JP2562255B2 - 表面性状を制御した超高珪素電磁鋼板の安定的な製造方法 - Google Patents
表面性状を制御した超高珪素電磁鋼板の安定的な製造方法Info
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Description
機器の鉄芯に用いられる、超高珪素電磁鋼板を効率的
に、かつ得られた製品の占積率と磁性が優れている超高
珪素電磁鋼板を安定して製造する方法に関する。
を有するため、電力用変圧器あるいは回転機の鉄芯とし
て用いられている。この種軟磁性材料においては、Si
含有量が増加すると鉄損特性が向上する(鉄損値が低く
なる)。特に、Si含有量:6.5%近傍では鉄損特性
が良好である上に磁歪が零に近づく処から、透磁率も一
段と向上し、従来にない新しい機能をもつ磁性材料とな
り得る。
が低くかつ、電気機器の多様な磁気特性上の要求を満足
せしめ得る新しい磁性材料として、Siを6.5%ある
いはその近傍含有する超高珪素鋼が見直され始めた。
ため、工業的に量産する上で多くの問題があり、未だ実
用されるに至っていない。超高珪素鋼板をストリップの
状態で処理し、工業的量産を行う上での問題点は、第一
に、超高珪素鋼板を冷間圧延するときに発生する材料
(ストリップ)破断あるいは耳荒れと呼ばれるストリッ
プエッジクラックである。
1−166923号公報は、冷間圧延の素材である熱間
圧延板について、連続仕上熱間圧延条件を規定すること
によって金属組織が圧延方向に繊維状に伸びた状態とな
るようにする方法を提案している。また、特開昭62−
103321号公報は、連続仕上熱間圧延前の材料の結
晶粒を限定することによって熱間圧延板の金属組織が圧
延方向に延伸した繊維状組織となるようにする方法を提
案している。
限定することによって熱間圧延板組織を抑制し、かくし
て得られた熱間圧延板を素材とすることによって、冷間
圧延を可能ならしめようとするものである。しかしなが
ら、この技術によって板厚全域に亙って繊維状組織を得
るには、苛酷な仕上熱間圧延条件を必要とする。即ち、
熱間圧延表面部は、熱間圧延中の複雑な強加工と加工発
熱の組合せ効果によって再結晶する傾向が強く、図1に
示すように、等軸晶となり易い。
を1090℃、仕上熱間圧延終了温度を1000℃とし
て高珪素鋼材を熱間圧延して得た結果である。図1に示
すような、表面近傍が等軸晶組織で板厚方向中心部が繊
維状組織である熱間圧延板を冷間圧延すると、特開平0
3−207815号公報に開示されているように、前記
二層組織の境界部で剥離を生じ、冷間圧延板表面に“さ
ざ波”状の欠陥を生じる。従って、表面部に等軸晶組織
を残すような中途半端な熱間圧延では、かえって悪影響
をもたらす。
めには、仕上熱間圧延温度を大幅に低下せしめる必要が
あり、特開昭61−166923号公報に開示されてい
る実施例においては、仕上熱間圧延開始温度800℃ま
で低下させている。800℃程度の低い温度で仕上熱間
圧延を開始すると、熱間圧延終了温度は700℃前後ま
で降下してしまい、熱間圧延というよりは冷間圧延に近
い加工形態となる。
過大なものとなり、圧延ロール摩耗量の増大を招くのみ
ならず熱間圧延板の形状(平坦さ)が不良なものとな
り、かかる熱間圧延板を冷間圧延すると、材料に割れが
頻発するという問題を惹起する。さらに、熱間圧延板を
薄くすることが困難であるから、後述するように、処理
ラインに通板することに致命的な障害となる。さらに、
実用化に至っている革新的なプロセスである、溶鋼から
1.6〜2.5mm厚さのストリップを鋳造によって直
接的に得るというプロセスを採る場合、冷間圧延素材に
繊維状組織を得ることが全くできない。図6に、鋳造薄
板(ストリップ)の結晶組織を示す。図6から明らかな
ように、板厚方向全域に亙って比較的大きな結晶粒から
なる等軸組織である。
さ)を向上せしめる手段として、6.5%Si鉄中に第
三元素を合金化することが発表されている。たとえば、
C.A.ClarkらはIEE.113(1966),
p.345に、Niを第三元素として添加することを、
K.Naritaらは、IEEE Trans.Ma
g.14(1978),p.258にMnを第三元素と
して添加することを提案している。一方、特開平01−
299702号公報は、鋼板温度を350〜450℃と
して圧延する方法および装置を開示している。
るための手段が種々提案されているけれども、超高珪素
鋼板を工業的に量産するためには、解決さるべき第2の
問題点がある。即ち、超高珪素鋼板(ストリップ)を処
理ラインにおいて走行させるときに、ストリップに曲げ
が加えられる場合、たとえばストリップがロールに巻き
掛けられる場合に、ストリップに折損、割れを発生する
という問題である。
熱間圧延板あるいは鋳造薄帯を製造プロセスにおける各
工程たとえば酸洗ライン、冷間圧延機、脱脂ライン、焼
鈍ライン、絶縁被膜コーティングラインといった一連の
処理ラインを通板させることによってなされる。これら
処理ラインの通板能力、構成は、極限まで生産効率を高
くするように設計されている。従って、超高珪素鋼板も
これら処理ラインに通板することができてはじめて工業
的な量産が可能となる。
に曲げが加えられる箇所が多数存在し、これら曲げ部に
おいてストリップに曲げ応力が発生する。超高珪素鋼板
は、室温での伸びが0.5%程度しかなく、前記曲げが
加えられる箇所で折損、割れが発生して処理ラインに通
板することが極めて困難なものとなる。
高珪素電磁鋼板を各種処理ラインに通板可能にするとと
もに冷間圧延を可能ならしめ、工業的量産を可能ならし
めると同時に、優れた占積率と磁性が得られる製造方法
を提供することを目的とする。
である。 (1)重量比でC≦0.006%、Si:3.5〜7.
1%、S≦0.007%、total N≦0.003
5%、残部:Feおよび不可避的不純物からなる熱間圧
延板あるいは鋳造薄板を、表面酸化物(スケール)が付
着したままの状態で板温度:150〜750℃の温度域
で圧延し、表面酸化物を除去し、焼鈍し、4〜58%の
圧下率で前工程の圧延温度が高い程高圧延率になる冷間
圧延を行い、しかる後に再結晶および粒成長を目的とす
る焼鈍を施すことを特徴とする表面性状を制御した超高
珪素電磁鋼板の安定的な製造方法。
3.5〜7.1%、S≦0.007%、total N
≦0.0035%、残部:Feおよび不可避的不純物か
らなる熱間圧延板あるいは鋳造薄板を、表面酸化物(ス
ケール)が付着したままの状態で板温度:150〜45
0℃の温度域で圧延し、表面酸化物を酸洗で除去し、焼
鈍し、4〜25%の圧下率で前工程の圧延温度が高い程
高圧延率になる冷間圧延を行い、しかる後に再結晶およ
び粒成長を目的とする焼鈍を施すことを特徴とする表面
性状を制御した超高珪素電磁鋼板の安定的な製造方法。
解決されねばならない第1の技術的課題は、冷間圧延に
おいて材料(ストリップ)に破断を生ぜしめないことで
ある。第2の技術的課題は、ストリップに折れ、割れを
生起せしめることなく、各種処理ラインに通板できるよ
うにすることである。
−166923号公報に開示されている技術における問
題点即ち冷延板における“さざ波”状欠陥の発生あるい
は極めて低い温度で圧延しなければならないことに起因
して、熱間圧延板の厚さを大きくせざるを得ない処から
各種処理ラインに通板できない、といった問題を解決す
べく、発明者等は、図1に示す金属組織をもつ超高珪素
鋼熱間圧延について、室温(約25℃)で割れが発生す
るまでの曲げ回数に及ぼす熱間圧延板の厚さと曲げ直径
の影響を調べた。
ように、ストリップ曲げ部の直径が大きくなるほどま
た、熱間圧延板の板厚が薄くなるほど割れが発生するま
での曲げ回数が増加する。曲げ直径を大きくすること
は、曲げ部を多数有する長大な処理ラインのスペース
(空間)を極めて大きなものとし、工場建屋も必然的に
大きなものを必要とし、設備コストの面で問題となる。
従来の一般的なストリップ処理設備においては、ストリ
ップの曲げ部の直径は、多くの場合、200mm程度で
ある。
間圧延板の形状(平坦さ)が悪くなるから走行中にスト
リップが上下にばたつき、安定した通板が困難となるこ
と等から、従来の連続熱延機による熱間圧延板の厚さの
下限は、実質的に1.4mm程度となる。かかる状況に
鑑み、発明者等は、超高珪素鋼ストリップの曲げ回数≧
30回程度が確保され、設備的効率をも考慮して曲げ部
の直径:200mm、板厚:1.2mmの諸元でストリ
ップを通板できるようにすることを目標にした。
熱間圧延板は酸洗によって表面のスケールを除去された
後冷間圧延される。発明者等は、たとえば酸洗ラインに
安定してストリップを通板できるようにすべく、熱間圧
延板を直接的に冷間圧延することを考えた。
着したままの熱間圧延板を直接的に冷間圧延してみた。
驚くべきことに、材料(ストリップ)温度を僅か150
℃程度まで高めることによって、Siを6.5%前後含
有する超高珪素鋼ストリップの場合、スケールの破砕、
剥離を全く生じることなく冷間圧延することができた。
−289号公報、特公昭60ー40921号公報に開示
されているように、表面にスケールが付着したままの熱
間圧延板を直接的に冷間圧延すると、スケールが破砕、
剥離して問題となり、これまで工業的量産規模でかかる
冷間圧延は行われていない。
0〜450℃の温度域で圧延すると、熱間圧延表面のス
ケールが全く剥離することなく圧延できるという画期的
な現象を発見した。
る。重量比で、Si:6.52%、C:0.003%、
Mn:0.16%、P:0・005%、S:0.001
%、total N:0.0013%、残部:実質的に
Feからなる50kg鋼塊を、1200℃に加熱した後
熱間圧延し、得られた粗熱間圧延板を再度加熱し、11
00℃で仕上熱間圧延を開始し6パスで2.3mm厚さ
とした。
コイル)。比較のため、35mm厚さに粗熱間圧延した材
料を、1200℃に加熱した後800℃で仕上熱間圧延
を開始し、6パスで2.3mm厚さに仕上げた。圧延仕上
温度は、690℃であった(Bコイル)。このA,B2
コイルについて、表面酸化物(スケール)が付着したま
ま、材料温度:1)室温(約23℃)、2)150℃、
3)270℃、4)440℃で圧延した。
と表面酸化物(スケール)の剥離程度を、表1に示す。
ストリップ表面を、図3(b)に、Aコイルを270℃
で圧延したストリップ表面を示す。なお、Bコイルにつ
いては、熱間圧延板の形状(平坦さ)が悪く、冷間圧延
可能なものは僅かであった。A,Bコイルともに、室温
で圧延したものは表面酸化物(スケール)の破砕、剥離
が甚だしく、剥落したスケールが圧延油に混入したり圧
延ロールに付着したりして、圧延材表面に疵を発生する
等の問題を生じた。圧延温度を150℃,270℃,4
40℃と高めていくと、表面酸化物(スケール)の破
砕、剥離は全くなく、圧延は順調に行われた。
て説明すると、Bコイルは室温での圧延でも比較的良好
な圧延が遂行できた。材料温度を高くするに従ってさら
に安定した圧延が遂行できた。Aコイルを室温で圧延す
ると材料割れが甚だしく、最終板厚に至る以前の途中板
厚の段階から圧延の遂行が不可能となった。しかし、圧
延温度を高くすると材料割れの発生もなく良好な圧延が
可能となった。
て冷間圧延すると、熱間圧延工程において歩留り低下を
余儀なくされる苛酷な低温圧延を行わなくとも、通常の
量産普通鋼熱間圧延条件で圧延した超高珪素鋼板でも割
れを発生することなく、安定した圧延の遂行が可能とな
る。しかも、本発明の冷間圧延条件による圧延によれ
ば、材料に表面酸化物(スケール)が付着したままで冷
間圧延が可能であることを、発明者等は見出だした。
域で圧延すると、材料表面酸化物(スケール)が付着し
たままで、スケールを破砕、剥離せしめることなく圧延
することができる、という知見は全く知られておらず、
新規な知見である。この温度域で圧延すると、スケール
を破砕、剥離せしめることなく圧延することができる詳
細なメカニズムは不明であるが、図4(a)に示す熱間
圧延板の表面酸化物(スケール)の断面組織、図4
(b)に示す冷間圧延板の表面酸化物(スケール)の断
面組織、図5(a)に示す熱間圧延板の表面酸化物(ス
ケール)のSEM像、図5(b)に示す冷間圧延板の表
面酸化物(スケール)のSEM像から明らかなように、
冷間圧延板の表面酸化物(スケール)は、均一に薄く延
伸せしめられ、割れもなく鋼板に密着している。
域の150〜450℃で圧延を行えば、表面酸化物(ス
ケール)付き状態でもスケール破砕も無く冷間圧延でき
ることが分かった。ところで、このスケールの厚みであ
るが、2,3mm厚の熱延板で25μm超であり、0.
3mm厚の製品にすると3.3μmにもなる。このまま
で絶縁性確保の点からは特に問題ではないが、磁気特性
の点からは問題である。すなわち、鋼板を積層してコア
ーとなした場合に実質的に磁束の通る鉄分の割合(占積
率)が減少し、磁気特性として問題である。
に塗布量を制御した薄い絶縁被膜を塗布することが占積
率を上げ、磁性を向上させるために有効である。表面酸
化物を除去する方法として酸洗法が一般的であり、本発
明でもこの酸洗法を採用する。そこで、表面酸化物(ス
ケール)付き冷間圧延した後に、酸洗を行ったところ、
その表面粗度が冷間圧延時の温度に対応して粗くなるこ
とを見いだした。
表面酸化物(スケール)付きで0.3mmに圧延した後
に、ふっ酸で表面酸化物を除去した後の表面粗度
(Ra,Rmax)に及ぼす圧延温度の影響を示す。こ
の図から、圧延温度が高くなると表面粗度が大きくな
り、特に750℃を超える温度から急激に粗くなること
が分かる。この圧延温度と鋼板表面粗度との関係は、圧
延温度下での硬度変化が表面酸化物と鋼板母材との間
で、異なるためと思われる。
面酸化物の付いた状態との鋼板母材の表面から測定した
硬度の温度での変化を示す。750℃迄は母材の硬度は
表面酸化物より大きく、750℃を超えると母材の硬度
は表面酸化物と同じ程度に急激に小さくなる。このた
め、750℃程度迄は圧延によって表面酸化物が鋼板母
材中に食い込むことは無いが、この温度を超えると母材
中に表面酸化物が食い込み、酸洗後の表面粗度が粗くな
ったものと考えられる。
容易に予想できるように鋼板を積層してコアーを作成し
た時に鋼板間に隙間が生じ、実質的な鉄分の割合が急激
に大きくなるまでの、750℃以内の圧延温度を本発明
の必須な構成条件とした。特に、450℃以内である
と、一般的な冷間圧延技術の範囲で略圧延が行えるので
有利である。
破断も無く、スケール破砕も無く圧延可能であり、そし
て750℃以下であればその酸洗後の表面粗度の小さい
ことが明らかになった。しかし、その表面粗度は通常、
#1000程度の砥石で研磨した圧延ロールを用いて圧
延した鋼板表面粗度である1μ以下のRaに比べ大き
い。
通常の冷間圧延を行い、さらに良い占積率を得ることに
成功した。しかも、この圧延時の圧下率をできるだけ小
さく選ぶこと、すなわち150〜750℃での圧延を板
厚薄くまですることが、この表面粗度改善のための圧延
時の生産効率アップと圧延の破断防止、さらに酸洗時の
板通板の安定性に有効である。これは、板破断の無い温
間で薄くまで圧延しておけば、基本的には図2に示すよ
うに曲げに強いので、室温でも圧延時の割れが少なく、
また酸洗時の板破断が無く、高速での通板が可能になる
ためである。
後に圧下量を変えて#1000の砥石で研磨した圧延ロ
ールを用いて室温で圧延した時の表面粗度(Ra,R
max)を示した。酸洗前の圧延温度が150℃の場合
は4%、450℃の場合は250%、750℃の場合は
58%の圧下量で圧延を行えば、Raが1μm以下の平
滑な圧延ロールと同等な表面粗度状態が得られる。75
0℃を超えた場合にはその後の冷間圧延を行っても、R
maxは中々下がらず、線状のキズの模様が残存する。
の仕上がり状態に対応した表面が得られ、結果として最
高の占積率が達成できる。酸洗前の温度が150〜75
0℃では4〜58%、150〜450℃では4〜25%
の圧下率を構成条件とした。
焼鈍を行うことにより、鋼板を軟かくしておくと、その
後の冷間圧延で表面粗さを平滑にし易い。この焼鈍条件
としては780〜1000℃で、低温度では長時間、高
温度では短時間行う必要がある。
なわち、酸洗後の表面粗度が大きくなる程、その後の圧
延で圧下量を大きくする必要がある。圧延温度は鋼板が
薄く成っているので、特に高くする必要は無い。傾向と
して温度を上げた程、圧延歩留まりは良くなるが、その
差は僅かである。
た後に、800〜1020℃の温度域で焼鈍し、再結晶
と粒成長を行って製品とする。焼鈍時間は温度が低い時
は長く、温度が高い時は短くなり、30秒間−3時間程
度が採用される。また、通常は表面に絶縁抵抗を持たせ
るために、この焼鈍過程の前、あるいは後に薄い絶縁コ
ーティングが施される。
3%Mn、0.001%S、0.0017%N、残部が
Feおよび不可避的不純物を含む50kgインゴットを
作成し、1200℃で加熱し、8パスの熱間加工により
仕上温度約1000℃で1.8mm厚の鋼板とした。
0枚を準備し、各5枚ずつについて表面酸化物(スケー
ル)を付けたまま、室温−0.309mm、150
℃−0.316mm、150℃−0.325mm、
440℃−0.325mm、440℃−0.409m
m、750℃−0.342mm、750℃−0.6
15mm、800℃−0.615mmの板温で、各板
厚に圧延した。
m、,は15μm見込んだ。その後、(フッ酸+硫
酸)で酸洗し、さらに室温(約25℃)で#1000砥
石で研磨した圧延ロールで0.30mm厚まで圧延し
た。この時のスケール剥離状況と、スケール付き圧延時
の冷間圧延割れ、および酸洗後の表面粗度と酸洗後の圧
延板粗度を表2に示した。
き圧延時の冷間圧延割れも無く、かつスケール剥離も無
く、安定した圧延が可能であった。酸洗後の粗い表面
も、本発明範囲の圧下率で冷延することにより、Ra,
Rmaxも小さく、良好な占積率が得られた。なお、8
00℃でスケール付き圧延したものは酸洗後のRmax
が大きく、その後の冷間圧延でも中々平滑にはならずR
maxが大きかった。
Si、0.14%Mn、0.0012%S、0.001
7%N、0.009%酸可溶性Al、残部がFeおよび
不可避的不純物である溶鋼を250mm厚の連続鋳造片
とし、1200℃で加熱後、粗熱延で35mm厚にし、
仕上熱延を開始1120℃、終了1020℃で行ない、
2.0mm厚熱延板とした。
300℃で0.342mmまで冷間圧延した。その後、
全長約70mの長大酸洗ラインを通し、さらに全長約1
00mの焼鈍ラインで、820℃×30secの焼鈍を
行った。
圧延し、脱脂ラインを通板し、850℃×30secの
焼鈍を上記と同じラインで行い、クロム酸系の絶縁被膜
コーティングを行った。圧延、酸洗、焼鈍コーティング
について、いずれのライン通板も割れが無く、成品が得
られた。この時の磁気特性もB8=1.37T,W
10/50=0.68w/kg,W10/400=9.
8w/kgであり、占積率も良好であった。なお、この
最終焼鈍後の表面のRa=0.8μm,Rmax=8.
1μmであった。
における材料割れ、処理ラインに通板する時の曲げ部に
おける材料折損、割れを惹起するために工業的量産が困
難であった略6.5%Si含有鋼を、熱間圧延条件に厳
しい条件を付けること無く材料破断、割れを生じること
なく冷間圧延可能にするとともに、従来、電磁鋼板製造
のために一般的に用いられている処理ラインで、曲げ部
での材料折損、割れを惹起すること無く、工業的に量産
できる。又、得られる製品は占積率に優れているため磁
気特性が良好である。
仕上熱間圧延開始温度:1090℃、仕上熱間圧延終了
温度:1000℃として熱間圧延した熱間圧延板の厚さ
方向における金属組織を示す顕微鏡写真である。
おける曲げ部で材料に折損あるいは割れが発生するまで
の曲げ回数の関係を、曲げ部直径水準別に示す図表であ
る。
条件で圧延した超高珪素鋼板ストリップを表面酸化物
(スケール)が付着したままの状態で、室温で圧延した
ときのストリップ表面性状を示す写真である。(b)
は、従来の量産普通鋼における熱間圧延条件で圧延した
超高珪素鋼板ストリップを表面酸化物(スケール)が付
着したままの状態で、材料温度を270℃として圧延し
て得られた冷間圧延板の表面性状を示す写真である。
ル)の断面組織を示す写真である。(b)は本発明によ
る方法によって冷間圧延された超高珪素鋼板の表面酸化
物(スケール)の断面組織を示す写真である。
ル)のSEM像を示す写真である。(b)は本発明によ
る方法によって冷間圧延された超高珪素鋼板の表面酸化
物(スケール)のSEM像を示す写真である。
ップの断面組織を示す写真である。
た後に、酸洗した鋼板表面粗度(Ra,Rmax)に及
ぼす圧延温度の影響を示す図表である。
と、表面酸化物の付いた状態との鋼板母材の表面から測
定した硬度の温度での変化を示す図表である。
を変えて#1000の砥石で研磨した圧延ロールを用い
て室温で圧延した時の表面粗度(Ra,Rmax)を示
す図表である。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量比でC≦0.006%、Si:3.
5〜7.1%、S≦0.007%、total N≦
0.0035%、残部:Feおよび不可避的不純物から
なる熱間圧延板あるいは鋳造薄板を、表面酸化物(スケ
ール)が付着したままの状態で板温度:150〜750
℃の温度域で圧延し、表面酸化物を除去し、焼鈍し、4
〜58%の圧下率で前工程の圧延温度が高い程高圧延率
になる冷間圧延を行い、しかる後に再結晶および粒成長
を目的とする焼鈍を施すことを特徴とする表面性状を制
御した超高珪素電磁鋼板の安定的な製造方法。 - 【請求項2】 表面酸化物(スケール)が付着したまま
の状態で板温度:150〜450℃の温度域で圧延し、
表面酸化物を酸洗で除去し、焼鈍し、4〜25%の圧下
率で前工程の圧延温度が高い程高圧延率になる冷間圧延
を行うことを特徴とする請求項1記載の表面性状を制御
した超高珪素電磁鋼板の安定的な製造方法。
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JP4129250A JP2562255B2 (ja) | 1992-04-06 | 1992-04-06 | 表面性状を制御した超高珪素電磁鋼板の安定的な製造方法 |
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JPH06228643A JPH06228643A (ja) | 1994-08-16 |
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- 1992-04-06 JP JP4129250A patent/JP2562255B2/ja not_active Expired - Lifetime
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