JP2561161Y2 - 渦電流式減速装置 - Google Patents
渦電流式減速装置Info
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- JP2561161Y2 JP2561161Y2 JP1913693U JP1913693U JP2561161Y2 JP 2561161 Y2 JP2561161 Y2 JP 2561161Y2 JP 1913693 U JP1913693 U JP 1913693U JP 1913693 U JP1913693 U JP 1913693U JP 2561161 Y2 JP2561161 Y2 JP 2561161Y2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この考案は、バスやトラックなど
の大型車両に使用される渦電流式減速装置の改良に関す
る。
の大型車両に使用される渦電流式減速装置の改良に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】大型自動車の減速装置ないし制御装置と
しては主ブレーキであるフートブレーキ、補助ブレーキ
である排気ブレーキのほか、長い坂道の降坂時などで安
定した減速をおこない、かつフートブレーキの焼損を防
止するための渦電流式減速装置が使用されている。この
渦電流式減速装置の代表的なものの一つに、電磁コイル
に通電して磁界を発生させ、渦電流現象によって制動力
を得るものがあるが、これは鉄心に電磁コイルを巻着し
た電磁石を磁極として使用するため、重量が重く、かつ
電源となるバッテリの能力増強が必要となるなどの問題
があった。
しては主ブレーキであるフートブレーキ、補助ブレーキ
である排気ブレーキのほか、長い坂道の降坂時などで安
定した減速をおこない、かつフートブレーキの焼損を防
止するための渦電流式減速装置が使用されている。この
渦電流式減速装置の代表的なものの一つに、電磁コイル
に通電して磁界を発生させ、渦電流現象によって制動力
を得るものがあるが、これは鉄心に電磁コイルを巻着し
た電磁石を磁極として使用するため、重量が重く、かつ
電源となるバッテリの能力増強が必要となるなどの問題
があった。
【０００３】上記の電磁石を使用した渦電流式減速装置
の問題点を解決するため、永久磁石を磁極として使用
し、制動時の通電を必要としない渦電流式減速装置が、
種々発明されている（特開平１−２９８９４８号公報
等）。この永久磁石を磁極として使用した渦電流式減速
装置は、電磁石方式の渦電流式減速装置に比べ重量が軽
くコンパクトで消費電力が小さいなど多くの利点があ
る。
の問題点を解決するため、永久磁石を磁極として使用
し、制動時の通電を必要としない渦電流式減速装置が、
種々発明されている（特開平１−２９８９４８号公報
等）。この永久磁石を磁極として使用した渦電流式減速
装置は、電磁石方式の渦電流式減速装置に比べ重量が軽
くコンパクトで消費電力が小さいなど多くの利点があ
る。
【０００４】上記永久磁石方式の渦電流式減速装置は、
回転軸に軸支した支持体に、ヨーク用の磁石支持リング
を回転自在に軸支し、該磁石支持リングに永久磁石の複
数個を互いに極性を逆向きにして周設し、上記永久磁石
群の外周磁極面に互いに磁気的に絶縁した強磁性体の複
数個のスイッチ板を対向せしめ、上記回動自在に軸支し
た支持リングを支持体に対し所定角度回動自在に設けて
なる。
回転軸に軸支した支持体に、ヨーク用の磁石支持リング
を回転自在に軸支し、該磁石支持リングに永久磁石の複
数個を互いに極性を逆向きにして周設し、上記永久磁石
群の外周磁極面に互いに磁気的に絶縁した強磁性体の複
数個のスイッチ板を対向せしめ、上記回動自在に軸支し
た支持リングを支持体に対し所定角度回動自在に設けて
なる。
【０００５】上記の構成により、永久磁石とスイッチ板
が重なり合ったとき、隣接する永久磁石間には隣接する
スイッチ板およびローターの円筒部内周面を含めて磁気
回路が構成され、該円筒部内周面には渦電流現象が起こ
り、これにより制動トルクが発生し、その制動トルクに
見合って車両は減速される。
が重なり合ったとき、隣接する永久磁石間には隣接する
スイッチ板およびローターの円筒部内周面を含めて磁気
回路が構成され、該円筒部内周面には渦電流現象が起こ
り、これにより制動トルクが発生し、その制動トルクに
見合って車両は減速される。
【０００６】また、上記重なり位置から支持リングを回
動し、永久磁石が隣接するスイッチ板にそれぞれ半分ず
つ重なり合う状態にすれば、隣接する永久磁石間には１
枚のスイッチ板を含めて磁気回路が構成され、ローター
の円筒部内周面には永久磁石から発生する磁束が作用し
ないため、渦電流は流れず制動トルクは発生しない。
動し、永久磁石が隣接するスイッチ板にそれぞれ半分ず
つ重なり合う状態にすれば、隣接する永久磁石間には１
枚のスイッチ板を含めて磁気回路が構成され、ローター
の円筒部内周面には永久磁石から発生する磁束が作用し
ないため、渦電流は流れず制動トルクは発生しない。
【０００７】上記磁石支持リングの回転機構は、支持リ
ングから突設した腕を介して、油圧シリンダー、エアシ
リンダー、電動モーターなどの駆動源と連接したもの
や、ラック・ピニオンやリンク機構等の他の手段を利用
したものなど多岐に及ぶ。
ングから突設した腕を介して、油圧シリンダー、エアシ
リンダー、電動モーターなどの駆動源と連接したもの
や、ラック・ピニオンやリンク機構等の他の手段を利用
したものなど多岐に及ぶ。
【０００８】上記回動に必要な駆動力は、永久磁石が隣
接するスイッチ板にそれぞれ半分ずつ重なり合う状態か
ら支持リングを回動し始め、永久磁石の片側端部がスイ
ッチ板の重なり位置から離脱する際に最も大きくなる。
また、上記渦電流式減速装置は該永久磁石とスイッチ板
がそれぞれ円周上に等間隔で周設されているので、周設
されたすべての永久磁石の片側端部がスイッチ板の重な
り位置から同時に離脱するため、このときの駆動に要す
る力が大変大きくなり、これに見合うだけの大容量の駆
動源を設けることが必要となり、コスト増ならびに軽量
・コンパクト化を妨げる要因となっていた。
接するスイッチ板にそれぞれ半分ずつ重なり合う状態か
ら支持リングを回動し始め、永久磁石の片側端部がスイ
ッチ板の重なり位置から離脱する際に最も大きくなる。
また、上記渦電流式減速装置は該永久磁石とスイッチ板
がそれぞれ円周上に等間隔で周設されているので、周設
されたすべての永久磁石の片側端部がスイッチ板の重な
り位置から同時に離脱するため、このときの駆動に要す
る力が大変大きくなり、これに見合うだけの大容量の駆
動源を設けることが必要となり、コスト増ならびに軽量
・コンパクト化を妨げる要因となっていた。
【０００９】
【考案が解決しようとする課題】上記のごとく、従来の
永久磁石を使用した渦電流式減速装置は、磁石支持リン
グの回動に大きな力を必要とするため、大型・大容量の
駆動源を設けなくてはならず、減速装置の軽量・コンパ
クト化とコスト低減を果たすことができなかった。
永久磁石を使用した渦電流式減速装置は、磁石支持リン
グの回動に大きな力を必要とするため、大型・大容量の
駆動源を設けなくてはならず、減速装置の軽量・コンパ
クト化とコスト低減を果たすことができなかった。
【００１０】この考案は、上記の現状に鑑み、従来の永
久磁石を使用した渦電流式減速装置に見られる欠点を排
除することを目的とし、磁石支持リングに周設支持され
る永久磁石の配置を部分的に変えることにより、回動に
必要な駆動力の低減を図り、軽量・コンパクト化とコス
ト低減を可能にした渦電流式減速装置を提供するもので
ある。
久磁石を使用した渦電流式減速装置に見られる欠点を排
除することを目的とし、磁石支持リングに周設支持され
る永久磁石の配置を部分的に変えることにより、回動に
必要な駆動力の低減を図り、軽量・コンパクト化とコス
ト低減を可能にした渦電流式減速装置を提供するもので
ある。
【００１１】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この考案の渦電流式減速装置は、回転軸に軸支した
支持体に、ヨーク用の磁石支持リングを回動自在に軸支
し、該磁石支持リングに永久磁石の複数個を互いに極性
を逆向きにして周設し、上記永久磁石群の外周磁極面に
互いに磁気的に絶縁した強磁性体の複数のスイッチ板を
対向せしめ、上記支持リングを支持体に対し所定角度回
動自在に設けた減速装置において、磁石支持リングに支
持される永久磁石の配設位置が、制動時においてスイッ
チ板の中央に永久磁石の中央が重なり合って対向支持さ
れる磁石群と、永久磁石の中央がスイッチ板の中央より
回転方向に所定角度ずれて対向支持される磁石群と、永
久磁石の中央がスイッチ板の中央より上記回転方向とは
逆向きに所定角度ずれて対向支持される磁石群とを上記
支持リングに円周配設してなる。
め、この考案の渦電流式減速装置は、回転軸に軸支した
支持体に、ヨーク用の磁石支持リングを回動自在に軸支
し、該磁石支持リングに永久磁石の複数個を互いに極性
を逆向きにして周設し、上記永久磁石群の外周磁極面に
互いに磁気的に絶縁した強磁性体の複数のスイッチ板を
対向せしめ、上記支持リングを支持体に対し所定角度回
動自在に設けた減速装置において、磁石支持リングに支
持される永久磁石の配設位置が、制動時においてスイッ
チ板の中央に永久磁石の中央が重なり合って対向支持さ
れる磁石群と、永久磁石の中央がスイッチ板の中央より
回転方向に所定角度ずれて対向支持される磁石群と、永
久磁石の中央がスイッチ板の中央より上記回転方向とは
逆向きに所定角度ずれて対向支持される磁石群とを上記
支持リングに円周配設してなる。
【００１２】
【作用】この考案は、上記の構成により、図３に示すよ
うに各永久磁石６が隣接するスイッチ板７をまたいで両
側のスイッチ板に対向して重なり合う状態、すなわち制
動ＯＦＦの状態にすると、隣接する永久磁石６間にはこ
れと１枚のスイッチ板７とからなる磁気回路が構成され
る。このとき、ローターの円筒部１０の内周面には永久
磁石６から発生する磁束が侵入しないので制動力は発生
しない。
うに各永久磁石６が隣接するスイッチ板７をまたいで両
側のスイッチ板に対向して重なり合う状態、すなわち制
動ＯＦＦの状態にすると、隣接する永久磁石６間にはこ
れと１枚のスイッチ板７とからなる磁気回路が構成され
る。このとき、ローターの円筒部１０の内周面には永久
磁石６から発生する磁束が侵入しないので制動力は発生
しない。
【００１３】また上記制動ＯＦＦの状態から支持リング
５を回して、図４に示すように各永久磁石６とスイッチ
板７がそれぞれ重なり合ったとき、すなわち制動ＯＮの
状態では、隣接する各永久磁石６間には隣接するスイッ
チ板７およびローターの円筒部１０の内周面からなる磁
気回路が構成される。このとき、該円筒部内周面には永
久磁石６から発生する全ての磁束が作用し、渦電流現象
により制動力が発生する。制動ＯＦＦの状態から、支持
リング５を回動させると、磁気回路は徐々に上記制動Ｏ
ＦＦの状態から下記制動ＯＮの状態に切り替わるが、こ
のとき１つの永久磁石を移動させるのに必要な力は図５
に示すように、移動位置によって変化し、制動ＯＦＦと
制動ＯＮの状態の間で最大となる。
５を回して、図４に示すように各永久磁石６とスイッチ
板７がそれぞれ重なり合ったとき、すなわち制動ＯＮの
状態では、隣接する各永久磁石６間には隣接するスイッ
チ板７およびローターの円筒部１０の内周面からなる磁
気回路が構成される。このとき、該円筒部内周面には永
久磁石６から発生する全ての磁束が作用し、渦電流現象
により制動力が発生する。制動ＯＦＦの状態から、支持
リング５を回動させると、磁気回路は徐々に上記制動Ｏ
ＦＦの状態から下記制動ＯＮの状態に切り替わるが、こ
のとき１つの永久磁石を移動させるのに必要な力は図５
に示すように、移動位置によって変化し、制動ＯＦＦと
制動ＯＮの状態の間で最大となる。
【００１４】この考案においては、磁石支持リングに支
持される永久磁石の配設位置が、制動時においてスイッ
チ板の中央に永久磁石の中央が重なり合って対向支持さ
れる磁石群（図４のＡ部分）と、永久磁石の中央がスイ
ッチ板の中央より回転方向に所定角度ずれて対向支持さ
れる磁石群（図４のＢ部分）と、永久磁石の中央がスイ
ッチ板の中央より上記回転方向とは逆向きに所定角度ず
れて対向支持される磁石群（図４のＣ部分）からなる。
すなわち制動ＯＦＦの状態にあっては、隣接するスイッ
チ板７をまたいで両側のスイッチ板７に半分ずつ対向し
て重なり合う磁石群と、重なりの状態が左右どちらかの
スイッチ板７に片寄っている磁石群からなるので、この
考案の支持リングに周設されている上記３つの配設位置
の磁石群（Ａ群、Ｂ群、Ｃ群）の回動に要する力と位置
の関係は図５に示すようになり、各磁石群を移動させる
際の最大の力を要する位置にずれをもたらすことがで
き、これらの合計として支持リングを回動するのに必要
な最大の力を減少させることができる。図６は全ての永
久磁石が等間隔に円周配設された従来構成の支持リング
と、この考案の支持リングの回動に必要な力と位置の関
係を比較して示したものである。この結果より、この考
案の実施によれば、支持リングの回動に必要な力は減少
させ得ることがわかる。
持される永久磁石の配設位置が、制動時においてスイッ
チ板の中央に永久磁石の中央が重なり合って対向支持さ
れる磁石群（図４のＡ部分）と、永久磁石の中央がスイ
ッチ板の中央より回転方向に所定角度ずれて対向支持さ
れる磁石群（図４のＢ部分）と、永久磁石の中央がスイ
ッチ板の中央より上記回転方向とは逆向きに所定角度ず
れて対向支持される磁石群（図４のＣ部分）からなる。
すなわち制動ＯＦＦの状態にあっては、隣接するスイッ
チ板７をまたいで両側のスイッチ板７に半分ずつ対向し
て重なり合う磁石群と、重なりの状態が左右どちらかの
スイッチ板７に片寄っている磁石群からなるので、この
考案の支持リングに周設されている上記３つの配設位置
の磁石群（Ａ群、Ｂ群、Ｃ群）の回動に要する力と位置
の関係は図５に示すようになり、各磁石群を移動させる
際の最大の力を要する位置にずれをもたらすことがで
き、これらの合計として支持リングを回動するのに必要
な最大の力を減少させることができる。図６は全ての永
久磁石が等間隔に円周配設された従来構成の支持リング
と、この考案の支持リングの回動に必要な力と位置の関
係を比較して示したものである。この結果より、この考
案の実施によれば、支持リングの回動に必要な力は減少
させ得ることがわかる。
【００１５】
【実施例】本考案の実施例を図１、図２に基づいて説明
する。回転軸１に軸受２を介して軸支したアルミニウム
等の非磁性体からなる支持体３にヨークとなる支持リン
グ５を軸受４を介して軸支する。この支持リング５の外
周面には、上下磁極面が回転軸１に対し直角方向の断面
において円弧面をなす永久磁石６の複数個を配設する。
永久磁石６の配設位置は支持リング５の周面の１／３周
ごとに、制動ＯＮ状態で、スイッチ板の中央に永久磁石
の中央が重なり合って対向支持される磁石群（図４のＡ
部分）と、永久磁石の中央がスイッチ板の中央より回転
方向に所定角度（−Δθ）ずれて対向支持される磁石群
（図４のＢ部分）と、永久磁石の中央がスイッチ板の中
央より上記回転方向とは逆向きに所定角度（＋Δθ）ず
れて対向支持される磁石群（図４のＣ部分）からなる。
すなわち制動ＯＦＦの状態にあっては、図３に示すよう
に、隣接するスイッチ板７をまたいで両側のスイッチ板
７に半分ずつ対向して重なり合う磁石群（図３のＡ部
分）と、重なりの状態が回転方向側のスイッチ板７にか
たよっている磁石群（図３のＢ部分）と、重なりの状態
が回転方向とは逆のスイッチ板７に片寄っている磁石群
（図３のＣ部分）からなる。
する。回転軸１に軸受２を介して軸支したアルミニウム
等の非磁性体からなる支持体３にヨークとなる支持リン
グ５を軸受４を介して軸支する。この支持リング５の外
周面には、上下磁極面が回転軸１に対し直角方向の断面
において円弧面をなす永久磁石６の複数個を配設する。
永久磁石６の配設位置は支持リング５の周面の１／３周
ごとに、制動ＯＮ状態で、スイッチ板の中央に永久磁石
の中央が重なり合って対向支持される磁石群（図４のＡ
部分）と、永久磁石の中央がスイッチ板の中央より回転
方向に所定角度（−Δθ）ずれて対向支持される磁石群
（図４のＢ部分）と、永久磁石の中央がスイッチ板の中
央より上記回転方向とは逆向きに所定角度（＋Δθ）ず
れて対向支持される磁石群（図４のＣ部分）からなる。
すなわち制動ＯＦＦの状態にあっては、図３に示すよう
に、隣接するスイッチ板７をまたいで両側のスイッチ板
７に半分ずつ対向して重なり合う磁石群（図３のＡ部
分）と、重なりの状態が回転方向側のスイッチ板７にか
たよっている磁石群（図３のＢ部分）と、重なりの状態
が回転方向とは逆のスイッチ板７に片寄っている磁石群
（図３のＣ部分）からなる。
【００１６】この実施例では各永久磁石６の両側端に係
止段部２３が設けられており、隣接する永久磁石６のす
きまに磁石支持金具１３を介在し、該磁石支持金具を貫
通して止めねじを支持リング５に螺着し、支持リング５
の外周面に配設した各永久磁石６を固定する。
止段部２３が設けられており、隣接する永久磁石６のす
きまに磁石支持金具１３を介在し、該磁石支持金具を貫
通して止めねじを支持リング５に螺着し、支持リング５
の外周面に配設した各永久磁石６を固定する。
【００１７】上記永久磁石６群の表面に対向して、強磁
性体からなるスイッチ板７の複数枚を非磁性体の支持部
材８を介して等間隔に円周配置して支持体３に一体に取
着する。そして、ローター９を回転軸１に嵌着し、その
ローターの円筒部１０を所定の空隙をもってスイッチ板
７に対向させる。
性体からなるスイッチ板７の複数枚を非磁性体の支持部
材８を介して等間隔に円周配置して支持体３に一体に取
着する。そして、ローター９を回転軸１に嵌着し、その
ローターの円筒部１０を所定の空隙をもってスイッチ板
７に対向させる。
【００１８】上記支持体３の一方の端には、ローターの
円筒部１０より大きく突出した車体への取付部２２が設
けられている。また、この取付部２２の内側には永久磁
石６を周設した支持リング５を回動させるための駆動用
の油圧シリンダー２０が設けられる。この油圧シリンダ
ー２０の中央部には、支持リング５に突設した腕２１が
臨み、該腕２１の両側にピストン１４、１５が設けら
れ、それぞれ気密な左室１６と右室１７が形成され、シ
リンダ端壁にそれぞれ給油管１８と排油管１９が接続さ
れ、圧油の給排により腕２１を動かし、支持リング５を
回動できるように構成する。なお、上記支持リングの回
動機構は、油圧シリンダー２０を使用した場合を示した
が、これに限ることなく、ラック・ピニオンやリンク機
構等の他の手段を利用することができる。なお、図２は
制動ＯＮの状態における正面図である。
円筒部１０より大きく突出した車体への取付部２２が設
けられている。また、この取付部２２の内側には永久磁
石６を周設した支持リング５を回動させるための駆動用
の油圧シリンダー２０が設けられる。この油圧シリンダ
ー２０の中央部には、支持リング５に突設した腕２１が
臨み、該腕２１の両側にピストン１４、１５が設けら
れ、それぞれ気密な左室１６と右室１７が形成され、シ
リンダ端壁にそれぞれ給油管１８と排油管１９が接続さ
れ、圧油の給排により腕２１を動かし、支持リング５を
回動できるように構成する。なお、上記支持リングの回
動機構は、油圧シリンダー２０を使用した場合を示した
が、これに限ることなく、ラック・ピニオンやリンク機
構等の他の手段を利用することができる。なお、図２は
制動ＯＮの状態における正面図である。
【００１９】上記装置の作動は、油圧シリンダー２０へ
の圧油の給排による。制動ＯＦＦの状態を図３に示す。
この状態では、隣接する二つの永久磁石６が一つのスイ
ッチ板７をまたいで重なり合った状態にあり、隣接する
永久磁石６と一つのスイッチ板７で磁気回路が構成され
る。このときローター１０へは磁束が作用しないので制
動力は発生しない。
の圧油の給排による。制動ＯＦＦの状態を図３に示す。
この状態では、隣接する二つの永久磁石６が一つのスイ
ッチ板７をまたいで重なり合った状態にあり、隣接する
永久磁石６と一つのスイッチ板７で磁気回路が構成され
る。このときローター１０へは磁束が作用しないので制
動力は発生しない。
【００２０】上記制動ＯＦＦの状態から支持リング５を
回動させると、磁気回路は徐々に上記制動ＯＦＦの状態
から下記制動ＯＮの状態にきりかわるが、支持リングの
周面上に１／３ずつ配設された上記磁石群（Ａ群、Ｂ
群、Ｃ群）は回動に必要な力が最大になる位置にさしか
かる時間がずれる（図５参照）ので、支持リングの回動
に必要な力を減少させることができる。
回動させると、磁気回路は徐々に上記制動ＯＦＦの状態
から下記制動ＯＮの状態にきりかわるが、支持リングの
周面上に１／３ずつ配設された上記磁石群（Ａ群、Ｂ
群、Ｃ群）は回動に必要な力が最大になる位置にさしか
かる時間がずれる（図５参照）ので、支持リングの回動
に必要な力を減少させることができる。
【００２１】制動ＯＮの状態では、支持リング５に周設
された永久磁石６とスイッチ板７とが重なり合って、隣
接する永久磁石６と隣接するスイッチ板７およびロータ
ーの円筒部１０で磁気回路が構成され、円筒部１０には
永久磁石６からの磁束が作用し、渦電流現象により制動
力が発生する。制動ＯＮの状態を図４に示す。
された永久磁石６とスイッチ板７とが重なり合って、隣
接する永久磁石６と隣接するスイッチ板７およびロータ
ーの円筒部１０で磁気回路が構成され、円筒部１０には
永久磁石６からの磁束が作用し、渦電流現象により制動
力が発生する。制動ＯＮの状態を図４に示す。
【００２２】上記実施例に示す渦電流式減速装置と、図
１に示す装置において永久磁石６を磁石支持リングに等
間隔に円周配設したことを除き、それ以外は同じ構成か
らなる渦電流式減速装置（比較例）との支持リングの回
動に必要な力を比較したところ、後者の比較例では最大
３４０ｋｇｆを要したのに対し、前者のこの考案の実施
例では最大３０６ｋｇｆであった。これにより、省力の
目的が達成されていることが確認された。
１に示す装置において永久磁石６を磁石支持リングに等
間隔に円周配設したことを除き、それ以外は同じ構成か
らなる渦電流式減速装置（比較例）との支持リングの回
動に必要な力を比較したところ、後者の比較例では最大
３４０ｋｇｆを要したのに対し、前者のこの考案の実施
例では最大３０６ｋｇｆであった。これにより、省力の
目的が達成されていることが確認された。
【００２３】
【考案の効果】この考案によれば、磁石支持リングの回
動に必要な力の低減ができ、大型・大容量の駆動源を設
ける必要がなく、減速装置の軽量・コンパクト化とコス
ト低減を果たすことができる。
動に必要な力の低減ができ、大型・大容量の駆動源を設
ける必要がなく、減速装置の軽量・コンパクト化とコス
ト低減を果たすことができる。
【図１】この考案の実施による渦電流式減速装置の側面
図で、上半分は中心断面を示す。
図で、上半分は中心断面を示す。
【図２】図１の正面図で、下半分は中心断面を示す。
【図３】実施例１における制動ＯＦＦ時の磁気回路構成
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図４】実施例１における制動ＯＮ時の磁気回路構成を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図５】配設位置を変えた３つの磁石群（Ａ、Ｂ、Ｃ）
の回動に要する力と位置の関係を示すグラフである。
の回動に要する力と位置の関係を示すグラフである。
【図６】全ての永久磁石が等間隔に円周配設された従来
の構成からなる支持リングと、この考案の支持リングの
回動に必要な力と位置の関係を示すグラフである。
の構成からなる支持リングと、この考案の支持リングの
回動に必要な力と位置の関係を示すグラフである。
１ 回転軸 ２ 軸受 ３ 支持体 ４ 軸受 ５ 支持リング ６ 永久磁石 ７ スイッチ板 ８ 支持部材 ９ ローター １０ 円筒部 １１ 磁石支持金具 １２ ピストン １３ ピストン １４ 左室 １５ 右室 １６ 給油管 １７ 排油管 １８ 油圧シリンダ １９ 腕 ２０ 取付部 ２１ 係止段部
Claims (1)
- 【請求項１】 回転軸に軸支した支持体に、ヨーク用の
磁石支持リングを回転自在に軸支し、該磁石支持リング
に永久磁石の複数個を互いに極性を逆向きにして周設
し、上記永久磁石群の外周磁極面に互いに磁気的に絶縁
して強磁性体の複数個のスイッチ板を対向せしめ、上記
支持リングを支持体に対し所定の角度回動自在に設けた
減速装置において、磁石支持リングに支持される永久磁
石の配設位置が、制動時においてスイッチ板の中央に永
久磁石の中央が重なり合って対向支持される磁石群と、
永久磁石の中央がスイッチ板の中央より回転方向に所定
角度ずれて対向支持される磁石群と、永久磁石の中央が
スイッチ板の中央より上記回転方向とは逆向きに所定角
度ずれて対向支持される磁石群とを上記支持リングに円
周配設したことを特徴とする渦電流式減速装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1913693U JP2561161Y2 (ja) | 1993-03-22 | 1993-03-22 | 渦電流式減速装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1913693U JP2561161Y2 (ja) | 1993-03-22 | 1993-03-22 | 渦電流式減速装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0674085U JPH0674085U (ja) | 1994-10-18 |
| JP2561161Y2 true JP2561161Y2 (ja) | 1998-01-28 |
Family
ID=11991050
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1913693U Expired - Fee Related JP2561161Y2 (ja) | 1993-03-22 | 1993-03-22 | 渦電流式減速装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2561161Y2 (ja) |
-
1993
- 1993-03-22 JP JP1913693U patent/JP2561161Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0674085U (ja) | 1994-10-18 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |