JPH09245U - ゴム補強用スチールコード - Google Patents

ゴム補強用スチールコード

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JPH09245U
JPH09245U JP1153196U JP1153196U JPH09245U JP H09245 U JPH09245 U JP H09245U JP 1153196 U JP1153196 U JP 1153196U JP 1153196 U JP1153196 U JP 1153196U JP H09245 U JPH09245 U JP H09245U
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cord
steel cord
core
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ゴム浸透性、耐疲労性がともに良好で、コード
心の抜けも生じず、シートとしたときの平坦性も良好に
することができしかも1回の撚り工程で安価に製作でき
る実用的なゴム補強用スチールコードを提供する。 【解決手段】9本のめっきワイヤから構成されるスチー
ルコードにおいて、該スチールコードが、3本のワイヤ
とこれらよりも径の太い6本のワイヤを同一方向同一撚
りピッチで同時に撚りあわせた1×9構造となってお
り、かつ、コードの長手方向と直角の断面を長径/短径
の比で1.05〜1.20の偏平状として1ピッチの何
れの断面においても隣接する素線間の複数箇所に隙間を
形成するとともに、0→5kg荷重付加時の伸びを0.0
90〜0.125とした。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はスチールラジアルタイヤやコンベアベルトなどで代表されるゴム製品 の補強材として使用されるスチールコードとりわけ9本の素線を使用したスチー ルコードに関する。
【0002】
【従来の技術】
スチールラジアルタイヤやコンベアベルトなどのゴム製品の補強材としてスチ ールコードが使用されており、そのスチールコードの一タイプとして、従来、図 4に示すような3+6構造の複層コードがある。 かかる3+6構造のスチールコードは、3本のブラスめっき素線を撚りあわせ た心ストランド100のまわりにブラスめっき6本の素線からなる側ストランド 200を配して撚りあわせたものである。かかるスチールコードは撚り方向によ ってさらに、心ストランドをS撚りまたはZ撚りとし、側ストランドをZ撚りま たはS撚りとした異方向撚りタイプと、心ストランドと側ストランドをいずれも S撚りまたはZ撚りとした同方向撚りタイプに分類される。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、これら3+6構造のスチールコードは、いずれもストランド撚り工程 (下撚り工程)とクロス撚り工程(上撚り工程)の2工程で製作されるため、生産性 が劣り、コストが高くなる。ことに、異方向撚りタイプは、クロス撚り工程の際 に心ストランドの撚りが戻されるため、最終コードのピッチよりも短いピッチで 撚っておかなければならず、製造効率が悪いという欠点がある。 さらに、3+6構造のスチールコードは心ストランド100の3素線が接触し 、中心に閉鎖断面の空隙Sが生ずる。このため、ゴムとの複合時にゴムを心スト ランドの中まで浸透することができず、水が空隙に入った場合に腐食が進行し、 フレッティング摩耗によりコードの耐疲労性が低下するという問題がある。 同方向撚りタイプは異方向撚りタイプよりも製造効率はよいが、反面において 2層の撚り方向が同じであるため、心ストランドに対する側ストランドの保持力 が弱いため、タイヤの走行に伴う圧縮や引張り曲げの繰返しによって心ストラン ドがずれてコードの端から抜け出しやすいという問題があった。 この同方向撚りタイプでの心ストランドの抜けを防止する対策として、心スト ランドの3本の素線をオープン構造にすることも試みられているが、心ストラン ドはストランド撚り工程でオープンにS撚り(又はZ撚り)され、それがクロス撚 り工程でもう一度S撚り(又はZ撚り)され、つまり2度撚りされる関係から、撚 りピッチが短くタイトになってしまう。このため、抜け防止に必要なオープン構 造にならず、心抜け防止効果が乏しかった。
【0004】 一方、多層撚りスチールコードの他の形式としては、1×12構造や1×27 構造のように多数本の素線を一度に撚りあわせたタイプ(バンチドタイプ)のスチ ールコードが知られている。このバンチドタイプのスチールコードは、1回の撚 り工程でコードが製造されるため製造効率がよいという利点がある。 そこでこれを適用して3+6構造のスチールコードに替えて1×9構造のコー ドにすることができれば好都合である。しかし、単に9本の素線を型付けして撚 りあわせただけでは、心ストランドに相当する3本の素線とこれを囲む6本の側 素線とが線接触するため、やはり心ストランドが抜けやすいという問題がある。 また、心ストランドに相当する3本の素線が隣接する同士密接しているため、や はりゴム浸透性が悪く、疲労性が低くなるという問題があった。 さらに、3+6構造や1×9構造の2層構造のスチールコードにおいては、コ ードキルは心ストランドのトルク(以下残留キルと言う)と側ワイヤのトルクのバ ランスで成り立っている。1×9構造の場合、3+6構造に比較して心ストラン ドの残留キルが極めて大きい。このため、スチールコードをゴムとで複合化シー トにした場合の切断面(コード端末)は、心ストランドの残留キルが抜け、側ワイ ヤのトルクが強くなっている。したがって、シート平坦性は、シート切断面から 遠ざかった領域では平坦であっても、シート切断面近傍は一端で立上りを示す。 逆にシート切断面近傍が平坦になるようにコードキルをセットすると、図5のよ うにシート切断面から遠ざかった領域では、反り返りZ(たとえば6〜10mm高 さ)が生じる。このゴムシートの反りは、その後のカッティング(バイヤスカット )、ジョイント工程での寸法精度に不都合を生じさせる。
【0005】 本考案は前記のような問題点を解消するために考案されたもので、その目的と するところは、ゴム浸透性、耐疲労性がともに良好で、コード心の抜けも生じず 、シートとしたときの平坦性も良好にすることができしかも1回の撚り工程で安 価に製作できる実用的なゴム補強用スチールコードを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本考案は、9本のめっきワイヤから構成されるスチー ルコードにおいて、該スチールコードが、3本のワイヤとこれらよりも径の太い 6本のワイヤを同一方向同一ピッチで同時に撚りあわせた1×9構造となってお り、かつ、コードの長手方向と直角の断面を長径/短径の比で1.05〜1.2 0の偏平状として1ピッチの何れの断面においても隣接する素線間の複数箇所に 隙間を形成するとともに、0→5kg荷重付加時の伸びを0.090〜0.125 としている構成としたものである。
【0007】
【作 用】
1)9本のワイヤを1回で撚りあわせるため1工程で製造することができ、コス トを低減することができる。 2)9本のワイヤを単に撚りあわせるだけではコンパクトタイプないしクローズ ドタイプの断面形状になるが、長径/短径の比を1.05〜1.20の範囲で偏 平状としているため、3本の心ワイヤおよび6本の側ワイヤが、いずれも少なく とも1ヵ所以上に隙間を有するオープン構造となり、そうした側ワイヤ間および 心ワイヤ間の隙間にゴムが十分浸透するため、耐疲労性がよくなる。 また、バンチドコードは、一般に同方向、同撚りピッチで撚られているため心 ワイヤと側ワイヤは線接触し、心ストランドの抜けが生じやすいが、コードを偏 平状断面とすることによって心ストランドの残留キルによるねじれ等の動きが抑 制されるため心ストランドの抜けが防止される。 3)バンチドコードは前述のように心ストランドの残留キルが非常に多く、この 残留キルが、前記のようにゴムシートの切断面で抜けていたが、前記のように心 ワイヤの捩じれが抑制されることで残留キルが抜ける現象がなくなるため、シー トの平坦性もよくなる。 4)長径/短径の比を1.05〜1.20としているため、心ワイヤの残留キル の抜けの抑制要素としての心ワイヤと側ワイヤの接触バランスが安定する。また 、長径寸法のバラツキも少なくなるため、耐疲労性のバラツキを低下することが でき、しかも、0→5kg荷重付加時の伸びを0.090〜0.125としている ため、前記長径/短径の比との相乗効果により芯抜けを生じさせないようにしな がら安定した隙間を確実に形成してゴム浸透性を良好にすることがでる。
【0008】
【実施例】
以下本考案の実施例を添付図面に基いて説明する。 図1(a)ないし(d)は本考案によるゴム補強用スチールコードの4/5ピッチ分 の各断面を示している。 1a,1b,1cは3本の心ワイヤ、2a,2b,2c,2d,2e,2fは 6本の側ワイヤであり、心ワイヤ1a,1b,1cはそれぞれ同径である。側ワ イヤ2a,2b,2c,2d,2e,2fもそれぞれ同径であるが、心ワイヤ1 a,1b,1cに対して150〜200%増径された関係にある。 心ワイヤ1a,1b,1cと側ワイヤ2a,2b,2c,2d,2e,2fは いずれも直径が0.5mm以下、好ましくは0.15〜0.38mmの鋼線であり、 外周面にはブラスなどのめっきが施されている。鋼線の成分組成は、心ワイヤと 側ワイヤが同じであってもよいし、側ワイヤだけ炭素量の高いハイカーボンワイ ヤとしてもよい。
【0009】 上記3本の心ワイヤ1a,1b,1cと6本の側ワイヤ2a,2b,2c,2 d,2e,2fは、同一方向でかつ同一撚りピッチで同時に撚り合わされること で1×9構造となっている。撚りピッチは10〜20mmとすることが好ましい。 コードの外周には必要に応じてラッピングワイヤが巻き付けられる。 しかも、本考案のスチールコードにおいては、長手方向と直角の断面において 、コード全体が偏平状をなしている。そして、隣接する6本の側ワイヤ2a,2 b,2c,2d,2e,2f間には、1ピッチの長さのいずれの断面においても 、複数個所に隙間Sが形成されている。また、隣接する心ワイヤ1a,1b,1 c間にも1個所以上に隙間sが形成されている。
【0010】 前記偏平状態の比は、図1において長径寸法をD1とし、短径寸法をD2とする と、本考案はD1/D2が1.05〜1.20の範囲内にするものであり、物性と して、0→5kg荷重付加時の伸びを0.090〜0.125の範囲にするもの である。 まず、0→5kg荷重付加時の伸びの下限を0.090としたのはこれ未満で は隙間が形成されずゴムが浸透しないからである。上限を0.125としたのは 、これを超える伸び量ではコードが極度にオープン状となり、心ストランドの抜 けが生ずる不都合があるからである。 D1/D2の下限を1.05とした理由は次のとおりである。 第1にD1/D2が1.05を下回る場合には、前記した隙間S,sが狭くなっ たり、1個所しか隙間ができなくなったりし、ことに心ワイヤ1a,1b,1c について長手方向のある断面で全心ワイヤ1a,1b,1cが接触する領域が発 生するため、ゴム浸透性の劣る部分が発生し、耐疲労性が低下するからである。 第2に、D1/D2が1.05を下回る場合、3本の心ワイヤ1a,1b,1c で形成される断面形状が偏平状とならず図4の3+6構造の場合の心ストランド に近いものとなるため心ワイヤ1a,1b,1cが一塊となって捩じれやすく、 抜けやすくなるからである。 第3に、心ワイヤ1a,1b,1cの残留キルの抜けは、心ワイヤ1a,1b ,1cと側ワイヤ2a,2b,2c,2d,2e,2fの接触部分のバランスで 抑制されるが、D1/D2が1.05を下回る場合にはそのバランスが不安定とな り、心ワイヤ1a,1b,1cの残留キルがコード端末で抜けやすくなる。この ため、ゴムシートにした時の切断面はマイナス側で平坦となり、前述したように シートに反り返りが発生し、シートの平坦性が損なわれるからである。 一方、D1/D2の上限を1.20と規定したのは次の理由からである。 すなわち、第1にD1/D2が1.20を超えて大きい場合には、前記した隙間 S,sは十分に確保されるためゴム浸透性は良好で、また、心ワイヤ1a,1b ,1cの捩じれ抑制されるため心ワイヤ1a,1b,1cの抜けも防止される。 しかしながら、心ワイヤ1a,1b,1cと側ワイヤ2a,2b,2c,2d, 2e,2fの接触部分のバランスが不安定化するため、心ワイヤの残留キルがコ ード端末で抜けやすくなり、シートの平坦性が不安定となるからである。 第2に、偏平比がD1/D2が1.20を超えると、6本の側ワイヤ間の型付け のバラツキが大きくなるため、疲労性の向上が期待できなくなる。加えて、偏平 比は伸びと関係があり、偏平比が増すにつれて低荷重域での伸びが大きくなる。 その結果、カレンダー加工時のテンションコントロールが困難になったり、裁断 したコードのエンド部の撚りが乱れやすくなり、好ましくないからである。 偏平比が前記した範囲であれば、ゴム浸透性、耐疲労性、心抜け防止、シート 平坦性の各条件をすべて満たすことができる。
【0011】 上記した本考案のスチールコードを得るには、9本のワイヤを導出し、それら を撚りあわせる前に、心ワイヤ1a,1b,1cと側ワイヤ2a,2b,2c, 2d,2e,2fに予め100%を超える型付けを施し、次いで撚りあわせ、撚 りあわせたオープン構造の1×9コードを、巻取り前の過程で成形ローラーによ って偏平状になるように成形することで得られる。 図2と図3は本考案のスチールコードの製造のための装置を示している。 11はフレームであり、フレーム11に中空状スピンドル12a,12bが回転 自在に取付けられ、これら中空状スピンドル12a,12bの端部間にループ1 3a,13bが掛け渡され、また、一方の中空状スピンドル12aに第1ターン ロール14aが取付けられ、他方の中空状スピンドル12bに第2ターンローラ 14bが取付けられている。 15はクレードルであり、前記ループ13a,13bの内側の中空状スピンド ル12a,12bの端部間に設けられている。このクレードル15は中空状スピ ンドル12a,12bに対し相対回転自在に支持されており、中空状スピンドル 12a,12bの回転とは無関係に一定の姿勢を保つようになっている。そして 、このクレードル15の内部に、巻取りボビン16と、一対のキャプスタン17 a,17bと、オーバーツイスター18と成形ロール装置19およびトラバーサ 20が設けられている。 25はワイヤ供給部で、9個のワイヤボビンを有しており、そのうち中央の3 個のボビン26a,26b,26cは心ワイヤ1a,1b,1cを巻収しており 、6個のボビン27a〜27fは前記心ワイヤよりも増径した側ワイヤを巻収し ている。 前記フレーム11には中空状スピンドル12aよりも上流側に撚り口ダイ35 設けられると共に、この撚り口ダイ35よりも上流には3ピン式などからなるプ レフォーム装置34が設けられている。
【0012】 前記9個のワイヤボビン26a,26b,26c,27a〜27fから引き出 された各ワイヤは、プレフォーム装置34を通り、撚り口ダイ35から中空状ス ピンド12a,第1ターンロール14a,一方のループ13a、中空状スピンド ル12b、第2ターンロール14bを経てクレードル15内に導入され、図3の ようにキャプスタン17a,17bを介してオーバーツイスター18、成形ロー ル装置19を経るように掛け渡され、トラバーサ20を経て巻取ボビン16に巻 き取られている。 この状態で中空状スピンドル12a,12bが回転し、この回転によってター ンロール14a,14b、ループ13a,13bが中空状スピンドル12a,1 2bの回転軸線を中心として一定速度で公転する。そして、キャプスタン17a ,17bによりワイヤ束Aが順次引き取られ、ワイヤボビン26a,26b,2 6c,27a〜27fからワイヤが引き出される。
【0013】 ボビン26a,26b,26cから引き出された心ワイヤ1a,1b,1cと ボビン27a〜27fから引き出された側ワイヤ2a〜2fは、プレフォーム装 置34において過剰に型付けされる。 このようにして直接過剰に型付けされた心ワイヤ1a,1b,1cと側ワイヤ 2a〜2fは、撚り口ダイ35を通過することによって中央域に3本の心ワイヤ 1a,1b,1cが配されその外周に6本の側ワイヤ2a〜2fが配置されたオ ープン状のワイヤ束Aとなり、そのワイヤ束Aは中空状スピンドル12a内に入 り、第1ターンロール14aを経ることによって第1の撚りが入れられ、ループ 13aから第2ターンロール14bを経ることによってダブルツイストされ、所 定のピッチを持ちかつ心ワイヤおよび側ワイヤともオープン構造の粗スチールコ ードC’が作られる。 第2ターンロール14bを通過した粗スチールコードC’はキャプスタン17 a,17bを介してオーバーツイスタ18に導入され、ここで所定のコードキル にセットされる。そして、次に成形ロール装置19に入る。 この成形ロール装置19は複数個のロール190を千鳥状に配置したもので、 慣用の矯正ロールがコードの直線性を与えるものであるのに対し、オープン構造 の粗スチールコードC’を積極的に圧縮してコード断面を偏平状に塑性変形させ るものであり、前記プレフォーム装置34での型付け量を調整することによって 前記した偏平比となるように制御する。このようにして偏平化された目的スチー ルコードCは巻取ボビン16に巻き取られる。
【0014】 次に本考案のスチールコードの具体例と特性を試験した結果を表1に示す。 心ワイヤとしてはブラスめっきを施した直径0.20mmのスチールワイヤ3本 を用い、側ワイヤとしてブラスめっきを施した直径0.35mmのスチールワイヤ 6本を使用し、図2と図3に示すダブルツイスタにより1×9構造の偏平状スチ ールコードを製作した。 型付けは、3ピン式プレフォーマーによって心ワイヤと側ワイヤ過剰に型付け し、それら心ワイヤと側ワイヤを、撚りピッチ18mmで同時撚りし、巻取り前に 成形ロール装置によって偏平化した。試料4ないし試料11偏平比の調整はプレ フォーム装置での型付け量を変えることによって行った。 比較のため、成形ロールを使用せず慣用の矯正ロールを用いて偏平比1.00 0としたスチールコード(試料3)を作った。また、別に2工程撚りで、心ストラ ンドをZ撚り、側ストランドをS撚りとした3+6構造のスチールコード(試料1 )、心トランドと側ストランドともS撚りとした3+6構造のスチールコード(試 料2)を作った。
【0015】 表1は上記試料1ないし試料11のスチールコードについて、偏平比と0→5 kg荷重付加時伸びと、心抜け、シート平坦性、ゴム浸透性(空気透過量)、疲労性 を試験した結果を示している。 なお、試験項目中、「心抜け」はプルアウトフォース法すなわち、コードゴム ブロックに長さ80mm埋込んで加硫し、コード片端の側ワイヤを除去し、心ワイ ヤをつかみ、ゴムブロックを支えて引き抜いたときの引抜き力を求める方法によ って実施し、試料1の試験値を100として指数比較したものである。 「疲労性」はコードをゴムで被覆したサンプルを両端チャッキングし3個のロ ール間を経由させた状態で左右に所定長さ動かし、コード切断までの回数を求め る方法で行い、試料1の試験値を100として指数比較したものである。 「シート平坦性」は、ドラムワインド装置で作ったシートによって試験し、シー トの異常立上り(図5の現象)がなかったものを○とし、異常立上りが生じたも のを×で評価した。 「ゴム浸透性」は、ゴム被覆した25.4mm長さの複合体を水中の加圧容器に配 し、これに0.5kgf/cm2の空気圧を導入し、サンプル軸線方向を貫いて漏れる空気 量を測定し、試料3の試験値を100として指数表示したものである。
【0016】
【表1】
【0017】 この表1から明らかなように、本考案の範囲である試料5,6,7,8は伸び 、シート平坦性、ゴム浸透性、耐疲労性のすべての特性で良好である。 これに対し、試料1はゴム浸透性、および耐疲労性の面で本考案より劣ってい る。試料2はゴム浸透性、耐疲労性の点で劣っている。試料3は1工程で製作で きるが、偏平化していないため、心抜け、ゴム浸透性、耐疲労性で試料1よりむ しろ劣り、シート平坦性も不良である。そして偏平比が本考案の下限を下回る試 料4も、まだ試料1より特性が劣っている。偏平比が本考案の上限を超えた試料 9,10,11は、伸びが過剰となり、シート平坦性も不良である。また、疲労 性も試料1と同等程度それよりも劣る結果となっている。
【0018】
【考案の効果】
以上説明した本考案のスチールコードによるときには、9本のめっきワイヤか ら構成されるスチールコードにおいて、該スチールコードが、3本のワイヤとこ れらよりも径の太い6本のワイヤを同一方向同一ピッチで同時に撚りあわせた1 ×9構造となっており、かつ、コードの長手方向と直角の断面を長径/短径の比 で1.05〜1.20の偏平状として1ピッチの何れの断面においても隣接する 素線間の複数箇所に隙間を形成するとともに、0→5kg荷重付加時の伸びを0. 090〜0.125としているため、1工程撚りで製造でき、製造効率がよく、 安価に製造することができるうえに、1×9構造でありながらコード断面を所定 範囲内で偏平状とするとともに0→5kg荷重付加時の伸びを特定範囲としている ため、心ワイヤ隣接相互間および側ワイヤ隣接相互間に適正な隙間が確保される とともに心ワイヤの抜け出し現象が防止され、ゴム浸透性と耐疲労性をすぐれた ものとすることができ、さらに、バンチドコードでありながら心ワイヤの残留キ ルが抜けないため、シートの平坦性も良好にすることができるというすぐれた効 果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案によるスチールコードの4/5分の断面
図である。
【図2】本考案のスチールコードの製造装置を概略的に
示す説明図である。
【図3】図2におけるクレードル内の構成を示す斜視図
である。
【図4】従来の多層スチールコードの断面図である。
【図5】ゴムシートの反り現象を示す説明図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c 心ワイヤ 2a〜2f 側ワイヤ D1 長径寸法 D2 短径寸法 S,s 隙間

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】9本のめっきワイヤから構成されるスチー
    ルコードにおいて、該スチールコードが、3本のワイヤ
    とこれらよりも径の太い6本のワイヤを同一方向同一撚
    りピッチで同時に撚りあわせた1×9構造となってお
    り、かつ、コードの長手方向と直角の断面を長径/短径
    の比で1.05〜1.20の偏平状として1ピッチの何
    れの断面においても隣接する素線間の複数箇所に隙間を
    形成するとともに、0→5kg荷重付加時の伸びを0.0
    90〜0.125としていることを特徴とするゴム補強
    用スチールコード。
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