JP2000086336A - 正特性サーミスタの製造方法 - Google Patents
正特性サーミスタの製造方法Info
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- JP2000086336A JP2000086336A JP10258268A JP25826898A JP2000086336A JP 2000086336 A JP2000086336 A JP 2000086336A JP 10258268 A JP10258268 A JP 10258268A JP 25826898 A JP25826898 A JP 25826898A JP 2000086336 A JP2000086336 A JP 2000086336A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 抵抗値の焼成温度依存性の小さい正特性サー
ミスタの製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 BaTiO3を主成分とし半導体化元素
として少なくともNb2O5を含む組成の正特性サーミス
タ材料を、仮焼後の粉砕工程でNaを含む分散剤を添加
し粉砕を行う。
ミスタの製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 BaTiO3を主成分とし半導体化元素
として少なくともNb2O5を含む組成の正特性サーミス
タ材料を、仮焼後の粉砕工程でNaを含む分散剤を添加
し粉砕を行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電流制御用スイッチ
ング素子や定温発熱体素子として利用される正特性サー
ミスタの製造方法に関するものである。
ング素子や定温発熱体素子として利用される正特性サー
ミスタの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の正特性サーミスタは半導体化元素
として5価のNb2O5または3価のCe2O3等をBaT
iO3に添加し、TiまたはBaを原子価制御すること
によって半導体化させていた。また、同時にMnを添加
して目的とする抵抗値及び抵抗温度特性を得ていた。
として5価のNb2O5または3価のCe2O3等をBaT
iO3に添加し、TiまたはBaを原子価制御すること
によって半導体化させていた。また、同時にMnを添加
して目的とする抵抗値及び抵抗温度特性を得ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
の方法では、高い抵抗値を得る場合半導体化元素のNb
2O5またはCe2O3等をMnの添加量に合わせ増量する
必要があり、半導体化元素が多くなるに従って最適なM
n量も多くなる。一般に、BaTiO3の抵抗値は半導
体化元素量及びMn量が多くなるほど焼成温度に対する
依存性が大きくなることも知られている。
の方法では、高い抵抗値を得る場合半導体化元素のNb
2O5またはCe2O3等をMnの添加量に合わせ増量する
必要があり、半導体化元素が多くなるに従って最適なM
n量も多くなる。一般に、BaTiO3の抵抗値は半導
体化元素量及びMn量が多くなるほど焼成温度に対する
依存性が大きくなることも知られている。
【0004】従って、若干の焼成温度バラツキでも目的
とする抵抗値を得ることが難しくなるという問題点があ
った。
とする抵抗値を得ることが難しくなるという問題点があ
った。
【0005】本発明は前記問題点を解決するもので、抵
抗値の焼成温度依存性の小さい正特性サーミスタの製造
方法を提供することを目的とする。
抗値の焼成温度依存性の小さい正特性サーミスタの製造
方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の正特性サーミスタの製造方法は、抵抗値の焼
成温度依存性が小さい領域のBaTiO3材料組成を設
定し、仮焼粉の粉砕時にNaを含む分散剤を添加するこ
とにより、分散剤に含まれるNaがBaTiO 3の焼結
過程で結晶粒界部分に析出し高抵抗層を形成させる。
に本発明の正特性サーミスタの製造方法は、抵抗値の焼
成温度依存性が小さい領域のBaTiO3材料組成を設
定し、仮焼粉の粉砕時にNaを含む分散剤を添加するこ
とにより、分散剤に含まれるNaがBaTiO 3の焼結
過程で結晶粒界部分に析出し高抵抗層を形成させる。
【0007】これによりBaTiO3の抵抗値の焼成温
度依存性を低減し、目的とする抵抗値及び抵抗温度特性
を得るものである。
度依存性を低減し、目的とする抵抗値及び抵抗温度特性
を得るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、BaTiO3を主成分とし半導体化元素として、少
なくともNb2O5を含む正特性サーミスタ材料の仮焼後
の粉砕工程において、Naを含む分散剤を添加し粉砕を
行う正特性サーミスタの製造方法である。Naを含む分
散剤を添加するのは、Naが極微量で液相を形成して粒
界に析出し高抵抗層を形成する効果があるため、極少量
の成分を均一に分散させるには分散剤の中に含ませて加
えることが有効な手段となる。また、粉砕工程で添加す
るのは、混合時に添加した場合混合材料の仮焼反応でB
aTiO3の結晶粒内へNaが固溶して抵抗温度特性を
低下させる。これを仮焼反応が終了した粉砕時に添加す
ることで、Naの結晶粒内への固溶を抑制し結晶粒界部
分へ偏析させることができるためである。従って、抵抗
値の焼成温度依存性の小さい領域の材料組成を設定し、
仮焼後の粉砕工程でNaを含む分散剤として添加するこ
とにより、焼結過程でNaを結晶粒界部分に析出させ高
抵抗層を形成させることによって、目的とする抵抗値及
び抵抗温度特性が得られ、焼成温度依存性の小さい正特
性サーミスタ材料を得ることができる。
は、BaTiO3を主成分とし半導体化元素として、少
なくともNb2O5を含む正特性サーミスタ材料の仮焼後
の粉砕工程において、Naを含む分散剤を添加し粉砕を
行う正特性サーミスタの製造方法である。Naを含む分
散剤を添加するのは、Naが極微量で液相を形成して粒
界に析出し高抵抗層を形成する効果があるため、極少量
の成分を均一に分散させるには分散剤の中に含ませて加
えることが有効な手段となる。また、粉砕工程で添加す
るのは、混合時に添加した場合混合材料の仮焼反応でB
aTiO3の結晶粒内へNaが固溶して抵抗温度特性を
低下させる。これを仮焼反応が終了した粉砕時に添加す
ることで、Naの結晶粒内への固溶を抑制し結晶粒界部
分へ偏析させることができるためである。従って、抵抗
値の焼成温度依存性の小さい領域の材料組成を設定し、
仮焼後の粉砕工程でNaを含む分散剤として添加するこ
とにより、焼結過程でNaを結晶粒界部分に析出させ高
抵抗層を形成させることによって、目的とする抵抗値及
び抵抗温度特性が得られ、焼成温度依存性の小さい正特
性サーミスタ材料を得ることができる。
【0009】以下、本発明の一実施の形態について説明
する。先ず、BaCO3,TiO2,PbO,Nb2O5,
SiO2,Al2O3,Mn(NO3)2を(化1)の組成
となるように秤量後、ボールミルに純水をジルコニアボ
ールと共に加え20時間湿式混合と乾燥を行った。
する。先ず、BaCO3,TiO2,PbO,Nb2O5,
SiO2,Al2O3,Mn(NO3)2を(化1)の組成
となるように秤量後、ボールミルに純水をジルコニアボ
ールと共に加え20時間湿式混合と乾燥を行った。
【0010】
【化1】
【0011】次に、混合材料を1100℃の温度で2時
間仮焼を行った。次いで、ボールミルに純水とジルコニ
アボールと共に仮焼材料を入れ、更にNaを3wt%を
含む水溶性のポリカルボン酸型高分子活性剤を仮焼材料
1kgに対し2cc加え、3時間湿式粉砕した後、乾燥を行
った。
間仮焼を行った。次いで、ボールミルに純水とジルコニ
アボールと共に仮焼材料を入れ、更にNaを3wt%を
含む水溶性のポリカルボン酸型高分子活性剤を仮焼材料
1kgに対し2cc加え、3時間湿式粉砕した後、乾燥を行
った。
【0012】その後、得られた粉砕材料に5%のポリビ
ニルアルコール水溶液を材料に対し10wt%加え、ラ
イカイ機で5分間造粒した後、20メッシュのフルイを
通過させ造粒粉を作製した。
ニルアルコール水溶液を材料に対し10wt%加え、ラ
イカイ機で5分間造粒した後、20メッシュのフルイを
通過させ造粒粉を作製した。
【0013】次に、得られた造粒粉末を直径17mm、厚
さ3mmの円板に800kgf/cm2の圧力で成形し、その
成形体を昇温速度250℃/hr、1260〜1360
℃の温度で2時間焼成した後、冷却速度200℃/hr
で室温まで徐冷した。
さ3mmの円板に800kgf/cm2の圧力で成形し、その
成形体を昇温速度250℃/hr、1260〜1360
℃の温度で2時間焼成した後、冷却速度200℃/hr
で室温まで徐冷した。
【0014】得られた焼結体の両面にアルミ電極を溶射
し正特性サーミスタを作製した後、25℃における抵抗
値(R25)を測定し、その結果と従来工法により作製し
た正特性サーミスタの抵抗値の測定値を併せて(表1)
に示した。尚、従来の正特性サーミスタは、(化2)の
組成からなり、仮焼後の粉砕の際にNaを含まない分散
剤を用いたものである。
し正特性サーミスタを作製した後、25℃における抵抗
値(R25)を測定し、その結果と従来工法により作製し
た正特性サーミスタの抵抗値の測定値を併せて(表1)
に示した。尚、従来の正特性サーミスタは、(化2)の
組成からなり、仮焼後の粉砕の際にNaを含まない分散
剤を用いたものである。
【0015】
【表1】
【0016】(表1)に示すように、本発明の正特性サ
ーミスタは、焼成温度に対する抵抗値の依存性が従来例
の正特性サーミスタに比べて非常に小さくなっているこ
とがわかる。このことは分散剤に含まれるNaによって
形成されたBaTiO3粒界部分の高抵抗層は、焼成温
度に対する抵抗値の依存性が小さく、またこれが結晶粒
子の抵抗値の温度依存性をも小さくする効果の有するこ
とを示していることは明らかとなる。また従来方法で本
発明と同程度の抵抗値、焼成温度依存性の材料を得るた
めには、Nb2O5、Mn(NO3)2を(化2)に示すよ
うに増量する必要があるが、その結果、得られた正特性
サーミスタの焼成温度に対する抵抗値の依存性は本発明
に比べて大きくなる。
ーミスタは、焼成温度に対する抵抗値の依存性が従来例
の正特性サーミスタに比べて非常に小さくなっているこ
とがわかる。このことは分散剤に含まれるNaによって
形成されたBaTiO3粒界部分の高抵抗層は、焼成温
度に対する抵抗値の依存性が小さく、またこれが結晶粒
子の抵抗値の温度依存性をも小さくする効果の有するこ
とを示していることは明らかとなる。また従来方法で本
発明と同程度の抵抗値、焼成温度依存性の材料を得るた
めには、Nb2O5、Mn(NO3)2を(化2)に示すよ
うに増量する必要があるが、その結果、得られた正特性
サーミスタの焼成温度に対する抵抗値の依存性は本発明
に比べて大きくなる。
【0017】
【化2】
【0018】
【発明の効果】以上本発明によれば、BaTiO3を主
成分とし、少なくとも半導体化元素としてNb2O5を含
む組成の正特性サーミスタ材料を、仮焼後の粉砕工程で
Naを含む分散剤を添加し粉砕を行うことにより、抵抗
値の焼成温度依存性の小さい正特性サーミスタを得るこ
とが可能となる。
成分とし、少なくとも半導体化元素としてNb2O5を含
む組成の正特性サーミスタ材料を、仮焼後の粉砕工程で
Naを含む分散剤を添加し粉砕を行うことにより、抵抗
値の焼成温度依存性の小さい正特性サーミスタを得るこ
とが可能となる。
Claims (1)
- 【請求項1】 BaTiO3を主成分とし半導体化元素
として、少なくともNb2O5を含む正特性サーミスタ材
料の仮焼後の粉砕工程において、Naを含む分散剤を添
加し粉砕を行う正特性サーミスタの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10258268A JP2000086336A (ja) | 1998-09-11 | 1998-09-11 | 正特性サーミスタの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10258268A JP2000086336A (ja) | 1998-09-11 | 1998-09-11 | 正特性サーミスタの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000086336A true JP2000086336A (ja) | 2000-03-28 |
Family
ID=17317888
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10258268A Pending JP2000086336A (ja) | 1998-09-11 | 1998-09-11 | 正特性サーミスタの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000086336A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100366180B1 (ko) * | 1999-11-02 | 2002-12-31 | 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 | 반도체 세라믹 재료, 세라믹 재료의 제조 공정 및 서미스터 |
JP2009021544A (ja) * | 2007-06-12 | 2009-01-29 | Tdk Corp | 積層型ptcサーミスタ及びその製造方法 |
JP2009177017A (ja) * | 2008-01-25 | 2009-08-06 | Tdk Corp | 積層型ptcサーミスタ及びその製造方法 |
EP2015318A3 (en) * | 2007-06-12 | 2009-10-21 | TDK Corporation | Stacked PTC thermistor and process for its production |
WO2011086850A1 (ja) * | 2010-01-12 | 2011-07-21 | 株式会社村田製作所 | Ntcサーミスタ用半導体磁器組成物およびntcサーミスタ |
-
1998
- 1998-09-11 JP JP10258268A patent/JP2000086336A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100366180B1 (ko) * | 1999-11-02 | 2002-12-31 | 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 | 반도체 세라믹 재료, 세라믹 재료의 제조 공정 및 서미스터 |
JP2009021544A (ja) * | 2007-06-12 | 2009-01-29 | Tdk Corp | 積層型ptcサーミスタ及びその製造方法 |
EP2015318A3 (en) * | 2007-06-12 | 2009-10-21 | TDK Corporation | Stacked PTC thermistor and process for its production |
US7944337B2 (en) | 2007-06-12 | 2011-05-17 | Tdk Corporation | Stacked PTC thermistor and process for its production |
KR101444678B1 (ko) * | 2007-06-12 | 2014-09-26 | 티디케이가부시기가이샤 | 적층형 ptc 서미스터 및 이의 제조방법 |
JP2009177017A (ja) * | 2008-01-25 | 2009-08-06 | Tdk Corp | 積層型ptcサーミスタ及びその製造方法 |
WO2011086850A1 (ja) * | 2010-01-12 | 2011-07-21 | 株式会社村田製作所 | Ntcサーミスタ用半導体磁器組成物およびntcサーミスタ |
CN102686532A (zh) * | 2010-01-12 | 2012-09-19 | 株式会社村田制作所 | Ntc热敏电阻用半导体瓷器组合物及ntc热敏电阻 |
US8547198B2 (en) | 2010-01-12 | 2013-10-01 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Semiconductor ceramic composition for NTC thermistors and NTC thermistor |
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