JP4599869B2 - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、熱硬化性樹脂組成物に関するものである
電子部品に使用されるトランジスタ、IC、LSI等の半導体素子は、一般的にエポキシ樹脂組成物により封止されているが、電子部品の適用範囲の拡大に伴って、いろいろな条件の雰囲気中で使用されている。その中でも、自動車等に使用される電子部品は最も苛酷な条件にさらされており、高温下における信頼性の低下が大きな問題となっている。例えば、150℃以上の高温に長時間曝されることにより、半導体パッケージ内部の金線がチップ上の回路から剥離するという現象が発生し、導通不良が起こってしまう問題がある。
これら導通不良の対応策として、ガラス転移温度が高い、つまり高温時の弾性率の高いエポキシ樹脂を含む半導体封止材料で封止する方法があるが、ガラス転移点の高いエポキシ樹脂は難燃性が低く難燃性を付与するためにハロゲン系難燃剤が用いられている。一方、昨今の環境問題への対応からハロゲン化合物を使用せずに難燃性を維持する要請は強まり、高温時高弾性率であり難燃性の良好な新たな樹脂が求められている。
高温時の弾性率の高い樹脂の例として、多官能フェノール類の水酸基をビニルベンジルエーテル化した樹脂の組成物が高い機械的強度を示すことが報告されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、本樹脂組成物の難燃性は低く、上記目的の半導体封止材料として使用するのは難しい。
また、主鎖にアラルキル構造を導入したビニルベンジルエーテル基を含有する樹脂の難燃性が高いことが紹介されている(例えば、特許文献2参照。)。当該樹脂はフェノール性水酸基とビニルベンジルクロライドを縮合させて得ているが、フェノール性水酸基のビニルベンジルエーテル基への転化率が高くなると、樹脂中の極性基が極めて少なくなり、基材との接着性が低下するという欠点がある。また、成形には150℃2時間、次いで180℃4時間もの長時間を要しているが、樹脂の硬化性条件の緩い積層板への提供であり、数分間で成形できる速硬化性が要求される半導体封止材料等に用いる成形材料には不十分であった。
したがって、ノンハロゲン材料で熱時高弾性率と難燃性を両立する半導体封止材料用樹脂組成物を得るのは困難であった。
特開平7−26116号公報 特開2003−306591号公報
本発明では速硬化であり熱時高弾性率と難燃性を両立した熱硬化性樹脂組成物を提供するものである。
本発明は、多官能フェノール類の一部のフェノール性水酸基をビニルベンジルエーテル基に置換して得られる、一分子中にフェノール性水酸基とビニルベンジルエーテル基とを有するビニルベンジル樹脂、およびエポキシ樹脂を含有することを特徴とする樹脂組成物において、前記多官能フェノール類および/または前記エポキシ樹脂は、フェノールアラルキル型樹脂であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、前記ビニルベンジル樹脂は、多官能フェノール類のフェノール性水酸基の20〜70モル%がビニルベンジルエーテル基で置換されたものであることが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、前記ビニルベンジル樹脂と前記エポキシ樹脂とは、該ビニルベンジル樹脂のフェノール性水酸基1モルに対して、該エポキシ樹脂のエポキシ基が、0.5〜1.5モルの割合で含有することが好ましい。
本発明によれば、硬化性、耐熱性および難燃性に優れる熱硬化性樹脂組成物を提供でき、これは半導体封止材料として好適である。
本発明は、多官能フェノール類の一部のフェノール性水酸基をビニルベンジルエーテル基に置換して得られる、一分子中にフェノール性水酸基とビニルベンジルエーテル基とを有するビニルベンジル樹脂、およびエポキシ樹脂を含有してなる熱硬化性樹脂組成物であり、前記ビニルベンジル樹脂が多官能フェノール類としてフェノールアラルキル樹脂より得られる樹脂であるか、前記エポキシ樹脂がフェノールアラルキル型エポキシ樹脂であるか、両方ともフェノールアラルキル型であることを特徴とするものである。本発明に用いるビニルベンジル樹脂はフェノール性水酸基が残存するためエポキシ樹脂と反応することができる。そのため、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、フェノール性水酸基が残存しないビニルベンジル樹脂を使用する場合と比較してエポキシとの反応による分子の拘束も加わり、硬化が速い特徴を有する。また、樹脂骨格にフェノールアラルキル型樹脂骨格を用いることで難燃性が向上することを骨子とするものである。
本発明に用いる多官能フェノール類の一部のフェノール性水酸基をビニルベンジルエーテル基に置換して得られる、一分子中にフェノール性水酸基とビニルベンジルエーテル基とを有するビニルベンジル樹脂としては、例えば、下記式(1)および式(2)で表される構造を有する樹脂が挙げられる。
式(1)及び(2)中のm、nは、n≧1かつm+n=1〜10の数を示す。
本発明に用いる一分子中にフェノール性水酸基とビニルベンジルエーテル基とを有するビニルベンジル樹脂としては、多官能フェノール類の一部のフェノール性水酸基をビニルベンジルエーテル基に置換して得られるものであり、多官能フェノール類、アルカリ金属水酸化物およびビニルベンジルクロライドを、任意の順序で添加して混合し、撹拌しながら、20〜130℃程度の温度で、好ましくは30〜90℃で、0.5〜12時間、好ましくは2〜10時間反応させることにより合成することができる。また、反応後の処理工程は、反応条件の違いによって、適宜決定できる。代表的な反応後処理方法としては、反応液をろ過等により、副生する塩類および未反応原料を除去し、メタノールおよびヘキサンなどの貧溶媒で再沈殿して目的の樹脂を得る方法など公知の方法を挙げることができる。
前記ビニルベンジル樹脂におけるフェノール水酸基のビニルベンジルエーテル基への置換割合としては、フェノール性水酸基に対するビニルベンジルクロライド及びアルカリ金属水酸化物の配合割合を増減することで調製できる。例えば、アルカリ金属水酸化物を前記多官能フェノールのフェノール性水酸基に対して15モル%以上から100モル%未満、ビニルベンジルクロライドをアルカリ金属水酸化物に対して100モル%から200モル%の範囲で配合すると、数平均分子量220から4000の樹脂が得られる。
また、ビニルベンジルエーテル基の置換割合が20〜70モル%のビニルベンジル樹脂を用いると、更に熱時弾性率および硬化性に優れる樹脂組成物が得られるが、置換割合20〜70モル%のビニルベンジル樹脂を得るためには、前記アルカリ金属水酸化物を前記フェノール性水酸基に対して20〜70モル%、ビニルベンジルクロライドをアルカリ金属水酸化物に対して100モル%から200モル%配合すればよい。
前記多官能フェノール類としては、例えば、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,2’−ビフェノール、4,4’−ビフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビスフェノール、メチレンビスフェノール、4−フェニルメチル−1,2,3−ベンゼントリオール、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンビス[2−メチルフェノール]、4,4’−シクロヘキシリデンビス[2,6−ジメチルフェノール]および4,4’−シクロヘキシリデンビス[2−(1,1−ジメチルエチル)フェノール]などのジフェノール類、4,4’,4’’−メチリデントリスフェノールおよび4,4’,4’’−エチリデントリスフェノールなどのトリスフェノール類、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンなど4官能フェノール類あるいはフェノールノボラック、クレゾールノボラック、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、フェノールアラルキル樹脂が難燃性に優れ、より好ましい。
また、前記アルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。これらは、単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
前記反応溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、トルエン、キシレンおよびメシチレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、イソブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテルおよびジエチレングリコールモノブチルエーテルなどの各種グリコールエーテル系溶媒、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジアルキルグリコールエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノールおよびブタノールなどのアルコール系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドおよびスルホランなどの有機極性溶媒、水などが挙げられ、これらは、1種または2種以上を用いることができる。
本発明に用いるエポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(フェニレン骨格、ビフェニレン骨格等を有する)、ナフトール型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらの中でも、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂が特に好ましい。これらの樹脂は、1種または2種以上を用いることができる。
前記フェノールアラルキル型エポキシ樹脂としては、下記式(3)及び式(4)で表される構造を有するものが挙げられる。
式(3)および(4)中のmは1から10の数である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、前記ビニルベンジル樹脂とエポキシ樹脂の含有量としては、前記ビニルベンジル樹脂中のフェノール性水酸基1モルに対して、前記エポキシ樹脂中のエポキシ基が0.5〜1.5モルであることが好ましい。前記モル比の範囲である場合、硬化物の耐半田クラック性、樹脂組成物の硬化性および成形性が特に好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、上記成分の他に、前記エポキシ樹脂の硬化促進剤および前記ビニルベンジル樹脂の重合開始剤を添加することで、硬化性を調整することができる。前記エポキシ樹脂硬化促進剤としては、エポキシ基とフェノール性水酸基との硬化反応を促進させるものであればよく、一般に封止材料に使用するものを使用することができる。例えば、ベンジルジメチルアミン等の第3級アミン類、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7およびトリフェニルホスフィン等の有機リン化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの硬化促進剤は、単独でも混合して用いても良い。
前記ビニルベンジル樹脂の重合開始剤としては、ジクミルパーオキシド、過酸化ジベンゾイルおよび過酸化ラウロイルなどの有機過酸化物など、当業者に公知なラジカル重合開始剤が挙げられる。これらは、硬化させる温度条件にもよるが、前記ビニルベンジル樹脂に対して0.1〜30重量%の範囲で使用することができる。
また、必要に応じて、溶融シリカ、結晶シリカ、タルク、アルミナ、窒化珪素および水酸化アルミニウム等の無機フィラーや、シランカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、天然ワックスおよび合成ワックス等の離型剤など当業者に公知な添加材を加えることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物の製造方法としては、例えば、上記の成分を任意の割合で混合した後、熱ロールなどの混練機を用いて混錬し、冷却、粉砕して粉末状とする方法、前記混練後に造粒してペレット状とする方法などが挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、例えば、タブレット状に成形し、これを低圧トランスファー成形機により所望の金型に注入し、100〜250℃程度の温度で加熱することで硬化させることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、半導体素子の封止材や回路材料用積層板に用いることができるが、難燃性および熱時弾性率に優れることから、自動車用など高温雰囲気下で使用される半導体素子の封止材や積層板に、特に好適に用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
(ビニルベンジル樹脂の合成例1)
フェノールアラルキル樹脂(明和化成製、商品名MEH7851SS、水酸基当量203)40.6重量部、水酸化ナトリウム5.4重量部、メチルエチルケトン150重量部をフラスコに加え、70℃に加熱した。これに、滴下ロートを用いて、ビニルベンジルクロライド(セイミケミカル製、商品名CMS−P)20.6重量部を、1時間かけて滴下した。滴下後、7時間反応を行い、生成した塩をろ過して除いた。
濾液を10倍量のヘキサンに滴下し、生成した沈殿物と上澄み液を分離した。沈殿物をヘキサンで繰り返し洗浄し、40℃で真空乾燥を行い、残存している溶媒を除去して、樹脂生成物を得た。これを、1H−NMRにより分析したところ、5.1ppm付近のビニルベンジルエーテル基のエーテル結合を示すピーク強度並びに多官能フェノール樹脂の芳香環をつなぐメチレン結合を示す3.9ppm付近のピーク強度比からフェノール性水酸基の67mol%がビニルベンジルエーテル基に変換されていることを確認した。
(ビニルベンジル樹脂の合成例2)
フェノールアラルキル樹脂(明和化成製、商品名MEH7851SS、水酸基当量203)を40.6重量部、水酸化ナトリウムを1.4重量部、ビニルベンジルクロライド(セイミケミカル製、商品名CMS−P)を5.5重量部として合成例1と同様に操作を行い、樹脂を得た。1H−NMRからフェノール性水酸基の16mol%がビニルベンジルエーテル基に変換されていることを確認した。
(ビニルベンジル樹脂の合成例3)
フェノールアラルキル樹脂(明和化成製、商品名MEH7851SS、水酸基当量203)を40.6重量部、水酸化ナトリウムを2.5重量部、ビニルベンジルクロライド(セイミケミカル製、商品名CMS−P)を13.7重量部として合成例1と同様に操作を行い、樹脂を得た。1H−NMRからフェノール性水酸基の32mol%がビニルベンジルエーテル基に変換されていることを確認した。
(ビニルベンジル樹脂の合成例4)
フェノールアラルキル樹脂(明和化成製、商品名MEH7851SS、水酸基当量203)を40.6重量部、水酸化ナトリウムを4.2重量部、ビニルベンジルクロライド(セイミケミカル製、商品名CMS−P)を22.9重量部として合成例1と同様に操作を行い、樹脂を得た。1H−NMRからフェノール性水酸基の53mol%がビニルベンジルエーテル基に変換されていることを確認した。
(ビニルベンジル樹脂の合成例5)
フェノールアラルキル樹脂を(明和化成製、商品名MEH7851SS、水酸基当量203)30.5重量部、水酸化ナトリウムを6.2重量部、ビニルベンジルクロライド(セイミケミカル製、商品名CMS−P)を23.8重量部として合成例1と同様に操作を行い、樹脂を得た。1H−NMRからフェノール性水酸基の91mol%がビニルベンジルエーテル基に変換されていることを確認した。
(ビニルベンジル樹脂の合成例6)
フェノールアラルキル樹脂(明和化成製、商品名MEH7851SS、水酸基当量203)を40.6重量部、水酸化ナトリウムを8.3重量部、ビニルベンジルクロライド(セイミケミカル製、商品名CMS−P)を45.8重量部として合成例1と同様に操作を行い、樹脂を得た。1H−NMRからはフェノール性水酸基の99mol%とほぼ全ての水酸基がビニルベンジルエーテル基に変換されていることを確認した。また,赤外線スペクトルからもフェノール性水酸基が存在しないことを確認した。
(ビニルベンジル樹脂の合成例7)
フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト製、商品名PR51714、水酸基当量120)24重量部、水酸化ナトリウム4.0重量部、メチルエチルケトン100重量部をフラスコに加え、70℃に加熱した。これに、滴下ロートを用いて、ビニルベンジルクロライド(セイミケミカル製、商品名CMS−P)15.3重量部を1時間かけて滴下した。滴下後、7時間反応を行い、生成した塩をろ過で除いた。
濾液を10倍量のメタノールに滴下し、生成した沈殿物と上澄み液を分離した。沈殿物をメタノールで繰り返し洗浄し、40℃で真空乾燥を行い、残存している溶媒を除去した。これを、1H−NMRにより分析したところ、5.1ppm付近のビニルベンジルエーテル基のエーテル結合を示すピーク強度並びに多官能フェノール樹脂の芳香環をつなぐメチレン結合を示す3.9ppm付近のピーク強度比からフェノール性水酸基の62mol%がビニルベンジルエーテル基に変換されていることを確認した。
(硬化性試験)
実施例、比較例で得たサンプルを、キュラストメーター((株)オリエンテック製、JSRキュラストメーター)を用いて、ダイスの直径35mm、振幅角1°および成形温度175℃の試験条件で、成形開始30、60、90、300秒後のトルク値を測定し、300秒トルク値に対する30〜90秒のトルク値をトルク飽和率として表1に示した。数値が大きいほど硬化が速いことを示している。
(難燃性試験)
実施例、比較例で得たサンプルを、低圧トランスファー成形機を用いて、成形温度175℃、圧力6.9MPaおよび硬化時間120秒の成形条件で試験片(127mm×12.7mm×1.0mm)を成形し、アフターベークとして175℃、8時間処理した後、UL-94垂直法に準じて、ΣF、Fmaxを測定し、難燃性を判定した。結果を表1に記載した。
(弾性率試験)
上記難燃性試験と同様に作製した試験片を、幅2mm、長さ30mmに切り出し、粘弾性測定装置(セイコーエプソン製、DMS6100)用いて、30−330℃の弾性率を測定した。結果を表1に記載した
(実施例2〜8、比較例3
表1記載の通り、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬製、商品名NC3000P、エポキシ当量272)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量200)、ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製、商品名YX4000エポキシ当量178)、合成例1〜7で得た樹脂、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7(以下、DBUという)、ジクミルパーオキシド、溶融球状シリカ(平均粒径22μm)、カルナバワックスおよびエポキシシランカップリング剤を用いて、70〜100℃のロールにて混練し、冷却後に混練物を粉砕してサンプルを作製し評価した。結果は表1に記載した。
表1の実施例2〜8と比較例3との比較からはアラルキル型樹脂を使用しない場合よりも難燃性が高いことがわかる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、難燃性を有すると共に、従来のエポキシ樹脂と比較して熱時弾性率に優れることから、自動車用など特に高温雰囲気で用いられる半導体装置の封止材や積層板などに適用できる。

Claims (2)

  1. 多官能フェノールのフェノール性水酸基をビニルベンジルエーテル基に置換して得られる、一分子中にフェノール性水酸基とビニルベンジルエーテル基とを有するビニルベンジル樹脂、およびエポキシ樹脂を含有してなる樹脂組成物において、前記多官能フェノールおよび/または前記エポキシ樹脂は、フェノールアラルキル型樹脂であり、前記多官能フェノールにおけるフェノール性水酸基の16〜91モル%がビニルベンジルエーテル基で置換されたものであり、さらに該ビニルベンジル樹脂のフェノール性水酸基1モルに対して、該エポキシ樹脂のエポキシ基が、0.5〜1.5モルの割合で含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記一分子中にフェノール性水酸基とビニルベンジルエーテル基とを有するビニルベンジル樹脂は、フェノール性水酸基の20〜70モル%がビニルベンジルエーテル基で置換されたものである請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
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