JP2568251B2 - 粗製ポリエーテルから塩基性アルカリ金属化合物と無機酸との無機塩を除去する方法 - Google Patents

粗製ポリエーテルから塩基性アルカリ金属化合物と無機酸との無機塩を除去する方法

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JP2568251B2 JP63124629A JP12462988A JP2568251B2 JP 2568251 B2 JP2568251 B2 JP 2568251B2 JP 63124629 A JP63124629 A JP 63124629A JP 12462988 A JP12462988 A JP 12462988A JP 2568251 B2 JP2568251 B2 JP 2568251B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は粗製ポリエーテルから塩基性アルカリ金属化
合物と無機酸との無機塩を除去する方法に関する。
[従来の技術・発明が解決しようとする課題] 従来から多種の高分子物質が製造され、使用されてい
る。
これら高分子物質は不純物を含む高分子物質(粗製高
分子物質)から不純物を除去するため精製され、製造さ
れるのが通常である。
前記のごとき粗製高分子物質に含有される不純物の1
つにアルカリ金属化合物がある。
高分子物質にアルカリ金属化合物が混入するばあいと
して、たとえば次のようなものが例示されうる。
(1)アルキレンオキシドを付加重合させてポリプロピ
レンオキシドなどのオキシアルキレン系重合体を製造す
るばあいや、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンと
を反応させてビスフェノールA−エピクロルヒドリン樹
脂などのエポキシ樹脂を製造するばあい、触媒として水
酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリ金属
化合物が用いられ、これがこのままあるいは塩として生
成する高分子物質中に残存する。
(2)乳化重合により製造された高分子物質を分離する
際にアルカリ金属化合物を用いて塩析を行なうばあい、
このアルカリ金属化合物が生成した高分子物質中に混入
する。
(3)水酸基やカルボキシル基を有するオキシアルキレ
ン系重合体やジエン系重合体のような官能基を有する重
合体とエピクロルヒドリンや塩化アリルなどのハロゲン
含有化合物とを反応させて他の官能基を有する重合体を
製造するばあい、触媒として水酸化ナトリウムや水酸化
カリウムのようなアルカリ金属化合物が用いられ、これ
がこのままあるいは塩として生成する高分子物質中に残
存する。
以上あげた例の他にアルカリ金属化合物が混入してい
る高分子物質は数多く存在する。
このようなアルカリ金属化合物が高分子物質中に残存
すると種々の問題が生じるので、できる限り除去するこ
とが望ましい。たとえばこの高分子物質を電子部品用材
料に使用すると絶縁性などの電気特性の低下をひきおこ
すので、アルカリ金属化合物濃度がきわめて低くなるま
で精製する必要がある。また、高分子物質をさらに反応
させて用いるばあい、アルカリ金属化合物が反応速度や
反応収率に影響をおよぼすことがあるので、アルカリ金
属化合物を充分除去する必要がある。
前記のように高分子物質にアルカリ金属化合物が混入
しているばあい (1)吸着剤で処理する (2)各種酸類でアルカリ金属化合物を中和して他のア
ルカリ金属化合物にしたのち過する (3)水を用いて抽出分離する などの方法で通常不純物が除去されている。
これらのうちの吸着剤で処理する方法では、大量のア
ルカリ金属化合物を処理するのに適していない、アルカ
リ金属化合物が塩であるとき使用可能な吸着剤の種類が
少ない、といった問題がある。
また、過による方法では、中和塩類の結晶肥大化が
必要である、水が存在するばあいには塩が溶解する、と
いった問題がある。
このような問題や他の理由から、吸着剤による方法や
過による方法よりも抽出分離する方法が適しているば
あいも多い。
抽出分離法は粗製高分子物質と水とをよく接触させて
アルカリ金属化合物を水中に移行させ、そののち高分子
物質と水とを分離する方法であるが、粗製高分子物質と
水とを充分接触させるため激しい撹拌などを行なうと、
高分子物質が存在するため系が乳化状態になりやすく、
のちの高分子物質と水との分離に長時間を要したり、巨
大な設備が必要になったりする。また乳化状態になるの
を除ぐため撹拌をおだやかに行なうと、アルカリ金属化
合物の抽出が不充分となる。一般的な抽出分離法に用い
る装置としてはスプレー塔、充填塔、段塔型、撹拌型、
往復動型のカラム、パルスカラムなどの連続向流抽出塔
や遠心型抽出機が用いられているが、粗製高分子物質か
らアルカリ金属化合物を分離するのにこのような装置を
用いると、処理に非常に長時間を要したり、アルカリ金
属化合物の抽出が不充分であるといった問題がある。
本発明の目的は、粗製高分子物質のうちでもとくに粗
製ポリエーテルからのアルカリ金属化合物の抽出分離を
短時間に行ないうる方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、粗製ポリエーテルからのアル
カリ金属化合物の抽出分離を比較的小さい装置で短時間
に行ないうる方法を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、粗製ポリエーテルから残存
アルカリ金属化合物が極めて少なくなるようにアルカリ
金属化合物を除去する方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記の目的は、塩基性アルカリ金属化合物と無機酸と
の無機塩を含有する粗製ポリエーテルから塩基性アルカ
リ金属化合物と無機酸との無機塩を水を用いて抽出する
粗製ポリエーテルの精製法において、該粗製ポリエーテ
ルと水とを含有する混合物を翼先端速度10m/sec以上の
撹拌翼を有する高速撹拌型撹拌槽中で撹拌することによ
り、粗製ポリエーテル中に存在する塩基性アルカリ金属
化合物と無機酸との無機塩を水相中に抽出し、ついでポ
リエーテル相と水相とを連続遠心分離せしめることを特
徴とする粗製ポリエーテルから塩基性アルカリ金属化合
物と無機酸との無機塩を除去する方法により達成され
る。
本発明では翼先端速度10m/sec以上の撹拌翼を有する
高速撹拌型撹拌槽中で撹拌するため、粗製ポリエーテル
と水との接触がきわめて良好で塩基性アルカリ金属化合
物と無機酸との無機塩が効率よく水中に移行する。ま
た、たとえ高速撹拌により系が乳化状態になっても遠心
分離処理により容易にポリエーテルと水とが分離され
る。
本発明の方法により粗製ポリエーテルを精製すると、
ポリエーテル中に残存する塩基性アルカリ金属化合物と
無機酸との無機塩の量を極めて少なくすることが可能
で、たとえば1回の処理によりアルカリ金属濃度を5ppm
以下にすることができる。また2回以上の処理によりき
わめて低い濃度にまで低下させることができる。
[実施例] 本発明の方法を適用しうるアルカリ金属化合物を含有
する粗製ポリエーテルにはとくに限定はなく、どのよう
な粗製ポリエーテルでも用いることができる。粗製ポリ
エーテル中のポリエーテルの水に対する溶解度が0.5g/1
00gH2O以下であるような、水に実質的に溶解しない粗製
ポリエーテルが本発明の方法に適しているが、水に溶解
する粗製ポリエーテルであっても、水と相溶性がない溶
媒を用いることにより本発明の方法を適用することがで
きる。また粗製ポリエーテルが本発明の方法を適用する
際に固体である粗製ポリエーテルや大きい粘度を有する
粗製ポリエーテルなどのばあい、該ポリエーテルを溶解
する溶媒を用いることが必要である。
本発明の方法を適用しうる粗製ポリエーテル、すなわ
ち粗製のオキシアルキレン系重合体は1種の反復単位か
らなる単独重合体であってもよく、共重合体であっても
よい。また重合体を反応させ、他の重合体に変換したも
のであってもよい。
前記オキシアルキレン系重合体は界面活性剤としての
性質を有しており、水とともに撹拌したばあいに乳化状
態になりやすく、粗製オキシアルキレン系重合体のばあ
いにはさらに乳化状態になりやすく、通常の抽出分離に
よる精製法を適用するのが困難なばあいが多い。したが
って、本発明の方法は精製オキシアルキレン系重合体を
精製するのにとくに適した方法である。
オキシアルキレン系重合体とは−R−O−で表わされ
る反復単位を主として有する(全重合体中の50%(重量
%、以下同様)以上、好ましくは80%以上)重合体であ
り、−R−としては、たとえば−CH2CH2−、−CH(C
H3)CH2−、−CH(C2H5)CH2−、−C(CH32CH2−、
−(CH2−などが例示されうる。
ポリエーテルの分子量にはとくに限定はないが、500
〜1,000,000程度のもの、とくに2,000〜15,000のものが
好ましく用いられる。
粗製ポリエーテル中のアルカリ金属化合物は、重合や
ポリエーテルを変性するための反応の触媒として用いら
れたものがそのままあるいは他の化合物になったものと
して粗製ポリエーテル中に残存しているものである。
アルカリ金属化合物の具体例としては、たとえばNa、
Kのごときアルカリ金属;NaHのごときアルカリ金属水素
化物;NaOCH3、NaOC2H5のごときアルカリ金属アルコキシ
ド;苛性ソーダ、苛性カリのごとき苛性アルカリ;HCOON
a、CH3COONa、C2H5COONa、HCOOK、CH3COOK、C2H5COOKな
どの塩基性アルカリ金属化合物とカルボン酸などの有機
酸との有機酸塩;NaCl、Na2 SO4、Na2CO3、NaHCO3、Na3
PO4、Na2 HPO3、NaNO3、KCl、K2 SO4、K2CO3、KHCO3、K
3 PO4、K2HPO3、KNO3などの塩基性アルカリ金属化合物
とハロゲン化水素、硫酸などの無機酸との無機塩などが
あげられる。
なお、Na、Kなどはアルカリ金属であるが、アルカリ
金属化合物を除去する際には通常アルカリ金属化合物に
なっているため、本明細書においてはアルカリ金属化合
物として含有されているものとする。またNaH、NaOCH3
などはこの状態のままで水中に抽出されることはない
が、他のアルカリ金属化合物として水中に抽出される。
本発明が対象とするアルカリ金属化合物は、前記アル
カリ金属化合物のうちの塩基性アルカリ金属化合物と無
機酸との無機塩である。
本発明の方法においては、粗製ポリエーテルの粘度が
低いばあいには溶剤を使用しなくてもよいが、一般的に
は粗製ポリエーテルは溶解させるが水には実質的に溶解
しない(水と層分離する)溶剤を使用するのが好まし
い。
前記のごとき溶剤としては、たとえば脂肪族、脂環式
または芳香族系の炭化水素系溶剤、エーテル系溶剤、こ
れらのハロゲン化物などがあげられる。これらの具体例
としては、たとえばブタン類、ペンタン類、ヘキサン
類、ヘプタン類、オクタン類、ノナン類、デカン類、ド
デカン類、シクロヘキサン、シクロペンタン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン類、ブタノール、ペンタノー
ル、メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエ
ーテル、塩化メチレン、メチルクロロホルム、四塩化炭
素、ジクロロジフルオロメタン、パークロロエチレン、
塩素原子、臭素原子および(または)ヨウ素原子で1個
以上置換されたベンゼン系溶剤やトルエン系溶剤などが
あげられるが、これらに限定されるものではない。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明においては遠心分離によってポリエーテルと水
とを分離するため、遠心分離に入る前にポリエーテル相
(有機相)と水相との密度に差があることが必要であ
る。この密度差が水相と有機相とを分離しうるかぎりと
くに限定はないが、分離を容易にするためには通常0.02
g/cm3以上、とくには0.05g/cm3以上の密度差があること
が好ましい。このような密度差をうるためにも溶剤を使
用することができる。
前記粗製ポリエーテルと溶剤との使用割合にはとくに
限定はなく、粗製ポリエーテルを溶解させるのに充分な
量であればよいが、通常、粗製ポリエーテル100部(重
量部、以下同様)に対して溶剤100〜1000部、好ましく
は150部以上である。粗製ポリエーテルに対する溶剤の
使用割合が高くなるほど有機相の粘度が小さくなって分
離速度が大きくなり、アルカリ金属化合物を含有する水
相の分離が行なわれやすくなる反面、そののち行なわれ
る溶剤回収工程では不利となる。
また粗製ポリエーテルと水との使用割合にもとくに限
定はなく、粗製ポリエーテル中のアルカリ金属化合物が
所望の水準まで抽出され、有機相と水相とを分離させる
ことができるかぎりいかなる割合で用いてもよいが、あ
まり水の割合が少なすぎると水相の分離が困難になった
り、充分アルカリ金属化合物を抽出することができなく
なったりする。それゆえ粗製ポリエーテル100部に対し
て水100〜1000部程度、さらには200〜1000部程度使用す
るのが好ましい。
本発明においては前記粗製ポリエーテルと水とが翼先
端速度が10m/sec以上、好ましくは13〜20m/secを有する
高速撹拌型撹拌槽中で撹拌される。高速撹拌型撹拌槽は
抽出処理、とくに粗製ポリエーテルからの抽出処理には
あまり用いられるものではないが、このような撹拌槽を
用いることにより粗製ポリエーテルと水とが効率よく接
触し、効率よく抽出が行なわれる。
翼先端速度が10m/sec未満になるとアルカリ金属化合
物の水相への抽出速度が小さくなり、溶解・抽出効率が
低下する傾向が生じ、また20m/secをこえると撹拌に要
する動力コストが必要以上に増加する。
第1図は翼先端速度とアルカリ金属化合物の水相への
溶解速度定数との関係を示すグラフである。この溶解速
度定数は式: Cw/Cw=1−exp(−kt) (式中、Cwは水相中のアルカリ金属化合物の濃度(g/
)、Cwは粗製ポリエーテル中のアルカリ金属化合物
がすべて水相中に移行したと仮定したときの水相中のア
ルカリ金属化合物の濃度、tは時間(min)、kは溶解
速度定数(min-1)を示す)を用い、実験によってえら
れたものである。実験は粗製ポリエーテルとして粗製オ
キシアルキレン系重合体を溶剤に溶解した状態で用い、
分子量として2000〜15000の範囲、重合体と水との重合
比として100/200〜100/1000の範囲、重合体と溶媒との
重量比として100/200〜100/1000の範囲で行なったもの
である。
高速撹拌型撹拌槽は1槽型のものでも、多槽型のもの
でもよく、さらに1塔多段型のものでもよいが、連続運
転時のショートパスを防止し、アルカリ金属化合物の抽
出効率をよくするという点から、多槽型のものや1槽多
段型(2〜20段程度)のものが好ましく、平均滞溜時間
は5分間以上、とくには10分間以上であるのが好まし
い。
第2図は1塔多段型の例として1塔10段型の高速撹拌
型撹拌槽の一例を示したものである。
第2図に示す1塔10段型高速撹拌型撹拌槽(6)下部
の(1)は粗製ポリエーテルと水と必要に応じ溶剤とが
供給される液入口である。撹拌槽は仕切板(4)にて10
段に区切られている。各段には撹拌翼としてエッジ付タ
ービン翼(3)と平板バッフル(5)が2枚設置されて
おり、翼は各段で翼先端速度10m/sec以上、好ましくは1
3〜20m/secの高速で回転し、処理液は完全に乳化した状
態で溢流する。(2)は次の連続遠心分離機に送液され
るための液出口である。
前記のごとき高速撹拌型撹拌槽を使用して撹拌するた
め、撹拌された液が乳化状態になるような撹拌が達成さ
れ、粗製ポリエーテル中のアルカリ金属化合物が水相中
に効率よく抽出される。前記乳化状態は有機相が水相中
に分散したものでも水相が有機相中に分散したものであ
ってもよい。
撹拌時の温度にはとくに限定はなく、取扱いやすい温
度、たとえば常温付近や分離を行ないやすい温度近辺で
行なうのが好ましい。
また撹拌後の水相のpHはポリエーテル相と水相の分離
の容易さの点から3.0以下になっているのが好ましく、
1〜2.5がさらに好ましく、1.5〜2がことに好ましい。
しかし、このようなpHであるとポリエーテルが変化する
などの問題があるときは、他のpH値を用いてもよい。
本発明においては前記のようにして高速撹拌型撹拌槽
で撹拌せしめられた乳化状態の液が遠心分離機に供給さ
れ、有機相であるポリエーテル相と水相とに連続的に分
離せしめられる。
前記連続遠心分離機にはとくに限定はなく、一般的な
連続型の液々分離装置であればすべて使用可能である
が、分離性のわるい乳化液のばあいには、中間相物質が
発生して遠心分離機の壁面に付着蓄積し、連続運転をさ
またげる傾向があるため、連続運転中に容易に洗浄可能
で、しかも前記のごとき乳化液の蓄積しない型式のも
の、たとえばシャープレス(株)ノズルジェクターDHL
−グラビトロール型の遠心分離機のような分離板型の遠
心分離機が好ましい。また短時間で大容量の液を分離す
るためには、分離時の遠心力(G)は5000G以上が好ま
しく、7000G以上がさらに好ましい。
以下、本発明の方法を実施例をあげて具体的に説明す
る。
製造例1 粘度平均分子量3200のポリオキシプロピレングリコー
ル(三洋化成工業(株)製:pp−4000)320.0gをチッ素
置換された1の撹拌機付き耐圧反応容器に入れたの
ち、粉末苛性ソーダ(純度98%)40.8gを加えて60℃に
昇温した。そののちブロモクロロメタン7.76gを添加し
て60℃で10時間反応させ、反応系の温度を50℃に下げて
からアリルクロライドを9.2g加え、50℃で10時間反応さ
せた。以上の操作により両末端アリル化ポリオキシプロ
ピレン(以下、粗ポリエーテル(A)という)をえた。
実施例1 第2図に示すような8のエッジ付タービン翼を有す
る1塔10段型高速撹拌型撹拌槽に粗ポリエーテル(A)
/n−ヘキサン=100/300(重量比)の割合で混合したポ
リマー溶液を31/Hrで供給し、同時に3%硫酸水を17
/Hrで供給し、6000rpm(翼先端速度15m/sec)で処理
し、処理液を引続き分離板型の連続遠心分離機(遠心力
8,000G)にて分液した。分液したポリマー溶液からエバ
ポレーターにてn−ヘキサンを除去し、透明な精製した
ポリエーテル(A)(以下、精製ポリエーテル(A1)と
いう)をえた。なお分離した水相のpHは約1.8であっ
た。
えられた精製ポリエーテル(A1)の粘度平均分子量、
原子吸光分析法による残留Na量を測定した。結果を第1
表に示す。
実施例2 実施例1で分液したポリマー溶液を再度8の1塔10
段型高速撹拌型撹拌槽に31/Hrで供給し、同時に3%
硫酸水を17/Hrで供給し、6000rpm(翼先端速度15m/se
c)で処理し、処理液を引続き分離板型の連続遠心分離
機(遠心力8,000G)にて分液した。分液したポリマー溶
液からエバポレーターにてn−ヘキサンを除去し、透明
な再精製したポリエーテル(A)(以下、精製ポリエー
テル(A2)という)をえた。なお分離した水相のpHは約
1.8であった。
えられた精製ポリエーテル(A2)の粘度平均分子量、
原子吸光分析法による残留Na量を測定した。結果を第1
表に示す。
比較例1 ブルーマージン翼を有する撹拌機付8セパラブルフ
ラスコに粗ポリエーテル(A)600g、n−ヘキサン1.8k
gを入れ、翼先端速度3m/secで撹拌しながら3%硫酸水
1.8kgを加え、1時間撹拌してpHが約1.8であることを確
認したのち撹拌を止めた。約1時間静置すると水相、有
機相ともに透明となり、両相の界面にはほとんど泡状物
が存在せず、界面がはっきり分離した。有機相をデカン
テーションにより分液したのちエバポレーターにてn−
ヘキサンを除去し、透明な精製したポリエーテル(A)
(以下、精製ポリエーテル(A3)という)をえた。
えられた精製ポリエーテル(A3)の粘度平均分子量、
原子吸光分析法による残留Na量を測定した。結果を第1
表に示す。
比較例2 エッジ付タービン翼を有する高速撹拌型撹拌機付8
セパラブルフラスコに粗ポリエーテル(A)600g、n−
ヘキサン1.8kgを入れ、翼先端速度15m/secで撹拌しなが
ら3%硫酸水1.8kgを加え、1時間撹拌してpHが約1.8で
あることを確認したのち撹拌を止めた。約1時間静置す
ると水相、有機相ともに透明となり、両相の界面にはほ
とんど泡状物が存在せず、界面がはっきり分離した。有
機相をデカンテーションにより分液したのちエバポレー
ターにてn−ヘキサンを除去し、透明な精製したポリエ
ーテル(A)(以下、精製ポリエーテル(A4)という)
をえた。
えられた精製ポリエーテル(A4)の原子吸光分析法に
よる残留Na量は15ppmであった。
比較例3 ブルーマージン翼を有する撹拌機付8セパラブルフ
ラスコに粗ポリエーテル(A)600g、n−ヘキサン1.8k
gを入れ、翼先端速度3m/secで撹拌しながら3%硫酸水
1.8kgを加え、1時間撹拌してpHが約1.8であることを確
認したのち撹拌を止めた。
前記処理液を遠心分離機(遠心力8,000G)にて有機相
と水相とに分液した。
前記有機相からエバポレーターにてn−ヘキサンを除
去し、透明な精製したポリエーテル(A)(以下、精製
ポリエーテル(A5)という)をえた。
えられた精製ポリエーテル(A5)の原子吸光分析法に
よる残留Na量は20ppmであった。
比較例4 ブルーマージン翼を有する撹拌機付8セパラブルフ
ラスコに粗ポリエーテル(A)600g、n−ヘキサン1.8k
g、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコ
ール型非イオン界面活性剤(旭電化工業(株)製のプル
ロニックL−61、HLB価2、オキシエチレン含量10%)6
gを入れ、翼先端速度3m/secで撹拌しながら3%硫酸水
1.8kgを加え、1時間撹拌してpHが約1.8であることを確
認したのち撹拌を止めた。約1時間静置すると水相、有
機相ともに透明となり、両相の界面にはほとんど泡状物
が存在せず、界面がはっきり分離した。有機相をデカン
テーションにより分液したのちエバポレーターにてn−
ヘキサンを除去し、透明な精製したポリエーテル(A)
(以下、精製ポリエーテル(A6)という)をえた。
えられた精製ポリエーテル(A6)の原子吸光分析法に
よる残留Na量は40ppmであった。
比較例5 比較例4で分液したポリマー溶液を再度比較例4で用
いたのと同じ8セパラブルフラスコに入れ、翼先端速
度3m/secで撹拌しながら3%硫酸水1.8kgを加え、1時
間撹拌してpHが約1.8であることを確認したのち撹拌を
止めた。約1時間静置すると水相、有機相ともに透明と
なり、両相の界面にはほとんど泡状物が存在せず、界面
がはっきり分離した。有機相をデカンテーションにより
分液したのちエバポレーターにてn−ヘキサンを除去
し、透明な精製したポリエーテル(A)(以下、精製ポ
リエーテル(A7)という)をえた。
えられた精製ポリエーテル(A7)の原子吸光分析法に
よる残留Naは20ppmであった。
[発明の効果] 本発明の方法によりポリエーテルを処理すると塩基性
アルカリ金属化合物と無機酸との無機塩含量のきわめて
低いポリエーテルを小さい設備により単時間に連続的に
うることができる。
このようにしてえられたポリエーテルを原料として製
品をつくると、ばらつきなどの少ない高品質の製品をつ
くることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は高速撹拌型撹拌槽の翼先端速度とアルカリ金属
化合物の溶解速度定数との関係を示すグラフ、第2図は
本発明の方法に用いる高速撹拌型撹拌槽の一例である1
塔10段型高速撹拌型撹拌槽に関する説明図である。 (図面の主要符号) (6):1塔10段型高速撹拌型撹拌槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−167727(JP,A) 特開 昭54−91594(JP,A) 特開 昭63−5045(JP,A) 特開 昭63−5046(JP,A) 特開 昭63−126502(JP,A)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩基性アルカリ金属化合物と無機酸との無
    機塩を含有する粗製ポリエーテルから塩基性アルカリ金
    属化合物と無機酸との無機塩を水を用いて抽出する粗製
    ポリエーテルの精製法において、該粗製ポリエーテルと
    水とを含有する混合物を翼先端速度10m/sec以上の撹拌
    翼を有する高速撹拌型撹拌槽中で撹拌することにより、
    粗製ポリエーテル中に存在する塩基性アルカリ金属化合
    物と無機酸との無機塩を水相中に抽出し、ついでポリエ
    ーテル相と水相とを連続遠心分離せしめることを特徴と
    する粗製ポリエーテルから塩基性アルカリ金属化合物と
    無機酸との無機塩を除去する方法。
  2. 【請求項2】前記高速撹拌型撹拌槽が翼先端速度13〜20
    m/secの撹拌翼を有する高速撹拌型撹拌槽である請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記粗製ポリエーテルと水との撹拌が乳化
    状態になるような撹拌である請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】前記連続遠心分離時の遠心力が5000G以上
    である請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】前記連続遠心分離時の遠心力が7000G以上
    である請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】前記粗製ポリエーテルが粘度平均分子量50
    0〜1,000,000のオキシアルキレン系重合体である請求項
    1記載の方法。
  7. 【請求項7】前記塩基性アルカリ金属化合物と無機酸と
    の無機塩がアルカリ金属硫酸塩である請求項1記載の方
    法。
  8. 【請求項8】前記粗製ポリエーテルが有機溶剤に溶解し
    た状態の粗製ポリエーテルである請求項1記載の方法。
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