JP2002249580A - 粗製ポリエーテルから金属化合物を除去する方法 - Google Patents

粗製ポリエーテルから金属化合物を除去する方法

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Takeshi Kawamura
武 川村
Yoshihiro Ikeda
義弘 池田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粗製ポリエーテル中の金属化合物を小設備で
短時間に少なくする。 【解決手段】 粗製ポリエーテルの精製法であって、
(a)有機溶剤に溶解させた粗製ポリエーテルと水とを
撹拌翼を有する向流接触型抽出塔を2基以上連続で設置
して撹拌することにより粗製ポリエーテル中に存在する
金属化合物を水相中に抽出する、あるいは(b)同様の
向流接触型抽出塔1基で処理後ついで該抽出塔から抜き
出される遊離水を含むポリエーテル相をフィルターを通
して遊離水を分離する、あるいは(c)有機溶剤に溶解
させた粗製ポリエーテルと水との混合物を撹拌槽中で撹
拌することにより、粗製ポリエーテル中に存在する金属
化合物を水相中に抽出し、ついでポリエーテル相と水と
を静置又は遠心分離により分離した後、さらにフィルタ
ーを通して遊離水を分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粗製ポリエーテル
から不純物である金属化合物を除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から多種の高分子物質が製造されて
いるが、これらの高分子物質は不純物を含む高分子物質
(粗製高分子物質)から不純物を除去するために精製し
ているのが通常である。粗製高分子物質に含有される不
純物の一つにアルカリ金属化合物のような金属化合物が
あり、例えば次のようなものが例示される。 (1)アルキレンオキシドを付加重合させてポリプロピ
レンオキシドなどのオキシアルキレン系重合体を製造す
る場合、触媒として水酸化ナトリウムや水酸化カリウム
のようなアルカリ金属化合物が用いられ、これがそのま
まあるいは塩として生成する高分子物質中に残存する。 (2)水酸基やカルボキシル基を有するオキシアルキレ
ン系重合体やジエン系重合体のような官能基を有する重
合体とエピクロルヒドリンや塩化アリルなどのハロゲン
含有化合物とを反応させて他の官能基を有する重合体を
製造する場合、触媒として水酸化ナトリウムや水酸化カ
リウムのようなアルカリ金属化合物が用いられ、これが
このままあるいは塩として生成する高分子物質中に残存
する。
【0003】この他にも、アルカリ土類金属化合物や遷
移金属化合物のような金属化合物が混入している高分子
物質は数多く存在する。
【0004】このような金属化合物が高分子物質中に残
存すると種々の問題が生じるので、出来る限り除去する
ことが望ましい。例えば、高分子物質をさらに反応させ
て用いる場合、金属化合物が反応速度や反応収率に影響
を及ぼすことがあるので、金属化合物を十分除去する必
要がある。
【0005】通常は、吸着剤や中和後ろ過さらに水を用
いて抽出する等の方法で不純物を除去することが多い。
【0006】これらの内、吸着剤で処理する方法では、
大量の金属化合物を処理するのには適していない、金属
化合物が塩であるとき使用可能な吸着剤の種類が少な
い、といった問題がある。
【0007】また、ろ過による方法では、中和塩類の結
晶肥大化が必要である、水が存在する場合には塩が溶解
する、といった問題がある。
【0008】このような問題や他の理由から、抽出分離
する方法が適している場合も多い。
【0009】抽出分離法は、粗製高分子物質と水とを良
く接触させて金属化合物を水溶性塩として水中に移行さ
せ、その後高分子物質と水とを分離する方法であるが、
粗製高分子物質と水とを十分接触させるため激しい撹拌
を行うと、高分子物質が存在するため系が乳化状態にな
りやすく、後の高分子物質と水との分離に長時間を要し
たり、巨大な設備が必要になったりする。また、乳化状
態になるのを防ぐために撹拌を穏やかに行うと、金属化
合物の抽出が不十分になる。一般的な抽出分離法に用い
る装置としては、スプレー塔、撹拌型、往復運動式など
の連続向流抽出塔や遠心分離器が用いられている。さら
に、本発明と同様の目的を達成するための技術も特開平
1−294733に開示されている。この公開特許で
は、高分子としてポリエーテルと水とを翼先端速度10
m/s以上の撹拌翼を有する高速撹拌型撹拌槽中で撹拌
した後遠心分離器を用いてポリエーテル相と水相とを分
離する方法を提供している。しかしこの方法では、抽出
効率を高めるために撹拌槽および高価な遠心分離器を2
基用いる必要がある点が改善を必要とする課題と考えら
れる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、粗製
高分子物質の内でもとくに粗製ポリエーテルからの金属
化合物の抽出分離を小さい設備でかつ短時間に行いうる
方法を提供するとともに、粗製ポリエーテル中の残存金
属化合物を極めて少なくするよう金属化合物を除去する
方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため鋭意研究した結果、本発明に至ったも
のである。すなわち、本発明は、次の無機塩の除去方法
に関する。 (1)不純物として金属化合物を含有する粗製ポリエー
テルの精製方法であって、有機溶剤に溶解させた該粗製
ポリエーテルと水とを2基以上の撹拌翼を有する向流接
触型抽出塔を用いて処理し金属化合物を水溶性金属塩と
して水相中に抽出することを特徴とする粗製ポリエーテ
ルの精製方法(請求項1)。 (2)不純物として金属化合物を含有する粗製ポリエー
テルの精製方法であって、有機溶剤に溶解させた該粗製
ポリエーテルと水とを撹拌翼を有する向流接触型抽出塔
を用いて処理し金属化合物を水溶性金属塩として水相中
に抽出し、ついで該抽出塔から抜き出される遊離水を含
むポリエーテル相をフィルターを通して遊離水を分離す
ることを特徴とする粗製ポリエーテルの精製方法(請求
項2)。 (3)不純物として金属化合物を含有する粗製ポリエー
テルの精製方法であって、有機溶剤に溶解させた該粗製
ポリエーテルと水とを撹拌槽中で撹拌処理することによ
り、金属化合物を水溶性金属塩として水相中に抽出し、
ついでポリエーテル相と水とを静置又は遠心分離により
分離した後、さらに遊離水を含むポリエーテル相をフィ
ルターを通して遊離水を分離することを特徴とする粗製
ポリエーテルの精製方法(請求項3)。 (4)フィルターが、油水分離フィルターあるいは撥水
性フィルターであることを特徴とする請求項2または3
記載の方法(請求項4)。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明における金属化合物を含有
する粗製ポリエーテルにはとくに限定はなく、どのよう
な粗製ポリエーテルでも用いることが出来る。粗製ポリ
エーテル、すなわち、粗製のオキシアルキレン系重合体
は1種の反復単位からなる単独重合体であってもよく、
共重合体であっても良い。また、重合体を反応させ、他
の重合体に変換したものであっても良い。
【0013】オキシアルキレン系重合体とは、−R−O
−で表される反復単位を主として有する(好ましくは全
重合体中の50%(重量%、以下同様)以上、さらに好
ましくは80%以上)重合体であり、−R−としては、
例えば−CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−C
H(C25)CH2−、−C(CH32CH2−、−(C
24−などが例示されうる。
【0014】粗製ポリエーテル中のアルカリ金属化合物
は、重合やポリエーテルを変性するための反応の触媒等
として用いられたものがそのままあるいは他の化合物に
なったものとして粗製ポリエーテル中に残存しているも
のである。
【0015】アルカリ金属化合物等の金属化合物の具体
例としては、例えばNa、Kのごときアルカリ金属;N
aHのごときアルカリ金属水素化物;NaOCH3、N
aOC25のごときアルカリ金属アルコキシド;水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムのごとき水酸化アルカリ;
HCOONa、CH3COONa、C25COONa、
HCOOK、CH3COOK、C25COOKなどのカ
ルボン酸などの有機酸のアルカリ金属有機酸塩;NaC
l、Na2SO4、Na2CO3、NaHCO3、Na3PO
4、Na2HPO3、NaNO3、KCl、K2SO4、K2
CO3、KHCO3、K3PO4、K2HPO3、KNO3
どのハロゲン化水素、硫酸などの酸のアルカリ金属無機
塩などがあげられる。
【0016】なお、Na、Kなどはアルカリ金属である
が、アルカリ金属を除去する際には通常アルカリ金属化
合物になっているため、本明細書においてはアルカリ金
属化合物として含有されているものとする。また、Na
H、NaOCH3などはこの状態のままで水中に抽出さ
れることはないが、他のアルカリ金属化合物として水中
に抽出される。
【0017】本発明では、向流接触型抽出塔上部または
下部にてポリエーテル相を自然に水相と分離させる必要
があるため、粗製ポリエーテルを有機溶剤に溶かして抽
出塔内に供給する。有機溶剤としては、粗製ポリエーテ
ルを溶解させかつ水とは実質的に溶解しない(水と層分
離する)ものを使用するのが好ましい。
【0018】前記のごとき有機溶剤としては、例えば脂
肪族、脂環式または芳香族系の炭化水素系溶剤、エーテ
ル系溶剤、これらのハロゲン化物などがあげられる。こ
れらの具体例としては、例えばブタン類、ペンタン類、
ヘキサン類、ヘプタン類、オクタン類、ノナン類、デカ
ン類、ドデカン類、シクロヘキサン、シクロペンタン、
ベンゼン、トルエン、キシレン類、ブタノール、ペンタ
ノール、メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピ
ルエーテル、塩化メチレン、メチルクロロホルム、四塩
化炭素、ジクロロジフルオロメタン、パークロロエチレ
ン、塩素原子、臭素原子および(または)ヨウ素原子で
1個以上置換されたベンゼン系溶剤やトルエン系溶剤な
どがあげられるが、これらに限定されるものではない。
これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよ
い。
【0019】粗製ポリエーテルと有機溶剤との混合割合
は特に限定はなく、粗製ポリエーテルを溶解させかつ抽
出塔上部又は下部での水との分離性を確保するのに十分
な量であればよいが、通常、粗製ポリエーテル100部
(重量部、以下同様)に対して有機溶剤100〜100
0部、好ましくは150〜500部がよい。粗製ポリエ
ーテルに対する有機溶剤の使用割合が高くなるほど界面
張力の観点により水との分離性が向上する反面、そのの
ち行われる溶剤回収工程では不利となる。
【0020】また、粗製ポリエーテルと水との使用割合
にも特に限定はなく、粗製ポリエーテル中の金属化合物
が所望の水準にまで抽出される限りいかなる割合で用い
ても良いが、あまりに少なすぎると金属化合物を十分に
抽出することが出来ない。そのため、粗製ポリエーテル
100部に対して水100〜1000部程度、さらには
150〜500部程度使用するのが好ましい。
【0021】水のpHには特に制約はないが、塩酸また
は硫酸などの使用により好ましくはpHを1〜7、さら
に好ましくはpHを1.5〜6.5に調整する事がよ
い。
【0022】処理温度は特に限定されるものではない
が、抽出効率および油相と水相との分離性さらに取扱い
易さの観点で10〜60℃、好ましくは30〜50℃が
よい。温度が低すぎると油相と水相との分離性を悪化さ
せると共に抽出効率も低下するし、逆に温度が高すぎる
と有機溶剤のもつ蒸気圧により設備内が加圧状態になり
易いため、設備上の対応が必要以上に要求されてしま
う。
【0023】本発明において向流接触型抽出塔を使用す
る場合、有機溶剤に溶解させた粗製ポリエーテルと水と
は翼先端速度が4〜10m/sの範囲内で撹拌すること
が好ましい。高速撹拌型向流抽出塔は抽出処理、とくに
粗製ポリエーテルからの抽出処理に用いられた例は知ら
れておらず、10m/sを越える翼先端速度では向流抽
出操作を行うことが困難な場合がある。向流抽出操作と
は、軽液および重液を抽出塔のそれぞれ塔頂および塔底
から抜き出すことであり、翼先端速度が大きすぎると重
液が塔頂より抜き出されたり、逆に軽液が塔底から抜き
出されたりする不都合が生じ、安定運転できない傾向が
ある。あるいは、処理流量を適切な値に設定できず、非
現実的な低い処理量に留めざるを得なくなる傾向があ
る。また、4m/s未満の翼先端速度の場合には、前記
向流抽出操作は問題なく行えるものの抽出速度が低下し
てしまい所望の抽出効率を短時間かつ小さい設備で確保
することが出来ない傾向がある。
【0024】本発明において向流接触型抽出塔を用いて
抽出を行う場合には、油相と水相の分離が抽出塔内で出
来るため、撹拌槽と遠心分離器を組み合わせて油相と水
相を分離する必要が無くなる。
【0025】上記の翼先端速度において用いる向流抽出
塔では、翼先端速度が一般的な向流接触型抽出塔より大
きいため、塔底と塔頂を除く塔内全域が混合の場になっ
てしまう。そのため、従来の向流抽出塔のように、低撹
拌かつ1塔で不純物の十分な抽出を行うことは困難であ
る。本発明における向流抽出塔より抜き出されるポリエ
ーテル相には、ポリエーテルが界面活性作用を有してい
ることもあり非常に細かい微分散遊離水滴がわずかに存
在している。この微分散遊離水滴を除去するために、さ
らにもう1基以上の向流抽出塔を使用することで、同様
に抜き出されるポリエーテル相に存在する微分散遊離水
中の金属化合物の残存量を所望のレベルにまで低下させ
ることが可能となり、たとえ遊離水が存在していても結
果的にポリエーテル相中の残存金属化合物量を所望のレ
ベルに低減できる。量自体微量であるので、金属化合物
を極微量しか含まない残存遊離水は、後で行われる溶剤
回収工程で除去できるため、何ら問題ない。
【0026】向流抽出操作あるいは遠心分離操作により
分離されるポリエーテル相中には、前記の通り非常に細
かい微分散遊離水が存在することが多い。その場合、フ
ィルターを用いて遊離水を分離することで、遊離水中に
存在するアルカリ金属化合物をも除去することが出来
る。フィルターとしては、一般に使用されているグラス
ファイバーやポリエステル等をメディアとする油水分離
フィルターを使用できる他、本発明ではセルロース等の
親水性の素材よりなるフィルターも一般的な前記油水分
離フィルターと同様の機能を有し使用できる。これらの
フィルターは、液体がフィルター内の親水性メディアを
通過することで微小水滴を合一させて大きな水滴とする
ことで水相の分離を容易にしている。一般的には、油水
分離フィルターを通過して大きくなった水滴を、フィル
ターを設置するケーシング内で比重差により自然分離す
る方法もあるが、油水分離フィルターの後に10〜20
×10-6m程度の大きな孔径の撥水フィルターを設置し
て水滴を完全に分離する方法もある。また、微小水滴そ
のものを通過させないためにテフロン(登録商標)等の
撥水性フィルターを用いることもできる。
【0027】フィルターの孔径としては、本発明で取り
扱うポリエーテルのような界面活性作用を有する物質を
含む液体を処理する場合には、油水分離フィルターにお
いては微小水滴の合一を促進させるため2×10-6m以
下が好ましく、0.5×10 -6m以下がさらに好まし
い。撥水性フィルターとしては、微小水滴を通過させな
いために1×10-6m以下が好ましく、0.5×10-6
m以下がさらに好ましい。どちらの場合も、孔径が細か
くなりすぎると圧力損失が大きくなり処理液量が低下す
るため、必要以上に細かい孔径を選定することは得策で
はない。
【0028】フィルターを用いる場合には請求項1や請
求項2で用いた向流接触型抽出塔は必ずしも必要でな
い。単に攪拌槽での攪拌による抽出と液液分離で得たエ
ーテル相をフィルター処理してもよい。
【0029】
【実施例】以下に、実施例に基づき本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるも
のではない。
【0030】(製造例1)ポリプロピレングリコール
(あるいは、ポリプロピレントリオール)を開始剤とし
亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体触媒にてプロピレン
オキサイドの重合を行い、水酸基末端ポリエーテルオリ
ゴマーを得た。続いてこの水酸基末端ポリエーテルオリ
ゴマーに対してナトリウムメトキシドのメタノール溶液
を添加してメタノールを留去し、さらに3−クロロ−1
−プロペンを添加して末端の水酸基をアリル基に変換し
て粗ポリエーテルAを得た。
【0031】(実施例1)図1に示す内径0.1mφの
抽出塔内にエッジ付タービン翼を5段設置した向流接触
型抽出塔に粗ポリエーテルA/n−ヘキサン=100/
250(重量比)の割合で混合したポリマー溶液を0.
018m3/hrの流量で塔下部から供給し、同時にイ
オン交換水を0.011m3/hrの流量で塔上部から
供給し、翼先端速度4m/sで撹拌した。塔頂より抜き
出されるポリエーテル相を回収した後、もう一度別の向
流抽出塔内に1回目と同一条件で供給した。仕切り板で
仕切られた撹拌場内での平均滞留時間(油相滞留量を油
相流量で除した値)は約10分、抽出塔内での液温度は
45〜55℃であった。残存Na量は、ポリマー分に対
して1ppmであった。
【0032】ポリエーテル中の残留Na量は、原子吸光
分析法により測定した。また、加熱によりポリエーテル
相から溶剤を留去する事でポリマー重量を求めた。ま
た、精製前の粗ポリエーテル中のNa量は、ポリマー分
に対して約1%である。
【0033】(実施例2)実施例1に示す向流抽出操作
を1回実施して得たポリエーテル相をグラスファイバー
製カートリッジタイプのフィルターに通液したところ、
処理前には微分散遊離水滴が存在しているために白濁し
ていたが処理後の液は水滴も分離されて透明になってお
り、残存Na量はポリマー分に対して1ppmであっ
た。
【0034】(実施例3)実施例1に示す向流抽出操作
を1回実施して得たポリエーテル相をテフロン製ろ紙タ
イプのフィルターに通液したところ、処理前には白濁し
ていたが処理後の液は透明になっており、フィルター上
には水滴が存在していた。残存Na量はポリマー分に対
して1ppmであった。
【0035】(実施例4)実施例1に示すポリエーテル
相および水を実施例1と同一液量比で平均滞留時間で約
10分間撹拌槽にて撹拌混合後、引き続き連続遠心分離
機(遠心力8000G)にて分液した。その液をテフロ
ン製ろ紙タイプのフィルターに通液したところ、残存N
a量はポリマー分に対して1ppmであった。フィルタ
ー処理前の残存Na量はポリマー分に対して10ppm
であった。
【0036】(実施例5)実施例4に示す遠心分離後の
ポリエーテル相をグラスファイバー製カートリッジタイ
プのフィルターに通液したところ、残存Na量はポリマ
ー分に対して1ppmであった。
【0037】(比較例1)実施例1記載の方法において
向流抽出操作1回時点でのポリエーテル中の残存Na量
はポリマー分に対して150ppmであった。
【0038】(比較例2)実施例1記載の方法において
翼先端速度2m/sで撹拌して向流抽出操作を1回行っ
たところ、残存Na量はポリマー分に対して1000p
pmであった。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、塩基性アルカリ金属化
合物と酸との無機塩含量の極めて少ないポリエーテル
を、簡単な装置および短時間で連続的に得ることが出来
る。このようにして得たポリエーテルを原料に用いると
ばらつきの少ない高品質な製品を作ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いる向流接触型抽出塔である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不純物として金属化合物を含有する粗製
    ポリエーテルの精製方法であって、有機溶剤に溶解させ
    た該粗製ポリエーテルと水とを2基以上の撹拌翼を有す
    る向流接触型抽出塔を用いて処理し金属化合物を水溶性
    金属塩として水相中に抽出することを特徴とする粗製ポ
    リエーテルの精製方法。
  2. 【請求項2】 不純物として金属化合物を含有する粗製
    ポリエーテルの精製方法であって、有機溶剤に溶解させ
    た該粗製ポリエーテルと水とを撹拌翼を有する向流接触
    型抽出塔を用いて処理し金属化合物を水溶性金属塩とし
    て水相中に抽出し、ついで該抽出塔から抜き出される遊
    離水を含むポリエーテル相をフィルターを通して遊離水
    を分離することを特徴とする粗製ポリエーテルの精製方
    法。
  3. 【請求項3】 不純物として金属化合物を含有する粗製
    ポリエーテルの精製方法であって、有機溶剤に溶解させ
    た該粗製ポリエーテルと水とを撹拌槽中で撹拌処理する
    ことにより、金属化合物を水溶性金属塩として水相中に
    抽出し、ついでポリエーテル相と水とを静置又は遠心分
    離により分離した後、さらに遊離水を含むポリエーテル
    相をフィルターを通して遊離水を分離することを特徴と
    する粗製ポリエーテルの精製方法。
  4. 【請求項4】 フィルターが、油水分離フィルターある
    いは撥水性フィルターであることを特徴とする請求項2
    または3記載の精製方法。
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