JP2568162Y2 - 易開封性包装袋 - Google Patents

易開封性包装袋

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JP2568162Y2 JP1994000469U JP46994U JP2568162Y2 JP 2568162 Y2 JP2568162 Y2 JP 2568162Y2 JP 1994000469 U JP1994000469 U JP 1994000469U JP 46994 U JP46994 U JP 46994U JP 2568162 Y2 JP2568162 Y2 JP 2568162Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、液体、粘稠物質など
を包装するに用いて好適な易開封性包装袋に関するもの
であり、とくには、二軸延伸フィルムの製造に際して発
生するボーイング現象(たとえば特公昭37-1588 号公報
および特開昭54-73873号公報参照)の影響を有利に低減
して、包装袋の開封を極めて容易ならしめるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来既知の易開封性包装袋としては、特
開昭61-60469号公報、特開昭61-142159 号公報などに開
示されたものがある。これらに記載された包装袋は、少
なくとも三方を熱融着してなる包装袋であって、融着部
もしくはその外側部分に、辺縁上および/またはそれよ
り幾分内側に位置する、欠落のない複数の疵または貫通
孔を設けたものであり、かかる易開封性包装袋によれ
ば、手指の力で融着部の任意の位置から袋を切断するこ
とができ、しかも、フィルムの強度を損わず、加工にあ
たって異物が混入することもないとしている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところで、フィルム積
層構体のベースフィルムとしての二軸延伸フィルムは、
多くの場合、その製造時のボーイング現象により、分子
の配向方向が、たとえば、図3に分子配向線を細線で例
示するように、その幅方向の中央部分と側端部分とで異
方性を有することになるため、とくには、製造時の二軸
延伸フィルムの側端部分を図に破線で示すように裁断し
て使用に供した場合は、そのような二軸延伸フィルム層
とシーラント層とを具えるフィルム積層構体を、たとえ
ば、その幅方向に二つ折りして製袋することにより、二
軸延伸フィルム層の分子配向方向が、袋の表面側では、
図4に細線で示すような、比較的大きな勾配の左下がり
の曲線となる一方、袋の裏面側では、図に一点鎖線で示
すような、これもまた比較的大きな勾配の右下がりの曲
線となり、それ故に、従来技術におけるように、図に斜
線を施して示すヒートシール部のたとえば縦シール部分
に、それの辺縁上および/またはそれより幾分内側に位
置する、欠落のない複数の疵または貫通孔を設けただけ
では、たとえその縦シール部分の任意位置での、袋の引
裂きの開始が可能であったとしても、その引裂きを、小
さな引裂力の作用下で、包装袋の被包装物充填領域まで
円滑に進行させることが甚だ困難になり、袋を開封する
ことができなくなる場合があった。
【0004】このことにつき、考案者等が各種の実験を
行った結果、袋の開封時に、そこに作用する外力の方向
が、4図(a) に示すように、切裂き進行方向で、表裏両
面の二軸延伸フィルムの分子配向線が相互にクロスする
方向であるとき、いいかえれば、一点鎖線で示す裏面側
配向線が前面側へ、そして、細線で示す表面側配向線が
背面側へそれぞれ引張られる場合には、表裏の二軸延伸
フィルム層間に位置するシーラント層が、表裏の配向分
子によって剪断される方向の外力を受けることから、そ
のシーラント層の、分子配向方向に影響されない比較的
容易な、被包装物充填領域までの切断、つまり、小さい
外力の作用下での袋の開封が行われることになるのに対
し、外力の作用方向が、図4(b) に示すように、表裏両
面の分子配向線が相互に離隔する方向であり、一点鎖線
で示す裏面側配向線が背面側へ、細線で示す表面側配向
線が前面側へそれぞれ引張られる場合には、二軸延伸フ
ィルム層間のシーラント層が、二軸延伸フィルム層から
引き剥される方向の外力を受けることになって、そのシ
ーラント層に大きな延び変形が生じるため、袋の引裂き
抵抗が著しく大きくなり、袋の開封のために相当大きな
力が必要になることが明らかとなった。
【0005】ちなみに、フィルム積層構体における、二
軸延伸ナイロンフィルム層の厚さを15μm 、シーラント
層としてのポリエチレン層の厚さを50μm 、包装袋の幅
方向辺縁に対する分子配向線の交角を約30度とした場合
において、図4(a) に示す方向に外力を作用させたとき
には約160gの力で、また、図4(b) に示す方向に外力を
作用させたときには2000g 以上の力で、そしてまた、図
4(c) ,(d) に示す方向の引裂力の作用に対しては、そ
れぞれ 2000g 以上および約150gの力で包装袋の開封が
行われることになって、引裂外力の作用方向に起因す
る、所要引裂力のばらつきが大きかった。
【0006】なお、特開昭63-82965号公報には、熱融着
部の端縁部に、複合フィルムの、少なくとも基材層を貫
通する疵痕を設けるとともに、それぞれの基材層の配向
線を0°〜20°の角度で相互に交差させた易開封性袋が
開示されており、これによれば、袋の開封に当り、配向
線交角および貫通傷痕の両作用に基づき、破れを、融着
部内に止めることなく、袋を簡単に開封できるとし、こ
の一方で、袋の上面と下面とで基材層の配向方向が異な
ると、片側の基材層が引裂かれようとするのを他方の基
材層が妨害することにより、袋の開封時の引裂抵抗が強
く、開封が容易ではないのみならず、袋の上面フィルム
と下面フィルムとがそれぞれ異なった方向に引裂かれる
ことになるとしている。
【0007】しかるに、上記公報には、とくには、配向
線交角が、袋の易開封性に与える影響を客観的に認識す
るための何の具体的な記載も存在せず、しかも、その公
報に記載された発明は、上下両フィルムのそれぞれの配
向線相互の相対交角のみに着目してなされたものであっ
てそこには、各配向線の、引裂きの所要の進行方向に対
する絶対角度についての何の言及もないことから、公報
記載の発明では、その相対交角が0゜〜20゜の範囲内に
ある限りにあっては、各配向線と引裂きの進行方向との
なす絶対角度が0゜〜90゜のいずれにあっても、すぐれ
た易開封性が担保されることになり、このことは、本願
出願人の、実験に裏付けされた認識とは遠く隔絶するも
のである。
【0008】すなわち、この考案は、包装袋の易開封性
に関し、前記公報に記載された発明とは全く異なったア
プローチを試みることによりなされたものであって、包
装袋の表面側と裏面側とのそれぞれにおいて、分子配向
線が相互に交差することを前提とした上で、各分子配向
線と、引裂きの所要の進行方向、いいかえれば、引裂誘
導疵を設けたヒートシール部分と直交する包装袋辺縁と
のなす絶対角度が特定の範囲内にある場合には、それぞ
れの分子配向線の相対交角が150 ゜以上であってもな
お、包装袋の開封が極めて容易であるとの新たな知見に
基づいてなされたものであり、この考案の目的は、少な
くとも一のヒートシール部分の任意位置での、袋の引裂
きの開始を十分容易ならしめてなお、その引裂きの、被
包装物充填領域への進行、ひいては、包装袋の開封を、
引裂外力の作用方向のいかんにかかわらず、常に容易な
らしめる易開封性包装袋を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この考案の易開封性包装
袋は、各種の試験により、二軸延伸フィルム層の分子配
向方向と、包装袋の引裂き抵抗との間に相対的な関係が
あり、しかも、包装袋の表面側と裏面側とのそれぞれに
おいて、分子配向線が相互に交差する状態の下では、そ
の包装袋の引裂き進行方向と分子配向線との交角が一定
の範囲内に含まれる場合には、包装袋への外力の作用方
向のいかんにかかわらず、所要の引裂き力が十分小さく
なることを見い出した結果としてなされたものであり、
二軸延伸フィルム層と、この二軸延伸フィルム層に積層
したシーラント層とを具えるフィルム積層構体を、シー
ラント層のヒートシールによって製袋してなり、少なく
とも一のヒートシール部分に、その延在方向に間隔をお
いて位置する複数の引裂誘導疵を有する包装袋におい
て、二軸延伸フィルム層の分子配向線を、包装袋の表面
側と裏面側とで相互に交差させるとともに、各分子配向
線と、包装袋の所要の引裂き方向、いいかえれば、包装
袋の、前記引裂誘導疵を設けたヒートシール部分と直交
する辺縁との交角を、0度を越えて15度以下とし、引裂
外力の作用方向のいかんにかかわらず易開封性を担保し
たものである。
【0010】
【作用】この易開封性包装袋では、包装袋の表面側と裏
面側とで、分子配向線を相互に交差させた状態におい
て、各分子配向線の延在方向を特定して、それを引裂き
の進行方向に十分に接近させることによって、ヒートシ
ール部分に設けた複数の引裂誘導疵の作用下で、そのヒ
ートシール部分の任意の位置から、包装袋の引裂きを容
易に開始することができ、しかも、その引裂きの進行
は、外力の作用方向のいかんにかかわらず、常に円滑か
つ容易に行われることになる。
【0011】いいかえれば、引裂外力の作用方向が、図
4(a) に示すように、表裏両面の二軸延伸フィルム層の
分子配向線が相互にクロスする方向であるときには、そ
の包装袋の引裂きは、前述したところと同様にして、十
分小さな力にて行われ、また、その外力作用方向が、図
4(b) に示すように、二軸延伸フィルム層のそれぞれの
分子配向線が相互に離隔する方向であるときには、包装
袋の引裂きは、これもまた前述したと同様に、二軸延伸
フィルム層間のシーラント層に、それが二軸延伸フィル
ム層から引き剥される方向の外力を及ぼすことによって
行われることになるも、ここでは、表裏両面の二軸延伸
フィルム層は、それぞれの分子配向方向に互いに近接し
た状態で引裂かれることになり、これがため、引き剥し
方向の外力を受けるシーラント層の体積、いいかえれ
ば、引き剥し方向の外力を受けるシーラント層の、二軸
延伸フィルム層への接着面積が大きく低減されるので、
そのシーラント層による引裂き抵抗力、ひいては、包装
袋の所要の引裂力を、従来技術に比して著しく小さくす
ることができる。
【0012】ところで、ヒートシール部分に、このよう
にして一旦発生したシーラント層の切裂きは、シーラン
ト層の小さな引裂伝播抵抗の下で、ヒートシール部分以
外の領域、いいかえれば、被包装物の充填領域へ簡単に
伝播することから、包装袋の開封をそこへの外力の作用
方向のいかんにかかわらず、常に容易ならしめることが
できる。
【0013】なお、二軸延伸フィルム層の分子配向方向
を、上述したように、包装袋の、縦シール部分からの引
裂きの際の、引裂き進行方向に接近させた場合は、その
包装袋を、それの横シール部分から引裂くに際しては、
分子配向線は、引裂きの進行方向と直交する方向に近接
することになるも、このときにもまた、包装袋への引裂
き外力の作用に対する二軸延伸フィルム層それ自体の引
裂き抵抗は、外力の作用方向のいかんにかかわらず非常
に小さく、その二軸延伸フィルム層の引裂きは、分子配
向線に沿う方向ではなく、それを横切る方向へ簡単に進
行するので、外力の作用方向が、図4(d) に示すよう
に、表裏両面の分子配向線がクロスする方向であるとき
はもちろん、図4(c) に示すように、分子配向線が相互
に離隔する方向であるときにもまた、シーラント層の引
裂き抵抗力を大きく低減して、包装袋の所要引裂力を十
分小ならしめることができる。
【0014】
【実施例】以下にこの考案の実施例を図面に基づて説明
する。図1はこの考案の一実施例を示す図であり、図1
(a) は、フィルム積層構体を三方シールしてなる易開封
性包装袋の平面図、第1図(b) はそのフィルム積層構体
の平面図、図1(c) は図1(b) のc−c線に沿う断面図
である。
【0015】この例では、ベース材料としての二軸延伸
フィルム層、たとえば二軸延伸ナイロンフィルム層1
に、中間層としてのポリエチレン層2および、シーラン
ト層の一例としてのエチレン−ビニルアセテートコポリ
マー層3を順次に積層することによってフィルム積層構
体4を構成し、そして、このフィムル積層構体4をその
幅方向の中央部から、図1(c) に矢印Aで示すように、
エチレン−ビニルアセテートコポリマー層3が相互に対
向する方向へ折返し、かかる状態で、それらのエチレン
−ビニルアセテートコポリマー層3を相互にヒートシー
ルして製袋することにより、図1(a) に示すように、三
方向をヒートシールされた包装袋5を形成する。
【0016】この包装袋5は、図に斜線を施して示すよ
うなコ字状のヒートシール部6を有するとともに、この
ヒートシール部6の一のシール部分としての縦シール部
分7に、その長さ方向に間隔をおいて設けた複数の引裂
誘導疵8を有する。
【0017】ここで、一の引裂誘導疵8は、縦シール部
分7の幅方向へ−状に延在する一本の疵の他、その幅方
向にミシン目状に設けた、図1(a) に示すような複数の
疵、縦シール部分7の幅方向に間隔をおいて設けた小孔
状の複数の疵などの、適宜の形状および数の疵にて形成
することができ、また、各引裂誘導疵8の深さ、それ
の、縦シール部分7の幅方向長さ、縦シール部分7の長
さ方向での引裂誘導疵8の間隔、その他の寸法は、フィ
ルム積層構体4の厚さ、その積層構体4の構成材料など
に応じて適宜に選択することができる。なお、それぞれ
の引裂誘導疵8は、それらの全てをまたは一つおきに、
縦シール部分7の辺縁位置まで延在させることもでき、
また、それらの全てを、縦シール部分7の辺縁位置から
幾分離隔させて形成することもできる。
【0018】ところで、かかる包装袋5のためのとくに
縦シールは、それを袋の辺縁位置まで施すことは必ずし
も必要ではなく、その縦シールによって形成した縦シー
ル部分7の外側縁を、袋の辺縁位置より幾分内側に位置
させることも可能であり、このことによれば、縦シール
に際する、シーラント材の袋外へのはみ出しを有効に防
止することができる。
【0019】このような包装袋5において、ここでは、
図に細線で示す、表面側二軸延伸ナイロンフィルム層1
の分子配向線9および、図に一点鎖線で示す、裏面側二
軸延伸ナイロンフィルム層1の分子配向線10のそれぞれ
を、包装袋5の幅方向の辺縁と15度以下、好ましくは7
度以下の交角α1 ,α2 にて交差する方向へ延在させ
る。従って、このような包装袋5の製造に供する、図1
(b) に示すようなフィルム積層構体4では、それの分子
配向線11の延在方向もまた、その上縁もしくは下縁との
交角が15度以下、好ましくは7度以下となる方向とす
る。
【0020】なお、この包装袋5では、それの長さ方向
辺縁に対する、それぞれの分子配向線9,10の交角を15
度以下とすることも可能であり、これらのいずれの場合
であっても、包装袋5への引裂き外力の作用方向が、図
4図(a) , (d) に示すように、表裏面の二軸延伸ナイロ
ンフィルム層1のそれぞれの分子配向線9,10が相互に
クロスする方向であるときはもちろん、図4(b) ,(c)
に示すように、分子配向線9,10が相互に離隔する方向
であるときにもまた、所要の引裂力を、従来技術に比し
て著しく小さくすることができる。
【0021】なおここで、以上のような包装袋5の引裂
誘導疵8は、フィルム積層構体4に対するヒートシール
の終了後に形成することができる他、ヒートシール前の
フィルム積層構体4に形成することもでき、とくに後者
の場合には、各引裂誘導疵8を、フィルム積層構体4の
側端縁位置から幾分間隔をおいて配設することによりそ
の積層構体4の、巻取り、巻戻しなどに際する不測の破
断を有効に防止することができる。
【0022】そしてまた、かかる引裂誘導疵8は、それ
を、包装袋5の表裏両面に貫通させることは必ずしも必
要ではなく、表裏いずれか一方の面だけに設けることも
できる。
【0023】図2は、包装袋の開封に要する引裂力を示
すグラフであり、フィルム積層構体を、15μm 厚さの二
軸延伸ナイロンフィルム層と、50μm 厚さのポリエチレ
ン層とで構成してなる包装袋において、その包装袋の幅
方向辺縁に対する分子配向線の交角を1度から20度まで
変化させるとともに、包装袋への引裂き外力の作用方向
を、図4(a) 〜(d) に示すように変化させた場合におけ
る、それぞれの袋の所要の引裂力は図示の通りとなっ
た。
【0024】すなわち、包装袋の縦シール部分からその
包装袋を引裂く場合において、引裂き外力の作用方向
が、図4(a) に示すように、分子配向線が相互にクロス
する方向である場合には、包装袋の引裂力は、図に黒丸
で示すように、包装袋の幅方向辺縁に対する分子配向線
の交角の大小にかかわりなく、常に150 〜160gの範囲内
の値となるに対し、外力の作用方向が、図4(b) に示す
ように、分子配向線が相互に離隔する方向である場合に
は、所要の引裂力は、図に白丸で示すように、交角の増
加につれて次第に増加し、この増加傾向は、15度を越え
たときにとくに著しくなるとともに、超15度では、包装
袋の所要の引裂力が、感覚的に引裂き容易と感じられる
値である300gまでの値を大きく越えることになる。
【0025】そこでここでは、包装袋の幅方向辺縁に対
する交角を15度以下、好ましくは、外力の作用方向のい
かんにかかわらず、所要の引裂力がともにほぼ等しくな
る7度以下とすることにより、包装袋の所要の引裂力の
十分なる低減を担保している。
【0026】ちなみに、グラフで示すところにおいて、
引裂力が500gを越えてもなお、袋を引裂き得ない場合に
は、2000g を越える力によってポリエチレン層を破断す
ることによってはじめて袋の開封が可能となる。
【0027】また、二軸延伸フィルム層の分子配向方向
を上述のままにした状態で、包装袋の横シール部分から
その包装袋を引裂く場合において、外力の作用方向を、
図4(d) に示すように、分子配向線が相互にクロスする
方向としたときには、包装袋の引裂力は、図に三角で示
すところから明らかなように、図4(a) に示す場合と同
様、交角の大小にかかわりなく150 〜160 gの範囲内の
値となる一方、引裂き外力の作用方向を、図4(c) に示
すように、分子配向線が相互に離隔する方向としたとき
の引裂力は、図に×印で示すように、図4(b) に示す場
合と同様の値となる。
【0028】従って、このグラフによれば、二軸延伸フ
ィルム層の分子配向線と、包装袋の幅方向もしくは長さ
方向辺縁との交角を15度以下とすることにより、その包
装袋を縦シール部分から引裂く場合および横シール部分
から引裂く場合の両者において、所要の引裂力を、引裂
外力の作用方向のいかんにかかわらず、十分小さくし得
ることが解かる。
【0029】ところで、包装袋の上述した引裂力は、フ
ィルム積層構体を、図1に示すように、二軸延伸ナイロ
ンフィルム層1と、ポリエチレン層2と、エチレン−ビ
ニルアセテートコポリマー層3とで構成した場合におい
てもほぼ同様であり、ここにおいて、ヒートシール部6
での、包装袋5の円滑なる引裂きが、前述したような小
さな所要引裂力にて一旦開始された後は、その引裂き
は、被包装物の充填領域へ伝播してもなお、ポリエチレ
ン層2およびエチレン−ビニルアセテートコポリマー層
3の小さな引裂伝播抵抗に基づき、包装袋5の引裂きを
十分小さな力で継続することができるので、その包装袋
5は、引裂外力の作用方向のいかんにかかわらず、小さ
な力で容易かつ円滑に開封されることになる。
【0030】なお上述したところにおいて、包装袋5に
設けた引裂誘導疵8は、ヒートシール部6の任意の位置
からの包装袋5の開封のきっかけを与えるべく機能し、
その引裂誘導疵部分での袋5の引裂きは、力の作用方向
のいかんにかかわらず、上述した所要引裂力よりもはる
かに小さい力にて行われることになる。
【0031】以上この考案を図示例に基づいて説明した
が、包装袋のヒートシール形態は、所要に応じて四方シ
ールその他の既知の各種のものから適宜に選択すること
ができる。
【0032】
【考案の効果】かくして、この考案によれば、引裂誘導
疵をもって、包装袋の任意の位置からの開封を、小さな
力の作用下で、十分に誘導し得ることはもちろん、とく
には、包装袋の所要の引裂き方向と分子配向線との交角
を、0°を越えて15度以下の範囲内の値とすることによ
って、主には、表面側および裏面側の二軸延伸フィルム
層の、それぞれの面における分子配向線を離隔させる方
向へ引裂外力を作用させたときの所要の引裂力を著しく
低減させることができ、これがため、包装袋への引裂外
力の作用方向のいかんにかかわらず、その包装袋の開封
を、極めて容易、かつ円滑ならしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一実施例を示す図である。
【図2】包装袋の幅方向辺縁に対する分子配向線の交角
と、所要引裂力との関係を示すグラフである。
【図3】製造された二軸延伸フィルムの分子配向の異方
性を例示する図である。
【図4】包装袋の開封態様を示す図である。 1 二軸延伸ナイロンフィルム層 2 ポリエチレン層 3 エチレン−ビニルアセテートコポリマー層 4 フィルム積層構体 5 包装袋 6 ヒートシール部 7 縦シール部分 8 引裂誘導疵 9,10 分子配向線

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二軸延伸フィルム層と、この二軸延伸フ
    ィルム層に積層したシーラント層とを具えるフィルム積
    層構体を、シーラント層のヒートシールによって製袋し
    てなり、少なくとも一のヒートシール部分に、その延在
    方向に間隔をおいて位置する複数の引裂誘導疵を有する
    包装袋であって、 前記二軸延伸フィルム層の分子配向線を、包装袋の表面
    側と裏面側とで相互に交差させるとともに、各分子配向
    線と、包装袋の、前記引裂誘導疵を設けたヒートシール
    部分と直交する辺縁との交角を、0度を越えて15度以下
    とし、引裂外力の作用方向のいかんにかかわらず易開封
    性を担保してなる易開封性包装袋。
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