JPH05216540A - サーボモータの制御方式 - Google Patents

サーボモータの制御方式

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JPH05216540A
JPH05216540A JP4047704A JP4770492A JPH05216540A JP H05216540 A JPH05216540 A JP H05216540A JP 4047704 A JP4047704 A JP 4047704A JP 4770492 A JP4770492 A JP 4770492A JP H05216540 A JPH05216540 A JP H05216540A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械の動特性の差をコントローラ側で吸収し
同一特性にする。 【構成】 位置・速度ループ処理周期毎、先行スムージ
ング処理(7)を行う。当該周期のスムージングデータ
をSMD0 、1周期前のスムージグデータをSMD1 と
すると、位置のフィードフォワード量FFpを次の演算
を行って求める。 FFp=α{(1−k)SMD0 +kSMD1 } なお、αは位置フィードフォワード係数である。上記パ
ラメータkの値を調整することによって機械およびコン
トローラをも含めた、指令に対する機械の応答の特性を
調節する。これにより、2軸以上の同時補間を行う場合
でも、動特性を同じにすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工作機械の送り軸やロ
ボットのアームを駆動するサーボモータの制御方式に関
する。
【0002】
【従来の技術】サーボモータを用いて工作機械の送り軸
やロボットのアームなどを制御するとき、位置偏差量を
低減させるためにフィードフォワード制御が行われる。
特に、工作機械で高速切削を行う場合、サーボ系の追従
遅れによる形状誤差が生じる。そのため、この形状誤差
を少くするため位置ループにフィードフォワードをかけ
ることがある。すなわち、位置,速度処理周期毎、移動
指令を微分して、この微分値にフィードフォワード係数
を乗じた値を通常の位置ループ処理で得られた速度指令
に加算して、この加算値を速度指令とするフィードフォ
ワード制御を行い、位置偏差を低減させ、サーボ遅れを
補正している。
【0003】しかし、数値制御装置等からサーボ回路
側、即ち、位置ループに移動指令が受け渡しされる分配
周期(ITP周期)は8msec程度であり、サーボ回
路内部での位置ループ,速度ループの周期は2msec
或いは1msecである。そして、位置ループでは上記
数値制御装置から移動指令が受け渡されるITP周期を
位置ループ周期で分割し、分割した各位置ループ周期に
おける移動指令が均等になるように制御している。その
ため、数値制御装置から出力される移動指令に加減速時
定数を与えて出力されるようにしても、位置ループでは
各ITP周期内における位置・速度ループ処理周期Ts
毎の各位置ループ処理での移動指令が均等になるように
制御されるから、ITP周期が変る位置ループ処理の移
動指令間にのみ移動指令に大きな段差が生じ、これがフ
ィードフォワード項で微分されて大きな値となり、速度
指令は高周波成分を含むこととなり、速度ループで追従
できなくなり、位置偏差にうねりが生じ、モータや機械
の動きに大きなショックを発生させる原因となる。そこ
でこの欠点を解消するために、位置の制御,さらには速
度の制御のフィードフォワードの項に加減速処理を挿入
し、上記うねりを解消させるスムージング操作(平滑処
理)を行うサーボモータの制御方式を本願発明の発明者
は提案し、特開平3−15911号公報によって公開さ
れている。
【0004】しかし、上記スムージング操作は、時間的
に過去のデータを平均化するものであり、位置ループ制
御系では加減速時に位置偏差のうねり等を生じてしまう
という問題がある。そこで、本願発明者等はさらに改良
を重ね、当該ITP周期よりも後(未来)に出力される
移動指令をも利用して当該位置・速度ループ周期の移動
指令の前後の位置・速度ループ周期の移動指令を平均化
する先行スムージング方式を用い、この先行スムージン
グ方式で得られた値をフィードフォワード量として通常
の位置ループ処理で得られる速度指令に加算するように
した方式を開発し(特願平2−301154号,特願平
3−149614号,特願平3−255977号等参
照)、上記問題点を解決した。
【0005】すなわち、先行スムージング処理で次の1
式の演算を行い移動指令の平均値を求め、この平均値に
フィードフォワード係数αを乗じて位置のフィードフォ
ワード量としていた。
【0006】 平均値=Zd (1+Z-1+…+Z-(N-1)).(移動指令量)/N …(1) なお、NはITP周期を位置・速度ループの周期で割っ
た値、Z-1は1位置・速度ループ処理周期の遅れを示
し、Zd は進め要素であり、上記Nの約1/2の値がと
られ、N=8であるとdは「3」若しくは「4」の値に
される。
【0007】また、上記1式と同等なスムージングデー
タを得る先行スムージング処理として、当該ITP周期
と前後のITP周期の移動指令を利用するものも、上記
特願平3−149614号,特願平3−255977号
で提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したようなフィー
ドフォワード制御を行う場合に、2軸以上の同時補間を
行うとき、フィードフォワード係数が各軸同じであれ
ば、一定速度に達した後などの定常状態での各軸の特性
は等しくなる。しかし、各軸の機械的な剛性の違い等に
より加減速時などの過度状態では、各軸の動特性は完全
に一致しない。すなわち、従来は、各軸のコントローラ
の動特性が同一になるように制御が行われており、速度
が遅く負荷である機械の動特性の違いが無視できる程小
さい場合には、コントローラの特性が同じであることか
ら、各軸の動きも軸毎に同一の応答性が得られる。しか
し、高速になり加速度が大きくなると、機械的な特性の
違いにより、同一の応答性が得られなくなる。
【0009】そこで本発明の目的は、各軸の剛性等の機
械的な特性が異なる場合でも、同一の応答性が得られる
ようなサーボモータの制御方式を提供することにある。
【0010】
【問題を解決するための手段】本発明は、位置・速度ル
ープ周期毎に先行スムージング処理を行いスムージング
データを求め、当該位置・速度ループ処理に対応するス
ムージングデータをSMD0 ,1周期前のスムージング
データをSMD1 ,フィードフォワード係数をα,パラ
メータをkとしたとき、次の演算を行い、 FFp=α{(1−k)SMD0 +kSMD1 } 位置のフィードフォワード量FFpを求め、速度指令を
補正する。この場合、上記パラメータkは指令からサー
ボモータによって駆動される機械までの動特性を所望の
特性になるように調整して決める。また、1周期前のス
ムージングデータをSMD1 の代わりに1周期先のスム
ージングデータをSMD2 ,を求めて次の演算を行い、 FFp=α{(1−k)SMD0 +kSMD2 } 位置のフィードフォワード量FFpを求め、速度指令を
補正してサーボモータを制御する。
【0011】
【作用】位置・速度ループ周期毎に先行スムージング処
理を行いスムージングデータを求め、当該位置・速度ル
ープ処理に対応するスムージングデータSMD0 と1周
期前のスムージングデータSMD1 若しくは1周期先の
スムージングデータSMD2 より上述した各演算を行っ
て、位置のフィードフォワード量FFpを求め、速度指
令を補正してサーボモータを制御する。これにより、2
軸以上の同時補間を行う場合に、各軸の機械の動特性が
異なるときでも、各軸の応答特性をほぼ同一にするよう
に調整することができる。
【0012】
【実施例】図1は本発明の一実施例におけるフィードフ
ォワード制御を行なうサーボ系のブロック図で、1はC
NC(コンピュータ内蔵の数値制御装置)から分配周期
(ITP周期)毎送られてくる移動指令MCMDを位置
・速度ループ処理周期毎の移動指令に分割するDDA
(Digital Differential Ana
lyzer)、2は該DDA1から出力される移動指令
を加算し、各位置・速度ループ処理周期毎のサーボモー
タの移動量を減じて位置偏差を求めるエラーカウンタ、
3はエラーカウンタ2に記憶する位置偏差にポジション
ゲインKpを乗じて速度指令を求める項、4は速度ルー
プの項でk1は積分定数、k2は比例定数である。5,
6はサーボモータの伝達関数の項で、Ktはトルク定
数,Lmはモータイナーシャである。10,11はサー
ボモータに結合された機械の伝達関数の項で、Kmはバ
ネ定数,Cmは粘性項,JL は機械のイナーシャであ
る。さらに、12は速度を位置に変換する伝達関数の項
である。
【0013】また、7は上述した従来から行われている
先行スムージング手段の項、8は先行スムージング手段
によって得られたスムージングデータSMDより位置の
フィードフォワード量FFpを求める項で、kはサーボ
モータに接続される機械の特性に合わせて調整されるパ
ラメータであり、αは位置のフィードフォワード係数で
ある。9はスムージングデータSMDを微分して、すな
わち、当該周期と1周期前とのスムージングデータSM
Dの差を求め、速度のフィードフォワード量FFvを求
める項である。なお、Tsは位置・速度ループの周期で
ある。
【0014】ITP周期毎、CNC等の数値制御装置か
ら移動指令MCMDが出力され、DDA1によって位置
・速度ループ処理周期Ts毎の移動指令が求められる。
この移動指令と位置のフィードバック量よりエラーレジ
スタ2で位置偏差が求められ、この位置偏差にポジショ
ンゲインKpが乗じられて速度指令Vc1が従来と同様
に求められる。一方先行スムージング手段7によって上
記1式処理もしくは、当該ITP周期の移動指令MCM
Dと該ITP周期の前後のITP周期の移動指令MCM
Dによって従来と同様の方法によってスムージングデー
タSMDを求める。このスムージングデータSMDに対
して次の2式の演算を行って、位置のフィードフォワー
ド量FFpが求める(項8の処理)。
【0015】 FFp=α{(1−k)+kZ-1}・SMD =α{(1−k)SMD0 +kSMD1 } …(2) なお、SMD0 は当該位置・速度ループ処理周期Tsで
算出されたスムージングデータ、SMD1 は1周期Ts
前に算出されたスムージングデータである。
【0016】そして、上記位置ループ処理によって求め
られて速度指令Vc1に上記位置のフィードフォワード
量FFpを加算して位置のフィードフォワード制御が実
行された速度指令Vcを求める。この速度指令Vcから
サーボモータからの速度フィードバック量を減じて速度
偏差を求め従来と同様の速度ループ処理を実行しトルク
指令Tc1を求める。また、スムージングデータSMD
を微分(当該周期のスムージングデータから前周期のス
ムージングデータを減じてこの微分値を得る)して得ら
れる値に、サーボモータのトルク定数Kt,イナーシャ
Jm,該サーボモータに結合された機械のイナーシャJ
L によって決まる定数(=(Jm+JL)/Kt)及び
速度フィードフォワード係数βを乗じて速度のフィード
フォワード量FFvを求める。すなわち、次の3式の演
算を行って速度のフィードフォワード量FFvを求める FFv={β(Jm+JL )/Kt}{(1−Z-1)/Ts}SMD ={β´(Jm+JL )/Kt}(SMD0 −SMD1 ) …(3) このフィードフォワード量FFvを上述した速度ループ
処理によって得られたトルク指令Tc1に加算し、速度
のフィードフォワード制御が行われたトルク指令Tcを
求め、該トルク指令Tcによってサーボモータを駆動す
るものである。
【0017】図2は、本発明を適用したサーボモータ制
御系のブロック図であり、構成は従来のデジタルサーボ
制御を行う装置と同一構成であるので、概略的に示して
いる。図2において、20はコンピュータを内蔵した数
値制御装置(CNC)、21は共有RAM、22はプロ
セッサ(CPU),ROM,RAM等を有するディジタ
ルサーボ回路、23はトランジスタインバータ等のサー
ボアンプ、Mはサーボモータ、24はサーボモータMの
回転と共にパルスを発生するパルスコーダである。な
お、図2には、1軸のサーボモータのみを示している。
【0018】CNC20はIPT周期(分配周期)毎に
移動指令MCMDを共有RAM21に書込み、ディジタ
ルサーボ回路22のCPUはこの移動指令MCMDを共
有RAM21から読取り、上記ITP周期をN個に分割
した周期Ts(ITP=Ts×N)で、位置・速度ルー
プ処理を行う。ITP周期毎、NC20から出力される
移動指令MCMDがITP周期中均等に分配されるよう
に位置・速度ループ処理Tsにおける移動指令を求め
(従来から公知のDDAの処理)、この移動指令とパル
スコーダ24からのフィードバックパルスによって得ら
れるサーボモータMの現在位置との差より位置ループ処
理を行うと共に、後述する位置のフィードフォワード制
御処理を行って速度指令を求め、次に、該速度指令とパ
ルスコーダ24からのフィードバックパルスによって得
られるサーボモータMの実速度より速度ループ処理、さ
らには速度のフィードフォワード処理を行い、トルク指
令(電流指令)を求める。そして、電流ループ処理を行
い、PWM指令を作成し、サーボアンプ23を介してサ
ーボモータMを駆動する。次に、本実施例の動作につい
て説明する。図3は、ディジタルサーボ回路22のCP
Uが実施するITP周期ごとの移動指令読み取り処理で
あり、図4は本発明の第1の実施例における位置・速度
ループ処理周期Tsごとの位置ループ処理、速度ループ
処理のフローチャートである。
【0019】ディジタルサーボ回路22のCPUはIT
P周期毎、図3の処理を実行し、まず、CNC20から
指令された移動指令MCMDを共有メモリ21から読み
取り(ステップS1)、レジスタR3にレジスタR2に
記憶する値、レジスタR2にレジスタR1に記憶する
値、レジスタR1にステップS1で読み取った移動指令
MCMDを格納する(ステップS2)。なお、レジスタ
R1〜R3は初期設定で始めは「0」が格納されてい
る。そして、カウンタCを「0」にセットし(ステップ
S3)、当該分配周期毎の処理を終了する。以下各IT
P周期毎この処理を実行する。
【0020】一方、位置・速度ループ処理周期毎ディジ
タルサーボ回路22のCPUは図4に示す処理を実行
し、まず、カウンタCの値が、ITP周期を位置・速度
ループ処理周期で除した値N(=ITP周期/位置・速
度ループ処理周期)の1/2以下か否か判断し(ステッ
プA1)、以下ならばアキュムレータSUNにレジスタ
R2の値からレジスタR3の値を減じた値を加算し(ス
テップA2)、また、カウンタCの値がN/2を越えて
いれば、アキュムレータSUNにレジスタR1の値から
レジスタR2の値を減じた値を加算し(ステップA
3)、ステップA4に移行する。なお、アキュムレータ
SUNは初期設定で始めは「0」にされている。
【0021】ステップA4では上記アキュムレータSU
Nの値を上記分割数Nの2乗で除算し、スムージングデ
ータSDM0 を求め、この当該周期で求められたスムー
ジングデータSMD0 とレジスタに記憶する位置・速度
ループ処理の1周期前のスムージングデータSMD1 よ
り上記2式の演算を行い、位置のフィードフォワード量
FFpを求める(ステップA5)。次にカウンタCに
「1」加算する(ステップA6)。なお、上記ステップ
A1〜A4及びA6の処理がスムージングデータを求め
る処理であるが、この処理はすでに公知であり前述した
特願平3−149614号,特願平3−255977号
と記載のものと同一であり、詳細は省略する。
【0022】次に、レジスタR2に格納された移動指令
MCMDに基づいてDDAの処理を行い位置・速度ルー
プ処理周期の移動指令を求める(ステップA7)。な
お、作動開始時の最初のITP1周期の期間は、レジス
タR2には移動指令MCMDが記憶されていないから、
位置・速度ループの移動指令は「0」である。すなわ
ち、スムージング処理及びフィードフォワード処理のみ
が1ITP周期先行して実行されることになる。ステッ
プA7の処理で求められた位置・速度ループ処理周期の
移動指令及びパルスコーター24からの位置のフィード
バック量より、従来と同様の位置ループ処理を行い速度
指令Vc1を求め(ステップA8)、該速度指令にステ
ップA5で求めた位置のフィードフォワード量FFpを
加算し、位置のフィードフォワード処理をした速度指令
Vcを求める(ステップA9)。この速度指令Vcと速
度フィードバック信号により従来と同様の速度ループ処
理を行いトルク指令Tc1を求める(ステップA1
0)。また、当該周期で求めたスムージングデータSM
D0 とレジスタに記憶する前周期のスムージングデータ
SMD1 により上記3式の演算を行い速度のフィードフ
ォワード量FFvを求め(ステップA11)、この速度
フィードフォワード量FFvをステップA10で求めた
トルク指令Tc1に加算し、速度フィードフォワード制
御がされたトルク指令Tcを求め(ステップA12)、
電流ループにこのトルク指令Tcを引き渡す(ステップ
A13)。そして、当該周期で求めたスムージングデー
タSMD0 を次の周期で1周期Ts前のスムージングデ
ータSMD1 として使用するためにレジスタに格納し
(ステップA14)、当該位置・速度ループの処理を終
了する。以下、各位置・速度ループ処理周期Ts毎に図
4に記載された処理を実行する。
【0023】上記実施例では、スムージング処理を当該
位置・速度ループ周期のスムージングデータSMD0 よ
り1周期前(過去)のスムージングデータSMD1 を用
いて位置のフィードフォワードFFpを求めたが、当該
位置・速度ループ周期のスムージングデータより1周期
先(未来)のスムージングデータを用いて位置のフィー
ドフォワードFFpを求めてもよい。この場合の位置・
速度ループの処理は図5に示す処理となる。
【0024】この図5と図4の違いは、図4のステップ
A1,A5,A11,A14に対応するステップB1,
B5,B11,B14が相違し、ステップB15が付加
されている点である。図4のステップA1ではカウンタ
Cの値がN/2以下の時ステップA2に移行するように
したが図5のこのステップに対応するステップB1では
カウンタCの値がN/2より小さくなった時ステップB
2に移行するようにし、スムージング処理を位置・速度
ループ周期1周期早くした処理を行うようにしている。
すなわち、カウンタCはITP周期毎「0」にセットさ
れ位置・速度ループ処理周期毎「1」加算されるもので
あるから(ステップA6,B6参照)、ステップA1,
B1の判断は1ITP周期内において当該位置・速度ル
ープ周期が前半部に属するのか後半部に属するのかを判
断し、前半であればステップA2,B2に、後半であれ
ばステップA3,B3に移行するものである。そして、
位置・速度ループにおける移動指令はレジスタR2に記
憶されたITP周期の移動指令MCMDによって行われ
るものであるから(ステップA7,B7参照)、当該I
TP周期より1ITP周期前(過去)の移動指令MCM
Dを記憶するレジスタR3の値をレジスタR2に記憶す
る値から減じてアキュムレータSUMに加算するステッ
プA2,B3の処理は1つ前のITP周期の移動指令か
ら当該周期の移動指令に移行する際に位置・速度ループ
の移動指令が大きく変化しないようにスムージング処理
を行うものである。また、ステップA3,B3の処理は
当該ITP周期の移動指令から次の周期(未来)の移動
指令の処理に移行する際にスムージングに移行させるた
めの処理であり、ステップA1に比べステップB1は1
周期だけ早くステップB2からステップB3に移行させ
るということは、図4に比べ図5の処理は1位置・速度
ループ処理だけ進んだスムージング処理が行われること
を意味する。
【0025】そして、ステップB5におい、位置のフィ
ードフォワード量FFpを次の4式で求めている。
【0026】 FFp=α{(1−k)SMD1 +kSMD0 } …(4) この4式において、SMD1 は前周期で求めたスムージ
ングデータであり、SMD0 は当該周期で求めたスムー
ジングデータである。そして、図4に示す処理による位
置のフィードフォワード量FFpを求める2式と比較す
ると、SMD1とSMD0 が逆になっている。しかし、
上述したように、ステップB1〜B4のスムージング処
理は図4のステップA1〜A4のスムージング処理より
1周期Tsだけ勧められているので、4式のSMD1 は
2式のSMD0 に対応する。さらに4式のSMD0 は4
式のSMD1 より1周期Tsだけ先(未来)のスムージ
ングデータであること、及び、通常の位置,速度ループ
処理はステップA7,A8,A10とステップSB7,
B8,B10が同じであり同一の処理が行われるもので
あることから、図5の処理による位置のフィードフォワ
ード量FFpは図4の処理に比べ当該周期のスムージン
グデータ(SMD1 )と1周期先(未来)スムージング
データ(SMD0 )により求められていることを意味す
る。
【0027】こうして位置のフィードフォワード量FF
pが求められると、図4の処理のステップSA6〜A1
0と同一の処理(ステップB6〜B10)が行われ、ト
ルク指令Tc1が求められる。
【0028】また、速度のフィードフォワード量FFv
は、当該周期のスムージングデータSMD1 を記憶する
レジスタの値から、このスムージングデータSMD1 よ
り1周期先(過去)に求められ、レジスタに記憶されて
いるスムージングデータSMD2 によって、次の5式の
演算を行うことによって求める(ステップB11)。
【0029】 FFv={β´(Jm+JL )/Kt}(SMD1 −SMD2 ) …(5) こうして求められた速度のフィードフォワード量FFv
をステップB10で求めたトルク指令Tc1に加算して
速度のフィードフォワード処理をしたトルク指令Tcを
求め(ステップB12)、電流ループに引き渡す。そし
て、次の周期のステップB5及びB11で使用するため
に、レジスタに記憶されたスムージングデータSMD1
をスムージングデータSMD2 を記憶するレジスタに格
納し、スムージングデータSMD1 を記憶するレジスタ
にステップB4で求めたデータSMD0 を格納し当該位
置・速度ループの処理を終了する。以下、位置・速度ル
ープ処理周期毎上記処理を実行する。
【0030】なお、上記各実施例においては、速度のフ
ィードフォワード制御も実施する例を述べたが、必ずし
も速度のフィードフォワード制御は実施しなくてもよ
い。
【0031】図6は、動特性を補正するパラメータkの
値を変えて、位置ループのゲイン特性を実験して求めた
もので、(a)は上記パラメータkを「0」に、(b)
はk=0.25,、(c)はk=0.5としたときのゲ
イン特性を示している。
【0032】また、図7,図8,図9は、機械系の特性
の相違として、サーボモータと該サーボモータに接続さ
れた機械(軸)間に捩じれがある場合の制御対象につい
てシミュレーションした結果を表す応答特性である。図
7,図8は上記パラメータkの値を「0」としてシミュ
レーションしたときの特性で、図7は機械系の共振周波
数が80Hzで、図8は機械系の共振周波数が200H
zでの場合である。この図7,図8の応答特性から明ら
かのように、機械系の剛性(捩じれ)の相違によって応
答性が異なっている。一方、図9は、機械系の共振周波
数が200Hzの場合で、上記パラメータkを「0.
4」として制御したときの応答特性である。この図9と
図7を比較して明らかのように、図9と図7の応答特性
はほとんど差ないことがわかる。このことは、機械系の
動特性が異なる場合でも上記パラメータkの値を調整し
て、サーボ制御回路をも含めた指令に対する機械間での
動特性をほとんど同一とし、ほとんど同一の応答特性を
得ることができることを意味している。
【0033】
【発明の効果】本発明は、サーボモータで駆動される機
械系の動特性が異なる場合でも、位置のフィードフォワ
ード量を上記パラメータkの値を調整することによって
調整し、指令に対する機械の応答特性をほとんど同一に
することができる。そのため、動特性がことなる2つの
機械系を同時補間して駆動するような場合でも、各機械
の応答特性が同一になるから正確な制御,正確な動作を
行うことができ、工作機械等の場合には、加工精度を向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるフィードフォワード
制御を行なうサーボ系のブロック図である。
【図2】本発明の方式を実施するサーボモータ制御系の
ブロック図である。
【図3】本発明の一実施例における分配周期毎にディジ
タルサーボ回路のプロセッサが実施する処理のフローチ
ャートである。
【図4】本発明の第1の実施例における位置・速度ルー
プ処理周期毎にディジタルサーボ回路のプロセッサが実
施する処理のフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施例における位置・速度ルー
プ処理周期毎にディジタルサーボ回路のプロセッサが実
施する処理のフローチャートである。
【図6】第1の実施例において機械系の動特性を補正す
るパラメータkの値を変えて、実験したときの位置ルー
プのゲイン特性を表す図である。
【図7】第1の実施例において機械系の共振周波数が8
0Hzでパラメータkの値を「0」としてシミュレーシ
ョンしたときの応答特性を表す図である。
【図8】第1の実施例において機械系の共振周波数が2
00Hzでパラメータkの値を「0」としてシミュレー
ションしたときの応答特性を表す図である。
【図9】第1の実施例において機械系の共振周波数が2
00Hzでパラメータkの値を「0.4」としてシミュ
レーションしたときの応答特性を表す図である。
【符号の説明】
FFp 位置のフィードフォワード量 FFv 速度のフィードフォワード量 k 機械の動特性を補正するパラメータ 24 パルスコーダ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置のフィードフォワード制御を行って
    サーボモータを制御する制御方式において、位置・速度
    ループ周期毎に先行スムージング処理を行いスムージン
    グデータを求め、当該位置・速度ループ処理に対応する
    スムージングデータをSMD0 ,1周期前のスムージン
    グデータをSMD1 ,フィードフォワード係数をα,パ
    ラメータをkとしたとき、次の演算を行い、 FFp=α{(1−k)SMD0 +kSMD1 } 位置のフィードフォワード量FFpを求め、速度指令を
    補正し、かつ、上記パラメータkは指令からサーボモー
    タによって駆動される機械までの動特性を所望の特性に
    なるように調整して決められていることを特徴とするサ
    ーボモータの制御方式。
  2. 【請求項2】 位置のフィードフォワード制御を行って
    サーボモータを制御する制御方式において、位置・速度
    ループ周期毎に先行スムージング処理を行いスムージン
    グデータを求め、当該位置・速度ループ処理に対応する
    スムージングデータをSMD0 ,1周期先のスムージン
    グデータをSMD2 ,フィードフォワード係数をα,パ
    ラメータをkとしたとき、次の演算を行い、 FFp=α{(1−k)SMD0 +kSMD2 } 位置のフィードフォワード量FFpを求め、速度指令を
    補正し、かつ、上記パラメータkを調整して指令からサ
    ーボモータによって駆動される機械までの動特性を所望
    の特性に調整して決められていることを特徴とするサー
    ボモータの制御方式。
  3. 【請求項3】 スムージングデータを微分して、速度の
    フィードフォワード量を求め、トルク指令を補正する請
    求項1若しくは請求項2記載のサーボモータの制御方
    式。
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