JP3588402B2 - ゴム物品補強用スチ−ルコ−ド及びその製法並びに製造装置 - Google Patents

ゴム物品補強用スチ−ルコ−ド及びその製法並びに製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は空気入りタイヤやコンベアベルト等のゴム物品補強材として用いられるスチ−ルコ−ドに関し、特にスチ−ルコ−ドの耐食性及びゴム物品製造時における作業性を改善するゴム物品補強用スチ−ルコ−ド及びその製法並びにその製造装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の空気入りタイヤに供されるスチ−ルコ−ドは、コ−ド直径当たりのコ−ド引張強さを大きくしかつ良好な耐疲労性を得るため、図1に示すような最密構造となるように素線を配置した層撚りスチ−ルコ−ドが知られている。しかし、上記のような最密構造コ−ドとすると外層部の素線相互の隙間が少なくてコ−ド内部にゴムが十分に侵入しないため、コ−ドが水分と接触するとコ−ド内部に水分が容易に侵入してコ−ドを腐食することになる。
【0003】
そこでコ−ドの中心部の素線径を最密構造の素線径よりも大きくして外層部の素線間に隙間をもたせてゴムの浸透性を向上させることが実開昭56−103092号公報に、又、逆に外層部の素線本数を少なくして外層部の素線間に隙間をもたせることが特開昭59−223503号公報で夫々提案されている。
更に特開平4−304319号公報には、ゴム補強用金属フィラメントに2次元的な凹凸を歯車ロ−ルによって付与する提案がなされている。
【0004】
しかるに、中心部の素線径を外層部の素線径よりも太くしてコ−ド内部にゴムの侵入を改善することは、直径の異なる素線を準備する工程を必要とするので経済的ではない。又、素線径を太くすると素線の断面積当たりの引張強さが低下する傾向にあり物品の軽量化に悪影響を与える。更に、外層部の素線本数を減らしてコ−ド内部にゴムが侵入し易くしたコ−ドでは、コ−ドの強力が不足する場合がありゴム物品の補強性に問題が生ずる。
【0005】
一方、中心部の素線を撚り合わせることなく平行に引き揃えてその周囲に外層の素線を巻き付けた層撚りコ−ドは中心部の素線群に残留捩れを生じ易い。
図2(ア)〜(ウ)は多数のコ−ドを平行に引き揃えゴムを被覆するカレンダ−工程を経た複合体12を短冊状の複合体13に切断した場合を示すが、残留捩れを有するスチ−ルコ−ドを用いた短冊状の複合体13は図2(ウ)に示すコ−ナ−部に反り返り部14が発生する。この短冊状の複合体13をつなぎ合わせて例えばタイヤのベルト層に形成するが、この反り返り部が生ずるために短冊状の複合体13をつなぎ合わせる際やタイヤ成型の作業性を低下させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
尚、層撚りコ−ドの中心部の素線に波形型付けを施し中心部を撚り合わせていないコ−ドは、中心部にまでゴムが侵入するのでコ−ドの耐食性は顕著に改善されることとなるが、中心部は更に残留捩れを生じやすく短冊状の複合体のコ−ナ−部の反り返りは著しくなり、これをつなぎ合わせて長尺のシ−トを製造する作業やシ−トのつなぎ合わせ精度に問題があることが判った。
本発明は短冊状の複合体のコ−ナ−部の反り返りを小さくし、これをつなぎ合わせて長尺のシ−トを製造する作業を容易とし、かつそのシ−トのつなぎ合わせ精度を常に高めることをその目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1はゴム物品補強用スチ−ルコ−ドの構造に係るものであって、2本の素線を撚り合わせることなく平行に配置した中心部と、該中心部の周囲に6乃至8本の素線を巻き付けた外層部とからなるスチ−ルコ−ドであって、該中心部の素線群の残留捩れをB(回/5m)、外層部の残留捩れをA(回/5m)とすれば、1≦A≦3、2≦A+B≦5なる関係を有することを特徴とするスチ−ルコ−ドである。そして、好ましくは全ての素線の直径が同一であるのがよく、更に中心部の素線の少なくとも1本は2次元の波形型付けをしたものがよい。
【0008】
本発明の第2はゴム物品補強用スチ−ルコ−ドの製法に係るものであって、その1は、中心部に用いる2本の素線を波形付与装置を通して2次元の波形を付与した後1つの供給スプ−ルに巻取り、次いで6乃至8本の外層部を構成する素線を中心部の周囲に巻き付けるにあたり、中心部の素線群を供給スプ−ルからフライヤ−を経て撚り線機に導く際に中心部の素線群の捩れ方向が外層部の撚り方向と反対になるように繰り出し、撚り口でその周囲に外層部の素線を巻き付けることを特徴とする。この発明にあっては、中心部の素線を2個の供給スプ−ルから夫々引き出し一台の波形付与装置により2本の素線に波形を与えるのがよい。
【0009】
又、その2は、中心部に用いる2本の素線を波形付与装置により2本の素線に波形を付与した後、中心部の素線を小径ロ−ルに巻き付け撚り線機に導く際に、小径ロ−ルと波形付与装置との間に位置している素線に予め捩れを与えた後に撚線機の運転を開始し、撚り口で中心部の線の周囲に外層部の素線を巻き付けるスチ−ルコ−ドの製法に係るものである。
【0010】
これらの第2発明にあっては、撚り線機内部に配置されている供給スプ−ルから外層部の素線を繰り出し、撚り口で中心部の素線の周囲に巻き付ける方法がよい。
【0011】
更に、本発明の第3はゴム物品補強用スチ−ルコ−ドの製造装置に係るものであって、中心部の2本の素線を繰り出す2台の供給装置、続いて2本の素線に夫々波形を形付けする1台の波形付与装置、更に撚り線機を中心として撚り口との長さを調整できる1組の小径ロ−ル、次いで外層部の素線を内蔵したロ−タ−、外層部の螺旋形付け装置、撚り口、コ−ドの巻取り装置を順次配置した製造装置である。
【0012】
更にその2は、中心部の2本の素線を繰り出す2台の供給装置、中心部の素線に波形付けをする2台の波形付与装置、撚り線機を中心として撚り口との長さを調整可能に位置させた2組の小径ロ−ル、外層部の素線を内蔵したロ−タ−、外層部の螺旋形付け装置、撚り口、コ−ドの巻取り装置を順次配置した製造装置である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の第1のスチ−ルコ−ドは図3にて示すように中心部の素線を2本、外層部の素線を6〜8本としたものであり、その理由は、中心部の素線数が2本であると水分が伝達する隙間の形成をなくすることができるからである。更に、中心部の素線に波形を付与すると素線相互の接触頻度が低減できるので更に水分の伝達は抑制されることとなる。そして、中心部の素線は撚り合わせないことによって中心部の撚り工程が省略でき撚線の生産性が向上できることになる。又、スチ−ルコ−ドを構成する素線径は全て同一とすれば、伸線工程が単純となり経済的にスチ−ルコ−ドを製造することができることになる。
【0014】
平行に引き揃えられた多数本のスチ−ルコ−ドにゴムを被覆する際、ロ−ルによってスチ−ルコ−ドはしごかれ、短冊状に切断された複合材は反り返りが生ずることになる。この反り返りはスチ−ルコ−ドの中心部が撚り合わされていない時に多く発生し、中心部が撚り合わされておらずかつ中心部の素線が波形に形付けされていると中心部の素線は更に動き易くなるために複合体の反り返りの発生は更に増加する。
【0015】
本発明にあっては、この複合体の反り返りが発生しないようにするには、外層部の残留捩れAを、0.5≦A≦3の範囲にし、かつ、スチ−ルコ−ド全体の残留捩れは中心部の残留捩れBの影響を若干ではあるがうけるので、A+Bを2≦A+B≦5の範囲とすることにより複合体の反り返りは防止できることを知見し本発明に到達したものである。
【0016】
尚、ここで残留捩れとは、スチ−ルコ−ドの状態で中心部及び外層部の夫々の素線群が有している弾性変形の捩れであり、外層部又は中心部を除去することにより解放される捩れをいう。
【0017】
又、第2発明にあっては、前記したスチ−ルコ−ドの製法を提供するものであって、これを1工程で製造することも2工程で製造することも可能である。いずれにしろ、第2発明の要旨は、中心部に用いる2本の素線を予め歯車等の波形付与装置を通して2次元の波形を付与した後、6乃至8本の外層部を構成する素線を中心部の周囲に巻き付けるものであって、撚り線機に導く際に中心部の素線群に予め捩れを与えておき、これに外層部を構成する素線を巻き付けてなるものである。
【0018】
2工程で製造する実施の1態様にあって、2本の素線を波形付与装置により波形付けした後この2本の素線が捩れ合わされないようにして1個のスプ−ルに巻取る。そしてスチ−ルコ−ドを製造する時は、スチ−ルコ−ドの撚り方向と同方向に或いは逆方向に捩りが入るようにこの波形素線をスプ−ルからくり出す。このようにすることによって、中心部の素線群が撚線機を通過する際に捩られる量を調整できる。又、外層部の素線群の残留捩れは、外層部の素線に巻き付けのための螺旋形を付与する形付け装置の形付けピンを調節することによって残留捩れを調整できる。
【0019】
1工程で製造する実施の1態様にあって、2本の素線を引き出して波形付与装置により波形付けをした後、小径のロ−ルを経由して外層部を巻き付ける撚線機に導く。ここで中心部の素線群は撚線機の回転に伴い捩れがはいり、撚線機を出て外層部の素線が巻き付けられる撚り口に至るまでに入りとは逆の捩れがはいり、中心部の素線は撚り合わせることなく外層部の素線群が巻き付けられる。そして撚線機を中心として小径のロ−ルと撚り口との距離を変えることによって中心部の残留捩れの量を調節することができる。
【0020】
更に、第3発明にあって、例えば2工程で製造する装置にあっては、中心部の2本の波形素線をスプ−ルから巻き出す際に、スチ−ルコ−ドの撚り方向と同方向にあるいは逆方向に捩りが入るように例えばフライヤ−を介して2本の波形素線をスプ−ルからくり出すようにする。このようにすることによって中心部の素線群が撚線機を通過する際に捩られる量を調整できる。一方、外層部の素線群の残留捩れは、外層部の素線に巻き付けのための螺旋形を付与する形付け装置の形付けピンを調節することによって残留捩れを調整できる。
【0021】
又、1工程で製造する装置にあっては、中心部の素線を小径のロ−ルを経由させて外層部を巻き付ける撚線機に導くが、中心部の素線群は撚線機の回転に伴い捩れがはいり、撚線機を出て外層部の素線が巻き付けられる撚り口に至るまでに入りとは逆の捩れが入る。そして、この小径のロ−ルと撚り口との距離を変えることによって中心部の残留捩れの量を調節することができる。尚、小径のロ−ルは捩れの逆流の防止を目的としているので素線を十分に拘束するロ−ル径が望ましい。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
先ず図4は本発明の第3発明の第1例(請求項第8項)を示すゴム物品補強用スチ−ルコ−ドの製造装置を示すものであり、図中、符号1、1は中心部の2本の素線b、bを繰り出す2台の供給装置(供給スプ−ル)である。そして、2は素線b、b夫々に波形を施す一台の波形付与装置である。次にこの素線bに1組の小径ロ−ル3が備えられ、次いでチュ−ブラ−型撚線機4としての外層部の素線aを内蔵したロ−タ−5、外層部の螺旋形付け装置6、撚り口7、スチルコ−ドの巻取り装置8を順次配置した製造装置である。尚、図中、符号9は油塗布装置であり、1組の小径ロ−ル3は撚り口との長さDを調整できるようにされている。
【0023】
図5は本発明の第3発明の第2例(請求項第9項)を示すゴム物品補強用スチ−ルコ−ドの製造装置を示すものであり、図6はその部分拡大図である。図中、符号1、1は中心部の2本の素線b、bを繰り出す2台の供給装置(供給スプ−ル)である。そして、2、2は素線b、b夫々に波形を施す波形付与装置としての一対の歯車である。次に素線aの夫々に1組の小径ロ−ル3、3が備えられ、次いでチュ−ブラ−型撚線機4としての外層部の素線aを内蔵したロ−タ−5、外層部の螺旋形付け装置6、撚り口7、コ−ドの巻取り装置8を順次配置した製造装置である。
【0024】
尚、小径のロ−ル3は捩れの逆流の防止を目的としているので素線b、bを十分に拘束するロ−ル径が望ましく、例えば素線bの径が0.34mmであればロ−ル3の径が50mm以下が好ましい。
更に、中心部の素線の結節を通過させる場合とか、ロ−ルの取替等で波形付与装置にまで捩れが逆流した際には、この発明の範囲内に残留捩れBを調整出来ないので、小径ロ−ル3と波形付与装置6の間にある素線に適当な治具により予め捩れを戻した後、撚線を開始すればよい。
更に別の実施法として、波形付与装置と小径ロ−ルとの間にある素線群に適当な治具を用いてスチ−ルコ−ドの撚り方向と同じ或いは逆の捩れを予め与えた後に撚り線を開始することもでき、このようにすることによって中心部の素線群が撚線機を通過する際に捩られる量Bを調整できることになる。
【0025】
(請求項第4項によるスチ−ルコ−ドの製造)
波形素線の2本を中心部とした2+8構造コ−ドを製造した。
先ず、素線を巻いた供給スプ−ル1、1から夫々素線b、bを巻き出し、1台ないし2台の波形付与装置2により2本の素線b、bを同時に波形付けした後、これら2本の素線b、bが捩れ合わされないようにして1個のスプ−ル10に巻取る。
そして、スチ−ルコ−ドを製造する時は、図7に示すように2本の波形素線b、bをスプ−ル10から巻き出す際に、スチ−ルコ−ドの撚り方向と同方向に或いは逆方向に捩りが入るようにフライヤ−11を介して2本の波形素線b、bをスプ−ル10から繰り出すようにする。このようにすることによって中心部の素線群が撚線機4を通過する際に捩られる量Bを調整できる。そして、図1にて示す撚線機4以下を通過させるものであり、特に外層部の素線群の残留捩れは、外層部の素線aに巻き付けのための螺旋形を付与する形付け装置6における形付けピンを調節することによって残留捩れAを調整できる。
【0026】
(請求項第5項によるスチ−ルコ−ドの製造)
波形素線の2本を中心部とした2+8構造コ−ドを製造した。
この製造は図4に示す製造装置によるものであって、中心部の素線b、bを巻き付けた2個の供給スプ−ル1、1から夫々素線b、bを引き出し、1台の波形付与装置2により2本の素線b、bに波形付けをした後、この中心部の素線b、bを一組の小径のロ−ル3を経由させて外層部を巻き付ける撚線機4に導く。中心部の素線群は撚線機4の回転に伴い捩れがはいり、撚線機4を出て外層部の素線a、aが巻き付けられる撚り口7に至るまでに入りとは逆の捩れが入り、中心部の素線b、bは撚り合わせることなく外層部の素線群が中心部の周囲に巻き付けられるのである。この場合、撚線機4を中心として小径のロ−ル3と撚り口7との距離Dを変えることによって、中心部の素線b、bの残留捩れの量を調節することができる。
【0027】
(請求項第5項によるスチ−ルコ−ドの製造)
波形素線の2本を中心部とした2+8構造コ−ドを製造した。
この製造は図5に示す製造装置によるものであって、中心部の素線b、bを巻き付けた2個の供給スプ−ル1、1から夫々素線b、bを引き出し、2台の波形付与装置2、2により2本の素線b、bに波形付けをした後、この中心部の素線b、bを二組の小径のロ−ル3、3を経由させ、撚線機4にはいる前に中心部の素線群を平行に引き揃えて撚線機4に導き、撚り口7で中心部の素線b、b周囲に撚線機4内部から繰り出した外層部の素線a、aを巻き付けてスチ−ルコ−ドとなした。
【0028】
外層部の素線群の捩れAは、製造したスチ−ルコ−ドを一定長さ例えば5mをスプ−ルから引き出してその端を固定し、次いで他端の外層部を固定した後、外層部の素線群の隙間から中心部の素線を抜き取り、中心部を取り除いた外層部のみのコ−ドが自由に回転できるようにして残留捩りを解放させた。評価は残留捩れを解放するときコ−ドの回転方向及び回転数を測定した。
【0029】
同様に、中心部の素線郡の残留捩れBは、製造したスチ−ルコ−ドの一定長さ例えば5mをスプ−ルから引き出して、その一端を固定した外層部の素線群の撚りを戻して取り除き、中心部が自由に回転できるようにして残留捩れを解放させた時の回転方向及び回転数を記録した。
尚、スチ−ルコ−ドの撚りが締まる方向に回転する時を+方向、撚りが緩む方に回転する時を−方向とした。
【0030】
図8は波形素線の2本を中心部に、その周囲に8本の素線を巻き付けたスチ−ルコ−ドについて中心部及び外層部の残留捩れを測定しその結果を外層部の残留捩れAを横軸に、外層部の残留捩れAと中心部の残留捩れBとの和(A+B)を縦軸とした図に打点したものである。
図中、打点した番号は以下に示す実験番号で示すスチ−ルコ−ドである。
【0031】
(実験番号13)
実験番号13は従来例のスチ−ルコ−ドであり、かかるスチ−ルコ−ドの構造は中心部に用いる2本の直径が0.34mmのスチ−ル素線を2台の巻き出し装置から繰り出して1台の波形付与装置によって波ピッチ4.4mm、波高さ0.55mmの波形を施した後、直径70mmのロ−ルを経由して該中心部の周囲に巻き付けて外層部を形成するチュ−ブラ−型撚り線機に導く。尚、この際撚り線機を中心としてロ−ルと撚り口の距離(D)は526cmである。次に、外層部に配置される8本の直径が0.34mmのスチ−ルコ−ド素線を巻き付けのための螺旋形を付与するために、ピン間隔が13mmである撚り形付け装置に案内した後撚り線機で中心部の周囲に巻き付けて2+8構造のスチ−ルコ−ドとしたものである。
【0032】
(実験番号12)
上記した従来例コ−ド(No.13)に対してロ−ルの直径を70mmから50mmに変更して製造したスチ−ルコ−ドを実験番号12とした。
【0033】
(実験番号11〜9)
上記した従来例コ−ド(No.13)に対して螺旋形付け装置のピン間隔を15mm及び17mmにして外層部の残留捩れを制御したコ−ドが実験番号10及び11のコ−ドである。又、ロ−ル径を50mm、螺旋形付け装置のピン間隔を15mmとして製造したコ−ドが実験番号9である。
【0034】
(実験番号8〜5)
上記した従来例コ−ド(No.13)と同じ製造条件に加えてロ−ルと撚り口の距離(D)を変えて製造した。D(cm)が518、507、502、497に対し、これらを夫々コ−ドの実験番号8、7、6、5とする。
【0035】
(実験番号4〜2)
中心部の2本の素線に波形を付与する際に2台の波形形付け付与装置を用い、又直径が50mmのロ−ルを2組用い、更にロ−ルと撚り口の距離及び螺旋形付け装置のピン間隔を変えて製造した。即ち、D(cm)が485、485、502であり、ピン間隔(mm)が夫々13、15、15で製造されたコ−ドを実験番号4、3、2とした。
【0036】
(実験番号1)
実験番号1のコ−ドは、波形を付与した2本の素線を1個のスプ−ルに捩じれが入らないように巻いてある供給スプ−ルから素線を繰り出す際に第7図に示したフライヤ−を介して繰り出して製造するものであるが、フライヤ−の回転方向を外層部の撚り方向とは反対方向にして製造したものである。
【0037】
その結果、図中の斜線を施した範囲がゴムと複合した短冊状の複合体に反り返り部が認められなかった。
【0038】
【発明の効果】
この発明のスチ−ルコ−ドは、中心部にまでゴムが侵入するので耐腐食性に優れており、又中心部の素線に波形を付与しているので繰り返し歪による中心部の素線がゴムから飛び出すこともなく、更にはゴム物品を製造する際に、ゴムと未加硫複合体の短冊状の複合体に反り返り部がないので作業性が向上すると共に精度のよい製品とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は従来のスチ−ルコ−ドの断面図である。
【図2】図2は従来のスチ−ルコ−ドを用いた短冊状の複合体の切断した場合の状態図である。
【図3】図3は本発明のスチ−ルコ−ドの断面図である。
【図4】図4は本発明の第3のゴム物品補強用スチ−ルコ−ドの製造装置(請求項第8項)を示す全体図である。
【図5】図5は本発明の第3のゴム物品補強用スチ−ルコ−ドの製造装置(請求項第9項)を示す全体図である。
【図6】図6は図5に示す製造装置の部分拡大図である。
【図7】図7は請求項第4項によるスチ−ルコ−ドの製造の際の供給スプ−ルの一例を示す図である。
【図8】図8は2+8構造のスチ−ルコ−ドについて、外層部の残留捩れAを横軸に、外層部の残留捩れAと中心部の残留捩れBとの和(A+B)を縦軸とした図に打点した図である。
【符号の説明】
a‥‥外層部の素線、
b‥‥中心部の素線、
D‥‥小径ロ−ルと撚り口との長さ、
1‥‥スプ−ル、
2‥‥素線bに波形を施す波形付与装置、
3‥‥小径のロ−ル、
4‥‥チュ−ブラ−型撚線機、
5‥‥ロ−タ−、
6‥‥外層部の素線の螺旋形付け装置、
7‥‥撚り口、
8‥‥スチ−ルコ−ド巻取り装置、
9‥‥油塗布装置、
10‥‥スプ−ル、
11‥‥フライヤ−、
12‥‥スチ−ルコ−ドとゴムとの未加硫長尺体、
13‥‥短冊状の複合体、
14‥‥反り返り部。

Claims (9)

  1. 2本の素線を撚り合わせることなく平行に配置した中心部と、該中心部の周囲に6乃至8本の素線を巻き付けた外層部とからなるスチ−ルコ−ドであって、該中心部の素線群の残留捩れをB(回/5m)、外層部の残留捩れをA(回/5m)とすれば、0.5≦A≦3、2≦A+B≦5なる関係を有することを特徴とするゴム物品補強用スチ−ルコ−ド。
  2. 全ての素線の直径が同一である請求項第1項記載のゴム物品補強用スチ−ルコ−ド。
  3. 該中心部の素線の少なくとも1本は2次元の波形型付けを有したものである請求項第1項乃至第2項記載のゴム物品補強用スチ−ルコ−ド。
  4. 中心部に用いる2本の素線を波形付与装置を通して2次元の波形を付与した後1つの供給スプ−ルに巻取り、次いで6乃至8本の外層部を構成する素線を中心部の周囲に巻き付けるにあたり、中心部の素線群を供給スプ−ルからフライヤ−を経て撚り線機に導く際に中心部の素線群の捩れ方向が外層部の撚り方向と反対になるように繰り出し、撚り口でその周囲に外層部の素線を巻き付けることを特徴とするゴム物品補強用スチ−ルコ−ドの製法。
  5. 中心部に用いる2本の素線を波形付与装置を通して2次元の波形を付与した後、中心部の素線を小径ロ−ルに巻き付け撚り線機に導く際に、小径ロ−ルと波形付与装置との間に位置している素線群に予め捩れを与えた後に撚線機の運転を開始し、撚り口で中心部の線の周囲に外層部の素線を巻き付けることを特徴とするゴム物品補強用スチ−ルコ−ドの製法。
  6. 中心部の素線を2個の供給スプ−ルから夫々引き出し一台の波形付与装置により2本の素線に波形を与える請求項第5項記載のゴム物品補強用スチ−ルコ−ドの製法。
  7. 撚り線機内部に配置されている供給スプ−ルから外層部の素線を繰り出し、撚り口で中心部の素線の周囲に巻き付ける請求項第5項及び請求項第6項記載のゴム物品補強用スチ−ルコ−ドの製造方法。
  8. 中心部の2本の素線を繰り出す2台の供給装置、続いて2本の素線に夫々波形を形付けする1台の波形付与装置、更に撚り線機を中心として撚り口との長さを調整できる1組の小径ロ−ル、次いで外層部の素線を内蔵したロ−タ−、外層部の螺旋形付け装置、撚り口、コ−ドの巻取り装置を順次配置したことを特徴とするゴム物品補強用スチ−ルコ−ドの製造装置。
  9. 中心部の2本の素線を繰り出す2台の供給装置、中心部の素線に波形付けをする2台の波形付与装置、撚り線機を中心として撚り口との長さを調整可能に位置させた2組の小径ロ−ル、外層部の素線を内蔵したロ−タ−、外層部の螺旋形付け装置、撚り口、コ−ドの巻取り装置を順次配置したことを特徴とするゴム物品補強用スチ−ルコ−ドの製造装置。
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