JP3120191B2 - 高周波用誘電体磁器組成物 - Google Patents
高周波用誘電体磁器組成物Info
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- JP3120191B2 JP3120191B2 JP03359755A JP35975591A JP3120191B2 JP 3120191 B2 JP3120191 B2 JP 3120191B2 JP 03359755 A JP03359755 A JP 03359755A JP 35975591 A JP35975591 A JP 35975591A JP 3120191 B2 JP3120191 B2 JP 3120191B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は誘電体共振器、ストリッ
プラインフィルタ等の如きマイクロ波応用機器に用いら
れるＢａＯ・４ＴｉＯ2 （ＢａＴｉ4 Ｏ9 ）系誘電体磁
器組成物に関するものである。
プラインフィルタ等の如きマイクロ波応用機器に用いら
れるＢａＯ・４ＴｉＯ2 （ＢａＴｉ4 Ｏ9 ）系誘電体磁
器組成物に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】この種のマイクロ波用誘電体材料として
ＢａＴｉ4 Ｏ9 が知られているが、この組成物単味では
共振周波数の温度係数τｆが大きいため、ＺｎＯを添加
（特開昭５７−６９６０７号）したり、またＺｎＯとＴ
ａ2 Ｏ5 の両方を添加（特開昭６１−１０８０６号）し
たりして前記温度係数τｆを小さくしている。
ＢａＴｉ4 Ｏ9 が知られているが、この組成物単味では
共振周波数の温度係数τｆが大きいため、ＺｎＯを添加
（特開昭５７−６９６０７号）したり、またＺｎＯとＴ
ａ2 Ｏ5 の両方を添加（特開昭６１−１０８０６号）し
たりして前記温度係数τｆを小さくしている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような添
加物は温度係数τｆを小さくできるが、その添加量を僅
かに変化させることにより温度係数τｆが大きく変動
し、例えばＺｎＯの１重量％の増減に対し±３ｐｐｍ／
℃の変化率を生じ、添加量に対して不安定であり、再現
性に乏しいという欠点があった。
加物は温度係数τｆを小さくできるが、その添加量を僅
かに変化させることにより温度係数τｆが大きく変動
し、例えばＺｎＯの１重量％の増減に対し±３ｐｐｍ／
℃の変化率を生じ、添加量に対して不安定であり、再現
性に乏しいという欠点があった。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明はＢａＯ・４Ｔｉ
Ｏ2 （ＢａＴｉ4 Ｏ9 ）に５〜１５重量％のＺｎＯと３
〜１０重量％のＴａ2 Ｏ5 を含有してなる主組成に、Ｓ
ｎＯ2 またはＺｒＯ2 のいずれかを１〜５重量％添加す
ることによって共振周波数の温度係数τｆの変化を緩慢
にして安定化するようにしたものである。
Ｏ2 （ＢａＴｉ4 Ｏ9 ）に５〜１５重量％のＺｎＯと３
〜１０重量％のＴａ2 Ｏ5 を含有してなる主組成に、Ｓ
ｎＯ2 またはＺｒＯ2 のいずれかを１〜５重量％添加す
ることによって共振周波数の温度係数τｆの変化を緩慢
にして安定化するようにしたものである。
【０００５】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 ＜実施例１＞ＢａＣＯ3 、ＴｉＯ2 、ＺｎＯ、Ｔａ2 Ｏ
5 更に必要によりＭｎＯ2 の各原料を用い、これらを表
１に示す組成割合になるよう秤量、混合した後、適量の
有機バインダーと水を加え、アルミナボールで粉砕し、
これを噴霧乾燥により造粒し、空気中において１０００
℃、２時間仮焼した後、アルミナボールミルにて湿式粉
砕し、得られた粉末を２トン／ｃｍ2 の圧力で加圧成形
し、直径１９ｍｍ×厚み８ｍｍの円柱状成形体を得た。
続いてこの成形体を空気中１２５０℃の温度で４時間焼
成した後、直径約１６ｍｍ×高さ約８ｍｍの円柱状に最
終研磨したものを試料として平行導体板型誘電体円柱共
振器法（ＴＥ011 モード）によって共振周波数２．７Ｇ
Ｈｚにて比誘電率ε、無負荷Ｑ、共振周波数の温度係数
τf （＋２０℃〜＋８０℃）を測定した結果を表１に示
す。
5 更に必要によりＭｎＯ2 の各原料を用い、これらを表
１に示す組成割合になるよう秤量、混合した後、適量の
有機バインダーと水を加え、アルミナボールで粉砕し、
これを噴霧乾燥により造粒し、空気中において１０００
℃、２時間仮焼した後、アルミナボールミルにて湿式粉
砕し、得られた粉末を２トン／ｃｍ2 の圧力で加圧成形
し、直径１９ｍｍ×厚み８ｍｍの円柱状成形体を得た。
続いてこの成形体を空気中１２５０℃の温度で４時間焼
成した後、直径約１６ｍｍ×高さ約８ｍｍの円柱状に最
終研磨したものを試料として平行導体板型誘電体円柱共
振器法（ＴＥ011 モード）によって共振周波数２．７Ｇ
Ｈｚにて比誘電率ε、無負荷Ｑ、共振周波数の温度係数
τf （＋２０℃〜＋８０℃）を測定した結果を表１に示
す。
【０００６】
【表１】
【０００７】表１から明らかなように、ＢａＴｉ4 Ｏ9
に対しＺｎＯを５〜１５重量％とＴａ2 Ｏ5 を３〜１０
重量％添加してなる組成物（試料番号２〜４、７〜９）
は、比誘電率ε１５以上、無負荷Ｑ２０００以上を、ま
た温度係数τf は±１０ｐｐｍ／℃とそれぞれ実用域を
示す。またＴａ2 Ｏ5 の添加量を固定し、ＺｎＯの添加
量を増減していくと、温度係数τf の変化率は１重量％
当たり約±３ｐｐｍ／℃となる。またＺｎＯの添加量を
固定し、Ｔａ2 Ｏ5 の添加量を増減していくと、温度係
数τf の変化率は１重量％当たり±３〜５ｐｐｍ／℃と
なり、いずれも添加量の変動による温度係数τf の変化
率が大きい。従って温度係数τf の変化率が大きい点を
除けば比誘電率ε、無負荷Ｑのいずれも満足すべく特性
を有するので、本発明においてはＢａＴｉ4 Ｏ9 に対す
るＺｎＯ、Ｔａ2 Ｏ5 の添加範囲を、それぞれＺｎＯ５
〜１５重量％、Ｔａ2 Ｏ5 ３〜１０重量％に限定した。
もしこれより外れていると表１中の試料番号１、５、
６、１０で示されるように、所望の比誘電率ε、無負荷
Ｑ、温度係数τf が得られないからである。
に対しＺｎＯを５〜１５重量％とＴａ2 Ｏ5 を３〜１０
重量％添加してなる組成物（試料番号２〜４、７〜９）
は、比誘電率ε１５以上、無負荷Ｑ２０００以上を、ま
た温度係数τf は±１０ｐｐｍ／℃とそれぞれ実用域を
示す。またＴａ2 Ｏ5 の添加量を固定し、ＺｎＯの添加
量を増減していくと、温度係数τf の変化率は１重量％
当たり約±３ｐｐｍ／℃となる。またＺｎＯの添加量を
固定し、Ｔａ2 Ｏ5 の添加量を増減していくと、温度係
数τf の変化率は１重量％当たり±３〜５ｐｐｍ／℃と
なり、いずれも添加量の変動による温度係数τf の変化
率が大きい。従って温度係数τf の変化率が大きい点を
除けば比誘電率ε、無負荷Ｑのいずれも満足すべく特性
を有するので、本発明においてはＢａＴｉ4 Ｏ9 に対す
るＺｎＯ、Ｔａ2 Ｏ5 の添加範囲を、それぞれＺｎＯ５
〜１５重量％、Ｔａ2 Ｏ5 ３〜１０重量％に限定した。
もしこれより外れていると表１中の試料番号１、５、
６、１０で示されるように、所望の比誘電率ε、無負荷
Ｑ、温度係数τf が得られないからである。
【０００８】＜実施例２＞ＢａＣＯ3 、ＴｉＯ2 、Ｚｎ
Ｏ、Ｔａ2 Ｏ5 、ＭｎＯ2 、ＳｎＯ2 、ＺｒＯ2 の各原
料を表２に示す組成となるよう秤量し、上記実施例１と
同様の方法によって得た組成物について、比誘電率ε、
無負荷Ｑ、共振周波数の温度係数τf を測定した結果を
表２に示す。またＳｎＯ2 の添加に対する共振周波数の
温度係数τf の変化を図１に、ＺｒＯ2 の添加に対する
温度係数τf の変化を図２にそれぞれ示す。
Ｏ、Ｔａ2 Ｏ5 、ＭｎＯ2 、ＳｎＯ2 、ＺｒＯ2 の各原
料を表２に示す組成となるよう秤量し、上記実施例１と
同様の方法によって得た組成物について、比誘電率ε、
無負荷Ｑ、共振周波数の温度係数τf を測定した結果を
表２に示す。またＳｎＯ2 の添加に対する共振周波数の
温度係数τf の変化を図１に、ＺｒＯ2 の添加に対する
温度係数τf の変化を図２にそれぞれ示す。
【０００９】
【表２】
【００１０】表２より明らかなように、ＳｎＯ2 とＺｒ
Ｏ2 のいずれか一方を添加することにより温度係数τf
を緩慢に変化させることができ、その変化率は１重量％
増減に対し±０．５ｐｐｍ／℃以内であった。またこの
ＳｎＯ2 またはＺｒＯ2 はその添加量の増加に従い温度
係数τf を負側に移行させるので、余り添加量が多すぎ
ると負側の温度係数が大きくなり実用できないので、１
〜５重量％の範囲内で添加することが望ましい。
Ｏ2 のいずれか一方を添加することにより温度係数τf
を緩慢に変化させることができ、その変化率は１重量％
増減に対し±０．５ｐｐｍ／℃以内であった。またこの
ＳｎＯ2 またはＺｒＯ2 はその添加量の増加に従い温度
係数τf を負側に移行させるので、余り添加量が多すぎ
ると負側の温度係数が大きくなり実用できないので、１
〜５重量％の範囲内で添加することが望ましい。
【００１１】尚、上例に用いた成分中、ＭｎＯ2 は焼結
性を向上するもので、必要により省略できる。またＢａ
Ｏの原料としてＢａＣＯ3 を用いたが、仮焼過程でＢａ
ＯとＣＯ2 に分解するので誘電体特性に影響することは
なく、更にこの炭酸物に代えて塩化物等の原料を用いて
もよい。
性を向上するもので、必要により省略できる。またＢａ
Ｏの原料としてＢａＣＯ3 を用いたが、仮焼過程でＢａ
ＯとＣＯ2 に分解するので誘電体特性に影響することは
なく、更にこの炭酸物に代えて塩化物等の原料を用いて
もよい。
【００１２】
【効果】以上の通りＺｎＯとＴａ2 Ｏ5 を含むＢａＴｉ
4 Ｏ9 系誘電体磁器において、本発明はＳｎＯ2 または
ＺｒＯ2 のいずれかを添加することによって共振周波数
の温度係数τf の変化を緩慢にして安定化することがで
きるので、添加物の僅かな変化により温度係数τf に大
きな変動を示したり、再現性が困難であるような不安定
性を改善すると共に量産性を向上し、製造コストを大幅
に引き下げる等、諸利益を期待し得る。
4 Ｏ9 系誘電体磁器において、本発明はＳｎＯ2 または
ＺｒＯ2 のいずれかを添加することによって共振周波数
の温度係数τf の変化を緩慢にして安定化することがで
きるので、添加物の僅かな変化により温度係数τf に大
きな変動を示したり、再現性が困難であるような不安定
性を改善すると共に量産性を向上し、製造コストを大幅
に引き下げる等、諸利益を期待し得る。
【図１】ＢａＴｉ4 Ｏ9 ＋ＺｎＯ９．５重量％＋Ｔａ2
Ｏ5 ４重量％＋ＭｎＯ2 ０．２重量％の組成に対しＳｎ
Ｏ2 の添加量を変化させた時の温度係数τf の特性変化
を示すグラフである。
Ｏ5 ４重量％＋ＭｎＯ2 ０．２重量％の組成に対しＳｎ
Ｏ2 の添加量を変化させた時の温度係数τf の特性変化
を示すグラフである。
【図２】ＢａＴｉ4 Ｏ9 ＋ＺｎＯ９．５重量％＋Ｔａ2
Ｏ5 ４重量％＋ＭｎＯ2 ０．２重量％の組成に対しＺｒ
Ｏ2 の添加量を変化させた時の温度係数τf の特性変化
を示すグラフである。
Ｏ5 ４重量％＋ＭｎＯ2 ０．２重量％の組成に対しＺｒ
Ｏ2 の添加量を変化させた時の温度係数τf の特性変化
を示すグラフである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C04B 35/46 ＣＡ（ＳＴＮ) ＪＩＣＳＴファイル（ＪＯＩＳ) ＲＥＧＩＳＴＲＹ（ＳＴＮ)
Claims (1)
- 【請求項１】 ＢａＯ・４ＴｉＯ2 （ＢａＴｉ4 Ｏ9 ）
に５〜１５重量％のＺｎＯと３〜１０重量％のＴａ2 Ｏ
5 を含有してなる主組成に、ＳｎＯ2 またはＺｒＯ2 の
いずれかを１〜５重量％添加してなることを特徴とする
高周波用誘電体磁器組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03359755A JP3120191B2 (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | 高周波用誘電体磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03359755A JP3120191B2 (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | 高周波用誘電体磁器組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05178660A JPH05178660A (ja) | 1993-07-20 |
| JP3120191B2 true JP3120191B2 (ja) | 2000-12-25 |
Family
ID=18466133
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP03359755A Expired - Fee Related JP3120191B2 (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | 高周波用誘電体磁器組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3120191B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006273616A (ja) * | 2005-03-28 | 2006-10-12 | Tdk Corp | 誘電体磁器組成物 |
-
1991
- 1991-12-27 JP JP03359755A patent/JP3120191B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05178660A (ja) | 1993-07-20 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |