JP2568612B2 - 硬化性樹脂及びその製造方法並びにその用途 - Google Patents

硬化性樹脂及びその製造方法並びにその用途

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、活性エネルギー線例えば紫外線等及び加熱
によって容易に硬化し且つ得られる硬化塗膜が耐アルカ
リ性に優れている新規な硬化性樹脂及びその製造方法並
びにその用途に関し、特に硬化性樹脂はプリント配線板
の導体回路形成のための塗料やインキ用のベースレジン
として極めて有用なものである。
[従来の技術] 近年、電子工業で用いられるプリント配線板は、その
導体回路の細密化、高精度化が年々進み、その対応とし
て銅張り積層板のエッチング、サブストラクティブ法か
ら、単に積層板に無電解銅メッキを施して導体回路を作
製するフルアディティブ法や、その中間のサブアディテ
ィブ法に移行している。
アディティブ法は、無電解銅メッキ法を用いるため、
その銅析出には苛性ソーダ、ホルマリン、EDTA等の薬品
を用い、アルカリ液にて高温、長時間の反応を行う必要
がある。そのため通常の感光性フィルムではその条件に
耐えられない。一般には、焼付硬化型エポキシ樹脂の塗
料やインキによるスクリーン印刷手法に頼らざるを得な
いのが現状である。
しかしながら、スクリーン印刷法はその手法から細密
・高精度回路作製には限界がある。従って、写真製版現
像のできる光硬化型樹脂で且つ耐アルカリ性で無電解銅
メッキ可能な硬化性樹脂の開発が極めて強く要求されて
いるが、現在使用されている光硬化型液状樹脂の塗料や
インキ(スクリーン印刷法を含む)、非接触写真製版露
光硬化型や、接触写真製版露光硬化型の樹脂は、その光
硬化をアクリロイル基に依存しているため、その樹脂構
造では耐アルカリ性に劣るという欠点があった。他方、
耐アルカリ性に優れているエポキシ樹脂による紫外線硬
化も、光カチオン触媒を利用することにより可能である
が、導体が経時的に腐食される欠点があった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、かかる現状に鑑みて、光硬化型のアクリロ
イル基含有樹脂の有する欠点即ち耐アルカリ性に劣ると
いう欠点が無く然も写真製版現像も可能な硬化性樹脂及
びその製造方法並びにその用途の提供を目的とするもの
である。
[課題を解決するための手段] 本発明の前記目的の第1は、 クロロメチルスチレン及びエピクロロヒドリンを、ノ
ボラック型フェノール樹脂のヒドロキシ基に付加させて
得られる、ビニルベンジルエーテル基とエポキシ基との
当量比が90〜20/10〜80である変性ノボラック型エポキ
シ樹脂が、耐アルカリ性、基材への密着性、熱安定性、
機械的強度等の優れた硬化物を与えることを見出し、本
発明を完成することによって達成された。
本発明の前記目的の第2は、 クロロメチルスチレンとノボラック型フェノール樹脂
とを、溶媒中、アルカリの存在下、フェノール性ヒドロ
キシ基に対するクロロメチルスチレンの反応割合を0.2
〜0.9(当量比)で反応させ、次いで大過剰量のエピク
ロロヒドリンを加えて残りのフェノール性ヒドロキシ基
と脱塩化水素反応させることによって、ビニルベンジル
エーテル基とエポキシ基との当量比が90〜20/10〜80で
ある変性ノボラック型エポキシ樹脂を効率よく製造する
ことによって達成された。
更に、本発明の前記目的の第3は、 ビニルベンジルエーテル基とエポキシ基との当量比が
90〜20/10〜80である本発明の変性ノボラック型エポキ
シ樹脂に、光重合開始剤、エポキシ樹脂用硬化剤及び染
顔料を配合して導体回路形成用塗料又はインキを得るこ
とによって達成された。
[作用] 本発明の硬化性樹脂は、分子中に特定割合のビニルベ
ンジルエーテル基とエポキシ基を有しているが、耐アル
カリ性に劣る(メタ)アクリロイル基が存在しないた
め、耐アルカリ性に優れており、またエポキシ基が存在
するため基材への密着性が優れた硬化物を与える。
また、本発明の硬化性樹脂は、分子中のビニル基が所
有する付加反応による架橋硬化機構と、分子中のエポキ
シ基が所有する開環反応による架橋硬化機構の2つの硬
化機構を併有しているので、これらの硬化機構を適宜組
合わせて用いることによって、種々の硬化温度で硬化速
度を調節することができ、また高精度、高強度の硬化物
を容易に得ることができる利点がある。
例えば、本発明の硬化性樹脂は、実施例で詳細に示さ
れるが如く、基板上に塗布された後、ネガフィルムを通
して光照射して露光部分を光硬化させると、ビニル基の
付加反応による硬化機構によって高精度なパターンを有
する初期硬化物が形成され、次いで未露光の未硬化部分
を溶剤で洗滌除去した後、初期硬化物を加熱硬化させる
と、エポキシ基の開環反応による強固な硬化物が形成さ
れるので、結局無電解銅メッキ処理にも耐えられるよう
な耐アルカリ性に優れた高精度のパターンを有する強固
な硬化物が容易に得られるという利点がある。従って、
本発明の硬化性樹脂は、アディティブ法における導体回
路形成用の塗料やインキのベースレジンとして最適であ
る。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明の硬化性樹脂は、分子中に特定割合のビニルベ
ンジルエーテル基とエポキシ基を有する変性ノボラック
型エポキシ樹脂であり、ノボボック型フェノール樹脂の
ヒドロキシ基に、クロロメチルスチレン及びエピクロロ
ヒドリンを脱塩化水素反応させて得られる。その代表例
を模式的に示す。
式〔I〕及び式〔II〕において、R,R′は水素、メチ
ル基又はハロゲンであり、m+n及びm′+n′は2〜
10であり、m/n及びm′/n′は90〜20/10〜80の範囲にあ
る、即ち樹脂中のビニルベンジルエーテル基とエポキシ
基との割合は90〜20/10〜80である。前記エポキシ基の
存在割合が10より少量の場合、エポキシ基による硬化が
充分に作用せず基材への密着性が不充分となる。また、
80より多量の場合、ビニル基による光硬化性や現像性が
充分でない欠点がある。
本発明の硬化性樹脂は、クロロメチルスチレンと過剰
量のエピクロロヒドリンの混合物とノボラック型フェノ
ール樹脂とを、溶媒中でアルカリで脱塩化水素した後、
ベンゼンにて抽出し、塩酸中和、水洗を繰り返すことに
よって合成することができる。しかし、エピクロロヒド
リンの反応性を考慮して、先づクロロメチルスチレンと
ノボラック型フェノール樹脂とを、フェノール性ヒドロ
キシ基に対するクロロメチルスチレンの反応割合を0.2
〜0.9(当量比)で脱塩化水素反応させ、次いで大過剰
量例えばフェノール性ヒドロキシ基に対し5〜15(当量
比)倍のエピクロロヒドリンを脱塩化水素反応させる2
段反応法を採用するのが好適である。
クロロメチルスチレンとノボラック型フェノール樹脂
との第1段反応は、重合禁止剤及びアルカリの存在下、
ジメチルスルホオキシドの如き溶媒中で50〜100℃で1
〜3時間加熱して実施される。次いでエピクロロヒドリ
ンを加え、100〜120℃に昇温して水−エピクロロヒドリ
ンを共沸させ、エピクロロヒドリンのみを反応系にもど
しながらアルカリを滴下して、第2段の反応を実施す
る。反応の終点は、赤外分光分析及び化学分析によって
フェノール性ヒドロキシ基の消滅によって決定される。
本発明で使用されるノボラック型フェノール樹脂は、
市販のもので充分である。例えば、フェノール、クレゾ
ール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等から合成
されたノボラック型フェノール樹脂が好適である。
本発明の硬化性樹脂は、光硬化及び加熱硬化が可能で
あり、その場合光重合開始剤及び硬化剤が使用される。
本発明で使用される光重合開始剤としては、ベンゾフ
ェノン、ヒドロキシイソブチルフェノン、アセトフェノ
ン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベ
ンゾインエチルエーテル、ベンジル、ベンジルメチルケ
タール、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、
エチルアントラキノン等のカルボニル化合物、チオキサ
ントン、クロルチオキサントン、アゾビスイソブチルニ
トリル等が代表例として挙げられる。その使用量は硬化
性樹脂100重量部当り0.2〜10重量部、好ましくは0.5〜
7重量部である。
本発明で用い得る硬化剤としては、エポキシ樹脂の硬
化剤として使用されているものである。それら硬化剤の
なかでも、アミン系硬化剤が耐アルカリ性を満足させる
点で好適である。例えば、ジアミノジフェニルメタン、
ジアミノジフェニルスルホン、メタフェニレンジアミン
等の芳香族アミン、2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル、2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチ
ルイミダゾール等のイミダゾール化合物、ジシアンジア
ミド、N,Nジアリルメラミン、メラミン、グアニジン、
フェニルグアニジン等の複素環化合物、トリスジメチル
アミノフェノール、トリメチルベンジルアミン等で代表
される第三級アミン等が高温硬化剤の代表例として挙げ
られる。勿論、キシレンジアミンの如き脂肪族アミン系
の低温硬化剤も、場合により、使用可能である。その使
用量は、エポキシ当量に見合う量を参考にして決定され
る。通常は、硬化性樹脂に対し1〜25重量%の範囲で添
加される。
本発明の硬化性樹脂は、その組成を選ぶことによって
接着剤、絶縁材、塗料、複合構造材料等に広く利用する
ことができる。殊に、軟化点70℃以上のフェノール、ク
レゾールノボラック型フェノール樹脂を用いると、光硬
化性、被塗面に対する密着性、耐熱性、電気特性、パタ
ーン形成性に優れた硬化物が得られ、接触写真製版露光
によるパターン化、即ち光露光によって光硬化させ、未
露光部を溶剤で洗い落し、120℃〜200℃で120〜10分硬
化させれば、無電解銅メッキ浴中での処理に耐えるの
で、アディティブ法のベースレジンとして有用である。
また接触に換えて非接触写真製版によりパターン化する
ことも可能である。
なお、本発明の硬化性樹脂は、塗工性を上げるため
に、有機溶剤に溶かし粘度を下げて使用することができ
る。
また、本発明の硬化性樹脂においては、既知の他の単
量体、例えばスチレン、ビニルトルエン、アリルフェノ
ール、アリルオキシベンゼン、ジアリルフタレート、ア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルピロ
リドン等を、又はエポキシアクリレート、アクリルウレ
タン等のオリゴマーを、本発明の思想を逸脱しない範囲
で配合することは可能である。硬化の調整のためにハイ
ドロキノン、ベンゾキノン、銅塩等を配合することや、
また硬化の促進のためにラジカル開始剤を配合できるこ
とはいうまでもない。
本発明の硬化性樹脂は、ニーダー、ブレンダー、ロー
ル等によって、タルク、硫酸バリウム、シリカ粉末、ガ
ラスビーズ、エアロジール等の充填剤やシリコーン油等
の消泡剤やレベリング剤、染顔料、強化繊維を調配合し
て成形材料や複合材料として、また溶剤に溶かしてワニ
ス、塗料、接着剤として、また強化繊維であるガラス繊
維、カーボン繊維、芳香族ポリアミド繊維、炭化珪素繊
維、アルミナ繊維に含浸させ、プリプレグとして、また
フィラメントワインデングとして有益な成形材料、構造
材料とすることが可能である。
[実施例] 次に本発明を詳しく説明するために参考例及び実施例
を示すが、これらをもって本発明の範囲を限定するもの
でない。なお、とくに断らない限り、例中の部及び%は
重量部/重量%である。
参考例1 フェノールノボラックビニルベンジルエーテ
ルグリシジルエーテルの合成 昭和高分子製フェノールノボラックBRG−555 82部
(0.8当量)、水酸化ナトリウム16部(0.4当量)をジメ
チルスルホキシド140部、水20部中に溶解し、これに市
販のクロロメチルスチレン62部(0.4当量)、ハイドロ
キノン0.1部をジメチルスルホキシド40部に溶解したも
のを70℃で1時間かけて滴下し、更に70℃で1.5時間反
応を続けた。次に系内にエピクロロヒドリン555部(6.0
当量)を加え115℃に昇温し、水−エピクロロヒドリン
を共沸させ、エピクロロヒドリンのみを系内にもどしな
がら40%水酸化ナトリウム水溶液40部を115℃で2時間
かけて滴下し、滴下終了後も115℃で15分間攪拌し、水
分を完全に取り除いた。過剰のエピクロロヒドリンは系
内を125℃に昇温し蒸留して大半を除いた後、大過剰の
水を加え、攪拌後ベンゼンで油状物を抽出した。ベンゼ
ン層は水層のpHが7になるまで水洗を繰返し、ベンゼン
層を無水硫酸ソーダで乾燥した。ベンゼン、エピクロロ
ヒドリン減圧除去後の収率は96%(エピクロロヒドリン
に対する収率)でエポキシ当量は552であった。
参考例2 フェノールノボラックビニルベンジルエーテ
ルグリシジルエーテルの合成 昭和高分子製フェノールノボラックBRG−559 83.2部
(0.8当量)、水酸化ナトリウム16部(0.4当量)をジメ
チルスルホキシド140部、水20部中に溶解し、これに市
販のクロロメチルスチレン62部(0.4当量)、ハイドロ
キノン0.1部をジメチルスルホキシド40部に溶解したも
のを70℃で1時間かけて滴下し、更に70℃で1.5時間反
応を続けた。次に系内にエピクロロヒドリン555部(6.0
当量)を加え115℃に昇温し、水−エピクロロヒドリン
を共沸させ、エピクロロヒドリンのみを系内にもどしな
がら40%水酸化ナトリウム水溶液40部を115℃で2時間
かけて滴下し、滴下終了後も115℃で15分間攪拌し、水
分を完全に取り除いた。過剰のエピクロロヒドリンは系
内を125℃に昇温し蒸留して大半を除いた後、大過剰の
水を加え、攪拌後ベンゼンで油状物を抽出した。ベンゼ
ン層は水層のpHが7になるまで水洗を繰返しベンゼン層
を無水硫酸ソーダで乾燥した。ベンゼン、エピクロロヒ
ドリン減圧除去後の収率は96%(エピクロロヒドリンに
対する収率)でエポキシ当量は560であった。
参考例3 クレゾールノボラックビニルベンジルエーテ
ルグリシジルエーテルの合成 昭和高分子製フェノールノボラックCRG−951 124部
(0.8当量)、水酸化ナトリウム16部(0.4当量)をジメ
チルスルホキシド180部、水20部中に溶解し、これに市
販のクロロメチルスチレン62部(0.4当量)、ハイドロ
キノン0.1部をジメチルスルホキシド40部に溶解したも
のを70℃で1時間かけて滴下し、更に70℃で1.5時間反
応を続けた。次に系内にエピクロロヒドリン555部(6.0
当量)を加え115℃に昇温し、水−エピクロロヒドリン
を共沸させ、エピクロロヒドリンのみを系内にもどしな
がら40%水酸化ナトリウム水溶液40部を115℃で2時間
かけて滴下し、滴下終了後も115℃で15分間攪拌し、水
分を完全に取り除いた。過剰のエピクロロヒドリンは系
内を125℃に昇温し蒸留して大半を除いた後、大過剰の
水を加え、攪拌後ベンゼンで油状物を抽出した。ベンゼ
ン層は水層のpHが7になるまで水洗を繰返し、ベンゼン
層を無水硫酸ソーダで乾燥した。ベンゼン、エピクロロ
ヒドリン減圧除去後の収率は96%(エピクロロヒドリン
に対する収率)でエポキシ当量は598であった。
参考例4 ビスフェノールA系ノボラックビニルベンジ
ルエーテルグリシジルエーテルの合成 昭和高分子製ビスフェノールA系ノボラックMCM−674
122.4部(0.8当量)、水酸化ナトリウム16部(0.4当
量)をジメチルスルホキシド140部、水20部中に溶解
し、これに市販のクロロメチルスチレン62部(0.4当
量)、ハイドロキノン0.1部をジメチルスルホキシド40
部に溶解したものを70℃で1時間かけて滴下し、更に70
℃で1.5時間反応を続けた。次に系内にエピクロロヒド
リン555部(6.0当量)を加え115℃に昇温し、水−エピ
クロロヒドリンを共沸させ、エピクロロヒドリンのみを
系内にもどしながら40%水酸化ナトリウム水溶液40部を
115℃で2時間かけて滴下し、滴下終了後も115℃で15分
間攪拌し、水分を完全に取り除いた。過剰のエピクロロ
ヒドリンは系内を125℃に昇温し蒸留して大半を除いた
後、大過剰の水を加え、攪拌後ベンゼンで油状物を抽出
した。ベンゼン層は水層のpHが7になるまで水洗を繰返
し、ベンゼン層を無水硫酸ソーダで乾燥した。ベンゼ
ン、エピクロロヒドリン減圧除去後の収率は96%(エピ
クロロヒドリンに対する収率)でエポキシ当量は681で
あった。
実施例1〜4,比較例4〜5 参考例1〜4で製造したフェノールノボラックビニル
ベンジルエーテルグリシジルエーテル、クレゾールノボ
ラックビニルベンジルエーテルグリシジルエーテル及び
ビスフェノールA系ノボラックビニルベンジルエーテル
グリシジルエーテルをカルビトールアセテートにて70%
固型分とした。このものそれぞれ10gに対して光硬化剤
である2,4,6トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィ
ンオキシドを、また硬化剤として2エチル4メチルイミ
ダゾールを第1表の如く配合した。比較のために、フェ
ノールノボラックビニルベンジルエーテル(PNVBE)単
独及びクレゾールノボラックエポキシ(CNEP)単独につ
いてもカルビトールアセテート溶剤にて70%固型分とし
それぞれ10gに対し同様に光開始剤及び硬化剤を配合し
た。これらをエポキシ樹脂製ガラス積層板上に約50μ塗
布した後、塗布した後80℃で30分間乾燥して粘着性を調
べた。その後ネガフィルムを通して光硬化光源である高
圧水銀ランプ下(2kW出力)で約8秒間露光した。未露
光部を前記溶剤で洗い去った後150℃で45分間加熱硬化
させた。このものについて密着性をゴバン目テスト及び
耐アルカリ性確認のため10%苛性ソーダに70℃で24時間
浸漬して耐アルカリ性を調べた。
結果を第1表に示す。
[発明の効果] 本発明による硬化性樹脂は、光硬化性及び加熱硬化性
を併用しているので、種々の硬化条件で使用可能であ
り、その硬化物は被塗面に対する密着性、耐熱性、電気
特性に優れていると共に(メタ)アクリロイル基を所有
していないため耐アルカリ性にも優れているから、接着
剤、絶縁材、塗料、インキ、複合構造材料等に広く利用
することができる。とくに、ビニルベンジルエーテル基
の優れた光硬化性を利用した光硬化及びエポキシ基の加
熱硬化を併用することによって、耐アルカリ性に優れた
高精度、高強度のパターンを形成することができるの
で、アディティブ法による回路作製用のベースレジンと
して極めて有用である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロロメチルスチレン及びエピクロロヒド
    リンを、ノボラック型フェノール樹脂のヒドロキシ基と
    脱塩化水素反応させて得られる、ビニルベンジルエーテ
    ル基とエポキシ基の当量比が90〜20/10〜80である変性
    ノボラック型エポキシ樹脂。
  2. 【請求項2】クロロメチルスチレンとノボラック型フェ
    ノール樹脂とを、溶媒中、アルカリの存在下、フェノー
    ル性ヒドロキシ基に対するクロロメチルスチレンの反応
    割合を0.2〜0.9(当量比)で脱塩化水素反応させ、次い
    で大過剰量のエピクロロヒドリンを加えて残りのフェノ
    ール性ヒドロキシ基と脱塩化水素反応させることを特徴
    とする、ビニルベンジルエーテル基とエポキシ基との当
    量比が90〜20/10〜80である変性ノボラック型エポキシ
    樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】ビニルベンジルエーテル基とエポキシ基と
    の当量比が90〜20/10〜80である変性ノボラック型エポ
    キシ樹脂に、光重合開始剤、エポキシ樹脂用硬化剤及び
    染顔料を配合してなる導体回路形成用塗料。
  4. 【請求項4】ビニルベンジルエーテル基とエポキシ基と
    の当量比が90〜20/10〜80である変性ノボラック型エポ
    キシ樹脂に、光重合開始剤、エポキシ樹脂用硬化剤及び
    染顔料を配合してなる導体回路形成用インキ。
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