JP2568454Y2 - ゴム補強用スチールコード - Google Patents

ゴム補強用スチールコード

Info

Publication number
JP2568454Y2
JP2568454Y2 JP1996011531U JP1153196U JP2568454Y2 JP 2568454 Y2 JP2568454 Y2 JP 2568454Y2 JP 1996011531 U JP1996011531 U JP 1996011531U JP 1153196 U JP1153196 U JP 1153196U JP 2568454 Y2 JP2568454 Y2 JP 2568454Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core
wires
cord
steel cord
wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1996011531U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09245U (ja
Inventor
民雄 小原
一夫 松丸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Rope Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Rope Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Rope Manufacturing Co Ltd filed Critical Tokyo Rope Manufacturing Co Ltd
Priority to JP1996011531U priority Critical patent/JP2568454Y2/ja
Publication of JPH09245U publication Critical patent/JPH09245U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2568454Y2 publication Critical patent/JP2568454Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B1/00Constructional features of ropes or cables
    • D07B1/06Ropes or cables built-up from metal wires, e.g. of section wires around a hemp core
    • D07B1/0606Reinforcing cords for rubber or plastic articles
    • D07B1/062Reinforcing cords for rubber or plastic articles the reinforcing cords being characterised by the strand configuration
    • D07B1/0626Reinforcing cords for rubber or plastic articles the reinforcing cords being characterised by the strand configuration the reinforcing cords consisting of three core wires or filaments and at least one layer of outer wires or filaments, i.e. a 3+N configuration
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B2201/00Ropes or cables
    • D07B2201/20Rope or cable components
    • D07B2201/2015Strands
    • D07B2201/2016Strands characterised by their cross-sectional shape
    • D07B2201/2018Strands characterised by their cross-sectional shape oval
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B2207/00Rope or cable making machines
    • D07B2207/20Type of machine
    • D07B2207/204Double twist winding
    • D07B2207/205Double twist winding comprising flyer

Landscapes

  • Ropes Or Cables (AREA)
  • Wire Processing (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はスチールラジアルタイヤ
やコンベアベルトなどで代表されるゴム製品の補強材と
して使用されるスチールコードとりわけ9本の素線を使
用したスチールコードに関する。
【0002】
【従来の技術】スチールラジアルタイヤやコンベアベル
トなどのゴム製品の補強材としてスチールコードが使用
されており、そのスチールコードの一タイプとして、従
来、図4に示すような3+6構造の複層コードがある。
かかる3+6構造のスチールコードは、3本のブラスめ
っき素線を撚りあわせた心ストランド100のまわりに
ブラスめっき6本の素線からなる側ストランド200を
配して撚りあわせたものである。かかるスチールコード
は撚り方向によってさらに、心ストランドをS撚りまた
はZ撚りとし、側ストランドをZ撚りまたはS撚りとし
た異方向撚りタイプと、心ストランドと側ストランドを
いずれもS撚りまたはZ撚りとした同方向撚りタイプに
分類される。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかし、これら3+6
構造のスチールコードは、いずれもストランド撚り工程
(下撚り工程)とクロス撚り工程(上撚り工程)の2工程で
製作されるため、生産性が劣り、コストが高くなる。こ
とに、異方向撚りタイプは、クロス撚り工程の際に心ス
トランドの撚りが戻されるため、最終コードのピッチよ
りも短いピッチで撚っておかなければならず、製造効率
が悪いという欠点がある。さらに、3+6構造のスチー
ルコードは心ストランド100の3素線が接触し、中心
に閉鎖断面の空隙Sが生ずる。このため、ゴムとの複合
時にゴムを心ストランドの中まで浸透することができ
ず、水が空隙に入った場合に腐食が進行し、フレッティ
ング摩耗によりコードの耐疲労性が低下するという問題
がある。同方向撚りタイプは異方向撚りタイプよりも製
造効率はよいが、反面において2層の撚り方向が同じで
あるため、心ストランドに対する側ストランドの保持力
が弱いため、タイヤの走行に伴う圧縮や引張り曲げの繰
返しによって心ストランドがずれてコードの端から抜け
出しやすいという問題があった。この同方向撚りタイプ
での心ストランドの抜けを防止する対策として、心スト
ランドの3本の素線をオープン構造にすることも試みら
れているが、心ストランドはストランド撚り工程でオー
プンにS撚り(又はZ撚り)され、それがクロス撚り工程
でもう一度S撚り(又はZ撚り)され、つまり2度撚りさ
れる関係から、撚りピッチが短くタイトになってしま
う。このため、抜け防止に必要なオープン構造になら
ず、心抜け防止効果が乏しかった。
【0004】一方、多層撚りスチールコードの他の形式
としては、1×12構造や1×27構造のように多数本
の素線を一度に撚りあわせたタイプ(バンチドタイプ)の
スチールコードが知られている。このバンチドタイプの
スチールコードは、1回の撚り工程でコードが製造され
るため製造効率がよいという利点がある。そこでこれを
適用して3+6構造のスチールコードに替えて1×9構
造のコードにすることができれば好都合である。しか
し、単に9本の素線を型付けして撚りあわせただけで
は、心ストランドに相当する3本の素線とこれを囲む6
本の側素線とが線接触するため、やはり心ストランドが
抜けやすいという問題がある。また、心ストランドに相
当する3本の素線が隣接する同士密接しているため、や
はりゴム浸透性が悪く、疲労性が低くなるという問題が
あった。さらに、3+6構造や1×9構造の2層構造の
スチールコードにおいては、コードキルは心ストランド
のトルク(以下残留キルと言う)と側ワイヤのトルクのバ
ランスで成り立っている。1×9構造の場合、3+6構
造に比較して心ストランドの残留キルが極めて大きい。
このため、スチールコードをゴムとで複合化シートにし
た場合の切断面(コード端末)は、心ストランドの残留キ
ルが抜け、側ワイヤのトルクが強くなっている。したが
って、シート平坦性は、シート切断面から遠ざかった領
域では平坦であっても、シート切断面近傍は一端で立上
りを示す。逆にシート切断面近傍が平坦になるようにコ
ードキルをセットすると、図5のようにシート切断面か
ら遠ざかった領域では、反り返りZ(たとえば6〜10m
m高さ)が生じる。このゴムシートの反りは、その後のカ
ッティング(バイヤスカット)、ジョイント工程での寸法
精度に不都合を生じさせる。
【0005】本考案は前記のような問題点を解消するた
めに創案されたもので、その目的とするところは、ゴム
浸透性、耐疲労性がともに良好で、コード心の抜けも生
じず、シートとしたときの平坦性も良好にすることがで
き、しかも1回の撚り工程で安価に製作できる実用的な
ゴム補強用スチールコードを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本考案は、9本のめっきワイヤから構成されるスチール
コードにおいて、該スチールコードが、3本の心用のワ
イヤとこれらよりも径の太い6本の側用のワイヤを同一
方向同一ピッチで同時に撚りあわせた1×9構造となっ
ており、かつ、コードの長手方向と直角の断面を長径/
短径の比で1.05〜1.20の偏平状として1ピッチ
の何れの断面においても心および側の隣接するワイヤ間
に隙間を形成するとともに、0→5kg荷重付加時の伸び
を0.090〜0.125としている構成としたもので
ある。
【0007】
【作 用】9本のワイヤを1回で撚りあわせるため1
工程で製造することができ、コストを低減することがで
きる。また、9本のワイヤを単に撚りあわせるだけでは
コンパクトタイプないしクローズドタイプの断面形状に
なるが、全体を偏平状としているため、3本の心ワイヤ
および6本の側ワイヤが、いずれも少なくとも1ヵ所以
上に隙間を有するオープン構造となり、そうした側ワイ
ヤ間および心ワイヤ間の隙間にゴムが十分浸透するた
め、耐疲労性がよくなる。また、バンチドコードは一般
に同方向同ピッチで撚られているため心ワイヤと側ワイ
ヤは線接触し、心ストランドの抜けが生じやすいが、コ
ードを偏平状断面とすることによって心ストランドの残
留キルによるねじれ等の動きが抑制されるため心ストラ
ンドの抜けが防止される。さらに、バンチドコードは前
述のように心ストランドの残留キルが非常に多く、この
残留キルが、前記のようにゴムシートの切断面で抜けて
いたが、前記のように心ワイヤの捩じれが抑制されるこ
とで残留キルが抜ける現象がなくなるため、シートの平
坦性もよくなる。そして、ことに長径/短径の比を1.
05〜1.20とし、1ピッチの何れの断面においても
心と側の隣接するワイヤ間に隙間を形成するとともに、
0→5kg荷重付加時の伸びを0.090〜0.125と
しているため、ゴムの浸透性が良好となり、心ワイヤの
残留キルの抜けの抑制要素としての心ワイヤと側ワイヤ
の接触バランスが安定する。また、長径寸法のバラツキ
も少なくなるため、耐疲労性のバラツキを低下すること
ができ、低荷重域の過度の伸びが抑制される。
【0008】
【実施例】以下本考案の実施例を添付図面に基いて説明
する。図1(a)ないし(d)は本考案によるゴム補強用スチ
ールコードの4/5ピッチ分の各断面を示している。1
a,1b,1cは3本の心ワイヤ、2a,2b,2c,
2d,2e,2fは6本の側ワイヤであり、心ワイヤ1
a,1b,1cはそれぞれ同径である。側ワイヤ2a,
2b,2c,2d,2e,2fもそれぞれ同径である
が、心ワイヤ1a,1b,1cに対して150〜200
%増径された関係にある。心ワイヤ1a,1b,1cと
側ワイヤ2a,2b,2c,2d,2e,2fはいずれ
も直径が0.5mm以下、好ましくは0.15〜0.38
mmの鋼線であり、外周面にはブラスなどのめっきが施さ
れている。鋼線の成分組成は、心ワイヤと側ワイヤが同
じであってもよいし、側ワイヤだけ炭素量の高いハイカ
ーボンワイヤとしてもよい。
【0009】上記3本の心ワイヤ1a,1b,1cと6
本の側ワイヤ2a,2b,2c,2d,2e,2fは、
同一方向でかつ同一撚りピッチで同時に撚り合わされる
ことで1×9構造となっている。撚りピッチは10〜2
0mmとすることが好ましい。コードの外周には必要に応
じてラッピングワイヤが巻き付けられる。しかも、本考
案のスチールコードにおいては、長手方向と直角の断面
において、コード全体が偏平状をなしている。そして、
隣接する6本の側ワイヤ2a,2b,2c,2d,2
e,2f間には、1ピッチの長さのいずれの断面におい
ても、複数個所に隙間Sが形成されている。また、隣接
する心ワイヤ1a,1b,1c間にも1個所以上に隙間
sが形成されている。
【0010】前記偏平状態の比は、図1において長径寸
法をD1とし、短径寸法をD2とすると、本考案はD1
2が1.05〜1.20の範囲内にするものであり、
物性として、0→5kg荷重付加時の伸びを0.090
〜0.125の範囲にするものである。まず、0→5k
g荷重付加時の伸びの下限を0.090としたのはこれ
未満では隙間が形成されずゴムが浸透しないからであ
る。上限を0.125としたのは、これを超える伸び量
ではコードが極度にオープン状となり、心ストランドの
抜けが生ずる不都合があるからである。D1/D2の下限
を1.05とした理由は次のとおりである。第1にD1
/D2が1.05を下回る場合には、前記した隙間S,
sが狭くなったり、1個所しか隙間ができなくなったり
し、ことに心ワイヤ1a,1b,1cについて長手方向
のある断面で全心ワイヤ1a,1b,1cが接触する領
域が発生するため、ゴム浸透性の劣る部分が発生し、耐
疲労性が低下するからである。第2に、D1/D2が1.
05を下回る場合、3本の心ワイヤ1a,1b,1cで
形成される断面形状が偏平状とならず図4の3+6構造
の場合の心ストランドに近いものとなるため心ワイヤ1
a,1b,1cが一塊となって捩じれやすく、抜けやす
くなるからである。第3に、心ワイヤ1a,1b,1c
の残留キルの抜けは、心ワイヤ1a,1b,1cと側ワ
イヤ2a,2b,2c,2d,2e,2fの接触部分の
バランスで抑制されるが、D1/D2が1.05を下回る
場合にはそのバランスが不安定となり、心ワイヤ1a,
1b,1cの残留キルがコード端末で抜けやすくなる。
このため、ゴムシートにした時の切断面はマイナス側で
平坦となり、前述したようにシートに反り返りが発生
し、シートの平坦性が損なわれるからである。一方、D
1/D2の上限を1.20と規定したのは次の理由からで
ある。すなわち、第1にD1/D2が1.20を超えて大
きい場合には、前記した隙間S,sは十分に確保される
ためゴム浸透性は良好で、また、心ワイヤ1a,1b,
1cの捩じれ抑制されるため心ワイヤ1a,1b,1c
の抜けも防止される。しかしながら、心ワイヤ1a,1
b,1cと側ワイヤ2a,2b,2c,2d,2e,2
fの接触部分のバランスが不安定化するため、心ワイヤ
の残留キルがコード端末で抜けやすくなり、シートの平
坦性が不安定となるからである。第2に、偏平比がD1
/D2が1.20を超えると、6本の側ワイヤ間の型付
けのバラツキが大きくなるため、疲労性の向上が期待で
きなくなる。加えて、偏平比は伸びと関係があり、偏平
比が増すにつれて低荷重域での伸びが大きくなる。その
結果、カレンダー加工時のテンションコントロールが困
難になったり、裁断したコードのエンド部の撚りが乱れ
やすくなり、好ましくないからである。偏平比が前記し
た範囲であれば、ゴム浸透性、耐疲労性、心抜け防止、
シート平坦性の各条件をすべて満たすことができる。
【0011】上記した本考案のスチールコードを得るに
は、9本のワイヤを導出し、それらを撚りあわせる前
に、心ワイヤ1a,1b,1cと側ワイヤ2a,2b,
2c,2d,2e,2fに予め100%を超える型付け
を施し、次いで撚りあわせ、撚りあわせたオープン構造
の1×9コードを、巻取り前の過程で成形ローラーによ
って偏平状になるように成形することで得られる。図2
と図3は本考案のスチールコードの製造のための装置を
示している。11はフレームであり、フレーム11に中
空状スピンドル12a,12bが回転自在に取付けら
れ、これら中空状スピンドル12a,12bの端部間に
ループ13a,13bが掛け渡され、また、一方の中空
状スピンドル12aに第1ターンロール14aが取付け
られ、他方の中空状スピンドル12bに第2ターンロー
ラ14bが取付けられている。15はクレードルであ
り、前記ループ13a,13bの内側の中空状スピンド
ル12a,12bの端部間に設けられている。このクレ
ードル15は中空状スピンドル12a,12bに対し相
対回転自在に支持されており、中空状スピンドル12
a,12bの回転とは無関係に一定の姿勢を保つように
なっている。そして、このクレードル15の内部に、巻
取りボビン16と、一対のキャプスタン17a,17b
と、オーバーツイスター18と成形ロール装置19およ
びトラバーサ20が設けられている。25はワイヤ供給
部で、9個のワイヤボビンを有しており、そのうち中央
の3個のボビン26a,26b,26cは心ワイヤ1
a,1b,1cを巻収しており、6個のボビン27a〜
27fは前記心ワイヤよりも増径した側ワイヤを巻収し
ている。前記フレーム11には中空状スピンドル12a
よりも上流側に撚り口ダイ35設けられると共に、この
撚り口ダイ35よりも上流には3ピン式などからなるプ
レフォーム装置34が設けられている。
【0012】前記9個のワイヤボビン26a,26b,
26c,27a〜27fから引き出された各ワイヤは、
プレフォーム装置34を通り、撚り口ダイ35から中空
状スピンド12a,第1ターンロール14a,一方のル
ープ13a、中空状スピンドル12b、第2ターンロー
ル14bを経てクレードル15内に導入され、図3のよ
うにキャプスタン17a,17bを介してオーバーツイ
スター18、成形ロール装置19を経るように掛け渡さ
れ、トラバーサ20を経て巻取ボビン16に巻き取られ
ている。この状態で中空状スピンドル12a,12bが
回転し、この回転によってターンロール14a,14
b、ループ13a,13bが中空状スピンドル12a,
12bの回転軸線を中心として一定速度で公転する。そ
して、キャプスタン17a,17bによりワイヤ束Aが
順次引き取られ、ワイヤボビン26a,26b,26
c,27a〜27fからワイヤが引き出される。
【0013】ボビン26a,26b,26cから引き出
された心ワイヤ1a,1b,1cとボビン27a〜27
fから引き出された側ワイヤ2a〜2fは、プレフォー
ム装置34において過剰に型付けされる。このようにし
て直接過剰に型付けされた心ワイヤ1a,1b,1cと
側ワイヤ2a〜2fは、撚り口ダイ35を通過すること
によって中央域に3本の心ワイヤ1a,1b,1cが配
されその外周に6本の側ワイヤ2a〜2fが配置された
オープン状のワイヤ束Aとなり、そのワイヤ束Aは中空
状スピンドル12a内に入り、第1ターンロール14a
を経ることによって第1の撚りが入れられ、ループ13
aから第2ターンロール14bを経ることによってダブ
ルツイストされ、所定のピッチを持ちかつ心ワイヤおよ
び側ワイヤともオープン構造の粗スチールコードC’が
作られる。第2ターンロール14bを通過した粗スチー
ルコードC’はキャプスタン17a,17bを介してオ
ーバーツイスタ18に導入され、ここで所定のコードキ
ルにセットされる。そして、次に成形ロール装置19に
入る。この成形ロール装置19は複数個のロール190
を千鳥状に配置したもので、慣用の矯正ロールがコード
の直線性を与えるものであるのに対し、オープン構造の
粗スチールコードC’を積極的に圧縮してコード断面を
偏平状に塑性変形させるものであり、前記プレフォーム
装置34での型付け量を調整することによって前記した
偏平比となるように制御する。このようにして偏平化さ
れた目的スチールコードCは巻取ボビン16に巻き取ら
れる。
【0014】次に本考案のスチールコードの具体例と特
性を試験した結果を表1に示す。心ワイヤとしてはブラ
スめっきを施した直径0.20mmのスチールワイヤ3本
を用い、側ワイヤとしてブラスめっきを施した直径0.
35mmのスチールワイヤ6本を使用し、図2と図3に示
すダブルツイスタにより1×9構造の偏平状スチールコ
ードを製作した。型付けは、3ピン式プレフォーマーに
よって心ワイヤと側ワイヤ過剰に型付けし、それら心ワ
イヤと側ワイヤを、撚りピッチ18mmで同時撚りし、巻
取り前に成形ロール装置によって偏平化した。試料4な
いし試料11偏平比の調整はプレフォーム装置での型付
け量を変えることによって行った。比較のため、成形ロ
ールを使用せず慣用の矯正ロールを用いて偏平比1.0
00としたスチールコード(試料3)を作った。また、別
に2工程撚りで、心ストランドをZ撚り、側ストランド
をS撚りとした3+6構造のスチールコード(試料1)、
心トランドと側ストランドともS撚りとした3+6構造
のスチールコード(試料2)を作った。
【0015】表1は上記試料1ないし試料11のスチー
ルコードについて、偏平比と0→5kg荷重付加時伸び
と、心抜け、シート平坦性、ゴム浸透性(空気透過量)、
疲労性を試験した結果を示している。なお、試験項目
中、「心抜け」はプルアウトフォース法すなわち、コー
ドゴムブロックに長さ80mm埋込んで加硫し、コード片
端の側ワイヤを除去し、心ワイヤをつかみ、ゴムブロッ
クを支えて引き抜いたときの引抜き力を求める方法によ
って実施し、試料1の試験値を100として指数比較し
たものである。「疲労性」はコードをゴムで被覆したサ
ンプルを両端チャッキングし3個のロール間を経由させ
た状態で左右に所定長さ動かし、コード切断までの回数
を求める方法で行い、試料1の試験値を100として指
数比較したものである。「シート平坦性」は、ドラムワ
インド装置で作ったシートによって試験し、シートの異
常立上り(図5の現象)がなかったものを○とし、異常
立上りが生じたものを×で評価した。「ゴム浸透性」
は、ゴム被覆した25.4mm長さの複合体を水中の加圧
容器に配し、これに0.5kgf/cm2の空気圧を導入し、サン
プル軸線方向を貫いて漏れる空気量を測定し、試料3の
試験値を100として指数表示したものである。
【0016】
【表1】
【0017】この表1から明らかなように、本考案の範
囲である試料5,6,7,8は伸び、シート平坦性、ゴ
ム浸透性、耐疲労性のすべての特性で良好である。これ
に対し、試料1はゴム浸透性、および耐疲労性の面で本
考案より劣っている。試料2はゴム浸透性、耐疲労性の
点で劣っている。試料3は1工程で製作できるが、偏平
化していないため、心抜け、ゴム浸透性、耐疲労性で試
料1よりむしろ劣り、シート平坦性も不良である。そし
て偏平比が本考案の下限を下回る試料4も、まだ試料1
より特性が劣っている。偏平比が本考案の上限を超えた
試料9,10,11は、伸びが過剰となり、シート平坦
性も不良である。また、疲労性も試料1と同等程度それ
よりも劣る結果となっている。
【0018】
【考案の効果】以上説明した本考案のスチールコードに
よるときには、9本のめっきワイヤから構成されるスチ
ールコードにおいて、該スチールコードが、3本の心用
のワイヤとこれらよりも径の太い6本の側用のワイヤを
同一方向同一ピッチで同時に撚りあわせた1×9構造と
なっており、かつ、コードの長手方向と直角の断面を長
径/短径の比で1.05〜1.20の偏平状として1ピ
ッチの何れの断面においても心と側の隣接するワイヤ間
にそれぞれ隙間を形成するとともに、0→5kg荷重付加
時の伸びを0.090〜0.125としているため、1
工程撚りで製造でき、製造効率がよく、安価に製造する
ことができるうえに、1×9構造でありながらコード断
面を所定範囲内で偏平状とし、0→5kg荷重付加時の伸
びを特定範囲としているため、心ワイヤ隣接相互間およ
び側ワイヤ隣接相互間に隙間が確保され、ゴム浸透性が
良好であり、心ワイヤがねじれにくくなるため心ワイヤ
の抜け出し現象が防止され、これらにより耐疲労性がす
ぐれたものになり、さらに、バンチドコードでありなが
ら心ワイヤの残留キルが抜けないため、シートの平坦性
も良好にすることができるというすぐれた効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案によるスチールコードの4/5分の断面
図である。
【図2】本考案のスチールコードの製造装置を概略的に
示す説明図である。
【図3】図2におけるクレードル内の構成を示す斜視図
である。
【図4】従来の多層スチールコードの断面図である。
【図5】ゴムシートの反り現象を示す説明図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c 心ワイヤ 2a〜2f 側ワイヤ D1 長径寸法 D2 短径寸法 S,s 隙間

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】9本のめっきワイヤから構成されるスチー
    ルコードにおいて、該スチールコードが、3本の心用の
    ワイヤとこれらよりも径の太い6本の側用のワイヤを同
    一方向同一ピッチで同時に撚りあわせた1×9構造とな
    っており、かつ、コードの長手方向と直角の断面を長径
    /短径の比で1.05〜1.20の偏平状として1ピッ
    チの何れの断面においても心および側の隣接するワイヤ
    間に隙間を形成するとともに、0→5kg荷重付加時の伸
    びを0.090〜0.125としていることを特徴とす
    るゴム補強用スチールコード。
JP1996011531U 1996-10-24 1996-10-24 ゴム補強用スチールコード Expired - Lifetime JP2568454Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1996011531U JP2568454Y2 (ja) 1996-10-24 1996-10-24 ゴム補強用スチールコード

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1996011531U JP2568454Y2 (ja) 1996-10-24 1996-10-24 ゴム補強用スチールコード

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09245U JPH09245U (ja) 1997-05-02
JP2568454Y2 true JP2568454Y2 (ja) 1998-04-15

Family

ID=11780561

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1996011531U Expired - Lifetime JP2568454Y2 (ja) 1996-10-24 1996-10-24 ゴム補強用スチールコード

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2568454Y2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6330449B2 (ja) * 2014-04-23 2018-05-30 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ及びその製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5925909Y2 (ja) * 1979-12-21 1984-07-28 金井 宏之 スチ−ルコ−ド
JPH0261184A (ja) * 1988-08-20 1990-03-01 Kanai Hiroyuki スチールコードおよびタイヤ
JPH0340883A (ja) * 1989-07-04 1991-02-21 Bridgestone Corp 空気入りラジアルタイヤ
JPH076146B2 (ja) * 1989-11-21 1995-01-30 トクセン工業株式会社 スチールコードおよびタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09245U (ja) 1997-05-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1059380B1 (en) Reinforcing steel cord for rubber products, method and device for producing such steel cords
JPH0367155B2 (ja)
KR102199539B1 (ko) 벨트 플라이를 위한 직선형 강철 모노필라멘트
US4887421A (en) Apparatus and process of manufacturing a metal cord
ITMI952721A1 (it) Cordicella metallica di rinforzo da impiegarsi particolarmente in manufatti compositi a matrice elastomerica procedimento ed apparato
JP4806587B2 (ja) スチールコードの製造方法及びスチールコード
US6109017A (en) Steel cord and steel radial tire
US5609014A (en) Rubber reinforcing steel cord
JP3519716B2 (ja) ゴム補強材用スチルコード及びその製造方法
US5802830A (en) Steel cord and steel radial tire
JP2568454Y2 (ja) ゴム補強用スチールコード
US5709073A (en) Steel cords for the reinforcement of rubber articles having a wrapping cord
JPH05302283A (ja) ゴム補強用スチールコード
JPH08209567A (ja) 金属コード、その製造方法及び同コードとゴムとの複合物
JPH0559677A (ja) スチールコード
JP2920110B2 (ja) スチールコード及びスチールラジアルタイヤ
JP3588402B2 (ja) ゴム物品補強用スチ−ルコ−ド及びその製法並びに製造装置
JPH08118907A (ja) ゴム補強用スチールコードおよびこれを使用したラジアルタイヤ
JPH0319986A (ja) 3本撚りスチールコードの製造方法
JPH055288A (ja) スチ−ルコ−ド
RU2263731C2 (ru) Компактный нерасслаивающийся металлокорд
JP2907589B2 (ja) スチールコードの製造方法
JPH07279067A (ja) ゴム補強用スチールコードおよびその製造法
JPH1025678A (ja) ゴム製品補強用スチールコードおよびその製造設備と空気入りラジアルタイヤ
JP5714335B2 (ja) スチールコードの製造装置及び製造方法