JP4599869B2 - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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また、主鎖にアラルキル構造を導入したビニルベンジルエーテル基を含有する樹脂の難燃性が高いことが紹介されている(例えば、特許文献2参照。)。当該樹脂はフェノール性水酸基とビニルベンジルクロライドを縮合させて得ているが、フェノール性水酸基のビニルベンジルエーテル基への転化率が高くなると、樹脂中の極性基が極めて少なくなり、基材との接着性が低下するという欠点がある。また、成形には150℃2時間、次いで180℃4時間もの長時間を要しているが、樹脂の硬化性条件の緩い積層板への提供であり、数分間で成形できる速硬化性が要求される半導体封止材料等に用いる成形材料には不十分であった。
したがって、ノンハロゲン材料で熱時高弾性率と難燃性を両立する半導体封止材料用樹脂組成物を得るのは困難であった。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、前記ビニルベンジル樹脂は、多官能フェノール類のフェノール性水酸基の20〜70モル%がビニルベンジルエーテル基で置換されたものであることが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、前記ビニルベンジル樹脂と前記エポキシ樹脂とは、該ビニルベンジル樹脂のフェノール性水酸基1モルに対して、該エポキシ樹脂のエポキシ基が、0.5〜1.5モルの割合で含有することが好ましい。
また、ビニルベンジルエーテル基の置換割合が20〜70モル%のビニルベンジル樹脂を用いると、更に熱時弾性率および硬化性に優れる樹脂組成物が得られるが、置換割合20〜70モル%のビニルベンジル樹脂を得るためには、前記アルカリ金属水酸化物を前記フェノール性水酸基に対して20〜70モル%、ビニルベンジルクロライドをアルカリ金属水酸化物に対して100モル%から200モル%配合すればよい。
フェノールアラルキル樹脂(明和化成製、商品名MEH7851SS、水酸基当量203)40.6重量部、水酸化ナトリウム5.4重量部、メチルエチルケトン150重量部をフラスコに加え、70℃に加熱した。これに、滴下ロートを用いて、ビニルベンジルクロライド(セイミケミカル製、商品名CMS−P)20.6重量部を、1時間かけて滴下した。滴下後、7時間反応を行い、生成した塩をろ過して除いた。
濾液を10倍量のヘキサンに滴下し、生成した沈殿物と上澄み液を分離した。沈殿物をヘキサンで繰り返し洗浄し、40℃で真空乾燥を行い、残存している溶媒を除去して、樹脂生成物を得た。これを、1H−NMRにより分析したところ、5.1ppm付近のビニルベンジルエーテル基のエーテル結合を示すピーク強度並びに多官能フェノール樹脂の芳香環をつなぐメチレン結合を示す3.9ppm付近のピーク強度比からフェノール性水酸基の67mol%がビニルベンジルエーテル基に変換されていることを確認した。
フェノールアラルキル樹脂(明和化成製、商品名MEH7851SS、水酸基当量203)を40.6重量部、水酸化ナトリウムを1.4重量部、ビニルベンジルクロライド(セイミケミカル製、商品名CMS−P)を5.5重量部として合成例1と同様に操作を行い、樹脂を得た。1H−NMRからフェノール性水酸基の16mol%がビニルベンジルエーテル基に変換されていることを確認した。
フェノールアラルキル樹脂(明和化成製、商品名MEH7851SS、水酸基当量203)を40.6重量部、水酸化ナトリウムを2.5重量部、ビニルベンジルクロライド(セイミケミカル製、商品名CMS−P)を13.7重量部として合成例1と同様に操作を行い、樹脂を得た。1H−NMRからフェノール性水酸基の32mol%がビニルベンジルエーテル基に変換されていることを確認した。
フェノールアラルキル樹脂(明和化成製、商品名MEH7851SS、水酸基当量203)を40.6重量部、水酸化ナトリウムを4.2重量部、ビニルベンジルクロライド(セイミケミカル製、商品名CMS−P)を22.9重量部として合成例1と同様に操作を行い、樹脂を得た。1H−NMRからフェノール性水酸基の53mol%がビニルベンジルエーテル基に変換されていることを確認した。
フェノールアラルキル樹脂を(明和化成製、商品名MEH7851SS、水酸基当量203)30.5重量部、水酸化ナトリウムを6.2重量部、ビニルベンジルクロライド(セイミケミカル製、商品名CMS−P)を23.8重量部として合成例1と同様に操作を行い、樹脂を得た。1H−NMRからフェノール性水酸基の91mol%がビニルベンジルエーテル基に変換されていることを確認した。
フェノールアラルキル樹脂(明和化成製、商品名MEH7851SS、水酸基当量203)を40.6重量部、水酸化ナトリウムを8.3重量部、ビニルベンジルクロライド(セイミケミカル製、商品名CMS−P)を45.8重量部として合成例1と同様に操作を行い、樹脂を得た。1H−NMRからはフェノール性水酸基の99mol%とほぼ全ての水酸基がビニルベンジルエーテル基に変換されていることを確認した。また,赤外線スペクトルからもフェノール性水酸基が存在しないことを確認した。
フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト製、商品名PR51714、水酸基当量120)24重量部、水酸化ナトリウム4.0重量部、メチルエチルケトン100重量部をフラスコに加え、70℃に加熱した。これに、滴下ロートを用いて、ビニルベンジルクロライド(セイミケミカル製、商品名CMS−P)15.3重量部を1時間かけて滴下した。滴下後、7時間反応を行い、生成した塩をろ過で除いた。
濾液を10倍量のメタノールに滴下し、生成した沈殿物と上澄み液を分離した。沈殿物をメタノールで繰り返し洗浄し、40℃で真空乾燥を行い、残存している溶媒を除去した。これを、1H−NMRにより分析したところ、5.1ppm付近のビニルベンジルエーテル基のエーテル結合を示すピーク強度並びに多官能フェノール樹脂の芳香環をつなぐメチレン結合を示す3.9ppm付近のピーク強度比からフェノール性水酸基の62mol%がビニルベンジルエーテル基に変換されていることを確認した。
実施例、比較例で得たサンプルを、キュラストメーター((株)オリエンテック製、JSRキュラストメーター)を用いて、ダイスの直径35mm、振幅角1°および成形温度175℃の試験条件で、成形開始30、60、90、300秒後のトルク値を測定し、300秒トルク値に対する30〜90秒のトルク値をトルク飽和率として表1に示した。数値が大きいほど硬化が速いことを示している。
実施例、比較例で得たサンプルを、低圧トランスファー成形機を用いて、成形温度175℃、圧力6.9MPaおよび硬化時間120秒の成形条件で試験片(127mm×12.7mm×1.0mm)を成形し、アフターベークとして175℃、8時間処理した後、UL-94垂直法に準じて、ΣF、Fmaxを測定し、難燃性を判定した。結果を表1に記載した。
上記難燃性試験と同様に作製した試験片を、幅2mm、長さ30mmに切り出し、粘弾性測定装置(セイコーエプソン製、DMS6100)用いて、30−330℃の弾性率を測定した。結果を表1に記載した
表1記載の通り、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬製、商品名NC3000P、エポキシ当量272)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量200)、ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製、商品名YX4000エポキシ当量178)、合成例1〜7で得た樹脂、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7(以下、DBUという)、ジクミルパーオキシド、溶融球状シリカ(平均粒径22μm)、カルナバワックスおよびエポキシシランカップリング剤を用いて、70〜100℃のロールにて混練し、冷却後に混練物を粉砕してサンプルを作製し評価した。結果は表1に記載した。
Claims (2)
- 多官能フェノールのフェノール性水酸基をビニルベンジルエーテル基に置換して得られる、一分子中にフェノール性水酸基とビニルベンジルエーテル基とを有するビニルベンジル樹脂、およびエポキシ樹脂を含有してなる樹脂組成物において、前記多官能フェノールおよび/または前記エポキシ樹脂は、フェノールアラルキル型樹脂であり、前記多官能フェノールにおけるフェノール性水酸基の16〜91モル%がビニルベンジルエーテル基で置換されたものであり、さらに該ビニルベンジル樹脂のフェノール性水酸基1モルに対して、該エポキシ樹脂のエポキシ基が、0.5〜1.5モルの割合で含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
- 前記一分子中にフェノール性水酸基とビニルベンジルエーテル基とを有するビニルベンジル樹脂は、フェノール性水酸基の20〜70モル%がビニルベンジルエーテル基で置換されたものである請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
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