JP2002012996A - 電解製錬における異常電極の自動検出方法 - Google Patents

電解製錬における異常電極の自動検出方法

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JP2002012996A
JP2002012996A JP2000199960A JP2000199960A JP2002012996A JP 2002012996 A JP2002012996 A JP 2002012996A JP 2000199960 A JP2000199960 A JP 2000199960A JP 2000199960 A JP2000199960 A JP 2000199960A JP 2002012996 A JP2002012996 A JP 2002012996A
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abnormal
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Kensaku Nakamura
建作 中村
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Eneos Corp
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Nippon Mining and Metals Co Ltd
Nippon Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 電解製錬における異常電極の自動検出方法を
提供する。 【解決手段】 電解製錬における異常電極の自動検出方
法であって、各センサから送られてくる、陰極板及び/
又は陽極板を流れる電流値に関連するパラメータを、少
なくとも、電解槽ID及び当該電解槽内における電極板
IDと関連させてコンピュータに読み込ませる工程(ス
テップ3)と、各電解槽の各電極板IDのパラメータか
ら、正常値であることを示す適正範囲よりも大きい値の
ものにショートしていることを示す識別マークを及び/
又は適正範囲よりも小さい値のものに接触不良を起こし
ていることを示す識別マークを付す処理を行う工程(ス
テップ4)と、そして、ショート及び/又は接触不良の
識別マークにより、異常のある電極板を、当該異常電極
板の番号及び異常の種類を特定して履歴情報として出力
する工程(ステップ5)とを有して構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解製錬における
異常電極の自動検出方法に係り、特に、電解槽に直流電
流を流すことにより電解金属を陰極板に析出させる際、
異常電極板の番号及び異常内容を特定して検出する電解
製錬における異常電極の自動検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】初めに、電解製錬設備の概要について説
明する(図13参照)。電解槽30は、上に向って解放
した直方体形状の槽で、その長側壁30cの上面に共通
導体32(ブスバー)を設置する。電解槽30は、図1
2に最も良く示されているように縦方向及び横方向に複
数隣接して設置されており、その総数は数百槽にも及
ぶ。各電解槽30の電解液には、複数(Cuの場合、通
常、20枚から50枚程度)の陰極種板(陰極板)K及
び陽極耳付き型(陽極板)Aが交互に平行になるように
して浸漬される。各陰極板Kは、陰極支持用竿(クロス
バー)34に吊り下げられている。クロスバー34の両
端及び陽極板Aの耳部は、左右いずれか一方の電解槽側
壁30cの上面及び他方の電解槽側壁30cに設けられ
た共通導体32にそれぞれ支持されている。
【0003】図12に示されたウオルカ式電流供給方式
では、縦横2つずつ合計4つの電解槽30を一組として
各電解槽30の全陽極板Aから全陰極板Kにそれぞれ電
流が流れるように配線されている。電解製錬用電源とし
ては、低電圧、大電流を必要とし、大容量でありながら
電解操業の条件に応じて広い範囲の電圧調節が可能であ
るため、サイリスタ方式又はダイオード方式の半導体整
流器が用いられる。
【0004】このような電解製錬における正常操業を妨
げる要因として、陰極面での樹枝状結晶やコブの発生、
陰極の湾曲、大きな陽極破片による橋渡しなどがある。
例えば、陰極面に局部的にコブが発生し肥大化すると、
陽極板Aと陰極板Kが短絡(ショート)を起こし、電解
電流が短絡部分に集中するため、電解製錬が妨げられて
しまう(図5(a)、(b)参照)。従来、このような
異常を発見するための検槽作業は、作業員が毎日、電解
槽上を歩行しながら行っていた。しかしながら、検査箇
所が膨大であるため多大な労力を要すると共に、作業員
が電解槽上を歩行することによる電極板の位置ズレを誘
発する原因にもなっていた。
【0005】これらの異常を発見する方法としては、陰
極支持用竿(クロスバー)やアノードの耳部に流れる電
流を測定して異常を検出する方法や、短絡部分の温度が
局所的に上昇することに着目して赤外線センサを使用し
て異常を測定する方法がある。しかしながら、前者の方
法では電流そのもの変動を直接測定監視することは精度
の点で難点がある。また、後者の方法では電解槽の上に
被われた保温用シートの上からでは正確な検出が出来難
い上に、短絡部分の温度が高くなるまでには時間がかか
るため早期に発見できない。その上、電極板に電流が流
れないという異常(接触不良、不動態化)に対してはそ
れを検出できないという問題点があった。
【0006】そこで、本願出願人は、電流の増減と磁束
の変化に一定の関係があることを利用し、磁気センサを
用いて陰極板K及び陽極板Aの磁束密度を測定して電流
の変化を検出することにより、電極板の異常を発見する
ことができることを見出し、特許出願を行った(特開平
11−323588号、特開平11−323589号、
特開平11−323590号、特開平11−32359
1号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た特許出願では、個々の電極板における異常を確実に発
見したり、多数の電極板を一時に取り扱う手法について
は開示しているもの、定期的又は不定期に計測される多
数の電極板についての膨大なデータから、異常のある電
極板の位置を特定して検出する方法に関しては何ら考察
がなされていない。従って、極めて多数の電極板につい
てのデータから、その異常位置及び異常内容を特定して
検出する電解製錬における異常電極の自動検出方法の開
発が要望されていた。
【0008】また、一口に異常状態といっても、その原
因には、隣り合う電極板が接触してショートし大電流が
流れる異常と、導体と電極板との間の接触不良による電
流不足との2つある。さらに、前者には、陰極板の表面
に樹枝状結晶が形成されたり、あるいは、金属が塊って
析出する「コブ」が原因となっているものと、そして、
陰極板が反り等により湾曲したことが原因となっている
ものとがある。そのような異常状態に対する処置は、当
然、全く異なったものとなる。樹枝状結晶や「コブ」が
原因である時は、作業員が突き棒等で当該部分を突き剥
離又は破壊することで除去することができる。他方、陰
極板の湾曲が原因となっている時は、陰極板を一旦電解
槽から引上げて湾曲を直す、正常なものと交換する又は
当該異常電極板を除去するといった大規模の修正作業が
必要となる。また、導体と電極板との間の接触不良の場
合には、接触部位を研磨材で研磨し付着している異物を
取り除くことが必要となる。
【0009】このように、多数の電解槽に装填された多
数の電極板から異常のある電極板を確実に且つどのよう
な原因の異常であるのか、従って、どのような処置が必
要であるのかを知ることができれば、かかる電解槽の維
持管理が極めて容易となる。そこで、本発明は、多数の
電解槽の、さらに、その中に装填される多数の電極板に
ついてのデータから、異常電極板の位置(番号)及び異
常内容を特定して検出する電解製錬における異常電極の
自動検出方法を提供することを目的とする。
【0010】本発明は、また、電流が流れている電極板
へは非接触で且つ測定過誤が少ない電解製錬における異
常電極の自動検出方法を提供することを目的とする。本
発明は、さらに、正常値であるものを含めて全ての又は
所定の電解槽の電極板を記載した一覧表中に異常の有無
を識別することができるようにした電解製錬における異
常電極の自動検出方法を提供することを目的とする。本
発明は、さらにまた、異常のある全ての又はその一部の
電解槽の電極板を記載した一覧表の形で当該異常電極板
の位置及び/又は内容を特定して履歴情報として出力す
ることができる電解製錬における異常電極の自動検出方
法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為
に、請求項1に記載の本発明は、電解槽の対向する両側
壁上面に固定された導体の陰極側には陰極板が、陽極側
には陽極板が、それぞれ導電可能に支持された状態で交
互に電解液が溜められた電解槽に浸漬され、かかる電解
槽に直流電流を流すことにより電解金属を陰極板に析出
させる際、異常電極板の位置及び異常内容を特定して検
出する電解製錬における異常電極の自動検出方法であっ
て、各センサから送られてくる、陰極板及び/又は陽極
板を流れる電流値に関連するパラメータを、少なくと
も、電解槽ID及び当該電解槽内における電極板IDと
関連させてコンピュータに読み込ませる工程と、各電解
槽の各電極板IDのパラメータから、正常値であること
を示す適正範囲よりも大きい値のものにショートしてい
ることを示す識別マークを及び/又は適正範囲よりも小
さい値のものに接触不良を起こしていることを示す識別
マークを付す処理を行う工程と、そして、ショート及び
/又は接触不良の識別マークにより、異常のある電極板
を、当該異常電極板の番号及び異常の種類を特定して履
歴情報として出力する工程とを有して構成されてなる電
解製錬における異常電極の自動検出方法を提供する。
【0012】本発明では、電解製錬における異常電極を
自動的に検出するために、コンピュータを使用する。コ
ンピュータは、先ず、各センサから送られてくる、陰極
板及び/又は陽極板を流れる電流値に関連するパラメー
タを、少なくとも、電解槽ID及び当該電解槽内におけ
る電極板IDと関連させて読み込む。電解槽ID及び電
極板IDとしては、通常、電解槽番号及び電極板番号が
用いられる。なお、複数の電解槽をグループとして、グ
ループ名を付与することもできる。
【0013】次に、各電解槽の各電極板IDから送られ
てくるパラメータが、正常値であることを示す適正範囲
よりも大きい値を示している場合にはショートしている
ことを示している。これに対して、電解槽の保守管理作
業員は当該異常電極板の位置に行ってコブ等の突起を除
去する。このような簡単な修復作業ではすまないような
原因である場合、次の回における異常電極の自動検出に
おいても、同じ電極板が異常であるという出力を示す。
すなわち、複数回にわたる履歴を見ることによって、同
じショートという異常であっても、コブの発生による場
合のような簡単な修復ではすまない電極板の湾曲等を検
出することができる。そこで、異常値を示す電解槽の電
極板にショート又は接触不良の識別マークを付与する処
理を行う。この結果は、コンピュータのモニタに表示し
ても、あるいは、ペーパとして出力することもできる。
【0014】本発明方法では、さらに、ショート及び/
又は接触不良の識別マークの付与された電極板をソート
により選び出し、当該異常電極板を、異常の種類を特定
して履歴情報として出力する。この履歴情報も、コンピ
ュータのモニタに表示しても、あるいは、ペーパとして
出力することもできる。請求項2に記載の本発明は、請
求項1に記載の電解製錬における異常電極の自動検出方
法おいて、識別マーク付与工程が、導体と複数の陰極板
との接点近傍及び/又は導体と複数の陽極板との接点近
傍の磁気を測定し、他の測定値に対する相対的異常値に
より異常を識別する識別マークを付す処理を行うことを
特徴とする。
【0015】磁気センサとしては、汎用型で安価なフラ
ックスゲート型磁気センサを使用することができる。導
体と複数の陰極板との接点近傍及び/又は導体と複数の
陽極板との接点近傍の磁気を測定することにより、大電
流の流れている電極板に接触することなく、各電極板の
通電量を測定することできる。また、多数の磁気センサ
により同時に測定された測定値から異常判定基準値を求
め、これより陽極板及び/又は陰極板の異常位置を検出
する。異常判定基準値としては、全測定値の平均として
もよいが、前述した特開平11−323590号に開示
された発明のように、測定した全ての測定結果の内、大
きいもの及び小さいものから所定数ずつ除去して残りの
測定値の平均値を異常判定基準値とすることができる。
それにより、電流(電圧)の変動等による判定ミスをな
くすることができる
【0016】請求項3に記載の本発明は、請求項2に記
載の電解製錬における異常電極の自動検出方法におい
て、識別マーク付与工程が、正常値であるものを含めて
全ての又は所定の電解槽の電極板を記載した一覧表中に
異常を識別する識別マークを付してなることを特徴とす
る。一覧表示により、一瞥して且つリアルタイムに異常
電極板の位置及びその内容を把握することができる。
【0017】請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3
のいずれか1項に記載の電解製錬における異常電極の自
動検出方法において、履歴情報出力工程が、異常識別マ
ークの付いている全ての又は所定の電解槽の電極板を記
載した一覧表の形で、当該異常電極板の番号及び異常の
種類を特定して履歴情報として出力することを特徴とす
る。異常電極板をピックアップして、すなわち、補修の
必要な電極板について、複数回にわたっての履歴を一覧
表示することにより、補修作業の必要な電極板の特定及
び異常の内容、従って、その補修内容を一瞥して理解す
ることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電解製錬にお
ける異常電極の自動検出方法について図示された好まし
い実施形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に
係る電解製錬における異常電極の自動検出方法を実施す
る電解槽の一実施形態を示す概略斜視図である。
【0019】多数配列されたCu精錬のための電解槽3
0は、希硫酸等の電解液を溜める槽であり、全体を枠組
み固定され複数の脚35によりがたつかないように床に
置かれている。銅の電解精錬の場合、通常、電解工場の
中には数百の電解槽が設置されている。そこで、複数の
電解槽をグループ分けし、例えば、Aグループの第三電
解槽のように電解槽を特定する。それぞれの電解槽30
にはアノード側電極である陽極板Aとカソード側電極で
ある陰極板Kが交互に並列支持して配置される。そし
て、電解槽30の側面上部には、位置決め手段20が取
り付けられている。そこで、各電極板は、例えば、Aグ
ループの第三電解槽の20番目の電極板(A−03−2
0)のように特定する。
【0020】頭上移動形クレーン18は、複数並列配置
された電解槽30の縦方向X又は横方向Y(図1におい
ては横方向Yのみ連続して複数の電解槽30を描いた)
に水平移動する装置であり、レール18b上をX軸方向
に移動するスライド本体18cを有し、このスライド本
体18cにはモータ18aが設置されている。レール1
8bは図示しないフレーム内に敷設されており、このフ
レームがY軸方向に移動するようになっている。スライ
ド本体18cの下面には、その下部にフレア状の拡開部
を有する一対の第1筒状ガイド部材18dが取り付けら
れていると共に、第1ワイヤ16bにより昇降可能とさ
れた懸垂部材16が吊り下げられている。
【0021】懸垂部材16の上面には、一対の第1ガイ
ド棒16aが、第1筒状ガイド部材18dの内側に入れ
子式に挿入されるようになっている。これは、頭上移動
形クレーン18を水平移動させたときに、その慣性力に
よって吊り下げられている懸垂部材16が揺れるのを防
止するためである。懸垂部材16の下面には、下端部が
フレア状に拡開された筒状の一対の第2筒状ガイド部材
16dが取り付けられていると共に、吊具装置15が図
示しない昇降モータにより第2ワイヤ15bを巻き上げ
巻き下げることにより昇降可能に吊り下げられている。
尚、本実施例においては、電解槽30上にある障害物を
避けて吊具装置15を移動させるために頭上移動形クレ
ーン18と吊具装置15の中間に懸垂部材16を介在さ
せているが、もちろんこれに限られるものではなく、頭
上移動形クレーン18に直接吊具装置15を取り付けた
ものであってもよい。
【0022】吊具装置15の上面には、一対の第2ガイ
ド棒15aが第2筒状ガイド部材16dの内側に入れ子
式に挿入されて取り付けられている。これは、上述した
ように、頭上移動形クレーン18を水平移動させたとき
の吊具装置15の揺れ防止を図るためである。この第2
ガイド棒15aの上部先端部は、吊具装置15が所定位
置に到達して下降することにより位置案内手段10が位
置決め手段20に係合し始めた直後に、第2筒状ガイド
部材16dのフレア状に拡開された部分に位置するよう
になっている。そして、位置案内手段10と位置決め手
段20の係合が完了するまでの間は、第2ガイド棒15
aの上部先端部は第2筒状ガイド部材16dのフレア状
に拡開された部分の内側を移動可能となっている。ま
た、吊具装置15の両側面には、電解槽30の側面上部
に設けられた位置決め手段20と係合するための位置案
内手段10が取り付けられている(図2では図示されて
いない)。
【0023】吊具装置15の下面には、長手方向(X軸
方向)に取付軸15cが取り付けられ、磁気センサ取付
フレーム15dが、この取付軸15cを中心として揺動
し且つ長手方向に直線移動可能となるように取付けられ
ている。そして、陰極板K側又は陽極板A側の磁気を一
度に測定するために、磁気センサ取付フレーム15dに
は複数の磁気センサ13が設置されている。ここで、こ
のような構造としたのは、図13に示したように、陰極
支持用竿34の両端及び陽極板Aの耳部は、左右いずれ
か一方の電解槽側壁30cの上面及び他方の電解槽側壁
30cに設けられた共通導体32にそれぞれ支持されて
いるため、陰極板Kの磁束を測定する箇所と陽極板Aの
磁束を測定する箇所はそれぞれ対向する位置の電解槽側
壁30cで測定する必要がある。吊具装置15に、陰極
板Kの磁束を測定するセンサと陽極板Aの磁束を測定す
るセンサをそれぞれ取り付けることも可能であるが、磁
気センサ13の取付数が約倍になりコストがかかると共
に、重量も増加して好ましくない。そこで、図示された
好ましい実施形態では、X軸方向で揺動可能な取付軸1
5cを設け、これに磁気センサ取付フレーム15dを取
り付けて複数の磁気センサ13を配置し、陰極板Kと陽
極板Aの両側の磁束をそれぞれ測定できるようにしたも
のである。
【0024】但し、陰極板Kと陽極板Aが共通導体32
に支持されている位置は、X軸方向で約5cm程のズレ
があるので、例えば、陰極板K側を測定した後、磁気セ
ンサ13を単に揺動しただけでは磁気センサ13は陽極
板A側の測定位置近接されない。そのため、X軸方向へ
の移動を可能とするように磁気センサ取付フレーム15
dに直線移動案内機構を設けている。また、各磁気セン
サ13は、テフロン(登録商標)製の丸棒の先端に取り
付けられている。これは、万が一、磁気センサ13が陰
極支持用竿34や電解槽側壁30c等に接触し乗り上げ
たような場合にテフロン製の丸棒を撓ませることにより
磁気センサ13の損傷を回避するためである。さらに、
各磁気センサ13は、陰極板K又は陽極板Aに近接した
所定位置に正確に配置されることが必要であるため、磁
気センサ取付フレーム15dへの取り付け位置が微動ネ
ジにより調整可能とされている。尚、本実施例において
は、この磁気センサ13は、陰極板Kの数だけ、例え
ば、56本設置されている。
【0025】本実施例において磁気センサ13には、フ
ラックスゲート型磁気センサを用いている。このフラッ
クスゲート型磁気センサは電解製錬における異常電極の
検出には使用された事例は見当たらないが、素子の信号
処理が簡明であり、汎用型であるため価格も安いという
メリットがある。フラックスゲート型磁気センサは、図
8に示すような構成を有するものであるが、かかる構成
は従来周知であるためここでの詳細な説明は省略する。
【0026】図示された好ましい実施形態では、各磁気
センサ13が駆動電源スイッチのオン/オフに同期して
起こる出力変動による測定誤差の発生を回避するため、
各磁気センサ13には2つの駆動用バッテリ14a、1
4bが並列して連結されており、この駆動用バッテリ1
4a、14bから各磁気センサ13にそれぞれ別系統で
電流を供給するようになっている。そして、各磁気セン
サ13にはこの2系統のうちいずれか一方の駆動用バッ
テリ14a、14bから本システムの運転停止に関わら
ず、常に電流が供給され連続印加とされている。このよ
うに駆動用バッテリ14a、14bを2系統設けたこと
により、いずれか一方の、例えば、駆動用バッテリ14
bが充電中であっても、もう一方の駆動用バッテリ14
aにスイッチ14cを切り替えることによって連続して
各磁気センサ13電流を供給することが可能となる。さ
らに、周囲の雰囲気変化に伴う各磁気センサ13の出力
の変動を、絶縁変換器17を設けることにより防止する
こととした。
【0027】吊具装置15の下部に取り付けられた磁気
センサ取付フレーム15dには停止装置25が取り付け
られている。停止装置25は、概略として、係止部材2
5a、ストッパ25b、円盤26、検出体27、減速セ
ンサ29a、停止センサ29b、非常停止センサ29c
を有して構成されている。電解槽30の左右に位置する
電解槽側壁30c上面の磁束を測定することができるよ
うに磁気センサ13を揺動可能としたことから、本実施
例においては、図3に示すように、磁気センサ13に対
して取付軸15cを中心にそれぞれ45度方向に位置す
るように係止部材25aが磁気センサ取付フレーム15
dに摺動可能に2つ取り付けられていると共に、磁気セ
ンサ取付フレーム15dの長手方向ほぼ両端部の2箇所
に取り付けられている。このような構造にすることによ
り、磁気センサ13が左右のいずれの電解槽側壁30c
に向けられても、どちらかの係止部材25aを垂直方向
に位置させることが可能となる。すなわち、磁気センサ
13を右45度方向へ位置させた場合にはbが動作し、
磁気センサ13を左45度方向に位置させた場合にはa
が動作する(図3参照)。従って、本実施例において、
係止部材25aは、磁気センサ取付フレーム15dのほ
ぼ両端2箇所にそれぞれ2つずつの合計4つ設置されて
いる。このように係止部材25aを磁気センサ取付フレ
ーム15dの左右の両端2箇所に取り付けたのは、吊具
装置15を昇降させる2つのモータ(図示されていな
い)を独立して制御することにより吊具装置15の傾き
をなくすためである。
【0028】係止部材25aの上端部には、係止部材2
5aが脱落しないように落下防止用のストッパ25bが
設けられている。一方、係止部材25aの下端部には、
位置決めの起点となる参照位置に接触するようための当
接手段として円盤26が取り付けられている。この円盤
26は、複数の陰極支持用竿34に接触することができ
るような大きさで、且つ、円周方向に自由に回転するよ
うになっている。また、係止部材25aの所定位置に
は、非接触形の近接スイッチに感知される検出体27が
取り付けられている。
【0029】係止部材25a近傍の磁気センサ取付フレ
ーム15dには、検出体27の接近を感知して作動する
近接スイッチである減速センサ29a、停止センサ29
b、非常停止センサ29cがそれぞれ下方から順番に所
定位置に取り付けられており、各センサが検出体27の
接近を感知すると作動してその信号が図示しない昇降モ
ータに送られ、モータが減速、停止、非常停止するよう
になっている。
【0030】図示された好ましい実施形態では、各磁気
センサ13により測定された磁気データは、吊具装置1
5の上面に固定されたデータ処理装置11によってA/
D変換処理され、電解槽30の設置されている場所から
隔離された管理室内に送信され、所定の処理を行った
後、プリンタでプリントアウト及び/又はモニタに表示
される。このときの磁気データの伝達は、高周波による
無線通信によって行なわれている。無線通信は伝送でき
るデータ量は光通信より少ないが、配線が不要であると
いうメリットがある。もちろん光ファイバによる光通信
とすることもできる。
【0031】次に、前述した電解製錬における異常電極
の検出システムの動作について説明する。図示しないフ
レーム及び/又はスライド本体18cを水平移動して目
標とする電解槽30上方に吊具装置15を移動する。こ
の移動の際に障害物等がある場合には、第2ワイヤ15
bを巻き上げると共に、第1ワイヤ16bを巻き上げて
高さの調整をする。移動装置18が所定位置に到達した
ら移動を停止する。この際第1筒状ガイド部材18d及
び第2筒状ガイド部材16dが存在するため、移動装置
18の移動に伴う慣性力による吊具装置15の揺れが抑
制される。その後、図示しない昇降モータを作動させ
て、第2ワイヤ15b巻き下げ、吊具装置15を降下さ
せる。
【0032】吊具装置15が降下すると、磁気センサ取
付フレーム15dのほぼ両端部2箇所の係止部材25a
の下部に取り付けられた円盤26がそれぞれ陰極支持用
竿34に接近し(図4(a))、その後当接する(図4
(b))。円盤26が陰極支持用竿34に当接すると、
係止部材25aの下降は停止するが、磁気センサ取付フ
レーム15dとの取り付け部分は摺動可能となっている
ため吊具装置15はなおも下降を続ける。吊具装置15
が下降を続けると、磁気センサ取付フレーム15dに取
り付けられた各種センサのうち、まず最下部に取り付け
られた減速センサ、29aが検出体27に接近する(図
4(c))。そして、検出体27の接近を感知した減速
センサ29aは昇降モータを減速させるように信号を発
する。この信号を受けた昇降モータは減速を始め、吊具
装置15の下降速度が減速する。
【0033】さらに吊具装置15が降下を続けると、今
度は停止センサ29bが検出体27の接近を感知して、
昇降モータを停止させるように信号を発する。そして、
この信号を受けた昇降モータは停止し、吊具装置15の
下降が停止する。万が一、昇降モータが停止しない場合
には、検出体27は非常停止センサ29cに接近するの
で、非常停止センサ29cが検出体27の接近を感知
し、昇降モータを非常停止させるための信号を発する。
そして、この信号を受けた昇降モータは非常停止させら
れ、吊具装置15が非常停止する。これら一連の動作
は、磁気センサ取付フレーム15dの両端2箇所でそれ
ぞれ独立して行なわれる。
【0034】上述の動きと連動して、位置案内手段10
のフレア状の拡開部が位置決め手段20に取り付けられ
た係合部材20aに接近し、やがて係合が開始される。
吊具装置15がさらに降下を続けると、位置案内手段
10のフレア状の拡開部が円錐形状の係合部材20aの
側面を沿うように摺動し、多数の磁気センサ13が予め
定められた陰極板Kに近接した所定位置に正確に配置さ
れるように吊具装置15が水平方向に微移動して位置制
御が行なわれて係合され、その後、陰極板K側の磁束を
測定する。
【0035】所定位置で磁束を測定した後は、第2ワイ
ヤ15bを巻き上げて吊具装置15を上昇させ、磁気セ
ンサ取付フレーム15dを陽極板A方向に90度揺動す
ると共に、磁気センサ13が陽極板Aの磁束測定位置に
位置するようにX軸方向へ移動させる。そして、吊具装
置15を降下させて陽極板A側の磁束を測定する。その
後、第2ワイヤ15bを巻き上げて吊具装置15を上昇
させ、移動装置18を水平移動して次の目標とする電解
槽30上方に吊具装置15を移動して、この作業を繰り
返す。磁気センサ13を駆動する駆動用バッテリ14
a、14bが弱ってきたらバッテリの充電を行ない、2
系統のうちもう一方のバッテリで電流の供給を続ける。
【0036】次に、本発明に係る電解製錬における異常
電極の自動検出方法について図示された好ましい実施形
態に基づいて詳細に説明する。 図9は、本発明に係る
電解製錬における異常電極の自動検出方法の一実施形態
のフローチャートである。
【0037】本発明の検出方法は、概略的に、電解液が
溜められた電解槽に、該電解槽の対向する両側壁上面に
固定された導体の陰極側には陰極板が、陽極側には陽極
板が、それぞれ導電可能に支持された状態で交互に浸漬
されるように配置し、これに通電して電解を行う電解工
程(ステップ1)と、定期的に又は所定のタイミングで
多数のフラックスゲート型磁気センサを、導体と複数の
陰極板との接点近傍及び/又は導体と複数の陽極板との
接点近傍に近接させて、それぞれの部位における磁気を
同時に測定する同時測定工程(ステップ2)と、同時に
測定された多数の測定値をコンピュータに送り読み取る
工程(ステップ3)、これら測定値の内、大きいもの及
び小さいものから3〜7ケずつを除去して残りの測定値
の平均値を求め、この平均値に対して所定の範囲を正常
値であるとして、この適正範囲よりも大きい値のものに
ショートしていることを示す識別マークを及び適正範囲
よりも小さい値のものに接触不良を起こしていることを
示す識別マークを付する工程(ステップ4)と、そし
て、 ショート及び/又は接触不良の識別マークをデー
タ中からソートして選出することにより、異常電極板
を、当該異常電極板の番号及び異常の種類を特定して履
歴情報として出力する工程(ステップ5)と、そして、
異常位置の陽極板及び/又は陰極板を正常状態とする補
修作業を行う校正工程(ステップ6)とを備えて構成さ
れている。
【0038】上述した好ましい実施形態では、同時に測
定された多数の、すなわち、電解槽1槽中の陰極板Kの
枚数と同数、例えば、56の測定値をコンピュータに送
り、これら測定値の内、大きいもの及び小さいものから
3〜7ケずつ、例えば5ケを除去して残りの測定値の平
均値を求め、この平均値の1.3倍以上の所定の値、例
えば1.3倍を異常判定基準値として、これ以上の測定
値を有するものをショート(短絡)位置として検出して
いる。もちろん、同時に測定された測定値の内、除去す
る数は3〜7に限らない。平均値を求めるために使用さ
れる測定値に、経験的に異常値が入り込まないようにで
きる数であればいくつであっても良い。また、平均値の
1.3倍以上を異常判定基準値としているが、これも、
平均値に対して経験的に異常位置を区分けできる数値で
あればどのようなものであっても良い。例えば、平均値
の何倍という区分けではなく、平均値に所定の値を足し
た数値とすることもできる。同様の方法によって、平均
値の0.7以下の所定の値を異常判定基準値として、こ
れ以下の測定値を有するものを通電不良位置として検出
することもできる。これらの計算処理は、電解槽30の
設置されている場所から隔離された管理室内に設置され
たコンピュータで行う。
【0039】識別マーク付与工程(ステップ4)は、コ
ンピュータのモニタ上に正常値であるものを含めて全て
の又は所定の電解槽の電極板を記載した一覧表を作成
し、その一覧表内に異常を識別する識別マークを付する
ように構成することもできる。図示された好ましい実施
形態では、ショート及び接触不良を意味する識別マーク
は、表計算ソフトであるマイクロソフト社のエクセル
(登録商標)を用いて作成した表中のセルに色つけをす
ることによって実行されている。本発明方法では、さら
に、定期的に又は所定のタイミングで行われる磁束密度
の計測データに対し、前記ショート及び/又は接触不良
の識別マークを検索キーとしてソートして選出すること
により、異常電極板のリストを、当該異常電極板の番号
及び異常の種類を特定して履歴情報として出力する(図
10参照)。これらの一覧表・リストは、図示しない管
理室内に設置されたプリンタでプリントアウトし電解槽
の保守管理作業者に手渡され、当該電極板の補修に利用
される。
【0040】異常電極板の位置及び異常発生面の特定は
次のように行なう。まず、図5に示すように、初めに磁
気センサ13で陰極側の磁束密度を測定すると、複数の
陰極板Kのうち、短絡が起こっている「C」に大量の電
流が流れているため「C」が異常であると判断される。
しかし、陰極側の磁束密度だけを測定したのでは、異常
のある陰極板K(ここでは、「C」)は特定できるが、
陽極板A「B」又は「D」のうちどちらの面と短絡が起
こっているかまではわからない。そこで、陽極側の磁束
密度を測定すると、「D」には大量の電流が流れている
ことから「D」は異常値を示し、「B」は正常値を示
す。従って、「C」と「D」の間で短絡が起こっている
ことがわかるので、「C」の「D」と隣り合う面に発生
したコブの除去を突き棒等を用いて行なう。このよう
に、本発明方法を用いれば、ショートしているものにつ
いてはコブの除去を行い、湾曲しているものであれば除
去又は正常なものとの交換が行われる。かかる測定は、
定期的に又は所定のタイミングで行うため、効果の確認
が図10及び/又は図11に示されたような一覧表・リ
ストを参照することにより簡単に行うことができる。あ
るいは、保守管理作業者毎の補修作業の良し悪しも簡単
に把握することができ、より良い作業への指導を実践す
ることができる。例えば、2日連続してショートが起こ
るような場合は、電極板の湾曲の可能性が高く、3日連
続してショートが起こるような場合は、亀裂や電解液配
管の閉塞の可能性がある。このような重大な結果をもた
らすような原因についても、比較的早期に発見できる効
果がある。
【0041】
【発明の効果】このように、本発明方法は、各センサか
ら送られてくる、陰極板及び/又は陽極板を流れる電流
値に関連するパラメータを、少なくとも、電解槽ID及
び当該電解槽内における電極板IDと関連させてコンピ
ュータに読み込ませる工程と、各電解槽の各電極板ID
の前記パラメータから、正常値であることを示す適正範
囲よりも大きい値のものにショートしていることを示す
識別マークを及び/又は適正範囲よりも小さい値のもの
に接触不良を起こしていることを示す識別マークを付す
処理を行う工程と、そして、ショート及び/又は接触不
良の識別マークにより、異常のある電極板を、当該異常
電極板の番号及び異常の種類を特定して履歴情報として
出力する工程とを有して構成されているため、多数の電
解槽の、さらに、多数の電極板についてのデータから、
異常電極板の位置及び異常内容を特定して検出すること
ができる効果を有する。請求項2に記載の本発明は、請
求項1に記載の電解製錬における異常電極の自動検出方
法おいて、識別マーク付与工程が、導体と複数の陰極板
との接点近傍及び/又は導体と複数の陽極板との接点近
傍の磁気を測定し、他の測定値に対する相対的異常値に
より、前記異常を識別する識別マークを付す処理を行う
ため、電流が流れている電極板へは非接触で計測するこ
とができ且つ測定の過誤を少なくすることができる効果
を有する。
【0042】請求項3に記載の本発明は、請求項2に記
載の電解製錬における異常電極の自動検出方法におい
て、識別マーク付与工程が、正常値であるものを含めて
全ての又は所定の電解槽の電極板を記載した一覧表にお
いて前記異常を識別する識別マークを付しているため、
一瞥して全ての又は所定の電解槽、さらに、その中に装
填される多数の電極板の中から異常電極の位置を把握で
きる効果を有する。請求項4に記載の本発明は、請求項
1〜3のいずれか1項に記載の電解製錬における異常電
極の自動検出方法において、履歴情報出力工程が、異常
を識別する識別マークの付いている全ての又は所定の電
解槽の電極板を記載した一覧表の形で、当該異常電極板
の番号及び異常の種類を特定して履歴情報として出力す
るため、一覧表、特に、その履歴情報から当該異常の位
置及び/又は内容が一瞥し分かるようになる効果を有し
ている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る検出方法を実施するためのシステ
ムの一実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】図1に示された異常電極の検出システムの部分
拡大斜視図である。
【図3】係止部材の取り付け位置を示す概略側面図であ
る。
【図4】係止部材の動作を示す断面図である。
【図5】図5(a)は短絡を起こした電極を特定する方
法を説明するための平面図であり、図5(b)は(a)
の側面の断面図である。
【図6】磁気センサへの電流供給を説明するための説明
図である。
【図7】本発明に係る検出方法を実施するために用いら
れるフラックスゲート型磁気センサの典型例の斜視図で
ある。
【図8】図7の磁気センサの回路図である。
【図9】本発明に係る電解製錬における異常電極の自動
検出方法の一実施例のフローチャートである。
【図10】多数の電解槽における各電極板の一覧表を示
す説明図である。
【図11】異常電極板の番号及び異常の種類を特定して
の履歴情報リストである。
【図12】従来の電解槽への給電方法を説明するための
該略図である。
【図13】電解製錬におけるアノード板及びカソード板
への給電部の斜視図である。
【符号の説明】
A 陽極板 K 陰極板 10 位置案内手段 11 データ処理装置 13 磁気センサ 14a 駆動用バッテリ 14b 駆動用バッテリ 14c スイッチ 15 吊具装置 15a 第2ガイド棒 15b 第2ワイヤ 15c 取付軸 15d 磁気センサ取付フレーム 16 懸垂部材 16a 第1ガイド棒 16b 第1ワイヤ 16d 第2筒状ガイド部材 17 絶縁変換器 18 移動装置 18a モータ 18b レール 18c スライド本体 18d 第1筒状ガイド部材 20 位置決め手段 20a 係合部材 25a 係止部材 25b ストッパ 26 円盤 27 検出体 29a 減速センサ 29b 停止センサ 29c 非常停止センサ 30 電解槽 30c 長側壁 32 共通導体 34 陰極支持用竿 35 脚 40 コブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解槽の対向する両側壁上面に固定され
    た導体の陰極側には陰極板が、陽極側には陽極板が、そ
    れぞれ導電可能に支持された状態で交互に電解液が溜め
    られた電解槽に浸漬され、かかる電解槽に直流電流を流
    すことにより電解金属を陰極板に析出させる際、異常電
    極板の位置及び異常内容を特定して検出する電解製錬に
    おける異常電極の自動検出方法であって、 各センサから送られてくる、陰極板及び/又は陽極板を
    流れる電流値に関連するパラメータを、少なくとも、電
    解槽ID及び当該電解槽内における電極板IDと関連さ
    せてコンピュータに読み込ませる工程と、 前記各電解槽の各電極板IDの前記パラメータから、正
    常値であることを示す適正範囲よりも大きい値のものに
    ショートしていることを示す識別マークを及び/又は適
    正範囲よりも小さい値のものに接触不良を起こしている
    ことを示す識別マークを付す処理を行う工程と、そし
    て、 前記ショート及び/又は接触不良の識別マークにより、
    異常のある電極板を、当該異常電極板の番号及び異常の
    種類を特定して履歴情報として出力する工程と、 を有して構成されてなる電解製錬における異常電極の自
    動検出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電解製錬における異常
    電極の自動検出方法おいて、前記識別マーク付与工程
    が、導体と複数の陰極板との接点近傍及び/又は導体と
    複数の陽極板との接点近傍の磁気を測定し、他の測定値
    に対する相対的異常値により、前記異常を識別する識別
    マークを付す処理を行うことを特徴とする電解製錬にお
    ける異常電極の自動検出方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の電解製錬における異常
    電極の自動検出方法において、前記識別マーク付与工程
    が、正常値であるものを含めて全ての又は所定の電解槽
    の電極板を記載した一覧表において前記異常を識別する
    識別マークを付してなることを特徴とする電解製錬にお
    ける異常電極の自動検出方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電
    解製錬における異常電極の自動検出方法において、履歴
    情報出力工程が、異常を識別する識別マークの付いてい
    る全ての又は所定の電解槽の電極板を記載した一覧表の
    形で、当該異常電極板の番号及び異常の種類を特定して
    履歴情報として出力することを特徴とする電解製錬にお
    ける異常電極の自動検出方法。
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