JPH0731936B2 - 高周波用誘電体共振器の製造方法 - Google Patents

高周波用誘電体共振器の製造方法

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JPH0731936B2
JPH0731936B2 JP1275946A JP27594689A JPH0731936B2 JP H0731936 B2 JPH0731936 B2 JP H0731936B2 JP 1275946 A JP1275946 A JP 1275946A JP 27594689 A JP27594689 A JP 27594689A JP H0731936 B2 JPH0731936 B2 JP H0731936B2
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孝之 犬塚
昌章 杉山
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は高周波領域において、高いQ値を有する高周波
用誘電体共振器の製造方法に関するものである。誘電体
共振器はマイクロ波やミリ波など高周波領域において、
帯域阻止フィルターや局部発振器などに組み込まれ、高
周波領域における通信機器の小型化や高性能化、発振周
波数の温度安定化などに貢献している。
従来の技術 一般に高周波領域において使用される誘電体共振器に求
められる特性は、大きい誘電率、高いQ値を持ち、しか
も、共振周波数の温度係数の絶対値が小さいことが求め
られている。
従来、この種の誘電体共振器材料としては、BaO−TiO2
系、ZrO2−SnO2−TiO2系、Ba(Zn,Ta)O3−Ba(Zn,Nb)
O3系などが知られている。これらの材料からなる誘電体
共振器は、10GHzにおいて無負荷Qが3000〜10000、比誘
電率が20〜90程度であり、共振周波数の温度係数は±5p
pm/℃以下に制御されている。
しかし近年の通信の高周波化に対応した通信技術の進歩
により、さらに先鋭な共振特性を得る目的や、10GHz以
上の高い周波数域での発振特性の安定化を実現させるた
めに、誘電体共振器に対して、より高いQ値が要求され
ている。
これに対応する高Q値誘電体共振器材料としては、Ba
(SnMgTa)O3系、Ba(ZnMgSbTa)O3系、Ba(MgTa)O3
などがあり、これらは10GHzにおいてQ値が20000を超え
るものである。中でも、Ba(MgTa)O3系は、特開昭62−
170102に開示されているように、9GHzにおいて36000と
非常に高いQ値をもつものである。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、このBa(MgTa)O3は、通常の焼成方法で
は焼結しない難焼結材料である。そのため、理論密度の
95%以上という焼結体の相対密度を得るため100〜1600
℃/分という昇温速度を必要とする急速昇温法をもちい
ている。これは、一般的な誘電体セラミックスの焼成時
の昇温速度としては、非常に速いものであり、得られた
製品の信頼性や、その製造コストの点で問題が多く、工
業的に不利なものである。
そこで、本発明の目的は、Ba(MgTa)O3系材料におい
て、急速昇温を必要としない、通常の大気中常圧焼成に
よって高いQ値を持つ。誘電体共振器を提供することに
ある。
課題を解決するための手段 そこで、上記課題を解決するために、様々な焼結助剤、
熱処理条件を検討した結果、次のような本発明を得るに
至った。
すなわち、本発明は、複合ペロブスカイト型構造を有す
るBa(Mg1/3Ta2/3)O3を主成分とする酸化物に、燐酸
(H3PO4)をP(リン)として0.005wt%以上、0.10wt%
未満添加して成形後、1550℃以上の温度まで100℃/分
未満、より好ましくは1〜5℃/分の昇温速度で加熱
し、1550℃以上の温度で32時間未満保持し、次に1200℃
以上1500℃未満の温度で4時間以上保持することを特徴
とする高周波用誘電体共振器の製造方法である。
作用 本発明によれば、複合ペロブスカイト型構造を有するBa
(Mg1/3Ta2/3)O3を主成分とする酸化物に、燐酸(H3PO
4)を添加し、成形後、従来法である急速昇温法を用い
ることなく1550℃以上の温度まで100℃/分未満、より
好ましくは1〜5℃/分の昇温速度で加熱し、1550℃以
上の温度で32時間未満保持することにより、焼結体の相
対密度が95%以上のものを得ることができる。
このとき燐酸(H3PO4)から分解したPは、Ba(Mg1/3Ta
2/3)O3相の少量のBa、Mgと反応し、Ba−P−O系、Mg
−P−O系の液相を生じ焼結を促進している。Pの添加
量を、0.005wt%以上0.10wt%未満に限定したのは0.005
wt%未満の場合は、充分に緻密化せず、0.10wt%以上の
場合は、焼結体の三重点などに析出したBa−P−O系、
Mg−P−O系の化合物がQ値の低下を招くからである。
また、昇温速度を100℃/分未満、より好ましくは1〜
5℃/分と限定したのは100℃/分以上の昇温速度で
は、その製品の特性においてばらつきが大きくなり、製
品の信頼性および、製造コストの点で問題が多い。これ
に対して、1〜5℃/分の昇温速度であれば、特性のば
らつきは小さく、トンネル炉と呼ばれる連続焼成炉によ
っても焼成が可能であり、その製造上のメリットは大き
い。。
又、1550℃未満の焼成温度では材料を充分に緻密化させ
ることができず、焼成時間は1550℃以上が必要で1550℃
では8hrs以上32時間未満必要である。逆に32時間以上の
焼成では、BaTa2O6なる相の生成を招き、結果として密
度、Q値ともに低下させてしまうことになる。尚、保持
時間は焼成温度と関係と、高温になるに従い短時間の焼
成で、緻密化が達成される。
ここで、燐酸(H3PO4)の添加方法については特に限定
するものではなく、例えば、Ba(Mg1/3Ta2/3)O3原料粉
末、燐酸水溶液に分散させ乾燥するという方法で、容易
に均一に添加することができる。
次に、1200℃以上1500℃未満の温度で4時間以上保持す
るのは、Ba(Mg1/3Ta2/3)O3結晶の原子配列の規則性を
充分に向上させ、かつ材料中の格子欠陥を減少させるこ
とによって、Q値が10GHzにおいて37000と非常に高い誘
電体共振器を得るためである。
Ba(Mg1/3Ta2/3)O3結晶の規則性とは、ABO3型のペロブ
スカイト型構造のBサイトとの位置にMgとTaが、ランダ
ムに配列していたものに対して、その立方晶構造の対角
線方向に、MgとTaがMg−Ta−Taと規則的に配列を持った
構造を持ち、結果として、六方晶構造を持った領域が出
現することをいう。このような領域の出現・成長並び
に、その規則配列度が高まることがBa(Mg1/3Ta2/3)O3
結晶の規則性を向上させることに対応し、X線回折法で
は規則格子反射の回折ピーク強度の増加として検出され
る。
またこのとき、熱処理を1200℃以上1500%未満の温度で
4時間以上保持することと限定する理由は、1200℃未
満、または4時間未満では、規則性を向上させる効果が
少なく、高Q値のものが得難い。また、1500℃以上で
は、32時間以上の焼成の時と同様に、BaTa2O6なる相の
生成を招き、密度、Q値とも低下してしまい、本発明の
目的を達成することができない。
本発明による製造法では、1550℃以上による焼結工程
と、1200℃以上1500℃未満の熱処理工程は、連続的に処
理しても、一度室温まで冷却し、その後熱処理をすると
いう二段工程でも限定するものではない。
また、複合ペロブスカイト型構造を有するBa(Mg1/3Ta
2/3)O3を主成分とする酸化物を得る方法は、限定する
ものではなく、従来公知の例えば、各金属元素の酸化
物、炭酸塩を混合し仮焼して得る方法、または、アルコ
キシド法、共沈法などで得ることができる。また、成形
を行う場合、その成形性を向上させるため原料粉を造粒
することが望ましい。成形方法も限定するものではない
が、成形体の密度としては55%以上であることが望まし
い。
実施例 以下に本発明を実施例にて詳細に説明する。
原料として、高純度の、BaCO3、MgCO3、Ta2O5の各炭酸
塩、酸化物を使用し、組成がBa(Mg1/3Ta2/3)O3となる
ように秤量し、エタノールを媒体として、ボールミルに
て湿式混合した。これを乾燥後、1250度4時間の仮焼を
行い、Ba(Mg1/3Ta2/3)O3ペロブスカイト単一相とし
た。この粉末を再びエタノールを媒体として、ボールミ
ルにて湿式粉砕し、乾燥した。
この粉末に、所定添加量の燐酸(H3PO4)と、成形用バ
インダーとしてPVAを添加し、造粒を行った。この造粒
粉を、10mmφ5mm高さのペレットに、2000kgf/cm2の圧力
で一軸成形し、1450〜1700℃の温度まで、1〜160℃/
分の昇温速度で加熱し、2〜64時間保持した。次に1100
〜1500℃の温度で、2〜128時間の熱処理を行った。
得られた焼結体は、アルキメデス法で密度測定を行い、
加工したあと、ネットワークアナライザーを用い、平行
導体板型誘電体共振器法にて、比誘電率、Q値(10GH
z)、共振周波数の温度係数を測定した。又、第二相の
同定にはX線回折を用いて行った。その結果を第一表に
示す。尚、*印は発明の範囲外である。
試料No.1は燐酸(H3PO4)を添加していないので、密度
が低い。また試料No.2は焼成温度が低く、充分に密度が
上がらない。。試料No.3〜5は焼成工程の保持時間が長
過ぎ、密度の低下と第二相BaTa2O6が存在しQ値が低
い。試料No.6〜8は密度も上がり、第二相も存在しない
が、熱処理工程がないため、Ba(Mg1/3Ta2/3)O3結晶の
規則性が充分にあがっておらずQ値は低い。試料No.1
2、13は昇温速度が速過ぎるため、誘電特性のバラツキ
がおおきい。試料No.17は焼成工程の保持時間が長過
ぎ、密度の低下と第二相BaTa2O6が存在し、熱処理工程
を行ってもQ値が高くならない。試料No.21は燐酸(H3P
O4)の添加量が多過ぎるため、Q値が充分に高くならな
い。。又、試料No.24、25は熱処理工程の温度が、高過
ぎるかあるいは低過ぎるため、Q値が低いものである。
又、試料No.26は熱処理の保持時間が短いため、Q値が
充分に高くならなかったものである。しかし、本発明に
よる試料No.16の熱処理を行なったところ、最高Q値が3
7120が得られた。このときの共振周波数の温度係数も4p
pm/℃以下と優れたものであった。
尚、試料No.16の焼結体を粉砕しX線回折により同定し
たところ、第1図(a)に示すように、六方晶で指数づ
けされる回折図形が観測された。また、第二相BaTa2O6
が存在する試料No.3は第1図(c)に、試料No.5は第1
図(b)に示す回折図形が観測された。
発明の効果 以上、本発明により、従来、難焼結材料であったBa(Mg
1/3Ta2/3)O3材料の、急速昇温法を用いない大気中常圧
焼結が可能となり、10GHzにおいて25000以上と非常に高
いQ値を持つ誘電体共振器の製造が可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1図はX線回折図形である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01G 4/12 418

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複合ペロブスカイト型構造を有するBa(Mg
    1/3Ta2/3)O3を主成分とする酸化物に、燐酸(H3PO4
    をP(リン)として0.005wt%以上、0.10wt%未満添加
    して成形後、1550℃以上の温度まで100℃/分未満の昇
    温速度で加熱し、1550℃以上の温度で32時間未満保持
    し、次に1200℃以上1500℃未満の温度で4時間以上保持
    することを特徴とする高周波用誘電体共振器の製造方
    法。
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