JP2569330Y2 - シートトラック装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、自動車等に使用される
シ−トトラック装置に関し、特にシ−トのロック機構に
関する。

【０００２】

【従来の技術】シ−トの前後位置を調節するシ−トトラ
ック装置は、左右のシ−トトラックのロアレ−ルを床面
に固定し、ロアレ−ルに摺動自在に嵌めたアッパ−レ−
ルをシ−トに固定している。ロアレ−ルとアッパ−レ−
ルの間には、シ−ト位置を固定するためのロック機構が
設けられている。

【０００３】図５および図６に示すロック機構は、アッ
パ−レ−ル１に固着された一対のシャフト支持部２，２
に回転可能に支持されたハンドルシャフト３と、一対の
シャフト支持部２，２間のハンドルシャフト３に固着さ
れたロックレバ−４と、ロアレ−ル５に固着され、ロッ
ク孔６ａを有するロックプレ−ト６と、ロックレバ−４
がロックプレ−ト６に係合する方向の付勢力をハンドル
シャフト３に与えるスプリング７とから構成されてい
る。

【０００４】一対のシャフト支持部２，２にハンドルシ
ャフト３を組み付ける方法としては、図７に示すよう
に、略下方に延びる一対のシャフト支持部２，２を、ハ
ンドルシャフト３の外周面に沿って、ハンドルシャフト
３が一対のシャフト支持部２，２に対して回転可能に、
カ−リングする（図７における鎖線部）ことにより行わ
れる。また、図５および図６において、スキ８は、一対
のシャフト支持部２，２間に配設されたロックレバ−４
が、ロックプレ−ト６と係脱する方向への回転を可能に
するとともに、ロック状態（ロックレバ−４がロックプ
レ−ト６に係合している状態）において、一対のシャフ
ト支持部２，２および一対のシャフト支持部２，２が固
着されたアッパ−レ−ル１が、ロックレバー４に対し、
レ−ル長手方向に摺動するのを規制するように、所定範
囲内（０．３〜０．５ｍｍ）に設定されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかし、一対のシャフ
ト支持部２，２とロックレバ−４との間のスキ８を所定
範囲内（０．３〜０．５ｍｍ）に設定するためには、高
度な技術（カーリング）を必要とする。

【０００６】組付け精度のばらつきにより、スキ８が所
定範囲より大きく設けられると、ロック状態（ロックレ
バ−４がロックプレ−ト６に係合している状態）におい
て、一対のシャフト支持部２，２および一対のシャフト
支持部２，２が固着されたアッパ−レ−ル１が、図５に
おける左右方向（レ−ル長手方向）に、所定範囲を越え
たスキの寸法分だけ、摺動可能となり、シ−トにガタが
生じるという問題点がある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案は、フロア側に固
設されるロアレ−ルと、該ロアレ−ルに摺動可能に嵌合
するアッパ−レ−ルと、前記ロアレ−ルに固着され、複
数のロック孔を有するロックプレ−トと、前記アッパ−
レ−ルに固着されたハンドルシャフトブラケットと、該
ハンドルシャフトブラケットに回転可能に支持されたハ
ンドルシャフトと、該ハンドルシャフトに固定され、前
記ロックプレートに係脱可能に設けられたロックレバー
とを有するシートトラック装置において、ハンドルシャ
フトブラケットから略水平面を有して延設された第１の
シャフト支持部と、ハンドルシャフトブラケットから略
垂直面を有して延設され、略垂直面にハンドルシャフト
を支持する貫通孔が穿設され、レール長手方向の押圧力
によりレール長手方向に変位可能な第２のシャフト支持
部とを有し、前記ロックレバーに対する前記アッパレー
ルのレール長手方向の動きを防止するようにしたことを
特徴とするものである。

【０００８】

【作用】第２のシャフト支持部をレール長手方向に押圧
し微調整することにより、ロックレバーに対するアッパ
ーレールのレール長手方向の動きを防止する。

【０００９】

【実施例】以下、図１乃至図４を用いて本考案の実施例
を説明する。

【００１０】シート側に固設されるアッパレール１１
は、フロア側に固設されるロアレール１５に摺動自在に
嵌合している。

【００１１】ロアレール１５には、複数のロック孔１６
ａが所定ピッチで刻設されたロックプレート１６が固着
されている。

【００１２】アッパ−レ−ル１１の上面には、ハンドル
シャフトブラケット１２が固着されている。ハンドルシ
ャフトブラケット１２はアッパーレール１１に固着され
る固着部１２ａと、固着部１２ａの一端部から略水平面
１２ｅ（図３）を有して延設された第１のシャフト支持
部１２ｂと、固着部１２ａの他端部から略垂直面１２ｆ
（図３）を有して延設され、略垂直面１２ｆにハンドル
シャフト１３を支持する貫通孔１２ｈが穿設された第２
のシャフト支持部１２ｇとから構成されている。略垂直
面１２ｆからなる第２のシャフト支持部１２ｇは、プレ
ス装置等によるレール長手方向の押圧力によってレール
長手方向の微調整（変位）が可能に設けられている。

【００１３】第１のシャフト支持部１２ｂは、図７に示
す従来例と同様にカーリングすることにより、ハンドル
シャフト１３を回転可能に支持している。第２のシャフ
ト支持部１２ｇは、ハンドルシャフト１３を略垂直面１
２ｆに穿設された貫通孔１２ｈに挿通することにより、
ハンドルシャフト１３を回転可能に支持している。

【００１４】ハンドルシャフト１３は、一端に操作部１
３ａを有し、他端にスプリング係止溝１３ｂを有してい
る。第１のシャフト支持部１２ｂと第２のシャフト支持
部１２ｇ間のハンドルシャフト１３にはロックレバー１
４が固着されている。

【００１５】スプリング１７は、一端がアッパーレール
１１に係止されるとともに、他端がハンドルシャフト１
３のスプリング係止溝１３ｂに係止されている。これに
より、ハンドルシャフト１３は、図４においてハンドル
シャフト１３に固着されるロックレバー１４の回転端部
１４ｂがロックプレート１６に係合する方向（矢印Ａ方
向）に付勢されている。

【００１６】ハンドルシャフトブラケット１２の第１の
シャフト支持部１２ｂと第２のシャフト支持部１２ｇ間
のハンドルシャフト１３に固着されるロックレバー１４
は、ハンドルシャフト１３に固着される基端部１４ａ
と、ロックプレート１６のロック孔１６ａに係合する回
転端部１４ｂとから構成されている。

【００１７】第１のシャフト支持部１２ｂと第２のシャ
フト支持部１２ｇ間に配設されたロックレバー１４が、
ロックプレート１６と係脱する方向への回動を可能にす
るとともに、ロック状態（ロックレバー１４がロックプ
レート１６に係合している状態）において、第１のシャ
フト支持部１２ｂおよび第２のシャフト支持部１２ｇが
固着されたアッパーレール１１が、ロックレバー１４に
対し、レール長手方向に摺動（シートのガタ）するのを
規制してシートにガタが生じないように、第１のシャフ
ト支持部１２ｂおよぶ第２のシャフト支持部１２ｇと、
ロックレバー１４との間のスキは所定範囲内（０．３〜
０．５ｍｍ）に設定されている。

【００１８】組付け精度のばらつきにより、第１のシャ
フト支持部１２ｂおよび第２のシャフト支持部１２ｇ
と、第１のシャフト支持部１２ｂおよび第２のシャフト
支持部１２ｇ間のハンドルシャフト１３に固着されるロ
ックレバー１４との間に所定範囲（０．３〜０．５ｍ
ｍ）を越えるスキが生じても、プレス装置等により第２
のシャフト支持部１２ｇ（略垂直面１２ｆ）をレール長
手方向に押圧し、第２のシャフト支持部１２ｇをレール
長手方向に微調整（変位）することで、組付け精度のば
らつきを容易に補正することができる。

【００１９】次に、本考案の作動について説明する。ハ
ンドルシャフト１３の操作部１３ａを操作し、図４にお
いてハンドルシャフト１３を時計方向に回転させると、
ハンドルシャフト１３に固着されたロックレバー１４の
回転端部１４ｂは、ロックプレート１６のロック孔１６
ａとの係合が解除される方向に回動する。シート着座者
は、この状態を保持しつつ、シートを任意の位置にスラ
イドさせた後、操作ハンドル１３ａを時計方向に回動さ
せていた力を解除すると、スプリング１７の付勢力によ
り再び、ロックレバー１４とロックプレート１６とが係
合してシートトラックのロックが完了する。第１のシャ
フト支持部１２ｂおよび第２のシャフト支持部１２ｇ
と、ロックレバー１４との間のスキは、容易に所定範囲
内に設定できるので、ロック状態においてシートのガタ
が生じることはない。

【００２０】

【考案の効果】以上のように本考案によれば、組付け精
度のばらつきを容易に補正でき、シートのガタが防止で
きるシートトラックのロック機構を実現することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるシートトラック装置の実施例を示
す側面図である。

【図２】本考案によるシートトラック装置の実施例を示
す平面図である。

【図３】本考案によるシートトラック装置の要部斜視図
である。

【図４】図１におけるＢ−Ｂ断面図である。

【図５】従来例を示すシートトラック装置の側面図であ
る。

【図６】従来例を示すシートトラック装置の平面図であ
る。

【図７】従来例におけるハンドルシャフトの組付け方法
を示す説明図である。

【符号の説明】

１１ アッパ−レ−ル １２ ハンドルシャフトブラケット １２ａ 固着部 １２ｂ 第１のシャフト支持部 １２ｅ 略水平面 １２ｆ 略垂直面 １２ｇ 第２のシャフト支持部 １２ｈ 貫通孔 １３ ハンドルシャフト １３ａ 操作部 １３ｂ スプリング係止溝 １４ ロックレバー １４ａ 基端部 １４ｂ 回転端部 １５ ロアレール １６ ロックプレート １６ａ ロック孔 １７ スプリング

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平３−204349（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−204348（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−200443（ＪＰ，Ａ) 実開 平３−86830（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−75040（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フロア側に固設されるロアレ−ルと、該
   ロアレ−ルに摺動可能に嵌合するアッパ−レ−ルと、前
   記ロアレ−ルに固着され、複数のロック孔を有するロッ
   クプレ−トと、前記アッパ−レ−ルに固着されたハンド
   ルシャフトブラケットと、該ハンドルシャフトブラケッ
   トに回転可能に支持されたハンドルシャフトと、該ハン
   ドルシャフトに固定され、前記ロックプレートに係脱可
   能に設けられたロックレバーとを有するシートトラック
   装置において、 前記ハンドルシャフトブラケットから略水平面を有して
   延設された第１のシャフト支持部と、前記ハンドルシャ
   フトブラケットから略垂直面を有して延設され、略垂直
   面に前記ハンドルシャフトを支持する貫通孔が穿設さ
   れ、レール長手方向の押圧力によりレール長手方向に変
   位可能な第２のシャフト支持部とを有し、 前記ロックレバーが、前記第１のシャフト支持部と前記
   第２のシャフト支持部との間のハンドルシャフトに固設
   され、 前記ロックレバーに対する前記アッパレールのレール長
   手方向の動きを防止するようにしたことを特徴とするシ
   ートトラック装置。