JP2561019B2 - 電解用極板の平坦度測定装置 - Google Patents

電解用極板の平坦度測定装置

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JP2561019B2
JP2561019B2 JP5348232A JP34823293A JP2561019B2 JP 2561019 B2 JP2561019 B2 JP 2561019B2 JP 5348232 A JP5348232 A JP 5348232A JP 34823293 A JP34823293 A JP 34823293A JP 2561019 B2 JP2561019 B2 JP 2561019B2
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誠伸 加藤
光治 大西
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は銅やニッケルの電解精製
に使用する電解用アノード又はカソード等の極板の平坦
度、即ち吊り下げた状態での垂直性及び平坦性及び厚み
を連続的に測定する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば銅の電解精製は電解槽に粗銅製ア
ノードと純銅製カソードを一定の間隔で交互に吊し、硫
酸銅溶液を電解液に用いる電解する方法が一般的であ
る。この場合アノードとカソードは吊り下げた状態で一
定間隔になっていることが重要で、もし極板が曲ってい
たり、厚さが不均一であると極間距離の短かい部分で異
常電着が起り、極端な場合はアノードとカソードとが短
絡する。このような異常電着はカソードの品質を悪化
し、短絡は電流効率の低下を招く。このためアノード及
びカソードには吊り下げた状態で平坦度が良く、厚さが
均一であることが要求される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところがこのような極
板の平坦度、厚さを工業的に測定し得る手段はまだな
く、目視により判別して矯正し得るものは矯正するよう
にしているのが実状である。例えば実開昭64−336
07号公報には非接触センサーを用いてカソードの歪み
を測定する装置が開示されているが、この装置では1個
のセンサーを掃引して極板表面との距離を測るために測
定時間が長くなり、多量の極板を扱うには実用上問題が
あり、しかも極板の厚さは測定し得ない欠点がある。
【0004】したがって、本発明は電解用極板を電解槽
内に懸吊するのと同一の条件下におき、極板が要求され
る自由垂直懸吊状態における平坦度を極板の両面を使用
して同時に連続測定し、極板の変形及び反りの状態を解
析するのに充分なデータを取り込むと同時にデータ解析
のための小型コンピュータを持たすことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明はコンベア上を
移動している極板のうち、任意の1枚を上下に移動する
吊手機構を持った駆動装置により吊上げ、極板を垂直に
懸吊させ、極板の表裏両面に平行に相対する平面と極板
の距離を非接触で計測するセンサーで、夫々前記平面上
を水平方向、垂直方向に移動させ、短時間に、同時に測
定するようにしたものでセンサーにはレーザセンサを使
用し、それを移動させる機構として定速度移動、位置決
めの精度が確実なサーボモータを使用し、また測定時、
センサーと極板との距離を常に一定にするため、シリン
ダにより極板を固定する機構とした。
【0006】
【実施例】本発明測定装置を一実施例に基づいて詳細に
説明する。図1は本発明装置の機構部を示す斜視図、図
2は本発明装置のブロック図を含む全体の構成図であ
る。
【0007】図1において、極板1は水平なクロスバー
2に吊手3を介して垂直に懸吊され、クロスバー2の両
端が移送コンベア19のベルト上に乗って移送される。
【0008】一方、極板1と平行で、かつ相対する位置
に主フレーム4が立設され、その両面には夫々水平方向
に横軸フレーム5が、また垂直方向に縦軸フレーム6が
固着されている。この横軸フレーム5と縦軸フレーム6
は同じ構成をしており、サーボモータ7、8が片側に固
着されている。また、サーボモータ7にはねじシャフト
9がセンサー11aの移動方向に取付けられ、それと平
行して上下にスライドシャフト10が固着されている。
そしてこのねじシャフト9とスライドシャフト10には
センサービーム12aが垂直方向に装着され、そのセン
サービーム12aにはカソード1の平面との距離を非接
触で計測する複数個の前記センサー11aが装着され、
移動可能となっている。一方、図には示さないが縦軸フ
レーム6にもこれらねじシャフト及びスライドシャフト
及び水平方向にセンサービーム12bに取付けた複数個
のセンサー11bが装着され、センサー11bはカソー
ド1の平面との距離を上下に非接触で計測する。
【0009】また、主フレーム4の内側には鉛直な昇降
ガイド溝13を有し、昇降フレーム14が上下に摺動可
能に装着され、昇降フレーム14は主フレーム4の上部
に取付けられた昇降シリンダ15に係着され昇降可能に
なっている。また昇降フレーム14には左右にロータリ
アクチュエータ16が固定され、夫々吊かぎ17が90
度回転可能に装着されている。更に、バー押え18が取
付けられ、クロスバー2の固着が可能となっている。
【0010】次に、本発明装置の機構部の概略動作につ
いて以下に説明する。
【0011】極板1は移送コンベア19で移動されてい
るが、任意の極板のうち測定したい極板1を枚数で指定
するか、時間で設定するか自由に選択できるようになっ
ている。また、被測定物の極板1が本装置の手前で止ま
るようにプログラムされている。この時、懸吊装置の昇
降フレーム14は丁度吊かぎ17の先端(クロスバー2
を引っ掛ける爪)とバー押え18との開口部が開いた状
態でクロスバー2の下に来るまで下降する。
【0012】次に、ロータリアクチュエータ16を起動
し、吊かぎ17を回動させながら吊かぎ17の爪とバー
押え18とでクロスバー2を固着し、センサー11a、
11bからクロスバー2の中心までの距離を一定にし
て、カソード1を測定するための所定位置まで引き上げ
る。
【0013】そして測定条件が整ってからサーボモータ
7、8を起動させ、移動を開始しながらセンサー11
a、11bが極板1までの距離の測定を開始する。水平
方向、垂直方向の測定が終わるとセンサービーム12
a、12bは再び原点に復帰し、次の測定条件が整うま
で待機状態に戻る。
【0014】測定が完了すると再び移送コンベア19を
停止させ、昇降シリンダ15を下降させ、クロスバー2
を移送コンベア19に乗せ、昇降シリンダ15を上昇さ
せる。この時、吊かぎ17が再びクロスバー2を引っ掛
けないように、ロータリーアクチュエータ16により爪
の向きを90度回転させる。再び移送コンベア19を起
動させ、次の測定極板1がくるまで待機状態となる。
【0015】なお、上記したように機構部を動作させる
ため、測定データはA/D変換モジュールにより、A/
D変換され、演算処理装置に取り込まれてデータ入力さ
れる。そのブロック図を図2に示す。
【0016】図2において、制御パネルP内のシーケン
サー21は極板1のクロスバー2を把持し、これを吊上
げて所定位置に支持し、横軸用サーボモータ7及び縦軸
用サーボモータ8を駆動してセンサー11a、11bと
極板1との間の距離データをとり、データ取得後、極板
1を降ろし、移送コンベア19を所定距離駆動(この駆
動に関しては図示せず)し、次の極板1のクロスバー2
を把持するという一連の動作を行わせる。いわゆるシー
ケンス制御を行う。
【0017】次に、センサー駆動装置20では上記制御
装置21からの指令に基づいて距離センサー11a、1
1bを各3個宛縦横に配列した2枚のセンサービーム1
2a、12bを横方向又は縦方向に駆動する装置で、横
軸用サーボアンプ及び、縦軸用サーボアンプ20aと夫
々のキー設定器20b及びデジタルスイッチ20cで構
成され、センサービーム12a、12bは測定を一端か
ら他端に移動する間に行い、測定が済めば急速復帰す
る。このような動作は上記制御装置21で行い、スター
ト地点と終了地点の設定及び駆動速度と復帰速度はキー
設定器20bで行う。
【0018】上記センサー駆動装置20の動作中、測定
された距離データは連続的にセンサーコントローラによ
る信号処理装置22で受信し、これらは更にA/D変換
ボード23aを介して演算処理装置23に入力され、極
板1のどのような曲り状態かを解析器23bによりデー
タ解析すると共に表裏のセンサー12a、12bが重な
る点9箇所の極板厚さも同時に計測される。
【0019】この演算結果は制御装置21と連動して当
該極板のデータとして入出力ボード23cからプリント
アウトすることができる。
【0020】一方、このデータを利用して曲りなどの歪
を修正することも可能である。即ち、この修正操作を行
うカソード仕上機25へシーケンサー(歪制御器)24
を介して歪データを送るようにすればよい。なお、測定
データの入力と共に異常が検出された時に警報を出した
り、測定データを解析し、矯正ロールの調整を指示する
等のフィードバックも可能である。
【0021】なお、本発明の装置は電解に使用する前の
極板に適用されるだけでなく、電解途中の極板であって
も、又電解終了後の極板に対しても適用できることは言
うまでもない。この測定結果を電解槽中の位置と関係付
けることにより、電解槽自体の異常の発見にも役立てる
ことができる。例えば特定の位置で電着量が少ない場合
は通常の障害があることを示しており、次回の電解前に
この個所を調整する措置をとることができる。
【0022】又、本発明の装置はアノードの測定にも使
用できる。
【0023】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明装置
は測定データをアナログデータで入力するため、正確に
極板の状態が解析できる。また極板の両面にセンサーを
取り付けてあるので、極板の両面の状態及び水平方向、
垂直方向の状態も検出できる。これらのことにより不良
品の検出及び発生原因を修正し、品質を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の機構部を示す斜視図である。
【図2】本発明装置のブロック図を含む全体の構成図で
ある。
【符号の説明】
1 極板 2 クロスバー 3 吊手 4 主フレーム 5 横軸フレーム 6 縦軸フレーム 7 横軸用サーボモータ 8 縦軸用サーボモータ 11a、11b センサー 12a、12b センサービーム 13 昇降ガイド溝 14 昇降フレーム 15 昇降シリンダ 16 ロータリアクチュエータ 17 吊かぎ 18 バー押え 19 移送コンベア 20 センサー駆動装置 21 制御装置 22 信号処理装置 23 演算処理装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解用極板を1枚づつ吊手機構をもった
    懸垂装置により所定の測定位置に吊上げ、基準となる測
    定位置に極板が自重や外力の影響による変形を受けない
    ようにクロスバー下面を支点にして垂直方向に自由懸吊
    する手段とを有し、この状態で懸垂装置内に設けた極板
    の表裏両面に夫々平行に相対する平面と極板との離間距
    離を非接触で計測するセンサーを有し、表裏面夫々に前
    記の平面上を各々水平、垂直方向に移動させる移動機構
    により連続的に平坦度を走査し、その走査により得られ
    た測定データをA/D変換し、データ解析するための演
    算処理装置とから構成される電解用極板の平坦度測定装
    置。
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