係数が
高い優れた材料であり、この材料をカメラ及びビデオカ
メラ等の自動焦点用超音波モ−タ−素子として利用する
試みがなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、Sr、Nb
及びMnを添加したPb−Zr−Ti−O系圧電体は、
分極直後の電気機械結合係数は高いけれども、高温、例
えば80〜100℃下に放置すると、電気機械結合係数が急
激に低下する欠点があり、このため、超音波モ−タ−と
してのトルクが低減し、この種モ−タ−として利用する
ことができ難い問題点を有している。このことから、今
日、高温(例えば80〜100℃)下における電気機械結合
係数の経時変化(劣化)の小さい圧電体素子の開発が要
望されている。
【0004】本発明者等は、この種Pb−Zr−Ti−
O系圧電体について研究を重ねた結果、前記欠点、問題
点のない圧電体素子が得られることを見いだして本発明
を完成したものである。即ち、本発明は、前記要望に沿
う圧電体を製造する方法を提供することを目的とし、詳
細には、高い電気機械結合係数を有し、しかも、高温下
での経時変化(劣化)が少ないSr、Nb、Mnを含む
Pb−Zr−Ti−O系圧電体の製造方法を提供するこ
とを目的としる。
【0005】
【課題を解決するための手段】そして、本発明は、上記
目的とする圧電体を得る手段として、第1の特徴は、ペ
ロブスカイト相結晶構造を有する粉末を原料とし、これ
にMnを含む化合物を添加する点にあり、第2の特徴
は、特定の粒径並びに特定量のペロブスカイト相を含む
粉末を原料粉末として使用する点にあり、更に、第3の
特徴は、Mnを除く各金属元素を含む化合物を特定の仮
焼温度で仮焼し、この仮焼粉末にMn化合物を添加した
後、特定の焼成温度で焼成する点にある。
【0006】即ち、本発明は、(1) Sr及びNbを含む
Pb−Zr−Ti−O系のペロブスカイト相結晶構造を
有する粉末にMnを含む化合物を混合し、成形した後、
焼成することを特徴とするSr、Nb及びMnを含むP
b−Zr−Ti−O系圧電体の製造方法(以下、第1発
明という。)であり、(2) 平均粒径が2μm以下の粉末
であり、かつ、少なくとも90%以上のペロブスカイト相
を有するPb、Zr、Ti、Sr、Nb及びMnを含む
酸化物粉末を成形し、この成形物を焼成することを特徴
とするSr、Nb及びMnを含むPb−Zr−Ti−O
系圧電体の製造方法(以下、第2発明という。)であ
り、(3) Sr、Nb及びMnを含むPb−Zr−Ti−
O系圧電体の製造方法において、Mnを除く各金属元素
を含む化合物を900〜1000℃で酸素の存在下で仮焼し、
次に、この仮焼粉末にMnを含む化合物を添加し、成形
した後、1150〜1250℃で酸素の存在下で焼成することを
特徴とするSr、Nb及びMnを含むPb−Zr−Ti
−O系圧電体の製造方法(以下、第3発明という。)で
ある。
【0007】上記第1〜第3発明を含む本発明を詳細に
説明すると、Sr、Nb及びMnを添加したPb−Zr
−Ti−O系圧電体は、前記したとおり、高い電気機械
結合係数を有する優れた材料である。ところで、電気機
械結合係数とは、電気的エネルギ−を機械的エネルギ−
に変換する効率を表し、この係数が高いと、圧電体素子
に小さな電圧を印加しても、得られる機械的運動が大き
い作用が生ずる。このため、高い電気機械結合係数を有
する材料の開発が盛んに行われているところであり、本
発明は、この開発技術の範疇に属するものである。(な
お、以下に記載する本発明の第1、第2及び第3の特徴
点とするところは、本発明の第1、第2及び第3発明に
それぞれ対応し、また、特に断らない限り単に「本発
明」と称する場合は、第1〜第3発明を包含するものと
して使用する。)
【0008】まず、本発明で使用するSr、Nb及びM
n成分を含むPb−Zr−Ti−O系圧電体の製造用原
料について説明すると、本発明の第1の特徴点は、ペロ
ブスカイト相結晶構造を有する粉末を使用するものであ
り、また、本発明の第2の特徴点は、特定の粒径並びに
特定量のペロブスカイト相を含む粉末を使用するもので
あるが、このような原料粉末は、本発明の第3の特徴点
である「Mnを除く各金属元素を含む化合物を特定の仮
焼温度で仮焼する」ことによって容易に製造することが
できる。即ち、Mnを除くPb、Zr、Ti、Sr、N
bの各金属元素を含む化合物、例えば、それぞれの金属
元素を含む酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の原料を混合し、
この混合物を900〜1000℃で酸素の存在下で仮焼するこ
とによって製造することができる。
【0009】仮焼温度が900℃未満の場合、圧電体の基
本的結晶構造であるペロブスカイト相が生成しにくく、
これをXRDパタ−ンから求めると、10%よりも少な
く、その結果、焼成後の圧電特性が悪くなるので、好ま
しくない。一方、1000℃以上で仮焼すると、ペロブスカ
イト相が生成するけれども、この圧電体はPb成分が多
量に含むことから、仮焼中に粒子が成長し、特に、本発
明の第2の特徴点である平均粒径が2μm以下の粉末が
得られず、それ以上の粗粉末が得られ、その結果、焼結
密度並びに圧電特性が小さくなるので、好ましくない。
【0010】従って、本発明では、前記したとおり、第
3の特徴点である900〜1000℃で仮焼するのが好ましい
。また、仮焼時間としては、1時間以上にわたって仮
焼すれば、本発明で意図するペロブスカイト相が生成す
るので、好ましく、これにより仮焼時間が短いと、充分
にペロブスカイト相が生成せず、特に、本発明の第1及
び第2の特徴点であるペロブスカイト相結晶構造を有す
る粉末が得られないので、好ましくない。
【0011】Mnを除いてPb、Sr、Zr、Ti、N
bの各金属元素を含む化合物の配合割合は、上記仮焼温
度、仮焼時間によって得られた仮焼粉末の組成がPba
SrbZrcTidNbexの組成式で表した場合、次の
範囲内になるように配合するのが好ましく、その組成範
囲外の場合、ペロブスカイト相が生成し難いので、好ま
しくない。 0.87<a<1.06 0.04<b<0.07 0.45<c<0.55 0.45<d<0.55 0.01<e<0.04 (ただし、c+d=1.00)
【0012】本発明において、上記仮焼粉末にMnを含
む化合物を添加し、焼成することを特徴とするものであ
り、これにより、電気機械結合係数の経時変化がより少
ない圧電体を得ることができる。即ち、仮焼粉末の製造
時に最初からMnを含む化合物を配合して仮焼すると、
Mn成分がペロブスカイト相に完全に固溶するため、そ
の後の焼成時において、焼結助材として作用しないの
で、不適である。従って、本発明では、仮焼した粉末
に、その後Mnを含む化合物を添加することを特徴と
し、次に、これを焼成することにより圧電体を製造する
ものであり、これによって、添加したMnの一部は、焼
結助材として作用し、他部は、ペロブスカイト相に個溶
し、焼成密度と圧電体の特性を共に向上させ、経時変化
を低減させる作用効果が生ずるものである。
【0013】本発明において、仮焼粉末に添加するMn
を含む化合物としては、MnCO3(炭酸マンガン)、
MnO2(二酸化マンガン)、MnCl2(塩化マンガ
ン)、Mn(NO32(硝酸マンガン)等が好適に使用
することができる。この添加量としては、PbaSrb
cTidNbeMnfxの組成式で表した場合、前記し
たa〜eの組成範囲を有するペロブスカイト相結晶構造
を有する仮焼粉末に、更に、次の範囲のMn成分となる
ように配合するのが好ましい。 0.005<f<0.020
【0014】Mn成分の量が0.005より少ないと、圧電
体の品質を示すQm(機械的品質係数)が小さくなり、
超音波モ−タ−用素子として不適であるばかりでなく、
焼結密度が低くなるので、好ましくない。また、0.020
より多いと、経時変化が大きくなるために、素子を長期
に亘り使用することができないので、同じく好ましくな
い。従って、本発明において、上記範囲のMn成分を添
加するのが好ましい。
【0015】本発明は、ペロブスカイト相結晶構造を有
する仮焼粉末にMnを含む化合物を添加し、所定の形状
に成形した後、焼成するものであるが、この焼成温度と
しては、1150〜1250℃が好ましい。1150℃よりも低い温
度で焼成すると、低密度焼成体が得られ、超音波モ−タ
−用素子としては強度的に小さいものとなり、好ましく
ない。一方、1250℃よりも高い温度で焼成すると、焼成
後の結晶粒子が粗大化し、特に、本発明の第2の特徴点
である平均粒径が2μm以下の粉末が得られず、その結
果、電気機械結合係数が小さく、また、経時変化も大き
くなるので、好ましくない。
【0016】
【実施例】次に、本発明の第1〜第3発明の実施例をそ
れに対応する比較例と共に挙げ、本発明をより詳細に説
明する。 [第1発明について] (実施例1/1)Pb34、SrCO3、ZrO2、TiO2
及びNb25の各粉末原料を、組成比がPb0.95Sr
0.08Zr0.51Ti0.49Nb0.03xになるように配合
し、ボ−ルミル中でH2Oと共に5時間混合し、110℃で
乾燥した後、950℃で空気中で2時間仮焼し、ペロブス
カイト相結晶構造を有する原料粉末(仮焼粉末)を調製
した。この原料粉末(仮焼粉末)にMnCO3を0.015
(Zr+Ti=1とした場合のモル比)添加し、H2
と共に5時間混合し、110℃で乾燥した。得られたMn
添加物を含む混合粉末をφ20mmのペレット状に成形
し、1185℃で3時間空気中で焼成した。
【0017】次に、このペレットの両面にAgを印刷
し、120℃、3Kv/mmの条件で60分間分極し、ペレ
ット状圧電体素子を作製した。そして、この圧電体素子
を用い、80℃に保持した状態でペレット両端から80MP
aの圧力を3時間加えて放置試験を行い、この放置試験
前後の電気機械結合係数(Kr)を測定した。また、焼
成後の密度も測定した。それらの結果を表1に示す。
【0018】(比較例1/1)比較のため、原料粉末(仮
焼粉末)の製造時に最初からMnCO3を配合し、この
混合粉末を仮焼する点を除き、上記実施例1/1と同一条
件でペレット状圧電体素子を作製した。得られた圧電体
素子に対し、同じく実施例1/1と同一試験を行った。そ
の試験結果を表1に付記した。
【0019】
【表1】
【0020】表1から明らかなように、ペロブスカイト
相結晶構造を有する原料粉末にMn化合物を添加した第
1発明の実施例1/1では、高密度のものが得られるばか
りでなく、電気機械結合係数(Kr)が高く、しかも、
その試験前後の変化量が極めて小さいものが得られるこ
とが理解できる。これに対して、原料粉末の製造時に最
初からMnCO3を配合して製造した比較例1/1では、後
に配合した実施例1/1に比し、低密度であり、電気機械
結合係数(Kr)が低いのみならず、その試験前後の変
化量が大きいものが得られた。
【0021】[第2発明について] (実施例1/2、2/2:比較例1/2、2/2)Pb34、SrC
3、ZrO2、TiO2及びNb25の各粉末原料を、
組成比がPb0.95Sr0.08Zr0.51Ti0.49Nb0.03
xになるように配合し、ボ−ルミル中でH2Oと共に5時
間混合した。この混合物を110℃で乾燥した後、850℃
(比較例1/2)、920℃(実施例1/2)、970℃(実施例2/
2)及び1020℃(比較例2/2)で空気中で2時間仮焼し
た。
【0022】得られた仮焼粉末に、MnCO3を0.015
(Zr+Ti=1とした場合のモル比)添加し、H2
と共に5時間混合し、110℃で乾燥した。この混合粉末
の粒度分布を、島津製作所製セディグラフにより、ま
た、結晶相をX線回析装置(リガク製、RADII)によ
り測定した。その測定値を表2に示す。得られたMn添
加物を含む混合粉末をφ20mmのペレット状に成形
し、1180℃で2時間空気中で焼成した。
【0023】次に、このペレットの両面にAgを印刷
し、120℃、3Kv/mmの条件で60分間分極し、ペレ
ット状圧電体素子を作製した。この圧電体素子を用い、
80℃に保持した状態でペレツト両端から80MPaの圧力
を3時間加えた放置試験を行い、放置試験前後での電気
機械結合係数(Kr)を測定した。この測定結果を表2
に示す。
【0024】
【表2】
【0025】表2から明らかなように、平均粒径が2μ
m以下の粉末であって、しかも、90%以上のペロブスカ
イト相結晶構造を有する粉末を原料として使用した第2
発明の実施例1/2、2/2では、高い電気機械結合係数(K
r)の圧電体が得られるのみならず、その放置試験前後
での値に僅かの差が認められるにすぎないので、高温下
での経時劣化の少ない圧電体が得られることが理解でき
る。これに対して、第2発明で規定する平均粒径が2μ
m以下である1.48μmの粉末を用いるけれども、850℃
で仮焼して得られたペロブスカイト相結晶割合が90%以
下である67%の粉末を使用した比較例1/2では、実施例1
/2、2/2に比し、電気機械結合係数(Kr)が低く、か
つ、放置試験前後でのその差が大きく、高温下での経時
劣化が大きい圧電体が得られた。また、1020℃で仮焼
し、ペロブスカイト相結晶割合が第2発明で規定する90
%以上である93%の粉末であっても、その平均粒径が2.
85μmである比較例2/2の場合も、電気機械結合係数
(Kr)が低く、かつ、放置試験前後でのその差が大き
いものが得られた。
【0026】以上の試験結果から、平均粒径が2μm以
下の粉末であって、ペロブスカイト相結晶割合が90%以
上である93%の粉末を使用することにより、高い電気機
械結合係数(Kr)の圧電体が得られるのみならず、高
温下での経時劣化の少ない圧電体が得られることが理解
できる。
【0027】[第3発明について] (実施例1/3)Pb34、SrCO3、ZrO2、TiO2
及びNb25の各粉末原料を、組成比がPb0.97Sr
0.10Zr0.50Ti0.50Nb0.03xになるように配合
し、ボ−ルミル中でH2Oと共に5時間混合し、110℃で
乾燥した後、950℃で空気中で2時間仮焼した。この仮
焼粉末にMnCO3を0.015(Zr+Ti=1とした場合
のモル比)添加し、H2Oと共に5時間混合し、110℃で
乾燥した。得られたMn添加物を含む混合粉末をφ20m
mのペレット状に成形し、1185℃で3時間空気中で焼成
した。この実施例1/3における仮焼温度及び焼成温度を
表3に示す。
【0028】次に、このペレットの両面にAgを印刷
し、120℃、3Kv/mmの条件で60分間分極し、ペレ
ット状圧電体素子を作製した。そして、この圧電体素子
を用い、80℃で0時間、10時間、30時間、100時間の各放
置試験を行った。この試験による電気機械結合係数(K
r)の測定結果を表3に示す。
【0029】(比較例1/3〜4/3)比較のため、仮焼温度
又は焼成温度を除き、上記実施例1/3と同一条件でペレ
ット状圧電体素子を作製した。即ち、850℃及び1050℃
で仮焼する点を除いて、焼成温度(1185℃)をも含めて
上記実施例1/3と同一条件でペレット状圧電体素子を作
製した(比較例1/3、同2/3)。また、1100℃及び1300℃
で焼成する点を除き、仮焼温度(960℃)を含めて上記
実施例1/3と同一条件でペレット状圧電体素子を作製し
た(比較例3/3、同4/3)。得られた圧電体素子に対し、
実施例1/3と同一試験を行った。その試験結果を表3に
付記した。
【0030】
【表3】
【0031】図1は、前記実施例1/3及び比較例1/3〜4/
3で製造した圧電体素子に対する放置前(0時間)並びに
放置後(10時間、30時間、100時間の各放置後)の各電
気機械結合係数(Kr)の測定結果(表3に示した測定
結果)をグラフ化した図であり、この図1から明らかな
ように、原料粉末を900〜1000℃の範囲内である950℃で
仮焼し、次に、1150〜1250℃の範囲内である1185℃で焼
成して得た第3発明の実施例1/3の圧電体素子は、高い
電気機械結合係数(Kr)を示し、しかも、80℃におけ
る経時変化の少ないものが得られることが理解できる。
【0032】これに対して、焼成温度は、第3発明の11
50〜1250℃の範囲内であって実施例1/3と同一の焼成温
度(1185℃)で焼成したが、原料粉末を900〜1000℃の
範囲外である850℃及び1050℃で仮焼した比較例1/3及び
同2/3では、電気機械結合係数(Kr)が実施例1/3に比
較して小さいのみならず、80℃における経時変化が大き
いものが得られた。また、仮焼温度が第3発明の900〜1
000℃の範囲内である960℃で仮焼したが、焼成温度とし
て、第3発明の1150〜1250℃の範囲外である1100℃及び
1300℃で焼成して得た比較例3/3及び同4/3の圧電体素子
は、同じく電気機械結合係数(Kr)が実施例1/3に比
較して小さいのみならず、80℃における経時変化が大き
いものが得られた。
【0033】以上のことから、第3発明は、特定の仮焼
温度及び特定の焼成温度を組合せることにより初めて高
電気機械結合係数(Kr)を示し、しかも、高温下にお
ける経時変化の少ないものが得られることが理解でき
る。
【0034】
【発明の効果】本発明は、以上詳記したとおり、第1の
特徴は、ペロブスカイト相結晶構造を有する粉末を原料
とし、これにMnを含む化合物を添加する点にあり、第
2の特徴は、特定の粒径並びに特定量のペロブスカイト
相を含む粉末を原料粉末として使用する点にあり、更
に、第3の特徴は、Mnを除く各金属元素を含む化合物
を特定の仮焼温度で仮焼し、この仮焼粉末にMn化合物
を添加した後、特定の焼成温度で焼成する点にあり、こ
れにより、高密度のものが得られるばかりでなく、高い
電気機械結合係数を有し、しかも、高温下での経時変化
(劣化)が少ない圧電体が得られる効果が生ずる。そし
て、本発明により、長期間に亘り使用することができる
圧電体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第3発明の実施例1/3及び比較例1/3〜4/3で製
造した圧電体素子に対する放置前(0時間)並びに放置
後(10時間、30時間、100時間の各放置後)の各電気機
械結合係数(Kr)の測定結果をグラフ化した図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 41/24

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Sr及びNbを含むPb−Zr−Ti−
    O系のペロブスカイト相結晶構造を有する粉末にMnを
    含む化合物を混合し、成形した後、焼成することを特徴
    とするSr、Nb及びMnを含むPb−Zr−Ti−O
    系圧電体の製造方法。
  2. 【請求項2】 平均粒径が2μm以下の粉末であり、か
    つ、少なくとも90%以上のペロブスカイト相を有するP
    b、Zr、Ti、Sr、Nb及びMnを含む酸化物粉末
    を成形し、これを焼成することを特徴とするSr、Nb
    及びMnを含むPb−Zr−Ti−O系圧電体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2における焼成条件
    として、1150〜1250℃で酸素存在下で行う請求項1又は
    請求項2に記載のSr、Nb及びMnを含むPb−Zr
    −Ti−O系圧電体の製造方法。
  4. 【請求項4】 Sr、Nb及びMnを含むPb−Zr−
    Ti−O系圧電体の製造方法において、Mnを除く各金
    属元素を含む化合物を900〜1000℃で酸素の存在下で仮
    焼し、次に、この仮焼粉末にMnを含む化合物を添加
    し、成形した後、1150〜1250℃で酸素の存在下で焼成す
    ることを特徴とするSr、Nb及びMnを含むPb−Z
    r−Ti−O系圧電体の製造方法。
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FR2798925A1 (fr) * 1999-09-29 2001-03-30 Murata Manufacturing Co Ceramique piezoelectrique et dispositif a ondes de surface l'utilisant
JP4733839B2 (ja) * 2001-02-08 2011-07-27 太平洋セメント株式会社 圧電素子の分極方法
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