JP3032613B2 - 誘電体磁器組成物の製造方法 - Google Patents

誘電体磁器組成物の製造方法

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JP3032613B2 JP3203348A JP20334891A JP3032613B2 JP 3032613 B2 JP3032613 B2 JP 3032613B2 JP 3203348 A JP3203348 A JP 3203348A JP 20334891 A JP20334891 A JP 20334891A JP 3032613 B2 JP3032613 B2 JP 3032613B2
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通昭 鶴見
暢 小島
一明 遠藤
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富士電気化学株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ペロブスカイト型構造
を有する誘電体磁器組成物の製造方法に関するものであ
る。更に詳しく述べると、ABO3 又はA1-x BO3-x
で表される組成物の仮焼品を湿式粉砕した後、得られる
スラリーを炭酸ガスに触れないように乾燥させることに
より、バリウム(Ba)やストロンチウム(Sr)など
のアルカリ土類金属イオンの炭酸塩の発生を防止して、
焼結性を改善し、均一性を向上させる製造方法に関する
ものである。この技術は、例えばマイクロ波やミリ波等
の高周波領域で用いる誘電体共振器材料やMIC(マイ
クロ波IC)用誘電体基板材料などの製造に利用でき
る。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波やミリ波等で使用する高周波
用誘電体磁器材料として、すでに様々な系列の材料が開
発され使用されている。例えば、Ba(Zn1/3 ,Ta
2/3 )O3 −Ba(Zn1/3 ,Nb2/3 )O3 系、ある
いはBa(Zrx,Zny ,Taz )O7/2-x/2-3y/z
などがあり、Q値の高い誘電体磁器組成物が製造されて
いる。これらの組成系では、仮焼品を純水中で粉砕し、
そのスラリーを空気中で加熱して乾燥させて仮焼粉体を
得ている。
【0003】またBa組成比を化学量論よりも不足させ
ることによって高いQ値をもつ高周波用誘電体磁器組成
物を得る技術もある。その一例としては、Ba(Zn
1/3 ,Ta2/3 )O3 系材料において、Ba組成比がや
や不足の状態とし、仮焼品を乾式法のみによって粉砕
し、成形後、1600〜1700℃で1〜10時間焼成
する方法がある(特開平2−51464号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】誘電体材料の製造で
は、優れた誘電特性を、再現性よく且つ安価に発現させ
るということが必要である。しかし上記のような従来の
方法は、再現性並びに経済性の点で問題がある。
【0005】ABO3 で表され、そのAサイトにBa,
Sr等のアルカリ土類金属イオンを導入したペロブスカ
イト型構造の誘電体磁器組成物では、その構造上、湿式
粉砕過程においてAサイトイオンの脱離が起こり易い。
粉砕溶媒中に溶出したアルカリ土類金属イオンは、自然
乾燥時に空気中の炭酸ガス(溶媒中に溶け込んだ空気中
の炭酸ガス)と反応して炭酸塩を生じる。この炭酸塩は
粉砕粉体の数十倍の粒径を持ち焼結性を著しく阻害する
し、また炭酸塩の析出により組成ずれが引き起こされ
る。このため焼成条件が厳しくなったり、誘電特性が悪
化したりする問題が生じる。特に、Ba(Zn1/3 ,T
2/3 )O3 系あるいはBa(Mg1/3 ,Ta2/3 )O
3 系などの低損失材では、焼成温度が高くなるため経済
的損失は大きい。
【0006】またBa組成比を化学量論より不足させ、
乾式粉砕のみを行う製法では、湿式粉砕を行わないため
炭酸塩は生じないが、粉砕粉体の粒径が大きいため、誘
電特性を向上させるにはやはり高い焼成温度が必要とな
る。
【0007】本発明の目的は、上記のような従来技術の
欠点を解消し、優れた誘電特性を再現性よく且つ安価に
発現させることができる製造方法を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式ABO
3 又はA1-x BO3-x で表されるペロブスカイト型構造
の組成物の仮焼品を粉砕し焼成する方法である。但し、
xはペロブスカイト構造の格子欠陥として許容される範
囲内の値であり、AサイトにBaやSr等のアルカリ土
類金属イオンを導入した組成物である。ここで本発明の
特徴は、前記仮焼品を極性溶媒中で粉砕したとき得られ
るスラリーを、炭酸ガス不存在状態下で(炭酸ガスに触
れない状態で)乾燥し、焼結に用いる点にある。
【0009】ここで使用する極性溶媒は分極している分
子からなる溶媒であり、例えば水やアルコールなどがあ
る。乾燥の具体的方法としては、例えば脱気加熱乾燥や
窒素気流中での加熱乾燥などがある。本発明は、特にB
サイトにMg,Zn,Ta等を導入した組成物の場合に
有効である。
【0010】xの範囲を各誘電体磁器組成物においてペ
ロブスカイト構造の格子欠陥として許容される範囲内の
値とする理由は、焼結性が向上する因子から第2相の生
成による因子を除くためである。またAサイトにBaや
Sr等のアルカリ土類金属イオンを導入した組成物とす
るのは、特にこれらの磁器組成物は難焼結性であり、脱
離したAサイトイオンにより乾燥工程で炭酸塩の結晶が
析出し、その炭酸塩が引き起こす焼結性の悪化が問題と
なるためである。
【0011】
【作用】水やアルコール等の極性溶媒中ではAサイトイ
オンが共存できる。そのため粉砕にそのような極性溶媒
を用いるとペロブスカイト型結晶構造のAサイトイオン
(BaやSrなど)の一部が溶媒中に抜け出る。本発明
において、例えばA1-x BO3-x なる組成の誘電体磁器
組成物の仮焼品を純水中で粉砕すると、Aサイトイオン
が純水中に溶出するためA1-x-y BO3-x-y +yA(O
H)2 となる。このうち第2項の水酸化物A(OH)2
はスラリーの液中に溶解している。スラリーをそのまま
脱気乾燥など炭酸ガスに触れない状態で乾燥させると、
水酸化物は炭酸塩には変化せず、そのままの形で残る。
乾燥していれば、空気中の炭酸ガスに触れても反応し難
い。そのため焼結性の悪化を引き起こすことはなく、焼
成温度が高くなりすぎることはない。
【0012】因に、A1-x-y BO3-x-y +yA(OH)
2 をそのまま空気中で乾燥すると、空気中の炭酸ガスが
スラリー中に溶け込み、A(OH)2 と反応してA
1-x-y BO3-x-y +yACO3 となる。第2項の炭酸塩
ACO3 は大きな結晶となって析出し、それが焼結性を
阻害していた。しかし本発明では炭酸ガス不存在雰囲気
中で乾燥するため、そのような難焼結性の析出物は生じ
ない。
【0013】
【実施例】出発原料として高純度のBaCO3 ,Mg
O,Ta25 ,ZnO,CoO,Nb2 5 を用い、
表1の一般式で表される組成となるようにmとxの値を
調整し、数種類の試料を秤量した。
【表1】
【0014】これを樹脂ポットを用いて純水と共に20
時間湿式混合した後、取り出して乾燥し、1300℃で
10時間の仮焼を行った。この仮焼品を樹脂ポットで純
水と共に20時間湿式粉砕した。得られたスラリーをエ
バポレータを用いて脱気加熱乾燥し、その乾燥粉体にバ
インダを加えて造粒した。また比較のため、同じスラリ
ーを自然加熱乾燥(空気中での加熱乾燥)した後、バイ
ンダを加えた造粒粉も作製した。これらの造粒粉を用い
てプレス装置により3000kg/cm2 の圧力を加え、直
径14mm、厚さ6mmの円板に成形し、次いでこの成形品
を酸化雰囲気中で所定温度・所定時間焼成し誘電体磁器
組成物を作製した。その上下両面及び側面を1mm程度削
り取って測定用試料とした。
【0015】各試料について、共振周波数約10GHzに
おける比誘電率εr 及びQ値をポストレゾネータ法によ
り測定した。また水中置換法により密度を求めた。測定
結果を表2に示す。
【0016】
【表2】
【0017】表2に示す結果は、各試料について焼成温
度を同一に設定して比較している。比較例のようにQ値
が2000以下では、実際には利用価値がない。つまり
比較例の場合は、より高温で焼成しなければQ値は向上
しない。逆に言うと、本発明方法では、より低い温度で
焼結し、そのため経済性が向上することになる。因に粒
子サイズを比較すると、Ba1-x (Zn1/3 ,T
2/3 )O3-x の仮焼粉体の粒径は0.2〜0.7μm
程度であるのに対して、自然乾燥時に析出するBaCO
3 の結晶は1.0×3.5μm程度の柱状である。この
ように、仮焼粉体よりもはるかに大きな結晶が析出する
ために、焼結性が悪化し、また組成ずれが引き起こされ
ることが問題となる。
【0018】上記の実施例では、脱気加熱乾燥を行って
いるが、窒素など不活性ガスの気流中で加熱し乾燥する
方法でもよい。
【0019】
【発明の効果】本発明は上記のように、仮焼品を極性溶
媒中で粉砕し、得られるスラリーが炭酸ガスに触れない
ような状態で乾燥する方法であるから、湿式粉砕である
ため仮焼粉体の粒径が小さくなり、且つ焼結性を阻害す
る有害な炭酸塩が析出することがなく、そのため比較的
低い温度で焼結させることができる。またBaやSr等
のアルカリ土類金属は、秤量したままの量が残り焼結さ
れる。これらのため、より高い誘電特性を、再現性よく
且つ安価に出すことが可能となる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−261002(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/00 H01B 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式ABO3 又はA1-x BO3-x で表
    されるペロブスカイト型構造の組成物(但し、xはペロ
    ブスカイト構造の格子欠陥として許容される範囲内で、
    Aサイトにアルカリ土類金属イオンを導入したもの)の
    仮焼品を粉砕し焼成する方法において、前記仮焼品を極
    性溶媒中で粉砕し、得られるスラリーを炭酸ガスに触れ
    ないように脱気加熱乾燥させて焼結に用いることを特徴
    とする誘電体磁器組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式ABO 3 又はA 1-x BO 3-x で表
    されるペロブスカイト型構造の組成物(但し、xはペロ
    ブスカイト構造の格子欠陥として許容される範囲内で、
    Aサイトにアルカリ土類金属イオンを導入したもの)の
    仮焼品を粉砕し焼成する方法において、前記仮焼品を極
    性溶媒中で粉砕し、得られるスラリーを炭酸ガスに触れ
    ないように窒素気流中で加熱乾燥させて焼結に用いるこ
    とを特徴とする誘電体磁器組成物の製造方法。
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