JPH0580805A - Pi制御ループをベースにした適応スライデイングモード制御方式 - Google Patents

Pi制御ループをベースにした適応スライデイングモード制御方式

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JPH0580805A
JPH0580805A JP3266916A JP26691691A JPH0580805A JP H0580805 A JPH0580805 A JP H0580805A JP 3266916 A JP3266916 A JP 3266916A JP 26691691 A JP26691691 A JP 26691691A JP H0580805 A JPH0580805 A JP H0580805A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の線形制御の技術を利用し、スライディ
ングモード制御およぞ適応制御を導入できるようにす
る。 【構成】 スライディングモードの位相面を図1に示す
従来の線形制御で求められるトルク指令を積分ゲインK
2で除した形とする。リアプノフ関数を制御対象のイナ
ーシャ、動摩擦係数、重力項の推定値を考慮したものと
する。該リアプノフ関数が常に負になるように、線形制
御各ゲインKp,K1,K2を決め、上記各推定値を変
化させて、補助入力を決める。線形制御で得られたトル
ク指令τ0に補助入力を加算してサーボモータへのトル
ク指令とする。従来のPI制御にスライディングモード
制御を適用し、かつ、適用制御も適用したので、ロバス
ト性が高く、かつ、かつ従来の制御にライディングモー
ド制御,適用制御の適用が簡単である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロボットや工作機械等
のサーボモータで駆動される各種機械におけるサーボモ
ータ制御方式に関し、特に、スライディングモード制御
に関する。
【0002】
【従来の技術】外乱抑圧性を向上させ、指令に対する追
従性のよいサーボ系を得るため、従来、各種スライディ
ングモード制御がサーボモータで駆動される各種機械の
サーボモータ制御に使用されている(特開平2−297
611号公報,特願平1−253767号等参照)。し
かし、上述した従来のスライディングモード制御の場
合、サーボモータの制御として、従来から行われている
位置ループの制御にP制御(比例制御)、速度ループ制
御にPI制御(比例・積分制御)とは全く関連性のない
スライディングモード制御が適用されており、そのた
め、従来から養われていたP制御,PI制御の線形制御
の技術が全く生かすことができないという欠点があっ
た。そのため、スライディングモード制御導入及び各種
パラメータ値の選定等に非常に時間がかかり、効率的で
はなかった。
【0003】そこで、本願発明者は、長年実施されてき
た線形制御のPI制御にスライディングモード制御を適
用し、従来から培われてきたPI制御の技術,ノウハウ
を活かすと共に、外乱抑圧性の強い、PI制御とスライ
ディングモード制御を実施するサーボモータの制御方式
を提案した(特願平3−140656号参照)。
【0004】一方、スライディングモード制御と適応制
御を組み合わせると、非常にロバスト性が高く、利用価
値の高いものが得られることが知られている。すなわ
ち、外乱抑圧性が高く、パラメータを大きく変動させな
いことから、利用価値の高いものが得られることが知ら
れている。しかし、この場合も、従来のPI制御とは異
なり、サーボモータの制御に導入することが難しく、か
つ、パラメータ調整等が非常に難しいという問題があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、PI制御をベースにし、スライディングモード制御
と適応制御を組み合わせ、従来から培われていたPI制
御の技術やノウハウを活かすようにすると共に、ロバス
ト性が高いサーボモータの制御方式を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、位置ループ制
御を比例制御、速度ループを比例積分制御とし、該線形
制御により得られるトルク指令を速度ループの積分ゲイ
ンで除したものをスライディングモード制御の位相面と
し、リアプノフ関数を制御対象のイナーシャ、動摩擦係
数、重力項の推定値を考慮したものとして、該リアプノ
フ関数の微分値が常に負になるように、線形制御の各ゲ
インを設定し、かつ該線形制御からのトルク指令値に加
算してサーボモータへのトルク指令とする補助入力を決
めるようにする。
【0007】位置ループのポジションゲインをKp、速
度ループの積分ゲインをK1、比例ゲインをK2、位置
偏差をε、速度偏差をεの上にドットを付したものとし
て表し、制御対象のイナーシャをJその推定値をJhat
、動摩擦係数をAその推定値をAhat 、重力項をGr
その推定値をGrhat、適応速度を決める調整パラメータ
の値をα,β,γとして表し、、スライディングモード
の位相面Sufを数式9とし、リアプノフ関数を数式10
として該リアプノフ関数の微分値が常に負になるよう
に、上記ポジションゲインKp、速度ループの積分ゲイ
ンK1、比例ゲインK2を決め、かつ、位置・速度ルー
プ制御によるトルク指令値に加算してサーボモータへの
トルク指令とする補助入力を決めて制御するようにした
ので、従来の位置・速度ループ制御をベースしてスライ
ディングモード制御と適応制御を組み合わせてサーボモ
ータを制御できる。
【0008】
【数9】
【0009】
【数10】 特に、ポジションゲインKp、積分ゲインK1、比例ゲ
インK2と制御対象の最大イナーシャJmax との関係が
次の数式11が成立するように設定し、
【0010】
【数11】 また、移動指令θrの加速度をθrの上に2つのドット
を付して表し、サーボモータからの速度フィードバック
値をθの上にドットを付して表し、切り換え入力をτ1
とし、サーボモータへの入力τを数式12とする。
【0011】
【数12】 また、適応速度を決める調整パラメータの値をα,β,
γとして、イナーシャの推定値Jhat を数式13、動摩
擦係数の推定値Ahat 数式14、重力項の推定値をGrh
atを数式15のように変化させると共に、
【0012】
【数13】
【0013】
【数14】
【0014】
【数15】 上記位相面Sufの値が「0」以上の場合には、切り換え
入力をτ1を予想最大外乱トルクとし、負の場合には、
予想最小外乱トルクとすることによってサーボモータを
制御するPI制御ループをベースにしたスライディング
モード制御と適応制御の組み合わせでサーボモータを制
御するようにした。
【0015】
【作用】線形制御により得られるトルク指令を速度ルー
プの積分ゲインで除したものをスライディングモード制
御の位相面とし、リアプノフ関数を制御対象のイナーシ
ャ、動摩擦係数、重力項の推定値を考慮したものとして
いるので、従来から実施されていた線形制御の技術やノ
ウハウはそのまま適用でき、しかも、スライディングモ
ード制御の位相面は線形制御によって得られるトルク指
令に比例したものとなるから、導入がしやすく、かつ、
リアプノフ関数として制御対象のイナーシャ、動摩擦係
数、重力項の推定値を考慮したものとし、該各推定値を
徐々に変化させて補助入力を決めるようにしている。そ
のため、サーボモータへ指令されるトルク指令が極端に
変化することがないので、最適な制御を実施することが
できる。
【0016】
【実施例】位相面(切換え面)Sufを次の数式16と
する。
【0017】
【数16】 数式16において、εは位置偏差、また、位置偏差εの
上に1ドットを付したものは位置偏差の微分を意味す
る。なお、以下文字の上に1ドットを付したものは、微
分を、2ドットを付したものは2回微分を表す。また、
KpはP制御による位置ループのポジションゲイン、K
1,K2それぞれはPI制御による速度ループの積分ゲ
イン,比例ゲインである。
【0018】制御対象を次の数式17で表されるものと
する。
【0019】
【数17】 なお、数式17でθはモータ位置のフィードバック量で
あり、Jはイナーシャ、Aは動摩擦係数、Grは重力の
項、Disは外乱トルクである。また、移動指令をθr
とすると、移動指令θr,位置のフィードバック量θ,
位置偏差εの関係は次の数式18のようになる。
【0020】
【数18】 そこで、サーボモータへの入力τを次の数式19で示す
ものとする。
【0021】
【数19】 上記数式19において、Jhat はイナーシャの推定値、
Ahat は動摩擦係数の推定値、Grhatは重力項の推定
値、τ1は切り換え入力である。また、数式19の右辺
第1式と第2式は、位置ループ制御をP制御、速度ルー
プ制御をPI制御したときのトルク指令値τ0(数式2
0参照)を示しており、残りの部分を補助入力τaとす
ればよいことを意味している。すなわち、補助入力τa
を次の数式21とすれば、上記数式19は次の数式22
となる。
【0022】
【数20】
【0023】
【数21】
【0024】
【数22】 そこで、数式22で示されるサーボモータへの入力τを
求めるブロック線図を書くと図1のようになる。図1か
ら明らかのように、このサーボモータへの入力τは位置
ループをP制御、速度ループをPI制御した従来から行
われている線形制御の出力τ0(トルク指令)に補助入
力τaを加算したものであ、スライディングモード制御
と適用制御の組み合わせの導入を容易にしたものとな
る。
【0025】次にリアプノフ関数として、次の数式23
を考える。
【0026】
【数23】 なお数式23において、α,β,γは適応速度を決める
正の調整パラメータである。またJbar はイナーシャの
推定誤差、Abar は動摩擦係数の推定誤差、Grbarは重
力項の推定誤差であり、次の数式24の関係にある。
【0027】
【数24】 上記リアプノフ関数の微分値を常に負にするような入力
をサーボモータに入力すれば、上記リアプノフ関数Vは
常に正で、微分が負であることから、単調減少であるた
め、リアプノフ関数V及び位相面Sufは最小値「0」
に収束する。これにより、応答性はイナーシャや外乱に
左右されることなく、Suf=0に収束し固定して動く
ことになる。
【0028】数式23の両辺を微分して整理すると次の
数式25となる。
【0029】
【数25】 数式16の両辺を微分し整理すると次の数式26とな
る。
【0030】
【数26】 数式18を数式17に代入し整理すると次の数式27と
なる。
【0031】
【数27】 数式27を数式26に代入すると次の数式28となる。
【0032】
【数28】 数式28を数式25に代入し整理すると次の数式29と
なる。
【0033】
【数29】 また、数式16より、
【0034】
【数30】 数式30を数式29に代入し整理すると次の数式31と
なる。
【0035】
【数31】 数式31に数式19を代入し整理すると次の数式32と
なる。
【0036】
【数32】 さらに、数式32に数式24を代入し整理すると数式3
3となる。
【0037】
【数33】 その結果、リアプノフ関数の微分が常に負になるには、
上記数式33が常に負にするようにすればよく、そのた
めに、上記数式33を常に負にするように切り換え入力
τ1及び、推定値Jhat ,Ahat ,Grhatを変化させれ
ばよい。まず数式33の右辺第1式を負にするには、 Kp<(K2/J)−(K1/K2) が成立すればよく、そのためには、 Kp<(K2/Jmax )−(K1/K2) となるように、ポジションゲインKp、積分ゲインK
1、比例ゲインK2を選択設定すればよい。なお、Jma
x は制御対象の予想される最大イナーシャである。
【0038】次に、上記数式33の右辺第2式は「0」
にする。そうすると、次の数式34が成り立つ。
【0039】
【数34】 Jbar =J−Jhat であり、イナーシャJの変化が非常
小さくその微分値が「0」とみなせるとすると、次の数
式35が成立し、上記数式34は次の数式36として表
される。
【0040】
【数35】
【0041】
【数36】 同様に、数式33の右辺第3式,第4式についても
「0」とし、かつ、動摩擦係数A,重力項Grの変化が
非常に小さく、各微分値を「0」とみなせば、次の数式
37,数式38が成立する。
【0042】
【数37】
【0043】
【数38】 上記数式36,37,38で示されるように、調整パラ
メータα,β,γは各推定値の変化速度を決めるものと
なり、適応速度を決めるものとなることが分かる。ま
た、数式33の右辺第5式において、常に負にするに
は、 Suf・(Dis−τ1)<0 より、Suf≧0のときには、Dis−τ1<0とすれば
よく、そのためには、τ1=Dismax とすればよい。な
お、Dismax は外乱トルクの最大値である。
【0044】Suf<0のときには、Dis−τ1>0と
すればよく、τ1=Dismin とすればよい。なお、Dis
minは外乱トルクの最小値である。
【0045】以上のことより、リアプノフ関数の微分が
常に負になるように、補助入力τaを決めるには、数式
21において不明な推定値Jhat ,Ahat ,Grhatは上
記数式36,37,38を積分して求めればよく、ま
た、位相面Sufの値は数式16及び数式20で示され
るように線形制御の出力(位置ループをP制御、速度ル
ープをPI制御)τ0を比例ゲインK2で除して求める
ことができる。また、切り換え入力τ1は位相面Suf
の符号によって外乱トルクの最大値Dismax か最小値D
ismin に切換えるようにすればよい。
【0046】図2は本発明の一実施例を実施する機械の
サーボモータ制御の要部ブロック図で、図中、20は機
械を制御する数値制御装置等の上位CPU、21は該上
位CPU20から出力されるサーボモータへの各種指令
等を受信し、デジタルサーボ回路22のプロセッサに受
け渡すための共有メモリ、22はデジタルサーボ回路で
あり、プロセッサ,ROM,RAM等で構成され、プロ
セッサによってサーボモータ24の位置,速度,電流制
御の処理を行うものである。23はトランジスタインバ
ータ等で構成されるサーボアンプ、24はサーボモー
タ、25はサーボモータ24の回転位置及び速度を検出
しデジタルサーボ回路22にフィードバックする位置・
速度検出器である。
【0047】上記構成はロボットや工作機械等のサーボ
モータの制御における公知のデジタルサーボ回路の構成
と同一である。
【0048】図3〜図4は、本実施例のデジタルサーボ
回路22のプロセッサが実施するフィードフォワード処
理,位置ループ処理,速度ループ処理及びスライディン
グモード処理+適応制御処理のフローチャートであり、
上記プロセッサは所定周期(位置・速度ループ処理周
期)T毎この図3〜図4で示す処理を実行する。
【0049】まず、共有メモリ21を介して上位CPU
20から送られてきた移動指令より位置・速度ループ毎
の移動指令θrを求め、かつ位置・速度検出器25から
出力された位置、速度のフィードバック値を読み取る
(ステップS1)。そして、移動指令θrから位置フィ
ードバック値θを減じた値を、位置偏差εを記憶するレ
ジスタR(ε)に入力し、当該周期における位置偏差ε
を求める(ステップS2)。
【0050】次に、移動指令θrから前周期の移動指令
を記憶するレジスタR(θr)の値を減じて、フィード
フォワード量(移動指令θrの速度)を求める(図1に
おける移動指令の微分)(ステップS3)。次に、求め
られたフィードフォワード量から前周期のフィードフォ
ワード量を記憶するレジスタの値を減じて移動指令の加
速度を求める(ステップS4)。そして、次の周期で利
用するために移動指令を記憶するレジスタ、フィードフ
ォワード量を記憶するレジスタにそれぞれステップS1
及びステップS3で求めた移動指令、フィードフォワー
ド量を記憶する(ステップS5)。
【0051】次に、ステップS2で求めた位置偏差εに
ポジションゲインKpを乗じた値にフィードフォワード
量を加算すると共に、ステップS1で読み取った速度の
フィードバック値を減じた値Vrを求め(ステップS
6)、この値VrをアキュムレータIに加算し積分値を
求める(図1の速度ループ処理における積分処理)(ス
テップS7)。さらに、このアキュムレータIの値に積
分ゲインK1を乗じた値と上記値Vrに比例ゲインK2
を乗じた値を加算して線形制御(従来のフィードフォワ
ードを伴なった位置ループP制御,速度ループPI制御
処理)によるトルク指令τ0を求める(ステップS
8)。
【0052】なお、ポジションゲインKp,積分ゲイン
K1,比例ゲインK2は前述したように、Kp<(K2
/Jmax )−(K1/K2)の関係が成立するように、
あらかじめパラメータで設定されており、また、前述し
た調整パラメータα,β,γ及び想定される外乱トルク
の最大値Dismax ,最小値Dismin もパラメータにより
設定され、ディジタルサーボ回路のメモリ内に記憶され
ているものとする。
【0053】次に、ステップS8で求められた線形制御
のトルク指令地τ0を速度ループ制御における比例ゲイ
ンK2で除して位相面Sufの値を求める(ステップS
9)。次に、ステップS4で求めた移動指令θrの2回
微分の値、ステップS2で求めた位置偏差εの値、ステ
ップS7で求めたアキュムレータIの値、及びポジショ
ンゲインKp,積分ゲインK1,比例ゲインK2の値よ
り次の数式39の演算を行ってQの値を求める(ステッ
プS10)。なおこのQの値はイナーシャの推定値Jha
t 等を求めるために予め準備するためのものである。
【0054】
【数39】 次に、イナーシャの推定値Jhat を記憶するレジスタR
(Jhat )にステップS9で求めた位相面Sufの値を
パラメータαで除した値にステップS10で求めたQの
値を乗じ、さらにこの位置・速度ループ処理の周期Tを
乗じた値を加算して該レジスタR(Jhat)に記憶する
(ステップS11)。すなわたこのステップS11の処
理が数式36を積分してイナーシャの推定値Jhat を求
める処理である。なお、レジスタR(Jhat )及び後述
するレジスタR(Ahat),R(Grhat)は初期設定で
「0」に設定されている。そして、このレジスタR(J
hat )の値Jhat にステップS10で求めたQの値を乗
じてレジスタR1に格納する(ステップS12)。その
結果、該レジスタR1には数式21で示す補助入力τa
の数式21の右辺第1式の値が記憶されることになる。
【0055】次に、動摩擦係数の推定値Ahat を記憶す
るレジスタR(Ahat)に、ステップS9で求めた位相面
Sufの値を調整パラメータの値βで除して、速度フィ
ードバックの値を乗じ、さらにこの位置・速度ループ処
理の周期Tを乗じた値を加算して動摩擦係数の推定値A
hat を求める(ステップS13)。このステップS13
の処理が数式37を積分して動摩擦係数の推定値Ahat
を求める処理である。そして、この動摩擦係数の推定値
Ahat に速度フィードバック量を乗じた値をレジスタR
2に格納する(ステップS14)。その結果レジスタR
2には数式21右辺第2式の値が記憶されることにな
る。さらに、重力項の推定値Grhatを記憶するレジスタ
R(Grhat)にステップS9で求めた位相面Sufの値
を調整パラメータの値γで除した値にこの処理の周期T
を乗じた値を加算し記憶させる(ステップS15)。こ
のステップS15の処理が数式38を積分して重力項の
推定値Grhatを求める処理であり、このレジスタR(G
rhat)には、数式21の右辺第3式の値が記憶されるこ
とになる。
【0056】次に、ステップS9で求めた位相面Suf
の値が「0」以上か否か判断し、負であれば、切り換え
入力τ1を予想される最小外乱トルクDismin に設定
し、「0」若しくは正であれば、切り換え入力τ1を予
想される最大外乱トルクDismxx に設定する(ステップ
S16〜S18)。
【0057】そして、レジスタR1,R2,R(Grha
t)の値、及びステップS17若しくはS18で求めた
切り換え入力τ1を加算して補助入力τaを求め(ステ
ップS19)、求められた補助入力τaをステップS8
で求めた線形制御におけるトルク指令値τ0に加算して
サーボモータへのトルク指令τとして電流ループに出力
する(ステップS20)。
【0058】以下、以上の処理を位置・速度ループ処理
周期毎繰り返し実施する。
【0059】また、上記実施例では線形制御にフィード
フォワード制御を用いた例を説明したが、フィードフォ
ワード制御を用いない通常の位置制御のP制御、速度制
御にPI制御を用いたものにも本発明は適用できること
はもちろんである。
【0060】
【発明の効果】本発明は、従来の線形制御をほとんど変
更することなく、スライディングモード制御及び適応制
御を簡単に適用することができ、かつ、イナーシャや動
摩擦係数等の推定値を用いて適応制御をも実施するの
で、補助入力の値が急激に変動することがなく、サーボ
モータへのトルク指令が急激に変動し振動が生じるよう
なことはない。そのため、外乱抑圧性に強く、パラメー
タ変動(イナーシャや動摩擦,重力項等の変動)に強い
サーボモータの制御が得られる。しかも、従来の線形制
御を使用するから、従来から線形制御で養われた技術を
そのまま生かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のブロック線図である。
【図2】同実施例を実施するサーボモータ制御の要部ブ
ロック図である。
【図3】同実施例におけるデジタルサーボ回路のプロセ
ッサが実施する線形制御,スライディングモード制御及
び適応制御処理のフローチャートの一部である。
【図4】図3の続きである。
【符号の説明】
Kp ポジションゲイン K1 積分ゲイン K2 比例ゲイン θr 移動指令 τa 補助入力 τ0 線形制御によるトルク指令 τ サーボモータへのトルク指令

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーボモータの制御方式において、位置
    ループ制御を比例制御、速度ループを比例積分制御と
    し、該線形制御により得られるトルク指令を速度ループ
    の積分ゲインで除したものをスライディングモード制御
    の位相面とし、リアプノフ関数を制御対象のイナーシ
    ャ、動摩擦係数、重力項の推定値を考慮したものとし
    て、該リアプノフ関数の微分値が常に負になるように、
    線形制御の各ゲインを設定し、かつ該線形制御からのト
    ルク指令値に加算してサーボモータへのトルク指令とす
    る補助入力を決めることを特徴とするPI制御ループを
    ベースにした適応スライディングモード制御方式。
  2. 【請求項2】 サーボモータの制御方式において、位置
    ループ制御を比例制御、速度ループを比例積分制御と
    し、位置ループのポジションゲインをKp、速度ループ
    の積分ゲインをK1、比例ゲインをK2、位置偏差を
    ε、速度偏差を 【外1】 、制御対象のイナーシャをJその推定値をJhat 、動摩
    擦係数をAその推定値をAhat 、重力項をGr その推定
    値をGrhat、適応速度を決める調整パラメータの値を
    α,β,γ、切り換え入力をτ1とし、スライディング
    モードの位相面Sufを数式1とし、リアプノフ関数を数
    式2として該リアプノフ関数の微分値が常に負になるよ
    うに、上記ポジションゲインKp、速度ループの積分ゲ
    インK1、比例ゲインK2を決め、かつ、位置・速度ル
    ープ制御によるトルク指令値に加算してサーボモータへ
    のトルク指令とする補助入力を決めることを特徴とする
    PI制御ループをベースにした適応スライディングモー
    ド制御方式。 【数1】 【数2】
  3. 【請求項3】 サーボモータの制御方式において、位置
    ループ制御を比例制御、速度ループを比例積分制御と
    し、位置ループのポジションゲインをKp、速度ループ
    の積分ゲインをK1、比例ゲインをK2としたとき、こ
    れらのゲインの値を数式3が成立するように設定し、 【数3】 移動指令の加速度を 【外2】 、サーボモータからの速度フィードバック値を 【外3】 、制御対象のイナーシャの推定値をJhat 、動摩擦係数
    の推定値をAhat 、重力項の推定値をGrhat、切り換え
    入力をτ1とし、スライディングモードの位相面Sufを
    数式4とし、サーボモータへの入力τを数式5として、 【数4】 【数5】 適応速度を決める調整パラメータの値をα,β,γとし
    て、イナーシャの推定値Jhat を数式6、動摩擦係数の
    推定値Ahat 数式7、重力項の推定値をGrhatを数式8
    のように変化させると共に、 【数6】 【数7】 【数8】 上記位相面Sufの値が「0」以上の場合には、切り換え
    入力をτ1を予想最大外乱トルクとし、負の場合には、
    予想最小外乱トルクとすることによってサーボモータを
    制御するPI制御ループをベースにした適応スライディ
    ングモード制御方式。
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