JPH10181770A - 簡易開封性袋体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 開封する際に指がすべらず、容易にイージー
ピール部を引き剥がして開封できるようにする。 【解決手段】 簡易開封性袋体１は、基材層と易剥離性
シーラント層とがラミネートされた積層フィルムをその
易剥離性シーラント層を内側に向けて被包装物を被包し
て左右両側縁部を合掌形式で重ね合わせ、重ね合わせた
左右両側縁部の先端側に非溶着部４を残した状態で前記
被包装物に沿って溶着されたイージーピール部５を備
え、長手方向両端部がイージーピール部５と交差する方
向に形成された端部溶着部２，３で密封されたものであ
って、非溶着部４における易剥離性シーラント層ｂの外
面には、指で摘んでイージーピール部５を引き剥がす際
におけるすべりを防止するためのすべり止め部６が形成
されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、剥離可能なイージ
ーピール部を有し、該イージーピール部を引き剥がすこ
とによって容易に開封することができる簡易開封性袋体
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図６は従来の簡易開封性袋体の一例を示
し、この簡易開封性袋体は、被収納物を被包したフィル
ム１０１の両側縁部を上下に重ね合わせ、その上側のフ
ィルム側縁部の先端側に非溶着部分１０１ａを残した状
態でイージーピール部と呼ばれる剥離可能な縦シール部
１０２を形成したものであって、開封する際には非溶着
部分１０１ａを指で摘んで外方へ向けて引っ張ることで
縦シール部１０２を簡単に引き剥がすことができるよう
に構成されている（実開昭６４−５３０７５号公報）。

【０００３】図７は従来の簡易開封性袋体の他の例を示
し、この簡易開封性袋体は、フィルム２０１の両側縁部
を被包装物２０３の中央部に形成された折れ線２０４に
沿って合掌形式で重ね合わせた重ね合わせ部を設け、該
重ね合わせ部の先端側に非溶着部２０５が生じるように
イージーピールと呼ばれるシール線２０２を形成したも
のであって、開封する際に被包装物２０３を折れ線２０
４に沿って折り曲げるとシール線２０２が簡単に剥離す
るように構成されている（実公平２−１５８１２号公
報）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来の技術
はいずれも、フィルム側縁部の先端側に設けられた非溶
着部の内外面が平滑面であるため、特に被包装物が油分
や水分等を含む食品を取り扱う食品加工工場等において
開封作業を繰り返し行なううちに、作業者の指に前記油
分や水分等が付着して非溶着部を摘んでイージーピール
部を引き剥がす際に指がすべり易い。そこで、開封作業
を止めて手を拭いて指に付着した油分や水分等を除去し
たり、強い力で非溶着部を摘んでイージーピール部を引
き剥がす必要があるため、開封作業の作業能率が低下し
たり、あるいは、不用意に強い力が加えられて食品が作
業現場に飛び散るおそれがあるという問題点がある。

【０００５】本発明は、上記従来の技術の有する問題点
に鑑みてなされたものであり、開封する際に指がすべら
ず、容易にイージーピール部を引き剥がして開封するこ
とができる簡易開封性袋体を実現することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の簡易開封性袋体は、基材層と易剥離性シー
ラント層とがラミネートされた積層フィルムをその易剥
離性シーラント層を内側に向けて被包装物を被包して左
右両側縁部を重ね合わせ、重ね合わせた前記左右両側縁
部の先端側に非溶着部を残した状態で前記被包装物に沿
って溶着されたイージーピール部を備え、長手方向両端
部が前記イージーピール部と交差する方向に形成された
端部溶着部で密封された簡易開封性袋体であって、前記
非溶着部における前記基材層および易剥離性シーラント
層の少なくともいずれか一方の外面には、指で摘んで前
記イージーピール部を引き剥がす際におけるすべりを防
止するためのすべり止め部が形成されていることを特徴
とするものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。

【０００８】図１ないし図３は、一実施の形態による簡
易開封性袋体を示す。この簡易開封性袋体１は、基材層
ａと易剥離性シーラント層ｂとがラミネートされた積層
フィルムＡをその易剥離性シーラント層ｂを内側に向け
て被包装物（不図示）を被包して左右両側縁部を合掌形
式で重ね合わせ、重ね合わせた左右両側縁部の先端側に
非溶着部４を残した状態で前記被包装物に沿って帯状に
溶着されたイージーピール部５を備え、長手方向両端部
がイージーピール部５と交差する方向に形成された端部
溶着部２，３で密封されたものであって、非溶着部４に
おける易剥離性シーラント層ｂの外面には、指で摘んで
イージーピール部５を引き剥がす際におけるすべりを防
止するためのすべり止め部６が形成されている。

【０００９】本実施の形態において、非溶着部４を指で
摘んで左右方向へ引っ張ることによってイージーピール
部５を「観音開き」状に引き剥がして容易に開封するこ
とができるが、この際に、非溶着部４の易剥離性シーラ
ント層ｂの外面にはすべり止め部６が形成されているた
め、例え油分や水分が付着した指で摘んだ場合において
も指がすべるおそれがない。

【００１０】なお、上述した実施の形態に限らず、被包
装物を被包した積層フィルムの左右両側縁部を上下に重
ね合わせ、前記左右両側縁部の先端側に非溶着部を残し
た状態で前記被包装物に沿って帯状に溶着してイージー
ピール部を形成することができる。

【００１１】また、上述した簡易開封性袋体１は、公知
の縦ピロー包装機や横ピロー包装機等を用い、製袋と被
包装物の包装とを連続的かつ自動的に行なうことができ
ることはいうまでもない。

【００１２】本発明において、積層フィルムＡは、袋と
しての優れた機能を有し、ピロー包装機等による製袋が
容易な素材からなる基材層ａと、溶着温度を調節する等
の公知の方法で溶着強度を変化させて適切な易剥離性を
得ることができる素材からなる易剥離性シーラント層ｂ
とをドライラミネート法、ウエットラミネート法、ホッ
トメルトラミネート法等によりラミネートしたものを用
いることが望ましい。

【００１３】例えば、基材層ａには、ポリプロピレン、
ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の
剛性があって融点が比較的高い（１８０℃以上）熱可塑
性樹脂、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、エチレン酢
酸ビニル共重合体けん化物等の剛性とバリヤ性に優れた
熱可塑性樹脂、あるいは、これらのいずれかとアルミ箔
や紙等と適宜組み合わせた多層構造積層体を用いる。ま
た、易剥離性シーラント層ｂには、直鎖状低密度ポリエ
チレン、高圧法低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン・エチルアクリレート樹脂等の融
点が比較的低い（１２０℃以下）熱可塑性樹脂を用い
る。

【００１４】非溶着部４における易剥離性シーラント層
ｂの外面に形成されたすべり止め部６は、積層フィルム
の製造時に形成しておくことが好ましい。

【００１５】例えば、図４に示すように、ドライラミネ
ート法によって基材層ａと易剥離性シーラント層ｂとを
積層する場合、積層ローラー７の上流側において、易剥
離性シーラント層ｂの両側縁部に配設された周面に多数
の針８ａが突設された加工ローラー８およびこれに対向
する受け部材９の間に易剥離性シーラント層ｂを通過さ
せて多数の微小な孔からなるすべり止め部６を形成した
のち、積層ローラー７により基材層ａにラミネートして
積層フィルムＡを得る。

【００１６】また、図５に示すように、図４に示した加
工ローラー８の替わりに、所定温度に加熱することがで
きる多数の熱ピン１８ａが図示下面に突設されたスタン
パー１８を設け、該スタンパー１８を矢印方向に上下動
させて押し付けることにより易剥離性シーラント層ｂの
両側縁部に多数の微小な孔からなるすべり止め部６を形
成したのち、積層ローラー７により基材層ａにラミネー
トして積層フィルムＡを得る。

【００１７】なお、上記実施の形態に示した非溶着部４
の易剥離性シーラント層ｂの外面に多数の微小な孔から
なるすべり止め部６を形成したものに限らず、複数の孔
あるいは多数の微小な凹凸からなるすべり止め部や引っ
かき加工によって形成された粗面からなるすべり止め部
等、指で摘んでイージーピール部を引き剥がす際にすべ
りを防止できるものであればその面形状は任意のものと
することができる。

【００１８】また、すべり止め部は易剥離性シーラント
層ｂの外面に限らず、必要に応じて基材層ａの外面、あ
るいは両者の外面に形成することができる。

【００１９】

【発明の効果】本発明は、上述のとおり構成されている
ので、次に記載するような効果を奏する。

【００２０】非溶着部の少なくとも片面にすべり止め部
が形成されているため、例えば油分や水分等が付着した
指で摘んでイージーピール部を引き剥がして開封する場
合においても、指がすべることもなく容易に開封するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施の形態による簡易開封性袋体の模式平面
図である。

【図２】図１に示す簡易開封性袋体の模式斜視図であ
る。

【図３】図１に示す簡易開封性袋体における易開封部を
示す模式拡大部分断面図である。

【図４】すべり止め部の加工手段の一例を示し、（ａ）
は主要部の模式側面図、（ｂ）は（ａ）における加工ロ
ーラー近傍の模式部分平面図である。

【図５】すべり止め部の加工手段の変形例における主要
部の模式側面図である。

【図６】従来の簡易開封性袋体の一例を示す模式斜視図
である。

【図７】従来の簡易開封性袋体の他の例を示す模式断面
図である。

【符号の説明】

１ 簡易開封性袋体 ２，３ 端部溶着部 ４ 非溶着部 ５ イージーピール部 ６ すべり止め部 ７ 積層ローラー ８ 加工ローラー ８ａ 針 ９ 受け部材 １８ スタンパー １８ａ 熱ピン Ａ 積層フィルム ａ 基材層 ｂ 易剥離性シーラント層

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基材層と易剥離性シーラント層とがラミ
   ネートされた積層フィルムをその易剥離性シーラント層
   を内側に向けて被包装物を被包して左右両側縁部を重ね
   合わせ、重ね合わせた前記左右両側縁部の先端側に非溶
   着部を残した状態で前記被包装物に沿って溶着されたイ
   ージーピール部を備え、長手方向両端部が前記イージー
   ピール部と交差する方向に形成された端部溶着部で密封
   された簡易開封性袋体であって、 前記非溶着部における前記基材層および易剥離性シーラ
   ント層の少なくともいずれか一方の外面には、指で摘ん
   で前記イージーピール部を引き剥がす際におけるすべり
   を防止するためのすべり止め部が形成されていることを
   特徴とする簡易開封性袋体。