JP2617938B2 - 誘電体共振器材料の製造方法 - Google Patents

誘電体共振器材料の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はマイクロ波用誘電体共振器材料の製造方法に
関する。
〔従来の技術〕
マイクロ波用誘電体共振器材料にはQ値の高いものが
望まれている。このような材料として、(Ba,Sr,Ca)
(Zr,Ti)O3系の(あるいはM(Zr,Ti)O3系、MはBa,S
r,Ca)材料があるが、焼結困難のためQ値が4000程度で
あり、現状の乾式法ではQ値の向上に限界がある。
すなわち、化学式BaxSryCa(1-x-y)(ZrzTi(1-z)
O3、0≦x≦1、0≦y≦1、0<z≦1、で表わされ
るセラミックス(以下場合によりMZTセラミックスまた
は単にMZTと略称する)は一般的に、原料粉末としてた
とえばBaCO3粉末、ZrO2粉末、SrCO3粉末、TiO2粉末等を
所望のMZT組成となるように配合して、これをボールミ
ル等によって乾式法で混合した後、たとえば1100℃程度
で仮焼してMZT粉末とし、この仮焼粉末を加圧成形し、
たとえば1300℃程度で最終的に焼成して得られる。
得られたMZTセラミックスの共振特性すなわちQ値を
高めるためにはセラミックスの密度を高める必要があ
る。粉末を加圧成形後セラミックスに焼成する単なる乾
式法においては、セラミックスの密度は焼成前の加圧成
形状態での充填密度に強く依存している。したがってセ
ラミックスの密度向上のためにはこの充填密度の向上が
必要であり、そのためには加圧成形前の仮焼粉末をより
微細化する必要がある。しかし、前記のような原料粉末
のうちジルコニア粉末(ZrO2粉末)は微細化の進行によ
って粒子間の凝集傾向が急速に強まるため、微細化は飽
和してしまい、結局仮焼後のMZT粉末の微細化も飽和し
てしまう。そのため、従来得られているMZT仮焼粉末は
最も小さくても1〜2μm以上であった。
そこで、MZT粉末を更に微細化することによって、よ
り高いQ値を有する誘電体共振器材料を製造する方法の
出現が強く求められていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、この乾式法での問題を解決するた
め、粒子の分散性が良いサブミクロン級のM(Zr,Ti)O
3系変成原料粉末(MはBa,Sr,Ca)を湿式法にて作製
し、この粉末を用いて乾式法によって混合および仮焼
し、本来希望するセラミックスと同一組成を有する原料
粉末とすることで、焼成が容易で、しかも特性が良好な
マイクロ波用誘電体共振器材料を製造する方法を提供す
ることである。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的は、化学式がBaxSryCa(1-x-y)(ZrzTi
(1-z)O3、0≦x≦1、0≦y≦1、0<z≦1で表わ
される組成の誘電体共振器材料の製造方法において、 (1)上記の化学式中Zr以外の少なくとも1種の金属成
分の適量とZrとを含有する溶液を作成し、加水分解を行
なってゾルを生成させ、ゾルを乾燥後700〜1300℃で仮
焼して仮焼物とする工程、 (2)仮焼物と、上記の組成の残りの構成成分の化合物
とを混合して700〜1300℃で仮焼して仮焼粉末とする工
程、および (3)仮焼粉末を成形して700〜1600℃で焼成する工程 から成ることを特徴とする誘電体共振器材料の製造方法
によって達成される。
本発明者は、湿式過程を含む上記工程(1)によって
700〜1300℃で仮焼すると仮焼物としてサブミクロン級
の変成ジルコニア粉末、たとえばSnZrO3粉末が得られ、
この変成粉末は非常に分散性が良く、従来原料粉末とし
て用いられていた未変成のZrO2粉末で不可避的に発生し
た粒子の凝集が起きにくいことを見出した。更に、本発
明者らは、工程(2)によって、変成ジルコニア粉末
と、目的とするMZT組成の残りの構成成分の化合物(た
とえばBaCO3,TiO2等)とを混合すると、この混合粉末自
体も凝集性がなく、これを仮焼するとやはり分散性の良
いサブミクロン級のMZT仮焼粉末が得られ、ホットプレ
スやHIP(たとえば、熱間ガス圧焼結)などの操作を省
略しても、工程(3)によってこれを成形・焼成して得
られるセラミックスは極めて高い密度を有し誘電体共振
器材料として著しく向上したQ値を具備することを見出
した。
工程(1)の溶液は水溶液またはアルコール溶液であ
る。この溶液の作成は、前記の化学式中Zr以外の少なく
とも1種の金属成分の化合物粉末を、Zrを含有する溶液
中に溶解するか、逆に前者を含有する溶液中に後者の化
合物粉末を溶解するか、両者共にそれぞれを含有する溶
液として準備し混合するか、または両者共に化合物粉末
として準備して水またはアルコール中に一緒に溶解させ
るか、のいずれかまたはこれらの組み合せによって行な
う。
Zrを含有する溶液を作成するための化合物としては、
たとえばオキシ塩化ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニ
ウム、塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、および金
属ジルコニウム等を用いる。これらのZr化合物は1種の
みで用いてもよく、あるいは互に影響しない範囲で2種
以上を一緒に用いてもよい。
工程(1)における「適量」とは、生成したゾルの凝
集を防止するのに適した量であり、溶液の作成に用いる
化合物によって異なる。
工程(2)において生成したゾルはろ過および洗浄に
よって回収された後乾燥される。
乾燥後のゾルの仮焼温度は700〜1300℃である。仮焼
温度が700℃より低いと凝集が顕著に起り、1300℃を超
えると粒子が粗大化する傾向がある。
この様にして得られた仮焼物に、ペロブスカイト組成
としての構成成分の不足分を加えて混合する。上記の場
合には、たとえばZrO2粉末を更に混合して目的のペロブ
スカイト組成となるようにすることができる。
混合物としての凝集防止効果を得るには、原料粉末の
うち少なくとも1種が工程(1)で形成させたサブミク
ロン級の変成粉末であればよい。したがって、工程
(2)において混合する残りの構成成分の化合物として
は、従来からの市販原料粉末を使用してもよく、また工
程(1)で上記と同様に形成させたサブミクロン級の変
成粉末を使用してもよい。工程(2)で使用する原料粉
末はいずれもサブミクロン級の粒度であることが必要で
ある。
混合物の仮焼温度(工程(2))については、700℃
付近より目的とするMZTセラミックス組成物が形成さ
れ、1300℃以上で仮焼すると仮焼粉末粒径が大きくなり
焼成特性を著しく悪化させるので、700〜1300℃の範囲
であることが必要である。
この様にして得られた粉末を成型する。焼結温度は前
記の混合物の仮焼温度と同様にその構成成分の種類によ
って異なるが、一般に700〜1600℃の範囲である。700℃
より低いと焼結が不十分で高密度が得られず1600℃を超
えると粒子が粗大化したり、あるいは揮発性元素が揮発
して失われる。
工程(2)において、助剤としてMnO,MnO2,Cr2O3,Co
O,NiO,SnO2,MgO,Ta2O5,Nb2O5,WO3,La2O3,Sm2O3,Nd2O3,B
i2O3,Al2O3、およびSiO2の1種または2種以上を微量添
加する。
以下に本発明の実施例を比較例と対比させて説明す
る。
〔実施例〕
硫酸ストロンチウム水溶液(1.5/mol)219ccとオキ
シ硝酸ジルコニウム水溶液(1.2/mol)175ccとを混合
した。この混合水溶液を100℃で100時間保持することで
加水分解を行い、Zr4+とSr2+を含むゾルを得た。これ
を、洗浄、乾燥した後1000℃で1時間仮焼してSrZrO3
得た。その後、SrZrO3粉末10gと市販のBaCO33.158g、Zr
O21.799g、TiO20.13gをボールミルで一昼夜混合した
後、1000℃で1時間仮焼してBa0.27Sr0.73(Zr0.973Ti
0.027)O3粉末を得た。その平均粒径は0.3μmであっ
た。該粉末を1ton/cm2で成形したタブレットを1250℃、
1275℃、1300℃、1325℃、1350℃にて1時間焼成した。
(比較例) 比較例として、市販のBaCO3,ZrO2,SrCO3,TiO2を上記
組成になるよう配合し、ボールミルで一昼夜配合した
後、1100℃で仮焼した。この平均粒径は1.2μmであっ
た。その後、実施例と同様の工程にて試料を作製した。
(実施例)および(比較例)で得たBZTセラミックス
の密度(嵩比重)、Q値、およびε値を測定した。結
果を第1図に示す。
第1図に示すように本発明法では従来法に比らべ低温
で焼結でき嵩比重も5.6g/cm3と理論値に近い値を示し
た。またその時のQ値は4GHzにおいて7000と高い値を示
した。
本発明の方法によって製造したMZTセラミックスは、
従来の方法によるものにくらべて密度が著しく高く、そ
れによってQ値が驚異的に向上した。しかもこのQ値が
従来材より高いε値と同時に達成されており、Q値、
ε値の両特性値の組合せにおいては本発明法の優位性
が更に大きい。
〔発明の効果〕
本発明の方法によると、工程(1)によりMZTの構成
成分の一種以上を含むジルコニア粉末(変成ジルコニア
粉末)は、二次粒子の極めて少ないサブミクロン粒子と
なし得、これを使用することによって、以後単なる乾式
法によって、容易にサブミクロン級のMZT原料粉末が得
られ、更にこれを原料として高Q値を有し高密度のMZT
セラミックスが得られる、という優れた効果を得られ
る。そのほか次のような効果も得られる。
1)仮焼によって得られる変成ジルコニア粉末が十分分
散されたものが得られるため、仮焼物の粉砕工程を特に
必要としないで、原料粉末として供給し得られる。
2)該仮焼変成ジルコニア粉末から乾式法で得られるMZ
T粉末も単分散状態で得られ、従って粉砕工程を除いて
も十分易焼結性且つ高密度の特性を有する。
3)極めて高密度且つ高Q値を要求されるマイクロ波用
誘電体共振器材料としてMZTセラミックスをホットプレ
スやHIP(たとえば熱間ガス圧焼結)などの操作を省略
して単なる固相焼結によって、理論密度に極めて近い高
密度で得ることができる。
4)優れた粉末特性を有する変成ジルコニア粉末を大量
生産することによって、任意の組成のMZTを極めて安価
に供給し得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明法によって製造したMZTセラミックス
の誘電体共振器材料としての各種特性値と焼成温度との
関係を、従来法によるものと比較して示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−269805(JP,A) 特公 平7−29848(JP,B2)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化学式がBaxSryCa(1-x-y)(ZrzTi(1-z))O
    3、0≦x≦1、0≦y≦1、0<z≦1で表わされる
    組成の誘電体共振器材料の製造方法において、 (1)該化学式中Zr以外の少なくとも1種の金属成分の
    適量とZrとを含有する溶液を作成し、加水分解を行なっ
    てゾルを生成させ、該ゾルを乾燥後700〜1300℃で仮焼
    して仮焼物とする工程、 (2)該仮焼物と、該組成の残りの構成成分の化合物と
    を混合して700〜1300℃で仮焼して仮焼粉末とする工
    程、および (3)該仮焼粉末を成形して700〜1600℃で焼成する工
    程 から成ることを特徴とする誘電体共振器材料の製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記工程(1)において、前記金属成分の
    化合物の水溶液またはアルコール溶液と、Zr化合物の水
    溶液またはアルコール溶液とを混合して前記溶液を作成
    することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の誘電
    体共振器材料の製造方法。
  3. 【請求項3】前記Zr化合物が、オキシ塩化ジルコニウ
    ム、オキシ硝酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、硝酸
    ジルコニウム、および金属ジルコニウムの1種または2
    種以上から成ることを特徴とする特許請求の範囲第2項
    記載の誘電体共振器材料の製造方法。
  4. 【請求項4】前記工程(2)において、助剤としてMnO,
    MnO2,Cr2O3,CoO,NiO,SnO2,MgO,Ta2O5,Nb2O5,WO3,La2O3,
    Sm2O3,Nd2O3,Bi2O3,Al2O3、およびSiO2の1種または2
    種以上を微量添加することを特徴とする特許請求の範囲
    第1項から第3項までのいずれか1項に記載の誘電体共
    振器材料の製造方法。
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DE69815631T2 (de) * 1997-04-02 2004-04-29 Kyocera Corp. Dielektrische keramische zusammensetzung und resonator daraus

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