JP2573120B2 - 同期形交流サーボモータの速度制御方法及び制御装置 - Google Patents

同期形交流サーボモータの速度制御方法及び制御装置

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JP2573120B2 JP4012407A JP1240792A JP2573120B2 JP 2573120 B2 JP2573120 B2 JP 2573120B2 JP 4012407 A JP4012407 A JP 4012407A JP 1240792 A JP1240792 A JP 1240792A JP 2573120 B2 JP2573120 B2 JP 2573120B2
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    • G05CONTROLLING; REGULATING
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    • G05B11/01Automatic controllers electric
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロボットあるいはコン
ピュータ数値制御(CNC:computer Num
erical Control)工作機械などの外部負
荷トルク及び慣性の変化が甚だしいシステムにおいて、
交流サーボモータの制御のとき、加速度制御とフィード
フォワード(feed forward)の制御方式に
より交流サーボモータを制御することによって、迅速な
応答特性を得られるとともに、負荷トルク及び慣性の変
化に対して強い特性を得る同期形交流サーボモータの速
度制御方法及び制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、産業用ロボットあるいはコンピュ
ータ数値制御工作機械のような高性能を要求する産業分
野に同期形交流サーボモータが多用されつつある。しか
しながら、産業用ロボットの場合、ロボットアームの位
置と上記アームが動く速度及びロボットの握る物体の重
さ変化などによって負荷トルク及び慣性の変化が発生さ
れ、これによってロボットの各ジョイントの交流サーボ
モータの制御装置に影響をもたらしてロボットの正常な
動作を妨害するという問題があった。このため、上記負
荷トルク及び慣性の変化などにあまり影響を受けない強
い交流サーボモータ制御装置の開発が進められてきた。
【0003】一例として、直流モータにおいては、強い
制御装置を構成するために既存の電流制御方式にかわっ
て加速度制御を用いる方法があるが、上記直流モータと
は異なって交流サーボモータには3相の正弦波電流がモ
ータに流れるべきであるので、電流制御を加速度制御に
代えることができないばかりでなく、上記加速度制御は
負荷トルクの変化に対しては強くなる反面、応答速度が
遅くなるという問題があった。
【0004】図1(a)には、比例・積分・微分制御器
が図示されている。このような従来技術は米国特許公報
第4,509,003号によく表わされている。その動
作を説明すれば、次のとおりである。すなわち、モータ
の速度命令データ値(Wr)が入力されると、このデー
タは微分制御器1によって微分制御されて加合点G2に
送出され、上記速度命令データ値(Wr)とモータの現
在速度データ(W)を加合点G1で比較してばらつき度
を割り出し、このばらつき値Aを比例積分制御器2で増
幅し、この増幅されたばらつき量(A)を加合点G2に
送出して制御対象に制御命令を与える。上記比例・積分
・微分器を単純に表示すると図1(b)のとおりであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の比例積分微分制御方法では、比例制御利
得、積分制御利得及び微分制御利得を有機的に調整する
ことが困難であるために応答特性が不良となり、負荷ト
ルク及び慣性の変化に対してかなりの影響を受けるとい
う問題があった。
【0006】
【発明の目的】本発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、電流制御方式を用いるととも
に、加速度情報を比例積分制御器の出力にフィードバッ
クさせ、速度の命令値を上記比例積分制御器の出力にフ
ィードフォワードさせることによって、交流サーボモー
タの応答特性を迅速にし、負荷トルク及び慣性の変化に
よる影響を最少化する同期形交流サーボモータの速度制
御方法及び制御装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明による同期形交流サーボモータ
の速度制御方法は、同期形交流サーボモータの速度を検
出するステップと、上記モータの速度に基づいて上記モ
ータの加速度を計算するステップと、上記モータの速度
と命令速度とを比較し、その比較結果に基づいて上記モ
ータの速度のばらつきを判断するステップと、上記命令
速度と所定の利得値とを乗算して修正命令速度を発生す
るステップと、上記加速度、上記速度のばらつき及び上
記修正命令速度に基づいて上記モータに対する制御信号
を発生するステップとからなることを特徴とする。請求
項2記載の発明は、請求項1記載の発明による同期形交
流サーボモータの速度制御方法において、上記センサは
タコゼネレータ、エンコーダ又はレゾルバであることを
特徴とする。 請求項3記載の発明による同期形交流サー
ボモータの速度制御装置は、同期形交流サーボモータの
現在速度データ値に速度フィードバック定数値を乗算し
て速度フィードバック値を得る乗算手段と、速度命令デ
ータ値に適当な利得値を乗算し、乗算結果をフィードフ
ォワードするフィードフォワード制御部と、上記速度命
令データ値を上記速度フィードバック値と比較してばら
つきを判断し、該ばらつきを増幅する手段と、上記速度
フィードバック値に基づいて上記モータの加速度を計算
して上記加速度をフィードバックする加速度計算部と、
フィードバックされた上記加速度と、上記フィードフォ
ワード制御部からの上記乗算結果と、上記増幅されたば
らつきとを比較してモータ制御信号を発生する加算部と
を具備することを特徴とする。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づ
き、詳細に説明する。図2は、電流制御される同期形サ
ーボモータのブロック図であり、図3は本発明の一実施
例による同期形交流サーボモータの速度制御装置のブロ
ック図である。図2において、ヒステリシス電流制御器
または高利得電流制御器の場合、過渡状態及び定常状態
で電流命令と実際電流の間の位相と大きさに差がないよ
うに電流制御器にて制御される同期形交流サーボモータ
のブロック図を示したものである。
【0009】図3において、10は速度命令データ値
(Wr)に適当な利得値をかけてフィードフォワードさ
せるフィードフォワード制御器であり、20は上記速度
命令データ値(Wr)とモータ30の速度フィードバッ
ク定数値をあわせてそのばらつきAを増幅して出力する
比例積分制御器であり、40は上記モータ30の現在速
度データ値(W)及び速度フィードバック定数(Kv)
をもとにモータ30の加速度を割り出して上記比例積分
制御器20の出力にフィードバックさせる加速度計算部
である。一方、図3に示した上記モータ30は図2に示
したように電流制御されるモータである。
【0010】上記のように構成された本発明の同期形交
流サーボモータの速度制御装置によれば、図2に示した
ような電流制御方式を用いるとともに、加速度の情報を
比例積分制御器20の出力にフィードバックさせ、速度
命令値を上記比例積分制御器20の出力にフィードフォ
ワードさせることにより、交流サーボモータの応答特性
を迅速にするとともに負荷トルク及び慣性の変化に対し
て強い特性を有する。
【0011】ところで、負荷トルク及び慣性の変化など
に対して強い特性が要求されるシステムにおいて、加速
度制御を用いると強い特性は増大させることはできる
が、全体的なシステムの応答速度が低下してしまう。す
なわち、加速度をフィードバックするというのは結局速
度の変化を抑えるものであるので、上記速度命令を送出
した場合、上記速度命令を応じるための変化までも抑え
ることになり、全体的な応答速度が低下するのである。
【0012】これを防止するために、比例利得を増加さ
せる方法を採用することも考えられるが、実際にハード
ウェア的な制限によるシステムが不安定となり、システ
ムに雑音が生じるために上記比例利得を無制限に大きく
することができない。この点、本発明では、上記のよう
な点を勘案してフィードフォワード制御器を用いた制御
システムを用いることによって目的とするところを達成
することができる。
【0013】図3を参照して上記フィードフォワード制
御器を用いた制御システムを具体的に説明すれば次のと
おりである。すなわち、図3には同期形交流サーボモー
タの速度制御装置の動作過程が図示されている。まず、
ロボットが正常駆動するのに必要な速度命令データ値
(Wr)が本発明のモータ速度制御装置に入力される
と、上記速度命令データ値(Wr)はフィードフォワー
ド制御器10によってその影響が制御系に及ぶまえに加
合点G2に送出されることによって条件の変化を検出す
る。
【0014】一方、上記速度命令データ値(Wr)はモ
ータ30の現在速度出力データ値(W)に速度フィード
バック定数値(Kv)をかけた値と加合点G1で比べら
れ、ロボットを駆動する上記モータの現在速度と正常的
な駆動速度を表わす上記速度命令データ値(Wr)との
誤差程度を判別する。上記加合点G1での判別の結果、
ばらつき(A)が生じられたと判断されると、ばらつき
(A)を比例積分制御器20に入力して比例積分制御、
すなわちこれを増幅する。
【0015】一方、上記モータ30の現在速度データ値
Wは速度フィードバック定数(Kv)とかけて加合点G
1にフィードバックされるとともに、加速度計算部40
に入力されて加速度が計算された後、そのデータが加合
点G2に送出される。すなわち、モータに付着されたセ
ンサ、例えばタコゼネレータやエンコーダあるいはレゾ
ルバなどで割り出して比例積分制御器20の出力にフィ
ードバックする。
【0016】これによって、フィードフォワード制御器
10から送出されたデータと、比例積分制御器20から
送出されたデータ、さらに上記加速度の計算部40から
送出されたデータが加合点G2で加合され、その加合さ
れた結果値のデータをモータ30に送出する。すると、
上記加合点G2で加合されたデータは、トルク定数(K
t)とかけられて加合点G3に送出され、あわせてこの
ところでモータ30を停止させようとする外部から印加
される外乱トルク(TL:external torquedisturbanc
e)と加合された後、その加合されたバラツキデータに
よってモータ30が制御されるとともに、現在の速度デ
ータ値(W)が生じる。
【0017】一方、図3において、伝達関数
【数1】 は次のとおり表示される。すなわち、
【数2】 ここでSは、ラプラス演算子、すなわち、微分演算子で
あり、G(S)= +(KtKvKp+B)S/(K
tKvKa+J)+KtKvKi/(KtKvKa+
J)であり、Kfはフィードフォワード定数であり、K
tはトルク定数であり、Jは慣性能率(moment
of inertia)であり、Bは減衰係数であり、
Kvは速度帰還利得(velocity feedba
ck gain)であり、Kaは加速度定数である。
【0018】また、上記速度命令データ値(Wr)が単
位ステップ(unit step)に与えられる場合、
定着時間(settling time:ts)は次の
とおりである。すなわち、定着時間(ts)は ここで、Kpは比例定数である。
【0019】また、上記式(2)、(3)の伝達関数を
多項式にして次のような形態に表わすことができる。 {ここで、N1(S)、N2(S)、N1′(S)、N
2′(S)はモニックポリノミアル(monic po
lynomial)である} C1およびC2は、 のように与えられる。
【0020】また、本発明によると、フィードフォワー
ド定数と加速度定数(Ka)が同一の場合(Kf=K
a)は、図1に示したような既存の比例積分微分(PI
D)制御器と同一になる。本発明が既存の装置と違う点
は、図1に示した上記比例積分微分制御器の場合、C1
のみがフィードフォワード制御器と加速度の制御器を用
いた場合と違うという点である。すなわち、フィードフ
ォワード制御器と加速度制御器の場合、フィードフォワ
ード制御定数(Kf)をKa+J/KtKvで設定する
ことによってC1がゼロになるために、上記比例積分微
分制御器と比べるとかなり優れた特性が得られる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明の同期形交流
サーボモータの速度制御方法及び制御装置によれば、迅
速な応答特性を得られるだけでなく、負荷トルクおよび
慣性の変化による影響を最少化することによって、ロボ
ットの正常駆動を維持して作業能率を向上させることが
できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の比例積分微分制御器のブロック図であ
る。
【図2】電流制御される同期形交流サーボモータのブロ
ク図である。
【図3】本発明の一実施例による同期形交流サーボモー
タの速度制御装置のブロック図である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同期形交流サーボモータの速度を検出す
    るステップと、 上記モータの速度に基づいて上記モータの加速度を計算
    するステップと、 上記モータの速度と命令速度とを比較し、その比較結果
    に基づいて上記モータの速度のばらつきを判断するステ
    ップと、 上記命令速度と所定の利得値とを乗算して修正命令速度
    を発生するステップと、 上記加速度、上記速度のばらつき及び上記修正命令速度
    に基づいて上記モータに対する制御信号を発生するステ
    ップと からなる ことを特徴とする同期形交流サーボモー
    タの速度制御方法。
  2. 【請求項2】 上記センサはタコゼネレータ、エンコー
    ダ又はレゾルバであることを特徴とする請求項1に記載
    の同期形交流サーボモータの速度制御方法。
  3. 【請求項3】 同期形交流サーボモータの現在速度デー
    タ値に速度フィードバック定数値を乗算して速度フィー
    ドバック値を得る乗算手段と、 速度命令データ値に適当な利得値を乗算し、乗算結果を
    フィードフォワードするフィードフォワード制御部と、 上記速度命令データ値を上記速度フィードバック値と比
    較してばらつきを判断し、該ばらつきを増幅する手段
    と、 上記速度フィードバック値に基づいて上記モータの加速
    度を計算して上記加速度をフィードバックする加速度計
    算部と、 フィードバックされた上記加速度と、上記フィードフォ
    ワード制御部からの上記乗算結果と、上記増幅されたば
    らつきとを比較してモータ制御信号を発生する加算部と
    を具備することを特徴とする同期形交流サーボモータの
    速度制御装置。
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