JP2687288B2 - マイクロ波用誘電体磁器組成物とその製造方法 - Google Patents
マイクロ波用誘電体磁器組成物とその製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、マイクロ波帯域で用いられる誘電体フィル
タ等の材料として適した、マイクロ波用誘電体磁器組成
物とその製造方法に関するものである。
タ等の材料として適した、マイクロ波用誘電体磁器組成
物とその製造方法に関するものである。
誘電体フィルタ用のマイクロ波用誘電体磁器組成物と
して、誘電率が40付近で、マイクロ波帯域でのQが高
く、共振周波数の温度係数が小さく、かつ直線性に優れ
た誘電体磁器組成物が要求されている。
して、誘電率が40付近で、マイクロ波帯域でのQが高
く、共振周波数の温度係数が小さく、かつ直線性に優れ
た誘電体磁器組成物が要求されている。
従来、誘電率が40付近の材料としては、BaO−TiO系の
BaTi4O9やBaTi9O20などが知られているが、これらの材
料は特性的には、一部小さい領域もあるが、周波数温度
係数(τf)が大きく、非直線であるなどの問題があっ
た。
BaTi4O9やBaTi9O20などが知られているが、これらの材
料は特性的には、一部小さい領域もあるが、周波数温度
係数(τf)が大きく、非直線であるなどの問題があっ
た。
また、製造上の面で、焼結体が還元され易く、Qの劣
化または変動が大きく、BaTi9O20などの結晶性を制御す
ることは難しかった。
化または変動が大きく、BaTi9O20などの結晶性を制御す
ることは難しかった。
結晶性の制御のためにBa−Ti系の組成物にZrを添加し
たり、固溶させることも試みられている(特公昭56−38
007号、特開昭60−26436号など)が、3.7重量%、8モ
ル%以下としないとQなどの特性が劣化し、実用に適さ
ないとされている。
たり、固溶させることも試みられている(特公昭56−38
007号、特開昭60−26436号など)が、3.7重量%、8モ
ル%以下としないとQなどの特性が劣化し、実用に適さ
ないとされている。
本発明は、BaO−TiO系のマイクロ波用誘電体磁器組成
物の焼結性を改善し、還元され難い組成物を得ようとす
るものである。
物の焼結性を改善し、還元され難い組成物を得ようとす
るものである。
また、それによって、広範囲でQが高く、温度係数の
小さなマイクロ波用誘電体磁器組成物を得ようとするも
のである。
小さなマイクロ波用誘電体磁器組成物を得ようとするも
のである。
本発明は、ZrO2を添加して三成分系のマイクロ波誘電
体磁器組成物を得て、これにアンチモン酸化物を添加す
ることにより、上記の課題を解決するものである。
体磁器組成物を得て、これにアンチモン酸化物を添加す
ることにより、上記の課題を解決するものである。
すなわち、一般式Ba(Ti1-xZrx)yO2y+2で表される組
成において、xおよびyの値が、 0.02≦x<0.20 4.5<y<7.3 の範囲であり、添加物としてSb2O5またはSb2O3を0.1〜
2.0Wt%含有させたマイクロ波用誘電体磁器組成物であ
る。
成において、xおよびyの値が、 0.02≦x<0.20 4.5<y<7.3 の範囲であり、添加物としてSb2O5またはSb2O3を0.1〜
2.0Wt%含有させたマイクロ波用誘電体磁器組成物であ
る。
また、その出発原料の粉末粒子径を小さくして更に特
性の良好なマイクロ波用誘電体磁器組成物を得るもので
ある。
性の良好なマイクロ波用誘電体磁器組成物を得るもので
ある。
すなわち、BaCO3、TiO2、およびZrO2を出発原料と
し、ZrO2の粉末粒子径をTiO2の粉末粒子径とほぼ同じ
(約0.3μm)として上記のマイクロ波用誘電体磁器組
成物を製造するものである。
し、ZrO2の粉末粒子径をTiO2の粉末粒子径とほぼ同じ
(約0.3μm)として上記のマイクロ波用誘電体磁器組
成物を製造するものである。
以下、本発明の実施例について説明する。
本発明の前提として、発明者が既に提案したBa−Ti−
Zr系のマイクロ波用誘電体磁器組成物(特願平1−
)について先ず説明する。
Zr系のマイクロ波用誘電体磁器組成物(特願平1−
)について先ず説明する。
出発原料としてBaCO3(平均粒径D50=1.5μm)TiO2
(平均粒径D50=0.28μm)およびZrO2(平均粒径D50=
0.31μm、0.9μm)を用い、 Ba(Ti1-xZrx)yO2y+2 の組成式において、表1に示したx、yの範囲で秤量、
配合した。これを、ボールミルで16時間湿式混合し、水
分を乾燥させた後、1000℃で二時間仮焼した。
(平均粒径D50=0.28μm)およびZrO2(平均粒径D50=
0.31μm、0.9μm)を用い、 Ba(Ti1-xZrx)yO2y+2 の組成式において、表1に示したx、yの範囲で秤量、
配合した。これを、ボールミルで16時間湿式混合し、水
分を乾燥させた後、1000℃で二時間仮焼した。
この仮焼物を再度ボールミルで有機バインダー(PVA
など)、可塑剤などとともに20時間粉砕し、得られたス
ラリーをスプレードライヤーによって造粒した。その
後、1.0〜1.5ton/cm2の圧力で12.0Φ×10mmに圧縮成型
し、バインダー除去の後、1320〜1380℃にて二時間焼成
した。
など)、可塑剤などとともに20時間粉砕し、得られたス
ラリーをスプレードライヤーによって造粒した。その
後、1.0〜1.5ton/cm2の圧力で12.0Φ×10mmに圧縮成型
し、バインダー除去の後、1320〜1380℃にて二時間焼成
した。
得られた焼結体を9.0Φ×8mmに研磨加工し、密度測定
とHAKKI & COLEMAN法により、約6GHzで比誘電率(ε
r)、Qおよび温度係数(τf)を測定した。その結果
を表1に併せて示す。
とHAKKI & COLEMAN法により、約6GHzで比誘電率(ε
r)、Qおよび温度係数(τf)を測定した。その結果
を表1に併せて示す。
なお、Qの値はf×Q=一定として、1GHzの値に換算
した値として示してある。
した値として示してある。
前記の範囲外ではQが低下したり、そのばらつきが大
きくなるなど、十分な特性が得られない。
きくなるなど、十分な特性が得られない。
上記の試料はZrO2の粒径が0.31μmの材料を用いたも
のであるが、ZrO2の粒径が0.9μmのときの結果を表2
に示す。
のであるが、ZrO2の粒径が0.9μmのときの結果を表2
に示す。
表1と表2を比較すると、いずれもZrO2の粒径を0.31
μmとした時の方が、特性が改善されていることを示し
ている。
μmとした時の方が、特性が改善されていることを示し
ている。
以上の結果より、従来困難とされていた組成範囲にお
いても、還元され難い、安定した焼結体が得られ、高Q
で温度係数の小さい組成が見出された。
いても、還元され難い、安定した焼結体が得られ、高Q
で温度係数の小さい組成が見出された。
ZrO2はx<0.23の範囲で含有量が多くなる程焼結性は
良好であり、x<0.1まではX線的にも単一相であるこ
とが確認された。また、0.1<x<0.23では複合結晶で
あるが、温度係数の増大に影響を及ぼすTiO2の生成を抑
制している。
良好であり、x<0.1まではX線的にも単一相であるこ
とが確認された。また、0.1<x<0.23では複合結晶で
あるが、温度係数の増大に影響を及ぼすTiO2の生成を抑
制している。
なお。上記のxの値をモル換算すると約3.5モル%か
ら21モル%の範囲となる。
ら21モル%の範囲となる。
また、使用するZrO2の粉末原料については、反応性の
高い粒の小さいものを用いると、結晶性に優れた特性の
良好な範囲が広がることが確認された。
高い粒の小さいものを用いると、結晶性に優れた特性の
良好な範囲が広がることが確認された。
本発明は、上記の基本組成に酸化アンチモン(Sb2O5
またはSb2O3)を添加するものである。前記の仮焼物に
酸化アンチモン(Sb2O5またはSb2O3)を添加してボール
ミルで混合粉砕し、以下前記の工程と同様にサンプルを
作成し、測定した。
またはSb2O3)を添加するものである。前記の仮焼物に
酸化アンチモン(Sb2O5またはSb2O3)を添加してボール
ミルで混合粉砕し、以下前記の工程と同様にサンプルを
作成し、測定した。
第1図は、Ba(Ti1-xZrx)yO2y+2において、x=0.
1、y=5.0のポイントにSb2O5を添加したときの、添加
量と各種特性の関係を示したものである。横軸に添加量
(Wt%)をとってあり、縦軸にはQ、温度係数(τf:単
位ppm/℃)および誘電率εrがとってある。
1、y=5.0のポイントにSb2O5を添加したときの、添加
量と各種特性の関係を示したものである。横軸に添加量
(Wt%)をとってあり、縦軸にはQ、温度係数(τf:単
位ppm/℃)および誘電率εrがとってある。
添加量が0.25%のときにQが最大になることを示して
いる。温度係数は1%程度までは僅かに上昇するが、そ
れ以上になると低下している。また、2.0%までは焼結
性が良く、欠陥の生成も少なく、安定していた。
いる。温度係数は1%程度までは僅かに上昇するが、そ
れ以上になると低下している。また、2.0%までは焼結
性が良く、欠陥の生成も少なく、安定していた。
上記の例では温度係数が上昇する場合を示していた
が、上記のy値の範囲によっては、温度係数が非常に小
さくなることがあった。第2図は、添加量を0.25%に固
定し、上記のyの値を4.7〜5.1の範囲で変えた結果を示
している。これによるとyが4.8のときに、温度係数が
最小値を示している。表1に示した例では温度係数が5
以下になることはなかったが、酸化アンチモンを添加す
ることにより、温度係数を4まで下げることができる。
これは、厳格な特性の異なる誘電体フィルタ等に利用す
る際に有利である。
が、上記のy値の範囲によっては、温度係数が非常に小
さくなることがあった。第2図は、添加量を0.25%に固
定し、上記のyの値を4.7〜5.1の範囲で変えた結果を示
している。これによるとyが4.8のときに、温度係数が
最小値を示している。表1に示した例では温度係数が5
以下になることはなかったが、酸化アンチモンを添加す
ることにより、温度係数を4まで下げることができる。
これは、厳格な特性の異なる誘電体フィルタ等に利用す
る際に有利である。
第3図はBa(Ti1-xZrx)yO2y+2(曲線32)と本発明に
よりSb2O5を0.25wt%添加したもの(曲線31)、および
従来のBaTiyO2Y+2(曲線)の特性を比較したものであ
る。yの値を変化させて温度係数の変化をみたものであ
る。曲線31の示す本発明により酸化アンチモンを添加し
たときが最小を示している。
よりSb2O5を0.25wt%添加したもの(曲線31)、および
従来のBaTiyO2Y+2(曲線)の特性を比較したものであ
る。yの値を変化させて温度係数の変化をみたものであ
る。曲線31の示す本発明により酸化アンチモンを添加し
たときが最小を示している。
本発明によれば、ZrO2を比較的多く含むことにより、
結晶性の良好な、還元され難く、特性の安定したマイク
ロ波用誘電体磁器組成物が得られる。
結晶性の良好な、還元され難く、特性の安定したマイク
ロ波用誘電体磁器組成物が得られる。
また、酸化アンチモンを添加することにより、温度係
数の小さく高いQのマイクロ波用誘電体磁器組成物が得
られる。
数の小さく高いQのマイクロ波用誘電体磁器組成物が得
られる。
従って、本発明によって得られるマイクロ波誘電体磁
器組成物は誘電体フィルタ等に適した温度特性の良好な
ものとなる。
器組成物は誘電体フィルタ等に適した温度特性の良好な
ものとなる。
第1図から第3図は本発明によるマイクロ波用誘電体磁
器組成物の特性の説明図である。
器組成物の特性の説明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】一般式Ba(Ti1-xZrx)yO2y+2で表される組
成において、xおよびyの値が、 0.02≦x<0.20 4.5<y<7.3 の範囲であり、添加物としてSb2O5またはSb2O3を0.1〜
2.0Wt%含有させて成るマイクロ波用誘電体磁器組成
物。 - 【請求項2】BaCO3、TiO2、およびZrO2を出発原料と
し、ZrO2の粉末粒子径をTiO2の粉末粒子径とほぼ同じと
することを特徴とする請求項第1項記載のマイクロ波用
誘電体磁器組成物の製造方法。 - 【請求項3】ZrO2の粉末粒子径が約0.3μmである請求
項第2項記載のマイクロ波用誘電体磁器組成物の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1061261A JP2687288B2 (ja) | 1989-03-14 | 1989-03-14 | マイクロ波用誘電体磁器組成物とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1061261A JP2687288B2 (ja) | 1989-03-14 | 1989-03-14 | マイクロ波用誘電体磁器組成物とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02239511A JPH02239511A (ja) | 1990-09-21 |
JP2687288B2 true JP2687288B2 (ja) | 1997-12-08 |
Family
ID=13166115
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1061261A Expired - Fee Related JP2687288B2 (ja) | 1989-03-14 | 1989-03-14 | マイクロ波用誘電体磁器組成物とその製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2687288B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6034015A (en) * | 1997-05-14 | 2000-03-07 | Georgia Tech Research Corporation | Ceramic compositions for microwave wireless communication |
-
1989
- 1989-03-14 JP JP1061261A patent/JP2687288B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02239511A (ja) | 1990-09-21 |
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