JPH06214656A - 制振要素を持つスライディングモード制御方法 - Google Patents

制振要素を持つスライディングモード制御方法

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JPH06214656A
JPH06214656A JP2167393A JP2167393A JPH06214656A JP H06214656 A JPH06214656 A JP H06214656A JP 2167393 A JP2167393 A JP 2167393A JP 2167393 A JP2167393 A JP 2167393A JP H06214656 A JPH06214656 A JP H06214656A
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load
command
motor
suf
vibration
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JP2167393A
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Tetsuro Kato
哲朗 加藤
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Fanuc Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 遅れがなく、モータ若しくは負荷の振動を抑
制する。 【構成】 切換え面Sufを、 Suf=K・C1・εt´+K・C2・εt+C1・ε
´+C2・ε とし(ε;位置偏差,ε´;速度偏差,εt;負荷の捩
じれ量,εt´;捩じれ速度、C1,C2;定数,K;
設定パラメータ)、この切換え面Sufが「0」になる
ように切換え入力τを決定しサーボモータへのトルク指
令Iを制御する(S5〜S10)。パラメータKを1に
近付けると、切換え面Sufが「0」となったとき負荷
捩じれ量が「0」になり負荷の振動が防止でき、負荷は
指令に遅れなく追従する。また、パラメタKを「0」に
すると、切換え面Sufが「0」となったとき位置偏差
εも「0」となり、モータの振動が抑制され、モータは
指令に遅れなく追従する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーボモータで駆動さ
れるロボット等のバネ、ダンパで近似されるバネ要素を
含む制御対象の制御方式に関するもので、特に、スライ
ディングモード制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】サーボモータで駆動される機械等の制御
においては、制御対象の機械に剛性があるものとし、制
御対象をバネ系と考えずに制御を行い、通常PI(比
例,積分)制御等の線形制御が行われている。しかし、
ロボットは通常、片持はり構成になっているため、ロボ
ットの姿勢に応じて大きなイナーシャ変動が生じ、サー
ボ系の応答性の変化が生じる。また、減速器などのバネ
要素も関係して低剛性で共振周波数が低い。そのため、
ロボットの先端(ツールセンタポイント)を位置決めす
るような際、サーボモータによる位置決め終了後、ロボ
ット先端が振動する。そこで、従来はロボットの低剛性
によるバネ系及びイナーシャ変動を無視し、その代わり
にサーボゲインを小さくして制御したり、位置決め終了
後タイマーを作動させ、所定時間経過してロボットの先
端の振動が停止した後作業を行う等の制御を行ってい
た。
【0003】そこで、本願発明者等は、サーボモータで
駆動される制御対象に対して、負荷部分の振動を抑制す
る方法として負荷部分における捩じれ量のフィードバッ
クを持つスライディングモード制御方法を提案した(特
開平3−180903号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した本願発明者提
案の負荷部分おける捩じれ量のフィードバックを持つス
ライディングモード制御方法は、モータ位置に対する負
荷である機械可動先端位置(制御対象点位置)の応答、
すなわち、負荷の伝達関数を次の1式とし、遅れを持っ
て応答する制御としている。
【0005】 (Bk・S+Kc)/{Jr・S2 +(Bk+K・Jr)・S+Kc} …(1) 上記1式において、 Bk;負荷の粘性係数 Kc;負荷のバネ定数 Jr;負荷側イナーシャ K;フィードバックゲイン S;ラプラス演算子 である。
【0006】上記1式から分かるように、制御される機
械の可動先端(ロボットのツールセンタポイント)は、
1式の分母の時定数で決まる遅れを持ってしか位置決め
位置に停止しない。制御対象の負荷がロボットである場
合には、ロボットの共振周波数が数Hzであるため、上
記遅れは数百msecの遅れを持つことになり、機械の
可動先端は指令に追従しないことになる。
【0007】そこで、本発明の目的は、モータ若しく
は、制御対象の負荷の振動を抑制すると共に、遅れのな
い追従性のよいスライディングモード制御方法を提供す
ることにある。
【0008】
【問題を解決するための手段】サーボモータをスライデ
ィングモードで制御する方法において、本発明は、指令
に対するサーボモータ位置,速度の位置偏差と速度偏
差、及び負荷の捩じれ量とこの捩じれ量の微分値とに比
例する関数を切換え面として、該切換え面が零に収束す
るようにトルク指令をサーボモータに出力してサーボモ
ータを制御し、サーボモータの振動もしくは、負荷の振
動を抑制すると共に指令に対し遅れが内容に制御する。
さらに、負荷の捩じれ量とこの捩じれ量の微分値とに比
例する度合いを、指令に対するサーボモータ位置,速度
の位置偏差と速度偏差に比例する度合いに対して調整可
能とし、サーボモータの振動の抑制か負荷の振動抑制か
の制御を選択可能にする。
【0009】特に、C1,C2を定数、Kを調整可能な
パラメータ、εを指令位置とサーボモータの位置との位
置偏差、ε´を上記位置偏差εの微分値、εtを負荷の
捩じれ量としてのモータ位置と負荷制御点位置の位置偏
差、εt´を上記捩じれ量εtの微分値としたとき、切
換え面Sufを次の関数とし、 Suf=K・C1・εt´+K・C2・εt+C1・ε´+C2・ε 該切換え面Sufが零に収束するようにトルク指令をサ
ーボモータに出力してサーボモータを制御する。上記パ
ラメータKを「0」にすることによってサーボモータの
振動を抑制し、パラメータKの値を「1」に近付けるこ
とによって負荷の振動を抑制する。そして、どちらの制
御を選択するかは上記パラメータKの設定値によって選
択する。
【0010】
【作用】上記切換え面は上記捩じれ量とその微分値、位
置偏差と速度偏差に比例するものであり、捩じれ量とそ
の微分値の比例量を大きくすれば、切換え面が「0」に
収束したとき捩じれ量、その微分値も「0」となり、負
荷の振動がを抑制することになる。逆に捩じれ量とその
微分値の比例量を小さくすれば、上記位置偏差、速度偏
差を「0」となるように制御されることになりモータの
振動を防止することになる。
【0011】特に、上記切換え面Sufが「0」になる
と、 Suf=K・C1・εt´+K・C2・εt+C1・ε´+C2・ε =C1・K(θm´−θr´)+C2・K(θm−θr) +C1(θd´−θm´)+C2(θd−θm) =0 ただし、θmはモータ位置、θrは負荷制御対象点位
置、θdは指令位置であり、θm´,θr´,θd´各
変数の微分値である。
【0012】K=0とすれば、 C1(θd´−θm´)+C2(θd−θm)=0 ラプラス変換すると、 C1・S(θd−θm)+C2(θd−θm)=0 θd(S・C1+C2)=θm(S・C1+C2) ゆえに、θd=θmとなり、モータは指令に遅れなく追
従することを意味する。
【0013】一方パラメータKを「1」にすると、 C1(θm´−θr´)+C2(θm−θr)+C1
(θd´−θm´)+C2(θd−θm)=0 C1(θd´−θr´)+C2(θd−θr)=0 ラプラス変換すると、 C1・S(θd−θr)+C2(θd−θr)=0 θd(S・C1+C2)=θr(S・C1+C2) ゆえに、θd=θrとなり、指令に負荷の制御対象点位
置が遅れなく追従することがわかる。よってパラメータ
Kの値を選択設定することによって、モータの振動を抑
制するか、負荷の振動を抑制するか選択することができ
る。
【0014】
【実施例】バネ要素を持つ制御対象として、本実施例で
は、ロボットを考える。図2はロボットのモデルであ
り、符号10はモータ側で符号11は機械側である。そ
の間に減速器が設けられ該減速器のバネ定数をKc,粘
性係数をBkとする。また、モータのロータイナーシャ
をJm,動摩擦係数をAm,位置をθm,負荷側のイナ
ーシャをJr,位置(ロボットのアーム先端位置)をθ
r、モータのトルク定数をKtとする。
【0015】モータの駆動電流(トルク指令)をIと
し、出力トルクをTとしてモータ側10で運動方程式を
たてると、 T=I・Kt=Jm・θm”+Bk(θm´−θr´) +Kc(θm−θr)+Am・θm´ =Jm・θm”+Bk、εt´+Kc・εt+Am・θm´ …(2) また、負荷側(機械側)11で運動方程式をたてると、 0=Jr・θr”+Bk(θr´−θm´)+Kc (θr−θm) =Jr・θr”−Bk・εt´−Kc・εt …(3) なお、記号の右肩に付した「”」はその記号で示される
変数の2回微分を表し「´」は1回微分を表す。すなわ
ち、θm”はモータの位置θmの2回微分でモータの加
速度を意味する。またθm´はモータ位置の1回微分で
モータ速度を表す。また、εt=(θm−θr)でモー
タのロータ回転位置に対する負荷(制御対象点)の位置
偏差(捩じれ量)を意味し、εt´=(θm´−θr
´)は速度偏差(捩じれ速度)を意味する。
【0016】上記2式と3式を整理すると、次の4式で
示される状態遷移行列を得る。
【0017】
【数4】 次に、スライディングモード制御の位相面Sufをモー
タの位置θmと機械可動部(ロボットの先端位置)の位
置θrとの差εtをフィードバックするものとして、次
の5式とする。
【0018】 Suf=C1・K・εt´+C2・K・εt +C1(θd´−θm´)+C2(θd−θm) …(5) なお、5式において、 C1,C2;応答性を決める定数 θd;位置指令 K;設定パラメータ(0≦K<1) である。
【0019】上記5式を微分して、4式を代入し整理す
ると次の6式となる。 Suf´=−C1・K{[(Bk/Jm)+(Bk/Jr)]εt´ +[(Kc/Jm)+(Kc/Jr)]εt +(Am/Jm)θm´−(Kt/Jm)I}+C2・K・εt´ +C1{θd”+(Bk/Jm)εt´+(Kc/Jm)εt +(Am/Jm)θm´−(Kt/Jm)I} +C2(θd´−θm´) ={−C1・K[(Bk/Jm)+(Bk/Jr)]+C2・K +C1(Bk/Jm)}εt´ +{−C1・K[(Kc/Jm)+(Kc/Jr)] +C1(Kc/Jm)}εt +{−C1・K(Am/Jm)+C1(Am/Jm)−C2}θm´ −(Kt/Jm)・(−C1・K+C1)・I +C1・θd”+C2・θd´ …(6) また、サーボモータへの電流指令(トルク指令)Iを次
の7式とする。 I=K1・Suf+τ …(7) 上記7式において、K1・Sufは線形項で、τは切換
え入力で非線形項である。次にリアプノフ関数候補Vを
次の8式とする。 V=(1/2)Jm・Suf2 …(8) リアプノフ関数候補Vは最小値が「0」で常に正になる
関数である。よって、リアプノフ関数候補Vの微分値V
´が常に負になる(単調減少)ようなモータへのトルク
指令Iを決定すれば、リアプノフ関数候補Vは最小値
「0」に収束する。すなわち、Suf=0となり、遅れ
のない応答が得られることになる。
【0020】そこで、上記8式の両辺を微分し、6式,
7式を代入すると、 V´=Jm・Suf・Suf´ =−Kt・K1(−C1・K+C1)Suf2 +Suf{−C1・K・Bk[1+(Jm/Jr)]+C2・K・Jm +C1・Bk}εt´ +Suf{−C1・K・Kc[1+(Jm/Jr)]+C1・Kc}εt +Suf(−Am・C1・K+Am・C1−C2・Jm)θm´ −Suf・Kt(−K・C1+C1)・τ +Suf・C1・Jm・θd”+Suf・C2・Jm・θd´ …(9) 上記9式の右辺第1項は、0≦K<1であるから、常に
負である。そのため、リアプノフ関数候補Vの微分値V
´が常に負になるには残りの項も負となればよいから、 Suf{−C1・K・Bk[1+(Jm/Jr)]+C2・K・Jm +C1・Bk}εt´ +Suf{−C1・K・Kc[1+(Jm/Jr)]+C1・Kc}εt +Suf(−Am・C1・K+Am・C1−C2・Jm)θm´ +Suf・C1・Jm・θd”+Suf・C2・Jm・θd´ <Suf・Kt(−K・C1+C1)・τ …(10) Kt(−K・C1+C1)は正であるから、Suf>0
のときには10式より11式が成り立てばよい。そこ
で、12式に示すように、εt´,εt,θm´θ
d”,θd´に掛かる係数の絶対値の最大値をK2,K
3,K4,K5,K6とし、13式に示すように、この
各値に検出される各値εt´,εt,θm´θd”,θ
d´の絶対値をそれぞれ乗じて加算した値を上記切換え
入力τとすれば、上記11式は常に成立しリアプノフ関
数候補Vの微分値V´が常に負になる。
【0021】
【数11】
【0022】
【数12】 τ=K2・|εt´|+K3・|εt|+K4・|θm´| +K5・|θd”|+K6・|θd´| …(13) また、Suf<0のときには、11式の不等式が逆にな
る。この場合には、切り替え入力τを次の14式に示す
値とすればよい。
【0023】 τ=−{K2・|εt´|+K3・|εt|+K4・|θm´| +K5・|θd”|+K6・|θd´|} …(14) よって、サーボモータへのトルク指令Iは7式より次の
15式とすればスライディングモード制御が達成され
る。
【0024】 I=K1・Suf+SIGN(Suf){K2・|εt´|+K3・|εt| +K4・|θm´|+K5・|θd”|+K6・|θd´|} …(15) なお、15式においてSIGN(Suf)はSufの符
号を意味する。
【0025】Jm,Kc,Kt,Am,Bk,はモータ
及び制御対象の機械(ロボット)の構成が決まれば、決
定できる値であり、C1,C2,Kは設定値である。そ
して、変動するものは負荷側イナーシャのJrである。
そこで、機械(ロボット)を種々の位置(姿勢)をとら
せたときの負荷側イナーシャJrをあらかじめ測定し、
最小の負荷側イナーシャJrを求め、この値と他のパラ
メータの値によって上記K2〜K6の値を求め、機械の
制御装置に設定するようにする(なお、Jrが最小値の
ときK2,K3は最大値をとる)。
【0026】さらに、上記15式で示されるトルク指令
Iを求めるには、Sufの値、捩じれ速度εt´の値、
捩じれ量εt、モータ速度θm´、位置指令θdの1回
微分θd´,2回微分θd”を求めねばならないが、モ
ータ速度θm´は従来のサーボモータの制御と同様に速
度検出器で求めることができる。また、位置指令θdの
1回微分θd´,2回微分θd”は位置指令θdより演
算して求めることができる。しかし、捩じれ速度εt
´、捩じれ量εtを求めるには機械可動部の位置(制御
対象点位置)θrを検出することによって求めることが
できるが(εt=θm−θr)、本実施例では、同一次
元オブザーバを組んで捩じれ速度εt´、捩じれ量εt
を求める。なお、捩じれ速度εt´、捩じれ量εtが求
まれば、切換え面Sufの値も求まる。 4式で示され
る状態遷移行列において、状態変数εt´,εt,θm
´の内、観測可能な状態変数はモータの速度θm´であ
る。そこで、 εt´=X1 εt=X2 θm´=X3 とし、 Y=[0 0 1][X1 X2 X3]t …(16) とする。4式右辺の行列[εt´ εt θm´]t
[X1 X2 X3]tにかかる行列を,Iにかかる
行列を,16式の行列[X1 X2 X3]tにかか
る行列をとし、この系をZ変換すると、4式,16式
は、 (n+1)=z・(n)+z・T …(17) (n) …(18) となる。なお、(n)=[X1(n) X2(n)
X3(n)]t である。
【0027】ここで、´(n)を(n)の推定値と
して、同一次元オブザーバを組むと ´(n+1)=(z−´(n)+z・T+・Y …(19) となり、上記19式を計算することによって(行列
の各要素は既知のものである)、行列1(n)
を推定し、X1=εt´及びX2=εtを求める。な
お、Kはz−が安定するように選定する。
【0028】この同一次元オブザーバ処理によって求め
た捩じれ量εt、捩じれ速度εt´を用いて上記15式
よりモータへのトルク指令(電流指令)Iを求めモータ
を駆動すれば、スライディングモード制御が達成でき、
設定パラメータKの値の選択によってサーボモータの振
動を防止するか、制御対象点(ロボットのツールセンタ
ポイント)の振動を防止して、サーボ遅れがなく制御す
ることができる。
【0029】図1は本発明の一実施例を実施するロボッ
ト制御系の要部ブロック図である。図1中、1はロボッ
トを制御するホストプロセッサで、補間、直交座標系の
座標値から各軸の回転角への変換,逆変換等を行うと共
に、ロボットの各軸へ位置指令を分配する。2はホスト
プロセッサ1とディジタルサーボ回路3のプロセッサ間
の情報の伝達を仲介する共有RAMで、ホストプロセッ
サ1が書き込んだ位置指令等のデータをディジタルサー
ボ回路3のプロセッサに受け渡し、ディジタルサーボ回
路3のプロセッサが書き込んだアラーム情報等をホスト
プロセッサに引き渡す機能を行うものである。3はディ
ジタルシグナルプロセッサ等で構成されるディジタルサ
ーボ回路でプロセッサ,ROM,RAM等で構成され、
ロボットの各軸のサーボモータの制御を行うもので、本
発明のスライディングモード制御処理,オブザーバの処
理を行うものである。4はトランジスタインバータ等で
構成されるサーボアンプで、5はサーボモータである。
また、6はサーボモータ5の位置θmを検出するパルス
コーダで、位置θmはディジタルサーボ回路にフィード
バックされている。なお、サーボアンプ4,サーボモー
タ5は1軸のみを図示している。
【0030】図3は、本実施例において、上記デジタル
サーボ回路のプロセッサが実行する本発明のサーボモー
タ制御処理に関するフローチャートであり、該プロセッ
サは所定周期毎、図3に示す処理を実行する。
【0031】まず、ディジタルサーボ回路3のメモリ内
にスライディングモード制御処理及びオブザーバ処理に
必要な定数等、即ち、あらかじめ、定数K1、ロボット
を種々の姿勢にして求めた最小イナーシャJr、応答性
をきめる定数C1,C2、モータのロータイナーシャJ
m、減速器部分の粘性係数Bk,バネ定数Kc、同摩擦
係数Amを設定し、制振をきめるパラメータK(0≦K
<1)を設定することによって定数K2〜K6を算出し
求め記憶させておく。また、行列の各要素の
値をあらかじめ設定する。
【0032】そして、ロボットの動作を開始させると、
ホストプロセッサ1は各軸に対して位置指令を分配し、
ディジタルサーボ回路3のプロセッサは共有RAM2よ
り位置指令θdを読み取ると共に、パルスコーダ6から
出力される位置フィードバック量、すなわちモータ位置
θmを読取る(ステップS1,S2)。次に、位置指令
θdと位置フィードバック量θmより位置偏差ε(=θ
d−θm)を求める。すなわち、位置偏差を記憶するレ
ジスタに位置指令θdから位置フィードバック位置θm
を減じた値を加算し位置偏差εを求める。また、検出フ
ィードバック位置θmから前周期で検出したフィードバ
ック位置を減じてモータ速度(モータ位置θmの1回微
分)θm´を求め、さらに、位置指令θdから前周期の
位置指令を減じて指令速度(位置指令θdの1回微分)
θd´を求めると共に、該指令速度θd´から上記モー
タ速度θm´を減じて速度偏差ε´(=θd´−θm
´)を求める。さらに、求めた速度指令θd´から前周
期で求めた指令速度を減じて指令の加速度(位置指令θ
dの2回微分)θd”を求める(ステップS3)。
【0033】次に、モータ速度θm´より前述したオブ
ザーバの処理を実行し、モータとロボット先端の推定位
置偏差(捩じれ量)εt,推定速度偏差(捩じれ速度)
εt´を求める(ステップS4)。こうして、ステップ
S3、ステップS4で求められた指令に対するモータの
位置偏差ε、速度偏差ε´、捩じれ量εt,捩じれ速度
εt´より、5式の演算を行って切換え面Sufの値を
求める(ステップS5)。次に、求められた捩じれ速度
εt´、捩じれ量εt、モータ速度θm´、指令の加速
度θd”、速度指令θd´のそれぞれの絶対値にそれぞ
れ設定されている定数K2,K3,K4,K5の値を乗
じ、それらの値を加算して切換え入力τの絶対値を求め
る(ステップS6)。
【0034】そして、ステップS5で求められた切換え
面Sufが0以上か否か判断し(ステップS7)、0以
上で正であれば、ステップS5で求めた切換え面Suf
の値に定数K1を乗じ、さらにステップS6で求めた切
換え入力τの絶対値を加算しトルク指令(電流指令)I
を求める(ステップS8)。また、切換え面Sufの値
が負の場合には、切換え面Sufの値に定数K1を乗じ
た値からさらにステップS6で求めた切換え入力τの絶
対値を減じてトルク指令(電流指令)Iを求める(ステ
ップS9)。すなわち、ステップS6〜9の処理がトル
ク指令(電流指令)Iを求める15式の演算処理であ
る。こうして求められたトルク指令(電流指令)Iを電
流ループに引き渡し(ステップS10)、電流ループで
従来と同様に電流ループ処理を行ってサーボモータ5を
駆動制御することになる。
【0035】図5〜図7は、本願発明の作用効果をみる
ために図4に示す波形の移動指令θmを入力したときの
シミュレーション波形を示す図で、図5はスライディン
グモード制御のない従来のサーボモータ制御を行ったと
きのシミュレーション波形で、(a)はサーボモータの
ロータ位置θmを示し、(b)は該モータで駆動される
負荷(ロボット)の先端(トールセンタポイント)の位
置θrの変化を測定したものである。この図5に示され
るように、モータ位置は指令にわずか遅れている。ま
た、停止時にわずかに振動が発生している。また、負荷
先端は図5(b)から明らかのように、応答おくれと振
動が発生している。
【0036】図6は設定パラメータKの値を「0」と
し、モータの振動を防止するようにしたときのモータ位
置θmと負荷先端θrのシミュレーション波形で、図6
(a)に示すようにモータ位置は指令θdに追従し、振
動は生じていない。しかし、負荷先端θrは図6(b)
に示すように振動が生じている。図7は定数Kを「0.
6」としたときのモータ位置θmと負荷先端θrのシミ
ュレーション波形で、モータ位置θmがうまく制御され
て(図7(a)参照)負荷位置θrが振動が抑制されな
がら遅れなく制御されていることがわかる(図7(a)
参照)。
【0037】
【発明の効果】本発明は、ロボツトのような制御対象の
負荷がバネとダンパで近似されるバネ要素をもつ制御対
象をサーボモータで駆動制御するとき、制御対象の負荷
の振動を抑制することができ、かつ、指令に対して遅れ
なく制御することができる。さらに、サーボモータの振
動を防止することもでき、パラメータの設定を調整する
ことによって、モータの振動を抑制するか、負荷の振動
を抑制するか選択することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を実施するサーボ制御系のブ
ロック図である。
【図2】制御対象をばねモデルとしたときのモデルブロ
ック図である。
【図3】本発明の一実施例において、所定周期毎にディ
ジタルサーボ回路のプロセッサが実施する処理のフロー
チャートの一部である。
【図4】本発明の効果を見るためのシミュレーションを
行ったときのサーボモータへの位置指令パターンを示す
図である。
【図5】スライディングモード制御を行わない従来のサ
ーボ制御によるモータと制御対象の負荷の振動のシミュ
レーション波形である。
【図6】本発明の一実施例における切換え面のパラメー
タKの値を「0」としたときのモータと負荷の振動のシ
ミュレーション波形である。
【図7】同切換え面のパラメータKの値を「0.6」と
したときのモータと負荷の振動のシミュレーション波形
である。
【符号の説明】
θd 位置指令 θd´ 位置指令の速度 θd” 位置指令の加速度 θm モータの位置 θm´ モータの速度 ε 位置指令とモータ位置との位置偏差 ε´ 位置偏差の微分値(速度偏差) εt モータ位置と負荷制御点位置の位置偏差(捩じれ
量) εt´ モータ位置と負荷制御点位置の位置偏差の微分
値(捩じれ速度) C1,C2 定数 K 設定パラメータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーボモータをスライディングモードで
    制御する方法において、指令に対するサーボモータ位
    置,速度の位置偏差と速度偏差、及び負荷の捩じれ量と
    この捩じれ量の微分値とに比例する関数を切換え面とし
    て、該切換え面が零に収束するようにトルク指令をサー
    ボモータに出力して制御する制振要素を持つスライディ
    ングモード制御方法。
  2. 【請求項2】 上記切換え面における、負荷の捩じれ量
    とこの捩じれ量の微分値とに比例する度合いを、指令に
    対するサーボモータ位置,速度の位置偏差と速度偏差に
    比例する度合いに対して調整可能とし、サーボモータの
    振動の抑制か負荷の振動抑制かの制御を選択可能にした
    請求項1記載の制振要素を持つスライディングモード制
    御方法。
  3. 【請求項3】 サーボモータをスライディングモードで
    制御する方法において、C1,C2を定数、Kを調整可
    能なパラメータ、εを指令位置とサーボモータの位置と
    の位置偏差、ε´を上記位置偏差εの微分値、εtを負
    荷の捩じれ量としてのモータ位置と負荷制御点位置の位
    置偏差、εt´を上記捩じれ量εtの微分値としたと
    き、切換え面Sufを次の関数とし、 Suf=K・C1・εt´+K・C2・εt+C1・ε´+C2・ε 該切換え面Sufが零に収束するようにトルク指令をサ
    ーボモータに出力して制御する制振要素を持つスライデ
    ィングモード制御方法。
  4. 【請求項4】 上記パラメータKを「0」にすることに
    よってサーボモータの振動を抑制するか、パラメータK
    の値を「1」に近付けることによって負荷の振動を抑制
    するか選択できるようにした制振要素を持つスライディ
    ングモード制御方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002341904A (ja) * 2001-05-14 2002-11-29 Honda Motor Co Ltd プラントの制御装置
JP2010047095A (ja) * 2008-08-20 2010-03-04 Equos Research Co Ltd 車両
JP2010067077A (ja) * 2008-09-11 2010-03-25 Fuji Electric Systems Co Ltd 位置決め装置

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