JP2564925B2 - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JP2564925B2
JP2564925B2 JP64000869A JP86989A JP2564925B2 JP 2564925 B2 JP2564925 B2 JP 2564925B2 JP 64000869 A JP64000869 A JP 64000869A JP 86989 A JP86989 A JP 86989A JP 2564925 B2 JP2564925 B2 JP 2564925B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (a)産業上の利用分野 この発明は和音を自動発音できる電子楽器に関し、特
に和音のパート数を制御する方式に関する。
(b)従来の技術 現在実用化されている電子楽器には根音と種類を指定
することにより和音を発音することができるものがあ
る。たとえば、鍵盤型電子楽器では、 1個のキーを音するとその音を根音とする長和音が発
音され、 2個のキーを押下すると上のキーの音を根音とする短
和音が発音され、 3個のキーを押下すると最上のキーの音を根音とする
属7度和音が発音される。
等の機能を有するものがある。
(c)発明が解決しようとする課題 しかし、上記従来の電子楽器では指定できる内容は和
音の根音と種類のみであったため、一つの指定で発音さ
れる和音は一定のものであった。このため、演奏者の操
作で強弱等の変化を付けることができず単調で、たとえ
ば、pp(ビアニッシモ)で発音したい場合でも和音構成
音が3〜5音発音しており繊細さが無くなってしまう欠
点があった。
この発明は、レベル制御入力に基づいて和音のパート
数を切り換えることにより上記従来の課題を解決した電
子楽器を提供することを目的とする。
(d)課題を解決するための手段 この発明は、和音の根音と種類を指定する和音指定手
段と、指定された根音と種類に対応する和音構成音を決
定する構成音決定手段と、各和音構成音の音量を制御す
るレベルデータを発生するレベルデータ発生手段と、該
レベルデータが変化したとき前記和音構成音の個々の音
量をそれぞれ異なる変化特性で連続的かつ滑らかに変化
させる音量決定手段と、前記和音構成音をそれぞれ決定
された音量で出力する出力手段とを備えたことを特徴と
する。
(e)作用 この発明では、和音が指定されると、その和音構成音
が決定される。各和音構成音は、ブレス強度データや鍵
のイニシャルタッチデータなどのレベルデータに基づい
てその音量が決定されるが、その音量変化は、それぞれ
異なる変化特性で連続的且つ滑らかに変化する。それぞ
れ異なる変化特性であるため、レベルによって実質的な
発音数が変化するようにすることもでき、また、滑らか
な変化であるため、実質的な発音数が変わる場合でも不
連続に音量が変化することがない。
(f)実施例 (1) 構成の説明 第1図(A),(B)はこの発明の実施例である電子
管楽器の外観図である。この電子管楽器は最大5音を同
時に出すことができる。この楽器は木管楽器類似の形状
をしており、先端部に歌口部2を有している。演奏者は
この歌口部2を口先に当てて息を吹き込んで演奏する。
歌口部2の内部にはブレスセンサ21(第2図参照)が取
り付けられており、吹き込まれた息の強さ(ブレス強
度)を検出してCPUに送る。装置外部には表示器3,コー
ドモード選択スイッチ4,リズム設定スイッチ5,演奏用キ
ー7等が設けられている。表示器3は2桁の7セグメン
ト表示器であり、選択されたリズムやテンポ等が表示さ
れる。コードモード選択スイッチ4は後述するモード切
換スイッチ11でコードモードに切り換えられたとき有効
になり、オートコード(AC)モード(4a),コードシー
ケンスレコード(CSR)モード(4b),コードシーケン
スプレイ(CSP)モード(4c),オートハーモニ(AH)
モード(4d)のうち何れかを選択することができるもの
である。リズム設定スイッチ5はリズム選択スイッチ5
a,5b,テンポ上下スイッチ5c,5dおよびスタート/ストッ
プスイッチ5eからなる。6は音色選択スイッチ群であ
る。楽器表面および裏面の中央部には演奏用キー7(7
−0〜7〜14)が設けられており、キー7−0〜7−7
は左手指、キー7−8〜7−14は右手指で操作される。
これらのキーのオン・オフの組み合わせパターンを所定
のパターンの一つにすることにより一つの音高が決定さ
れる。キー7−2〜7−14は主として音階の決定に使用
されキー7−0,7−1は主としてオクターブの決定に使
用される。楽器裏面上部にはモード切換スイッチ11が設
けられている。このモード切換スイッチ11は3段階のス
ライドスイッチであり、スライダをスライドさせること
により楽器の演奏モードを単音モード,重奏モード,コ
ードモードのいずれかに切り換えることができる。ま
た、楽器下部にはスピーカ8が設けられており演奏され
た楽音が出力される。楽器裏面の9はメインボリューム
でありこれを上下にスライドすることにより楽器の音量
を調節することができる(音量はブレスセンサ21によっ
ても制御される。)10はピッチベンドホイールでありこ
れを上下に回転させることにより楽音のピッチ(周波
数)を上下にずらすことができる。また12は電源スイッ
チである。
第2図は同電子管楽器のブロック図である。マイクロ
コンピュータ24およびI/O機器,動作部はバス23を介し
て接続されている。前記ブレスセンサ21はA/D変換器22
を介してバス23に接続されている。ブレスセンサ21が検
出したブレス強度はA/D変換器22によってディジタルデ
ータに変換されバス23を介してマイクロコンピュータ24
に送られる。バス23には運指データや音色データ等を記
憶したROM25,タイマオッシレータ26,リズムテンポオッ
シレータ27,演奏用キー7,機能スイッチ(コードモード
選択スイッチ4,リズム設定スイッチ5,音色選択スイッチ
6およびモード切換スイッチ11を含む)29,表示制御回
路30,楽音発生回路(音源)31,リズム音発生回路(リズ
ム音源)32が接続されている。マイクロコンピュータ24
は定期的に演奏用キー7,機能スイッチ29のそれぞれをス
キャンしてオン・オフイベントを検出する。タイマオッ
シレータ26は常時所定周期のクロック信号を発生してい
る。リズムテンポオッシレータ27は設定されたテンポで
2小節当たり96カウントのテンポキザミのクロック信号
を発生する。楽音発生回路31はマイクロコンピュータ24
から入力された音色データ,レベルデータに基づいて楽
音を発生する回路である。リズム音発生回路32はマイク
ロコンピュータ24から入力される発音信号に基づいて所
定のリズム音(リズム楽器の音色)を発生させる回路で
ある。楽音発生回路31,リズム音発生回路32にはアンプ3
3が接続されており、生成した楽音を増幅してスピーカ
8から出力する。
(2) 演奏モードの説明 単音モード 演奏用キー7のキーパターンで音高が決定され、ブレ
ス強度(イニシャル強度(ブレス強度の立ち上がりのピ
ーク値).以下同じ)で発音レベルが制御される。発音
数は常に1である。
重奏モード 発音数は最大5であり、単音モードと同様に演奏用キ
ーのキーパターンで音高が決定される。この音高が全音
源(チャンネル)に割り当てられる。ただしチャンネル
毎に数セントのピッチずれを設定しておきコーラス効果
ができようにされている。発音レベルがブレス強度で制
御されるとともに、発音数もブレス強度で制御される。
すなわち、ブレス強度の強−弱に従って発音数が5−1
と変化する。
AC(オートコード)モード 演奏用キー7−2〜7−14のキーパターンで根音(和
音の基本形の最低音を構成する音(たとえば「ド・ミ・
ソ」の「ド」の音))が決定され、キー7−0,7−1の
キーパターンでタイプ(長和音,短和音,属7度和音,
属7度短和音)が決定される。コード構成音がそれぞれ
1〜15チャンネルに割り当てられる。
CSR(コードシーケンスレコード)モード ACモードと同一の操作で同一の音が発音され、演奏さ
れたコード(和音)とその長さ(箔数)が順次記憶され
てゆく。
CSP(コードシーケンスプレイ)モード CSRモードで記憶したコードが順次再生されてゆくモ
ード、再生中はキーパターン入力,ブレス入力を受け付
けない。
AH(オートハーモニ)モード CSRモードで記憶したモードを順次再生しながら単音
で演奏できるモード、コードシーケンスを再生するとと
もに演奏者が単音モードと同じ操作で演奏すると、演奏
されている音が1チャンネル発音されるとともに2〜5
チャンネルからは付加音(コード)が発音される。付加
音は再生すべきコードに演奏されている音高を考慮して
決定される。発音数(パート数)はブレス強度で制御さ
れる。
(3) メモリの構成 第3図は前記ROM25の記憶内容を説明するための図で
ある。同図(A)は同ROM25の要部構成図を示す。このR
OMには楽器の動作を制御するプログラムのほか図示のよ
うに、音色データ(M1),リズムパターンデータ(M
2),単音テーブル(M3),重奏テーブル(M4),ACテー
ブル(M5),AHテーブル(M6),キーパターンテーブル
(M7)およびBS(ブレススレッショルド:M8),AMX(M
9)が記憶されている。音色データ記憶エリアM1には音
色選択スイッチ6で選択できるそれぞれの音色の波形デ
ータやエンベロープデータ等が記憶されている。リズム
パターンデータ記憶エリアM2には各リズムパターンにお
けるリズム楽器の発音タイミングやコードのアルペジオ
パターン,拍子数,一拍のクロック数等が記憶されてい
る。単音テーブルM3にはそれぞれのブレス強度(INIT)
に対応する1チャネルの発音レベルがテーブルとして記
憶されている。このテーブルに記憶されているブレス強
度と発音レベルの相関図を第4図(A)に示す。
また、重奏テーブルM4にはそれぞれのブレス強度に対
応する1〜5各チャンネル発音レベルがテーブルとして
記憶されている。このテーブルに記憶されているブレス
強度と各チャンネルの発音レベルの相関図を第4図
(B)に示す。この同図(B)のように各チャンネル毎
にレベルの立ち上がりが異なっているため、ブレス強度
で発音数を増減することができる。この重奏テーブルM4
は重奏モード,AHモード時に使用され、発音数制御,パ
ート数制御に用いられる。また、この重奏テーブルは第
4図(B)のような相関方式以外にも第7図(A),
(B)のような相関方式にすることもできる。すなわ
ち、第7図(A)の相関方式は発音レベルが完全にブレ
ス強度と相関しており、それに加えて発音数も増減する
方式である。一方第7図(B)はブレス強度が一定値以
上になると発音レベルは殆ど一定となり、発音数の増減
で全体の発音レベルを増減する方式である。第4図
(B)に示した重奏テーブルはその中間の相関を持つも
のである。
ACテーブルM5の構成は第3図(B)のようになってい
る。コードのタイプ別に1〜5チャンネルで発音すべき
トーンナンバがコードの根音からの半音数(半音を1と
し2個の音が半音いくつ分離れているかを示す数値)で
記憶されている。たとえば、根音が「G:ソ」の属7度和
音(図中TYP「7」の和音)を発音する場合、1チャン
ネルには根音の「G」、2チャンネルには「G」から半
音数4(長3度)上の「B:シ」、3チャンネルには
「G」から半音数7(完全5度)上の「D:レ」、4チャ
ンネルには「G」から半音数10(短7度)上の「F:フ
ァ」、5チャンネルには「G」から半音数12(オクター
ブ)上の「G」がそれぞれ割り当てられる。
同図(C)にAHテーブルM6の一部構成図を示す。この
テーブルにはコードシーケンスメモリ(CSM:後述)に記
憶されているコードのタイプ(M60)、および、コード
の根音とキーパターンで決定された音高の差の半音数
(M61)毎に2〜5チャンネルに割り当てる音高が記憶
されている。この音高は根音からの半音数で記憶されて
いるが、下線はオクターブ下(半音数で−12)を表す。
すなわち「」は「−8(−12+4:短6度下)」を表し
ている。2〜5チャンネルの音をオクターブ低くしたの
のは1チャンネルで発音されるメロディを引き立たせる
ためである。
また、キーパターンテーブルM7はそれぞれの音高を指
定するためのキーパターンが定められている。キーパタ
ーンは自然楽器の運指方式に似せて決定されており、リ
コーダ方式やサックス方式等が考えられる。
BS(M8)はブレススレッショルドデータである。ブレ
ス強度データ(BS:後述)がBS以上になると吹奏ありと
判断される。また、AMXはコードシーケンスメモリ(CSM
(A))の指数Aの最大値であり、記憶できるコードシ
ーケンスの最大ステップ数を示す。
第5図はマイクロコンピュータ24のRAM内に設定され
るレジスタ(テーブル,バッファ),フラグの一覧であ
る。
A−シーケンスポインタ:CSR/CSP/AHモードでシーケ
ンスステップ番号を示す指数 B−1拍クロックレジスタ:設定されたリズムパター
ンにおける1拍のクロック数(分解能)が設定されるレ
ジスタ BD−ブレス強度データバッファ BF−ブレスオンフラグ:ブレス強度がブレススレッシ
ョルド(BS)を超えているときセットされるフラグ BEET−拍数カウンタ:CSR/CSP/AHモードにおいて拍数
をカウントするカウンタレジスタ BRTH1/2/3−ブレス強度レジスタ:ブレスインタラプ
ト動作で検出するブレス強度データ(BD)を記憶するレ
ジスタ。1回のブレスインタラプト動作で1回のブレス
強度データ検出が行われるが最新のものがBRTH3,前回の
ものがBRTH2,前々回のBRTH1に記憶される。BRTH3<BRTH
2またはBRTH3=BRTH2=BRTH1となったときブレス強度デ
ータのピーク(イニシャル強度)が過ぎたとしてPH(ピ
ークホールドフラグ:後述)をセットする。
BUF,BUFA,BUFB−運指パターンバッファ:BUFAは最新の
キーパターンを取り込むバッファ、BUFは直前のキーパ
ターンを記憶しておくバッファ、これらのバッファの内
容を比較して各キー7−0〜7−14のオン・オフイベン
トを判断する。BUFBはACモードにおいて音階を決定する
キー7−2〜7−14のキーパターンが書き込まれるバッ
ファである。
CSR−コードシーケンスレコードフラグ:CSRモード動
作中である旨を記憶するフラグ INIT−イニシャル強度レジスタ:ブレスインタラプト
動作においてブレス強度の立ち上がりピークをイニシャ
ル強度として記憶するレジスタ LHT−コード長レジスタ:CSR/CSP/AHモードにおいて1
つのコードが演奏される拍数を記憶するレジスタ MODE−モードレジスタ:演奏モードを記憶するレジス
タ:0−単音モード,1−重奏モード,2−ACモード,3−CSR
モード,4−CSPモード,5−AHモードを表す。
PH−ピークホールドフラグ:イニシャル強度(INIT)
が検出された旨を記憶するフラグ RITH−リズムパターンレジスタ:リズムパターンメモ
リから読み出したリズムパターンを記憶しておくレジス
タ ROOT−根音レジスタ:コードの根音が記憶されるレジ
スタ RP−リズムパターン番号レジスタ:リズムパターン番
号が記憶されるレジスタ RSV−リザーブフラグ:拍タイミングからずれて指定
され、次の拍タイミングまで発音待ちのコードがある旨
を記憶するフラグ RUN−RUNフラグ:リズム音発生回路32またはCSR/CSP/
AHモードが動作している旨を記憶するフラグ T−クロックカウンタ:リズムインタラプト動作毎に
加算されるカウンタ:通常96カウントで2小節でありこ
の長さでリズムパターンが設定されている。
TC−音色番号レジスタ:音色番号が記憶されるレジス
タ TEMP−テンポレジスタ:テンポが記憶されるレジスタ TYP−コードタイプレジスタ:コードのタイプが記憶
されるレジスタ、前記ROOTとともに使用されてコード名
(C(C major chord),Am7(A minor 7th.chord)等)
を指定することができる。
またマイクロコンピュータ24のRAMには同図(B),
(C)に示すKEYBUF,CSMの各テーブルも設定されてい
る。KEYBUFは1〜5各チャンネルのキーオンフラグKON
およびトーンナンバレジスタTNからなるテーブルであ
る。このテーブルの記憶内容を楽音発生回路31に送信す
ることにより(同時に発音レベルを指定することによ
り)楽音が発音される。また、楽音発生回路31には、
(KON)または(TN)のみを送信することもでき、ま
た、特定チャンネルのデータのみを送ることもできる。
また、CSMはシーケンスポインタA(0≦A≦AMX)で指
定されるステップ毎にROOT,TYP,LTHの記憶エリアを有し
ているテーブルである。CSRモード時にA=0から順次
記憶されてゆき、CSP/AHモード時にA=0から順次読み
出し再生されてゆく。
(4) 動作の説明 第6図は同制御部の動作を示すフローチャートであ
る。同図(A)はメインルーチンを示す。同図(B)〜
(E)はメインルーチンのn4において各スイッチオンイ
ベントに対応するサブルーチンを示し、同図(F)〜
(H)はメインルーチンのn15において各演奏モードに
対応するサブルーチンを示す。また同図(I),(J)
はリズムインタラプト動作を示し、同図(K)はブレス
インタラプト動作を示す。
同図(A)において、電源スイッチ12がオンされると
まずイニシャル動作が行われる(n1)。このイニシャル
動作において所定の音色やリズムパターンをプリセット
する。イニシャル動作を終了すると、n2でスイッチI/O
をスキャンする。何れかの機能スイッチにオン・オフイ
ベントがあったときには(n3)対応するサブルーチン
(同図(B)〜(E))を実行する(n4)。次にモード
レジスタMODEを判断し(n16)、MODE≠4であればn5以
下のブレス強度,キーパターン検出動作に進みMODE=4
(CSPモード)であればn2にもどる。これはCSPモード中
はブレス強度,キーパターンによるコントロールを受け
付けないからである。
n5ではブレス強度データをブレス強度データバッファ
BDに取り込み、BDとBSブレススレッショルド)とを比較
する(n6)。BD<BSであれば吹奏されていないためブレ
スフラグBF,ピークホールドフラグPH,イニシャル強度レ
ジスタINIT,ブレス強度レジスタBRTH1/2/3、キーパター
ンバッファBUF,BUFA,BUFBをリセット/クリアするとと
もに(n8)キーオンフラグKON(キーバッファテーブルK
EYBUFの先頭ビット)をリセットしたのち(n9)n2にも
どる。BD≧BSの場合にはBFをセットしたのち(n7)、PH
がセットしているか否かを判断する(n10)。PHは後述
するブレスインタラプト動作(同図(K))でイニシャ
ル強度(INIT)が検出されたときセットされるフラグで
あり、このイニシャル強度の検出によって発音が可能に
なる。したがってPHがセットしている場合には既にINIT
が出ていることであるから音高を決定するためn11以下
のキーパターン検出動作に進み、PHがリセットしている
場合には発音不可であるためn2にもどる。
n11ではキーパターンをBUFAに取り込み、これをBUFと
比較する(n12)。これらが一致すればキーパターンの
変更がなく発音する楽音の音高にも変更がないためn2に
もどる。BUFAとBUFとが不一致であれば音高に変更があ
るためBUFにBUFAの内容をセットしたのち(n13)、MODE
に基づいて所定の演奏モード動作を実行する(n14,n1
5)。n11以下の動作を最初に実行する場合にはBUF=0
であるため通常のキー操作をしていれば必ずn12→n13に
進む。
同図(B)は音色選択スイッチ6が押下されたとき実
行される音色選択サブルーチンである。何れかの音色選
択スイッチが押下されると、そのスイッチに対応する音
色番号を音色番号レジスタTCにセットし(n20)、この
番号で指定される音色データを音色データ記憶エリアM1
から読み出す(n21)。この音色データを楽音発生回路3
1に送信してセットしたのち(n22)リターンする。
同図(C)は演奏モード設定サブルーチンである。モ
ード切換スイッチ11,コードモード選択スイッチ4が操
作されたときこの動作が実行される。n23は操作内容を
判断し、それに対応する数値をMODEにセットする(n2
4)。この数値は上述したように0−単位モード,1−重
奏モード,2−ACモード,3−CSRモード,4−CSPモード,5−
AHモードを意味する。こののち各演奏モードのイニシャ
ル動作を行う。KEYBUF,BEET,A,ROOT,TYP,LTHのクリア
(n25)は各演奏モード共通に行われ、これに加えてMOD
E=1(重奏モード)時には楽音発生回路31の5個のLFO
(変調用発振回路:楽音の基本波形を制御する回路、1
チャンネル〜5チャンネル用に5個設けられている。)
にそれぞれ0,1,−1,2,−2のセントずれをあらかじめセ
ットする(n26→27)。これにより、重奏モードで同じ
音高の楽音を発音した場合でも微妙なピッチずれを生じ
合奏効果を得ることができる。またMODE=3(CSRモー
ド)の場合には新たなコードシーケンスのレコーディン
グのためCSRをクリアする(n26→n28)。
同図(D)はリズム設定サブルーチンである。リズム
選択スイッチ5a,5bまたはテンポ設定スイッチ5c,5dが押
下されるとこの動作を実行する。リズム選択スイッチ5
a,5bが押下された場合にはn30→n32に進みリズムパター
ン番号レジスタRPを加減する。すなわちリズム選択スイ
ッチ5aが押下されるとRPに1を加算し、リズム選択スイ
ッチ5bが押下されるとRPから1を減算する。加減ののち
RPで識別されるリズムパターンをリズムパターンメモリ
から読み出し(n33)、1拍クロックレジスタBに1拍
のクロック数をセットして(n34)リターンする。テン
ポ設定スイッチ5c,5dが押下されるとn31→n35に進み、
テンポレジスタTEMPを加減する。5cが加算用スイッチで
あり5dが減算用スイッチである。加減されたTEMPをリズ
ムテンポオッシレータ27に送信したのち(n36)リター
ンする。
同図(E)はスタート/ストップサブルーチンであ
る。スタート/ストップスイッチ5eが押下されるとこの
動作を実行する。このサブルーチンでは最初にRUNフラ
グを反転する(n38)。これでRUN=1になればBEET←0
をセットして(n40)リターンし、RUN=0になればRSV
←0、T←0をセットしたのち(n41,n42)リターンす
る。
次に同図(F)のフローチャートを参照してメロディ
モードの動作を説明する。この動作はMODE=0(単音モ
ード),1(重奏モード)または5(AHモード)のときメ
インルーチンのn15において実行される。まずn45におい
てBUFでキーパターンテーブルM7を参照し対応するキー
パターンを検索する(n45)。一致するキーパターンが
あればその音高を一旦キーバッファKEYBUFの全チャンネ
ルのトーンナンバレジスタTNに書き込んだのち(n46→n
47)n48に進む。一致するキーパターンがない場合には
全チャンネルのKONフラグをリセットして(n55)n56に
進む。
n48ではMODEを判断する。MODE=0の場合にはn49に進
み単音テーブルM3により1チャンネルの発音レベルを割
り出し、1チャンネルのみKONフラグをセットしたのち
(n50)n56に進む。MODE=1の場合にはn51に進み重奏
テーブルM4により各チャンネルの発音レベルを割り出
し、全チャンネルのKONフラグをセットしたのち(n52)
n56に進む。MODE=5の場合にはn53に進みAHテーブルM6
により各チャンネルの音高を書き換え、重奏テーブルM4
により各チャンネルの発音レベルを割り出したのち(n5
4)n56に進む。重奏テーブルはイニシャル強度(INIT)
に対応する各チャンネルの発音レベルを記憶している
が、第4図(B)に示すようにチャンネル番号が大きく
なる(1→5)にしたがってその立ち上がりが遅くなる
ように設定されている。これにより発音レベルを制御す
るイニシャル強度に基づいてパート数を増減することが
できる。
n56ではKEYBUFを楽音発生回路(音源)31に送信して
リターンする。
同図(G)はオートコードサブルーチンである。この
動作はMODE=2(ACモード)のときメインルーチンのn1
5において実行される。n60ではBUFの上位2ビット(演
奏用キー7−0,7−1に対応する。)をコードタイプレ
ジスタTYPにセットし下位13ビットをBUFBにセットす
る。BUFBの上位2ビットには単音モード時に最初の(低
温の)オクターブを演奏するとき使用される運指パター
ンデータ(“01":1−キーオン,0−キーオフを意味す
る。)が同時にセットされる。このBUFBでキーパターン
テーブルM7から一致するキーパターンを検索する(n6
1)。一致するキーパターンがあればその音高を根音レ
ジスタROOTにセットし(n62→n63)、n64〜n68でTYPに
基づきコードタイプを判断する。TYPが“00"であれば長
和音(Major chord)であるとしてACテーブルM5のM欄
に基づいて各チャンネルの音高をセットする(n65)。T
YPが“01"であれば短和音(minor chord)であるとして
ACテーブルM5のm欄に基づいて各チャンネルの音高をセ
ットする(n66)。TYPが“10"であれば属7度和音(7th
chord)であるとしてACテーブルM5の7欄に基づいて各
チャンネルの音高をセットする(n67)。TYPが“11"で
あれば属7度短和音(minor 7th chord)であるとしてA
CテーブルM5のm7欄に基づいて各チャンネルの音高をセ
ットする(n68)。
次にRUNフラグを判断し(n69)、セットしていればリ
ズム音発生回路32が動作しており、後述するリズムイン
タラプト動作(同図(I),(J))においてリズムパ
ターンに合ったアルペジオ(分散和音:コード構成音を
別々に順次発音する演奏技法)が行われるためここでは
KONフラグをリセットしたのち(n70)、拍タイミングか
らの遅れを判断する(n72)。すなわちクロックカウン
タTの値を1拍クロックレジスタBの値で除した剰余mo
d(T/B)=0であれば丁度拍タイミングである。拍タイ
ミングからの遅れが1/4拍(1/4B)未満の場合には大き
な遅れではないため即時にコードを切り換え(n73)、1
/4拍以上遅れている場合にはリザーブフラグRSVをセッ
トして(n74)次の拍タイミングまでコード切り換えを
停止する。この制御によって拍タイミング前のキー操作
(コード指定)を拍タイミングに合わせることもでき
る。一方RUNフラグがリセットしている場合にはリズム
音発生回路32が動作していないため全チャンネルのKON
フラグをセットして即時に全音を発音する(n71,n7
3)。なおn73ではKEYBUFを楽音発生回路31に送信するこ
とによりコードの切り換え,発音を実行する。
同図(H)はCSRモード(MODE=3)サブルーチンで
あり、メインルーチンのn15において実行される。この
サブルーチンはコード切換時に実行され、切り換えで終
了したコードのLTHおよび切り換えで開始したコードのT
YP,ROOTをセットする動作である。この動作に入るとま
ずコードシーケンスレコードフラグCSRがセットしてい
るか否かを判断する(n80)。このCSRフラグはこのサブ
ルーチンの最初の動作(n81)でセットされるものであ
るため、CSRフラグがリセットしているということはCSR
モードがスタートした直後で始めてこの動作を行うこと
を意味する。この場合にはn80→n81に進んでCSRフラグ
をセットするとともにRUN←1,T←0をセットし、上述し
たACサブルーチン(同図(G))を実行する(n82)。
こののちACサブルーチンで検出されたTYP,ROOTをCSM
(A)(この場合A=0)にセットして(n83)リター
ンする。
一方、CSRフラグがセットしていた場合にはn80→n84
に進んでACサブルーチンを実行する。この動作でTYPお
よびROOTが検出される。ACサブルーチンののち上述のn7
2同様拍タイミングからの遅れを判定する(n85)。遅れ
が1/4拍以下であれば直ぐ音が出るため直前の拍タイミ
ングの拍数BEET−1をCSM(A)のLTHにセットし(n8
6)、1/4拍以上遅れていた場合には次の拍タイミングで
切り換わるため次の拍タイミングの拍数であるBEETをCS
M(A)のLTHにセットする(n87)。こののちAに1を
加算し(n88)、A>AMXになれば全ステップに記憶した
ことを意味するためn92の終了動作に進み、A≦AMXであ
ればまだ残ステップがあるため拍数カウンタBEETに0を
セットし(n90)、CSM(A)にACサブルーチン(n84)
で検出されたTYP,ROOTをセットして(n91)リターンす
る。
同図(I),(J)はリズムインタラプト動作であ
る。この動作はリズムテンポオッシレータ27の1クロッ
ク毎に実行される割り込み動作である。まずn95でRUNフ
ラグを判断する。RUNがセットしていればリズム音発生
回路32が動作しているためn96以下の動作を実行し、RUN
=0であればリズム音発生回路32が停止しているためそ
のままリターンする。
n96では(T)でリズムパターンレジスタRITHを参照
する。何れかの打楽器の発音タイミングであれば(n9
7)、所定の打楽器チャンネルの発音信号をリズム音発
生装置32に送信する(n98)。n99では拍タイミングであ
るか否かを判断する(TをBで除して剰余がなければ拍
タイミングである)。拍タイミングであれば表示器3の
右側小数点を点灯し(n103)、さらに2小節毎のリズム
パターンの繰り返しタイミング(T=0)であれば左側
小数点も点灯する(n101→102)。ここでBEETに1を加
算したのち(n103′)、MODEを参照する(n104)。MODE
が0,1であれば演奏とリズムとは別に動作しているため
クロックカウントアップ動作(n112〜n114)に進む。MO
DE=2,3であればn105以下の動作を行う。また、MODE=
4,5であればn115以下の動作を行う。
n105ではRSVフラグを参照し、セットしていれば拍タ
イミングであるためKEYBUFを楽音発生回路31に送信して
コードを切り換える(n106)。RSVをリセットしたのち
(n107)n108に進む。また、n105でRSVフラグがリセッ
トしている場合には直接n108に進む。n108ではキザミOF
Fタイミング(アルペジオパターンの消音タイミング)
であるか否かを判断し、キザミOFFタイミングであれば
対応するチャンネル(音高)のKONフラグをリセットし
て送信する(n109)。またn110ではキザミONタイミング
(アルペジオパターンの発音タイミング)であるか否か
を判断し、キザミONタイミングであれば対応チャンネル
のKONフラグをセットして送信する(n111)。
n112ではTに1を加算する。この加算によってT=96
になればT←0を入力してクリアしたのち(n113→n11
4)リターンし、T<96であればそのままリターンす
る。
なお、n99において拍タイミングでない場合にはn100
に進んでMODEを判断し0,1,5の場合にはn112に進み、2
〜4の場合にはn108に進む。AHモード(MODE=5)の場
合もn108〜n111をスキップするのはブレス強度によって
発音数が増減されるためアルペジオが不要であるためで
ある。
n115ではBEETとLHTを比較し不一致であればn124でMOD
Eを判断し、4であればn108に進み、5であればn112に
進む。一方BEETとLTHとが一致した場合にはコードの切
り換えであるためCSM(A)を読み出す(n116)。読み
出したデータがエンドデータ(CSM(AMX+1)に記憶さ
れているデータ)でなければこのデータをROOT,TYPおよ
びLTHにセットし(n119)、Aに1を加算しBEETに1を
セットする(n120)。こののちMODEを判断し(n121)、
4の場合にはTYP,ROOTでACテーブルを検索して各チャン
ネルにトーンナンバを割り当てたのち(n121→n122)n1
08に進み、MODEが5であればAHテーブルを参照して各チ
ャンネルにトーンナンバを割り当てたのち(n121→n12
3)n112に進む。
同図(K)はブレスインタラプト動作である。この動
作は約20ms毎に行われる割り込み動作であり、ブレスの
イニシャル強度を検出するための動作である。最初にブ
レスフラグBFおよびピークホールドフラグPHを参照する
(n125,n125′)。BFがセットしており且つPHがリセッ
トしていれば吹奏されているがまだイニシャル強度は検
出されていないとしてn126以下の動作を実行し、BFがリ
セットしていれば吹奏されていないとして、また、PHが
セットしていればすでにイニシャル強度を検出したとし
てそのままリターンする。n126ではブレス強度レジスタ
の内容をシフトする。すなわちBRTH1←BRTH2,BRTH2←BR
TH3,BRTH3←BDを実行する。ここで、BRTH3<BRTH2また
はBRTH3=BRTH1の場合にはブレスのイニシャル強度を検
出したとしてピークホールドフラグPHをセットして(n1
27,n128→130)n11のキーパターン検出動作にジャンプ
する。イニシャル強度はイニシャル強度レジスタINITに
記憶されている。一方、BRTH3≧BRTH2かつBRTH3≠BRTH1
であれば(当然BRTH3>BRTH1である。)既に検出されて
いるブレス強度の最大値であるBRTH3をINITにセットし
たのち(n129)リターンする。
以上がこの電子管楽器の動作である。この動作ではイ
ニシャル強度を検出して発音しブレスフラグBFがセット
されている間その発音レベル(発音数,パート数)を保
持するようにされているが、刻々のブレス強度で発音レ
ベル(発音数,パート数)を制御するようにしてもよ
い。また、ACモードにおいてもブレス強度に基づいてパ
ート数が制御されるようにしてもよい。
演奏用キー7がこの発明の和音指定手段に対応する。
ACテーブルM5がこの発明の構成音決定手段に対応する。
ブレスセンサ21がこの発明のレベルデータ発生手段に対
応する。重奏テーブルM4がこの発明の音量決定手段に対
応する。楽音発生回路31,アンプ33およびスピーカがこ
の発明の出力手段に対応する。
(g)発明の効果 以上のようにこの発明の電子楽器によれば、和音の各
和音構成音の音量がレベルデータでそれぞれ異なる変化
特性で制御して発音されるため、レベルに応じて和音構
成音の発音数を実質的に変化させることができる。ま
た、この変化が連続且つ滑らかに行われるため、唐突な
変化になることがない。
【図面の簡単な説明】
第1図(A),(B)はこの発明の実施例である電子管
楽器の外観図、第2図は同電子管楽器の制御部のブロッ
ク図、第3図(A)〜(C)は同制御部のROMの構成
図、第4図(A),(B)は同ROMに設定される単音テ
ーブルおよび重奏テーブルを説明するための図、第5図
(A)〜(C)は同制御部のマイクロコンピュータに内
蔵されるRAMの構成図、第6図(A)〜(K)は同制御
部の動作を説明するフローチャートであり、同図(A)
はメインルーチン、同図(B)〜(E)はスイッチ類操
作に対応するサブルーチン、同図(F)〜(H)は各演
奏モードに対応するサブルーチン、同図(I),(J)
はリズムインタラプト動作、同図(K)はブレスインタ
ラプト動作をそれぞれ示す。 また、第7図(A),(B)は重奏テーブルの他の実施
例を説明するための図である。 2……歌口部、11……モード切換スイッチ、 21……ブレスセンサ、M4……重奏テーブル。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】和音の根音と種類を指定する和音指定手段
    と、 指定された根音と種類に対応する和音構成音を決定する
    構成音決定手段と、 各和音構成音の音量を制御するレベルデータを発生する
    レベルデータ発生手段と、 該レベルデータが変化したとき、前記和音構成音の個々
    の音量を、それぞれ異なる変化特性で連続的かつ滑らか
    に変化させる音量決定手段と、 前記和音構成音をそれぞれ決定された音量で出力する出
    力手段と、 を備えたことを特徴とする電子楽器。
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