JP2628596B2 - 誘電体共振器材料の製造方法 - Google Patents

誘電体共振器材料の製造方法

Info

Publication number
JP2628596B2
JP2628596B2 JP62127214A JP12721487A JP2628596B2 JP 2628596 B2 JP2628596 B2 JP 2628596B2 JP 62127214 A JP62127214 A JP 62127214A JP 12721487 A JP12721487 A JP 12721487A JP 2628596 B2 JP2628596 B2 JP 2628596B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
barium
dielectric resonator
resonator material
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62127214A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63292509A (ja
Inventor
淑樹 佐分
信之 大矢
信一 白崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP62127214A priority Critical patent/JP2628596B2/ja
Publication of JPS63292509A publication Critical patent/JPS63292509A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2628596B2 publication Critical patent/JP2628596B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はマイクロ波用誘導体共振器材料の製造方法に
関する。
〔従来の技術〕
マイクロ波用誘電体共振器材料にはQ値の高いものが
望まれている。このような材料としてBaTi4O9,Ba2Ti9O
20などのセラミックスがあるが、従来乾式法においては
焼成困難のためこれらの材料のQ値の向上に限界があ
る。
すなわち、化学式(1−x)BaO・xTiO2、0.75≦x≦
0.9で表わされる上記のようなセラミックス(以下場合
によってBTと略称する)は、BaO,TiO2等の原料粉末を所
望のBT組成となるように配合して、これをボールミル等
によって混合した後仮焼して該BT組成粉末とし、この仮
焼粉末を加圧成形し、最終的に焼成して得られる。
得られたBTセラミックスの共振特性(Q値、ε値)
を高めるためには該セラミックスの密度を高める必要が
ある。粉末を加圧成形後セラミックスに焼成する単なる
乾式法においては、セラミックスの密度は焼成前の加圧
成形状態での充填密度に強く依存している。したがって
セラミックスの密度向上のためにはこの充填密度の向上
が必要であり、そのためには加圧成形前のBT仮焼粉末を
より微細化する必要がある。しかし、前記のような原料
粉末は微細化の進行によって粒子間の凝集傾向が急速に
強まるため、微細化は飽和してしまい、結局仮焼後のBT
粉末の微細化も飽和してしまう。そのため、従来得られ
ているBT仮焼粉末は最も小さくても1〜25μm以上であ
り、これを成形・焼成して得られるBTセラミックスのε
値は40程度、Q値は8000程度(4GHz)であり、Q値の
向上に限界があった。
そこで、BT粉末を更に微細化することによって、より
高いQ値を有する誘電体共振器材料を製造する方法の出
現が強く求められていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、この乾式法での問題を解決するた
め、粒子の分散性が良いサブミクロン級の変成原料粉末
を湿式法にて作製し、この粉末を用いて単なる乾式法に
よって混合および仮焼し、本来希望するセラミックスと
同一組成を有する原料粉末とすることで、焼成が容易
で、しかも特性が良好なマイクロ波用誘電体共振器材料
を製造する方法を提供することである。
〔問題点を解決するための手段〕 上記の目的は、化学式が(1−x)BaO・xTiO2、0.75
≦x≦0.9で表わされる組成の誘電体共振器材料の製造
方法において、 (1)適量のBaとTiとを含有する溶液を作成し、加水分
解を行なってゾルを生成させ、該ゾルを乾燥後600〜110
0℃で仮焼して仮焼物とする工程、 (2)該仮焼物と、該組成の残りの構成成分の化合物と
を混合して800〜1200℃で仮焼して仮焼粉末とする工
程、および (3)該仮焼粉末を成形して1100〜1500℃で焼成する工
程 から成る製造方法によって達成される。
本発明者は、湿式過程を含む上記工程(1)〜(2)
によって仮焼物としてサブミクロン級の変成粉末、たと
えばBaTi3O7粉末が得られ、この変成粉末は非常に分散
性が良く、従来原料粉末として用いられていた未変成の
たとえばBaO粉末、TiO2粉末等で不可避的に発生した粒
子の凝集が起きにくいことを見出した。更に、本発明者
らは、工程(2)によって、該変成粉末(上記の場合Ba
ZnO2粉末)と、目的とするBT組成の残りの構成成分(こ
の場合BaまたはTi)の化合物(たとえばBaO,TiO2等)と
を混合すると、この混合粉末自体も凝集性がなく、これ
を仮焼するとやはり分散性の良いサブミクロン級のBT仮
焼粉末が得られ、ホットプレスやHIP(たとえば、熱間
ガラス圧焼結)などの操作を省略しても、工程(3)に
よってこれを成形・焼成して得られるBTセラミックスは
極めて高い密度を有し誘電体共振器材料として著しく向
上したQ値を具備することを見出した。
工程(1)の溶液は水溶液またはアルコール溶液であ
る。該溶液の作成は、前記化学式中BaまたはTiの化合物
粉末を、TiまたはBaを含有する溶液中にそれぞれ溶解す
るか、逆に前者を含有する溶液中に後者の化合物粉末を
溶解するか、両者共にそれぞれを含有する溶液として準
備し混合するか、または両者共に化合物粉末として準備
して水またはアルコール中に一緒に溶解させるか、のい
ずれかまたはこれらの組み合せによって行なう。
Baを含有する溶液を作成するための化合物としては、
たとえば塩化バリウム、塩素酸バリウム、過塩素酸バリ
ウム、硝酸バリウム、酢酸バリウム、バリウムエチレー
ト、およびバリウムイソプロピレート等を用いる。これ
らのBa化合物は1種のみで用いてもよく、あるいは互に
影響しない範囲で2種以上を一緒に用いてもよい。Tiを
含有する溶液を作成するための化合物としては、たとえ
ば四臭化チタン、四塩化チタン、テトラメトキシチタ
ン、テトラエトシチタン、テトラプロポキシチタン、テ
トラブトキシチタン等を用いる。これらのTi化合物は1
種のみで用いてもよく、あるいは互に影響しない範囲で
2種以上を一緒に用いてもよい。
工程(1)における「適量」とは、生成したゾルの凝
集を抑制するのに適した量であり、溶液の作成に用いる
化合物によって異なる。
工程(1)において生成したゾルはろ過および洗浄に
よって回収された後乾燥される。
乾燥後のゾルの仮焼温度は600〜1100℃である。仮焼
温度が600℃より低いと凝集が顕著に起り、1100℃を超
えると粒子が粗大化する傾向がある。
この様にして得られた仮焼物に、BT組成としての構成
成分の不足分を加えて混合する。
混合物としての凝集防止効果を得るには、原料粉末の
うち少なくとも1種が工程(1)で形成させたサブミク
ロン級の変成粉末であればよい。したがって、工程
(2)において混合する残りの構成成分の化合物として
は、従来からの市販原料粉末を使用してもよく、また工
程(1)で上記と同様に形成させたサブミクロン級の変
成粉末を使用してもよい。工程(2)で使用する市販原
料粉末はいずれもサブミクロン級の粒度であることが必
要である。
混合物の仮焼温度(工程(2))については、800℃
付近より目的とするBT組成物が形成され、1200℃以上で
仮焼すると仮焼粉末粒径が大きくなり焼成特性を著しく
悪化させるので、800〜1200℃の範囲であることが必要
である。
この様にして得られた粉末を成型する。焼結温度は前
記の混合物の仮焼温度と同様にその構成成分の種類によ
って異なるが、一般に1100〜1500℃の範囲である。1100
℃より低いと焼結が不十分で高密度が得られず、1500℃
を超えると粒子が粗大化したり、あるいは揮発性元素が
揮発して失われる。
成型後の焼成(工程(3))における焼結性や特性の
向上のために、必要に応じ工程(1)および(2)の少
なくとも1つの工程において、助剤としてMnO,MnO2,Cr2
O3,CoO,ZrO2,NiO,SnO2,MgO,Ta2O5,Nb2O5,WO3,La2O3,Sm2
O,Nb2O3,Al2O3、およびSiO2の1種または2種以上を微
量添加する。
以下に本発明の実施例を比較例と対比させて説明す
る。
〔実施例〕
硝酸バリウム水溶液(1.4/mol溶液)140ccと四塩化
チタン水溶液(1.3/mol溶液)390ccとを混合した。こ
の水溶液を100℃で100時間保持することで加水分解を行
い、Ba2+とTi4+を含むゾルを得た。これを洗浄、乾燥し
た後、800℃で仮焼してBaTi3O7系粉末を作製した。該粉
末10gに市販のTiO2を2.029g加えボールミルで一昼夜混
合した後、1000℃で1時間仮焼して、BaTi4O9粉末を得
た。粒径は0.2μmである。該粉末を0.7ton/cm2で成形
し、脱脂後1250℃、1275℃、1300℃、1350℃にて焼成を
1時間行った。
(比較例) これに対する比較例として、市販のBaCO3,TiO2をBaTi
4O9の組成になるよう秤了し、秤量した粉末25gをボール
ミル中で一昼夜混合した後、1000℃で1時間仮焼し、1.
5μmの粉末を得た。後は、上記実施例と同様の方法に
て試料を作成した。
両方法で作成したセラミックス試料の密度(嵩比
重)、Q値(Q×f)、およびε値を測定した。第1
図にその結果を示す。本発明法によって、共振器材料と
してのこれら特性値が著しく向上したBTセラミックス
が、従来法にくらべて約25℃低い焼成温度で得られた。
本発明の方法によって製造したBT系セラミックスは、
従来の単なる乾式法による方法によるものにくらべて密
度が著しく高く、それによってQ値が驚異的に向上し
た。しかもこのQ値が従来材料より高いε値と同時に
達成されており、Q値、ε値の両特性値の組合せにお
いては本発明法の優位性が更に大きい。
〔発明の効果〕
本発明の方法によると、工程(1)によりBT組成の構
成成分の両方を含む粉末(変成粉末)は、二次粒子の極
めて少ないサブミクロン粒子となし得、これを使用する
ことによって、以後単なる乾式法によって、容易にサブ
ミクロン級のBT原料粉末が得られ、更にこれを原料とし
てQ値が高く高密度のBTセラミックスが得られる、とい
う優れた効果が得られる。そのほか次のような効果も得
られる。
1)仮焼によって得られる変成粉末が十分分散されたも
のが得られるため、仮焼物の粉砕工程を特に必要としな
いで、原料粉末として供給し得られる。
2)該仮焼変成粉末から乾式法で得られるBT粉末も単分
散状態で得られ、従って粉砕工程を除いても十分易焼結
性且つ高密度の特性を有する。
3)極めて高密度且つ高Q値を要求されるマイクロ波用
誘電体共振器材料として、BT系セラミックスをホットプ
レスやHIP(たとえば熱間ガラス圧焼結)などの操作を
省略して単なる固相焼結によって、理論密度に極めて近
い高密度で得ることができる。
4)優れた粉末特性を有する変成粉末を大量生産するこ
とによって、任意の組成のBTを極めて安価に供給し得
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法によって製造したBTセラミックス
の特性値を各焼成温度について従来の単なる乾式法によ
る場合と比較して示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−269805(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化学式が(1−x)BaO・xTiO2、0.75≦x
    ≦0.9で表わされる組成の誘電体共振器材料の製造方法
    において、 (1)適量のBaとTiとを含有する溶液を作成し、加水分
    解を行なってゾルを生成させ、該ゾルを乾燥後600〜110
    0℃で仮焼して仮焼物とする工程、 (2)該仮焼物と、該組成の残りの構成成分の化合物と
    を混合して800〜1200℃で仮焼して仮焼粉末とする工
    程、および (3)該仮焼粉末を成形して1100〜1500℃で焼成する工
    程 から成ることを特徴とする誘電体共振器材料の製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記工程(1)において、Ba化合物の水溶
    液またはアルコール溶液とTi化合物の水溶液またはアル
    コール溶液とを混合して前記溶液を作成することを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の誘電体共振器材料の
    製造方法。
  3. 【請求項3】前記Ba化合物が、塩化バリウム、塩素酸バ
    リウム、過塩素酸バリウム、硝酸バリウム、酢酸バリウ
    ム、バリウムエチレート、バリウムイソプロピレートの
    1種または2種以上から成ることを特徴とする特許請求
    の範囲第2項記載の誘電体共振器材料の製造方法。
  4. 【請求項4】前記Ti化合物が四臭化チタン、四塩化チタ
    ン、テトラメトキシチタン、テトラエトシチタン、テト
    ラプロポキシチタン、テトラブトキシチタンの1種また
    は2種以上から成ることを特徴とする特許請求の範囲第
    2項または第3項に記載の誘電体共振器材料の製造方
    法。
  5. 【請求項5】前記工程(1)および(2)の少なくとも
    1つの工程において、助剤としてMnO,MnO2,Cr2O3,CoO,Z
    rO2,NiO,SnO2,MgO,Ta2O5,Nb2O5,WO3,La2O3,Sm2O,Nb2O3,
    Al2O3、およびSiO2の1種または2種以上を微量添加す
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項から第4項ま
    でのいずれか1項に記載の誘電体共振器材料の製造方
    法。
JP62127214A 1987-05-26 1987-05-26 誘電体共振器材料の製造方法 Expired - Lifetime JP2628596B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62127214A JP2628596B2 (ja) 1987-05-26 1987-05-26 誘電体共振器材料の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62127214A JP2628596B2 (ja) 1987-05-26 1987-05-26 誘電体共振器材料の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63292509A JPS63292509A (ja) 1988-11-29
JP2628596B2 true JP2628596B2 (ja) 1997-07-09

Family

ID=14954550

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62127214A Expired - Lifetime JP2628596B2 (ja) 1987-05-26 1987-05-26 誘電体共振器材料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2628596B2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61269805A (ja) * 1985-05-23 1986-11-29 松下電器産業株式会社 マイクロ波用誘電体磁器の製造法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63292509A (ja) 1988-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2554106B2 (ja) チタン酸バリウムの製造方法
JP2598786B2 (ja) ペロブストカイト系機能性セラミツクの製造方法
JP2628596B2 (ja) 誘電体共振器材料の製造方法
JP2617938B2 (ja) 誘電体共振器材料の製造方法
JP2663944B2 (ja) 誘電体共振器材料の製造方法
JP2617939B2 (ja) 誘電体共振器材料の製造方法
JP2687288B2 (ja) マイクロ波用誘電体磁器組成物とその製造方法
JPH0818867B2 (ja) ジルコニウムを含むペロブスカイトセラミツクスの製造方法
JP2687287B2 (ja) マイクロ波用誘電体磁器組成物とその製造方法
JPS63298911A (ja) 誘電体共振器材料の製造方法
JPS63285147A (ja) ニオブを含むペロブスカイトセラミックスの製造方法
JP2607519B2 (ja) 光学セラミックスの製造方法
JP2616772B2 (ja) プロトン導電性セラミックスの製造方法
JPS63292506A (ja) 誘電体共振器材料の製造方法
JPH04118806A (ja) マイクロ波用誘電体磁器組成物
JP2533305B2 (ja) 誘電体共振器材料の製造方法
JPH06100364A (ja) チタン酸ジルコン酸鉛系高密度セラミックスの製造方法
JPS63291305A (ja) 誘電体共振器材料の製造方法
JP2608558B2 (ja) 光学セラミックスの製造方法
JPH0784345B2 (ja) ペロブスカイトセラミックスの製造方法
JPS6325223A (ja) セラミツク原料粉末の製造方法
JPS63291844A (ja) 光学セラミックスの製造方法
JPH0784349B2 (ja) ネオジウムを含む誘電体セラミックスの製造方法
JPH0784350B2 (ja) ペロブスカイトセラミックスの製造方法
JPS63151676A (ja) チタン酸ジルコニウム系セラミツクスの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term