JPH06212260A - 超高珪素電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
超高珪素電磁鋼板の製造方法Info
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- JPH06212260A JPH06212260A JP36080591A JP36080591A JPH06212260A JP H06212260 A JPH06212260 A JP H06212260A JP 36080591 A JP36080591 A JP 36080591A JP 36080591 A JP36080591 A JP 36080591A JP H06212260 A JPH06212260 A JP H06212260A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
Landscapes
- Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
- Soft Magnetic Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 超高珪素鋼板は極めて脆いため、従来からの
電磁鋼板製造に使用されている曲げ部の多い長大連続ラ
インを通板することが困難である。本発明は一連の製造
工程に沿って長大ラインの通板を可能にする方法であ
る。 【構成】 重量%で、C≦0.006%、Si:4.5
〜7.1%、Mn:0.07〜0.30%、S≦0.0
07%、N≦0.003%、残部:Feからなる熱延板
あるいは薄鋳造材を表面スケールのついたまま150〜
470℃で冷延し、その後に焼鈍を行なう。この温度域
で冷延することにより、冷延割れも無く、又表面スケー
ルの破砕、剥離も無いので安定した圧延が可能になる。
このようにして薄くした鋼板は曲げ破断が無いので、そ
の後の曲げ部の多い長大ラインを通板可能である。 【効果】 超高珪素電磁鋼板が従来の一般的電磁鋼板を
用いて、量産生産できる。
電磁鋼板製造に使用されている曲げ部の多い長大連続ラ
インを通板することが困難である。本発明は一連の製造
工程に沿って長大ラインの通板を可能にする方法であ
る。 【構成】 重量%で、C≦0.006%、Si:4.5
〜7.1%、Mn:0.07〜0.30%、S≦0.0
07%、N≦0.003%、残部:Feからなる熱延板
あるいは薄鋳造材を表面スケールのついたまま150〜
470℃で冷延し、その後に焼鈍を行なう。この温度域
で冷延することにより、冷延割れも無く、又表面スケー
ルの破砕、剥離も無いので安定した圧延が可能になる。
このようにして薄くした鋼板は曲げ破断が無いので、そ
の後の曲げ部の多い長大ラインを通板可能である。 【効果】 超高珪素電磁鋼板が従来の一般的電磁鋼板を
用いて、量産生産できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軟磁性材料として電気
機器の鉄芯に用いられる、磁気特性に優れた超高珪素電
磁鋼板を、効率的に製造する方法に関する。
機器の鉄芯に用いられる、磁気特性に優れた超高珪素電
磁鋼板を、効率的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Siを含有する鋼板は優れた軟磁気特性
を有するため、電力用変圧器或は回転機の鉄芯として用
いられている。この種軟磁性材料においては、Si含有
量が増加すると鉄損特性が向上する(鉄損値が低くな
る)。特に、Si含有量:6.5%近傍では鉄損特性が
良好である上に磁歪が零に近づく処から、透磁率も一段
と向上し、従来にない新しい機能をもつ磁性材料となり
得る。
を有するため、電力用変圧器或は回転機の鉄芯として用
いられている。この種軟磁性材料においては、Si含有
量が増加すると鉄損特性が向上する(鉄損値が低くな
る)。特に、Si含有量:6.5%近傍では鉄損特性が
良好である上に磁歪が零に近づく処から、透磁率も一段
と向上し、従来にない新しい機能をもつ磁性材料となり
得る。
【0003】最近、省エネルギーを目的として、鉄損値
が低くかつ、電気機器の多様な磁気特性上の要求を満足
せしめ得る新しい磁性材料として、Siを6.5%或は
その近傍含有する超高珪素鋼が見直され始めた。
が低くかつ、電気機器の多様な磁気特性上の要求を満足
せしめ得る新しい磁性材料として、Siを6.5%或は
その近傍含有する超高珪素鋼が見直され始めた。
【0004】しかしながら、超高珪素鋼板は極めて脆い
ため、工業的に量産する上で多くの問題があり、未だ実
用されるに至っていない。超高珪素鋼板をストリップの
状態で処理し、工業的量産を行う上での問題点は、第1
に、超高珪素鋼板を冷間圧延するときに発生する材料
(ストップ)破断或は耳荒れと呼ばれるストリップエッ
ジクラックである。
ため、工業的に量産する上で多くの問題があり、未だ実
用されるに至っていない。超高珪素鋼板をストリップの
状態で処理し、工業的量産を行う上での問題点は、第1
に、超高珪素鋼板を冷間圧延するときに発生する材料
(ストップ)破断或は耳荒れと呼ばれるストリップエッ
ジクラックである。
【0005】この問題を解決すべく、たとえば特開昭6
1−166923号公報は、冷間圧延の素材である熱間
圧延板について、連続仕上熱間圧延条件を規定すること
によって金属組織が圧延方向に繊維状に伸びた状態とな
るようにする方法を提案している。また、特開昭62−
103321号公報は、連続仕上熱間圧延前の材料の結
晶粒を限定することによって熱間圧延板の金属組織が圧
延方向に延伸した繊維状組織となるようにする方法を提
案している。
1−166923号公報は、冷間圧延の素材である熱間
圧延板について、連続仕上熱間圧延条件を規定すること
によって金属組織が圧延方向に繊維状に伸びた状態とな
るようにする方法を提案している。また、特開昭62−
103321号公報は、連続仕上熱間圧延前の材料の結
晶粒を限定することによって熱間圧延板の金属組織が圧
延方向に延伸した繊維状組織となるようにする方法を提
案している。
【0006】これらの方法は、連続仕上熱間圧延条件を
限定することによって熱間圧延板組織を抑制し、かくし
て得られた熱間圧延板を素材とすることによって、冷間
圧延を可能ならしめようとするものである。
限定することによって熱間圧延板組織を抑制し、かくし
て得られた熱間圧延板を素材とすることによって、冷間
圧延を可能ならしめようとするものである。
【0007】しかしながら、この技術によって板厚全域
に亙って繊維状組織を得るには、苛酷な仕上熱間圧延条
件を必要とする。即ち、熱間圧延表面部は、熱間圧延中
の複雑な強加工と加工発熱の組合せ効果によって再結晶
する傾向が強く、図1に示すように、等軸晶となり易
い。
に亙って繊維状組織を得るには、苛酷な仕上熱間圧延条
件を必要とする。即ち、熱間圧延表面部は、熱間圧延中
の複雑な強加工と加工発熱の組合せ効果によって再結晶
する傾向が強く、図1に示すように、等軸晶となり易
い。
【0008】図1に示す結果は、発明者等が仕上熱間圧
延開始温度を1090℃、仕上熱間圧延終了温度を10
00℃として高珪素鋼材を熱間圧延して得た結果であ
る。図1に示すような、表面近傍が等軸晶組織で板厚方
向中心部が繊維状組織である熱間圧延板を冷間圧延する
と、特開平03−207815号公報に開示されている
ように、前記二層組織の境界部で剥離を生じ、冷間圧延
板表面に“さざ波”状の欠陥を生じる。従って、表面部
に等軸晶組織を残すような中途半端な熱間圧延では、か
えって悪影響をもたらす。
延開始温度を1090℃、仕上熱間圧延終了温度を10
00℃として高珪素鋼材を熱間圧延して得た結果であ
る。図1に示すような、表面近傍が等軸晶組織で板厚方
向中心部が繊維状組織である熱間圧延板を冷間圧延する
と、特開平03−207815号公報に開示されている
ように、前記二層組織の境界部で剥離を生じ、冷間圧延
板表面に“さざ波”状の欠陥を生じる。従って、表面部
に等軸晶組織を残すような中途半端な熱間圧延では、か
えって悪影響をもたらす。
【0009】熱間圧延板表面部をも繊維状組織とするた
めには、仕上熱間圧延温度を大幅に低下せしめる必要が
あり、特開昭61−166923号公報に開示されてい
る発明の実施例においては、仕上熱間圧延開始温度80
0℃まで低下させている。800℃程度の低い温度で仕
上熱間圧延を開始すると、熱間圧延終了温度は700℃
前後まで降下してしまい、熱間圧延というよりは冷間圧
延に近い加工形態となる。
めには、仕上熱間圧延温度を大幅に低下せしめる必要が
あり、特開昭61−166923号公報に開示されてい
る発明の実施例においては、仕上熱間圧延開始温度80
0℃まで低下させている。800℃程度の低い温度で仕
上熱間圧延を開始すると、熱間圧延終了温度は700℃
前後まで降下してしまい、熱間圧延というよりは冷間圧
延に近い加工形態となる。
【0010】このような低温熱間圧延では、圧延荷重は
過大なものとなり、圧延ロール摩耗量の増大を招くのみ
ならず熱間圧延板の形状(平坦さ)が不良なものとな
り、かかる熱間圧延板を冷間圧延すると、材料に割れが
頻発するという問題を惹起する。
過大なものとなり、圧延ロール摩耗量の増大を招くのみ
ならず熱間圧延板の形状(平坦さ)が不良なものとな
り、かかる熱間圧延板を冷間圧延すると、材料に割れが
頻発するという問題を惹起する。
【0011】さらに、熱間圧延板を薄くすることが困難
であるから、後述するように、処理ラインに通板するこ
とに致命的な障害となる。さらに、実用化に至っている
革新的なプロセスである、溶鋼から1.6〜2.5mm
厚さのストリップを鋳造によって直接的に得るというプ
ロセスを採る場合、冷間圧延素材に繊維状組織を得るこ
とが全くできない。図6に、鋳造薄板(ストリップ)の
結晶組織を示す。図6から明らかなように、板厚方向全
域に亙って比較的大きな結晶粒からなる等軸組織であ
る。
であるから、後述するように、処理ラインに通板するこ
とに致命的な障害となる。さらに、実用化に至っている
革新的なプロセスである、溶鋼から1.6〜2.5mm
厚さのストリップを鋳造によって直接的に得るというプ
ロセスを採る場合、冷間圧延素材に繊維状組織を得るこ
とが全くできない。図6に、鋳造薄板(ストリップ)の
結晶組織を示す。図6から明らかなように、板厚方向全
域に亙って比較的大きな結晶粒からなる等軸組織であ
る。
【0012】一方、高珪素鋼の冷延性(冷間圧延し易
さ)を向上せしめる手段として、6.5%Si鉄中に第
三元素を合金化することが発表されている。たとえば、
C.A.ClarkらはIEE.113(1966),
p.345に、Niを第三元素として添加することを、
K.Naritaらは、IEEE Trans.Ma
g.14(1978),p.258にMnを第三元素と
して添加することを提案している。一方、特開平01−
299702号公報は、普通鋼において、鋼板温度を3
50〜450℃として圧延する方法および装置を開示し
ている。
さ)を向上せしめる手段として、6.5%Si鉄中に第
三元素を合金化することが発表されている。たとえば、
C.A.ClarkらはIEE.113(1966),
p.345に、Niを第三元素として添加することを、
K.Naritaらは、IEEE Trans.Ma
g.14(1978),p.258にMnを第三元素と
して添加することを提案している。一方、特開平01−
299702号公報は、普通鋼において、鋼板温度を3
50〜450℃として圧延する方法および装置を開示し
ている。
【0013】叙上のように、鋼材の冷間圧延性を改善す
るための手段が種々提案されているけれども、超高珪素
鋼板を工業的に量産するためには、解決さるべき第2の
問題点がある。即ち、超高珪素鋼板(ストリップ)を処
理ラインにおいて走行させるときに、ストリップに曲げ
が加えられる場合、たとえばストリップがロールに巻き
掛けられる場合に、ストリップに折損、割れを発生する
という問題である。
るための手段が種々提案されているけれども、超高珪素
鋼板を工業的に量産するためには、解決さるべき第2の
問題点がある。即ち、超高珪素鋼板(ストリップ)を処
理ラインにおいて走行させるときに、ストリップに曲げ
が加えられる場合、たとえばストリップがロールに巻き
掛けられる場合に、ストリップに折損、割れを発生する
という問題である。
【0014】従来、電磁鋼板を工業的に量産するには、
熱間圧延板或は鋳造薄帯を製造プロセスにおける各工程
たとえば酸洗ライン、冷間圧延機、脱脂ライン、焼鈍ラ
イン、絶縁被膜コーティングラインといった一連の処理
ラインを通板させることによってなされる。これら処理
ラインの通板能力、構成は、極限まで生産効率を高くす
るように設計されている。従って、超高珪素鋼板もこれ
ら処理ラインに通板することができてはじめて工業的な
量産が可能となる。
熱間圧延板或は鋳造薄帯を製造プロセスにおける各工程
たとえば酸洗ライン、冷間圧延機、脱脂ライン、焼鈍ラ
イン、絶縁被膜コーティングラインといった一連の処理
ラインを通板させることによってなされる。これら処理
ラインの通板能力、構成は、極限まで生産効率を高くす
るように設計されている。従って、超高珪素鋼板もこれ
ら処理ラインに通板することができてはじめて工業的な
量産が可能となる。
【0015】処で、これら処理ラインには、ストリップ
に曲げが加えられる箇所が多数存在し、これら曲げ部に
おいてストリップに曲げ応力が発生する。超高珪素鋼板
は、室温での伸びが0.5%程度しかなく、前記曲げが
加えられる箇所で折損、割れが発生して処理ラインに通
板することが極めて困難なものとなる。
に曲げが加えられる箇所が多数存在し、これら曲げ部に
おいてストリップに曲げ応力が発生する。超高珪素鋼板
は、室温での伸びが0.5%程度しかなく、前記曲げが
加えられる箇所で折損、割れが発生して処理ラインに通
板することが極めて困難なものとなる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、極めて脆い
超高珪素鋼板を、各種処理ラインに通板可能にするとと
もに冷間圧延を可能ならしめ、工業的量産を可能ならし
める製造方法を提供することを目的とする。
超高珪素鋼板を、各種処理ラインに通板可能にするとと
もに冷間圧延を可能ならしめ、工業的量産を可能ならし
める製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴とする処
は、次の点にある。
は、次の点にある。
【0018】(1)重量比で、C≦0.006%、S
i:4.5〜7.1%、Mn:0.07〜0.30%、
S≦0.007%、total N≦0.003%、残
部:Feおよび不可避的不純物からなる熱間圧延板或は
鋳造薄板を、表面酸化物(スケール)が付着したままの
状態で板温度:150〜470℃の温度域で冷間圧延
し、然る後再結晶および粒成長を目的とする焼鈍を施す
ことを特徴とする超高珪素電磁鋼板の製造方法。
i:4.5〜7.1%、Mn:0.07〜0.30%、
S≦0.007%、total N≦0.003%、残
部:Feおよび不可避的不純物からなる熱間圧延板或は
鋳造薄板を、表面酸化物(スケール)が付着したままの
状態で板温度:150〜470℃の温度域で冷間圧延
し、然る後再結晶および粒成長を目的とする焼鈍を施す
ことを特徴とする超高珪素電磁鋼板の製造方法。
【0019】(2)重量比で、C≦0.006%、S
i:4.5〜7.1%、Mn:0.07〜0.30%、
S≦0.007%、total N≦0.003%、残
部:Feおよび不可避的不純物からなる熱間圧延板或は
鋳造薄板を、表面酸化物(スケール)が付着したままの
状態で板温度:150〜470℃の温度域で1.2mm
以下の厚さまで冷間圧延し、次いで、鋼板(ストリッ
プ)の曲げ部(ロール等)の直径が200mm以上に構
成された処理ラインに通板して表面酸化物(スケール)
を除去し、然る後再結晶および粒成長を目的とする焼鈍
を施すことを特徴とする超高珪素電磁鋼板の製造方法。
i:4.5〜7.1%、Mn:0.07〜0.30%、
S≦0.007%、total N≦0.003%、残
部:Feおよび不可避的不純物からなる熱間圧延板或は
鋳造薄板を、表面酸化物(スケール)が付着したままの
状態で板温度:150〜470℃の温度域で1.2mm
以下の厚さまで冷間圧延し、次いで、鋼板(ストリッ
プ)の曲げ部(ロール等)の直径が200mm以上に構
成された処理ラインに通板して表面酸化物(スケール)
を除去し、然る後再結晶および粒成長を目的とする焼鈍
を施すことを特徴とする超高珪素電磁鋼板の製造方法。
【0020】(3)重量比で、C≦0.006%、S
i:4.5〜7.1%、Mn:0.07〜0.30%、
S≦0.007%、total N≦0.003%、残
部:Feおよび不可避的不純物からなる熱間圧延板或は
鋳造薄板を、表面酸化物(スケール)が付着したままの
状態で板温度:150〜470℃の温度域で1.2mm
以下の厚さまで冷間圧延し、次いで、鋼板(ストリッ
プ)の曲げ部(ロール等)の直径が200mm以上に構
成された処理ラインに通板して表面酸化物(スケール)
を除去した後、冷間圧延を施して最終板厚とし、然る後
再結晶および粒成長を目的とする焼鈍を施すことを特徴
とする超高珪素電磁鋼板の製造方法。
i:4.5〜7.1%、Mn:0.07〜0.30%、
S≦0.007%、total N≦0.003%、残
部:Feおよび不可避的不純物からなる熱間圧延板或は
鋳造薄板を、表面酸化物(スケール)が付着したままの
状態で板温度:150〜470℃の温度域で1.2mm
以下の厚さまで冷間圧延し、次いで、鋼板(ストリッ
プ)の曲げ部(ロール等)の直径が200mm以上に構
成された処理ラインに通板して表面酸化物(スケール)
を除去した後、冷間圧延を施して最終板厚とし、然る後
再結晶および粒成長を目的とする焼鈍を施すことを特徴
とする超高珪素電磁鋼板の製造方法。
【0021】以下、本発明を詳細に説明する。極めて脆
い超高珪素鋼板を、工業的に量産するに際して解決され
ねばならない第1の技術的課題は、冷間圧延において材
料(ストリップ)に破断を生ぜしめないことである。第
2の技術的課題は、ストリップに折れ、割れを生起せし
めることなく、各種処理ラインに通板できるようにする
ことである。
い超高珪素鋼板を、工業的に量産するに際して解決され
ねばならない第1の技術的課題は、冷間圧延において材
料(ストリップ)に破断を生ぜしめないことである。第
2の技術的課題は、ストリップに折れ、割れを生起せし
めることなく、各種処理ラインに通板できるようにする
ことである。
【0022】先に述べた先行技術、たとえば特開昭61
−166923号公報に開示されている技術における問
題点即ち冷延板における“さざ波”状欠陥の発生或は極
めて低い温度で圧延しなければならないことに起因し
て、熱間圧延板の厚さを大きくせざるを得ない処から各
種処理ラインに通板できない、といった問題を解決すべ
く、発明者等は、図1に示す金属組織をもつ超高珪素鋼
熱間圧延について、室温(約25℃)で割れが発生する
までの曲げ回数に及ぼす熱間圧延板の厚さと曲げ直径の
影響を調べた。図2にその結果を示す。
−166923号公報に開示されている技術における問
題点即ち冷延板における“さざ波”状欠陥の発生或は極
めて低い温度で圧延しなければならないことに起因し
て、熱間圧延板の厚さを大きくせざるを得ない処から各
種処理ラインに通板できない、といった問題を解決すべ
く、発明者等は、図1に示す金属組織をもつ超高珪素鋼
熱間圧延について、室温(約25℃)で割れが発生する
までの曲げ回数に及ぼす熱間圧延板の厚さと曲げ直径の
影響を調べた。図2にその結果を示す。
【0023】図2から明らかなように、ストリップ曲げ
部の直径が大きくなるほどまた、熱間圧延板の板厚が薄
くなるほど割れが発生するまでの曲げ回数が増加する。
曲げ直径を大きくすることは、曲げ部を多数有する長大
な処理ラインのスペース(空間)を極めて大きなものと
し、工場建屋も必然的に大きなものを必要とし、設備コ
ストの面で問題となる。従来の一般的なストリップ処理
設備においては、ストリップの曲げ部の直径は、多くの
場合、200mm程度である。
部の直径が大きくなるほどまた、熱間圧延板の板厚が薄
くなるほど割れが発生するまでの曲げ回数が増加する。
曲げ直径を大きくすることは、曲げ部を多数有する長大
な処理ラインのスペース(空間)を極めて大きなものと
し、工場建屋も必然的に大きなものを必要とし、設備コ
ストの面で問題となる。従来の一般的なストリップ処理
設備においては、ストリップの曲げ部の直径は、多くの
場合、200mm程度である。
【0024】一方、熱間圧延板の板厚を薄くすると、熱
間圧延板の形状(平坦さ)が悪くなるから走行中にスト
リップが上下にばたつき、安定した通板が困難となるこ
と等から、熱間圧延板の厚さの下限は、実質的に1.4
mm程度となる。かかる状況に鑑み、発明者等は、超高
珪素鋼ストリップの曲げ回数≧30回が確保され、設備
的効率をも考慮して曲げ部の直径:200mm、板厚:
1.2mmの諸元でストリップを通板できるようにする
ことを目標にした。
間圧延板の形状(平坦さ)が悪くなるから走行中にスト
リップが上下にばたつき、安定した通板が困難となるこ
と等から、熱間圧延板の厚さの下限は、実質的に1.4
mm程度となる。かかる状況に鑑み、発明者等は、超高
珪素鋼ストリップの曲げ回数≧30回が確保され、設備
的効率をも考慮して曲げ部の直径:200mm、板厚:
1.2mmの諸元でストリップを通板できるようにする
ことを目標にした。
【0025】通常の珪素鋼板製造プロセスにおいては、
熱間圧延は酸洗によって表面のスケールを除去された後
冷間圧延される。発明者等は、たとえば酸洗ラインに安
定してストリップを通板できるようにすべく、熱間圧延
板を直接的に冷間圧延することを考えた。
熱間圧延は酸洗によって表面のスケールを除去された後
冷間圧延される。発明者等は、たとえば酸洗ラインに安
定してストリップを通板できるようにすべく、熱間圧延
板を直接的に冷間圧延することを考えた。
【0026】そこで、発明者等は、表面にスケールが付
着したままの熱間圧延板を直接的に冷間圧延してみた。
驚くべきことに、材料(ストリップ)温度を僅か150
℃程度まで高めることによって、Siを6.5%前後含
有する超高珪素鋼ストリップの場合、スケールの破砕、
剥離を全く生じることなく冷間圧延することができた。
着したままの熱間圧延板を直接的に冷間圧延してみた。
驚くべきことに、材料(ストリップ)温度を僅か150
℃程度まで高めることによって、Siを6.5%前後含
有する超高珪素鋼ストリップの場合、スケールの破砕、
剥離を全く生じることなく冷間圧延することができた。
【0027】従来の知見によれば、たとえば特公昭59
−289号公報、特公昭60−40921号公報に開示
されているように、表面にスケールが付着したままの熱
間圧延板を直接的に冷間圧延すると、スケールが破砕、
剥離して問題となり、これまで工業的量産規模でかかる
冷間圧延は行われていない。
−289号公報、特公昭60−40921号公報に開示
されているように、表面にスケールが付着したままの熱
間圧延板を直接的に冷間圧延すると、スケールが破砕、
剥離して問題となり、これまで工業的量産規模でかかる
冷間圧延は行われていない。
【0028】発明者等は、超高珪素鋼ストリップを15
0〜470℃の温度域で圧延すると、熱間圧延表面のス
ケールが全く剥離することなく圧延できるという画期的
な現象を発見した。以下、この知見について、詳細に説
明する。
0〜470℃の温度域で圧延すると、熱間圧延表面のス
ケールが全く剥離することなく圧延できるという画期的
な現象を発見した。以下、この知見について、詳細に説
明する。
【0029】重量比で、Si:6.52%、C:0.0
03%、Mn:0.16%、P:0.005%、S:
0.001%、total N:0.0013%、残
部:実質的にFeからなる50kg鋼塊を、1200℃
に加熱した後熱間圧延し、得られた熱間圧延板を再度加
熱し、1100℃で仕上熱間圧延を開始し6パスで2.
3mm厚さとした。
03%、Mn:0.16%、P:0.005%、S:
0.001%、total N:0.0013%、残
部:実質的にFeからなる50kg鋼塊を、1200℃
に加熱した後熱間圧延し、得られた熱間圧延板を再度加
熱し、1100℃で仕上熱間圧延を開始し6パスで2.
3mm厚さとした。
【0030】圧延仕上げ温度は、980℃であった(A
コイル)。比較のため、35mm厚さに粗熱間圧延した
材料を、1200℃に加熱した後800℃で仕上熱間圧
延を開始し、6パスで2.3mm厚さに仕上げた。圧延
仕上温度は、690℃であった(Bコイル)。
コイル)。比較のため、35mm厚さに粗熱間圧延した
材料を、1200℃に加熱した後800℃で仕上熱間圧
延を開始し、6パスで2.3mm厚さに仕上げた。圧延
仕上温度は、690℃であった(Bコイル)。
【0031】このA,B2コイルについて、酸洗によっ
て表面酸化物(スケール)を除去したもの、表面酸化物
(スケール)が付着したままのものの2グループに分け
て材料温度:1)室温(約23℃)、2)150℃、
3)270℃、4)440℃で圧延した。このときの材
料(ストリップ)の割れ状況と表面酸化物(スケール)
の剥離程度を、表1に示す。
て表面酸化物(スケール)を除去したもの、表面酸化物
(スケール)が付着したままのものの2グループに分け
て材料温度:1)室温(約23℃)、2)150℃、
3)270℃、4)440℃で圧延した。このときの材
料(ストリップ)の割れ状況と表面酸化物(スケール)
の剥離程度を、表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】図3(a)に、Aコイルを室温で圧延した
ストリップ表面を、図3(b)に、Aコイルを270℃
で圧延したストリップ表面を示す。なお、Bコイルにつ
いては、熱間圧延板の形状(平坦さ)が悪く、冷間圧延
可能なものは僅かであった。
ストリップ表面を、図3(b)に、Aコイルを270℃
で圧延したストリップ表面を示す。なお、Bコイルにつ
いては、熱間圧延板の形状(平坦さ)が悪く、冷間圧延
可能なものは僅かであった。
【0034】A,Bコイルともに、室温で圧延したもの
は表面酸化物(スケール)の破砕、剥離が甚だしく、剥
落したスケールが圧延油に混入したり圧延ロールに付着
したりして圧延材表面に疵を発生する等の問題を生じ
た。圧延温度を150℃,270℃,440℃と高めて
いくと、表面酸化物(スケール)の破砕、剥離は全くな
く、圧延は順調に行われた。
は表面酸化物(スケール)の破砕、剥離が甚だしく、剥
落したスケールが圧延油に混入したり圧延ロールに付着
したりして圧延材表面に疵を発生する等の問題を生じ
た。圧延温度を150℃,270℃,440℃と高めて
いくと、表面酸化物(スケール)の破砕、剥離は全くな
く、圧延は順調に行われた。
【0035】冷間圧延における材料の割れの発生に関し
て説明すると、Bコイルは室温での圧延でも比較的良好
な圧延が遂行できた。材料温度を高くするに従ってさら
に安定した圧延が遂行できた。Aコイルを室温で圧延す
ると材料割れが甚だしく、最終板厚に至る以前の途中板
厚の段階から圧延の遂行が不可能となった。しかし、圧
延温度を高くすると材料割れの発生もなく良好な圧延が
可能となった。
て説明すると、Bコイルは室温での圧延でも比較的良好
な圧延が遂行できた。材料温度を高くするに従ってさら
に安定した圧延が遂行できた。Aコイルを室温で圧延す
ると材料割れが甚だしく、最終板厚に至る以前の途中板
厚の段階から圧延の遂行が不可能となった。しかし、圧
延温度を高くすると材料割れの発生もなく良好な圧延が
可能となった。
【0036】このように、材料温度を150℃以上とし
て冷間圧延すると、熱間圧延工程において歩留り低下を
余儀なくされる苛酷な低温圧延を行わなくとも、通常の
量産普通鋼熱間圧延条件で圧延した超高珪素鋼板でも割
れを発生することなく、安定した圧延の遂行が可能とな
る。しかも、本発明の冷間圧延条件による圧延によれ
ば、材料に表面酸化物(スケール)が付着したままで冷
間圧延が可能であることを、発明者等は見出だした。
て冷間圧延すると、熱間圧延工程において歩留り低下を
余儀なくされる苛酷な低温圧延を行わなくとも、通常の
量産普通鋼熱間圧延条件で圧延した超高珪素鋼板でも割
れを発生することなく、安定した圧延の遂行が可能とな
る。しかも、本発明の冷間圧延条件による圧延によれ
ば、材料に表面酸化物(スケール)が付着したままで冷
間圧延が可能であることを、発明者等は見出だした。
【0037】従来、超高珪素鋼板を300℃前後の温度
域で圧延すると、材料表面酸化物(スケール)が付着し
たままで、スケールを破砕、剥離せしめることなく圧延
することができる、という知見は全く知られておらず、
新規な知見である。
域で圧延すると、材料表面酸化物(スケール)が付着し
たままで、スケールを破砕、剥離せしめることなく圧延
することができる、という知見は全く知られておらず、
新規な知見である。
【0038】この温度域で圧延すると、スケールを破
砕、剥離せしめることなく圧延することができる詳細な
メカニズムは不明であるが、図4(a)に示す熱間圧延
板の表面酸化物(スケール)の断面組織、図4(b)に
示す冷間圧延板の表面酸化物(スケール)の断面組織、
図5(a)に示す熱間圧延板の表面酸化物(スケール)
のSEM像、図5(b)に示す冷間圧延板の表面酸化物
(スケール)のSEM像から明らかなように、冷間圧延
板の表面酸化物(スケール)は、均一に薄く延伸せしめ
られ、割れもなく鋼板に密着している。
砕、剥離せしめることなく圧延することができる詳細な
メカニズムは不明であるが、図4(a)に示す熱間圧延
板の表面酸化物(スケール)の断面組織、図4(b)に
示す冷間圧延板の表面酸化物(スケール)の断面組織、
図5(a)に示す熱間圧延板の表面酸化物(スケール)
のSEM像、図5(b)に示す冷間圧延板の表面酸化物
(スケール)のSEM像から明らかなように、冷間圧延
板の表面酸化物(スケール)は、均一に薄く延伸せしめ
られ、割れもなく鋼板に密着している。
【0039】次に、本発明の成分系およびプロセスの限
定条件について説明する。Cは不純物として最終製品に
残存すると、磁気特性を劣化させるから可及的にその含
有量が少ない方がよい。特に、C含有量が0.006%
を超えると、製品の磁気特性を大きく劣化させる。ま
た、冷間圧延性(冷間圧延し易さ)の観点からも、C含
有量は少ない方がよい。
定条件について説明する。Cは不純物として最終製品に
残存すると、磁気特性を劣化させるから可及的にその含
有量が少ない方がよい。特に、C含有量が0.006%
を超えると、製品の磁気特性を大きく劣化させる。ま
た、冷間圧延性(冷間圧延し易さ)の観点からも、C含
有量は少ない方がよい。
【0040】Siは、本発明の目的が磁歪が最小となる
略6.5%Si鉄の薄板製品を工業的に量産し得るプロ
セスにあることから、6.5%を中心に若干の上下幅を
もつ範囲内であればよい。Si含有量の下限は、従来市
販されていない珪素鋼板のSi含有量範囲で5.0%と
し、可及的に6.5%に近い量であることが本発明の目
的に合う。Si含有量の上限は、7.1%である。Si
含有量が7.1%を超えると、冷間加工性の劣化が顕著
となるのみならず、製品の磁気特性は良くならない。
略6.5%Si鉄の薄板製品を工業的に量産し得るプロ
セスにあることから、6.5%を中心に若干の上下幅を
もつ範囲内であればよい。Si含有量の下限は、従来市
販されていない珪素鋼板のSi含有量範囲で5.0%と
し、可及的に6.5%に近い量であることが本発明の目
的に合う。Si含有量の上限は、7.1%である。Si
含有量が7.1%を超えると、冷間加工性の劣化が顕著
となるのみならず、製品の磁気特性は良くならない。
【0041】Mnは、0.07〜0.30%の範囲内で
冷間圧延における材料破断率を低下せしめ、特に、板厚
が0.20mm以下の薄い範囲で添加効果を発揮する。
冷間圧延における材料破断率を低下せしめ、特に、板厚
が0.20mm以下の薄い範囲で添加効果を発揮する。
【0042】Sは、その含有量が少ないほど材料の冷間
加工性を良好ならしめる。また、Sが不純物として最終
製品に残存すると磁性を劣化させるから、この観点から
もS含有量は可及的に少ない方がよい。かかる理由から
S含有量を0.007%以下とする。S含有量の下限
は、可及的に低いほどよいけれども、一般的な工業的精
練技術では0.0008%程度が限界である。
加工性を良好ならしめる。また、Sが不純物として最終
製品に残存すると磁性を劣化させるから、この観点から
もS含有量は可及的に少ない方がよい。かかる理由から
S含有量を0.007%以下とする。S含有量の下限
は、可及的に低いほどよいけれども、一般的な工業的精
練技術では0.0008%程度が限界である。
【0043】Nは不純物として最終製品残存すると、製
品の磁気特性を劣化させるからその含有量は可及的に少
ない方がよい。また、冷間圧延性の観点からもN含有量
は少ない方がよい。上記以外の成分については、特に限
定しない。
品の磁気特性を劣化させるからその含有量は可及的に少
ない方がよい。また、冷間圧延性の観点からもN含有量
は少ない方がよい。上記以外の成分については、特に限
定しない。
【0044】次に、本発明におけるプロセスについて説
明する。上記限定範囲内に調整された成分系を有する溶
鋼は鋳造され、得られたスラブは熱間圧延される。熱間
圧延については、特に限定されない。一般的に量産普通
鋼における熱間圧延条件、たとえば仕上熱間圧延開始温
度:1070℃、仕上熱間圧延終了温度:980℃とい
うように比較的高温での熱間圧延でよい。このように、
本発明においては、高温域の材料が軟らかい状態で圧延
して差し支えないから、形状(平坦さ)の良好な薄い熱
間圧延板を製造することができる。
明する。上記限定範囲内に調整された成分系を有する溶
鋼は鋳造され、得られたスラブは熱間圧延される。熱間
圧延については、特に限定されない。一般的に量産普通
鋼における熱間圧延条件、たとえば仕上熱間圧延開始温
度:1070℃、仕上熱間圧延終了温度:980℃とい
うように比較的高温での熱間圧延でよい。このように、
本発明においては、高温域の材料が軟らかい状態で圧延
して差し支えないから、形状(平坦さ)の良好な薄い熱
間圧延板を製造することができる。
【0045】溶鋼の鋳造条件について、本発明において
は特に限定されない。一般的な連続鋳造プロセスを採用
することができる。一方、最近、その実用化技術が開発
されつつある薄板鋳造法、即ち、溶鋼を直接的に2.0
mm前後の薄帯に連続鋳造し、熱間圧延を省略或は鋳造
薄帯に形状矯正程度の軽圧下を適用する圧延を施して、
冷間圧延素材とする鋳造プロセスによって得られたスト
リップも、本発明における冷間圧延素材とすることがで
きる。しかし、薄板鋳造プロセスによって得られたスト
リップは、図6に示すように等軸粒からなっており、熱
間圧延によって得られたストリップに比し結晶粒が大き
く、冷間圧延性が若干劣る。
は特に限定されない。一般的な連続鋳造プロセスを採用
することができる。一方、最近、その実用化技術が開発
されつつある薄板鋳造法、即ち、溶鋼を直接的に2.0
mm前後の薄帯に連続鋳造し、熱間圧延を省略或は鋳造
薄帯に形状矯正程度の軽圧下を適用する圧延を施して、
冷間圧延素材とする鋳造プロセスによって得られたスト
リップも、本発明における冷間圧延素材とすることがで
きる。しかし、薄板鋳造プロセスによって得られたスト
リップは、図6に示すように等軸粒からなっており、熱
間圧延によって得られたストリップに比し結晶粒が大き
く、冷間圧延性が若干劣る。
【0046】熱間圧延板或は鋳造薄帯は、表面酸化物
(スケール)が付着したままの状態で材料温度:150
〜470℃の温度域で冷間圧延される。材料(板或はス
トリップ)温度が470℃を超えると、圧延潤滑剤の劣
化が甚だしく圧延の遂行が極めて困難となる。また、材
料温度が470℃を超えると、板厚制御も困難となる。
(スケール)が付着したままの状態で材料温度:150
〜470℃の温度域で冷間圧延される。材料(板或はス
トリップ)温度が470℃を超えると、圧延潤滑剤の劣
化が甚だしく圧延の遂行が極めて困難となる。また、材
料温度が470℃を超えると、板厚制御も困難となる。
【0047】材料温度が150〜470℃の範囲内にあ
れば、表面酸化物(スケール)の破砕、剥離もなくま
た、材料に割れを惹起することもなく冷間圧延が可能で
あり、保定時間を採ることは基本的に必要ではない。
れば、表面酸化物(スケール)の破砕、剥離もなくま
た、材料に割れを惹起することもなく冷間圧延が可能で
あり、保定時間を採ることは基本的に必要ではない。
【0048】この条件の下に材料は最終板厚まで冷間圧
延され、次いで、機械的手段たとえばショット・ブラス
ト、熱的手段例えばレーザ・ビーム照射、化学的手段た
とえば酸洗等のスケール除去手段によって表面の酸化物
(スケール)を除去される。しかし、本発明の方法によ
って得られた冷間圧延板における表面のスケールは、均
一で薄く密着性も良好であるからそのまま絶縁被膜とし
て機能させることができる。
延され、次いで、機械的手段たとえばショット・ブラス
ト、熱的手段例えばレーザ・ビーム照射、化学的手段た
とえば酸洗等のスケール除去手段によって表面の酸化物
(スケール)を除去される。しかし、本発明の方法によ
って得られた冷間圧延板における表面のスケールは、均
一で薄く密着性も良好であるからそのまま絶縁被膜とし
て機能させることができる。
【0049】冷間圧延板における表面のスケールを絶縁
被膜として機能させるときは、スケール除去は行わな
い。材料を最終板厚まで冷間圧延したものをスケール除
去する場合、スケール除去ラインの生産性が低下するか
ら、冷間圧延工程の途中段階で材料表面のスケールを除
去し、然る後最終板厚まで冷間圧延するプロセスを採る
こともできる。
被膜として機能させるときは、スケール除去は行わな
い。材料を最終板厚まで冷間圧延したものをスケール除
去する場合、スケール除去ラインの生産性が低下するか
ら、冷間圧延工程の途中段階で材料表面のスケールを除
去し、然る後最終板厚まで冷間圧延するプロセスを採る
こともできる。
【0050】前記冷間圧延工程の途中段階で材料表面の
スケールを除去するプロセスを採る場合、スケール除去
ラインにおいて材料に割れの発生がなく安定した操業が
できるようにするために、ストリップ曲げ部の直径:2
00mmで30回以上の繰り返し曲げに耐える板厚であ
る1.2mm以下の厚さまで冷間圧延した後、スケール
除去するようにすることが望ましい。
スケールを除去するプロセスを採る場合、スケール除去
ラインにおいて材料に割れの発生がなく安定した操業が
できるようにするために、ストリップ曲げ部の直径:2
00mmで30回以上の繰り返し曲げに耐える板厚であ
る1.2mm以下の厚さまで冷間圧延した後、スケール
除去するようにすることが望ましい。
【0051】最終板厚とされた冷間圧延板は、表面スケ
ールのある場合、無い場合に何れにしても、800〜1
020℃の温度域で焼鈍し、再結晶と粒成長を行わしめ
て製品とする。焼鈍時間は、温度が低いときは長く、温
度が高いときは短くなり、30秒間〜3時間程度が採用
される。
ールのある場合、無い場合に何れにしても、800〜1
020℃の温度域で焼鈍し、再結晶と粒成長を行わしめ
て製品とする。焼鈍時間は、温度が低いときは長く、温
度が高いときは短くなり、30秒間〜3時間程度が採用
される。
【0052】本発明によって、極めて脆い超高珪素電磁
鋼板に折れ或は割れを生ぜしめることなく各種処理ライ
ンに通板することが可能となる。
鋼板に折れ或は割れを生ぜしめることなく各種処理ライ
ンに通板することが可能となる。
【0053】叙上のように、本発明においては、材料が
脆いために繰り返し曲げに耐えられない厚い熱間圧延板
の段階で、表面にスケールが付着した状態のまま、材料
に割れを発生させることなく冷間圧延して薄くすること
に成功したから、以降の工程で多数回の繰り返し曲げに
耐えられ、各種処理ラインに通板することが可能とな
る。而して、再結晶および粒成長を目的とする焼鈍を施
す段階では最終板厚となっており、焼鈍後は曲げを伴う
マテリアル・ハンドリングに十分耐えられる。
脆いために繰り返し曲げに耐えられない厚い熱間圧延板
の段階で、表面にスケールが付着した状態のまま、材料
に割れを発生させることなく冷間圧延して薄くすること
に成功したから、以降の工程で多数回の繰り返し曲げに
耐えられ、各種処理ラインに通板することが可能とな
る。而して、再結晶および粒成長を目的とする焼鈍を施
す段階では最終板厚となっており、焼鈍後は曲げを伴う
マテリアル・ハンドリングに十分耐えられる。
【0054】
(実施例1)0.004%C、6.53%Si、0.1
3%Mn、0.001%S、0.0017%N、残部が
Feおよび不可避的不純物である50kgインゴットを
作成し、1200℃で加熱し、8パスの熱間加工により
仕上温度約1000℃で1.8mm厚の鋼板とした。
3%Mn、0.001%S、0.0017%N、残部が
Feおよび不可避的不純物である50kgインゴットを
作成し、1200℃で加熱し、8パスの熱間加工により
仕上温度約1000℃で1.8mm厚の鋼板とした。
【0055】この鋼板から幅8cm×長さ12cm×4
0枚を準備し、各10枚ずつについて表面酸化物スケー
ルを付けたまま、板温を室温(約23℃)、180
℃、300℃、450℃で冷間圧延した。この時の
スケール剥離状況と、冷間圧延割れを表2に示した。
0枚を準備し、各10枚ずつについて表面酸化物スケー
ルを付けたまま、板温を室温(約23℃)、180
℃、300℃、450℃で冷間圧延した。この時の
スケール剥離状況と、冷間圧延割れを表2に示した。
【0056】
【表2】
【0057】圧延温度が180℃,300℃,450℃
のものは冷間圧延割れも無く、かつスケール剥離も無
く、安定した冷間圧延が可能であった。これに対し圧延
温度が室温のものは、冷間圧延割れが激しく、1.5m
m厚以下は不可能であった。しかも、圧延の最初からス
ケールの破砕、剥離が多く、1.5mm厚時点で、表面
からみて50%以上のスケールが剥離した。
のものは冷間圧延割れも無く、かつスケール剥離も無
く、安定した冷間圧延が可能であった。これに対し圧延
温度が室温のものは、冷間圧延割れが激しく、1.5m
m厚以下は不可能であった。しかも、圧延の最初からス
ケールの破砕、剥離が多く、1.5mm厚時点で、表面
からみて50%以上のスケールが剥離した。
【0058】(実施例2)実施例1の熱延板について、
幅8cm×長さ15cm×40枚を準備し、表面酸化物
スケールを付けたまま板温280℃で板厚1.5m
m、1.2mm、0.5mm、0.35mmまで
冷間圧延した。この材料について直径200mmの円筒
に沿わして曲げた時の破断に至るまでの曲げ回数の平均
を表3に示した。なお、比較のため熱延板についても示
した。
幅8cm×長さ15cm×40枚を準備し、表面酸化物
スケールを付けたまま板温280℃で板厚1.5m
m、1.2mm、0.5mm、0.35mmまで
冷間圧延した。この材料について直径200mmの円筒
に沿わして曲げた時の破断に至るまでの曲げ回数の平均
を表3に示した。なお、比較のため熱延板についても示
した。
【0059】
【表3】
【0060】板厚1.2mm,0.5mm,0.35m
mのものは破断に至るまでの曲げ回数が25回以上あ
り、曲げ加工に極めて安定していることが分る。
mのものは破断に至るまでの曲げ回数が25回以上あ
り、曲げ加工に極めて安定していることが分る。
【0061】(実施例3)0.003%C、6.5%S
i、0.14%Mn、0.001%S、0.0018%
N、残部がFeおよび不可避的不純物からなる溶鋼を、
双ロール間で鋳造し、熱延なしで直接に1.8mm厚の
薄鋳造板とした。この鋼板から幅8cm×長さ12cm
×40枚を準備し、各10枚ずつについて表面酸化物ス
ケールを付けたまま、板温を室温(約23℃)、2
00℃、300℃、450℃で圧延した。この時の
スケール剥離状況と、冷間圧延割れを表4に示した。
i、0.14%Mn、0.001%S、0.0018%
N、残部がFeおよび不可避的不純物からなる溶鋼を、
双ロール間で鋳造し、熱延なしで直接に1.8mm厚の
薄鋳造板とした。この鋼板から幅8cm×長さ12cm
×40枚を準備し、各10枚ずつについて表面酸化物ス
ケールを付けたまま、板温を室温(約23℃)、2
00℃、300℃、450℃で圧延した。この時の
スケール剥離状況と、冷間圧延割れを表4に示した。
【0062】
【表4】
【0063】圧延温度が200℃,300℃,450℃
のものは冷間圧延割れも無く、かつスケール剥離も無
く、安定した冷間圧延が可能であった。これに対し圧延
温度が室温のものは冷間圧延割れが激しく、1.7mm
厚以下は不可能であった。しかも、圧延の最初からスケ
ールの破砕、剥離が多く、1.7mm厚時点で、表面か
らみて40%以上のスケールが剥離した。
のものは冷間圧延割れも無く、かつスケール剥離も無
く、安定した冷間圧延が可能であった。これに対し圧延
温度が室温のものは冷間圧延割れが激しく、1.7mm
厚以下は不可能であった。しかも、圧延の最初からスケ
ールの破砕、剥離が多く、1.7mm厚時点で、表面か
らみて40%以上のスケールが剥離した。
【0064】(実施例4)実施例1の熱延板について幅
8cm×長さ15cm×30枚を準備し、10枚につい
て表面酸化物スケールを酸洗除去し、板温280℃で
0.35mm厚に冷間圧延し、900℃で60secの
焼鈍を行ない、約1.5μm厚のクロム酸素の絶縁被膜
をコーティングした(A)。10枚については表面酸化
物スケールを付けたまま280℃で、0.8mm厚まで
冷間圧延後、表面酸化物スケールを酸洗で除去し、さら
に板温280℃で0.35mm厚まで冷間圧延した。そ
の後(A)と同じ条件で焼鈍、コーティングを行なった
(B)。10枚については表面酸化物スケールを付けた
まま板温280℃で0.35mm厚まで冷間圧延した。
その後900℃×60secの焼鈍を行なった(C)。
(A),(B),(C)の成品について磁気特性を表5
に示した。
8cm×長さ15cm×30枚を準備し、10枚につい
て表面酸化物スケールを酸洗除去し、板温280℃で
0.35mm厚に冷間圧延し、900℃で60secの
焼鈍を行ない、約1.5μm厚のクロム酸素の絶縁被膜
をコーティングした(A)。10枚については表面酸化
物スケールを付けたまま280℃で、0.8mm厚まで
冷間圧延後、表面酸化物スケールを酸洗で除去し、さら
に板温280℃で0.35mm厚まで冷間圧延した。そ
の後(A)と同じ条件で焼鈍、コーティングを行なった
(B)。10枚については表面酸化物スケールを付けた
まま板温280℃で0.35mm厚まで冷間圧延した。
その後900℃×60secの焼鈍を行なった(C)。
(A),(B),(C)の成品について磁気特性を表5
に示した。
【0065】
【表5】
【0066】いずれについても、同じ磁気特性が得られ
た。但し(C)については焼鈍時に強い還元性雰囲気で
行なうと、表面酸化物スケールが変質するので注意する
必要がある。
た。但し(C)については焼鈍時に強い還元性雰囲気で
行なうと、表面酸化物スケールが変質するので注意する
必要がある。
【0067】(実施例5)0.004%C、6.45%
Si、0.14%Mn、0.0017%N、残部がFe
および不可避的不純物である溶鋼を250mm厚の連続
鋳造片とし、1200℃で加熱後、粗圧延で35mm厚
にし、仕上熱延を、開始1120℃、終了1020℃で
行ない、2.0mm厚熱延板とした。表面酸化物スケー
ルを付けたまま板温300℃で0.8mm厚まで冷間圧
延した。その後、全長約70mの長大酸洗ラインを通板
した。
Si、0.14%Mn、0.0017%N、残部がFe
および不可避的不純物である溶鋼を250mm厚の連続
鋳造片とし、1200℃で加熱後、粗圧延で35mm厚
にし、仕上熱延を、開始1120℃、終了1020℃で
行ない、2.0mm厚熱延板とした。表面酸化物スケー
ルを付けたまま板温300℃で0.8mm厚まで冷間圧
延した。その後、全長約70mの長大酸洗ラインを通板
した。
【0068】その後、板温220℃で0.35mm厚ま
で冷間圧延した。さらに脱脂ラインを通板し、全長約1
00mを超える長大焼鈍ラインを通板し、870℃×3
0secの焼鈍を行ない、クロム酸系の絶縁被膜コーテ
ィングを行なった。冷間圧延、酸洗、焼鈍、コーティン
グについていずれのライン通板も割れが無く、成品が得
られた。この時の磁気特性もB8=1.32T,W
10/50=0.73w/kg,W10/400=1
0.9w/kgであり、良好であった。
で冷間圧延した。さらに脱脂ラインを通板し、全長約1
00mを超える長大焼鈍ラインを通板し、870℃×3
0secの焼鈍を行ない、クロム酸系の絶縁被膜コーテ
ィングを行なった。冷間圧延、酸洗、焼鈍、コーティン
グについていずれのライン通板も割れが無く、成品が得
られた。この時の磁気特性もB8=1.32T,W
10/50=0.73w/kg,W10/400=1
0.9w/kgであり、良好であった。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、極めて脆く冷間圧延を
における材料割れ、処理ラインに通板するときの曲げ部
における材料折損、割れを惹起するために工業的量産が
困難であった略6.5%Si含有鋼を、熱間圧延条件に
厳しい条件を設けることなく材料破断、割れを生ぜしめ
ることなく冷間圧延可能にするとともに、従来、電磁鋼
板製造のために一般的に用いられている処理ラインで、
曲げ部での材料折損、割れを惹起することなく取扱い得
るから、磁気特性に優れた超高珪素鋼板を低コストで工
業的に量産でき、産業上大きな効果を奏する。
における材料割れ、処理ラインに通板するときの曲げ部
における材料折損、割れを惹起するために工業的量産が
困難であった略6.5%Si含有鋼を、熱間圧延条件に
厳しい条件を設けることなく材料破断、割れを生ぜしめ
ることなく冷間圧延可能にするとともに、従来、電磁鋼
板製造のために一般的に用いられている処理ラインで、
曲げ部での材料折損、割れを惹起することなく取扱い得
るから、磁気特性に優れた超高珪素鋼板を低コストで工
業的に量産でき、産業上大きな効果を奏する。
【図1】従来の量産普通鋼における熱間圧延条件である
仕上熱間圧延開始温度:1090℃、仕上熱間圧延終了
温度:1000℃として熱間圧延した熱間圧延板の厚さ
方向における結晶組織を示す顕微鏡写真である。
仕上熱間圧延開始温度:1090℃、仕上熱間圧延終了
温度:1000℃として熱間圧延した熱間圧延板の厚さ
方向における結晶組織を示す顕微鏡写真である。
【図2】超高珪素鋼熱間圧延板の厚さと、処理ラインに
おける曲げ部で材料に折損或は割れが発生するまでの曲
げ回数の関係を、曲げ部直径水準別に示す図表である。
おける曲げ部で材料に折損或は割れが発生するまでの曲
げ回数の関係を、曲げ部直径水準別に示す図表である。
【図3】(a)は、従来の量産普通鋼における熱間圧延
条件で圧延した超高珪素鋼板ストリップを表面酸化物
(スケール)が付着したままの状態で、室温で圧延した
ときのストリップ表面性状を示す写真である。(b)
は、従来の量産普通鋼における熱間圧延条件で圧延した
超高珪素鋼板ストリップを表面酸化物(スケール)が付
着したままの状態で、材料温度を270℃として圧延し
て得られた冷間圧延板の表面性状を示す写真である。
条件で圧延した超高珪素鋼板ストリップを表面酸化物
(スケール)が付着したままの状態で、室温で圧延した
ときのストリップ表面性状を示す写真である。(b)
は、従来の量産普通鋼における熱間圧延条件で圧延した
超高珪素鋼板ストリップを表面酸化物(スケール)が付
着したままの状態で、材料温度を270℃として圧延し
て得られた冷間圧延板の表面性状を示す写真である。
【図4】(a)は、熱間圧延板の表面酸化物(スケー
ル)の断面組織を示す写真である。(b)は本発明によ
る方法によって冷間圧延された超高珪素鋼板の表面酸化
物(スケール)の断面組織を示す写真である。
ル)の断面組織を示す写真である。(b)は本発明によ
る方法によって冷間圧延された超高珪素鋼板の表面酸化
物(スケール)の断面組織を示す写真である。
【図5】(a)は、熱間圧延板の表面酸化物(スケー
ル)のSEM像を示す写真である。(b)は本発明によ
る方法によって冷間圧延された超高珪素鋼板の表面酸化
物(スケール)のSEM像を示す写真である。
ル)のSEM像を示す写真である。(b)は本発明によ
る方法によって冷間圧延された超高珪素鋼板の表面酸化
物(スケール)のSEM像を示す写真である。
【図6】溶鋼から鋳造によって直接的に得られたストリ
ップの断面組織を示す写真である。
ップの断面組織を示す写真である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】一方、高珪素鋼の冷延性(冷間圧延し易
さ)を向上せしめる手段として、6.5%Si鉄中に第
三元素を合金化することが発表されている。たとえば、
C.A.ClarkらはIEE.113(1966),
p.345に、Niを第三元素として添加することを、
K.Naritaらは、IEEE Trans.Ma
g.14(1978),p.258にMnを第三元素と
して添加することを提案している。一方、特開平01−
299702号公報は、高珪素鋼板において、鋼板温度
を350〜450℃として圧延する方法および装置を開
示している。
さ)を向上せしめる手段として、6.5%Si鉄中に第
三元素を合金化することが発表されている。たとえば、
C.A.ClarkらはIEE.113(1966),
p.345に、Niを第三元素として添加することを、
K.Naritaらは、IEEE Trans.Ma
g.14(1978),p.258にMnを第三元素と
して添加することを提案している。一方、特開平01−
299702号公報は、高珪素鋼板において、鋼板温度
を350〜450℃として圧延する方法および装置を開
示している。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】一方、熱間圧延板の板厚を薄くすると、熱
間圧延板の形状(平坦さ)が悪くなるから走行中にスト
リップが上下にばたつき、安定した通板が困難となるこ
と等から、熱間圧延板の厚さの下限は、実質的に1.4
mm程度となる。かかる状況に鑑み、発明者等は、超高珪
素鋼ストリップの曲げ回数≧30回程度が確保され、設
備的効率をも考慮して曲げ部の直径:200mm、板厚:
1.2mmの諸元でストリップを通板できるようにするこ
とを目標にした。
間圧延板の形状(平坦さ)が悪くなるから走行中にスト
リップが上下にばたつき、安定した通板が困難となるこ
と等から、熱間圧延板の厚さの下限は、実質的に1.4
mm程度となる。かかる状況に鑑み、発明者等は、超高珪
素鋼ストリップの曲げ回数≧30回程度が確保され、設
備的効率をも考慮して曲げ部の直径:200mm、板厚:
1.2mmの諸元でストリップを通板できるようにするこ
とを目標にした。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】通常の珪素鋼板製造プロセスにおいては、
熱間圧延板は酸洗によって表面のスケールを除去された
後冷間圧延される。発明者等は、たとえば酸洗ラインに
安定してストリップを通板できるようにすべく、熱間圧
延板を直接的に冷間圧延することを考えた。
熱間圧延板は酸洗によって表面のスケールを除去された
後冷間圧延される。発明者等は、たとえば酸洗ラインに
安定してストリップを通板できるようにすべく、熱間圧
延板を直接的に冷間圧延することを考えた。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】重量比で、Si:6.52%、C:0.0
03%、Mn:0.16%、P:0.005%、S:
0.001%、total N:0.0013%、残
部:実質的にFeからなる50kg鋼塊を、1200℃に
加熱した後熱間圧延し、得られた粗熱間圧延板を再度加
熱し、1100℃で仕上熱間圧延を開始し6パスで2.
3mm厚さとした。
03%、Mn:0.16%、P:0.005%、S:
0.001%、total N:0.0013%、残
部:実質的にFeからなる50kg鋼塊を、1200℃に
加熱した後熱間圧延し、得られた粗熱間圧延板を再度加
熱し、1100℃で仕上熱間圧延を開始し6パスで2.
3mm厚さとした。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】Siは、本発明の目的が磁歪が最小となる
略6.5%Si鉄の薄板製品を工業的に量産し得るプロ
セスにあることから、6.5%を中心に若干の上下幅を
もつ範囲内であればよい。Si含有量の下限は、従来市
販されていない珪素鋼板のSi含有量範囲で4.5%と
し、可及的に6.5%に近い量であることが本発明の目
的に合う。Si含有量の上限は、7.1%である。Si
含有量が7.1%を超えると、冷間加工性の劣化が顕著
となるのみならず、製品の磁気特性は良くならない。
略6.5%Si鉄の薄板製品を工業的に量産し得るプロ
セスにあることから、6.5%を中心に若干の上下幅を
もつ範囲内であればよい。Si含有量の下限は、従来市
販されていない珪素鋼板のSi含有量範囲で4.5%と
し、可及的に6.5%に近い量であることが本発明の目
的に合う。Si含有量の上限は、7.1%である。Si
含有量が7.1%を超えると、冷間加工性の劣化が顕著
となるのみならず、製品の磁気特性は良くならない。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正内容】
【0064】(実施例4)実施例1の熱延板について幅
8cm×長さ15cm×30枚を準備し、10枚について表
面酸化物スケールを酸洗除去し、板温280℃で0.3
5mm厚に冷間圧延し、900℃で60sec の焼鈍を行な
い、約1.5μm厚のクロム酸系の絶縁被膜をコーティ
ングした(A)。10枚については表面酸化物スケール
を付けたまま280℃で、0.8mm厚まで冷間圧延後、
表面酸化物スケールを酸洗で除去し、さらに板温280
℃で0.35mm厚まで冷間圧延した。その後(A)と同
じ条件で焼鈍、コーティングを行なった(B)。10枚
については表面酸化物スケールを付けたまま板温280
℃で0.35mm厚まで冷間圧延した。その後900℃×
60sec の焼鈍を行なった(C)。(A),(B),
(C)の成品について磁気特性を表5に示した。 ─────────────────────────────────────────────────────
8cm×長さ15cm×30枚を準備し、10枚について表
面酸化物スケールを酸洗除去し、板温280℃で0.3
5mm厚に冷間圧延し、900℃で60sec の焼鈍を行な
い、約1.5μm厚のクロム酸系の絶縁被膜をコーティ
ングした(A)。10枚については表面酸化物スケール
を付けたまま280℃で、0.8mm厚まで冷間圧延後、
表面酸化物スケールを酸洗で除去し、さらに板温280
℃で0.35mm厚まで冷間圧延した。その後(A)と同
じ条件で焼鈍、コーティングを行なった(B)。10枚
については表面酸化物スケールを付けたまま板温280
℃で0.35mm厚まで冷間圧延した。その後900℃×
60sec の焼鈍を行なった(C)。(A),(B),
(C)の成品について磁気特性を表5に示した。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】溶鋼から鋳造によって直接的に得られたストリ
ップの断面の結晶構造を示す写真である。 ─────────────────────────────────────────────────────
ップの断面の結晶構造を示す写真である。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】このA,B2コイルについて、表面酸化物
(スケール)が付着したまま、材料温度:1)室温(約
23℃)、2)150℃、3)270℃、4)440℃
で圧延した。このときの材料(ストリップ)の割れ状況
と表面酸化物(スケール)の剥離程度を、表1に示す。
(スケール)が付着したまま、材料温度:1)室温(約
23℃)、2)150℃、3)270℃、4)440℃
で圧延した。このときの材料(ストリップ)の割れ状況
と表面酸化物(スケール)の剥離程度を、表1に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小菅 健司 姫路市広畑区富士町1番地 新日本製鐵株 式会社広畑製鐵所内
Claims (3)
- 【請求項1】 重量比で、 C≦0.006%、 Si:4.5〜7.1%、 Mn:0.07〜0.30%、 S≦0.007%、 total N≦0.003%、 残部:Feおよび不可避的不純物 からなる熱間圧延板或は鋳造薄板を、表面酸化物(スケ
ール)が付着したままの状態で板温度:150〜470
℃の温度域で冷間圧延し、然る後再結晶および粒成長を
目的とする焼鈍を施すことを特徴とする超高珪素電磁鋼
板の製造方法。 - 【請求項2】 表面酸化物(スケール)が付着したまま
の状態で板温度:150〜470℃の温度域で1.2m
m以下の厚さまで冷間圧延し、次いで、鋼板(ストリッ
プ)の曲げ部(ロール等)の直径が200mm以上に構
成された処理ラインに通板して表面酸化物(スケール)
を除去し、然る後再結晶および粒成長を目的とする焼鈍
を施すことを特徴とする請求項1記載の超高珪素電磁鋼
板の製造方法。 - 【請求項3】 表面酸化物(スケール)が付着したまま
の状態で板温度:150〜470℃の温度域で1.2m
m以下の厚さまで冷間圧延し、次いで、鋼板(ストリッ
プ)の曲げ部(ロール等)の直径が200mm以上に構
成された処理ラインに通板して表面酸化物(スケール)
を除去した後、冷間圧延を施して最終板厚とし、然る後
再結晶および粒成長を目的とする焼鈍を施すことを特徴
とする請求項2記載の超高珪素電磁鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36080591A JPH06212260A (ja) | 1991-12-09 | 1991-12-09 | 超高珪素電磁鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36080591A JPH06212260A (ja) | 1991-12-09 | 1991-12-09 | 超高珪素電磁鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06212260A true JPH06212260A (ja) | 1994-08-02 |
Family
ID=18470997
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36080591A Pending JPH06212260A (ja) | 1991-12-09 | 1991-12-09 | 超高珪素電磁鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06212260A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6336906A (ja) * | 1986-07-31 | 1988-02-17 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 高珪素鉄板の圧延方法 |
JPH0365001A (ja) * | 1989-08-03 | 1991-03-20 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 移動装置 |
-
1991
- 1991-12-09 JP JP36080591A patent/JPH06212260A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6336906A (ja) * | 1986-07-31 | 1988-02-17 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 高珪素鉄板の圧延方法 |
JPH0365001A (ja) * | 1989-08-03 | 1991-03-20 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 移動装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19961224 |