JPH0784346B2 - ニオブを含むペロブスカイトセラミックスの製造方法 - Google Patents

ニオブを含むペロブスカイトセラミックスの製造方法

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JPH0784346B2
JPH0784346B2 JP62120061A JP12006187A JPH0784346B2 JP H0784346 B2 JPH0784346 B2 JP H0784346B2 JP 62120061 A JP62120061 A JP 62120061A JP 12006187 A JP12006187 A JP 12006187A JP H0784346 B2 JPH0784346 B2 JP H0784346B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ニオブを含むペロブスカイトセラミックスの
製造方法に関するものである。
ペロブスカイトセラミックスは、圧電体、オプトエレク
トロニクス材料、誘電体、半導体、センサー等の機能性
セラミックスとして広範囲の分野で利用されている。
(従来技術およびその問題点) 重要なペロブスカイト系機能性セラミックスには、ニオ
ブを含むものが極めて多い。
従来、ペロブスカイト原料粉末の製造法としては、乾式
法が広く行われている。しかしながら、出発原料として
酸化ニオブ粉末を使用して乾式法でペロブスカイト原料
粉末を調製する場合、市販の酸化ニオブ粉末は粒径が0.
5μm以上と大きいために、得られるペロブスカイト原
料粉末も粒径が0.5μm以上のものとなる。この程度の
粒度のペロブスカイト原料粉末を使用すると焼結性が良
好でなく、また高密度かつ高度な機能の機能性セラミッ
クスを得ることは難しい。
(発明の目的) 本発明は前記のニオブを含むペロブスカイト系セラミッ
クスの乾式法による合成における欠点を解消すべくなさ
れたもので、その目的は、共沈法によって分散性の良い
サブミクロン級の変成酸化ニオブ原料粉末を作成し、該
粉末を用いて単なる乾式法によって易焼結性且つ高密度
のペロブスカイト系機能性セラミックスを製造する方法
を提供することにある。
(問題点を解決するための技術的手段) 本発明者等は前記目的を達成すべく鋭意研究の結果、ニ
オブ単独溶液と沈澱形成液とを混合してニオブの沈澱物
を形成した場合、得られる沈澱物は非常に凝集したもの
となるが、ニオブ溶液とペロブスカイト化合物を構成す
るニオブ以外の成分の部分量を混合し、この混合溶液と
沈澱形成液とを混合して沈澱物を形成した場合には、凝
集の極めて少ない共沈体が得られ、この共沈体を仮焼す
ることより、分散性の良いサブミクロン級の粉末(変成
酸化ニオブ粉末)が得られることを見出した。さらに
は、この変成酸化ニオブ粉末を原料とし、残余のペロブ
スカイト化合物の構成成分の化合物を乾式法によって混
合すれば、サブミクロン級の粉末特性の優れた原料粉末
が容易に得られ、この原料粉末を成型して焼結すると、
焼結助剤を使用しない場合でも極めて高密度のペロブス
カイトセラミックスが容易に得られることを見出し、本
発明に到った。
すなわち、本発明は、ニオブ含有ペロブスカイト化合物
を構成する成分であり、ニオブ以外の成分の部分量とニ
オブ溶液との混合溶液を形成し、この混合溶液と沈澱形
成液とを混合して共沈体を形成し、乾燥後700〜1300℃
で仮焼する第1工程、 第1工程の仮焼物と、残余のペロブスカイト化合物の構
成成分の化合物を混合して500〜1500℃で仮焼する第2
工程、 第2工程の仮焼粉末を成型して700〜1700℃で焼結する
第3工程とからなることを特徴とするニオブを含むペロ
ブスカイトセラミックスの製造方法に関する。
前記一般式ABO3で示されるペロブスカイト化合物のA成
分(酸素12配位金属元素)としては、例えばPb,Ba,Ca,S
rおよびLaなどの希土類元素が挙げられる。またB成分
(酸素6配位金属元素)としては、ニオブのほか、例え
ばTi,Mg,Sc,Hf,Th,W,Zr,Ta,Cr,Mo,Mn,Fe,Zn,Co,Ni,Cd,A
l,Sn,As,Bi等が挙げられる。
前記一般式におけるA成分およびB成分の元素の組み合
せとしては、用途に応じて所望の電気特性が得られるよ
うに好適な組成を選択できる。例えば、Pb1-xAx[(B
1/3Nb2/31-yTiy]O3(ただし、AはBa、Sr、Caから選
ばれる一種以上を示し、BはMgおよび/またはZnを示
し、xは0.1〜1.0、yは0.05〜0.9の数値である。)で
表されるペロブスカイト化合物はコンデンサー材料とし
て好適に使用される。
またBa1-xSrx[(Zn1/3Nb2/31-yTiy]O3(ただし、x
は0.1〜1.0、yは0.05〜0.9の数値である。)で表され
るペロブスカイト化合物、あるいは、A[B1/3(Nb1-x
Tax2/3]O3(ただし、AはBaおよび/またはSrを示
し、BはZn、Co、Mgから選ばれる一種以上を示し、xは
0〜0.9の数値である。)で表されるペロブスカイト化
合物はマイクロ波用のオシレータ、フィルター、共振
器、誘電体基板等の用途に好適に使用される。なお、本
発明においては、一般式ABO3で表されるペロブスカイト
化合物において、A成分とB成分のモル比が1.0より高
い値、もしくは低い値にずらしたものも含む。
以下、本発明の各工程について説明する。
第1工程: ニオブ溶液を調製するための化合物としては、五塩化ニ
オブ、水酸化ニオブ等が挙げられ、溶媒としては水、ア
ルコールが通常使用される。
またこの場合、ニオブ成分の全量を使用せず、その一部
を第2工程で酸化物として混合することもできる。
ニオブ溶液に溶解するペロブスカイトの構成成分の化合
物としては、それらの水酸化物、炭酸塩、オキシ塩、硫
酸塩、硝酸塩、塩化物等の無機塩、酢酸塩、しゅう酸塩
等の有機酸塩等から適宜選択される。これらは一般に水
溶液として使用されるが水に可溶でない場合には酸を添
加して溶解させればよく、不溶原料については懸濁溶液
として使用してもよい。また水溶液のかわりにアルコー
ル溶液を使用してもよい。
本発明において、「ニオブ以外の成分の部分量」とは、 (1)ニオブ以外の一成分の部分量、あるいは二種以上
の成分のそれぞれの部分量 および/または (2)ニオブ以外の一成分の全量、あるいは二種以上の
成分のそれぞれの全量で、かつ全成分の全量でない を意味する。例えば、ペロブスカイト化合物がニオブと
ニオブ以外の2成分X、Yから構成されていると仮定す
ると、ニオブ以外の成分の部分量としては、 Xの部分量 Yの部分量 Xの部分量およびYの部分量 Xの部分量およびYの全量 Yの部分量およびXの全量 Xの全量 Yの全量 の7通りが考えられる。
沈澱形成液作成のための試薬としては、アンモニア、炭
酸アンモニウム、苛性アルカリ、しゅう酸、しゅう酸ア
ンモニウムやアミン、オキシン等の有機試薬が挙げられ
る。
得られた共沈体の仮焼温度は、700〜1300℃である。700
℃より低いと凝集が顕著に起り、1300℃を越えると粒子
が粗大化する傾向がある。
また、ペロブスカイト系機能性セラミックスにおいて
は、その焼結性や特性を改善するために微量の助剤、例
えば酸化ホウ素、酸化ビスマス等を添加することもでき
る。これらの助剤は第1、第2工程で適当に添加するこ
とができる。
第2工程: 第1工程で得られた仮焼粉に、残余のニオブ以外の構成
成分を加えて混合する。混合方法としては、水、アルコ
ール等を用いる湿式混合あるいはそれらを用いない乾式
混合のいずれでもよい。また、第1工程においてニオブ
成分の全量を使用しなかった場合は、残余のニオブ成分
も補充する。添加する成分の化合物としては、それらの
酸化物、炭酸塩、水酸化物等が用いられる。この場合、
それらの化合物粉末の粒度はサブミクロン級のものを使
用する。ただ、酸化鉛粉末は粗大粒径のものを使用して
も、得られるペロブスカイト粉末の特性にほとんど影響
を与えない。
これらの混合物の仮焼温度は、Pbを含む場合、BaやSrを
含む場合、またSbやTaを含む場合、TiやZrを含む場合と
で、500〜1500℃の範囲で大幅に変化する。要は固相反
応がほぼまたは完全に完了する最低温度以上で、顕著な
粒子成長が生じない最高温度範囲内であることが必要で
ある。
第3工程: 第2工程で得られた仮焼粉末を成型して焼結する。焼結
温度は前記の混合物の仮焼温度と同様にその構成成分の
種類によって異なるが、一般的に700〜1700℃の範囲で
ある。700℃より低いとPbを含むペロブスカイトでも焼
結が不十分であり、1700℃を越えると粒子が粗大化した
り、あるいは構成成分の揮発が起こる。
(実施例) 以下に実施例及び比較例により、本発明を詳しく説明す
る。
実施例1 四塩化チタン(TiCl4)の水溶液(0.4モル/)10mlと
五塩化ニオブ(NbCl5)のエタノール溶液(0.4モル/
)90mlとを混合した。この混合水溶液を攪拌している
4.5N−アンモニア水500ml中に徐々に添加してTi4+とNb
5+の水酸化物共沈体を得た。これを洗浄、乾燥した後、
1000℃で仮焼して変成酸化ニオブ粉末を作成した。
この粉末の平均粒子径は0.16μmであった。
該粉末5.106gと市販のTiO2粉末2.877g、Nb2O5粉末0.532
g、PbO粉末(平均粒子径5μm)16.29g、ZnO粉末1.628
gおよびBaCO3粉末5.331gをボールミルで一昼夜混合した
後、800℃で2時間仮焼してPb0.73Ba0.27Zn0.2Nb0.4Ti
0.4O3粉末を得た。その平均粒子径は0.28μmであっ
た。該粉末を1t/cm2で成型したタブレットを鉛蒸気、酸
素ガス共存雰囲気下、1000℃で2時間焼結した。
得られたものの密度は、理論密度の99%であった。また
電気特性を測定したところ、比誘電率11750、誘電損失
0.6%、比抵抗2.3×1012Ω・cmを得た。
比較例1 市販のPbO、TiO2、Nb2O5、BaCO3およびZnO粉末を Pb0.73Ba0.27Zn0.2Nb0.4Ti0.4O3 の組成になるように配合し、ボールミルで一昼夜混合し
た後、800℃で2時間仮焼した。この粉末を1t/cm2で成
型し、実施例1と同様にして焼結した。
得られたセラミックスの密度は理論密度の95%であり、
電気特性を測定したところ、比誘電率12300、誘電損失
2.2%、比抵抗9.7×1011Ω・cmであった。
なお仮焼時での粉末の平均粒子径は2.5μmであった。
実施例2 実施例1と同様にして作成した変成酸化ニオブ粉末5.36
7g、市販のTiO2粉末2.557g、Nb2O5粉末1.064g、PbO粉末
16.29g、MgO粉末0.403g、ZnO粉末0.814gおよびSrCO3
末3.988gをボールミルで一昼夜混合した後、800℃で2
時間仮焼して Pb0.73Sr0.27Zn0.1Mg0.1Nb0.4Ti0.4O3 の組成粉末を得た。その平均粒子径は0.32μmであっ
た。該粉末を1t/cm2で成型したタブレットを鉛蒸気、酸
素ガス共存雰囲気下、1030℃で1時間焼結した。
得られたものの密度は、理論密度の99%であった。また
電気特性を測定したところ、比誘電率11920、誘電損失
0.9%、比抵抗1.8×1012Ω・cmを得た。
比較例2 市販のPbO、TiO2、Nb2O5、MgO、ZnO、SrCO3粉末を Pb0.73Sr0.27Zn0.1Mg0.1Nb0.4Ti0.4O3 の組成になるように配合し、ボールミルで一昼夜混合し
た後、800℃で2時間仮焼した。得られた粉末の平均粒
子径は3.5μmであった。
この粉末を1t/cm2で成型し、鉛蒸気、酸素ガス共存雰囲
気下、1100℃で1時間焼結した。
得られたセラミックスの密度は理論密度の95.4%であ
り、電気特性を測定したところ、比誘電率11820、誘電
損失2.5%、比抵抗1.05×1012Ω・cmであった。
実施例3 五塩化ニオブ(NbCl5)のエタノール溶液(3.34モル/
)45.060mlと四塩化チタン(TiCl4)の水溶液(1.45
モル/)25.931mlとを混合した。この混合水溶液を攪
拌している6N−アンモニア水1中に徐々に添加してTi
4+とNb5+の水酸化物共沈体を得た。これを洗浄、乾燥し
た後、1000℃で仮焼して変成酸化ニオブ粉末を作成し
た。
この粉末の平均粒子径は0.25μmであった。
該粉末10.963gと市販のTiO2粉末1.135g、ZnO粉末(平均
粒子径0.33μm)3.196g、BaCO3粉末1.368gおよびSrCO3
粉末19.488gとをボールミルで一昼夜混合した後、1100
℃で2時間仮焼して Ba0.05Sr0.95(Zn1/3Nb2/30.85Ti0.15O3 粉末を得た。その平均粒子径は0.34μmであった。該粉
末を1t/cm2で成型したタブレットを空気雰囲気下、1450
℃で1時間焼結した。
得られたものの密度は、理論密度の99.2%であった。ま
た電気特性を測定したところ、比誘電率45.1、5GHzにお
けるQは7000であった。
比較例3 市販のBaCO3、SrCO3、ZnO(平均粒子径0.33μm)、Nb2
O5(平均粒子径0.30μm)およびTiO2(平均粒子径0.35
μm)粉末を Ba0.05Sr0.95(Zn1/3Nb2/30.85Ti0.15O3 の組成になるように配合し、ボールミルで一昼夜混合し
た後、1100℃で2時間仮焼した。この粉末の平均粒子径
は3.0μmであった。この粉末を1t/cm2で成型し、実施
例3と同様にして焼結した。
得られたセラミックスの密度は理論密度の93.4%であ
り、電気特性を測定したところ、比誘電率42.3、5GHzに
おけるQは4000であった。
実施例4 実施例3と同様にして作成した変成酸化ニオブ粉末6.16
9g、市販のBaCO313.086g、SrCO39.789g、ZnO(平均粒子
径0.33μm)1.798gおよびTiO2(平均粒子径0.35μm)
5.0gをボールミルで一昼夜混合した後、1100℃で2時間
仮焼して Ba0.5Sr0.5(Zn1/3Nb2/30.5Ti0.5O3 の組成粉末を得た。その平均粒子径は0.31μmであっ
た。該粉末を1t/cm2で成型したタブレットを空気雰囲気
下、1450℃で1時間焼結した。
得られたものの密度は、理論密度の99.3%であった。ま
た電気特性を測定したところ、比誘電率150、5GHzにお
けるQは4000であった。
比較例4 市販のBaCO3、SrCO3、ZnO(平均粒子径0.33μm)、Nb2
O5(平均粒子径0.30μm)およびTiO2(平均粒子径0.35
μm)粉末を Ba0.5Sr0.5(Zn1/3Nb2/30.5Ti0.5O3 の組成になるように配合し、ボールミルで一昼夜混合し
た後、1100℃で2時間仮焼した。この粉末の平均粒子径
は2.8μmであった。この粉末を1t/cm2で成型し、空気
雰囲気下、1450℃で1時間焼結した。
得られたセラミックスの密度は理論密度の94.7%であ
り、電気特性を測定したところ、比誘電率135、5GHzに
おけるQは2000であった。
実施例5 五塩化ニオブ(NbCl5)のエタノール溶液(0.2モル/
)200mlと五塩化タンタル(TaCl5)のエタノール溶液
(0.2モル/)200mlとを混合した。この混合溶液を攪
拌している6N−アンモニア水1中に徐々に添加して、
Nb5+とTa5+の水酸化物共沈体を得た。これを洗浄、乾燥
した後、900℃で仮焼して変成酸化ニオブ粉末を作成し
た。
この粉末の平均粒子径は0.12μmであった。
該粉末12.94gと市販のMgO粉末3.35g、Ta2O5粉末131.27
g、ZnO粉末21.36gおよびBaCO3粉末137.34gとをボールミ
ルで一昼夜混合した後、1100℃で2時間仮焼して 0.7Ba(Zn1/3Ta2/3)O3−0.25Ba(Mg1/3Ta2/3)O3−0.0
5Ba(Zn1/3Nb2/3)O3 粉末を得た。その平均粒子径は0.35μmであった。該粉
末を1t/cm2で成型したタブレットを空気雰囲気下、1450
℃で3時間焼結した。
得られたものの密度は、理論密度の99%であった。また
電気特性を測定したところ、比誘電率29.5、10GHzにお
けるQは17000であった。
比較例5 市販のBaCO3137.34g、ZnO21.36g、Ta2O5139.82g、MgO3.
35gおよびNb2O54.39g、をボールミルで一昼夜混合した
後、1100℃で2時間仮焼して、 0.7Ba(Zn1/3Ta2/3)O3−0.25Ba(Mg1/3Ta2/3)O3−0.0
5Ba(Zn1/3Nb2/3)O3 粉末を得た。その平均粒子径は2.3μmであった。該粉
末を1t/cm2で成型し、実施例5と同様にして焼結した。
得られたセラミックスの密度は理論密度の91%であり、
電気特性を測定したところ、誘電率27.1、10GHzにおけ
るQは10000であった。
実施例6 実施例5と同様にして作成した変成酸化ニオブ粉末12.9
4gと市販のMgO3.35g、ZnO21.36g、Ta2O5131.27g、BaCO3
130.47gおよびSrCO37.38gとをボールミルで一昼夜混合
した後、1100℃で2時間仮焼して 0.7Ba(Zn1/3Ta2/3)O3−0.25Ba(Mg1/3Ta2/3)O3−0.0
5Sr(Zn1/3Nb2/3)O3 の組成粉末を得た。その平均粒子径は0.39μmであっ
た。該粉末を1t/cm2で成型したタブレットを空気雰囲気
下、1450℃で3時間焼結した。
得られたものの密度は、理論密度の99%であった。また
電気特性を測定したところ、比誘電率29.0、10GHzにお
けるQは13000であった。
比較例6 市販のBaCO3130.47g、SrCO37.38g、ZnO21.36g、Ta2O513
9.82g、MgO3.35gおよびNb2O54.39g、をボールミルで一
昼夜混合した後、1100℃で2時間仮焼して、 0.7Ba(Zn1/3Ta2/3)O3−0.25Ba(Mg1/3Ta2/3)O3−0.0
5Sr(Zn1/3Nb2/3)O3 粉末を得た。その平均粒子径は3.1μmであった。
この粉末を1t/cm2で成型し、空気雰囲気下、1450℃で3
時間焼結した。
得られたセラミックスの密度は理論密度の92%であり、
電気特性を測定したところ、誘電率27.5、10GHzにおけ
るQは8000であった。
実施例7 塩化亜鉛(ZnCl2)の水溶液(0.2モル/)10mlを攪拌
しているジエチルアミン10mlを含む水溶液100ml中に徐
々に添加した。この溶液に五塩化ニオブ(NbCl5)のエ
タノール溶液(0.2モル/)90mlを除去に添加してZn
2+とNb5+の水酸化物共沈体を得た。これを洗浄、乾燥し
た後、800℃で仮焼して変成酸化ニオブ粉末を作成し
た。
この粉末の平均粒子径は0.32μmであった。
該粉末47.27gと市販のZnO粉末(平均粒子径0.2μm)1
0.41g、BaCO3粉末39.46gおよびSrCO3粉末44.28gとをボ
ールミルで一昼夜混合した後、1000℃で3時間仮焼して Ba0.4Sr0.6(Zn1/3Nb2/3)O3粉末を得た。その平均粒子
径は0.35μmであった。該粉末を1t/cm2で成型したタブ
レットを空気雰囲気下、1450℃で2時間焼結した。
得られたものの密度は、理論密度の98.9%であった。ま
た電気特性を測定したところ、比誘電率39.5、10GHzに
おけるQは11000であった。
比較例7 市販のNb2O544.31g、ZnO13.38g、BaCO339.46g、SrCO34
4.28gをボールミルで一昼夜混合した後、1000℃で2時
間仮焼して、 Ba0.4Sr0.6(Zn1/3Nb2/3)O3粉末を得た。その平均粒子
径は1.2μmであった。該粉末を1t/cm2で成型し、実施
例7と同様にして焼結した。
得られたセラミックスの密度は理論密度の92%であり、
電気特性を測定したところ、誘電率37、10GHzにおける
Qは6000であった。
実施例8 実施例7と同様にして作成した変成酸化ニオブ粉末47.2
7gと市販のZnO(平均粒子径0.2μm)10.41g、BaCO329.
60gおよびSrCO351.66gとをボールミルで一昼夜混合した
後、1050℃で1時間仮焼して Ba0.3Sr0.7(Zn1/3Nb2/3)O3の組成粉末を得た。その平
均粒子径は0.35μmであった。該粉末を1t/cm2で成型し
たタブレットを空気雰囲気下、1500℃で1時間焼結し
た。
得られたものの密度は、理論密度の99%であった。また
電気特性を測定したところ、比誘電率39.8、10GHzにお
けるQは10000であった。
実施例9 実施例7と同様にして作成した変成酸化ニオブ粉末47.2
7gと市販のZnO(平均粒子径0.2μm)6.40g、CoO3.74g
およびBaCO398.60gとをボールミルで一昼夜混合した
後、1000℃で3時間仮焼して 0.3Ba(Co1/3Nb2/3)O3−0.7Ba(Zn1/3Nb2/3)O3 の組成粉末を得た。その平均粒子径は0.29μmであっ
た。該粉末を1t/cm2で成型したタブレットを空気雰囲気
下、1500℃で2時間焼結した。
得られたものの密度は、理論密度の98.5%であった。ま
た電気特性を測定したところ、比誘電率36、10GHzにお
けるQは13000であった。
比較例8 市販のZnO、Nb2O5、CoO、BaCO3を0.3Ba(Co1/3Nb2/3)O
3−0.7Ba(Zn1/3Nb2/3)O3の組成になるように配合し、
ボールミルで一昼夜混合した後、1000℃で2時間仮焼し
た。得られた粉末の平均粒子径は1.8μmであった。
この粉末を1t/cm2で成型し、空気雰囲気下、1500℃で1
時間焼結した。
得られたセラミックスの密度は理論密度の90%であり、
電気特性を測定したところ、誘電率32、10GHzにおける
Qは13000であった。
(発明の効果) 本発明の方法によると、第1工程により得られるペロブ
スカイト化合物の構成成分の一部を含む酸化ニオブ粉末
(変成酸化ニオブ粉末)は、二次粒子の極めて少ないサ
ブミクロン粒子であり、これを使用することによって、
以後単なる乾式法によって、容易にサブミクロン級のペ
ロブスカイト原料粉末が得られ、更にこれを原料として
理論密度に極めて近い高密度のセラミックスが得られる
という優れた効果を得られる。また次の効果も得られ
る。
1)仮焼によって得られる変成酸化ニオブ粉末が十分分
散されたものが得られるため、仮焼物の粉砕工程を特に
必要としないで、原料粉末として供給できる。
2)該仮焼変成酸化ニオブ粉末から乾式法で得られるペ
ロブスカイト粉末も単分散状態で得られ、従って粉砕工
程を除いても十分易焼結性且つ高嵩密度の特性を有す
る。
3)極めて高密度のものを要求されるペロブスカイト系
機能性セラミックスをホットフレスやHIP(熱間ガス圧
焼結)などの操作を省略して単なる固相焼結によって、
かつ焼結助剤を必ずしも使用しないで、理論密度に極め
て近い高密度のものが得られる。
4)優れた粉末特性を有する変成酸化ニオブ粉末を大量
生産することによって、数限りない酸化ニオブを含むペ
ロブスカイト原料粉末及び高性能ペロブスカイト系機能
性セラミックスを極めて安価に供給できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂東 康夫 山口県宇部市大字小串1978の5 宇部興産 株式会社宇部研究所内 (72)発明者 伊藤 幸助 山口県宇部市大字小串1978の5 宇部興産 株式会社宇部研究所内 (72)発明者 藤永 昌孝 山口県宇部市大字小串1978の5 宇部興産 株式会社宇部研究所内 (72)発明者 白崎 信一 茨城県新治郡桜村竹園3−610−201 審査官 米田 健志

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニオブ含有ペロブスカイト化合物を構成す
    る成分であり、ニオブ以外の成分の部分量とニオブ溶液
    との混合溶液を形成し、この混合溶液と沈澱形成液とを
    混合して共沈体を形成し、乾燥後700〜1300℃で仮焼す
    る第1工程、 第1工程の仮焼物と、残余のペロブスカイト化合物の構
    成成分の化合物を混合して500〜1500℃で仮焼する第2
    工程、 第2工程の仮焼粉末を成型して700〜1700℃で焼結する
    第3工程とからなることを特徴とするニオブを含むペロ
    ブスカイトセラミックスの製造方法。
  2. 【請求項2】該ペロブスカイト化合物が一般式 Pb1-xAx[(B1/3Nb2/31-yTiy]O3(ただし、AはB
    a、Sr、Caから選ばれる一種以上を示し、BはMgおよび
    /またはZnを示し、xは0.1〜0.9、yは0.1〜0.9の数値
    である。)で表される特許請求の範囲第1項に記載のニ
    オブを含むペロブスカイトセラミックスの製造方法。
  3. 【請求項3】該ペロブスカイト化合物が一般式 Ba1-xSrx[(Zn1/3Nb2/31-yTiy]O3(ただし、xは0.
    1〜1.0、yは0.05〜0.9の数値である。)で表される特
    許請求の範囲第1項に記載のニオブを含むペロブスカイ
    トセラミックスの製造方法。
  4. 【請求項4】該ペロブスカイト化合物が一般式 A[B1/3(Nb1-xTax2/3]O3(ただし、AはBaおよび
    /またはSrを示し、BはZn、Co、Mgから選ばれる一種以
    上を示し、xは0〜0.9の数値である。)で表される特
    許請求の範囲第1項に記載のニオブを含むペロブスカイ
    トセラミックスの製造方法。
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