JP2594754Y2 - 渦電流式減速装置 - Google Patents

渦電流式減速装置

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JP2594754Y2
JP2594754Y2 JP1993062772U JP6277293U JP2594754Y2 JP 2594754 Y2 JP2594754 Y2 JP 2594754Y2 JP 1993062772 U JP1993062772 U JP 1993062772U JP 6277293 U JP6277293 U JP 6277293U JP 2594754 Y2 JP2594754 Y2 JP 2594754Y2
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日出夫 石山
敏和 竹田
英二 奥村
茂生 滝田
雅之 加藤
誠 小川
徹 桑原
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Isuzu Motors Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は主として大型車両の摩擦
ブレーキを補助する渦電流式減速装置、特に制動ドラム
の内周面と磁石支持筒の外周面に周方向等間隔に並設し
た多数の永久磁石(以下単に磁石という)との間に、各
磁石に対応する強磁性板(ポールピース)を備え、強磁
性板の相対的回転位相を変えることにより、制動と非制
動の切換えを行う渦電流式減速装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】特開平4-12659 号公報に開示される渦電
流式減速装置では、制動ドラムの内部に強磁性板を結合
する不動の案内筒を配設し、案内筒の内空部にほぼ同じ
構成の可動の磁石支持筒と不動の磁石支持筒とを軸方向
に並設し、可動の磁石支持筒を磁石の配列ピツチ分だけ
回動することにより、軸方向に並ぶ磁石の極性が同じく
制動ドラムに磁界を及ぼす制動位置と、軸方向に並ぶ磁
石の極性が互いに逆になり、制動ドラムに磁界を及ぼさ
ない非制動位置とに切り換わる。
【0003】図8,9に示すように、上述の渦電流式減
速装置では、案内筒の共通の強磁性板15に対する可動
の磁石支持筒14の磁石24と不動の磁石支持筒14A
の磁石24Aの極性が互いに異なる非制動位置から、矢
印y方向へ強磁性板15の配列ピツチpだけ回動する
と、共通の強磁性板15に対する各磁石24,24Aの
極性が同じ制動位置になり、周方向に隣接する磁石つま
り制動ドラム7の回転方向に関し前後2対の磁石24,
24Aが、強磁性板15を経て制動ドラム7へ磁界を及
ぼす。
【0004】しかし、可動の磁石24が非制動位置から
回動量P1だけ矢印y方向へ回動した状態にある時、前後
1対の磁石24は、共通の強磁性板15に対し短絡的磁
気回路zを形成する。図示の状態にある磁石24の後端
縁24bが強磁性板15から離れる時、磁石24の後端
縁24bと強磁性板15の前端縁15bとの間に強力な
吸引力が働く。すなわち、磁石支持筒14を非制動位置
から制動位置へ配列ピツチpだけ回動する時の負荷トル
クないし駆動トルクは、図9に線31で示すように、磁
石24の後端縁24bが強磁性板15の前端縁15bか
ら離れる時ピークに達する。
【0005】磁石支持筒14を非制動位置から制動位置
へ磁石24の配列ピツチ分だけ回動する時、回動ストロ
ークの終端付近で駆動トルクが非常に大きくなるのは、
磁石支持筒14の周方向に隣接しかつ極性が異なる前後
の磁石が共通の強磁性板15を介して形成する短絡的磁
気回路が絶たれるのを抑えようとする反発力つまり非常
に大きな発生するものと考えられる。上述の負荷トルク
(ピークトルク)は、磁石支持筒14を駆動するための
アクチユエータ20としてピークトルクに打ち勝つ大容
量のものを必要とし、アクチユエータ20が大型になる
という問題がある。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】本考案の目的は上述の
問題に鑑み、磁石の後端縁部が強磁性板の前端縁部から
離れる位置を変えることにより、非制動と制動との切換
時可動の磁石支持筒に作用するピークトルクを減じ、小
容量のアクチユエータで磁石支持筒を駆動できる、渦電
流式減速装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案の構成は制動ドラムの内部に非磁性体からな
る不動の案内筒を配設し、案内筒の周壁に周方向等間隔
に多数のほぼ長方形をなす強磁性板を埋設し、案内筒の
内部に磁性体からなる可動の磁石支持筒と不動の磁石支
持筒とを並設し、各磁石支持筒に各強磁性板に対向する
磁石を極性が周方向に交互に異なるように結合し、制動
ドラムの回転方向に関し各強磁性板の前端縁部に磁気的
欠落部を設けたものである。
【0008】
【作用】可動の磁石支持筒を非制動位置から制動位置へ
回動する時、極性が異なる前後の磁石が共通の強磁性板
に対向することとなり、強磁性板と磁石支持筒との間に
短絡的磁気回路が生じる。
【0009】短絡的磁気回路が消滅する直前に可動の磁
石支持筒に作用するピークトルクを低減するために、制
動ドラムの回転方向に関し各強磁性板の前端縁部に磁気
的欠落部を設ける。したがつて、可動の磁石支持筒の磁
石の後端縁が強磁性板の前端縁部から離れる前(直前)
に、短絡的磁気回路が磁気的欠落部により絶たれ、強磁
性板が磁石を吸引する力は弱くなる。これにより、強磁
性板と磁石との間の吸引力が可動の磁石支持筒に及ぼす
ピークトルクが減じられ、小容量のアクチユエータで非
制動と制動との切換えが可能になる。
【0010】
【実施例】図1は本考案による渦電流式減速装置の側面
断面図、図2は同正面断面図である。本考案による渦電
流式減速装置は、例えば車両用変速機の出力回転軸1に
結合される導体からなる制動ドラム7と、制動ドラム7
の内部に配設される非磁性体からなる案内筒10と、案
内筒10の断面長方形の内空部に収容した可動の磁石支
持筒14および不動の磁石支持筒14Aとを備えてい
る。制動ドラム7はボス5のフランジ部5aを、駐車ブ
レーキの制動ドラム3の端壁部と一緒に、回転軸1にス
プライン嵌合固定した取付フランジ2に重ね合され、か
つ複数のボルト4とナツトにより締結される。ボス5か
ら放射状に延びる多数のスポーク6に、冷却フイン8を
備えた制動ドラム7の一端が結合される。
【0011】断面箱形をなす案内筒10は例えば断面C
字形の筒体に、環状板からなる端壁11を結合して構成
される。案内筒10は適当な手段により例えば変速機の
歯車箱に固定される。案内筒10の外周壁10aは周方
向等間隔に設けた多数の開口25に、強磁性板15を埋
設して結合される。好ましくは、強磁性板15は案内筒
10の成形時鋳込まれる。強磁性板15は長方形の板状
のものであつて、板面は円弧状に湾曲される。
【0012】磁性体からなる可動の磁石支持筒14は、
案内筒10の内空部にあつて、軸方向寸法を内空部とほ
ぼ半分とされ、滑り軸受またはコロ軸受12により正逆
回動可能に内周壁10bに支持される。磁石支持筒14
から軸方向へ延びる腕16は、案内筒10の端壁に設け
た円弧状のスリツト18aを経て、アクチユエータ20
のロツドに連結される。磁石支持筒14は外周面に各強
磁性板15の左半部に対向する磁石24を、強磁性板1
5に対する極性が周方向交互に異なるように結合され
る。
【0013】磁性体からなる不動の磁石支持筒14A
も、磁石支持筒14と同様に磁石14と同数の磁石24
Aを周方向等間隔に結合される。磁石支持筒14Aは案
内筒10の内周壁10bに結合される。
【0014】案内筒10の左端壁に、好ましくは3つの
アクチユエータ20が周方向等間隔に結合される。アク
チユエータ20はシリンダ18にピストン17を嵌装し
てなり、ピストン17から外部へ突出するロツドは腕1
6と連結される。
【0015】図2,3に示すように、本考案によれば、
磁石支持筒14を非制動位置から制動位置へ切り換える
時、磁石支持筒14に作用するピークトルクを低減する
ために、制動ドラム7の回転方向に関し、各強磁性板1
5の前端縁部に磁気的欠落部33が形成される。図2,
3に示す実施例では、強磁性板15は前端縁部をなす強
磁性板15aと強磁性板15に分割され、両者は案内筒
10の外周壁10aを構成する非磁性体からなる磁気的
欠落部33により離隔される。磁気的欠落部33の周方
向長さtは、図8に示す従来の強磁性板15の相互間の
周方向隙間よりも短くする。
【0016】次に、本考案による渦電流式減速装置の作
動について説明する。非制動時、図1に示すように、磁
石支持筒14の磁石24と磁石支持筒14Aの磁石24
Aとは、共通の強磁性板15に全面的に対向する極性が
互いに逆になつている。この時、磁石24,24Aは各
強磁性板15と磁石支持筒14との間に、短絡的磁気回
路wを形成し、制動ドラム7に磁界を及ぼさない。
【0017】アクチユエータ20により磁石支持筒14
を非制動位置から制動位置へ磁石24の配列ピツチpだ
け矢印y方向へ回動する時、途中で極性が異なる前後の
磁石24が共通の強磁性板15,15aに対向するが、
強磁性板15,15aは非磁性体からなる磁気的欠落部
33により離隔されているので、磁石24の後端縁24
bが強磁性板15の前端縁部つまり強磁性板15aから
離れる時、図8に示すような短絡的磁気回路zは磁気的
欠落部33により分断されるので、強磁性板15が磁石
24を吸引する力は弱くなる。したがつて、強磁性板1
5と磁石24との間の吸引力に基づき磁石支持筒14に
作用するピークトルクが低減され、従来よりも小容量の
アクチユエータ20で非制動と制動との切換えが可能に
なる。
【0018】制動時、軸方向に並ぶ磁石24,24Aは
各強磁性板15に対向する極性が同じになり、強磁性板
15を経て制動ドラム7に磁界を及ぼす。回転する制動
ドラム7が磁界を横切る時、制動ドラム7に渦電流が流
れ、制動ドラム7は制動トルクを受ける。この時、各磁
石24,24Aは制動ドラム7と磁石支持筒14との間
に磁気回路を形成する。
【0019】上述の実施例では、強磁性板15は磁気的
欠落部33により強磁性板15aと強磁性板15とに分
離されているが、図4に示すように、強磁性板15の前
端縁部に切欠を、具体的には長円形の通孔34を設け
て、磁気的欠落部を構成するほうが、案内筒10に対す
る位置決めや組込み(鋳込み)が容易である。
【0020】図5に示す実施例では、強磁性板15の前
端縁部の片側だけに、つまり磁石24に対向する部分
に、軸方向に延びる切欠35を設けて、磁気的欠落部を
構成したものである。
【0021】図6に示す実施例では、強磁性板15の前
端縁部の磁石24に対向する内面に、切欠溝36を設け
て、磁気的欠落部を構成したものである。
【0022】図7に示す実施例では、逆に強磁性板15
の前端縁部の外面に、切欠溝37を設けて、磁気的欠落
部を構成したものである。上述の各実施例の通孔34、
切欠35、切欠溝36,37などの磁気的欠落部は、図
8に示すような従来の短絡的磁気回路zを弱めるので、
非制動位置から制動位置へ磁石支持筒を14を回動する
時のピークトルクを低減できる。
【0023】
【考案の効果】本考案は上述のように、制動ドラムの内
部に非磁性体からなる不動の案内筒を配設し、案内筒の
周壁に周方向等間隔に多数のほぼ長方形をなす強磁性板
を埋設し、案内筒の内部に磁性体からなる可動の磁石支
持筒と不動の磁石支持筒とを並設し、各磁石支持筒に各
強磁性板に対向する磁石を極性が周方向に交互に異なる
ように結合し、制動ドラムの回転方向に関し各強磁性板
の前端縁部に磁気的欠落部を設けたものであるから、可
動の磁石支持筒を非制動位置から制動位置へ回動する
時、極性が異なる前後の磁石が共通の強磁性板に対向
し、強磁性板と磁石支持筒との間に短絡的磁気回路が生
じるが、制動ドラムの回転方向に関し各強磁性板の前端
縁部に設けた磁気的欠落部により、可動の磁石支持筒の
磁石の後端縁が強磁性板の前端縁から離れる前に短絡的
磁気回路が絶たれるか弱められ、強磁性板が磁石を吸引
する力は弱くなる。したがつて、強磁性板と磁石との間
の吸引力が可動の磁石支持筒に及ぼすピークトルクが減
じられ、小容量のアクチユエータで非制動と制動との切
換えが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る渦電流式減速装置の非制動時の正
面断面図である。
【図2】同減速装置の制動時の側面断面図である。
【図3】同渦電流式減速装置の磁石と強磁性板との関係
を表す平面展開図である。
【図4】同強磁性板の平面図である。
【図5】本考案の変更実施例に係る強磁性板の平面図で
ある。
【図6】本考案の他の変更実施例に係る強磁性板の側面
図である。
【図7】本考案の他の変更実施例に係る強磁性板の側面
図である。
【図8】従来の渦電流式減速装置の側面断面図である。
【図9】同渦電流式減速装置の磁石と強磁性板との関係
を表す平面展開図である。
【符号の説明】 7:制動ドラム 10:案内筒 14,14A:磁石支
持筒 15:強磁性板 15a:強磁性板 15b:前端縁 24,24A:磁
石 24b:後端縁 33:磁気的欠落部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 滝田 茂生 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (72)考案者 加藤 雅之 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (72)考案者 小川 誠 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (72)考案者 桑原 徹 神奈川県川崎市川崎区殿町3丁目25番1 号 いすゞ自動車株式会社川崎工場内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02K 49/02

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】制動ドラムの内部に非磁性体からなる不動
    の案内筒を配設し、案内筒の周壁に周方向等間隔に多数
    のほぼ長方形をなす強磁性板を埋設し、案内筒の内部に
    磁性体からなる可動の磁石支持筒と不動の磁石支持筒と
    を並設し、各磁石支持筒に各強磁性板に対向する磁石を
    極性が周方向に交互に異なるように結合し、制動ドラム
    の回転方向に関し各強磁性板の前端縁部に磁気的欠落部
    を設けたことを特徴とする渦電流式減速装置。
JP1993062772U 1993-10-28 1993-10-28 渦電流式減速装置 Expired - Lifetime JP2594754Y2 (ja)

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JPH0727291U JPH0727291U (ja) 1995-05-19
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