JP2573820B2 - ポリマ− - Google Patents

ポリマ−

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JP2573820B2
JP2573820B2 JP58503773A JP50377383A JP2573820B2 JP 2573820 B2 JP2573820 B2 JP 2573820B2 JP 58503773 A JP58503773 A JP 58503773A JP 50377383 A JP50377383 A JP 50377383A JP 2573820 B2 JP2573820 B2 JP 2573820B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 広義には、本発明は新規な異方性の(液晶質の)伸長
鎖(extended chain)含有ポリマー−ポリ燐酸組成物に
関し、かつまた、或種のポリ燐酸中で所定のモノマー類
の重縮合を行うことによって高分子量の伸長鎖含有ポリ
マーを製造することにも関するものである。本発明は特
に、高濃度ポリマー組成物に関する。しかして、この組
成物からは、繊維やフィルムの如き産業上有用なポリマ
ー物品が容易に製造できる。
伸長鎖含有ポリマーから熱安定性を有する繊維やフィ
ルムの如き物品の製造のときには種々の技術的困難があ
るが、そのうちの最も大きい困難については、下記の
“背景技術”の文節中に記載されている。
発明の背景 1.発明の起源 本発明は、米国国防省との契約第F−33615−81−K
−5070号、第49620−81−K−0003号および/または第F
33615−82−C−5079号のもとで行われた研究のときに
完成されたものである。
2.関連特許出願との関係 本出願においては、これと同時に出願された別の2つ
の特許出願が関連出願であると考えられる。この両出願
は両者共SRI−Internationalに譲渡され、かつ、この両
出願のいずれにおいても、複数の発明者のうちの1人と
してJames F.Wolfeが関与している。前記の別の2出願
の発明の名称はそれぞれ「液晶質のポリ(2,6−ベンゾ
チアゾール)組成物、製法および生成物」および「液晶
質の組成物、製法および生成物」であって、しかしてそ
れらの国際特許出願番号はそれぞれPCT/US82/01286およ
びPCT/US82/01285である。本出願はPCT/US82/01285(19
82年9月17日)の一部継続出願である。上記の出願中の
PCT出願および米国特許出願は、関連出願としてここに
記載されたものである。
3.背景技術 一般に、芳香−複素環式族の伸長鎖含有ポリマー類が
良好な熱的性質および物理、化学的性質を有するもので
あることはよく知られている。しかしながら、具合の悪
いことにはこれらのポリマーは実質的に不融性であり、
経済的に物品に加工することが非常に困難であることが
実証されている。このようなポリマーをたとえば繊維、
フィルム、フィブリド(fibrids)等の所望物品に加工
するために、該ポリマーを溶液またはドープ(dope)
(すなわち加工可能原料)の形にすることが必要であ
る。前記ポリマーは硫酸、メタンスルホン酸、クロロス
ルホン酸、ポリ燐酸等の種々の酸性溶媒に溶解できるけ
れども、このポリマーの溶解度(酸中溶解度)が低いた
めに、ポリマー−酸系組成物またはドープの調製および
使用の際にしばしば技術的困難が伴うことが経験上知ら
れていた。
一般に前記ポリマーからなる沈澱物または乾燥粉末の
如き(単離された)ポリマー粒子は、これを高温下およ
び/または高圧下に数時間ないし数日間にわたって強酸
性溶媒と混合する操作を行うことにより、該溶媒中に溶
解できる。もし該重合体が或溶媒に不溶である場合に
は、別の溶媒または種々の溶媒の混合物が使用できる。
有用なドープを得るために、一般に、加熱・冷却サイク
ルを反覆する操作が行われる。
かくして得られたドープはしばしば未溶解ポリマーを
含有しているので、これを物品に加工する前に過しな
ければならない。
硫酸および/またはメタンスルホン酸および/または
クロロスルホン酸にポリベンゾビスオキサゾール、ポリ
ベンズイミダゾールまたはポリベンゾビスチアゾールを
溶解して作ったポリマー濃度約10%の紡糸用ドープは、
当業界で公知である。これらのポリマーの固有粘度は一
般に5dL/g未満であって、3dL/g未満であることが多い。
上記ドープはその固有性質として、凝集強度(cohesive
strength)が低く、したがってこれは、空中吐出湿式
紡糸操作に有利に使用できるものではない。ポリベンゾ
ビスオキサゾールの場合には、大体濃度10%のポリベン
ゾビスオキサゾール/メタンスルホン酸ドープを用いる
空中吐出湿式紡糸について種々研究が行われたが、これ
は成功しなかった(E.W.Choe等,“Macromolecules"198
1,14,pp.920−924)。
ポリベンズイミダゾールの場合には、このポリマーを
含む公知ドープは充分な強度をもたず、したがってこれ
は、エヤギャップ(空気中通路)通過を含むドロッピン
グ(下向き吐出)の間、フィラメントとしての一体性を
保つことができない。この問題の解決法の1つとしで、
米国特許第4,263,245号明細書には、このポリマーを濃
硫酸の如き適当な溶媒に高濃度(30%以下)に溶解する
ことが開示されている。このような高ポリマー濃度の溶
液の場合には、該溶液からのポリベンズイミダゾールの
相分離を防止するために塩化リチウムが必要である。
ポリベンゾビスチアゾールの場合には、米国特許第4,
225,700号明細書に次の方法が記載されている。メタン
スルホン酸やクロロスルホン酸中にこのポリマーを約10
%に近い濃度で含んでなる液晶質の組成物、もしくは、
ポリ燐酸中に該ポリマーを約6%の濃度で含んでなる液
晶質の組成物を調製する。ポリ燐酸中にこのポリベンゾ
ビスチアゾールを約10%より高い濃度で含んでなる組成
物を作ることは、不可能ではないとしても非常に困難で
ある。しかしてこの困難の1つは、前記米国特許第4,22
5,700号明細書に記載のP2O5含量を有するポリ燐酸に2,5
−ジアミノ−1,4−ベンゼンジチオ−ルモノマーを溶解
してなる溶液が非常に粘稠であって、これの脱ハロゲン
化水素反応の実施が困難であることである。また、かな
りの量の泡が出る。沈澱したポリマーをメタンスルホン
酸およびクロロスルホン酸の如き溶媒中に溶かして溶液
を作ることができるけれども、この方法で高ポリマー濃
度の液を作るのは困難であるかまたは不可能である。
“Macromolecules"1981,14,pp.1135−1139に掲載された
S.R.Allen等の論文には、ポリベンゾビスチアゾールを
5−6%の濃度で含有する重合媒質(ポリ燐酸)を用い
て該ポリベンゾビスチアゾールを直接に紡糸することに
関る研究結果が記載されている。
ポリベンゾビスチアゾールに関する限り、ポリ燐酸中
に当該ポリマーを約10%含有する固有粘度26dL/gの液状
組成物を得ることは可能である(J.F.Wolfe等、“Macro
molecules"1981,14,pp.915−920)。このポリマーの固
有粘度の上昇は、主としてポリマー濃度をぎせいにする
ことによって(減少させることによって)達成できる。
ポリ燐酸中にこのポリベンゾビスチアゾールを10%含有
してなる液晶質の組成物は今迄全く知られていなかっ
た。ポリ燐酸中にポリベンゾビスチアゾールを含有し、
かつ約30.3dL/gより大きい固有粘度を有する液晶質の組
成物もまた勿論今迄全く知られていなかった。
実用的立場からいえば上記のことは、高配列度の(hi
ghly ordered)高分子量ポリマー物品の製造原料として
の前記ポリマー−ポリ燐酸組成物の潜在的有用性が、従
来は大なる制限下でしか利用できなかったことを意味す
る。
一般に、(上記のポリベンゾビスチアゾールの場合を
除いて)ポリ燐酸中にポリマーを含有してなる液晶質の
伸長鎖含有ポリマー組成物は今迄全く知られていなかっ
た。さらにまた、液晶質の伸長鎖含有コポリマーまたは
ブロックポリマー組成物も今迄全く知られていなかっ
た。
発明の開示 1.発明の目的 したがって本発明の目的は、従来の技術によって作ら
れた組成物が有する欠点のうちの1またはそれ以上を実
質的に有しない新規組成物を提供することである。
別の目的は、液晶質の伸長鎖含有ポリマー組成物の製
造方法を提供することである。
さらに別の目的は、大なる凝集強度(cohesive stren
gth)を有する液晶質の伸長鎖含有ポリマー組成物を提
供することである。
さらに別の目的は、曳糸延伸性の良好な液晶質の伸長
鎖含有ポリマー組成物を提供することである。
さらに別の目的は、エアギャップ距離を長くして曳糸
(延伸)できる液晶質の伸長鎖含有ポリマー組成物を提
供することである。
さらに別の目的は、曳糸延伸比を高くして紡糸できる
液晶質の伸長鎖含有ポリマー組成物を提供することであ
る。
本発明のさらに別の目的は、伸長鎖含有ポリマー含量
が大きい液晶質の紡糸用組成物を提供することである。
さらに別の目的は、液晶質の伸長鎖含有ホモポリマー
組成物を提供することである。
さらに別の目的は、液晶質の伸長鎖含有コポリマー組
成物を提供することである。
さらに別の目的は、液晶質の伸長鎖含有ブロックポリ
マー組成物を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、伸長鎖含有ホモポリマー
含量の高い液晶質のポリマー組成物の製造方法を提供す
ることである。
本発明のさらに別の目的は、伸長鎖含有コポリマー含
量の高い液晶質のポリマー組成物の製造方法を提供する
ことである。
本発明のさらに別の目的は、伸長鎖含有ブロックポリ
マー含量の高い液晶質のポリマー組成物の製造方法を提
供することである。
本発明のさらに別の目的は、所定のモノマーから、液
晶質の伸長鎖含有ポリマー組成物を製造する方法を提供
することである。
さらに別の目的は、液晶質の伸長鎖含有高分子量ポリ
マー組成物の製造方法を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、高分子量の伸長鎖含有ホ
モポリマーの製造方法を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、高分子量の伸長鎖含有コ
ポリマーの製造方法を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、高分子量の伸長鎖含有ブ
ロックポリマーの製造方法を提供することである。
さらに別の目的は、或種のハイドロハライドモノマー
の脱ハロゲン化水素反応を一層容易にかつ速やかに実施
できる方法を提供することである。
さらに別の目的は、或種のハイドロハライドモノマー
の脱ハロゲン化水素反応を一層容易にかつ速やかに実施
できる方法を提供することである。
さらに別の目的は、従来の方法の場合よりもモノマー
反応体を実質的に一層高い濃度で使用して、ポリマー濃
度のかなり高い液晶質の伸長鎖含有ポリマー組成物を製
造する方法を提供することである。
さらに別の目的は、既述の発泡問題を解決することで
ある。
さらに別の目的は、液晶質の伸長鎖含有ポリマー組成
物から製造された物品に関するデーターを提供すること
である。
本発明のさらに別の目的は、所定の伸長鎖含有ホモポ
リマーを含む液晶質のポリマー組成物から繊維やフィル
ムの如き物品を製造することである。
本発明のさらに別の目的は、所定の伸長鎖含有コポリ
マーを含む液晶質のポリマー組成物から繊維やフィルム
の如き物品を製造することである。
本発明のさらに別の目的は、所定の伸長鎖含有ブロッ
クポリマーを含む液晶質のポリマー組成物から繊維やフ
ィルムの如き物品を製造することである。
本発明のさらに別の目的は、所定のモノマーから出発
して、伸長鎖含有ホモポリマー、コポリマーおよびブロ
ックポリマーから構成された物品を連続的に製造する方
法を提供することである。
本発明の前記および他の種々の目的は、以下の記載お
よび請求の範囲の記載から一層明らかになるであろう。
2.発明の記載 本発明者の発見に基き、本発明は広義には、高強度成
形物品の製造の際にドープとして有利に使用できる新規
ポリマー組成物に関するものであり、しかしてこの新規
ポリマー組成物は、後記の如く或種のポリ燐酸を含有
し、かつ、1またはそれ以上のメソゲン基(mesogenic
groups)を有する伸長鎖含有高分子量ポリマー1種また
はそれ以上を高濃度で含有するブレンド(混合物)を含
んでなるものである。この伸長鎖ポリマーは、後で例示
するようにホモポリマー、コポリマーまたはブロックポ
リマーであり得る。この伸長鎖含有ポリマーは前記ブレ
ンド中に、このポリマーのみで異方性(anisotropic)
ポリマー相を充分形成し得る程度の濃度で存在させるべ
きであり、あるいは該ポリマーは該ブレンド中に、別の
メソゲン基含有ポリマー(またはメソゲン基非含有ポリ
マー)1種またはそれ以上と組合せた形で、異方性ポリ
マー相を充分形成し得る程度の濃度で存在させるべきで
ある。本発明に係る前記ブレンドは、後記の如く所定の
モノマーを適当な燐酸溶液中で反応させることによって
得られる重付加反応生成物である。このブレンドは後記
の如く特別な性質を有するので、これは繊維、フィル
ム、フイブリド等の製造のときにドープとして非常に有
利に使用できる。このブレンドは異方性を有し(液晶質
であり)、かつすぐれた性質を有し、たとえば、非常に
高い曳糸延伸性(apin−stretchability)および非常に
大きい凝集強度(結合強度)(cohesive strength)を
有し、短かいかまたは非常に長いエアギャップを介して
紡糸(曳糸)でき、しかも、低いかまたは非常に高い延
伸比で紡糸が可能である。本発明の前記ブレンドではポ
リマー濃度が大きく、ポリマーの分子量が大きく、かつ
五酸化燐含量が大きいために、このブレンドは前記のす
ぐれた性質を有するのであると思われる。
さらに、本発明は、繊維やフィルムの製造の際にドー
プとして有利に使用できる新規な伸長鎖含有ポリマー組
成物を製造する方法にも関する。この製造方法は次の各
工程を有し、すなわち、 (a)酸化保護原子または−基(酸化しないように保護
する原子または基)を有するかまたは有しない所定の第
1モノマー1種またはそれ以上(その詳細は後で説明す
る)を、五酸化燐含量の比較的低い燐酸含有予備溶媒
(preliminary solvent)と混合し、 (b)かくして得られた混合物を加熱しかつ任意的に減
圧下に置いて、その中に存在する前記の保護原子または
−基を揮発させて除去し、これによって、前記第1モノ
マーを前記予備溶媒中に含んでなる第1混合物を得、 (c)前記の工程(b)で得られた混合物(すなわち前
記第1混合物)に、所定の第2モノマー1種またはそれ
以上を添加し、これによって、前記の第1モノマーおよ
び第2モノマーを前記予備溶媒中に含んでなる第1混合
物を得、 (d)前記の工程(b)または工程(c)で得られた混
合物の五酸化燐含量を増加させ、これによって、重合反
応のために適した五酸化燐含量の一層大きい第1モノマ
ー反応媒質、または第1−および第2モノマー反応媒質
を得、 (e)前記第1モノマーの重合、もしくは第1および第
2モノマーの重合を行い、しかしてこれらの重合反応
は、これを所定の速度(rate)で充分実施できるような
温度において行い、これによって、所定の固有粘度を有
する第1ホモオリゴマー生成物または第1コオリゴマー
生成物(co−oligomeric product)を生成させ、あるい
は、 (f)前記第1モノマーの重合、もしくは第1および第
2モノマーの重合を、第1ホモポリマー生成物または第
1コポリマー生成物が生成できる速度で当該重合反応を
充分実施できるような温度において行い、 (g)所定量の第1ホモオリゴマー生成物を所定の1種
またはそれ以上の第2ホモオリゴマー生成物の所定量と
混合して第1ポリ−オリゴマー生成物を生成させ、しか
して前記の第2ホモオリゴマー生成物は、工程(a)お
よび工程(b)と同様な工程、および其後の下記の工程
(1g),(2g)および(3g)を実施することによって得
られたものであり、 (1g)前記の工程(b)で得られた混合物に所定の1種
またはそれ以上の第2モノマーを添加し、これによっ
て、前記予備溶媒中に第1モノマーと第2モノマーとを
含んでなる混合物を得、 (2g)次いで、前記の工程(b)または工程(1g)で得
られた混合物の五酸化燐含量を増加させ、これによっ
て、重合反応に適した五酸化燐含量の一層大きい第1モ
ノマー反応媒質、または第1および第2モノマー反応媒
質を得、 (3g)第1モノマーの重合、または第1モノマーおよび
第2モノマーの重合を、所定の固有粘度を有する第2ホ
モオリゴマー生成物が生成できる速度で当該反応を充分
実施できるような温度において行い、ただしこれらの一
連の工程のすべてにおいて、第2ホモオリゴマー生成物
を生成させるために実施される前記の工程(a)または
工程(1g)に記載の所定のモノマーのうちの少なくとも
1種は、第1ホモオリゴマー生成させるために実施され
る前記の工程(a)または(c)に記載の所定のモノマ
ーのうちの少なくとも1種とは異なるものであり、ある
いは、 (h)所定量の前記第1ホモオリゴマー生成物を所定量
の第2混合物と混合し、この第2混合物は所定の第1モ
ノマー1種またはそれ以上または第1および第2モノマ
ーを前記予備溶媒中に含んでなるものであり、この混合
によってモノマー−オリゴマー混合物を生成させ、次い
でこのモノマー−オリゴマー混合物の五酸化燐含量を増
加させることによって、重合反応に適した五酸化燐含量
の一層大きいモノマー−オリゴマー反応媒質を生成さ
せ、しかして前記第2混合物中の第1モノマーは、工程
(a)および(b)と同様な工程を実施することによっ
て生成させたものであり、前記第2混合物中の第1およ
び第2モノマーは工程(a),(b)および(c)と同
様な工程を実施することによって生成させたものであ
り、ただしこれらの一連の工程のすべてにおいて、前記
第2混合物中の第1モノマー、または第1および第2モ
ノマーを生成させるために実施される前記の工程(a)
または工程(c)に記載の所定のモノマーのうちの少な
くとも1種は、前記の第1ホモオリゴマー生成物を生成
させるために実施される前記の工程(a)または工程
(c)に記載の所定のモノマーのうちの少なくとも1種
とは別のものであり、 (i)前記の工程(g)で得られたポリ−オリゴマー生
成物、または前記の工程(h)で得られたモノマー−オ
リゴマーの重合を、所定の固有粘度を有する第1ブロッ
クオリゴマー生成物または第1ブロックポリマー生成物
を生成できる速度で当該反応が充分実施できるような温
度において行い、 (j)前記の第1ホモオリゴマー生成物、前記の第1コ
オリゴマー生成物、前記の第1ホモポリマー生成物、前
記の第1コポリマー生成物、前記の第1ポリ−オリゴマ
ー生成物、前記の第2ホモオリゴマー生成物、前記の第
1ブロックオリゴマー生成物、前記の第1ブロックポリ
マー生成物またはその混合物に紡糸、曳糸(延伸)(dr
awing)、押出成形またはキャスチング成形操作を行う
ことによって物品を製造する ことを特徴とするものである。
2a.図面 本発明は添附図面参照下に一層詳細に説明されるであ
ろう。
第1図は、紡糸ポリマー繊維BInおよびAIn
重量安定性と、空気中での371℃における等温熟成処理
の時間との関係を示したグラフである。
第2図は、沈澱ポリマーVnおよびTnの重量
安定性と、空気中での371℃における等温熟成処理の時
間との関係を示すグラフである。
第2a図は、ブロックコポリマーAI−AN″およびAI−A
G″の重量安定性と、空気中で毎分5℃の加熱速度で加
熱したときの加熱温度との関係を示すグラフである。
第3図は、ポリマーTnおよびVnの重量安定
性と、ヘリウム中で毎分5℃の加熱速度で加熱したとき
の加熱温度との関係を示すグラフである。
第4図は、ポリマーBInおよびAInの重量安定
性と、ヘリウム中で毎分5℃の加熱速度で加熱したとき
の加熱温度との関係を示すグラフである。
第5図は、ポリマーTnおよびVnの重量安定
性と、空気中で毎分5℃の加熱速度で加熱したときの加
熱温度との関係を示すグラフである。
第6図は、ポリマーBInおよびAInの重量安定
性と、空気中で毎分5℃の加熱速度で加熱したときの加
熱温度との関係を示すグラフである。
第7図は、所定のポリマー濃度とするためにf=0.82
2とするに要するP2O5含量(%)と、PPAの使用可能量と
の関係を示すグラフ〔後の式(a*)の値をプロットした
グラフ〕である〔このグラフには、モノマー(1a)の低
溶解度区域が示されている〕。
第8図は、AInの重合割合(反応生成物中のポリ
マーの重量%)を14.8重量%)にするに要するP2O5含量
(%)を示すグラフである〔すなわちこのグラフには、
高P2O5含量の予備溶媒を使用して操作を開始したときに
は、当該ポリマーの分子量の増加度に或限界があること
が示されている〕。
第9図は、Tnの重合割合を8.6重量%にするに要
するP2O5含量(%)を示すグラフである〔このグラフに
は、高P2O5含量の予備溶媒を使用して操作を開始したと
きには、ポリマー濃度の増加度に或限界があることが示
されている〕。
第10図は、AInの重合割合を14.5重量%にするに
要するP2O5含量(%)を示すグラフである〔このグラフ
には、低P2O5含量の予備溶媒を用いて操作を開始し、次
いで重合反応開始時にP2O5含量を増加させたときに、本
発明の効果があらわれることが示されている〕。
第11図は、BInの重合割合を13.0重量%にするの
に要するP2O5含量(%)の値を示すグラフである〔この
グラフには、低P2O5含量の予備溶媒を用いて操作を開始
し次いで、重合反応開始時にP2O5含量を増加させたとき
に、本発明の効果があらわれることが示されている〕。
第12図は、Tnの重合割合を20.3重量%にするの
に要するP2O5含量(%)を示すグラフである〔このグラ
フには、低P2O5含量の予備溶媒を用いて操作を開始し、
次いで重合反応開始時にP2O5含量を増加させたときに、
本発明の効果があらわれることが示されている〕。
第13図は、Vnの重合割合を16.8重量%にするの
に要するP2O5含量(%)の値を示すグラフである〔この
グラフには、低P2O5含量の予備溶媒を用いて操作を開示
し次いで、重合反応開始時にP2O5含量を増加させたとき
に、本発明の効果があらわれることが示されている〕。
第14図は、本発明の効果を得るために必要なP2O5含量
(%)を示すための、P2O5含量に関するグラフである。
3.発明の実施態様 本発明の組成物に配合される前記の伸長鎖含有ポリマ
ーは、液体の状態で実質的な程度の形状異方性(shape
anisotropy)を示し得るものである。しかしてこの異方
性は、ポリマー骨格中の結合手(bonds)の束縛回転
性、および/または骨格中の剛性セグメントの中のカー
トネーション(catenation)の或特定の幾何学的配列状
態に起因するものであると思われる。形状異方性の度合
すなわち異方度は一般に、次式 (ρ)/d の軸比で定義される値である。ここに、(ρ)は、連鎖
中の剛硬部の長さ(persistence length)を表わし、d
は該連鎖の直径である。伸長鎖含有ポリマーでは、
(ρ)は、ポリマーのコンター長(contour length)l
と実質的に同じ値であるかまたはそれより大きい値であ
る。剛硬棒状体の形のポリマーでは、(ρ)は実質的に
無限大に等しい値であり、軸比はl/dである。
本発明方法によれば、伸長鎖を有するホモポリマー、
コポリマーまたはブロックポリマーを含有する液晶質の
組成物が製造でき、しかしてこの組成物は前記ポリマー
をたとえば15%以上含有するものである。後で説明する
ように、本発明を利用することによってポリマー濃度の
比較的低い液晶質の伸長鎖含有ポリマー組成物を製造す
ることもできるが、ポリマー濃度の高い組成物も製造す
るのが特に有利である。
しかして、ポリマー濃度の比較的高い伸長鎖含有ポリ
マー−ポリ燐酸組成物は、非常に有用なものである。
たとえば、前記ポリマーが、低濃度(たとえば5−10
%)において液晶質の組成物を形成し得るポリベンゾビ
スチアゾール、ポリベンゾビスオキサゾールおよびポリ
ベンズイミダゾールの如きポリマーである場合には、換
言すれば、異方性の相の形成のために必要な臨界濃度の
値が比較的低い値であるという条件をみたす場合には、
ポリマー濃度の高い組成物でさえ、これは高品質かつ高
強度の繊維を作るための紡糸原料として使用できる。こ
の特性の少なくとも一部は、充分大きい異方性を有する
組成物を使用したことおよび該組成物がすぐれた組成一
体性(composition integrity)すなわち均質性を有す
るものであることに起因するものと考えられる。したが
って、液晶質の組成物を空中吐出湿式紡糸技術に従って
ポリ燐酸溶媒/ポリマー非溶媒(たとえばメタノール、
水または酸の希水溶液)中に吐出させて紡糸する場合
に、前記の長所を有する組成物を使用することによっ
て、エアギャップ中での糸の引張りを一層長くすること
ができ、凝固特性が一層よくなり、しかもポリマーの紡
糸量を一層大きくすることができる。
ポリベンゾビスチアゾールまたはポリベンゾビスオキ
サゾールの如きポリマーよりも棒状構造形成度が一層低
く、かつ異方性の相の形成のための臨界濃度が10%より
も高いポリマー〔たとえばポリ(2,6−ベンゾチアゾー
ル)〕を、本発明方法に規定された濃度範囲内の濃度で
使用し、すなわち、今迄作られていなかった溶液の形で
使用して押出吐出操作を行った場合には、強度およびモ
ジュラスの著しい増加が認められるであろう。なぜなら
ば、この製造加工操作の際にポリマーの配列化(オーダ
リング)が起るからである。
このような長所を有するために、上記の如く紡糸を行
った場合には、ポリマー濃度の一層低いポリマー組成物
を用いる紡糸の場合よりも配列度が一層大きくかつ欠陥
個所の一層少ない繊維が得られるのである。
前記ポリマーを異方性の相の中で製造することによっ
て得られる別の効果は、得られた該ポリマーの分子量が
かなり大きいことである。
次に、本発明に使用される燐酸、強燐酸、ポリ燐酸の
化学的性質について述べる。
本明細書において使用された用語“燐酸”は、H3PO4
を85−86%含有する市販燐酸を意味する。
“強燐酸”または“ポリ燐酸”と称されるものはそれ
ぞれ、次式 Hn2PnO3n+1またはHOPO3nH (ここにnは、存在する“水分子”と“五酸化燐分子”
とのモル比に左右されて種々変わる値である)で表わさ
れる非晶質縮合燐酸混合物系(連続系)の一員である。
本発明において有利に使用できる種々のポリ燐酸の特
性および製法ならびにこの種の強酸の具体例は、下記の
文献に記載されており、すなわちA.L.HuhtiおよびP.A.G
artaganis,“The Composition of the Strong Phosphor
ic Acids"〔“Can.J.Chem."Vol.34,1956,pp.785−79
7〕:J.E.Such,“Linear Poly−phosphorie Acids",“Me
llar's Comprehensive Treatise on Inorganic and The
oretical Chemistry",Vol.VIII,Supplement III,pp.7
26−753,Wiley1971に記載されている。これらの文献
は、参考資料としてここに記載されたものである。
最も一般的な定義によればポリリン酸の組成範囲は非
常に広く、すなわちnの平均値が単位数(すなわち1)
より小さいもの(これは容易に流動し得る液体である)
から、nの値の大きいもの(この場合のポリ燐酸は標準
温度においてガラス体である)まで種々のものがある。
種々のポリ燐酸は可動平衡(mobileequilibrium)状態
で存在し得るから、或与えられた条件下で平衡した組成
のものは、種々の方法によって製造できる。たとえば、
濃オルト燐酸(H3PO4;n=1)を出発物質として用いて
これに脱水処理を行うことによって、あるいは、五酸化
燐(P2O5)を出発物質として用いて適量の水をこれに添
加することによって、いずれも同一組成のポリ燐酸
(“ポリ燐酸組成物”とも称する)が製造できる。
すべてのポリ燐酸の組成は、現実に存在する種々の種
類のポリ燐酸の組成を“P2O5と水とからなる組成”に書
き直すことによって、P2O5と水との比の形で表わすこと
ができる。さらに、ポリ燐酸の組成をP2O5含量(%)で
表わすことが慣例として行われているが、本明細書にお
いてもこの慣例に従うことにする。このP2O5含量(%)
は次式で定義されるものである。
たとえば純粋なオルト燐酸のP2O5含量は、H3PO41モ
ルを〔P2O50.5モル〕+〔H2O1.5モル〕に分けることに
よって計算できる。そしてモル単位を重量単位に変える
と、この場合のP2O5含量は次式によって計算できる。
同様に、市販ポリ燐酸のP2O5含量は次の方法で算出で
きる。市販のポリ燐酸には“105%”と“115%”との2
種類がある。この%の値はH3PO4含量であり、すなわち
この2種類のポリ燐酸はそれぞれ100g当りPをH3PO4
してそれぞれ105gおよび115g含有することを意味する
(これは勿論Pを全部H3PO4とみなしたときの単なる計
算値にすぎない)。115%ポリ燐酸のP2O5含量は、100%
H3PO4のP2O5含量(=72.4%)を知れば、その値から次
式によって計算できる。
米国特許第4,225,700号明細書(発明者;WolfeおよびL
oo)に記載の“新たに作られたポリ燐酸”は、P2O51.52
xgを85.6%H3PO4xgに加えて作られたものであった。こ
の混合物のP2O5含量は次式によって計算できる。
かように、本明細書に定義されたポリ燐酸組成物にお
いて、前記の3種の実例の燐酸と同じ燐酸組成物は、原
則として、P2O5を出発物質として使用し、そして水をそ
れぞれ27.6重量%、14.8重量%および15.1重量%添加す
ることによって調製できる。
ホモポリマー組成物およびその製造 本発明の1実施態様によれば、繊維やフィルムの製造
原料として有用な液晶質の組成物が得られる。この液晶
質の組成物は、実質的に、或種のポリ燐酸と、高濃度
の、1種またはそれ以上の高分子量の伸長鎖含有ホモポ
リマーとを含有するブレンドから構成されたものであ
り、ただしこのホモポリマーは、下記の一般式の反覆ユ
ニットからなる群から選択された反覆ユニットを有する
ものである。
〔ここにAr1は芳香族基を表わし、そしてこれは後記に
定義された“XX"であり、 X1およびX2は相互に同一または相異なる基であって、硫
黄、酸素またはNR(ここにRは水素または有機基であ
る)であり、前記窒素原子(すなわち式中の窒素原子)
とX1とX2はAr1の芳香族炭素原子に結合しており、各ヘ
テロ環のNとX1またはX2とは相互にオルトの位置関係で
存在しており、 Y2は“存在しない基”であるかまたは2価有機基を表わ
し、しかして後者の基は後で“XXI"として定義されたも
のであり、 nは正の整数である〕; 〔ここにAr3は芳香族基であって、しかしてこれは後記
の式(XXII)で定義されるものであり、 X3は硫黄、酸素またはNR(ここにRは水素または有機基
である)であり、前記の窒素原子およびX3はAr3の芳香
族炭素原子に結合しており、各ヘテロ環のNおよびX3
相互にオルトの位置関係で存在しており、nは正の整数
である〕; 〔ここにAr1は芳香族基であって、しかしてこれは後記
の式(XX)で定義されるものであり、 Ar4は別の芳香族基であって、しかしてこれは後記の式
(XXIII)で定義されるものであり、前記窒素原子類はA
r1の芳香族炭素原子に結合しており、前記炭素原子Ar4
の芳香族炭素原子にそれぞれ結合しており、 nは正の整数である〕; 〔ここにAr5は芳香族基であって、しかしてこれは後記
の式(XXIV)で定義されるものであり、前記窒素原子は
Ar5に結合しており、 nは正の整数である〕; 〔ここにAr6は芳香族基であって、しかしてこれは後記
の式(XXV)で定義されるものであり、 Ar1は別の芳香族基であって、しかしてこれは後記の式
(XX)で定義されるものであり、 X1およびX2は相互に同一または相異なる基であって、し
かしてこれは硫黄、酸素またはNR(ここにRは水素また
は有機基である)であり、前記NHならびにX1およびX2
Ar6およびAr1の芳香族炭素原子にそれぞれ結合してお
り、各ヘテロ環のNH、およびX1またはX2は相互にオルト
の位置関係で存在しており、 nは正の整数である〕; 〔ここにAr9は芳香族基であって、しかしてこれは後記
の式(XXIV)で定義されるものであり、 X4は硫黄、酸素またはNR(ここにRは水素または有機基
である)であり、前記NHおよびX4はAr9の芳香族炭素原
子に結合しており、 nは正の整数である〕; 〔ここにAr1は芳香族基であって、しかしてこれは後記
の式(XXVII)で定義されるものであり、 X7は芳香族またはヘテロ芳香族の基であって、しかして
これは後記の式(XXVIII)で定義されるものであり、前
記の窒素原子はAr1の芳香族炭素原子およびX7の隣接炭
素原子(adjacent carbon atoms)に結合しており、n
は正の整数である〕; 〔ここにAr1は芳香族基であって、しかしてこれは後記
の式(XX)で定義されるものであり、 Y8は後記の式(XXIX)で定義される基であり、 X1およびX2は互いに同一または相異なる基であって、こ
れは硫黄、酸素またはNR(ここにRは水素または有機基
である)であり、前記窒素原子ならびにX1およびX2はAr
1の芳香族炭素原子およびY8の隣接炭素原子に結合して
おり、各ヘテロ環のNならびにX1またはX2は互いにオル
トの位置関係で存在しており、 nは正の整数である〕。
前記の伸長鎖含有ポリマーの一般式の中の芳香族基Ar
1,Ar3,Ar4,Ar5,Ar6およびAr9、ならびに基Y2,Y7
よびY8は、次の如く定義されるものである。すなわち、
基(XX)は次式の基であり、 基(XXI)は次式の基であり、 CH2 2,または 基(XXII)は次式の基であり、 基(XXIII)は次式の基であり、 基(XXIV)は次式の基であり、 基(XXV)は次式の基であり、 基(XXVI)は次式の基であり、 基(XXVII)は次式の基であり、 基(XXVIII)は次式の基であり、 基(XXIX)は次式の基であり、 基(XXX)は次式の基であり、 基(XXXI)は次式の基であり、 CH2 2,CH2 4,CH2 5,CH2 8 基(XXXII)は次式の基である。
ポリ燐酸中で反応して本発明の伸長鎖含有ポリマー
〔すなわち前記の式(I−VIII)のホモポリマー、式
(IX−XIX)のコポリマーおよびブロックポリマー〕を
生成し得る能力を有する任意のモノマー物質またはその
混合物が、前記ポリマーの製造のために使用できる。
前記の9種のタイプの本発明の液晶質の伸長鎖含有ポ
リマー組成物の製造原料として、一般に適当なモノマー
物質として選ばれたものは、下記の9種のタイプのモノ
マー物質である。
タイプ1のモノマーは、次の一般式を有するものであ
る。
上式において、Ar1は芳香族基であり、 X1およびX2は互いに同一または相異なるものであって、
しかしてこれはO、SおよびNRからなる群から選ばれた
原子または基であり; Rは、Nに付いた水素または有機基であり; X1およびX2の両者がNRであるときには、この2つの窒素
原子上のRは互いに同一または相異なる基であり得; NH2、X1HおよびX2HはAr1の芳香族炭素原子に結合して
おり; Ar1の左側に付いている複数の基は互いにオルトの位置
関係で存在し、Ar1の右側に付いている複数の基は互い
にオルトの位置関係で存在する。
2組のNH2とXHとはAr1上にこれらの一部が他のモノマ
ーの“縮合すべき基”と相互作用を行うことがないよう
な位置に存在するものである。一般にモノマー1は、当
該モノマーのハイドロハライドの形で単離されたもので
ある。
Ar1は一般に芳香族基(炭素環式基および複素環式基
の両者を包含する)であり、これはたとえば次の如き単
環式の基であり得、 あるいは、これは原子価結合の結合手(bond)または結
合用原子または基によって結合した複数の芳香環からな
るものであり得、しかしてその例には次の基があげられ
る。
〔上式においてβは原子価結合の結合手(bond)(たと
えばジフェニルの場合の結合手)であり、あるいは、2
価原子(たとえば−O−または−S−)であり、あるい
は−NR−(ここにR=Hまたは有機基)、−(CH2n
(ここにn=1またはそれ以上の整数)の如き基であ
る〕。
Ar1の具体例には次式の基があげられる。
Ar1の芳香族環、たとえば上記に例示した環および他
の環は、1またはそれ以上の置換基を有し得る。この置
換基は有機または無機の基であってよく、かつ、この置
換基はヘテロ原子を含むものであってもよく、かつま
た、この置換基は前記の各反応体、溶媒、重縮合反応、
その結果得られるオリゴマーまたはポリマーに対して融
和性を有する任意の原子または基であり得る。後記のタ
イプ2−9のモノマー、前記溶媒(PPA)オリゴマー生
成物またはポリマー生成物に対して化学反応性を有する
置換基は避けるべきである。また、前記重縮合反応に立
体妨害作用を有する置換基も避けるべきである。
許容され得る炭化水素系置換基の例には、アルキル基
(たとえばC1−C10直鎖状および分枝状アルキル基、−
ベンジル基等)、フェニル基、塩素置換アルキル基、−
フェニル基、−ベンジル基があげられる。許容され得る
ヘテロ置換基(すなわちヘテロ原子含有置換基)の例に
は塩素、臭素、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、SO3H、−SR、−NR1R2があげられる(ここにR1
よびR2は有機基である)。
本発明の伸長鎖含有ポリマーおよび新規な液晶質の組
成物の製造原料として有用な式(1)のモノマーは、さ
らに、次の3つのグループ、すなわちグループ1(記号
“1,1")、グループ2(記号“1,2")およびグループ3
(記号“1,3")に分類できる。これらのグループの記号
である1対の数字のうちの最初の数字はモノマーのタイ
プを表わし、第2番目の数字はモノマーのグループを表
わす。
この好適モノマー(1,1)は次の構造を有するもので
あり、すなわち、既述の一般式中のAr1が6員の芳香環
であり、この芳香環中の前記の4つの原子価結合の位置
は、相互に1,2,4,5の位置関係にある炭素原子上であ
り、この芳香環はたとえば1,2,4,5−ベンゼン環または
2,3,5,6−ピリジン環であり得、RはHまたは1価の芳
香族基(たとえばフェニル基)、または1価のヘテロ芳
香族基(たとえば2−ピリジル基)、または1価の脂肪
族基(たとえばメチル基)であるという条件をみたすモ
ノマーである。ジ酸(diacid)またはジ酸誘導体との反
応によって、2つの実質的線状結合(collinear bond
s)を形成するようなモノマー(1,1)が最も好ましい。
本発明において使用するのに好適なモノマー(1,1)
の具体例を第1表に示す(ハイドロハライドの形で示
す)。
好ましいモノマー(1,2)は、次の条件をみたすもの
であり、すなわち、前記一般式中のAr1が、炭素−炭素
共有結合によって結合された2個の6員芳香環からなる
ものであって、ただしこの共有結合は、3−位置および
4−位置の炭素原子の結合によって形成されたものであ
り、この型のAr1の例には3,3′,4,4′,−ビフェニル基
および4,4′,5,5′−(2,2′−ビピリジル)基があげら
れ、あるいはAr1は、2個の6員環が互いに縮合してな
る縮合環からなるものであり、ただしこれは炭素原子上
の1,2,5,6−位置に原子価結合形成可能位置(すなわ
ち、置換基が結合し得る位置)を有するものである(た
とえば1,2,5,6−ナフタリン)という条件をみたすモノ
マーである。
Ar1の原子価結合可能位置(valence positions)に、
共有結合によってそれぞれ付けられるべき4個の官能基
は、アミノ基2個と、−X1Hおよび−X2Hとであり、た
だしアミノ基のうちの1つは−X1Hに対してオルトの位
置に存在し、他のアミノ基は−X2Hに対してオルトの位
置に存在し、−X1Hは3−または4−位置に存在し(第
1の場合)、あるいは1−または2−位置に存在し(第
2の場合)、−X2Hは3′−または4′−位置に存在し
(第1の場合)、あるいは5−または6−位置に存在す
る(第2の場合)。X1およびX2の定義は既に述べた。
本発明において使用するに好ましいモノマー(1,2)
の具体例を第2表に示す(ハイドロハライドの形で示
す)。
好適なモノマー(1,3)は、次の条件をみたすもので
あり、すなわちこの場合には、Ar1が炭素原子上にオル
ト−原子価結合(ortho−valences)を2組有し、しか
してこのようなAr1の例には次のものがあげられる。
上式においてβは2価の芳香族基またはヘテロ芳香族基
(すなわち複素芳香族基)、またはO、S、SO2、C=
0、−CH2CH2−等の基である。
Ar1の原子価結合位置(valence positions)に結合し
た4個の官能基は〔NH2およびX1H〕と〔NH2およびX
2H〕との2つの組に分けられ、しかして各組の官能基
は相互にオルトの位置関係で存在し、そしてAr1中の前
記の2組の置換基は、これらが同時に他のモノマー内の
同一官能基と反応し得ないような位置に存在すべきであ
る。X1およびX2は既述の意味を有する。
本発明において使用するのに好適なモノマー(1,3)
の具体例を次の第3表に示す(この表には前記モノマー
がハイドロハライドの形またはモノマー自体の形で示さ
れている)。
タイプ2のモノマーは次の一般式を有するものであ
る。
Z1−Y2−Z2 (2) 上式においてY2は2価有機基であり、Z1およびZ2は電
子欠損炭素基(carbon groups)であって、これらは、
下記の基からなる群のうちから選択された互いに同一ま
たは相異なる基であってよい。
−COOH −CSSH −COBr −CSI −CSOH −COC1 −CSBr −CONHR1 −COSH −CSC1 −COI −CSNHR1 −CN (ここにR1は、炭素原子を介してNに結合せる有機基ま
たはHである。) Z1およびZ2に課せられた唯一の条件は、これらが既述
のX1HおよびX2Hと反応して、かつまた、タイプ1のモ
ノマーの第1アミノ基の2個の水素と反応して、水、硫
化水素、ハロゲン化水素アンモニア等の如き適当な離脱
物質(leaving entities)を形成し得るものであること
である。
2価基Y2は芳香族基、非環式脂肪族基または環式脂肪
族基であり得、しかしてこの基は炭化水素基(脂肪族ま
たは芳香族のもの)やヘテロ原子ならびにヘテロ基で置
換されていてもよい。一般に、芳香族環Ar1の置換基の
説明のところに記載された置換基のいずれかを、同じ制
限条件のもとでこの場合にも存在させることができる。
本発明の伸長鎖含有ポリマーおよび新規な液晶質組成
物の製造の際に有利に使用できる式(2)のポリマー
は、さらに3つのグループ(「クラス」とも称する)に
分類でき、すなわちグループ1(記号“2,1")、グルー
プ2(記号“2,2")およびグループ3(記号“2,3")に
分類できる。かっこの中の1組の数字の中で、第1番目
の数字はモノマーのタイプを表わし、第2番目の数字は
モノマーのグループを表わす。
好ましいモノマー(2,1)は次の構造を有するもので
あり、すなわちこの場合にはY2が0(ゼロ)〔すなわち
−(Y20−〕であり、もしくはY2は少なくとも2個の
炭素原子を含む基であって、該基にZ1およびZ2が結合し
ており、ただしこの場合のY2−Z1結合およびY2−Z2結合
との2つの環外結合(exocyclic bonds)が相互に“剛
硬かつ固定された関係”(rigid and fixed relationsh
ip)を保って存在し、しかもこれらの2つの環外結合で
実質的に共線(colinear)関係で存在すべきであるとい
う条件をみたすものであり、あるいはY2は少なくとも2
個の炭素原子を有する環式脂肪族基であり得、ただし該
基にはZ1およびZ2が結合しており、そしてY2−Z1結合と
Y2−Z2結合との2つの結合は、互いに実質的に共線関係
で存在するという非常に好ましい相互関係を有するもの
であるべきである。
後記のモノマー(2j)−(2q)および(2z)のカルボ
ン酸誘導体(たとえば−COOHを有するもの)のうちで、
タイプ1のモノマーとの重縮合反応に要求される反応温
度よりも低い温度において脱カルポキシルされるモノマ
ーは、余り好ましくない。
本発明において有利に使用できるモノマー(2,1)の
具体例を下記の第4表に示す。
好ましいモノマー(2,2)は次の条件をみたすもので
あり、すなわちこの場合にはY2が、炭素−炭素共有結合
によって相互に結合された2個の6員環からなり、しか
して前記各環は相互にその4−位置の原子価結合または
3−位置の原合価結合によって結合されたものであり
(たとえば4,4′−ビフェニルまたは3,3′−ビフェニ
ル)、あるいは、Y2は、相互に1,5−位置関係で炭素原
子上の原子価結合位置を利用して縮合した2個の6員環
(すなわち1個の縮合環)からなり(たとえば2,6−ナ
フタリンまたは2,6−キノリン)、あるいはY2は、1,2−
トランス構造を有しかつ炭素原子上に原子価結合を有す
る2価の環式脂肪族基であり、あるいはY2は、炭素−炭
素結合のみによって相互に縮合した芳香族の環とヘテロ
芳香族の環とからなる2価の縮合環系であり、そしてZ1
およびZ2は前記の意味を有する。
本発明において有利に使用できるモノマー(2,2)の
具体例を下記の第5表に示す。
好ましいモノマー(2,3)は、以前に文献に記載され
ていなかったY2が芳香族、ヘテロ芳香族または脂肪族の
2価基であり得るような当該モノマーである。
本発明において有利に使用できるモノマー(2,3)の
具体例を下記の第6表に示す。
タイプ3のモノマーは次の一般式を有するものであ
る。
上式において、Ar3は3価の芳香族またはヘテロ芳香族
の基であり、X3はO,SまたはN−Rである(ただし、R
=Hまたは有機基)。
式(3)のモノマーは本発明の前記伸長鎖含有ポリマ
ーおよび新規液晶質組成物の製造原料として有用なもの
であるが、これはさらに2つのグループに分類でき、す
なわちグループ1(記号“3,1")とグループ2(記号
“3,2")とに分類できる。上記のかっこの中の1対の数
字において、第1番目の数字はモノマーのタイプを表わ
し、第2番目の数字はモノマーのグループを表わす。
好ましいモノマー(3,1)は次の条件をみたすもので
あり、すなわちこの場合のZ3は既述のZ1と同じ意味を有
し、Ar3は3価の芳香族またはヘテロ芳香族基であり、
ただしこの3つの原子価結合の位置は炭素原子上であ
り、かつ、Z3とAr3との間の原子価結合は、其後に縮合
されるべきモノマーにおける同じ原子価結合とほとんど
に共線関係にあるという相互的関係を有し、X3は第1表
中のX1の場合と同じ意味を有し、X3およびNH2は相互に
オルトの位置関係でAr3上に存在する。
本発明において有利に使用できるモノマー(3,1)の
具体例を下記の第7表に示す。
好ましいモノマー(3,2)は次の条件をみたすもので
あり、すなわちこの場合のZ3,Ar3およびX3は前記の意
味を有する。ただし、モノマー(3,2)のホモ重合によ
って生ずる結合は、約150度未満の角度から約180度まで
の間のカートネーション角を有するという空間的関係で
画定されるものであるべきである。
本発明において有利に使用できるモノマー(3,2)の
具体例を第8表に示す(この表には、これらのモノマー
が、ハイドロハライドの形またはモノマー自体の形で記
載されている)。
タイプ4のモノマーは次の一般式を有するものであ
る。
上式において、Z4,Z5,Z6およびZ7は互いに同一また
は相異なる基であって、これらの基は、第4表に記載の
モノマーのZ1として定義されたカルボン酸誘導体基のう
ちから選ばれた基である。Z4とZ5、またはZ6とZ7もしく
はこの両者の組は、カルボン酸無水物基であってもよ
い。Ar4は4個の原子価結合を炭素原子上に有する芳香
族基または芳香−複素環式族基である。Ar4は1,2,4,5の
位置関係で4つの原子価結合位置を有する6員環であり
得、あるいはAr4は、2個の6員環が相互に縮合してな
る環、すなわちナフタリン環の如き縮合環であり得る。
Z4とZ5とからなる1組、およびZ6とZ7とからなる別の1
組においては、これらの基は各組の中で相互にオルトの
位置関係で存在するか、またはこの4つの基は相互に1,
4,5,8の位置関係で存在するものでなければならない。
原子価結合性炭素(valence carbonds)とZ4およびZ5
各々との結合に対して直角の方向の直線(想像上の直
線)は、Z6およびZ7における同様な直線(想像上の直
線)と共線関係でなければならない。
本発明に係る前記の伸長鎖含有ポリマーおよび新規な
液晶質組成物の製造原料として有用な式(4)のモノマ
ーは、タイプ4のモノマーと称され、このタイプに属す
るグループは1つである。したがってこれらのモノマー
は、タイプ4、グループ1のモノマー(記号“4,1")と
して分類される。上記のかっこ内の1対の数字のうちの
第1番目の数字はモノマーのタイプを表わし、第2番目
の数字はモノマーのグループを表わす。
本発明において有利に使用できるモノマー(4,1)の
具体例を下記の第9表に示す。
タイプ5のモノマーは、次の一般式を有するものであ
る。
上式において、Z8およびZ9それぞれは第9表中のモノ
マーにおけるZ4およびZ5と同じ意味を有する。Ar5は第
9表中のものの場合と同じ意味を有する。ただし、上式
中の2つのアミノ基は互いにオルトの位置関係で存在す
る。Z8,Z9および前記の2つのアミノ基は、それらと環
内の原子価炭素との結合に直角方向に引いた2本の直線
(想像上の直線)が共線関係になるような位置に存在す
る。
本発明に係る伸長鎖含有ポリマーおよび新規な液晶質
組成物の製造原料として有用な式(5)のモノマーにつ
いては、グループの数は1であり、これはタイプ5、グ
ループ1のモノマー(記号“5,1")と称される。このか
っこの中の1組の数字は既述の場合と同じ意味を有す
る。
本発明において有利に使用できるモノマー(5,1)の
具体例を下記の第10表に示す。
タイプ6のモノマーは、次の一般式を有するものであ
る。
上式において、Ar6は芳香族環であるが、これはテト
ラヒドロキシ縮合環系のものである。Z10,Z11,Z12
よびZ16はAr6の炭素原子に結合した同種のOH原子団(OH
基)である。
一般に、Ar6は完全共役縮合環系であって、その中央
部に1個または複数個の芳香族環を有するものであり得
る。この完全共役縮合環系の中央部の1個またはそれ以
上の芳香族環は、既述の種類の環または其他のものであ
ってよい。
本発明に係る前記の伸長鎖含有ポリマーおよび新規な
液晶質組成物の製造原料として有利に使用できる式
(6)のモノマーは、2つのグループに分類でき、すな
わちグループ1(記号“6,1")とグループ2(記号“6,
2")とに分類できる。上記のかっこの中の1対の数字は
既述の場合と同じ意味を有する。
好ましいモノマー(6,1)は次の構造を有するもので
あり、すなわちこの場合にはAr6は縮合環系中の中央部
に単環型の中央芳香環を有する基、すなわち、中央部に
単環型の中央芳香環を有する縮合環系からなる基であ
る。
好ましいモノマー(6,2)は次の構造を有するもので
あり、すなわちこの場合にはAr6は縮合環系の中央部に
少なくとも2個の中央芳香環を有する基、すなわち、中
央部に2個以上の中央芳香環を有する縮合環系からなる
基である。
本発明において有利に使用できるモノマー(6,1)お
よびモノマー(6,2)の具体例をそれぞれ第11表および
第12表に示す。
タイプ7のモノマーは、次の一般式を有するものであ
る。
上式において、Y7は芳香族またはヘテロ芳香族の基で
あり、ただしこれは縮合環型の炭素基(carbon group)
であり、各X7は、Y7の炭素原子に二重結合で結合した基
である。
本発明に係る前記伸長鎖含有ポリマーおよび新規な液
晶質組成物の製造原料として有利に使用できる式(7)
のモノマーは、1つのグループからなり、グループ1
(記号“7,1")と称される。記号(7,1)の中の1対の
数字は、既述の場合と同じ意味を有する。
本発明において有利に使用できるモノマー(7,1)の
具体例を、下記の第13表に示す。
タイプ8のモノマーは、次の一般式を有するものであ
る。
上式において、Y8は単環型の炭素環式基であり、X10
およびX11はそれぞれ、Y8の炭素原子に結合したOH基お
よびO原子である。
本発明に係る前記の伸長鎖含有ポリマーおよび新規な
液晶質組成物の製造原料として有利に使用できる式
(8)のモノマーは、1つのグループからなり、このグ
ループはグループ1(記号“8,1")と称される。記号
(8,1)の中の1対の数字は既述の場合と同じ意味を有
する。
本発明において有利に使用できるモノマー(8,1)の
具体例は、下記の第14表に示されたモノマー(8a)であ
る。
タイプ9のモノマーは、次の一般式を有するものであ
る。
上式において、Ar9は芳香族基を表わし、ただしこれ
は一部縮合した環系からなるものであり、Z14およびZ15
はOH型(OH原子団)であり、XはO,SおよびNRからなる
群から選ばれた基であり、RはNに結合した有機基また
はHであり、しかしてNH2,X4H,Z14およびZ15はAr9の炭
素原子に結合したものであり、ただしNH2とX4Hとは相
互にオルトの位置に存在する。さらに、Z14とZ15とは相
互にオルトの位置に存在する。
本発明に係る前記の伸長鎖含有ポリマーおよび新規な
液晶質組成物の製造原料として有利に使用できる式
(9)のモノマーは1つのグループからなり、すなわち
このグループはグループ1(記号“9,1")と称される。
この記号において、1対の数字は既述の場合と同じ意味
を有する。
本発明において有利に使用できるモノマー(9,1)の
具体例としては、下記の第15表に記載のモノマー(9a)
があげられる。
第1表−第15表中に記載の引用特許および/または文
献は、参考のために記載されたものである。
本発明方法に従って、前記の式(I)−(VIII)のホ
モポリマーの合成を行うときの反応は、下記の一般的反
応式で表わすことができる。
反応機構 式(I)のホモポリマーの生成 式(II)のホモポリマーの生成 式(III)のホモポリマーの生成 式(IV)のホモポリマーの生成 式(V)のホモポリマーの生成 式(VI)のホモポリマーの生成 式(VII)のホモポリマーの生成 式(VIII)のホモポリマーの生成 本発明方法に従って液晶質ホモポリマー組成物を製造
するときに有利に使用できるホモポリマー〔ただし、こ
こでは前記の式(I)−(VIII)のホモポリマーに限定
する〕の例には、下記のホモポリマーがあげられる。記
載の簡略化のために、ポリマーの式では次の略号を使用
した。
AInは次式の構造を表わす。
このAIによって表わされる化学構造の名称およびそ
の説明は後章に記載されている。
Aは次式の構造を表わす。
Iは次式の構造を表わす。
したがって、これらの記号を組合わせて記載された下
記の式 A+I=AI は、次式を表わすものである。
本明細書には、さらに次の記号(略号)も使用されて
いるが、その意味は後章に記載されている。
AIn,AIBIn,BIn,Tn,AIDIn
AIEInAIFIn,AILIn,AIMIn,AINI
n,ATIT′n,AIKT′n,BIDIn,BIEI
n,BIFIn,BILIn,BIMIn,BINIn
BTIT′n,BTKT′n,EILIn,FILIn
LIn,TIn,Un,Vn,An,AB
n,ACn,AEn,AFn,AICIn,AIOI
n,AIQIn,AJn,ALn,AMn,AN
n,AQn,AVIV′n,Bn,BCn,BD
n,BEn,BFn,BICIn,BIOIn,BIQ
In,BJn,BLn,BMn,BNn,BQ
n,BVIV′n,B′A′B′Zn,B′A′
F′Zn,B′H′*(ここに「*」は、酸素素
子がB′上のメタの位置に常に存在することを表わす記
号である)、B′I′n,B′P′n,B′
Q′n,B′S′*Cn,CEn,CFn
CIn,CIEIn,CIFIn,CILIn,CIMI
n,CINIn,CIOIn,CJn,CLn,CM
n,CNn,CTIT′n,CTKT′n,C′A′
B′Zn,C′A′F′Zn,D′A′B′Z
n,D′A′F′Zn,En,EFn,EI
n,EIFIn,EIMIn,EINIn,EIOIn
EIQIn,EJn,ELn,EMn,ENn,E
TIT′n,ETKT′n,E′A′B′Zn,E′
A′F′Zn,Fn,FIn,FIMIn,FINI
n,FIOIn,FJn,FLn,FMn,FN
n,F′A′n,Ln,LJn,LTIT′
n,LTKT′n,Mn,MIn,MTIT′n
MTKT′n,Nn,NIn,NTIT′n,NTK
T′n,QIn,QJn,RIn,RJn,UI
n,ADn,AGn,AHn,AIGIn,AIHI
n,AIPIn,AIRIn,AISIn,AKn,A
On,APn,ARn,ASn,BGn,BIGI
n,BHn,BIHIn,BIPIn,BIRIn,BIS
In,BKn,BOn,BPn,BRn,BS
n,B′G′n,B′H′n,**(ここに
「**」は、酸素原子が常にB′上のパラの位置に存在
することを表わす記号である)、B′J′n
B′K′n*(ここに「*」は、酸素原子が常にB′
上のメタの位置に存在することを表わす記号である)、
B′K′n**,B′L′n,B′M′n
B′N′n,B′O′n,B′R′n
B′S′n**,B′U′n,CDn,CGn
CHn,CIDIn,CIGIn,CIHIn,CIPI
n,CIQIn,CIRIn,CISIn,CKn,CO
n,CPn,CQn,CRn,CSn,CVIV′
n,C′G′n,C′H′n,C′I′n
C′J′n,C′K′n,C′L′n
C′O′n,C′Q′n,C′R′n,C′
S′n,Dn,DEn,DFn,DGn,DH
n,DIn,DIEIn,DIFIn,DIGIn,D
IHIn,DILIn,DIMIn,DINIn,DIOI
n,DIPIn,DIQIn,DIRIn,DISIn
DJn,DKn,DLn,DMn,DNn,DO
n,DPn,DQn,DRn,DSn,DTIT′
n,DTKT′n,DVIV′n,D′G′n
D′H′n*(ここに「*」は、酸素原子が常にD′
上の3,3′−位置に存在することを示す記号である)、 D′H′n**(ここに「**」は、酸素原子が常
にD′上の4,4′−位置に存在することを示す記号であ
る)、 D′I′n,D′J′n,D′K′−〕n*,
D′K′n**,D′L′n,D′M′n
D′N′n,D′O′n,D′Q′n
D′R′n,D′S′n*,D′S′n**,
D′U′n,EGn,EHn,EIGIn,EIHI
n,EIPIn,EIRIn,EISIn,EKn,E
On,EPn,EQn,ERn,ESn,EVIV′
n,E′G′n,E′H′n,E′I′n
E′J′n,E′K′n,E′L′n
E′O′n,E′Q′n,E′R′n,E′
S′n,FGn,FHn,FIGIn,FIHIn
FIPIn,FIQIn,FIRIn,FISIn,FK
n,FOn,FPn,FQn,FRn,FSn
FTIT′n,FTKT′n,FVIV′n,Gn,GH
n,GIn,GIHIn,GILIn,GIMIn,G
INIn,GIOIn,GIPIn,GIQIn,GIRI
n,GISIn,GJn,GKn,GLn,GM
n,GNn,GOn,GPn,GQn,GRn
GSn,GTIT′n,GTKT′n,GVIV′n
n,HIn,HILIn,HIMIn,HINIn
HIOIn,HIPIn,HIQIn,HIRIn,HISI
n,HJn,HKn,HLn,HMn,HNn
HOn,HPn,HQn,HRn,HSn,HTI
T′n,HTKT′n,HVIV′n,LKn,LVI
V′n,MJn,MKn,MVIV′n,NJn
NKn,NVIV′n,OIn,OJn,OKn,O
TIT′n,OTKT′n,OVIV′n,PIn,PJ
n,PKn,PTIT′n,PTKT′n,PVIV′
n,Qn,QKn,QTIT′n,QTKT′n,Q
VIV′n,Rn,RKn,RTIT′n,RTKT′
n,RVIV′n,SIn,SJn,SKn,STI
T′n,STKT′n,SVIV′n,Wn,X
n,およびYn 本発明において最も好適な伸長鎖含有ホモポリマーの
例にはAIn,AIBIn,BIn,およびTn
あげられる。
本発明において特に有用な伸長鎖含有ホモポリマーの
例には、AIDIn,AIEIn,AIFIn,AILI
n,AIMIn,AINI,ATIT′n,ATKT′
n,BIDIn,BIEIn,BIFIn,BILIn
BIMIn,BINIn,BTIT′n,BTKT′n
EILIn,FILIn,LIn,TIn,Un,お
よびVnがあげられる。
本発明において好適な伸長鎖含有ホモポリマーの例に
はAn,ABn,ACn,AEn,AFn,A
ICIn,AIOIn,AIQIn,AJn,ALn
AMn,ANn,AQn,AVIV′n,Bn,B
Cn,BDn,BEn,BFn,BICIn,BIOI
n,BIQIn,BJn,BLn,BMn,BN
n,BQn,BVIV′n,B′A′B′Zn
B′A′F′Zn,B′H′*(ここに「*」
は、酸素原子が常にB′上のメタの位置に存在すること
を表わすことを示す記号である)、B′I′n
B′P′n,B′Q′n,B′S′n*C
n,CEn,CFn,CIn,CIEIn,CIFI
n,CILIn,CIMIn,CINIn,CIOIn
CJn,CLn,CMn,CNn,CTIT′n
CTKT′n,C′A′B′Zn,C′A′F′Z
n,D′A′B′Zn,D′A′F′Zn
n,EFn,EIn,EIFIn,EIMIn,E
INIn,EIOIn,EIQIn,EJn,ELn
EMn,ENn,ETIT′n,ETKT′n,E′
A′B′Zn,E′A′F′Zn,Fn,FI
n,FIMIn,FINIn,FIOIn,FJn,F
Ln,FMm,FNn,F′A′n,Ln,L
Jn,LTIT′n,LTKT′n,Mn,MIn
MTIT′n,MTKT′n,Nn,NIn,NTI
T′n,NTKT′n,QIn,QJn,RIn
RJn,およびUInがあげられる。
本発明の合成操作を最適条件下に行うために、種々の
重合段階において、使用されるポリ燐酸のP2O5含量を制
御しなければならないが、このP2O5含量は次の3種に分
けて定義するのが有利である。すなわちその1つは“初
期(initial)P2O5含量”(mO)であって、これは、脱
ハロゲン化水素工程〔すなわち、これは既述の工程
(b)であるが、その詳細は後で説明する〕において使
用されるポリ燐酸のP2O5含量である。本発明方法では初
期P2O5含量は約83.3%より低い値であるべきであり、そ
して一般に約83.3−63%、好ましくは約82%より低い値
であり、一層好ましくは約80%より低い値であり、最も
好ましくは約76%より低い値である。
“中間P2O5含量”は、前記重縮合反応の開始時に利用
可能なP2O5含量であって、この値は、重縮合反応時の理
論的水量(100%)の存在下におけるポリ燐酸の加水分
解に供し得る“最終P2O5含量”(f)(すなわち第3番
目の種類のP2O5含量)を与え得るような値になるよう
に、計算によって求めることができる。当該溶液(反応
液)を後期の重合反応段階において反応媒質として使用
するためにその効力を維持しておかなければならない場
合には、最終P2O5含量(f)はその最小値より多少大き
い値でなければならない。すなわち最終P2O5含量は約82
−86%、好ましくは約82−84%、最も好ましくは約82−
83%であるべきである。
本発明の液晶質ポリマー組成物の製法は、一般に重要
な種々の工程を有するものであるが、これらの工程のう
ちには下記のものが1またはそれ以上含まれるであろ
う。しかして、下記の工程は、既述の操作方法のなかに
含まれる工程であると考えられるものである。工程1…
アミノ基含有モノマー(1)、(3)、(5)、(9)
からなる群から選択される1種またはそれ以上の第1モ
ノマーを、P2O5含量=mOのポリ燐酸〔使用量は、特定の
初期量すなわちa*グラムである(a*については下記の実
験式参照)〕に添加する工程である。
a*{〔1−f〕(〔Py/Pc〕−Py) −〔nO(18.02)/Mw〕Py}(1−mO-1 上式において、Pyはポリマーの理論的収量(グラム)で
あり、Pcは最終的な液晶質ポリマー組成物の全重量を基
準とせるポリマーの重量分率であり(この値は、得られ
るべきポリマー−ポリ燐酸組成物中に液晶相を生成させ
るのに必要な臨界ポリマー濃度の値よりも高くなるよう
に選択される)、noは反覆ポリマーユニット1モル当り
の縮合反応副生成物のモル数を示す整数である。数値
“18.02"と当該縮合反応副生成物の分子量である。Mw
反覆ポリマーユニットの分子量であり、fは前に定義し
た最終P2O5含量である(本発明においてはこの値は、既
述の“最低値”よりも大きい値でなければならない)。
工程2…第1モノマーをポリ燐酸と混合し、そして保護
基が存在する場合にはこれを脱離した後に(保護基は、
そのとき使用されるポリマーの種類および反応機構を考
慮して任意手段として用いられるものである)、モノマ
ー(2)、(4)、(6)、(7)、(8)からなる群
から選択された化学量論量の第2モノマー1種またはそ
れ以上を添加し、かつ、fを所定値に調節する工程であ
る。fは、当該混合物にb*グラムのP2O5分を添加するこ
とによって所定値に調節できる〔ここにb*は、P2O5
“中間量”(グラム)であって、次式によって計算でき
る〕。
b*=〔Py/Pc〕−Py−〔{nO(18.02)/Mw}〕Py -a* 工程3…前記の如くして得られた混合物〔第1モノマー
および/または第2モノマーを含有する混合物〕を其後
に、重縮合反応のために適した温度を加熱する工程であ
る。この反応温度は約100−210℃、好ましくは約110−2
00℃、一層好ましくは約160−190℃、最も好ましくは約
185℃であり得る。
P2O5含量(mO)は下記の効果をあらわすのに充分な程
度の少量であるべきである。
(1)脱ハロゲン化水素反応を効果的に実施できるよう
にすること、および/または、 (2)発泡問題を起すことなく、またはバルク粘度の異
常上昇を伴うことなく、充分な量のモノマーを添加して
Pcを所望値にまで上昇できるようにすること。
fは、下記の効果をあらわす程度に高い値であるべき
である。
(2a)効果的な反応媒質であるポリ燐酸組成物を、重縮
合反応の晩期において維持すること。
(2b)N.YodaおよびM.Kuriharaの方法〔「New Polymers
of Aromatic Heterocycles by Polyphosphoric Acid S
olution Methods」,“J.Polymer Science,Macromolecu
lar Review",Vol.5(1971),p.159〕に従って、効果的
なホスホリル化媒質を重合反応の初期(開始期)に提供
できるようにすること。Yoda等の上記論文は、ここに参
考文献として引用されたものである。
(2c)重縮合反応の終期において、ポリマーのために効
果的な溶媒を提供すること。
例示的解説のためのデーターとして、式(a*)のグラ
フの1例を第7図に示す。このグラフ中の影線区域は、
モノマー(1a)の低溶解度を示す区域である。ポリマー
nの製造の場合に、このグラフの中の一連のPc
線は次の如く利用できる。
1.AInポリマー濃度(Pc)をたとえば0.16と選定す
る。
2.Pc=0.16の曲線において、影線区域〔モノマー(1a)
の低溶解度区域〕上の点を選択する。
3.上記の如くして選択された点から、モノマー(1a)9
2.06gに添加されるべきP2O5の量(P2O5含量=mO)に相
当するPPAのグラム数(a*)を読みとる。
4.脱塩化水素反応の完了後に添加すべきモノマー(2a)
の量は62.38gである。
5.最終P2O5含量(f)を82.2%と選定した場合には、P2
O5の追加量(b*)は、“前記の段階3で使用されたPPA
の量”と“Pc=0.16の曲線の末端のPPAの重量”との差
に相当する量になる。
最適値(mO)は所定ポリマー濃度と第1モノマーの溶
解度限界(上限値)とに左右されて種々変化するから、
このことを考慮に入れて上記最適値を適宜選定すべきで
ある。モノマー(1a)の低溶解度区域は第7図に示され
ている。他のモノマーはそれぞれ別々の溶解度限界を有
する。代表的なモノマーの溶解度の大小を以下に示す。
モノマー(1a)よりも溶解度の大なるモノマー: モノマー(1f),(1g),(3a),(3b),(3c),
(3d): モノマー(1a)と大体同程度の溶解度のモノマー: モノマー(1d),(3e): モノマー(1a)より溶解度の小なるモノマー: モノマー(1b),(1c),(1e),(1i),(1k),
(3f),(3g),(3h),(3i),(3j); モノマー(1a)より溶解度がずっと低いモノマー: モノマー(1h),(l),(1m),(1n),(1o),
(1p),(5a),(9a)。
したがって、所定のハイドロハライド(モノマー)の
脱ハロゲン化水素反応を一層速やかに行うことが可能で
ある。また、発泡問題も解消または軽減できる。米国特
許第4,225,700号明細書に記載のP2O5含量よりも低いP2O
5含量を有する溶解(PPA中溶液)は粘度がかなり低く、
そして脱ハロゲン化水素反応がずっと迅速に実施でき
る。さらに、所定のモノマーをかなり高濃度で含んでな
るPPA中溶液が調製でき、かつ、かなり高い濃度でポリ
マーを含有する反応生成物を得ることができる。
前記の式(I)、(III)、(V)および(VIII)を
有するホモポリマー組成物は、既述の方法に従って次の
如く操作を行うことによって製造できる。
(a)酸化防止用の保護原子または保護基を有するかま
たは有しない所定の第1モノマー〔たとえばモノマー
(1,1)、(1,2)、(1,3)、(3,1)、(3,2)、(5,
1)、(9,1)からなる群から選択された所定の第1モノ
マー〕を、比較的低い五酸化燐含量を有する予備燐酸溶
媒と混合する: (b)その結果得られた混合物を加熱し、かつ任意的に
減圧下に保つことによって、そこに存在していた保護原
子または保護基を揮発させて除去し、そして第1モノマ
ーを前記予備溶媒中に含んでなる溶液を得る: (c)前記の工程(b)において得られた溶液に所定の
第2モノマー〔たとえばモノマー(2,1)、(2,2)、
(2,3)、(4,1)、(6,1)、(6,2)、(7,1)、(8,
1)からなる群から選択された第2モノマー〕を添加す
ることによって、前記予備溶液中に第1モノマーと第2
モノマーとを含んでなる混合物(液状混合物)を形成さ
せる: (d)前記の工程(c)において得られた混合物に対
し、其後にその五酸化燐含量を増加させる操作を行い、
これによって、より高い五酸化燐含量を有し重合反応に
適した第1−および第2モノマー反応媒質を得る: (e)所定の重合反応を所定の速度で充分実施し得るよ
うな温度において、第1−および第2モノマーの重合反
応を起させることによって、所定の固有粘度を有する第
1ホモオリゴマー生成物もしくは第1ホモポリマー生成
物を生成させる。
式(II)、(IV)、(VI)を有するホモポリマー組成
物は、次の操作を行うことによって製造できる。
(a)酸化防止用の保護原子または保護基を有するかま
たは有しない所定の第1モノマー〔たとえばモノマー
(1,1)、(1,2)、(1,3)、(3,1)、(3,2)、(5,
1)、(9,1)からなる群から選択された所定の第1モノ
マー〕を、比較的低い五酸化燐含量を有する予備燐酸溶
媒と混合する: (b)その結果得られた混合物を加熱し、かつ任意的に
減圧下に保つことによって、そこに存在していた保護原
子または保護基を揮発させて除去し、そして第1モノマ
ーを前記予備溶媒中に含んでなる溶液を得る: (c)前記の工程(b)において得られた混合物(液状
混合物)に対し、其後にその五酸化燐含量を増加させる
操作を行い、これによって、より高い五酸化燐含量を有
し重合反応に適した第1モノマー反応媒質を得る: (d)所定の重合反応を所定の速度で充分実施し得るよ
うな温度において、第1モノマーの重合反応を起させる
ことによって、所定の固有粘度を有する第1ホモオリゴ
マー生成物もしくは第1ホモポリマー生成物を生成させ
る。
コポリマー組成物およびその製造 本発明の別の態様に従えば、繊維やフイルムの製造原
料として有用な下記の組成を有する液晶質組成物が得ら
れる。すなわちこの組成物は、下記の一般式を有する反
覆ユニット(IX)−(XVIII)からなる群から選択され
た反覆ユニットを有する少なくとも1種の高分子量伸長
鎖含有コポリマーを高濃度で含有しかつ若干量のポリ燐
酸をも含有するブレンドを必須成分として含む縮合生成
物を含有してなるものである。
上式においてAr1は芳香族基を表わし、ただしこれは
既述の式(XXX)によって定義されるものである。
X1およびX2は互いに同一または相異なる基であって、こ
れは硫黄、酸素またはNRを表わす(Rは水素または有機
基である)。前記窒素原子(式中の窒素原子)ならびに
X1およびX2はAr1の芳香族炭素原子に結合されたもので
あり、各ヘテロ環のNとX1またはX2とは互いにオルトの
位置関係で存在するものである。Y2は基を表わさず(す
なわち−(Y)0−)、もしくはY2は2価有機基を表わす
が、これは既述の式(XXXI)によって定義されるもので
ある。aibjは当該コポリマー中の反覆ユニットのモル割
合(モル量)を表わし、Yijは当該コポリマー中の逐次
反覆ユニットの平均個数を表わす。nは正の整数であ
る。
上式においてAr1は芳香族基を表わし、ただしこれは
既述の式(XXX)で定義されるものである。X1およびX2
は互いに同一または相異なる基であって、これは硫黄、
酸素またはNRを表わす(Rは水素または有機基であ
る)。前記窒素原子ならびにX1およびX2はAr1の芳香族
炭素原子に結合されており、各ヘテロ環のNとX1または
X2とは互いにオルトの位置関係で存在するものである。
Y2は2価有機基を表わし、ただしこれは既述の式(XXX
I)で定義されるものである。aibjm/m+m′は、当該コ
ポリマー中に存在する当該反覆ユニットのモル割合(モ
ル量)を表わし、Yijは当該コポリマー中に存在する当
該逐次反覆ユニットの平均個数を表わす。Ar3は別の芳
香族基を表わし、ただしこれは既述の式(XXII)で定義
されるものである。前記の窒素原子およびX3はAr3の芳
香族炭素原子と結合されたものである。ckm′/m+m′
は当該コポリマー中の当該反覆ユニットのモル割合を表
わす。Ykは当該コポリマー中の当該逐次反覆ユニットの
平均個数を表わす。nは正の整数である。
上式においてAr3は芳香族基を表わし、ただしこれは
既述の式(XXII)によって定義されるものである。X3
硫黄、酸素またはNRである(Rは水素または有機基であ
る)。前記窒素原子およびX3はAr3の芳香族炭素原子に
結合されたものであり、各ヘテロ環のNおよびX3は互い
にオルトの位置関係で存在するものである。ckは当該コ
ポリマー中に存在する反覆ユニットのモル割合(モル
量)を表わし、ykは当該コポリマー中に存在する逐次反
覆ユニットの平均個数を表わし、nは正の整数である。
上式においてAr1は芳香族基を表わし、ただしこれは
既述の式(XXXII)によって定義されるものである。
Ar4は別の芳香族基を表わし、しかしてこれは既述の式
(XXIII)によって定義されるものである。前記窒素原
子はAr1に結合されたものであり、前記炭素原子はAr4
結合されたものである。aibjは当該コポリマー中に存在
する反覆ユニットのモル割合(モル量)を表わし、yij
は当該コポリマー中に存在する逐次反覆ユニットの平均
個数を表わし、nは正の整数である。
上式において、Ar4は芳香族基を表わし、ただしこれ
は既述の式(XXIII)で定義されるものである。Ar1は芳
香族基を表わすが、これは既述の式(XXXII)で定義さ
れるものである。Ar5は、Ar4およびAr1とは異なる芳香
族基を表わし、しかしてこれは既述の式(XXIV)で定義
されるものである。前記炭素原子はAr4およびAr5に結合
したものであり、前記窒素原子はAr1およびAr5に結合し
たものである。nは正の整数である。ckm′/m+m′は
当該コポリマー中に存在する当該反覆ユニットのモル割
合(モル量)を表わす。ykは当該コポリマー中に存在す
る当該逐次反覆ユニットの平均個数を表わす。aibjm/m
+m′は当該コポリマー中に存在する別の反覆ユニット
のモル割合を表わす。yijは前記コポリマー中に存在す
る上記の逐次反覆ユニットの平均個数を表わす。nは正
の整数である。
上式において、Ar1は芳香族基であって、既述の式(X
XX)で定義されるものである。Ar6は別の芳香族基であ
って、既述の式(XXV)で定義されるものである。X1
よびX2は互いに同一または相異なる基であって、これは
硫黄、酸素またはNRである(Rは水素または有機基であ
る)。前記のNH基ならびにX4およびX1はAr6およびAr1
芳香族炭素原子に結合しており、各ヘテロ環のNHとX1
たはX2とは互いにオルトの位置関係で存在するものであ
る。aibjは当該コポリマー中に存在する反覆ユニットの
モル割合を表わし、yijは当該コポリマー中に存在する
逐次反覆ユニットの平均個数を表わす。nは正の整数で
ある。
上式においてAr1は芳香族基を表わし、ただしこれは
既述の式(XXX)によって定義されるものである。Ar6
別の芳香族基を表わし、しかしてこれは既述の式(XX
V)によって定義されるものである。X1およびX2は互い
に同一または相異なる基であって、これは硫黄、酸素ま
たはNRを表わす(Rは水素または有機基である)。前記
NH基ならびにX1およびX2はAr6およびAr1の芳香族炭素原
子に結合されたものである。各ヘテロ環のNHとX1および
X2とは互いにオルトの位置関係で存在するものである。
aibj/m+m′は当該コポリマーの中の一方の反覆ユニッ
トのモル割合(モル量)を表わし、yijは当該ポリマー
中の上記の一方の逐次反覆ユニットの平均個数を表わ
す。Ar9は、Ar6およびAr1とは別の芳香族基を表わし、
ただしこれは既述の式(XXVI)によって定義されるもの
である。X4は硫黄、酸素またはNRである(Rは水素また
は有機基である)。前記NH基およびX4はAr6およびAr9
芳香族炭素原子に結合されたものである。ckm′/m+
m′は当該コポリマー中に存在する他の一方の反覆ユニ
ットのモル割合(モル量)を表わし、ykは当該コポリマ
ー中に存在する当該逐次反覆ユニットの平均個数を表わ
し、nは正の整数である。
上式においてAr1は芳香族基を表わし、ただしこれは
既述の式(XXXII)によって定義されるものである。Y7
は芳香族基またはヘテロ芳香族基を表わし、しかしてこ
れは既述の式(XXVIII)によって定義されるものであ
る。前記窒素原子はAr1の芳香族炭素原子およびY7中の
隣位炭素原子に結合したものである。aibjは当該コポリ
マー中に存在する当該反覆ユニットのモル割合(モル
量)を用わし、yijは当該コポリマー中に存在する当該
逐次反覆ユニットの平均個数を表わし、nは正の整数で
ある。
本発明方法に従った(IX)−(XIX)のコポリマーの
合成反応は、下記の一般的反応式で表わすことができ
る。
反応機構 式(IX)のコポリマーの生成 式(X)のコポリマーの生成 式(XI)のコポリマーの生成 式(XII)のコポリマーの生成 式(XV)のコポリマーの生成 式(XVI)のコポリマーの生成 式(XVII)のコポリマーの生成 式(XVIII)のコポリマーの生成 上記の式(IX)、(X)、(XII)、(XV)、(XV
I)、(XVII)、(XVIII)、のコポリマー組成物は、本
発明方法に従って次の操作を行うことによって製造でき
る。
(a)酸化防止用の保護原子または保護基を有するかま
たは有しない所定の少なくとも2種の第1モノマー〔た
とえばモノマー(1,1)、(1,2)、(1,3)、(3,1)、
(3,2)、(5,1)、(9,1)からなる群から選択された
2種またはそれ以上のい第1モノマー〕を、比較的低い
五酸化燐含有を有する予備燐酸溶媒と混合する: (b)その結果得られた混合物を加熱し、かつ任意的に
減圧下に保つことによって、そこに存在していた保護原
子または保護基を揮発させて除去し、そして第1モノマ
ーを前記予備溶媒中に含んでなる溶液を得る: (c)前記の工程(b)において得られた溶液に所定の
少なくとも1種の第2モノマー〔たとえばモノマー(2,
1)、(2,2)、(2,3)、(4,1)、(6,1)、(6,2)、
(7,1)、(8,1)、からなる群から選択された1種また
はそれ以上のモノマー〕を添加することによって、前記
予備溶液中に第1モノマーと第2モノマーとを含んでな
る混合物(液状混合物)を形成させる: (d)前記の工程(c)において得られた混合物に対
し、其後にその五酸化燐含量を増加させる操作を行い、
これによって、より高い五酸化燐含量を有し重合反応に
適した第1−および第2モノマー反応媒質を得る: (e)所定の重合反応を所定の速度で充分実施し得るよ
うな温度において、第1−および第2モノマーの重合反
応を起させることによって、所定の固有粘度を有する第
1コオリゴマー生成物もしくは第1コポリマー生成物を
生成させる。
同様に、式(IX)、(XII)、(XVI)、(XVII)、の
コポリマー組成物は、次の操作を行うことによって製造
できる。
(a)酸化防止用の保護原子または保護基を有するかま
たは有しない所定の少なくとも1種の第1モノマー〔た
とえばモノマー(1,1)、(1,2)、(1,3)、(3,1)、
(3,2)、(5,1)、(9,1)からなる群から選択された
1種またはそれ以上の第1のモノマー〕を比較的低い五
酸化燐含量を有する予備燐酸溶媒と混合する: (b)その結果得られた混合物を加熱し、かつ任意的に
減圧下に保つことによって、そこに存在していた保護原
子または保護基を揮発させて除去し、そして第1モノマ
ーを前記予備溶媒中に含んでなる溶液を得る; (c)前記の工程(b)において得られた溶液に所定の
少なくとも2種の第2モノマー〔たとえばモノマー(2,
1)、(2,2)、(2,3)、(4,1)、(6,1)、(6,2)、
(7,1)、(8,1)、からなる群から選択された1種また
はそれ以上のモノマー〕を添加することによって、前記
予備溶液中に第1モノマーと第2モノマーとを含んでな
る混合物(液状混合物)を形成させる: (d)前記の工程(c)において得られた混合物に対
し、其後にその五酸化燐含量を増加させる操作を行い、
これによって、より高い五酸化燐含量を有し重合反応に
適した第1−および第2モノマー反応媒質を得る: (e)所定の重合反応を所定の速度で充分実施し得るよ
うな温度において、第1−および第2モノマーの重合反
応を起させることによって、所定の固有粘度を有する第
1コオリゴマー生成物もしくは第1コポリマー生成物を
生成させる。
本発明の液晶質コポリマー組成物を形成し得る式(I
X)、(X)、(XI)、(XII)、(XV)、(XVI)、(X
VII)、(XVIII)のコポリマーのうちで好ましいもの
は、下記の条件をみたすコポリマーである。すなわちこ
の場合のaiはタイプ1のなかから選ばれた1番目のモノ
マーのモル分率であり、bjはタイプ2、4、6、7、8
のうちから選ばれたj番目のモノマーのモル分率であ
り、ckはタイプ3、5、9のうちから選ばれたk番目の
モノマーのモル分率である。mおよびm′は所望収量
(収率)を基準とせる所定のモル量である。aibjおよび
aibjm/m+m′は、タイプ1のi番目のモノマーとタイ
プ2、4、6、7または8のj番目のモノマーとの縮合
反応の結果生じた反覆ユニットのモル割合であり、ck
よびckm′/m+m′はタイプ3、5または9のk番目の
モノマーの縮合反応の結果生じた反覆ユニットのモル割
合であり、yijは、タイプ1のi番目のモノマーと、タ
イプ2、4、6、7または8のj番目のモノマーとから
生成した反覆ユニットの平均ブロック長である(すなわ
ち、別の反覆ユニットによって途切れることのない逐次
反覆ユニットの平均個数である)。ykは、タイプ3、5
または9のk番目のモノマーの自己縮合によって生じた
反覆ユニットの平均ブロック長である。nは当該コポリ
マーの平均全長である(すなわち、構造とは無関係に反
覆ユニットの平均全個数である)。コポリマー中の反覆
ユニットの個数は、iは最高値とjの最高値との積、あ
るいは、iの最高値とjの最高値プラスkの最高値との
積に等しい数であり得る。i、jおよびkは実際に可能
な範囲内で“できるだけ高い値”であり得るが、ホモポ
リマーよりもむしろコポリマーを得ることが所望される
場合には、これらの値は或最小限度の値であってもよ
い。
所定のモル量のタイプ1のモノマー(a1m,a2m…a
im)が、約63−78%、好ましくは約68%を越える値、最
も好ましくは約78%の五酸化燐含量を有する燐酸と混合
することができる。ハロゲン化水素基の如き保護基が存
在する場合には、これは、加熱操作および任意的な減圧
操作によって実質的に除去できる。燐酸の使用量は既述
の化学式(a*)を用いて決定するのが最も好ましく、す
なわち、分子量および比率の多分異なるモノマー類の添
加量を決めるのに必要な計算を、この式を用いて行うの
である。かくして得られた溶液に、其後に、タイプ2、
4、6、7または8から選択されたモノマーを化学量論
量(すなわち、b1m+b2m+…bjm)m=添加できる。そ
の結果得られた混合物の五酸化燐含量を、其後に、既述
の式(b*)に従って増加させることができる。すなわち
この場合には、“実質的に共重合反応に供される混合
物”の最終五酸化燐含量を一層増加させ、好ましくは該
含量を約81−84%、最も好ましくは約82−83.5%に増加
させる操作を行うのである。その結果得られた混合物は
其後に、操作可能時間内に高温に加熱でき、すなわち約
1時間以内ないし5時間またはそれ以上の時間、好まし
くは約1−3時間以内に、好ましくは約100−210℃、最
も好ましくは約170−185℃に加熱できる。そして、充分
な時間該高温に維持し、しかしてこの維持時間は約1時
間以内ないし約48時間またはそれ以上の時間、最も好ま
しくは約1−23時間であり得る。この高温維持によっ
て、所定のn値に達することができる。
次に、本発明に従って一般式(IX)、(XII)、(XV
I)、(XVIII)、および(XIX)のコポリマーを含有す
る新規な液晶質組成物を製造する方法の1つの具体例に
ついて説明する。この具体例は、一般式(IX)のコポリ
マーを含んでなる組成物の製法に関するものである。こ
こで使用される所定のタイプ1のモノマーはタイプ(1,
1)、(1,2)、(1,3)に分類され、所定のタイプ2の
モノマーはタイプ(2,1)、(2,2)、(2,3)に分類さ
れる。
タイプ(1,1)のモノマーおよびタイプ(2,1)のモノ
マーから製造された一般式(IX)のコポリマーの利点
は、液晶的挙動をなすために必要な臨界濃度の値が低い
ことである。たとえば下記に例示されたコポリマーで
は、この臨界濃度が約5重量%程度という低い値であり
(この濃度値は、n値が実質的に中程度の値であるとき
のポリ燐酸中の濃度値である)、したがってこのコポリ
マーの場合には操作可能濃度範囲がかなり広い。この種
のコポリマーの例を以下に示す。
このコポリマーの反覆ユニット類は実質的に対比が可
能な程度の(comparable)メソゲニシチイ(mesogenici
ty)を有するので、広範囲にわたる種々の組成のコポリ
マー組成物の製造できる。たとえば、a1b1はほとんど0
に近い値からほとんど1に近い値までの範囲内の値であ
り得、一方、a1b2またはa2b1はほとんど1に近い値から
ほとんど0に近い値までの範囲内の値であり得る(なぜ
ならこれは「1−a1b1」に等しい値であるからであ
る。)平均ブロック長y11とy12またはy21とは、既述の
モノマー添加方法、およびモル量(すなわち、個々の場
合において選択されたモル量)に支配される値である。
たとえば、実質的に同じ反応性を有する1対のモノマー
の場合には、y11(これは「1/1−a1b1」に等しい値であ
る)は、ほとんど0に近い値から非常に高い値までの範
囲内の値であり得る。同様に、y12またはy21は、非常に
高い値からほとんど0に近い値までの範囲内の値であり
得る。nの値が約50以上である充分な鎖長のコポリマー
を得るために、すなわち機械的強度、モジュラス等の諸
性質が所望通りに良好なコポリマーを得るために、モノ
マーの純度を充分に高くし、化学量論的除去を充分に制
御し、かつ、酸化性不純物による副反応を充分に抑制し
なければならない。グループ1のモノマーから本発明に
従ってコポリマーを製造する具体的な製法は、後記の実
施例49−51および54−66に記載されている。
一般式(IX)のコポリマーは、タイプ(1,1)、
(2、1)、(2,2)のモノマーおよびタイプ(1,1)、
(1,2)、(2,1)のモノマーから製造できる。これらの
モノマーは、グループ2のモノマーとして分類される。
なぜならばこれらのモノマーは次の如き共通の性質を有
するものであるからであり、すなわちこれらのモノマー
から誘導された反覆ユニットは、中程度に低下したメソ
ゲン特性を有し、あるいはその結果得られるポリマーの
溶解範囲を狭くする傾向があるが、これは、一般に当該
ポリマーにおけるヘテロ原子/炭化水素比の全般的な低
下に起因するものである。これらの条件の両方共充分に
考慮に入れて、本発明のコポリマー中に入れるべきグル
ープ2のモノマーを注意深く選択すべきである。この選
択の実例として、本発明方法に従って製造されたコポリ
マーの若干の例を以下に示す。
上記の表に例示されたコポリマーは、当該コポリマー
の溶解度を低下させる作用を有するモノマーを含んでな
るモノマー組成物から作られたものである。好ましいa1
b1値(すなわち、より大きい可溶性を有する反覆ユニッ
トのモル分率)は、約0.8を越える値であって、したが
ってこの場合のy11が約5より大きい値であり、y12はほ
とんど1に近い値である。モノマーの純度、化学量論量
の制御の程度、酸化性不純物(すなわち、酸化力を有す
る不純物)の除去の程度、ならびに、コポリマーの溶解
度を所望値に保つために使用される“より低い溶解度の
モノマー”のモル量は、約50より大きい平均n値を得る
に充分なものでなければならない。より低い溶解度のモ
ノマーの比率を増加させることは、当該コポリマーの溶
解度を改善する(増加する)作用を有するコモノマーの
選択的使用によって可能になるであろう。一般に、タイ
プ1のモノマーにおいて、X=sのモノマーは、X=O
またはNのモノマーによりもコポリマー溶解度増大化作
用が一層大きいであろう。部分的に低下した溶解度を有
するコポリマー(すなわち、多少低い溶解度を有するコ
ポリマー)を本発明に従って製造する方法の実施例は、
後記の実施例52、53、70、71および72に記載されてい
る。
少し低目のメソゲニシチイを有するモノマーを使用す
ることを包含する本発明方法の具体例に従って製造され
たコポリマーの例を以下に示す。
上記の種類のコポリマーのa1b1は、ほとんど0に近い
値からほとんど1に近い値までの範囲内の値であること
が好ましい。ただし、燐酸中の全コポリマー濃度は、少
なくとも“メソゲン性反覆ユニットによって決定される
臨界濃度”より高い値であるべきである。
すなわち、この値が約13%より上の値であるときに、
上記のコポリマーのa1b1は約1−0の範囲内の値にな
り、y11はほとんど1に近い値かまたはそれ以上の値に
なり、y21もまた、ほとんど1に近い値またはそれ以上
の値になるであろう。このようなa1b2値およびa2b1値を
有するような好適濃度は約15−22重量%である。より大
きいメソゲン性を有する反覆ユニットのモル分率が約0.
6より大きい値、好ましくは約0.75より大きい値である
場合には、操作可能濃度の範囲が一層広くなり、この場
合にはコポリマーの濃度はたとえば約8重量%より高い
値、好ましくは約10重量%より高い値であってよい。n
の値は既述の如く約50より上の値であることが好まし
い。
一般式(IX)のコポリマーは、グループ3のモノマー
から製造できる。
グループ3に属するモノマーの特徴は、メソゲン性を
少ししかまたは全く有しないポリマー性反覆ユニットを
形成することである。このモノマーを用いてコポリマー
を前記の製法に従って製造することも本発明の範囲内に
入るが、これはあまり好ましいものではない。なぜなら
ば、かなりのモル量の前記非メソゲン性ユニットをラン
ダムに入れた場合には、液晶的挙動を行わしめるに必要
なメソゲン性反覆ユニットのブロック長が充分長くなら
ないからである。グループ3のモノマーの添加量は3モ
ル%より少ないことが好ましい。
グループ3のポリマーの添加量は増加は、後記のブロ
ックポリマー製造操作のときに行うのが非常に好まし
い。前記のコポリマー製造方法に従って、最初の溶液に
タイプ3、5および9のモノマーを添加することによっ
て一般式(X)、(XV)、および(XVIII)の生成物を
それぞれ製造することは、本発明においてあまり好まし
くない実施態様といえよう。タイプ3のモノマー〔モノ
マー(3k)を除く〕およびタイプ5ならびにタイプ9の
モノマーは独特な幾何学的形状を有するから、ブロック
長ykは比較的大きい値にすべきであり、あるいは、もし
小さい値である場合にはこれは偶数値であるべきであ
る。上記の条件があるので、式(X)、(XV)、(XVI
I)の好適組成物は、後記のブロックコポリマー製造方
法に従って製造するのが好ましい。
前記の一般式(XI)のコポリマー組成物は、下記の操
作を行うことによって製造できる。
(a)酸化防止用の保護原子または保護基を有するかま
たは有しない少なくとも2種の所定の第1モノマーを、
比較的低い五酸化燐含量を有する予備燐酸溶媒と混合す
る: (b)その結果得られた混合物を加熱し、かつ任意的に
減圧下に保つことによって、そこに存在していた保護原
子または保護基を揮発させて除去し、そして第1モノマ
ーを前記予備溶媒中に含んでなる溶液を得る: (c)前記の工程(b)において得られた混合物に対
し、其後にその五酸化燐含量を増加させる操作を行い、
これによって、より高い五酸化燐含量を有し重合反応に
適した第1モノマー反応媒質を得る: (d)所定の重合反応を所定の速度で充分実施し得るよ
うな温度において、第1−および第2モノマーの重合反
応を起させることによって、所定の固有粘度を有する第
1コオリゴマー生成物もしくは第1コポリマー生成物を
生成させる。
所定のモル量のタイプ3のモノマー(c1m,c2m…c
km)が、約63−78%、好ましくは約68%を越える値、
最も好ましくは約78%の五酸化燐含量を有する燐酸と混
合することができる。保護基が存在する場合には、これ
が、加熱操作および任意的な減圧操作によって実質的に
除去できる。燐酸の使用量は既述の式(a*)を用いて決
定できる。すなわち、分子量および比率の多分異なるモ
ノマー類の添加のために必要な計算を上式を用いて行う
ことができる。その結果得られた混合物の五酸化燐含量
を、其後に、既述の式(b*)に従って増加させることが
できる。すなわちこの場合には、“実質的に共重合反応
に供される混合物”の最終五酸化燐含量を一層増加さ
せ、好ましくは該含量を約81%より大きい値、最も好ま
しくは約82−83%、ただし約84%より低い値に増加させ
る操作を行うのである。その結果得られた混合物は其後
に、操作可能時間内に高温に加熱でき、すなわち約1時
間以内ないし5時間またはそれ以上の時間、好ましくは
約1−3時間以内に、好ましくは約100−200℃、最も好
ましくは約150−185℃に加熱できる。そしてこの所定の
高温に充分な時間維持し、これによって、所定のn値に
達することができる。
次に、本発明に従って一般式(XI)のコポリマーを含
有する新規な液晶質組成物を製造する方法の具体例につ
いて説明する。ここで使用される所定のタイプ1のモノ
マーは、さらにタイプ(3,2)として細く分類されるも
のである。
すなわち、次式 または を有するポリマーが、上記の方法によって製造できる。
ただし上式においてc1は、より可溶な反覆ユニットの
モル割合であって、これは約0.5より上の値、好ましく
は約0.7より上の値になるように選択される。なぜなら
ば当該コポリマーに、それが液晶的挙動をなし得るよう
な高濃度において確実に溶解性を付与する必要があるか
らである。コポリマーの重量%は、約15重量%より高い
値、一層好ましくは約17.5重量%より高い値になるよう
に選定できる。上記の如くして選定されたモル割合およ
びモノマーの反応性比率(reasctivity ratio)によっ
て、平均ブロック長y1およびy2が決定される。当該ポリ
マーがポリ燐酸中で液晶的挙動をなし得るかどうかとい
うことは、前記のブロック長とは無関係である。重要な
要件は、当該コポリマーに高濃度溶解性を付与するこ
と、および当該ポリマーをモノマーからポリ燐酸中で高
濃度で製造できるようにすることである。
ブロックポリマー組成物およびその製造 本発明の別の態様に従えば、繊維やフィルムの製造原
料として有用な下記の組成を有する液晶質組成物が得ら
れる。この組成物は、下記の一般式を有する反覆ユニッ
トからなる群から選択された反覆ユニットを有する少な
くとも1種の高分子量伸長鎖含有ブロックポリマーを高
濃度で含有しかつ若干量のポリ燐酸をも含有するブレン
ドを必須成分として含む重縮合生成物を含有してなるも
のである。
上式において、Ar1は芳香族基を表わし、ただしこれは
既述の式(XXX)の場合と同じ意味を有する。X1およびX
2は互いに同一または相異なる基であって、これは硫
黄、酸素またはNRを表わす(Rは水素または有機基であ
る)。前記窒素原子ならびにX1およびX2はAr1の芳香族
炭素原子に結合されたものであり、各ヘテロ環のNとX1
またはX2とは互いにオルトの位置関係で存在するもので
ある。Y2は基を表わさず(すなわち−(Y)−)、も
しくはY2は2価有機基を表わすが、これは既述の式(XX
XI)で定義されるものである。aibjは当該ブロックポリ
マー中に存在する反覆ユニットのモル割合(モル量)を
表わし、yijは当該ブロックポリマー中に存在する逐次
反覆ユニットの平均個数を表わす。nは正の整数であ
る。
上式においてAr1は芳香族基を表わし、ただしこれは
既述の式(XXX)で定義されるものである。X1およびX2
は互いに同一または相異なる基であって、これは硫黄、
酸素またはNRを表わす(Rは水素または有機基であ
る)。前記窒素原子ならびにX1およびX2はAr1の芳香族
炭素原子に結合されており、各ヘテロ環のNとX1または
X2とは互いにオルトの位置関係で存在するものである。
Y2は基を表わさないかまたは2価有機基を表わし、ただ
しこれは既述の式(XXXI)で定義されるものである。ai
bjm/m+m′は、当該ブロックポリマー中に存在する反
覆ユニットのモル割合(モル量)を表わし、yijは当該
ブロックポリマー中に存在する逐次反覆ユニットの平均
個数を表わす。Ar3は別の芳香族基を表わし、ただしこ
れは既述の式(XXII)で定義されるものである。X3は硫
黄、酸素またはNRを表わす(Rは水素または有機基であ
る)。前記の窒素原子およびX3はAr1の芳香族炭素原子
と結合されたものである。各ヘテロ環のNとX3とは互い
にオルトの位置関係で存在するものである。ckm′/m+
m′は当該ブロックポリマー中の当該反覆ユニットのモ
ル割合を表わす。ykは当該ブロックポリマー中に存在す
る逐次反覆ユニットの平均個数を表わす。nは正の整数
である。
上式においてAr3は芳香族基を表わし、ただしこれは
既述の式(XXII)によって定義されるものである。X3
硫黄、酸素またはNR(Rは水素または有機基である)。
前記窒素原子およびX3はAr3の芳香族炭素原子に結合さ
れたものであり、各ヘテロ環のNおよびX3は互いにオル
トの位置関係で存在するものである。ckは当該ブロック
ポリマー中に存在する反覆ユニットのモル割合(モル
量)を表わし、ykは当該ブロックポリマー中に存在する
逐次反覆ユニットの平均個数を表わし、nは正の整数で
ある。
上式においてAr1は芳香族基を表わし、ただしこれは
既述の式(XXXII)によって定義されるものである。Ar4
は別の芳香族基を表わしてしかしこれは既述の式(XXII
I)によって定義されるものである。前記窒素原子はAr1
に結合されたものであり、前記炭素原子はAr4に結合さ
れたものである。aibjは当該ブロックポリマー中に存在
する反覆ユニットのモル割合(モル量)を表わし、yij
は当該ブロックポリマー中に存在する逐次反覆ユニット
の平均個数を表わし、nは正の整数である。
上式においてAr1は芳香族基を表わし、そしてこれは
既述の式(XXXII)または式(XXX)で定義されるもので
あり、ただし次の条件があり、すなわち、Ar1が窒素原
子と結合したものである場合には、Ar1は式(XXXII)で
定義されるものであり、Ar1が窒素原子とX1およびX1
の両者に結合したものである場合には、Ar1は既述の式
(XXX)で定義されるものである。Ar4別の芳香族基であ
って、これは既述の式(XXIII)で定義されるものであ
る。前記炭素原子はAr4に結合したものである。m′/m
+m′は当該ブロックポリマー中に存在する反覆ユニッ
トのモル割合を表わす。y′は当該ブロックポリマー中
に存在する逐次反覆ユニットの平均個数を表わす。X1
よびX2は互いに同一または相異なる基であって、これは
硫黄、酸素またはNRを表わす(Rは水素または有機基で
ある)。前記窒素原子ならびにX1およびX2はAr4の芳香
族炭素原子に結合されたものであり、各ヘテロ環のNと
X1またはX2とは互いにオルトの位置関係で存在するもの
である。Y2は基を表わさず(すなわち−(Y)−)、
もしくはY2は2価有機基を表わすが、これは既述の式
(XXXI)で定義されるものである。m/m+m′は当該ブ
ロックポリマー中に存在する当該反覆ユニットのモル割
合(モル量)を表わし、yは当該ブロックポリマー中の
当該逐次反覆ユニットの平均個数を表わす。nは正の整
数である。
上式においてAr3は芳香族基を表わし、ただしこれは
既述の式(XXII)によって定義されるものである。X3
硫黄、酸素またはNRである(Rは水素または有機基であ
る)。前記窒素原子およびX3はAr3の芳香族炭素原子に
結合されたものであり、各ヘテロ環のNおよびX3は互い
にオルトの位置関係で存在するものである。pは当該ブ
ロックポリマー中に存在する当該反覆ユニットのモル割
合(モル量)を表わし、y′/2は当該ブロックポリマー
中に存在する当該逐次反覆ユニットの平均個数を表わ
す。Ar1は芳香族基を表わし、ただしこれは既述の式(X
XXII)で定義されるものである。Ar4は別の芳香族基を
表わすが、これは既述の式(XXIII)で定義されるもの
である。前記窒素原子はAr1に結合しており、前記炭素
原子はAr4に結合したものである。qは当該ブロックポ
リマー中に存在する当該反覆ユニットのモル割合(モル
量)を表わす。yは当該コポリマー中に存在する当該逐
次反覆ユニットの平均個数を表わす。nは正の整数であ
る。
上式において、Ar4は芳香族基を表わし、ただしこれ
は既述の式(XXIII)で定義されるものである。Ar1は芳
香族基を表わすが、これは既述の式(XXXII)で定義さ
れるものである。Ar5は、Ar4およびAr1とは異なる芳香
族基を表わし、しかしてこれは既述の式(XXIV)で定義
されるものである。前記炭素原子はAr4およびAr5に結合
しており、前記窒素原子はAr1およびAr5に結合したもの
である。nは正の整数である。
ckm′/m+m′は当該ブロックポリマー中に存在する
当該反覆ユニットのモル割合(モル量)を表わす。yk
当該ブロックポリマー中に存在する当該逐次反覆ユニッ
トの平均個数を表わす。aibjm′/m+m′は当該ブロッ
クポリマー中に存在する当該反覆ユニットのモル割合を
表わす。yijは前記ブロックポリマー中に存在する当該
逐次反覆ユニットの平均個数を表わす。nは正の整数で
ある。
上式において、Ar1は芳香族基であって、既述の式(X
XX)で定義されるものである。Ar6は別の芳香族基であ
って、既述の式(XXV)で定義されるものである。X1
よびX2は互いに同一または相異なる基であって、これは
硫黄、酸素またはNRである(Rは水素または有機基であ
る)。前記のNHならびにX1およびX2はAr6およびAr1の芳
香族炭素原子に結合しており、各ヘテロ環のNHとX1また
はX2とは互いにオルトの位置関係で存在するものである
aibjは当該ブロックポリマー中に存在する反覆ユニット
のモル割合を表わし、yijは当該ブロックポリマー中に
存在する逐次反覆ユニットの平均個数を表わす。nは正
の整数である。
上式において、Ar1は芳香族基を表わし、ただしこれ
は既述の式(XXX)によって定義されるものである。Ar6
は別の芳香族基を表わし、しかしてこれは既述の式(XX
V)によって定義されるものである。X1およびX2は互い
に同一または相異なる基であって、これは硫黄、酸素ま
たはNRを表わす(Rは水素または有機基である)。前記
NH基ならびにX1およびX2はAr6およびAr1の芳香族炭素原
子に結合されたものである。各ヘテロ環のNHとX1または
X2とは互いにオルトの位置関係で存在するものである。
aibjm/m+m′は当該ブロックポリマー中の当該反覆ユ
ニットのモル割合(モル量)を表わし、yijは当該ブロ
ックポリマー中の当該逐次反覆ユニットの平均個数を表
わす。Ar9は、Ar6およびAr1とは別異の芳香族基を表わ
し、ただしこれは既述の式(XXVI)によって定義される
ものである。X4は硫黄、酸素またはNRである(Rは水素
または有機基である)。前記NH基およびX4はAr6およびA
r9の芳香族炭素原子に結合されたものである。ckm′/m
+m′は当該ブロックポリマー中に存在する当該反覆ユ
ニットのモル割合(モル量)を表わし、ykは当該ブロッ
クポリマー中に存在する当該逐次反覆ユニットの平均個
数を表わし、nは正の整数である。
上式においてAr1は芳香族基を表わし、ただしこれは
既述の式(XXXII)によって定義されるものである。Y7
は芳香族基またはヘテロ芳香族基を表わし、しかしてこ
れは既述の式(XXXVIII)によって定義されるものであ
る。前記窒素原子類はAr1中の芳香族炭素原子およびY7
中の隣りの炭素原子に結合したものである。aijは当該
ブロックポリマー中に存在する当該反覆ユニットのモル
割合(モル量)を表わし、yijは当該ブロックポリマー
中に存在する当該逐次反覆ユニットの平均個数を表わ
し、nは正の整数である。
本発明方法に従った式(IX)−(XIX)のブロックポ
リマーの合成反応は、下記の一般的反応式で表わすこと
ができる。
反応機構 式(IX)のブロックポリマーの生成 式(X)のブロックポリマーの生成 式(XI)のブロックポリマーの生成 式(XII)のブロックポリマーの生成 式(XIII)のブロックポリマーの生成 および 式(XIV)のブロックポリマーの生成 および 式(XV)のブロックポリマーの生成 式(XVI)のブロックポリマーの生成 式(XVII)のブロックポリマーの生成 式(XVIII)のブロックポリマーの生成 式(XIX)のブロックポリマーの生成 式(IX),(XII),(XVI),(XVIII),(XIX)を
有するブロックポリマー組成物は、既述の製法に従って
次の操作を行うことによって製造できる。
(a)酸化防止用の保護原子または保護基を有するかま
たは有しない所定の第1モノマーを、比較的低い五酸化
燐含量を有する予備燐酸溶媒(“予備溶媒”と称する)
と混合する: (b)その結果得られた混合物を加熱し、かつ任意的に
減圧下に保つことによって、そこに存在していた保護原
子または保護基を揮発させて除去して、第1モノマーを
前記予備溶媒中に含んでなる溶液を得る: (c)前記の工程(b)において得られた溶液に、所定
の少なくとも1種の第2モノマーを添加することによっ
て、第1−および第2モノマーを前記予備溶媒中に含ん
でなる混合物を形成させる: (d)前記の工程(c)において得られた混合物に対
し、其後にその五酸化燐含量を増加させる操作を行い、
これによって、より高い五酸化燐含量を有し重合反応に
適した第1−および第2モノマー反応溶媒を得る: (e)所定の重合反応を所定の速度で充分実施し得るよ
うな温度において、第1−および第2モノマーの重合反
応を起させることによって、所定の固有粘度を有する第
1ホモ−オリゴマー生成物を生成させる: (f)第1ホモ−オリゴマー生成物の所定量を、所定の
少なくとも1種の第2ホモ−オリゴマー生成物の所定量
と混合して第1ポリ−オリゴマー生成物を生成させる
〔前記の第2ホモ−オリゴマー生成物は、前記の工程
(a),(b),(c),(d),(e)と同様な工程
を経て作られたものである。ただし、この場合の全般的
な条件として、第2ホモ−オリゴマー生成物を形成する
ために工程(a)または(c)で使用される所定のモノ
マーの少なくとも1種は、第1ホモ−オリゴマー生成物
を生成させるために工程(a)または(c)で使用され
る所定のモノマーの少なくとも1種とは別異のものであ
るべきである: (g)所定の重合反応を所定の速度で充分実施し得るよ
うな温度において、前記ポリ−オリゴマー生成物の重合
反応を起させることによって、所定の固有粘度を有する
第1ブロックオリゴマー生成物もしくは第1ブロックポ
リマー生成物を生成させる。
あるいは、式(IX),(XII),(XVI),(XVII
I),(XIX)のブロックポリマー組成物を次の操作によ
って製造することも可能である。
(a)酸化防止用の保護原子または保護基を有するかま
たは有しない所定の第1モノマーを、比較的低い五酸化
燐含量を有する予備燐酸溶媒と混合する: (b)その結果得られた混合物を加熱し、かつ任意的に
減圧下に保つことによって、そこに存在していた保護原
子または保護基を揮発させて除去して、第1モノマーを
前記予備溶媒中に含んでなる溶液を得る: (c)前記の工程(b)で得られた溶液に、所定の少な
くとも1種の第2モノマーを添加することによって、第
1−および第2モノマーを前記予備溶媒中に含んでなる
第1混合物を作成させる: (d)前記の工程(c)において得られた混合物(液状
混合物)に対し、其後にその五酸化燐含量を増加させる
操作を行い、これによって、より高い五酸化燐含量を有
し重合反応にした第1−および第2モノマー反応溶媒を
得る: (e)所定の重合反応を所定の速度で充分実施し得るよ
うな温度において、第1−および第2モノマーの重合反
応を起させることによって、所定の固有粘度を有する第
1ホモ−オリゴマー生成物を生成させる: (f)所定量の前記第1ホモ−オリゴマー生成物を、
“別の第1−および第2モノマーを前記予備溶媒中に含
んでなる第2混合物の所定量”と混合して:しかしてこ
の第2混合物は、前記の工程(a),(b)および
(c)と類似の工程を実施することによって作られたも
のであり:ただし、この場合の全体的な条件として、第
2混合物を作るために工程(a)または(c)で使用さ
れる所定のモノマーの少なくとも1種は、第1ホモ−オ
リゴマー生成物を作るために前記の工程(a)または
(c)で使用される所定のモノマーの少なくとも1種と
は別異のものであるべきである: (g)前記の工程(f)において得られた混合物に対
し、其後にその五酸化燐含量を増加させる操作を行い、
これによって、より高い五酸化燐含量を有し重合反応に
適した第1オリゴマー−モノマー反応媒質を得る: (h)所定の重合反応を所定の速度で充分実施し得るよ
うな温度において、前記混合物〔すなわち、工程(g)
で得られた混合物〕の重合反応を起させることによっ
て、所定の固有粘度を有する第1ブロックオリゴマー生
成物もしくは第1ブロックポリマー生成物を生成させ
る。
本発明の液晶質ブロックポリマー組成物を形成し得る
前記のブロックポリマー(IX)−(XIX)は次の特徴を
有し、すなわちこれは1より多くの反覆ユニットを有
し、そしてその分布状態すなわち配列順序(sequencin
g)は、モノマーのランダムな縮合反応によって得られ
た前記コポリマーの如きポリマー物質における反覆ユニ
ットの配列順序と異なるものであり得る。このブロック
ポリマーのもう1つの特徴は、オリゴマーのランダムな
縮合反応によって得られたポリマー物質の場合と同様
に、同一反覆ユニットから構成された連続ブロック(co
ntinuos blocks)を有することである。
好ましい式(IX),(XII),(XVI),(XVIII),
(XIX)のブロックポリマーは、次の条件をみたすブロ
ックポリマーであって、すなわちこの場合にはaibjが、
タイプ1のi番目のモノマーから導かれたホモ−オリゴ
マー反応生成物(これの定義は後で述べる)と、化学量
論量のタイプ2,4,6,7または8のそれぞれのj番目のモ
ノマーとの縮合反応によって生成しそして後記のブロッ
クポリマーの製法によってブロックポリマー中に入れら
れた反覆ユニットのモル分率である。yijおよびnは、
既述のコポリマーの場合に述べた意味と同じ意味を有す
る。
好ましいブロックポリマー(XI)は、次の条件をみた
すものでありすなわちこの場合のckは、k番目のタイプ
3のモノマーから導かれたホモ−オリゴマー反応生成物
(これの定義は後で示す)の縮合反応により形成されそ
して後記のブロックポリマーの製法によってブロックポ
リマー中に入れられた反覆ユニットのモル分率である。
ykおよびnは、前記のコポリマーの場合に述べた意味と
同じ意味を有する。
好ましいブロックポリマー(X),(XV),(XVII)
は、次の条件をみたすものであり、すなわちこの場合の
aibjm/m+m′は、“i番目のタイプ1のモノマーおよ
びj番目のタイプ2,4または6のモノマーから導かれた
ホモ−オリゴマー反応生成物からなる反覆ユニットmモ
ル”と、それに組合わされた“k番目のタイプ3,5また
は9のモノマーの縮合反応によって得られたホモ−オリ
ゴマー反応生成物からなる反覆ユニットm′モル”との
縮合反応により生じた反覆ユニットのモル分率である。
yijおよび1/kは、前記のコポリマーの説明のところで述
べた意味と同じ意味を有する。
好ましいブロックポリマー(XIII)は、次の条件をみ
たすものであり、すなわちこの場合のm′およびmは、
反応生成物を形成するためのモノマー類のそれぞれの適
切なモル量であり、そしてこのモル量は、それらに対応
する反覆ユニット類が所定のモル比で所定量得られるよ
うに選択される。y′およびyは既述の如く定義された
ブロック長であり、nは反覆ユニットの全数であり、x
はm′より実質的に少ないモル量であり、すなわちx
は、θ−ジアミン官能基で末端部がキャップされた(en
d−capped)第1ホモ−オリゴマーからなる適切なブロ
ック長を有するブロックを形成させるために選ばれた値
(モル量)を有する。
好ましいブロックポリマー(XIV)は、次の条件をみ
たすものであり、すなわちこの場合のm′,m,x,n,y,y′
は既述の意味を有し、qはm′/m+m′に等しい値であ
り、pはm/2(m+m′)に等しい値である。
所定のモル量(m)のタイプ1のモノマーを、五酸化
燐含量が約63−78%、好ましくは約68%より大きく、最
も好ましくは約78%である燐酸と混合することができ
る。保護基が存在する場合には、これは既述の場合と同
様に除去できる。燐酸の量は既述の式(a*)を用いて決
定するのが最も望ましい。その結果得られた溶液に、其
後に化学量論量(すなわちm)のタイプ2,4,6,7または
8のモノマーが添加できる。かくして得られた混合物の
五酸化燐含量を其後に既述の式(b*)に従って増加さ
せ、これによって、“実質的に重合した混合物の最終五
酸化燐含量は約81%以上、最も好ましくは約82%−83.5
%、ただし約84%以下である”という条件をみたす五酸
化燐含量にすることができる。その結果得られた混合物
は、実際に操作可能な加熱時間内に、好ましくは約1時
間以内または約1−5時間以内に、最も好ましくは約1
−3時間以内に約100−185℃、最も好ましくは約170−1
85℃に加熱できる。そしてこの温度を、所定のn値に到
達させるに充分な時間保つ。このn値は、後の文節にお
いて“ホモ−オリゴマーのn値”として記載されるもの
であり、すなわちこれは、後の文節で個々の場合の説明
のときに記載される所定の最低値より上の値であって、
この値の特徴は、次式 1/2(1−p) で表わされることである。ここにpは反応到達速度(ex
tent)を表わす値であり、すなわちpは、そこに存在し
ていて縮合反応に供されるいずれかのタイプの官能基の
モル分率として定義される値であり、しかしてpは、完
全重合の際の特定の値すなわち“所定の最高値”よりも
下の値であることが好ましい。
得られたホモ−オリゴマー反応生成物の所定のモル量
(mij)を第2容器に移す。ただしこの第2容器は、
“上記反応生成物の場合と同様な製法で得られるが別異
の構造を有するホモ−オリゴマー反応生成物の所定のモ
ル量(mij)”が既に入れてあったものである。この第
2容器を高温に加熱する操作を続けるのである。
本発明の組成物中のブロックポリマーの平均ブロック
長(yij)は次の方法によって測定できる。第1モノマ
ーaiモルを第2モノマーの等モル量(bj)に添加するこ
とによって、ij番目のオリゴマー反応生成物が製造され
る。すべてのaiまたはbjの合計量は1である。この混合
物を、所定の反応中間到達点pijまで重合させる。ij番
目のオリゴマー反応生成物のn値であるnijは、式1/2
(1−pij)によって算出できる。ブロックポリマー中
の入った反覆ユニットのモル割合は次式で表わされる。
ブロック長(yij)は次式で算出できる。
ただし上記の場合は、複数種のホモ−オリゴマーが互い
に等しい反応度で縮合するという仮定を含んでいる。y
ijに関する前記の式から明らかなように、2種のホモ−
オリゴマー反応生成物のうちのいずれかが高変換率で重
合した場合には(すなわち、混合前に高いnij値に到達
させるようにした場合には)、その結果得られるブロッ
クポリマー中の両方のブロックのブロック長は、大きい
値になるであろう。
本発明に係る一般式(IX),(XII),(XVI),(XV
III),(XIX)を有するブロックポリマーを含む新規な
液晶質組成物を製造する方法の1例として、一般式(I
X)のブロックポリマーを含有する組成物の製法につい
て説明する。この場合には、所定の第1ホモ−オリゴマ
ーはタイプ1およびタイプ2のモノマーから製造でき
る。
これはさらに、グループ1に属するものとして分類され
る。所定の第2ホモ−オリゴマーの特徴は、これがグル
ープ1、グループ2またはグループ3のいずれかに属す
るものであることである。
一般式(IX)のブロックポリマーは、グループ1のモ
ノマーのみから導かれたホモ−オリゴマーから製造でき
る。このブロックポリマーの若干の具体例の化学式を以
下に示す。
これらのブロックポリマーは、グループ1のモノマー
のみから作られた既述のコポリマーの場合と同様に、操
作可能濃度範囲が広いという利点を有する。前記のブロ
ックポリマーの製法に従ってこれらのブロックポリマー
を製造する場合に認められる該製法の利点は、対応する
ホモ−オリゴマーの反応到達度を適切な値に選定するこ
とによって、y11とy12またはy21またはy22との値を、モ
ル割合の値(a1b1またはa2b2またはa2b1またはa1b2)と
は実質的に無関係に種々変えることができることであ
る。たとえばa1b1が広い範囲内の種々の値であるとき
に、反応到達度(p11)の値を増加させる(これに伴っ
てa1b1値が減少する)ことによって、y11は20またはそ
れ以上の値にすることができる。前記の式のブロックポ
リマーにおいては、p11およびp12,p21またはp22の値を
適切に選定することによって、y12,y21またはy22の値
を約1−75、最も好ましくは約25−50にすることができ
る。実際には、このグループに属するブロックポリマー
中のすべての反覆ユニットは高度のメソゲニシチイを有
するものであるから、このグループのブロックポリマー
は、n値が約40以上であるときに、約6重量%以上の濃
度において液晶質の性質を表わし、しかしてこのことは
“形成されたブロックのブロック長”とは無関係であ
る。本発明に係るグループ1のブロックポリマーに関す
る具体的な説明は後記の実施例75−84に記載されてい
る。
一般式(IX)のブロックポリマーは、グループ1の第
1ホモ−オリゴマーと、グループ2のモノマーを含む
“1対またはそれ以上のモノマー”から導かれた第2ホ
モ−オリゴマーとから製造できる。このブロックポリマ
ーの具体例の化学式を以下に示す。
これらのブロックポリマーは、メソゲニシチイの相異
なる複数のホモ−オリゴマーから導かれたものである。
a1b1(より高度のメソゲン性を有する第1反覆ユニット
のモル割合)および好適なy11(より高度のメソゲン性
を有する第1反覆ユニットの平均ブロック長)は、以下
の事項を考慮して選定され得る。その第1の場合につい
て述べれば、この場合のブロックポリマー反応生成物
は、y11が約30以上、一層好ましくは約40以上であると
きにかつ、第1反覆ユニットの単独の濃度〔すなわち、
“第1オリゴマーの添加量(重量)/最終ブロックポリ
マー反応生成物の重量”〕が約7重量%以上であるとき
に、該第1反覆ユニットの存在が液晶的性質の唯一の根
源となって液晶質挙動をなし得るものである。第2の場
合は、このブロックポリマー反応生成物が両方の種類の
反覆ユニットの存在のために(y11とは無関係に)或濃
度より上の濃度において液晶質の挙動をなし得るという
場合である。なお、上記の“或濃度”は、第2ホモ−オ
リゴマーから導かれた中程度のメソゲン性を有する反覆
ユニットがそれのみで液晶的性質の根源となって、当該
ポリマーが該性質を示すような濃度を意味する。a1b1
好ましい値は約0.4−1であり、しかしてa1b1の値が0.4
から1に変化するにつれて、y11は約80から約20に変化
するであろう。これらのブロックポリマーの最も好まし
い濃度は約15重量%より上の値であるが、a1b1またはy
11のいずれかがまたはその両者の値が増大したときには
該濃度値は比較的低い値であり得る。これらの組成物に
おいて好適なn値は約50−150、最も好ましくは100より
上の値である。充分高いn値を得るために次の操作を行
うことができる。すなわち、五酸化燐含量を、重量反応
のために必要な値に上昇させる前に(すなわちp12また
はp21が0でありn12またはn21=1/2であるときに)、第
2ホモ−オリゴマー反応生成物を添加し、其後に適量の
五酸化燐を添加して当該混合物の五酸化燐含量を充分高
い値に上げることが、n値の上昇を助けるであろう。こ
の操作を行うと混合が行い易くなる。また、第1ホモ−
オリゴマーにおける“ホモ−オリゴマーのn値”すなわ
ちn11値が大きい値であるときに、この操作が最も好ま
しいものである。本発明に従ってグループ2のブロック
ポリマーを製造する方法の実施例は、後記の実施例85−
88に記載されている。
一般式(IX)のブロックポリマーは、グループ1の第
1ホモ−オリゴマーと、グループ3のモノマーを含む1
対またはそれ以上のモノマーから導かれた第2ホモ−オ
リゴマーとから製造できる。これらのブロックポリマー
の具体例の化学式を以下に示す。
これらのブロックポリマーの液晶的挙動は、第1反覆
ユニットの存在、その平均ブロック長(y11)およびそ
の存在濃度(最終ブロックポリマー反応生成物の全重量
基準)がその原因となって、かつこれらの値に左右され
て現われるものであると思われる。したがって、a1b1
y11の値ならびに前記濃度は、グループ2のモノマーを
含有するブロックポリマーの説明のところで述べた“第
1の場合の条件”をみたすものでなければならない。本
発明方法に従えば、液晶的挙動を表わすのに必要なポリ
マー濃度よりも実質的に高いポリマー濃度を有する反応
生成物、すなわち、メソゲン性を有するユニットを高濃
度で含む混合物(生成物)が製造できるのである。換言
すれば、上記の条件がみたされた場合には、かなりの量
の非メソゲン性ユニットを入れることが可能である。
好ましいa1b1値は約0.6−1である。好ましいy11値は
約30−100、一層好ましくは約50−100である。y12また
はy21の好ましい値は約1−50である。好ましいn値は
約50−200、最も好ましくは約100−150である。ブロッ
クポリマーの所定の濃度として、約15%以上の値を選択
するのが好ましく、そしてこのことは特に、非メソゲン
性反覆ユニットの存在比率が大きい場合に重要な条件で
ある。本発明に従ってグループ3のモノマーを含むブロ
ックポリマーを製造する操作の具体例は、後記の実施例
73,74,89−94に記載されている。
本発明に従って一般式(X),(XV),(XVII)のブ
ロックポリマーを含有する新規な液晶質組成物を製造す
る操作の1例として、式(X)のブロックポリマーの製
造操作についてここで述べる。この場合には、所定の第
1ホモ−オリゴマーをタイプ(1,1)およびタイプ(2,
1)のモノマーから製造し、所定の第2ホモ−オリゴマ
ーはタイプ(3,2)のモノマーから製造する。
上記に示された一般式(X),(XV),(XVII)の液
晶質のブロックポリマーの組成物は、次の操作を行うこ
とによって製造できる。
(a)酸化防止用の保護原子または保護基を有するかま
たは有しない所定の第1モノマーを、比較的低い五酸化
燐含量を有する予備燐酸溶媒と混合する; (b)その結果得られた混合物を加熱し、かつ任意的に
減圧下に保つことによって、そこに存在していた保護原
子または保護基を揮発させて除去し、そして第1モノマ
ーを前記予備溶媒中に含んでなる溶液を得る; (c)前記の工程(b)において得られた混合物(液状
混合物)に対し、其後にその五酸化燐含量を増加させる
操作を行い、これによって、より高い五酸化燐含量を有
し重合反覆に適した第1モノマー反応媒質を得る; (d)所定の重合反応を所定の速度で充分実施し得るよ
うな温度において、第1モノマーの重合反応を起させる
ことによって、所定の固有粘度を有する第1ホモ−オリ
ゴマー生成物を生成させる; (e)所定量の第1ホモ−オリゴマー生成物を、所定の
少なくとも1種の第2ホモ−オリゴマー生成物の所定量
と混合することによって第1ポリ−オリゴマー生成物を
生成させる;ただし前記の第2ホモ−オリゴマー生成物
は、前記の工程(a)および(b)と類似の工程を実施
した後に下記の工程を実施することによって作られたも
のである; (1e)前記の工程(b)で得られた溶液に所定の少なく
とも1種の第2モノマーを添加することによって、第1
−および第2モノマーを前記予備溶媒中に含んでなる混
合物を生成させる; (2e)前記の工程(1e)において得られた混合物(溶
液)に対し、其後にその五酸化燐含量を増加させる操作
を行い、これによって、より高い五酸化燐含量を有し重
合反応に適した第1−および第2モノマー反応媒質を得
る; (3e)所定の重合反応を所定の速度で充分実施し得るよ
うな温度において、第1−および第2モノマーの重量反
応を起させることによって、所定の固有粘度を有する前
記の第2ホモ−オリゴマー生成物を生成させる;ただ
し、この場合の全体的な条件として、第2ホモ−オリゴ
マー生成物を作るために工程(a)または(1e)で使用
される所定のモノマーの少なくとも1種は、第1ホモ−
オリゴマー生成物を作るために前記の工程(a)で使用
される所定のモノマーの少なくとも1種とは別異のもの
であるべきである; (f)所定の重合反応を所定の速度で充分実施し得るよ
うな温度において、前記ポリ−オリゴマー生成物の重合
反応を起させることによって、所定の固有粘度を有する
第1ブロックオリゴマー生成物もしくは第1ブロックポ
リマー生成物を生成させる。
あるいは、一般式(X),(XV),(XVII)の液晶質
ブロックポリマーの組成物を次の操作によって製造する
ことも可能である。
(a)酸化防止用の保護原子または保護基を有するかま
たは有しない所定の第1モノマーを、比較的低い五酸化
燐含量を有する予備燐酸溶媒と混合する; (b)その結果得られた混合物を加熱し、かつ任意的に
減圧下に保つことによって、そこに存在していた保護原
子または揮発基を揮発させて除去し、そして第1モノマ
ーを前記予備溶媒中に含んでなる溶液を得る; (c)前記の工程(b)で得られた溶液の所定量に、所
定の少なくとも1種の第1ホモ−オリゴマー生成物の所
定量を混合することによって、第1オリゴマー−第1モ
ノマー反応媒質を作る;ただし前記の第1ホモ−オリゴ
マー生成物は、前記の工程(a)および(b)と類似の
工程を実施した後に下記の工程を実施することによって
作られたものである; (1c)前記の工程(b)で得られた溶液に所定の少なく
とも1種の第2モノマーを添加することによって、第1
−および第2モノマーを前記予備溶媒中に含んでなる混
合物を生成させる; (2c)前記の工程(1c)において得られた混合物(溶状
混合物)に対し、其後にその五酸化燐含量を増加させる
操作を行い、これによって、より高い五酸化燐含量を有
し重合反応に適した第1−および第2のモノマー反応媒
質を得る; (3c)所定の重合反応を所定の速度で充分実施し得るよ
うな温度において、第1−および第2モノマーの重合反
応を起させることによって、所定の固有粘度を有する前
記の第1ホモ−オリゴマー生成物を生成させる;ただ
し、この場合の全体的な条件として、第1モノマー溶液
を作るために工程(a)または(1c)で使用されるべき
所定のモノマーの少なくとも1種は、第1ホモ−オリゴ
マー生成物を作るために前記の工程(a)で使用された
所定のモノマーの少なくとも1種とは別異のものである
べきである; (d)前記の工程(c)において得られた混合物に対
し、其後にその五酸化燐含量を増加させる操作を行い、
これによって、より高い五酸化燐含量を有し重合反応に
適した反応媒質を得る; (e)所定の重合反応を所定の速度で充分実施し得るよ
うな温度において、第1オリゴマー−モノマー反応体の
重合反応を起させることによって、所定の固有粘度を有
する第1ブロック−オリゴマー生成物もしくは第1ブロ
ックポリマー生成物を生成させる。
一般式(X)のブロックポリマーは、グループ1の第
1ホモ−オリゴマーとタイプ(3,2)の第2ホモ−オリ
ゴマーとから製造できる。タイプ(X)のブロックポリ
マーは、既述のタイプ(IX)のブロックポリマーの製法
と同様な方法によって製造できるが、ただしこの場合に
は、第2ホモ−オリゴマーは単一モノマーから調製され
る。このブロックポリマーの具体例を以下に化学式で示
す。
これらのブロックポリマーにおいて、濃度値が約15重
量%以上の値に選定された場合には、第1反覆ユニット
のモル割合(ab1m/m+m′)は約0−0.5であることが
好ましい。a1b1m/m+m′の値を約0.5以上、ただし1よ
りも小さい値に選定した場合には、操作可能濃度範囲
が、“濃度7重量%好ましくは10重量%”を包含する範
囲にまで広がる。約15重量%以上の濃度では、y11値お
よびy1値をすべて約5以上の値に選定した場合に液晶質
生成物が得られる。ただし、所望の機械的性質を有する
ブロックポリマーを得るために、nは約50%以上好まし
くは約100以上の値でなければならない。
本発明に従ってこのグループのブロックポリマーを製
造する操作の具体例は、後記の実施例102−112に記載さ
れている。
一般式(X)のブロックポリマーは、グループ2の第
1ホモ−オリゴマーとタイプ(3,2)の第2ホモ−オリ
ゴマーとから製造できる。このブロックポリマーの具体
例の化学式を以下に示す。
このブロックポリマーはグループ2の2種のホモ−オ
リゴマーから製造される。濃度は約15重量%以上になる
ように選択される。種々の反覆ユニットのモル割合は、
相互に溶解度の異なる2種の反覆ユニットに基因するブ
ロックポリマーの溶解度を所定の値に保つことを考慮に
入れて、あるいはブロックポリマーが有すべき所望機械
的性質を考慮して、適宜選定され得る。y1の値は約5−
50であることが好ましく、30より大なる値であることが
一層好ましい。本発明に従ってこのグループのブロック
ポリマーを製造する操作の具体例は、後記の実施例113
−115に記載されている。
本発明に従って一般式(XI)のブロックポリマーをタ
イプ(3,2)の単純モノマーから製造する操作の概要を
以下に示す。
前記の一般式(XI)の液晶質ブロックポリマーを含む
組成物は、たとえば次の操作を行うことによって製造で
きる。
(a)酸化防止用の保護原子または保護基を有するかま
たは有しない所定の第1モノマーを、比較的低い五酸化
燐含量を有する予備燐酸溶媒と混合する; (b)その結果得られた混合物を加熱し、かつ任意的に
減圧下に保つことによって、そこに存在していた保護原
子または保護基を揮発させて除去し、そして第1モノマ
ーを前記予備溶媒中に含んでなる溶液を得る; (c)前記の工程(b)において得られた混合物(溶
液)に対し、其後にその五酸化燐含量を増加させる操作
を行い、これによって、より高い五酸化燐含量を有し重
合反応に適した第1モノマー反応媒質を得る; (d)所定の重合反応を所定の速度で充分実施し得るよ
うな温度において、第1モノマーの重合反応を起させる
ことによって、所定の固有粘度を有する第1ホモ−オリ
ゴマー生成物を生成させる; (e)所定量の第1ホモ
−オリゴマー生成物を、所定の少なくとも1種の第2ホ
モ−オリゴマー生成物の所定量と混合することによって
第1ポリ−オリゴマー生成物を生成させる;ただし前記
の第2ホモ−オリゴマー生成物は、前記の工程(a),
(b),(c),および(d)と類似の工程を実施する
ことによって作られたものである;ただし、この場合の
全体的な条件として、第2ホモ−オリゴマー生成物を作
るために工程(a)で使用される所定のモノマーの少な
くとも1種は、第1ホモ−オリゴマー生成物を作るため
に前記の工程(a)で使用される所定のモノマーの少な
くとも1種とは別異のものであるべきである; (f)所定の重合反応を所定の速度で充分実施し得るよ
うな温度において、前記ポリ−オリゴマー生成物の重合
反応を起させることによって、所定の固有粘度を有する
第1ブロック−オリゴマー生成物もしくは第1ブロック
ポリマー生成物を生成させる。
次式 のブロックポリマーでは、c1値は0.5−1であることが
好ましい。なぜならばこの第1反覆ユニットが比較的大
きい溶解度およびメソゲニシチイを有するものであるか
らである。y1値は約25以上ただし約100以下であること
が好ましい。なぜならば既述の如くメソゲニシチイが比
較的大であるからである。濃度は約15%以上、一層好ま
しくは約18%以上、最も好ましくは20%程度に選定され
る。このブロックポリマーを製造するための本発明方法
の具体例は、後記の実施例98−101に記載されている。
本発明方法においては、既述のホモ−オリゴマー反応
生成物の代りにコ−オリゴマー反応生成物を用いて縮合
反応を行うことによってブロックポリマーを作ることも
可能であるが、記載の簡略化のためにその詳細な説明は
省略する。
固有粘度 固有粘度は、30℃においてメタンスルホン酸中で測定
されたηre1−1/Cおよび1nηre1/Cの値を濃度0の位置
まで外挿することによって算出できる。
本組成物の異方性 本発明に係る前記の伸長鎖含有ポリマーは光学的異方
性を有するものであり、すなわち、この伸長鎖含有組成
物は顕微鏡的微小区域において複屈折を示す。伸長鎖含
有組成物のバルク試料は平面偏光を減極させる(depola
rize)。なぜならばこの伸長鎖含有組成物の顕微鏡的微
小区域の光線透過性は方向によって種々変わるからであ
る。この伸長鎖含有ポリマー組成物の少なくとも一部は
液晶状態すなわちメソモルフ状態で存在するために、そ
れに伴って前記の特異性が認められるのである。
本発明に係る光学的異方性を有する伸長鎖含有ポリマ
ー組成物は、この伸長鎖含有ポリマー組成物が非緊張状
態(緊張緩和状態)にあるときにも光学的異方性を表わ
す。この性質は通常のポリマー溶液の性質と大きく異な
っている。通常のポリマー溶液は、これに適度のせんだ
ん力が与えられたときにのみ平面偏光を消極させる性質
を示し得るものである。
本発明の組成物における伸長鎖含有ポリマー濃度は
“臨界濃度点”より上の値である。この“臨界濃度点”
は、普通の濃度・粘度測定技術を用いて簡単に測定でき
る〔米国特許第3,671,542号明細書(Kwolek)参照〕。
この伸長鎖含有ポリマー組成物の液晶的性質を測定す
るためのもう1つの定性的測定法は、肉眼で観察するこ
とである。この伸長鎖含有ポリマー組成物は濁った外観
またはもやのかかったような外観を有するが、不溶解固
体は全くまたは実質的に含んでいない。この伸長鎖含有
ポリマー組成物を含む容器を振とうまたは回転させるか
または単にゆるやかに攪拌することによってこの伸長鎖
含有ポリマーを動揺させて通常の反射光のもとで見る
と、サテンのような光輝が認められ、しかしてこれは前
記動揺が止まった後でさえ認められ、そして其後に該光
輝の強度が減じていく。この現象は、本発明の伸長鎖含
有ポリマー組成物の真珠光または乳光(オパール光)特
性として以下に記載されるであろう。この組成物を上記
の如くして動揺させたときにこれはその表面に筋線およ
び/または粒状構造を有する外観を示すことが多い。こ
の視覚的効果は、本発明の液晶質の伸長鎖含有ポリマー
組成物において認められるものである。これは一般に
“撹拌時の乳化特性”と称することができる。光学的異
方性の定性的および定量的測定方法の詳細は、米国特許
第3,671,542号明細書(Kwolek)に記載されている。
繊維の製造 この液晶質組成物を適切な浴の中に吐出させることに
よって高品質繊維が製造できる。しかしてこの場合に
は、湿式紡糸技術または空中吐出湿式紡糸技術に従っ
て、耐強酸性材料から構成された紡糸口金を有する装置
または他の装置を用いて紡糸操作が実施できる。公知の
空中吐出湿式紡糸技術によれば、一般に紡糸口金は、凝
固浴の浴面から短かい距離(たとえば1−24cm)をへだ
てた上方の位置(空気中または不活性ガス媒質中)に配
置される。
しかしながら本発明に適したエアギャップの長さは約
1cm以下、約1−150cmまたはそれ以上であってよく、好
ましくは約2−300cm、一層好ましくは約10−200cm、最
も好ましくは約10−100cmである。
本発明においては、初期伸長比(延伸比)は約1:1な
いし50:1またはそれ以上である。好ましくは初期伸長比
は約20:1ないし80:1、一層好ましくは約60:1ないし200:
1、最も好ましくは約100:1ないし150:1である。
用語“伸長比”(ドロー比)は、周知の如く繊維物質
の配向のときの伸長の度合を示す用語である。本発明で
は、初期伸長比は、押出オリフィスと凝固浴の出口との
間で起る“フィライメントの伸長”の度合を示す値であ
る。すなわち初期伸長比は、吐出速度(exit velocit
y)をジェット速度(jet speed)で割った値として定義
されるものである。
ジェット速度は、押出されたポリマーが押出オリフィ
スを出るときの速度である。これは、全ポリマー押出速
度を押出オリフィスの全表面積で割ることによって算出
するのが便利である。
出口速度は、フィライメントが凝固浴を去るときの速
度を意味する。任意の測定手段が使用できるけれども、
このフィライメントが該浴の出口から出た後にロールに
巻取られるときのロールの表面速度の測定によって前記
出口速度を測定するのが便利である。この目的のため
に、たとえば洗浄ロール(wash roll)の速度を測定す
るのが好ましい。
このような一般的紡糸技術の1具体例であるポリベン
ズイミダゾール繊維の紡糸操作が、たとえば米国特許第
4,263,245号明細書(Tan)に記載されている。押出され
たドープ(ポリマー)を凝固させて繊維にするために種
々の凝固液が使用できる。この浴は水、メタノール等の
浴であってもよく、あるいは鉱酸(たとえば燐酸、硫酸
等)の水溶液の浴であってもよい。凝固浴(紡糸浴)の
温度は、室温またはそれ以下の温度であることが好まし
い。
本発明の液晶質組成物から製造された繊維試料におい
ては、そこから紡糸用溶媒を完全に除去するのが好まし
い。残存酸分の除去のために、水自体またはアルカリ性
水溶液が使用できる。便利な方法は、長い糸(threadli
ne)が凝固浴を去るときにそれにアルカリ性水溶液(た
とえば飽和重炭酸ナトリウム溶液)を噴霧し、ふきとり
手段(たとえばスポンジ)またはジェット流で糸の表面
部の液を除去し、糸の酸分含量の低下のために水および
/またはアルカリ性水溶液で洗浄し、次いで糸(繊維)
をボビン上に巻取ることからなる処理方法である。この
繊維は、酸分除去のために充分な時間にわたって水中に
浸漬できる。充分に洗浄された繊維は約110℃(以下の
温度の帯域内で、ボビン上で乾燥できる。これはまた加
熱ロール上でも有利に乾燥できる。
この液晶質組成物は押出紡糸のために特に適したもの
である。前記および他の紡糸・加工法は、J.S.Robinson
著“Spinning,Extruding and Processing of Fibers",C
hemical Technolgical ReviewNo.159,Noyes Data Cor
p.,1980に詳細に記載されている。前記の特許公報およ
び/または刊行物は参考文献としてここに引用されたも
のである。
本発明の重合体から作られた繊維は、特に、押出され
たままの状態(as−extruded state)のときでも(すな
わち、其後の熱間延伸またはアニーリングを行わなくて
も)良好な引張特性を有する。押出されたままの状態の
ときの該繊維の引張特性は、この未延伸繊維に熱処理を
行うことによってさらに改善できる。
繊維の引張特性 ここに記載された引張特性は、特に断わらない限り温
度21℃、相対湿度(R.H.)65%のもとで少なくとも16時
間調整(コンディショニング)された繊維について測定
されたものである。糸(yarn)の性質は、温度24℃、R.
H.55%のもとで少なくとも16時間調整された糸について
測定されたものである。測定はすべて、上記の繊維調整
環境下に実施され得る。
強靱性(切断時の強度)(T)、伸び(切断時の伸
び)(E)、初期モジュラス(Mi)は、単フィラメント
またはマルチフィラメント糸についてインストロン試験
機(Instron Engineering Corp.,Canton,Mass.)におい
て切断時測定試験を行うことによって測定され得る。
単フィラメントは、ゲージ長(両方の取付部の間の距
離)を1.0インチ(2.54cm)として切断時測定試験を行
う。3本のフィラメントについての測定値を平均する。
糸としては、1インチ(2.54cm)当り3回撚った撚糸
(ツイスト)を使用し(0.1g.p.d.の張力下)、ゲージ
長を10インチ(25.4cm)として切断時測定試験を行う。
すべての試料を一定の伸長速度で伸長し、試料が切断す
るまで該伸長操作を行う(すなわち、E=8%未満の繊
維については伸長度101%/分の伸長速度で伸長し、E
=8−100%の繊維については伸長度60%/分の伸長速
度で伸長する)。
単フィラメントのデニール値(d.p.f.)は、長さ7−
9cmの繊維を張力下に、振動数(周波数)を変えながら
振動させ、その関数的共鳴振動数から算出できる(ASTM
−D−1577−1973)。このフィラメントは其後に切断時
測定試験(1break)のために使用され得る。
糸のデニール値は、既知の長さの糸の重量を測定する
(0.1g.p.d.の張力下に行う)ことによって知ることが
できる。長さ90cmの糸が便利である。
ASTM−3379−75eに規定された強靱度(g/デニー
ル)、伸び(%)および初期モジュラス(g/デニール)
は、“荷重(負荷)−伸びの曲線およびデニール値(測
定値)から知ることができる。実際には、試験の開始前
に試料の測定デニール値、試験条件および試料の識別記
号等をコンピューターにインプットすることができる。
繊維が切断したときにコンピューターは繊維の荷重−伸
びの曲線を記録し、次いで繊維の諸性質(物性)の値を
算出する。
同一繊維試料においても、その単一フィラメントとし
ての性質(“フィラメントの性質”という)に関する測
定値は、マルチフィラメント糸しての性質(“糸の性
質”という)に関する測定値と異なる場合があり得る。
本明細書に記載の“性質”は、特に断わらない限りフィ
ラメントの性質である。
添加剤 本発明の組成物には、その使用目的に応じて種々の常
用添加剤が適宜配合でき、その例には染料、充填剤、配
化防止剤等があげられるが、これらの添加剤は、この組
成物から有形物品(繊維製品、成形品等)を作る前に配
合できる。
本発明の組成物の伸長鎖含有ポリマーのための溶媒で
ある鉱酸(たとえばポリ燐酸、メタンスルホン酸、100
%硫酸、クロロスルホン酸等)は、本組成物から有形物
品に加工する際の加工条件を変える目的で本組成物に少
量添加できる(この操作は、本発明の範囲を逸脱するこ
となく実施できるものである)。この強酸系添加剤は1
種またはそれ以上の酸可溶性ポリマーを含んでいてもよ
く、しかしてこのことは、たとえば米国特許第4,207,40
7号明細書(Helmimiak等)およびP.D.Sybert,“Rigid−
Rod Polyquinolines:Synthesis,Structure−Property R
elationships and High−Strength Fibers",Colorado S
tate University,ph.D.Thesis,1980に記載されている。
上記の特許および刊行物は、参考文献としてここに引用
されたものである。
4.産業上の利用可能性 この液晶質の伸長鎖含有ポリマー組成物は、紡糸操作
によって高配向性の高強度繊維を作るための原料として
特に適当である。しかしてこの繊維は他の無機または有
機製品に代わる有用な代替物である。前記の公知製品と
して種々の例があげられ、たとえばガラス繊維、アスベ
スト、硼素繊維、炭素−およびグラファイト繊維、ウイ
スカー、石英−およびシリカ繊維、セラミック繊維、合
成有機繊維があげられる。なお、“補強物”は、簡単に
いえば、樹脂系材料の強度や他の物理的性質ならびに化
学的性質の改善のために、当該樹脂マトリックス中に添
加される材料を意味する。
さらに、本発明に係る前記組成のポリマーは、工業用
熱可塑性材料の利用分野(たとえば金属代替物としての
利用分野、および高性能が要求される利用分野)におい
ても使用できる。この伸長鎖含有ポリマー組成物は高強
度フイルムの形で、複合体、ベルト、タイヤ等の製品の
ときに使用でき、たとえばタイヤコード等として使用で
きる。さらに、このフイルムはロケットのノーズコーン
や宇宙船の種々の部材の構成材料として適当である。
この伸長鎖含有繊維またはフイルムの種類(すなわち
ホモポリマー、コポリマー、ブロックポリマーまたはそ
の混合物等の種類)を適宜選択することによって、繊維
製品や成形物品の諸性質を、所望用途に適するように調
整できる。ポリマーの性質の調整は有利なことである。
なぜならば、該ポリマーの種々の利用分野、たとえばラ
ミネート、構造剤、接着剤、削摩用材料等としての種々
の利用分野の各々では、要求される性質がそれぞれかな
り異なるからである。
次に本発明の実施例を示す。比較のために、例1−5
においては低分子量(すなわち低固有粘度)および/ま
たは低ポリマー濃度のポリマー組成物の具体例を示す
(すなわり例1−5は比較例である)。
例1 6l容量のレンジフラスコに2,5−ジアミノ−1,4−ベン
ゼンジチオール・ジハイドロクロライド(1a)〔すなわ
ちモノマー(1a)〕386.76g(1.5774モル)および新た
に調製されたPPA2.98kgを入れた。このPPAは、Wolfおよ
びArnoldの方法〔“Macromolecules",Vo1.14,p.909(19
81)〕に従って製造されたものであった。
この混合物をアルゴン流のもとで室温において24時間
攪拌し、60−70℃に34時間加熱した。その結果得られた
溶液は透明であり、発泡の形跡は認められなかった。次
いでテレフタル酸(262.35g:1.5792モル)を該溶液に、
110℃において急速攪拌下に添加した。其後に、追加量
のPPA(41kg)を添加した。
この黄色の混合物を次の条件のもとで加熱した。すな
わち110−165℃に5時間、165℃に12時間、180℃に12時
間、195℃に12時間加熱した。この混合物は8時間後に
重合温度において攪拌時乳光特性をもつようになった。
反応の最初の6時間は減圧下に行い、次いで、フラス
コの壁面の所定のレベルの場所より上の場所まで該混合
物が発泡しないようにアルゴン流を流した。
くもった状態の緑色の生成物が生じたが、これは黄緑
色の乳光を発するものであった。この生成物をフラスコ
から除去し、大量の水の中に入れて沈澱させた。得られ
た銅色のポリマーを、水分が酸性を呈しなくなるまで洗
浄し、次いで減圧下に80−100℃において48時間乾燥し
た。
反応混合物の一部は瓶に入れ、紡糸性研究材料として
使用した。粘度〔η〕=30.3dL/g(MSA)。
分析値: 計算値(C14H6N2S2として)C,63.13;H,2.27;N,10.51;S,
24.08 測定値:C,62.75;H,2.346;N,10.24;S,23.22 前記の操作によって、PPA中にポリマーAInを5.6
重量%含んでなる生成物が得られた。これより高いポリ
マー濃度(10%以下)を有する重合混合物も製造され
た。この場合には、脱塩化水素操作のときにモノマー
(1a)の濃度を一層高くすることが必要であった。反応
器中で発泡を所望レベルに制御するために、アルゴン圧
のもとで間欠的冷却を反覆実施した。
同様な方法によって、PPA中にポリマーAInを比較
的低い濃度で含んでなる生成物も製造した。この場合に
は、脱塩化水素操作を完了させるための所要時間が、既
述の場合より短かかった。
例2 6l容量のフラスコにモノマー(1a)919.94g(3.7519
モル)および115%PPA約2.7kgを入れた(この115%PPA
はFMC Corp.から購入したものであったが、これをアル
ゴン雰囲気中で150℃に加熱し、減圧下に150℃に18時間
加熱し、そして使用直前に室温に冷却した)。本例にお
けるP2O5含量(%)に関する実験データーを第8図に示
す。
この粘稠な混合物を撹拌し、氷浴を24時間使用して烈
しい発泡を抑制した。
室温より上の温度に加熱できるように塩化水素を充分
除去するために、室温での攪拌をさらに5日間続けるこ
とが必要であった。80℃に18時間加熱した後に、透明か
つ粘稠な溶液が得られた。次いで、微粉状のモノマー
(2a)(622.908g;3.7454モル)および追加量の前記115
%PPA2773gを添加した。其後にこの混合物を攪拌し、14
0℃に3時間加熱し、次いで150−160℃に16時間加熱し
た。この混合物は徐々に暗色化し、光学的に等方性のも
のになったが、決してそれ以上粘くならなかった。サン
プルを取出し、水中で沈澱させたが、これは暗緑色の非
繊維質物質であった。追加的加熱を行ったが、繊維物質
を生成できるような高粘度にはならなかった。
この実験の場合のPPA中の理論的ポリマー濃度〔AI
〕は14.8%であり、しかしてこのPPAの中間P2O5含量
は83.8%、最終P2O5含量は79.8%であった。
例3 前もって氷浴で冷却された濃オルト燐酸(85.4%H3PO
4)15.8gを含む100ml容量のフラスコに、五酸化燐24.2g
を添加し、この混合物をアルゴン雰囲気中で150℃に6
時間加熱した。本例におけるP2O5含量(%)に関する実
験データー第9図に示す。このPPA(P2O584.9%)を室
温に冷却した後に、4−アミノ−3−メルカプト安息香
酸・ハイドロクライド(3a)〔Wolfeの方法(AFOSR Fin
al Technical Report,1980.12.15.)によって製造され
たもの〕6.0g(0.029モル)を添加し、粘稠な前記混合
物を40℃において24時間攪拌した。
この混合物を其後に減圧下に保ち、その温度を徐々に
70℃まで上昇させた。このオレンジ黄色の混合物を次い
で150℃に、2時間を要して加熱した。
その結果得られた暗赤色溶液は光学的に等方性のもの
であった。次いで、この溶液を150℃においてさらに24
時間攪拌した。かくして得られたポリマー含量8.8%の
光学的に等方性を有する溶液から、水中沈澱操作によっ
てポリマーを単離したが、これはもろいフイルムの形で
得られた。単離された重合体Tnの固有粘度(メン
タンスルホン酸中;30℃)は3.0dL/gであった。
例4 WolfeおよびArnoldの方法〔“Macromolecules",Vol.1
4,p.909(1981)〕に従って製造されたPPA48.15gを含む
50ml容量の丸底フラスコに、4−アミノ−3−メルカプ
ト安息香酸・ハイドロクロライド(3a)〔Wolfeの方法
(AFOSR Final Technical Report,1980.12.15.)によっ
て製造されたもの〕7.436g(0.03616モル)を添加し
た。この混合物をアルゴン流のもとで室温において18時
間攪拌した。50−80℃において減圧下に2時間攪拌した
後には、この溶液(すなわち混合物)は透明なオレンジ
色のものであった。
次いでこの溶液を減圧下に次の如く加熱し、すなわち
90℃に0.5時間、100℃に0.5時間、110℃に0.5時間、130
℃に0.5時間、140℃に0.5時間、180℃に8時間、150℃
に5時間、190℃に16時間、160℃に16時間、200℃に200
時間、そして170℃に7時間加熱した。
その結果得られた等方性の溶液は、ポリマーTn
の濃度が9.4重量%のものであり、このポリマーを水中
沈澱により分離したが、もろい非晶質フイルムが得られ
ただけであった。単離された該ポリマーの固有粘度(メ
タンスルホン酸中;30℃)は3.80dL/gであった。
例5 WolfeおよびArmoldの方法〔“Macromolecules",Vol.1
4,p.909(1981)〕に従って調整されたPPA38gに、4−
アミノ−3−メルカプト安息香酸(3b)1.421g(8.41ミ
リモル)を添加した。この化合物(3b)は、Wolfeの方
法(AFOSR Final Technical Report,1980.12.15.)に従
って調製された4−アミノ−3−メルカプト安息香酸・
ハイドロクロライド(3a)の水中懸濁液を中和し、酢酸
エチルで抽出し、酢酸エチルを蒸発させ、薄青黄色の残
留物を塩化メチレンから再結晶することによって作られ
たものであった。
この粘稠な混合物を、アルゴン流の存在下に0.5時間
を要して140℃に加熱した。温度を160℃に0.5時間を要
して上昇させ、次いで減圧下に160℃に18時間保った。
光学的に等方性を有する赤色の溶液が得られたが、これ
を其後に減圧下に200℃に8時間加熱した。
単離されたポリマーTnの固有粘度(MSA中;30.0
℃)は4.58dL/gであった。
本発明の組成物は、その製法および効果、ならびに使
用法について、以下の実施例に詳細に示す。これらの実
施例は本発明の例示のために記載されたものにすぎず、
本発明は決して実施例記載の範囲内のみに限定されるも
のではない。本発明の範囲は請求の範囲の記載に基いて
定められるべきものである。
以下に記載の115%ポリ燐酸(PPA)はすべて、FMC Co
rp.から購入し、そして入荷後速やかに使用した。テレ
フタル酸(2a)はAmoco Chemicals Co.から購入し、エ
アーインパクト法によって平均粒子径を“95%<10μm"
に減少させ、そして使用前に乾燥した。PPAに添加すべ
きすべてのモノマーおよびP2O5はデシケーター中に入
れ、減圧にし、不活性ガスをみたすことによって脱気
し、しかしてこの脱気操作はさらに1回以上繰返した。
例6 濃オルト燐酸(H3PO485.4%)88.2gと115%PPA205.2g
との混合物を減圧下に100℃において2時間攪拌した。
このPPA溶液を約50℃に放冷した後に、この溶液の一部
(282.1g)を、モノマー(1a)53.01013g(0.21620モ
ル)が入っているレジンケトル(容量500ml)に添加し
た。このPPA中に前記固体モノマーを充分に混合するた
めに攪拌を行った後に、さらに該混合物をアルゴンの存
在下に室温において2時間攪拌し、次いで減圧下に次の
如く攪拌し、すなわち25−30℃で24時間、50℃で3時
間、そして79℃で16時間攪拌した。
その結果得られた透明な淡緑色の溶液にモノマー(2
a)(35.91734g;0,216196モル)を、4回に分けて添加
した。この各回の添加の終了後に、この反応器(ケト
ル)を減圧下に保ち、次いで、モノマー(2a)の混合の
ために攪拌を行った。混合物を約50℃に放冷し、次いで
P2O5118.3gを添加して、有効P2O5含量を83.9%に増加さ
せた。
得られた粘稠なスラリーを其後に次の如く加熱し、す
なわち100−170℃に3時間、170℃に17時間、185℃に5
時間、そして200℃に19時間加熱した。
得られたポリマーAInの固有粘度を次の如く測定
した。すなわち、所定の重合時間の経過後に重合体溶液
のサンプルを分散し、固有粘度を測定したが、その結果
は次の通りであった:9.2(8.5時間後);12.6(25.5時間
後);15.8(44.0時間後)。この反応液を200℃にさらに
76時間加熱する操作も行ったが、この場合にはポリマー
成分AInの固有粘度が16.4dL/gに増加しただけであ
った。この反応生成物の特徴は、最終P2O5含量が約80.8
%であり、ポリマーAInの濃度が約12.6重量%であ
ることであった。
例7 濃オルト燐酸(H3PO485.4%)57.3gと115%PPA133.7g
との混合物を減圧下に100℃において4時間攪拌した。
このPPA溶液を室温に放冷した後に、この溶液の一部(1
85.0g)を、モノマー(1a)53.61422g(0.21866モル)
が入っているレジンケトル(容量500ml)に添加した
〔このモノマー(1a)は小寸法結晶からなるものであっ
て、これは、Wolfe,LooおよびArnoldの方法〔“Macromo
lecules",Vol.14,p.915(1981)〕に従って製造し、た
だしその最終単離工程は、モノマー(1a)のジカリウム
塩を水溶液の堅固で6N−塩酸中に入れることを包含する
ものであり、最終再結晶操作は行わなかった〕。このPP
A中に前記モノマーを混合するために攪拌を行った後
に、この混合物をさらに減圧下に55−65℃において5.5
時間攪拌し、次いで、アルゴン流の存在下に25℃におい
て15.5時間攪拌し、其後に減圧下に65−72℃において4
時間攪拌した。
前記の如くして脱塩化水素(脱塩酸)されたモノマー
(1a)のPPA中溶液を含むレジンケトルに、モノマー(2
a)(36.3268g;0.21866モル)を添加した。この添加は
6回に分けて行い、各回の添加の実施後に、ケトルを減
圧下に保ってから攪拌を行うことにより当該固体成分と
前記溶液との混和を促進した。
其後に粉末状五酸化燐(114.4g)を添加して有効P2O5
含量を86.4%に増大させ、そしてこの混合物を100℃に
おいて27時間攪拌した。
この重合反応混合物を其後に次の如く加熱し、すなわ
ち100−170℃に1時間、170℃に21.5時間、そして200℃
に71.5時間加熱した。
得られたポリマーAInの固有粘度(dL/g)を次の
如く測定した。すなわち、所定の重合時間の経過後に重
合体溶液のサンプルを分取し、固有粘度を測定したが、
その結果は次の通りであった:23.1(22.5時間後);24.8
(29.0時間後);27.0(94時間後)。この反応生成物の
特徴は、最終有効P2O5含量が約82.2%であり、ポリマー
AInの濃度が約15.2重量%であることであった。
例8 モノマー(1a)を52.62853g(0.21460モル)含む500m
l容量のレジンケトルに、有効P2O5含量77.2%のPPA溶液
182.7gを添加した(このPPA溶液は、“H3PO4"30重量%
と“115%PPA"70重量%とを混合することによって調製
されたものであった)。このモノマー(1a)は大寸法結
晶からなるものであって、これは、Wolfe,LooおよびArn
oldの方法〔“Macromolecules",Vol.14,p.915(198
1)〕に従って製造し、ただしその最終単離工程は、モ
ノマー(1a)のジカリウム塩を固体の形で6N−塩酸中に
入れることを包含するものであり、かつ最終再結晶操作
も行った。
このPPA中に前記固体モノマーを混合するために攪拌
を行った後に、この混合物を減圧下に55−70℃に約31時
間加熱することによって実質的に脱塩化水素した。
次いで、既述の実施例(例7)に記載の方法に従って
モノマー(2a)35.6522g(0.21460モル)を前記レジン
ケトルに添加して、混合操作を行った。
其後に粉末状P2O5(123.35g)を添加して有効P2O5
量を86.4%に増大させ、そしてこの混合物をアルゴン流
の存在下に100℃において17時間攪拌した。
この重量反応混合物を其後に次の如く加熱し、すなわ
ち100−170℃に1時間、170℃に23時間、200℃に24時間
加熱した。
得られたポリマーAInの固有粘度(dL/g)を次の
如く測定した。すなわち、所定の重合時間の経過後に重
合体溶液のサンプルを分取し、固有粘度を測定したが、
その結果は次の通りであった。17.2(7時間後);22.8
(24時間後);35.4(48時間後)。この反応液を無攪拌
下にさらに24時間加熱する操作も行ったが、この場合に
はポリマーAInの固有粘度は増加しなかった。この
緑色の反応生成物は、攪拌時乳光特性を有し、そして最
終的な有効P2O5含量が82.2%であり、ポリマーAIn
の濃度が約15.1重量%であることで特徴づけられるもの
であった。
例9 濃オルト燐酸(H3PO485.4%)4925gと115%PPA11491g
との混合物を22l容量のフラスコ内で減圧下に100℃にお
いて5時間攪拌した。このPPA溶液をアルゴン流の存在
下に約50℃に放冷した後に、この溶液の一部(11321g)
をモノマー(1a)2380.55g(9.7088モル)が入っている
ガラスレジンケトル(容量40l)に添加した。このガラ
スレジンケトルは、3/4hpの速度可変式モーターと、ハ
ステロイ−C−276製の攪拌羽根とからなる機械式攪拌
機を備えたものであった。前記のモノマー(1a)は、例
7記載の方法に従って製造されたものであった。
この混合物を其後に次の如く攪拌し、すなわち、アル
ゴン流の存在下に65℃において17時間攪拌し、700−400
mmHgのもとで65℃において2時間攪拌し、40mmHgのもと
で65℃において2時間攪拌した。
次いで、例8記載の方法によって製造され、かつ脱気
された追加用モノマー(1a)2552.77g(10.4112モル)
をアルゴン流の存在下に添加した。
次いで追加量(4874g)の前記PPAを添加し、この混合
物を次の如く攪拌し、すなわち、700−300mmHgのもとで
65℃において1時間攪拌し、40mmHgのもとで65−70℃に
おいて3.25時間攪拌し、5mmHgより低い圧力のもとで870
℃において2.5時間攪拌し、アルゴン流のもとで70℃に
おいて7.5時間攪拌し、5mmHgよりも低い圧力のもとで80
℃において26時間攪拌した。
其後にモノマー(2a)(3342.62g;20.1205モル)を添
加した。次いで、その結果得られたスラリーを40℃に冷
却し、粉末状P2O56512gを、4.5時間を要して添加した。
かくして得られた粘稠な混合物をアルゴン流の存在下に
80℃において17時間攪拌した。
この混合物を其後に100℃に加熱し、追加量(4655.4
g)のP2O5を、添加して有効P2O5含量を86.5%に増加さ
せた。
さらに100−108℃において48時間攪拌した後に、この
重合反応混合物を其後に次の如く加熱し、すなわち100
−170℃に3時間、170℃に20時間、200℃に1.5時間加熱
した。
得られたポリマーの固有粘度を次の如く測定した。す
なわち、所定の重合反応時間の経過後に重合体のサンプ
ルを分取し、固有粘度(dL/g)を測定したが、その結果
は次の通りであった。17.9(14時間後);18.5(16.5時
間後);19.0(23時間後);24.34(24.5時間)。さら
に、200℃に加熱する操作も行ったが、この場合にはポ
リマーの固有粘度が24.6dL/gに増加しただけであった。
この反応生成物は、攪拌時乳光特性を有し、かつ、最終
的な有効P2O5含量が約82.2%であり、ポリマーAIn
の温度が約15.6重量%であることで特徴づけられるもの
であった。
例10 テレフタロイルクロライド(2b)12.06155g(0.05940
92モル)とモノマー(1a)14.5665g(0.0594081モル)
との混合物(脱気したもの)を含有するレジンケトル
(容量500ml)に、115%PPA約140gを添加した。こお115
%PPAは、前もって100℃において減圧下に1−2時間攪
拌し、そして室温に冷却したものであった。
この混合物を其後に次の条件下にアルゴン流の存在下
に攪拌し、すなわち40℃において23時間、50℃において
3時間、60℃において2時間、70℃において19時間、80
℃において3時間攪拌した。
次いで、この溶液(混合物)を減圧下に80℃において
1時間攪拌した。次いで、脱気された115%PPA140gを該
溶液に追加した。
其後にこの重合反応混合物をアルゴン中で次の条件下
い攪拌し、すなわち100℃において30分間、110℃におい
て30分間、120℃において30分間、130℃において30分
間、140℃において30分間、150℃において30分間、160
℃において45分間、170℃において11時間、185℃におい
て5時間、200℃において46.5時間攪拌した。
得られた異方性生成物を少量の水中に沈澱させること
によってポリマーAInが得られたが、その固有粘度
(MSA中;30℃)は17.7dL/gであった。
例11 85.7%濃オルト燐酸74.52gと115%PPA173.88gとの混
合物(P2O5含有83.8%)を減圧下に100℃において2時
間攪拌した。このPPA溶液を室温に放冷した後に、モノ
マー(1a)(例8記載の方法によって製造されたもの)
55.23581g(0.225273モル)およびモノマー(2b)(新
たに昇華精製したもの)45.73607g(0.225273モル)
を、8つの部分に分けて添加した。各部分のモノマーを
添加するたびごとに攪拌を行ってモノマーの混合を促進
させた。次いでこの混合物を攪拌しながら温度を徐々に
上昇させかつ圧力を徐々に低下させ、この攪拌操作を、
脱塩化水素反応が完了する迄続けた。其後に、この脱塩
化水素された混合物に、脱気された五酸化燐(87.54g)
を、50℃において添加した。この混合物を其後に100℃
において数時間攪拌した。次いで、この重合反応混合物
をアルゴン雰囲気中で次の条件下で攪拌し、すなわち、
170℃において約20時間、180℃において約8時間、そし
て200℃において3時間攪拌した。その結果得られた生
成物は、PPA(P2O582.2%)中にポリマーAInを15重
量%含んでなるものであった。
例12 有効P2O5含量74.9%のPPA溶液(“85%H3PO4"40重量
%と“15%PPA"60重量%とを混合して作られたもの)8
6.17gを、モノマー(1a)27.62485g(0.112665モル)を
含むレジンケトル(容量500ml)に添加した。攪拌によ
って前記モノマーを前記PPA溶液と充分に混合し、その
結果得られた混合物を減圧下に55−80℃に約21時間加熱
することによって、該混合物を実質的に脱塩化水素し
た。本例におけるP2O5含量(%)に関する実験データー
を第10図に示す。其後にこのレジンケトルにモノマー
(2a)18.7208g(0.112686モル)を添加した。次いで粉
末状P2O583.17gを添加して、有効P2O5含量を約87.2%に
増加させた。かくして得られた黄色のスラリーをアルゴ
ン流の存在下に100℃において15時間攪拌した。このス
ラリーのバルク粘度の著しい上昇は認められなかった
が、このスラリーを其後に烈しく攪拌し、そして油浴温
度を40分以内に100℃から178℃に上昇させ、次いで1時
間以内に185℃に上昇させることによって該スラリーを
加熱した。後記の重合時間は、100℃より上の温度にな
ってから測定を開始して記録したものであった。其後に
前記の温度185℃を76.5時間保った。所定の反応時間の
経過後にサンプルを取出し、当該ポリマーAInの固
有粘度を測定した(dL/g;測定条件:MSA中;30℃)。その
結果は次の通りであった:16.6(1.5時間後);21.7(2.2
5時間後);24.2(3.25時間後);35.7(7.7時間後);42.
1(76.5時間後)。固有粘度=42.1という値は、ポリマ
ーのn値(平均値)=約140という値に対応するもので
ある。0.75時間の重合時間の経過後に重合反応生成物は
攪拌時乳光特性をもつようになり、1.25時間後には高延
伸可能状態になることが見出された。
この生成物に直接に延伸操作を行い、延伸糸(strand
s)を水中に沈澱させることによって作られた繊維は、
コハク色の半透明物質であって、複屈折性を示した(ク
ロスニコル下の偏光のもとで観察)。この繊維の上に、
その方向に直角に1枚のポラロイドシートを置いたとき
に、透過光の“消光”(extinction)が認められた。こ
の繊維のフイブリル化によってミクロフイブリルが形成
できた。前記の方法と同じ方法によって“1.5時間後の
重合反応混合物”から製造された繊維は、既述の1.25時
間−試料(すなわち、“1.25時間後の重合反応混合物”
から作られた繊維試料)よりも強度が著しく大であっ
た。2.25時間後またはそれ以降の重合反応混合物から作
られた生成物では、粘度、および乳光発現時の緩和時間
がかなり増大した。この生成物のPPA成分のP2O5含量は
約83.2%であり、ポリマーAInの濃度(反応生成物
全重量基準)は14.5重量%であった。
例13 濃オルト燐酸(H3PO485.7%)17.7gと115%PPA26.6g
との混合物を減圧下に100℃において2時間攪拌した。
本例におけるP2O5含量(%)に関する実験データーを第
11図に示す。その結果得られた溶液を、4,6−ジアミノ
−1,3−ベンゼンジオール・ジハイドロクロライド(1
b)11.41145g(0.054028モル)が入っているレジンケト
ル(容量200ml)に、アルゴン流の存在下に約100℃にお
いて注加した。このモノマー(1b)は、WolfeおよびArn
oldの方法〔“Macromolecules"Vol.14,p.909(1981)〕
に従って製造し、塩化第1錫を3重量%含有する塩酸水
溶液から再結晶し、そして使用直前に減圧下に63℃にお
いて20時間乾燥したものであった。
この混合物を減圧下に53℃に15時間、そして62℃に4
時間加熱した。70℃に加熱すると前記モノマーは沈澱し
た。P2O516.6gを添加したが、その結果前記モノマーは
再び溶解した。次いで、この溶液(混合物)を減圧下に
100℃に3時間加熱して、脱塩化水素反応を完了させ
た。次いでモノマー(2a)8.9761g(0.05403モル)をア
ルゴン流の存在下に添加した。次いで追加量(19.0g)
のP2O5を添加した。
次いで、この溶液を次の条件下に順次加熱した。すな
わち100℃に48時間、150℃に25時間、160℃に10時間
(暗緑色溶液がこのときに攪拌時乳光特性をあらわすよ
うになった)、180℃に25時間加熱した。かくして得ら
れた反応生成物は濃パープル色のもので金属光沢を有
し、攪拌時乳光特性を有し、クロス偏光(crosed polar
a)下に強度の複屈折をなすことで証明されるように、
平面偏光を減極する性質を有するものであった。この生
成物の有効P2O5含量(最終値)は82%であり、ポリマー
BInの濃度は13.3重量%であった。この生成物から
単離されたポリマーBInの固有粘度(MSA中;30℃)
は23.9dL/gであったが、これは、反覆ユニットの数(n;
平均値)約110に相当する値である。
例14 例13に記載の反応生成物をその何倍もの長さに延伸し
て、高度フイブリル性の繊維を作成した。
反応器(フラスコ)から溶液の一部を取出し、KBr−
プレス中に置いた。このKBr−プレスは、直径0.13mmの
円形オリフィスを有するダイを備えたものであった。こ
の溶液を空気中に吐出させ、マニュアル操作で引張って
伸長させ、次いでこの繊維を水中に浸漬した。
このようにして作られた繊維を水洗し、張力下に空気
炉中で110℃において1晩中乾燥させた。
この繊維の直径は0.0093−0.012mmであった。この繊
維の表面からフイブリルが分岐しているという観察事実
と、光源と該繊維との間に単純型ポーライドを置いて光
学的観察を行ったときに、繊維を通過した透過光は完全
に消光するという観察事実とから、この繊維は高度に配
向したものであることが確認された。
例15 前記の例8に記載の操作を実質的に同様に繰返した
が、今回の操作は次の点が異なっていた。モノマー(1
a)および(2a)を既述の如く使用する代りに、P2O5
量77.2%の初期(initial)PPA溶液(85.4%H3PO480.9g
と115%PPA188.8gとを混合して調製したもの)269.68g
の中で、モノマー(1a)48.9831g(0.19978モル)の脱
塩化水素反応を行った。この脱塩化水素反応が実質的に
完了したときに、モノマー(2s)79.9805g(0.19978モ
ル)を添加し、次いでP2O5142.23gを徐々に添加した。
次いでこの混合物を、例8の場合と実質的に同じ方法で
攪拌し、加熱した。
前記のP2O5の添加量は、前もって定められた量であっ
た〔すなわち、P2O5の添加量は既述の式(a*)および
(b*)によって算出した〕。すなわちこのP2O5の添加量
は、重合反応の開始前に反応混合物の有効P2O5含量を約
85.07%にするに充分な量であり、かつ、重合反応の実
質的な完了後に反応混合物の有効P2O5含量を約82.2%に
するに充分な量であった。
得られた反応生成物は、攪拌時乳光特性を有し、重合
濃度は19%であるということで特徴づけられるものであ
った。この反応生成物に直接紡糸操作または伸長操作を
行うことにより、繊維が容易に形成できた。
得られたポリマーは次式 AIBIn を有するものであって、その固有粘度(MSA中;30℃)は
20dL/gであったが、これは、平均重合度(n)=約50に
相等する値である。
例16 例8に記載の操作を実質的に同様に繰返したが、今回
の操作は次の点が異なっていた。モノマー(1a)および
(2a)を既述の如く使用する代りに、P2O5含量77.2%の
初期PPA溶液(85.4%H3PO4102.6gと115%PPA239.4gとを
混合して調製したもの)341.97gの中で、モノマー(1
a)64.4470g(0.26284モル)の脱塩化水素反応を行っ
た。この脱塩化水素反応が実質的に完了したときに、モ
ノマー(2j)63.6826g(0.26284モル)を添加し、次い
でP2O5137.3gを徐々に添加した。次いでこの混合物を、
例8の場合と実質的に同じ方法で攪拌し、加熱した。
このP2O5の添加量は、前もって定められた量であった
〔すなわち、P2O5の添加量は既述の式(a*)および
(b*)によって算出した〕。すなわちこのP2O5の添加量
は、重合反応の開始前に反応混合物の有効P2O5含量を約
83.7%にするに充分な量であり、かつ、重合反応の実質
的な完了後に反応混合物の有効P2O5含量を約82.2%にす
るに充分な量であった。
得られた反応生成物は、攪拌時乳光特性を有し、ポリ
マー濃度は17%であるということで特徴づけられるもの
であった。この反応生成物に直接紡糸操作または伸長操
作を行うことにより、繊維が容易に形成できた。
得られたポリマーは次式 An を有するものであって、その固有粘度(MSA中;30℃)は
15dL/gであったが、これは、平均重合度(n)=約100
に対応する値である。
例17 例8に記載の操作を実質的に同様に繰返したが、今回
の操作は次の点が異なっていた。モノマー(1a)および
(2a)を既述の如く使用する代りに、P2O5含量77.2%の
初期PPA溶液(85.4%H3PO4101.5gと115%PPA236.8gとを
混合して調製したもの)338.4gの中で、モノマー(1b)
61.1619g(0.28706モル)の脱塩化水素反応を行った。
この脱塩化水素反応が実質的に完了したときに、モノマ
ー(2j)69.5488g(0.28706モル)を添加し、次いでP2O
5140.1gを徐々に添加した。次いでこの混合物を、例8
の場合と実質的に同じ方法で攪拌し、加熱した。
このP2O5の添加量は、前もって定められた量であった
〔すなわち、P2O5の添加量は既述の式(a*)および
(b*)によって算出した〕。すなわちこのP2O5の添加量
は、重合反応の開始前に反応混合物の有効P2O5含量を約
83.8%にするに充分な量であり、かつ、重合反応の実質
的な完了後に反応混合物の有効P2O5含量を約82.2%にす
るに充分な量であった。
得られた反応生成物は、攪拌時乳光特性を有し、ポリ
マー濃度は17%であるということで特徴づけられるもの
であった。この反応生成物に直接紡糸操作または伸長操
作を行うことにより、繊維が容易に形成できた。
得られたポリマーは次式 ABn を有するものであって、その固有粘度(MSA中;30℃)は
16dL/gであったが、これは、平均重合度(n)=約60に
相等する値である。
例18 例8に記載の操作を実質的に同様に繰返したが、今回
の操作は次の点が異なっていた。モノマー(1a)および
(2a)を既述の如く使用する代りに、P2O5含量77.2%の
初期PPA溶液(85.4%H3PO4110gと115%PPA256.8gとを混
合して調製したもの)366.8gの中で、モノマー(1c)8
1.9923g(0.28869モル)の脱塩化水素反応を行った。こ
の脱塩化水素反応が実質的に完了したときに、モノマー
(2j)69.9438g(0.28869モル)を添加し、次いでP2O51
48.4gを徐々に添加した。次いでこの混合物を、例8の
場合と実質的に同じ方法で攪拌し、加熱した。
このP2O5の添加量は、前もって定められた量であった
〔すなわち、P2O5の添加量は既述の式(a*)および
(b*)によって算出した〕。すなわちこのP2O5の添加量
は、重合反応の開始前に反応混合物の有効P2O5含量を約
83.8%にするに充分な量であり、かつ、重合反応の実質
的な完了後に反応混合物の有効P2O5含量を約82.2%にす
るに充分な量であった。
得られた反応生成物は、攪拌時乳光特性を有し、ポリ
マー濃度は16%であるということで特徴づけられるもの
であった。この反応生成物に直接紡糸操作または伸長操
作を行うことにより、繊維が容易に形成できた。
得られたポリマーは次式 ACn を有するものであって、その固有粘度(MSA中;30℃)は
16dL/gであったが、これは、平均重合度(n)=約60に
相等する値である。
例19 例8に記載の操作を実質的に同様に繰返したが、今回の
操作は次の点が異なっていた。モノマー(1a)および
(2a)を既述の如く使用する代りに、P2O5含量77.2%の
初期PPA溶液(85.4%H3PO479.1gと115%PPA184.4gとを
混合して調製したもの)263.5gの中で、モノマー(1i)
93.8232g(0.29202モル)の脱塩化水素反応を行った。
この脱塩化水素反応が実質的に完了したときに、モノマ
ー(2a)48.5129g(0.29202モル)を添加し、次いでP2O
5171gを徐々に添加した。次いでこの混合物を、例8の
場合と実質的に同じ方法で攪拌し、加熱した。
このP2O5の添加量は、前もって定められた量であった
〔すなわち、P2O5の添加量は既述の式(a*)および
(b*)によって算出した〕。すなわちこのP2O5の添加量
は、重合反応の開始前に反応混合物の有効P2O5含量を約
86.2%にするに充分な量であり、かつ、重合反応の実質
的な完了後に反応混合物の有効P2O5含量を約82.2%にす
るに充分な量であった。
得られた反応生成物は、攪拌時乳光特性を有し、ポリ
マー濃度は18%であるということで特徴づけられるもの
であった。この反応生成物に直接紡糸操作または伸長操
作を行うことにより、繊維が容易に形成できた。
得られたポリマーは次式 LIn を有するものであって、その固有粘度(MSA中;30℃)は
15dL/gであった。
例20 例8に記載の操作を実質的に同様に繰返したが、今回
の操作は次の点が異なっていた。モノマー(1a)および
(2a)を既述の如く使用する代りに、P2O5含量77.2%の
初期PPA溶液(85.4%H3PO476.2gと115%PPA177.8gとを
混合して調製したもの)254.0gの中で、モノマー(1j)
93.1836g(0.32225モル)の脱塩化水素反応を行った。
この脱塩化水素反応が実質的に完了したときに、モノマ
ー(2a)53.5357g(0.32225モル)を添加し、次いでP2O
5178.4gを徐々に添加した。次いでこの混合物を、例8
の場合と実質的に同じ方法で攪拌し、加熱した。
このP2O5の添加量は、前もって定められた量であった
〔すなわち、P2O5の添加量は既述の式(a*)および
(b*)によって算出した〕。すなわちこのP2O5の添加量
は、重合反応の開始前に反応混合物の有効P2O5含量を約
86.6%にするに充分な量であり、かつ、重合反応の実質
的な完了後に反応混合物の有効P2O5含量を約82.2%にす
るに充分な量であった。
得られた反応生成物は、攪拌時乳光特性を有し、ポリ
マー濃度は18%であるということで特徴づけられるもの
であった。この反応生成物に直接紡糸操作または伸長操
作を行うことにより、繊維が容易に形成できた。
得られたポリマーは次式 MIn を有するものであって、その固有粘度(MSA中;30℃)は
14dL/gであった。
例21 例8に記載の操作を実質的に繰返したが、今回の操作
は次の点が異なっていた。モノマー(1a)および(2a)
を既述の如く使用する代りに、P2O5含量77.2%の初期PP
A溶液(85.4%H3PO476.2gと115%PPA177.8gとを混合し
て調製したもの)254.0gの中で、モノマー(1k)93.183
6g(0.32225モル)の脱塩化水素反応を行った。この脱
塩化水素反応が実質的に完了したときに、モノマー(2
a)53.5357g(0.32225モル)を添加し、次いでP2O5178.
4gを徐々に添加した。次いでこの混合物を、例8の場合
と実質的に同じ方法で攪拌し、加熱した。
このP2O5の添加量は、前もって定められた量であった
〔すなわち、P2O5の添加量は既述の式(a*)および
(b*)によって算出した〕。すなわちこのP2O5の添加量
は、重合反応の開始前に反応混合物の有効P2O5含量を約
86.6%にするに充分な量であり、かつ、重合反応の実質
的な完了後に反応混合物の有効P2O5含量を約82.2%にす
るに充分な量であった。
得られた反応生成物は、攪拌時乳光特性を有し、ポリ
マー濃度は18%であるということで特徴づけられるもの
であった。この反応生成物に直接紡糸操作または伸長操
作を行うことにより、繊維が容易に形成できた。
得られたポリマーは次式 NIn を有するものであって、その固有粘度(MSA中;30℃)は
14dL/gであった。
例22 例8に記載の操作を実質的に同様に繰返したが、今回
の操作は次の点が異なっていた。モノマー(1a)および
(2a)を既述の如く使用する代りに、P2O5含量79.4%の
初期PPA溶液(85.4%H3PO444.7gと115%PPA178.8gとを
混合して調製したもの)223.5gの中で、モノマー(1
)128.4748g(0.32431モル)の脱塩化水素反応を行っ
た。この脱塩化水素反応が実質的に完了したときに、モ
ノマー(2a)53.8778g(0.32431モル)を添加し、次い
でP2O5197.0gを徐々に添加した。もし所望ならば、この
時点においてポリマー溶解度増加のためにリチウム塩
(たとえばLicl,LiF,燐酸リチウム等)の如き無機塩が
添加できる。次いでこの混合物を、例8の場合と実質的
に同じ方法で攪拌し、加熱した。
このP2O5の添加量は、前もって定められた量であった
〔すなわち、P2O5の添加量は既述の式(a*)および
(b*)によって算出した〕。すなわちこのP2O5の添加量
は、重合反応の開始前に反応混合物の有効P2O5含量を約
89.1%にするに充分な量であり、かつ、重合反応の実質
的な完了後に反応混合物の有効P2O5含量を約82.2%にす
るに充分な量であった。
得られた反応生成物は、攪拌時乳光特性を有し、ポリ
マー濃度は18%であるということで特徴づけられるもの
であった。この反応生成物に直接紡糸操作または伸長操
作を行うことにより、繊維が容易に形成できた。
得られたポリマーは次式 OIn を有するものであって、その固有粘度(MSA中;30℃)は
12dL/gであった。
例23 例8に記載の操作を実質的に同様に繰返したが、今回
の操作は次の点が異なっていた。モノマー(1a)および
(2a)を既述の如く使用する代りに、P2O5含量77.2%の
初期PPA溶液(85.4%H3PO496.9gと115%PPA226.2gとを
混合して調製したもの)323.1gの中で、モノマー(1i)
70.3707g(0.21902モル)の脱塩化水素反応を行った。
この脱塩化水素反応が実質的に完了したときに、モノマ
ー(2j)53.0654g(0.21902モル)を添加し、次いでP2O
5125.0gを徐々に添加した。次いでこの混合物を、例8
の場合と実質的に同じ方法で攪拌し、加熱した。
このP2O5の添加量は、前もって定められた量であった
〔すなわち、P2O5の添加量は既述の式(a*)および
(b*)によって算出した〕。すなわちこのP2O5の添加量
は、重合反応の開始前に反応混合物の有効P2O5含量を約
83.6%にするに充分な量であり、かつ、重合反応の実質
的な完了後に反応混合物の有効P2O5含量を約82.2%にす
るに充分な量であった。
得られた反応生成物は、攪拌時乳光特性を有し、ポリ
マー濃度は18%であるということで特徴づけられるもの
であった。この反応生成物に直接紡糸操作または伸長操
作を行うことにより、繊維が容易に形成できた。
得られたポリマーは次式 AIn を有するものであって、その固有粘度(MSA中;30℃)は
17dL/gであった。
例24 例8に記載の操作を実質的に同様に繰返したが、今回
の操作は次の点が異なっていた。モノマー(1a)および
(2a)を既述の如く使用する代りに、P2O5含量77.2%の
初期PPA溶液(85.4%H3PO496.9gと115%PPA224.5gとを
混合して調製したもの)320.7gの中で、モノマー(1j)
68.1280g(0.23560モル)の脱塩化水素反応を行った。
この脱塩化水素反応が実質的に完了したときに、モノマ
ー(2j)57.824g(0.23560モル)を添加し、次いでP2O5
126.9gを徐々に添加した。次いでこの混合物を、例8の
場合と実質的に同じ方法で攪拌し、加熱した。
このP2O5の添加量は、前もって定められた量であった
〔すなわち、P2O5の添加量は既述の式(a*)および
(b*)によって算出した〕。すなわちこのP2O5の添加量
は、重合反応の開始前に反応混合物の有効P2O5含量を約
83.7%にするに充分な量であり、かつ、重合反応の実質
的な完了後に反応混合物の有効P2O5含量を約82.2%にす
るに充分な量であった。
得られた反応生成物は、攪拌時乳光特性を有し、ポリ
マー濃度は18%であるということで特徴づけられるもの
であった。この反応生成物に直接紡糸操作または伸長操
作を行うことにより、繊維が容易に形成できた。
得られたポリマーは次式 AMn を有するものであって、その固有粘度(MSA中;30℃)は
15dL/gであった。
例25 例8に記載の操作を実質的に同様に繰返したが、今回
の操作は次の点が異なっていた。モノマー(1a)および
(2a)を既述の如く使用する代りに、P2O5含量77.2%の
初期PPA溶液(85.4%H3PO496.19gと115%PPA184.4gとを
混合して調製したもの)320.4gの中で、モノマー(1k)
68.1280g(0.23560モル)の脱塩化水素反応を行った。
この脱塩化水素反応が実質的に完了したときに、モノマ
ー(2j)57.0824g(0.23560モル)を添加し、次いでP2O
5126.88gを徐々に添加した。次いでこの混合物を、例8
の場合と実質的に同じ方法で攪拌し、加熱した。
このP2O5の添加量は、前もって定められた量であった
〔すなわち、P2O5の添加量は既述の式(a*)および
(b*)によって算出した〕。すなわちこのP2O5の添加量
は、重合反応の開始前に反応混合物の有効P2O5含量を約
83.7%にするに充分な量であり、かつ、重合反応の実質
的な完了後に反応混合物の有効P2O5含量を約82.2%にす
るに充分な量であった。
得られた反応生成物は、攪拌時乳光特性を有し、ポリ
マー濃度は18%であるということで特徴づけられるもの
であった。この反応生成物に直接紡糸操作または伸長操
作を行うことにより、繊維が容易に形成できた。
得られたポリマーは次式 ANn を有するものであって、その固有粘度(MSA中;30℃)は
14dL/gであった。
かように、本発明に従えば前記の例6−25に記載の方
法と同様な方法によって、他のタイプ1の伸長鎖含有ポ
リマーが合成でき、かつ、ポリマー濃度、P2O5含有量お
よびポリマー固有粘度が互いに異なる種々の液晶質組成
物も製造できる。
この合成反応の具体例を反応式によって第16a表、第1
6b表、第17a表、第17b表および第17c表を示す。なお、
表中の記号「m……→」、「e……→」および「p……
→」はそれぞれ、所定のモノマー反応のために「最も好
ましい」、「特に好ましい」および「好ましい」もので
あることを示すものである。
本明細書には本発明の若干の態様およびその具体例に
ついて詳細に記載されているけれども、当業者には明ら
かなように本発明はその趣旨および範囲の中で前記以外
の種々の態様でも実施できるものであり、そして本発明
の範囲は決して前記の詳細に記載された態様のみに限定
されるものではなく、換言すれば本発明の範囲は、請求
の範囲の記載に基いて決定されるべきものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 19/34 9279−4H C09K 19/34 (72)発明者 シベート、ポール デイーン アメリカ合衆国カリフオルニア州94043、 マウンテン ヴユー、ナンバー96、スペ イスパート ウエイ 1075 (56)参考文献 特公 昭44−4119(JP,B2) 特公 昭42−19347(JP,B2) 特公 昭39−17085(JP,B2) 特公 昭42−18352(JP,B2) 特公 昭42−19270(JP,B2) 特公 昭53−50159(JP,B2) 特公 昭47−51839(JP,B2) 特公 昭42−19271(JP,B2) 特公 昭42−19273(JP,B2) 米国特許4225700(US,A)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 〔ここにX1およびX2は各々硫黄、酸素またはNR(ここに
    Rは水素または有機基である)であり、Ar1 のいずれかであり、Y2 のいずれかであり、nは正の整数である〕 で表される単位から構成されるホモポリマーであって、
    該ポリマーがメタンスルホン酸中で30℃において少なく
    とも14dL/gの固有粘度を有し、ただし該ポリマーが式 を有するときには該ポリマーは少なくとも35.4dL/gの固
    有粘度を有する、ことを特徴とする前記ポリマー。
  2. 【請求項2】X1およびX2の各々が酸素である、請求の範
    囲第1項のポリマー。
  3. 【請求項3】該ポリマーがメタンスルホン酸中で30℃に
    おいて少なくとも24dL/gの固有粘度を有する、請求の範
    囲第2項のポリマー。
  4. 【請求項4】各反覆ユニットが、次式 のいずれかにより表わされる部分および次式 のいずれかにより表わされる部分を含む、請求の範囲第
    3項のポリマー。
  5. 【請求項5】X1およびX2が硫黄である、請求の範囲第1
    項のポリマー。
  6. 【請求項6】X1およびX2がNR(ここにRは水素または有
    機基である)である、請求の範囲第1項のポリマー。
  7. 【請求項7】ポリマーが、式 のいずれかにより表わされる反覆ユニットを少なくとも
    50個含む、請求の範囲第1項のポリマー。
  8. 【請求項8】ポリマーが、式 のいずれかにより表わされる反覆ユニットを少なくとも
    100個含む、請求の範囲第1項のポリマー。
  9. 【請求項9】該ポリマーがメタンスルホン酸中で30℃に
    おいて少なくとも23dL/gの固有粘度を有する、請求の範
    囲第7項のポリマー。
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