JPH11240720A - 強誘電性酸化物の緻密質焼結体およびその製造法 - Google Patents
強誘電性酸化物の緻密質焼結体およびその製造法Info
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- JPH11240720A JPH11240720A JP4684598A JP4684598A JPH11240720A JP H11240720 A JPH11240720 A JP H11240720A JP 4684598 A JP4684598 A JP 4684598A JP 4684598 A JP4684598 A JP 4684598A JP H11240720 A JPH11240720 A JP H11240720A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 表面平滑性に優れており、微視的にみたとき
の化学組成が均一である、ターゲット用の強誘電性酸化
物の緻密質焼結体の提供。 【解決手段】 下記式(I)の化学組成を有するもので
あって、焼結体を構成する結晶粒子の粒径が5μm以下
で、各結晶粒子の化学組成が均一であり、カサ密度が理
論密度の80%以上であることを特徴とする強誘電性酸
化物緻密質焼結体、および下記式(I)の化学組成を有
する強誘電性酸化物の出発原料を化学的に混合する工程
を含んでなる該焼結体の製造法。 (Bi2O2)(Mn-1RnO3n+1) (I) (ここで、nは2、3、および4から選ばれる数値であ
り、MはBi3+、La3+、Ba2+、Sr2+、およびK+
からなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属イオン
であり、Rは、Ti4+、Nb5+、およびTa5+からなる
群から選ばれる少なくとも1種類の金属イオンであ
る。)
の化学組成が均一である、ターゲット用の強誘電性酸化
物の緻密質焼結体の提供。 【解決手段】 下記式(I)の化学組成を有するもので
あって、焼結体を構成する結晶粒子の粒径が5μm以下
で、各結晶粒子の化学組成が均一であり、カサ密度が理
論密度の80%以上であることを特徴とする強誘電性酸
化物緻密質焼結体、および下記式(I)の化学組成を有
する強誘電性酸化物の出発原料を化学的に混合する工程
を含んでなる該焼結体の製造法。 (Bi2O2)(Mn-1RnO3n+1) (I) (ここで、nは2、3、および4から選ばれる数値であ
り、MはBi3+、La3+、Ba2+、Sr2+、およびK+
からなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属イオン
であり、Rは、Ti4+、Nb5+、およびTa5+からなる
群から選ばれる少なくとも1種類の金属イオンであ
る。)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強誘電性酸化物の
緻密質焼結体に関するものである。さらに詳しくは、本
発明は強誘電性酸化物薄膜をスパッター法でつくるため
のターゲット用の緻密質焼結体に関するものである。
緻密質焼結体に関するものである。さらに詳しくは、本
発明は強誘電性酸化物薄膜をスパッター法でつくるため
のターゲット用の緻密質焼結体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】強誘電性メモリー(FRAM)に用いる
材料として、強誘電性酸化物被膜を製造する技術の検討
がなされている。この強誘電性酸化物被膜の製造法に
は、従来、スパッター法、エピタキシャル法、およびそ
の他が用いられてきた。
材料として、強誘電性酸化物被膜を製造する技術の検討
がなされている。この強誘電性酸化物被膜の製造法に
は、従来、スパッター法、エピタキシャル法、およびそ
の他が用いられてきた。
【0003】これらのうち、スパッター法により目的と
する物質を成膜するときには、目的とする物質のターゲ
ットとなる焼結体が必要である。従来、このターゲット
用焼結体を製造するのに、ターゲット用焼結体に求めら
れる組成に対応する元素の酸化物粉体、炭酸塩、その他
の塩類などをボールミルなどを使って機械的に混合した
後、乾燥、仮焼、粉砕などの操作でつくった粉体を成形
し、一定の温度で焼成して焼結体を形成させていた。
する物質を成膜するときには、目的とする物質のターゲ
ットとなる焼結体が必要である。従来、このターゲット
用焼結体を製造するのに、ターゲット用焼結体に求めら
れる組成に対応する元素の酸化物粉体、炭酸塩、その他
の塩類などをボールミルなどを使って機械的に混合した
後、乾燥、仮焼、粉砕などの操作でつくった粉体を成形
し、一定の温度で焼成して焼結体を形成させていた。
【0004】化学組成および粒径の均一な粒子からなる
成膜をスパッター法で得るためには、ターゲット用焼結
体を構成するすべての結晶粒子の化学組成が同一である
こと、およびすべての結晶粒子の粒径分布の狭いことが
望まれる。これは、ターゲット用焼結体を構成する結晶
粒子の化学組成および粒径の均一性が成膜の均一性およ
び平滑性に反映されるためである。
成膜をスパッター法で得るためには、ターゲット用焼結
体を構成するすべての結晶粒子の化学組成が同一である
こと、およびすべての結晶粒子の粒径分布の狭いことが
望まれる。これは、ターゲット用焼結体を構成する結晶
粒子の化学組成および粒径の均一性が成膜の均一性およ
び平滑性に反映されるためである。
【0005】従来のターゲット用焼結体の製造法は、前
記したように目的とする物質の組成となるようにそれぞ
れの元素の酸化物粉体や炭酸塩、およびその他の塩類の
出発原料粉体を機械的に混合して原料粉体とするが、こ
のようにして製造された原料粉体粒子の化学組成は、出
発原料粉体のそれぞれの粒子同士との接触程度、または
混合の均一性に大きく依存する。
記したように目的とする物質の組成となるようにそれぞ
れの元素の酸化物粉体や炭酸塩、およびその他の塩類の
出発原料粉体を機械的に混合して原料粉体とするが、こ
のようにして製造された原料粉体粒子の化学組成は、出
発原料粉体のそれぞれの粒子同士との接触程度、または
混合の均一性に大きく依存する。
【0006】また、機械的混合(物理的混合)では微視
的にみるとこれら各粒子の接触程度も混合程度も完全に
均一にならないのがふつうであり、混合が機械的混合の
みによる従来の方法で製造された原料粉体を構成する粒
子を、一つ一つみると化学組成が異なっていることが多
い。そのため、このような原料粉体を用いて製造した焼
結体を構成する結晶粒子の化学組成も、焼成後の各粒子
についてみると異なっているのがふつうである。このた
めに、このような化学組成が不均一な焼結体をターゲッ
トとして成膜をすると、得られる膜は不均一となりやす
い。
的にみるとこれら各粒子の接触程度も混合程度も完全に
均一にならないのがふつうであり、混合が機械的混合の
みによる従来の方法で製造された原料粉体を構成する粒
子を、一つ一つみると化学組成が異なっていることが多
い。そのため、このような原料粉体を用いて製造した焼
結体を構成する結晶粒子の化学組成も、焼成後の各粒子
についてみると異なっているのがふつうである。このた
めに、このような化学組成が不均一な焼結体をターゲッ
トとして成膜をすると、得られる膜は不均一となりやす
い。
【0007】また、前記したような従来の方法により製
造したターゲット用焼結体を構成する粒子は、粒径が不
揃いである。これは、原料粉体を構成する出発原料粉体
がそれぞれ不均一な粒径分布をもつこと、配合される出
発原料粉体が、それぞれ異なった平均粒径をもつこと、
などによるものと思われる。さらに、その粒径も通常3
μm以上の比較的大きいものである。このような原料粉
体を用いてつくった焼結体は、その結晶粒子の粒径も大
きく、粒径も不揃いのものとなりやすく、さらにこれら
に依存して比較的大きな空孔が多数存在するものとなり
やすい。このために、得られる焼結体の表面平滑性も充
分なものではなく、このような焼結体をスパッター用タ
ーゲットとして用いると、反射が不均一となって、得ら
れる膜も不均一になってしまう。
造したターゲット用焼結体を構成する粒子は、粒径が不
揃いである。これは、原料粉体を構成する出発原料粉体
がそれぞれ不均一な粒径分布をもつこと、配合される出
発原料粉体が、それぞれ異なった平均粒径をもつこと、
などによるものと思われる。さらに、その粒径も通常3
μm以上の比較的大きいものである。このような原料粉
体を用いてつくった焼結体は、その結晶粒子の粒径も大
きく、粒径も不揃いのものとなりやすく、さらにこれら
に依存して比較的大きな空孔が多数存在するものとなり
やすい。このために、得られる焼結体の表面平滑性も充
分なものではなく、このような焼結体をスパッター用タ
ーゲットとして用いると、反射が不均一となって、得ら
れる膜も不均一になってしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような観点から、
焼結体を構成する結晶粒子の粒径がより小さく、粒径分
布が狭く、より緻密質であり、かつ微視的な化学組成が
均一であるターゲット用焼結体が望まれている。
焼結体を構成する結晶粒子の粒径がより小さく、粒径分
布が狭く、より緻密質であり、かつ微視的な化学組成が
均一であるターゲット用焼結体が望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】[発明の概要] <要旨>本発明の強誘電性酸化物の緻密質焼結体は、下
記式(I)の化学組成を有するものであって、焼結体を
構成する結晶粒子の粒径が5μm以下で、各結晶粒子の
化学組成が均一であり、カサ密度が理論密度の80%以
上であること、を特徴とするものである。 (Bi2O2)(Mn-1RnO3n+1) (I) (ここで、nは2、3、および4から選ばれる数値であ
り、MはBi3+、La3+、Ba2+、Sr2+、およびK+
からなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属イオン
であり、Rは、Ti4+、Nb5+、およびTa5+からなる
群から選ばれる少なくとも1種類の金属イオンであ
る。)
記式(I)の化学組成を有するものであって、焼結体を
構成する結晶粒子の粒径が5μm以下で、各結晶粒子の
化学組成が均一であり、カサ密度が理論密度の80%以
上であること、を特徴とするものである。 (Bi2O2)(Mn-1RnO3n+1) (I) (ここで、nは2、3、および4から選ばれる数値であ
り、MはBi3+、La3+、Ba2+、Sr2+、およびK+
からなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属イオン
であり、Rは、Ti4+、Nb5+、およびTa5+からなる
群から選ばれる少なくとも1種類の金属イオンであ
る。)
【0010】本発明は、また、強誘電性酸化物の製造法
にも関するものであって、その製造法は、下記式(I)
の化学組成を有する強誘電性酸化物の出発原料を化学的
に混合する工程を含んでなること、を特徴とするもので
ある。 (Bi2O2)(Mn-1RnO3n+1) (I) (ここで、nは2、3、および4から選ばれる数値であ
り、MはBi3+、La3+、Ba2+、Sr2+、およびK+
からなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属イオン
であり、Rは、Ti4+、Nb5+、およびTa5+からなる
群から選ばれる少なくとも1種類の金属イオンであ
る。)
にも関するものであって、その製造法は、下記式(I)
の化学組成を有する強誘電性酸化物の出発原料を化学的
に混合する工程を含んでなること、を特徴とするもので
ある。 (Bi2O2)(Mn-1RnO3n+1) (I) (ここで、nは2、3、および4から選ばれる数値であ
り、MはBi3+、La3+、Ba2+、Sr2+、およびK+
からなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属イオン
であり、Rは、Ti4+、Nb5+、およびTa5+からなる
群から選ばれる少なくとも1種類の金属イオンであ
る。)
【0011】<効果>本発明によれば、表面平滑性に優
れており、微視的にみたときの化学組成が均一である、
ターゲット用の強誘電性酸化物の緻密質焼結体が提供さ
れる。
れており、微視的にみたときの化学組成が均一である、
ターゲット用の強誘電性酸化物の緻密質焼結体が提供さ
れる。
【0012】[発明の具体的説明] <強誘電性酸化物の緻密焼結体> (1)化学組成 本発明の強誘電性酸化物の緻密質焼結体は、下記式
(I)の化学組成を有するものである。 (Bi2O2)(Mn-1RnO3n+1) (I) ここで、nは2、3、および4から選ばれる数値であ
り、MはBi3+、La3+、Ba2+、Sr2+、およびK+
からなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属イオン
であり、Rは、Ti4+、Nb5+、およびTa5+からなる
群から選ばれる少なくとも1種類の金属イオンである。
(I)の化学組成を有するものである。 (Bi2O2)(Mn-1RnO3n+1) (I) ここで、nは2、3、および4から選ばれる数値であ
り、MはBi3+、La3+、Ba2+、Sr2+、およびK+
からなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属イオン
であり、Rは、Ti4+、Nb5+、およびTa5+からなる
群から選ばれる少なくとも1種類の金属イオンである。
【0013】なお、ここでMおよびRは、それぞれ1種
類の金属イオンを示すものではなく、それぞれの群に包
含される金属イオンが組み合わされたものであってもよ
い。このような式で表される酸化物は、具体的には、
(Bi2O2)(SrTa2O7)、(Bi2O2)(PbT
a2O7)、(Bi2O2)(PbNb2O7)、(Bi
2O2)(BaBiTi2NbO10)、(Bi2O2)(P
bBiTi2NbO10)、(Bi2O2)(PbBi2Ti
4O13)、(Bi2O2)(BaBi2Ti4O13)、(B
i2O2)(KBaLaNb4O13)、(Bi2O2)(K
SrBiTa4O13)、およびその他、が挙げられる。
類の金属イオンを示すものではなく、それぞれの群に包
含される金属イオンが組み合わされたものであってもよ
い。このような式で表される酸化物は、具体的には、
(Bi2O2)(SrTa2O7)、(Bi2O2)(PbT
a2O7)、(Bi2O2)(PbNb2O7)、(Bi
2O2)(BaBiTi2NbO10)、(Bi2O2)(P
bBiTi2NbO10)、(Bi2O2)(PbBi2Ti
4O13)、(Bi2O2)(BaBi2Ti4O13)、(B
i2O2)(KBaLaNb4O13)、(Bi2O2)(K
SrBiTa4O13)、およびその他、が挙げられる。
【0014】このような化学組成を有する酸化物は、
(Bi2O2)2+の層が、その他の金属の酸化物のブロッ
クと交互に積み重ねられた、層状の結晶構造を有してい
るものである。このため、式(I)では、Bi2O2を他
の成分と分離して表記している。
(Bi2O2)2+の層が、その他の金属の酸化物のブロッ
クと交互に積み重ねられた、層状の結晶構造を有してい
るものである。このため、式(I)では、Bi2O2を他
の成分と分離して表記している。
【0015】(2)結晶粒子 本発明の強誘電性酸化物の緻密質焼結体は、前記の組成
を有する酸化物の結晶粒子同志が相互に結合したもので
ある。結晶粒子を電子顕微鏡で観察したときの投影断面
積を円に換算したときの直径で表すと、本発明の焼結体
が含んでなる結晶粒子の粒径は5μm以下、好ましくは
2μm以下、である。
を有する酸化物の結晶粒子同志が相互に結合したもので
ある。結晶粒子を電子顕微鏡で観察したときの投影断面
積を円に換算したときの直径で表すと、本発明の焼結体
が含んでなる結晶粒子の粒径は5μm以下、好ましくは
2μm以下、である。
【0016】また、本発明の焼結体において、その焼結
体を構成する結晶粒子を相互に比較した場合、各結晶粒
子の化学組成が同一である。これは、本発明の焼結体を
後記する「化学的混合工程を含む製造法」により製造す
ることによるものであり、ターゲット用緻密質焼結体と
してスパッター法に用いたときに、より均質な強誘電性
酸化物薄膜の形成に寄与する。結晶粒子間の化学組成の
均一性は、分析電子顕微鏡(AEM)により確認するこ
とが可能である。
体を構成する結晶粒子を相互に比較した場合、各結晶粒
子の化学組成が同一である。これは、本発明の焼結体を
後記する「化学的混合工程を含む製造法」により製造す
ることによるものであり、ターゲット用緻密質焼結体と
してスパッター法に用いたときに、より均質な強誘電性
酸化物薄膜の形成に寄与する。結晶粒子間の化学組成の
均一性は、分析電子顕微鏡(AEM)により確認するこ
とが可能である。
【0017】(3)カサ密度 本発明の強誘電性酸化物の緻密質焼結体は、そのカサ密
度が理論密度の80%以上であることを特徴としてい
る。ここで、カサ密度とは焼結体のバルクとしての密度
である。
度が理論密度の80%以上であることを特徴としてい
る。ここで、カサ密度とは焼結体のバルクとしての密度
である。
【0018】本発明の焼結体は結晶粒子が互いに結合し
た構造をとっているために粒子間に空孔を有しており、
カサ密度は粒子間の空孔の大きさや量に応じて、理論密
度よりも小さくなる。
た構造をとっているために粒子間に空孔を有しており、
カサ密度は粒子間の空孔の大きさや量に応じて、理論密
度よりも小さくなる。
【0019】<強誘電性酸化物の緻密質焼結体の製造法
>前記した本発明の強誘電性酸化物の緻密質焼結体は、
合目的的な任意の方法で製造することができるが、原料
を化学的に混合する工程を経て製造することが好まし
い。ここで、「化学的混合」という用語は、混合すべき
物質を液相または気相で混合することを意味する。具体
的には、混合すべき物質を溶媒中に溶解させて混合す
る、混合すべき物質を加熱溶融させて混合する、混合す
べき物質を気化させて混合する、およびその他の方法を
選択することができる。これらのうち、混合すべき物質
を溶媒中に溶解させて混合する方法が簡便であり、好ま
しい。溶媒中に溶解させて混合するには、混合すべき物
質のそれぞれの溶液を混合してもよいし、単一の溶媒中
に混合すべき物質を直接溶解してもよい。
>前記した本発明の強誘電性酸化物の緻密質焼結体は、
合目的的な任意の方法で製造することができるが、原料
を化学的に混合する工程を経て製造することが好まし
い。ここで、「化学的混合」という用語は、混合すべき
物質を液相または気相で混合することを意味する。具体
的には、混合すべき物質を溶媒中に溶解させて混合す
る、混合すべき物質を加熱溶融させて混合する、混合す
べき物質を気化させて混合する、およびその他の方法を
選択することができる。これらのうち、混合すべき物質
を溶媒中に溶解させて混合する方法が簡便であり、好ま
しい。溶媒中に溶解させて混合するには、混合すべき物
質のそれぞれの溶液を混合してもよいし、単一の溶媒中
に混合すべき物質を直接溶解してもよい。
【0020】本発明の強誘電性酸化物の緻密質焼結体
は、このような「化学的混合」を利用して、例えば、下
記のような製造法により製造される。 (1)目的とする酸化物焼結体の化学組成に対応する比
率で金属を含有する水溶液を調製する工程、(2)前記
水溶液を脱水および乾燥して固化させ、さらに粉砕して
微粒子粉体にする工程、(3)前記粉体を仮焼する工
程、および、(4)仮焼された粉体を密に成型し、成型
された粉体を焼結する工程。
は、このような「化学的混合」を利用して、例えば、下
記のような製造法により製造される。 (1)目的とする酸化物焼結体の化学組成に対応する比
率で金属を含有する水溶液を調製する工程、(2)前記
水溶液を脱水および乾燥して固化させ、さらに粉砕して
微粒子粉体にする工程、(3)前記粉体を仮焼する工
程、および、(4)仮焼された粉体を密に成型し、成型
された粉体を焼結する工程。
【0021】まず、工程(1)において、目的とする酸
化物の化学組成に対応する比率で金属を含有する水溶液
を調製する。ここで、金属の供給源として用いる化合物
は、金属の酸化物、塩、およびその他が挙げられる。通
常、金属の水溶性の塩を水に溶解することで調製する
が、水に対して難溶性の化合物を用い、酸(例えば硝
酸)や塩基(例えばアンモニア)を添加することで溶解
させてもよい。このように、出発原料を水溶液にして混
合することで、「化学的に」成分の均一化がなされて、
化学組成が粒子間で均一な原料粒子を得ることができ
る。
化物の化学組成に対応する比率で金属を含有する水溶液
を調製する。ここで、金属の供給源として用いる化合物
は、金属の酸化物、塩、およびその他が挙げられる。通
常、金属の水溶性の塩を水に溶解することで調製する
が、水に対して難溶性の化合物を用い、酸(例えば硝
酸)や塩基(例えばアンモニア)を添加することで溶解
させてもよい。このように、出発原料を水溶液にして混
合することで、「化学的に」成分の均一化がなされて、
化学組成が粒子間で均一な原料粒子を得ることができ
る。
【0022】次に、工程(2)において、水溶液を脱水
し、乾燥して、所与の比率で金属を含有する粒子を析出
させる。このような方法は任意であるが、析出成分の比
率が変化しにくい噴霧乾燥または凍結乾燥によることが
好ましく、特に噴霧乾燥によることが好ましい。また、
乾燥を行う場合には、乾燥処理に先立ち、水溶液にアル
コールを添加することが好ましい。これは、アルコール
を添加することにより、析出する粒子が凝集しにくくな
り、より細かい粒子が得られるためである。このとき用
いるアルコールの具体的なものは、メタノール、エタノ
ール、プロパノール類、ブタノール類、およびその他で
あり、乾燥が容易に進行するように沸点の低い物を選択
することが好ましい。
し、乾燥して、所与の比率で金属を含有する粒子を析出
させる。このような方法は任意であるが、析出成分の比
率が変化しにくい噴霧乾燥または凍結乾燥によることが
好ましく、特に噴霧乾燥によることが好ましい。また、
乾燥を行う場合には、乾燥処理に先立ち、水溶液にアル
コールを添加することが好ましい。これは、アルコール
を添加することにより、析出する粒子が凝集しにくくな
り、より細かい粒子が得られるためである。このとき用
いるアルコールの具体的なものは、メタノール、エタノ
ール、プロパノール類、ブタノール類、およびその他で
あり、乾燥が容易に進行するように沸点の低い物を選択
することが好ましい。
【0023】脱水および乾燥したあと、生じた固化物を
粉砕する。噴霧乾燥による乾燥を行うと、固化物がもろ
くなりやすく、微粒子化に有利である。前記したよう
に、焼結前の原料粒子は、その粒径が小さい方が好まし
く、通常0.1μm以下が好ましい。
粉砕する。噴霧乾燥による乾燥を行うと、固化物がもろ
くなりやすく、微粒子化に有利である。前記したよう
に、焼結前の原料粒子は、その粒径が小さい方が好まし
く、通常0.1μm以下が好ましい。
【0024】工程(3)においては、工程(2)で得ら
れた粉体を密に成型する。本発明の焼結体は、より緻密
であることが望ましいため、原料である粉体を成型する
ときに、粉体をより密に成型することが好ましい。成型
方法は任意であるが、一般に、粉体を容器に入れ、振
盪、加圧、およびその他の方法で粉体を成型させる。ま
た、成型体の内部に含まれる気体を吸引により除去して
もよい。次いで、成型された粉体を工程(4)で焼結さ
せる。この焼結工程は、原料粉体の成型体を融点以下、
あるいは一部液相を生じる温度に加熱することにより焼
き固めて、緻密な多結晶体にする工程である。
れた粉体を密に成型する。本発明の焼結体は、より緻密
であることが望ましいため、原料である粉体を成型する
ときに、粉体をより密に成型することが好ましい。成型
方法は任意であるが、一般に、粉体を容器に入れ、振
盪、加圧、およびその他の方法で粉体を成型させる。ま
た、成型体の内部に含まれる気体を吸引により除去して
もよい。次いで、成型された粉体を工程(4)で焼結さ
せる。この焼結工程は、原料粉体の成型体を融点以下、
あるいは一部液相を生じる温度に加熱することにより焼
き固めて、緻密な多結晶体にする工程である。
【0025】
【実施例】下記の諸例は、本発明を説明するためのもの
である。実施例1 化学組成が(Bi2O2)(SrTa2O7)を有する粉体
を以下の通りに調製した。まず、ビスマス、ストロンチ
ウム、およびタンタルの酸化物または炭酸塩を各金属の
モル比が2:1:2となるように組み合わせて硝酸に溶
解し、水で希釈し、pHを7以下に調整して、(Bi2
O2)(SrTa2O7)に換算した濃度が0.03モル
の水溶液を得た。この水溶液に容積割合で10%以下の
エタノールを加えて撹拌した。さらにこの溶液を噴霧乾
燥させて得られる微粒子粉体を500℃で1時間仮焼し
た後、軽い粉砕処理、乾燥、篩い分けを行って、(Bi
2O2)(SrTa2O7)の粉体を得た。
である。実施例1 化学組成が(Bi2O2)(SrTa2O7)を有する粉体
を以下の通りに調製した。まず、ビスマス、ストロンチ
ウム、およびタンタルの酸化物または炭酸塩を各金属の
モル比が2:1:2となるように組み合わせて硝酸に溶
解し、水で希釈し、pHを7以下に調整して、(Bi2
O2)(SrTa2O7)に換算した濃度が0.03モル
の水溶液を得た。この水溶液に容積割合で10%以下の
エタノールを加えて撹拌した。さらにこの溶液を噴霧乾
燥させて得られる微粒子粉体を500℃で1時間仮焼し
た後、軽い粉砕処理、乾燥、篩い分けを行って、(Bi
2O2)(SrTa2O7)の粉体を得た。
【0026】この粉体を通常の方法でできるだけ密に成
型した後、1050℃で2時間焼成して緻密焼結体を得
た。得られた焼結体のカサ密度は理論密度の83.2%
であり、焼結体を構成する結晶粒子の粒径は、電子顕微
鏡による測定で1.0〜1.3μmであった。また、こ
の焼結体の空孔の大きさは、結晶粒子の粒径とほぼ同じ
大きさであった。
型した後、1050℃で2時間焼成して緻密焼結体を得
た。得られた焼結体のカサ密度は理論密度の83.2%
であり、焼結体を構成する結晶粒子の粒径は、電子顕微
鏡による測定で1.0〜1.3μmであった。また、こ
の焼結体の空孔の大きさは、結晶粒子の粒径とほぼ同じ
大きさであった。
【0027】同様の組成を有する焼結体を、出発原料粉
体を機械的に混合してから焼結させる、従来の方法によ
り調製したところ、焼結体のカサ密度は理論密度の7
6.6%、焼結体を構成する結晶粒子の粒径は2〜3μ
mであった。また、空孔の大きさは不均一で、大きいも
のでは5〜6μmの大きさのものもあった。
体を機械的に混合してから焼結させる、従来の方法によ
り調製したところ、焼結体のカサ密度は理論密度の7
6.6%、焼結体を構成する結晶粒子の粒径は2〜3μ
mであった。また、空孔の大きさは不均一で、大きいも
のでは5〜6μmの大きさのものもあった。
【0028】実施例2 ビスマス、鉛、およびタンタルのモル比が2:1:2で
ある水溶液を実施例1と同様の方法で調製した。この水
溶液に容積割合で10%以下のメタノールを加えた後、
実施例1と同様の方法で(Bi2O2)(PbTa2O7)
の化学組成を有する粉体を得た。
ある水溶液を実施例1と同様の方法で調製した。この水
溶液に容積割合で10%以下のメタノールを加えた後、
実施例1と同様の方法で(Bi2O2)(PbTa2O7)
の化学組成を有する粉体を得た。
【0029】この粉体を実施例1と同様に成型した後、
同じ組成の粉体でカバーした後、1050℃で2時間焼
結して、緻密焼結体を得た。得られた焼結体のカサ密度
は理論密度の85%であり、焼結体を構成する結晶粒子
の粒径は、電子顕微鏡による測定で1.0〜2.0μm
であった。
同じ組成の粉体でカバーした後、1050℃で2時間焼
結して、緻密焼結体を得た。得られた焼結体のカサ密度
は理論密度の85%であり、焼結体を構成する結晶粒子
の粒径は、電子顕微鏡による測定で1.0〜2.0μm
であった。
【0030】同様の組成を有する焼結体を、出発原料粉
体を機械的に混合してから焼結させる、従来の方法によ
り調製したところ、焼結体のカサ密度は理論密度の73
%、焼結体を構成する結晶粒子の粒径は5〜7μmであ
った。
体を機械的に混合してから焼結させる、従来の方法によ
り調製したところ、焼結体のカサ密度は理論密度の73
%、焼結体を構成する結晶粒子の粒径は5〜7μmであ
った。
【0031】実施例3 ビスマス、鉛、およびニオブのモル比が2:1:2であ
る水溶液を実施例1と同様の方法で調製した。この水溶
液に容積割合で10%以下のプロパノールを加えた後、
実施例1と同様の方法で(Bi2O2)(PbNb2O7)
の化学組成を有する粉体を得た。
る水溶液を実施例1と同様の方法で調製した。この水溶
液に容積割合で10%以下のプロパノールを加えた後、
実施例1と同様の方法で(Bi2O2)(PbNb2O7)
の化学組成を有する粉体を得た。
【0032】この粉体を実施例2と同様の方法で焼結し
て緻密焼結体を得た。得られた焼結体のカサ密度は理論
密度の87%であり、焼結体を構成する結晶粒子の粒径
は、電子顕微鏡による測定で1.2〜2.5μmであっ
た。
て緻密焼結体を得た。得られた焼結体のカサ密度は理論
密度の87%であり、焼結体を構成する結晶粒子の粒径
は、電子顕微鏡による測定で1.2〜2.5μmであっ
た。
【0033】同様の組成を有する焼結体を、出発原料粉
体を機械的に混合してから焼結させる、従来の方法によ
り調製したところ、焼結体のカサ密度は理論密度の7
7.7%、焼結体を構成する結晶粒子の粒径は3〜6μ
mであった。
体を機械的に混合してから焼結させる、従来の方法によ
り調製したところ、焼結体のカサ密度は理論密度の7
7.7%、焼結体を構成する結晶粒子の粒径は3〜6μ
mであった。
【0034】実施例4 ビスマス、バリウム、チタン、およびニオブのモル比が
3:1:2:1である水溶液を実施例1と同様の方法で
調製した。この水溶液に容積割合で10%以下のメタノ
ールを加えた後、実施例1と同様の方法で(Bi2O2)
(BaBiTi2NbO10)の化学組成を有する粉体を
得た。
3:1:2:1である水溶液を実施例1と同様の方法で
調製した。この水溶液に容積割合で10%以下のメタノ
ールを加えた後、実施例1と同様の方法で(Bi2O2)
(BaBiTi2NbO10)の化学組成を有する粉体を
得た。
【0035】この粉体を実施例1と同様の方法で焼結し
て緻密焼結体を得た。得られた焼結体のカサ密度は理論
密度の87%であり、焼結体を構成する結晶粒子の粒径
は、電子顕微鏡による測定で1.0〜1.6μmであっ
た。
て緻密焼結体を得た。得られた焼結体のカサ密度は理論
密度の87%であり、焼結体を構成する結晶粒子の粒径
は、電子顕微鏡による測定で1.0〜1.6μmであっ
た。
【0036】同様の組成を有する焼結体を、出発原料粉
体を機械的に混合してから焼結させる、従来の方法によ
り調製したところ、焼結体のカサ密度は理論密度の73
%、焼結体を構成する結晶粒子の粒径は3.0〜5.5
μmであった。
体を機械的に混合してから焼結させる、従来の方法によ
り調製したところ、焼結体のカサ密度は理論密度の73
%、焼結体を構成する結晶粒子の粒径は3.0〜5.5
μmであった。
【0037】実施例5 ビスマス、鉛、チタン、およびニオブのモル比が3:
1:2:1である水溶液を実施例1と同様の方法で調製
した。この水溶液に容積割合で10%以下のプロパノー
ルを加えた後、実施例1と同様の方法で(Bi2O2)
(PbBiTi2NbO10)の化学組成を有する粉体を
得た。
1:2:1である水溶液を実施例1と同様の方法で調製
した。この水溶液に容積割合で10%以下のプロパノー
ルを加えた後、実施例1と同様の方法で(Bi2O2)
(PbBiTi2NbO10)の化学組成を有する粉体を
得た。
【0038】この粉体を実施例2と同様の方法で焼結し
て緻密焼結体を得た。得られた焼結体のカサ密度は理論
密度の87%であり、焼結体を構成する結晶粒子の粒径
は、電子顕微鏡による測定で1.3〜2.2μmであっ
た。
て緻密焼結体を得た。得られた焼結体のカサ密度は理論
密度の87%であり、焼結体を構成する結晶粒子の粒径
は、電子顕微鏡による測定で1.3〜2.2μmであっ
た。
【0039】同様の組成を有する焼結体を、出発原料粉
体を機械的に混合してから焼結させる、従来の方法によ
り調製したところ、焼結体のカサ密度は理論密度の77
%、焼結体を構成する結晶粒子の粒径は4.3〜5.6
μmであった。
体を機械的に混合してから焼結させる、従来の方法によ
り調製したところ、焼結体のカサ密度は理論密度の77
%、焼結体を構成する結晶粒子の粒径は4.3〜5.6
μmであった。
【0040】実施例6 ビスマス、鉛、およびチタンのモル比が4:1:4であ
る水溶液を実施例1と同様の方法で調製した。この水溶
液に容積割合で10%以下のプロパノールを加えた後、
実施例1と同様の方法で(Bi2O2)(PbBi2Ti4
O13)の化学組成を有する粉体を得た。
る水溶液を実施例1と同様の方法で調製した。この水溶
液に容積割合で10%以下のプロパノールを加えた後、
実施例1と同様の方法で(Bi2O2)(PbBi2Ti4
O13)の化学組成を有する粉体を得た。
【0041】この粉体を実施例2と同様の方法で焼結し
て緻密焼結体を得た。得られた焼結体のカサ密度は理論
密度の90.2%であり、焼結体を構成する結晶粒子の
粒径は、電子顕微鏡による測定で1.3〜1.7μmで
あった。
て緻密焼結体を得た。得られた焼結体のカサ密度は理論
密度の90.2%であり、焼結体を構成する結晶粒子の
粒径は、電子顕微鏡による測定で1.3〜1.7μmで
あった。
【0042】同様の組成を有する焼結体を、出発原料粉
体を機械的に混合してから焼結させる、従来の方法によ
り調製したところ、焼結体のカサ密度は理論密度の76
%、焼結体を構成する結晶粒子の粒径は3.5〜5.3
μmであった。
体を機械的に混合してから焼結させる、従来の方法によ
り調製したところ、焼結体のカサ密度は理論密度の76
%、焼結体を構成する結晶粒子の粒径は3.5〜5.3
μmであった。
【0043】実施例7 ビスマス、バリウム、およびチタンのモル比が4:1:
4である水溶液を実施例1と同様の方法で調製した。こ
の水溶液に容積割合で10%以下のプロパノールを加え
た後、実施例1と同様の方法で(Bi2O2)(BaBi
2Ti4O13)の化学組成を有する粉体を得た。
4である水溶液を実施例1と同様の方法で調製した。こ
の水溶液に容積割合で10%以下のプロパノールを加え
た後、実施例1と同様の方法で(Bi2O2)(BaBi
2Ti4O13)の化学組成を有する粉体を得た。
【0044】この粉体を実施例2と同様の方法で焼結し
て緻密焼結体を得た。得られた焼結体のカサ密度は理論
密度の93%であり、焼結体を構成する結晶粒子の粒径
は、電子顕微鏡による測定で1.1〜1.5μmであっ
た。
て緻密焼結体を得た。得られた焼結体のカサ密度は理論
密度の93%であり、焼結体を構成する結晶粒子の粒径
は、電子顕微鏡による測定で1.1〜1.5μmであっ
た。
【0045】同様の組成を有する焼結体を、出発原料粉
体を機械的に混合してから焼結させる、従来の方法によ
り調製したところ、焼結体のカサ密度は理論密度の78
%、焼結体を構成する結晶粒子の粒径は3.6〜5.1
μmであった。
体を機械的に混合してから焼結させる、従来の方法によ
り調製したところ、焼結体のカサ密度は理論密度の78
%、焼結体を構成する結晶粒子の粒径は3.6〜5.1
μmであった。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、表面平滑性に優れてお
り、微視的にみたときの化学組成が均一である、ターゲ
ット用の強誘電性酸化物の緻密質焼結体が提供されるこ
とは、[発明の概要]の項に前記したとおりである。
り、微視的にみたときの化学組成が均一である、ターゲ
ット用の強誘電性酸化物の緻密質焼結体が提供されるこ
とは、[発明の概要]の項に前記したとおりである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高 木 弘 義 愛知県春日井市林島町160−2
Claims (5)
- 【請求項1】下記式(I)の化学組成を有する強誘電性
酸化物の緻密質焼結体であって、焼結体を構成する結晶
粒子の粒径が5μm以下で、各結晶粒子の化学組成が均
一であり、カサ密度が理論密度のが80%以上であるこ
とを特徴とする、強誘電性酸化物の緻密質焼結体。 (Bi2O2)(Mn-1RnO3n+1) (I) (ここで、nは2、3、および4から選ばれる数値であ
り、MはBi3+、La3+、Ba2+、Sr2+、およびK+
からなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属イオン
であり、Rは、Ti4+、Nb5+、およびTa5+からなる
群から選ばれる少なくとも1種類の金属イオンであ
る。) - 【請求項2】焼結体を構成する結晶粒子の粒径が2μm
以下である、請求項1に記載の焼結体。 - 【請求項3】下記式(I)の化学組成の強誘電性酸化物
を与える出発原料を化学的に混合する工程を含んでなる
ことを特徴とする、下記式(I)の化学組成を有する強
誘電性酸化物の緻密質焼結体の製造法。 (Bi2O2)(Mn-1RnO3n+1) (I) (ここで、nは2、3、および4から選ばれる数値であ
り、MはBi3+、La3+、Ba2+、Sr2+、およびK+
からなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属イオン
であり、Rは、Ti4+、Nb5+、およびTa5+からなる
群から選ばれる少なくとも1種類の金属イオンであ
る。) - 【請求項4】下記の工程を含んでなる、請求項3に記載
の方法。 (1)目的とする酸化物焼結体の化学組成に対応する比
率で金属を含有する水溶液を調製する工程、(2)前記
水溶液を脱水および乾燥して固化させ、さらに粉砕して
微粒子粉体にする工程、(3)前記粉体を仮焼する工
程、および、(4)仮焼された粉体を密に成型し、成型
された粉体を焼結する工程。 - 【請求項5】工程(1)で得られた水溶液に、アルコー
ルをさらに添加する、請求項4に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4684598A JPH11240720A (ja) | 1998-02-27 | 1998-02-27 | 強誘電性酸化物の緻密質焼結体およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4684598A JPH11240720A (ja) | 1998-02-27 | 1998-02-27 | 強誘電性酸化物の緻密質焼結体およびその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11240720A true JPH11240720A (ja) | 1999-09-07 |
Family
ID=12758688
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4684598A Pending JPH11240720A (ja) | 1998-02-27 | 1998-02-27 | 強誘電性酸化物の緻密質焼結体およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11240720A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007010874A1 (ja) * | 2005-07-15 | 2007-01-25 | Asahi Glass Company, Limited | タンタル酸ストロンチウムビスマス微粒子の製造方法 |
WO2013065337A1 (ja) * | 2011-11-04 | 2013-05-10 | 株式会社フェローテックセラミックス | スパッタリングターゲットおよびその製造方法 |
JP7394249B1 (ja) * | 2023-05-15 | 2023-12-07 | 株式会社アルバック | モリブデンターゲットおよびその製造方法 |
-
1998
- 1998-02-27 JP JP4684598A patent/JPH11240720A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007010874A1 (ja) * | 2005-07-15 | 2007-01-25 | Asahi Glass Company, Limited | タンタル酸ストロンチウムビスマス微粒子の製造方法 |
JP5056414B2 (ja) * | 2005-07-15 | 2012-10-24 | 旭硝子株式会社 | タンタル酸ストロンチウムビスマス微粒子の製造方法 |
WO2013065337A1 (ja) * | 2011-11-04 | 2013-05-10 | 株式会社フェローテックセラミックス | スパッタリングターゲットおよびその製造方法 |
CN103917688A (zh) * | 2011-11-04 | 2014-07-09 | 飞罗得陶瓷股份有限公司 | 溅射靶材及其制造方法 |
JPWO2013065337A1 (ja) * | 2011-11-04 | 2015-04-02 | 株式会社フェローテックセラミックス | スパッタリングターゲットおよびその製造方法 |
CN103917688B (zh) * | 2011-11-04 | 2016-06-29 | 飞罗得陶瓷股份有限公司 | 溅射靶材及其制造方法 |
US10504706B2 (en) | 2011-11-04 | 2019-12-10 | Ferrotec Ceramics Corporation | Sputtering target and method for producing the same |
JP7394249B1 (ja) * | 2023-05-15 | 2023-12-07 | 株式会社アルバック | モリブデンターゲットおよびその製造方法 |
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