JP3180901B2 - フラックスゲート型磁気センサを用いた電解製錬における異常電極の検出方法及び異常電極の検出システム - Google Patents

フラックスゲート型磁気センサを用いた電解製錬における異常電極の検出方法及び異常電極の検出システム

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JP3180901B2 JP13515898A JP13515898A JP3180901B2 JP 3180901 B2 JP3180901 B2 JP 3180901B2 JP 13515898 A JP13515898 A JP 13515898A JP 13515898 A JP13515898 A JP 13515898A JP 3180901 B2 JP3180901 B2 JP 3180901B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラックスゲート
型磁気センサを用いた電解製錬における異常電極の検出
方法及び異常電極の検出システムに関する。
【0002】
【従来の技術】初めに、電解製錬設備の概要について説
明する(図10参照)。電解槽30は、上に向って解放
した直方体形状の槽で、その長側壁30cの上面に共通
導体32(ブスバー)を設置する。電解槽30は、図9
に最も良く示されているように縦方向及び横方向に複数
隣接して設置されており、その総数は数百槽にも及ぶ。
各電解槽30の電解液には、複数(Cuの場合、通常、
20枚から50枚程度)の陰極種板(カソード板)K及
び陽極耳付き型(アノード板)Aが交互に平行になるよ
うにして浸漬される。各カソード板Kは、陰極支持用竿
(クロスバー)34に吊り下げられている。クロスバー
34の両端及びアノード板Aの耳部は、左右いずれか一
方の電解槽側壁30cの上面及び他方の電解槽側壁30
cに設けられた共通導体32にそれぞれ支持されてい
る。
【0003】図9に示されたウオルカ式電流供給方式で
は、縦横2つずつ合計4つの電解槽30を一組として各
電解槽30の全アノード板Aから全カソード板Kにそれ
ぞれ電流が流れるように配線されている。電解製錬用電
源としては、低電圧、大電流を必要とし、大容量であり
ながら電解操業の条件に応じて広い範囲の電圧調節が可
能であるため、サイリスタ方式又はダイオード方式の半
導体整流器が用いられる。
【0004】このような電解製錬における正常操業を妨
げる要因として、陰極面での樹枝状晶やコブの発生、陰
極の湾曲、大きな陽極破片による橋渡しなどがある。例
えば、陰極面に局部的にコブが発生し肥大化すると、ア
ノード板Aとカソード板Kが短絡(ショート)を起こ
し、電解電流が短絡部分に集中するため、電解製錬が妨
げられてしまう(図5(a)、(b)参照)。このよう
な異常を発見するための検槽作業は、作業員が毎日、電
解槽上を歩行しながら行なっているが、検査箇所が膨大
であるため多大な労力を要すると共に、作業員が電解槽
上を歩行することによる電極板の位置ズレを誘発する原
因にもなっていた。
【0005】これらの異常を発見する方法としては、陰
極支持用竿(クロスバー)やアノードの耳部に流れる電
流を測定して異常を検出する方法や、短絡部分の温度が
局所的に上昇することに着目して赤外線センサを使用し
て異常を測定する方法があるが、前者の方法では電流そ
のもの変動を直接測定監視することは精度の点で難点が
あり、後者の方法では電解槽の上に被われた保温用シー
トの上からでは正確な検出が出来難い上に、短絡部分の
温度が高くなるまでには時間がかかるため早期に発見で
きない。その上、電極板に電流が流れないという異常
(接触不良、不動態化)に対してはそれを検出できない
という問題点があった。
【0006】そこで、電流の増減と磁束の変化に一定の
関係があることを利用し、磁気センサを用いてカソード
板K及びアノード板Aの磁束密度を測定して電流の変化
を検出することにより、電極板の異常を発見することと
した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような磁気を測定
するためのセンサとしてはホール素子型のセンサがある
が、このホール素子型のセンサは素子の信号処理が複雑
であり、また汎用品がなく高価であることから、簡便で
高感度であり、また価格も比較的安価なフラックスゲー
ト型磁力計を用いることとした。そして、複数のフラッ
クスゲート型磁気センサでアノードA側又はカソードK
側の磁気を一度に測定して、異常電極の発見を行なうこ
ととした。しかし、フラックスゲート型磁気センサと駆
動用電源とを連結し、電流の供給を駆動電源のオン/オ
フにより行なうと、この駆動電源スイッチのオン/オフ
に同期して出力の変動が起こり、測定誤差が生じてしま
うという問題が生じた。これでは磁気の測定を行なうた
びに各フラックスゲート型磁気センサのゼロ調整及びス
パン調製を行なわざるを得ず、煩に耐えない。そこで、
本発明は、汎用型で安価なフラックスゲート型磁気セン
サを使用しつつ、電源スイッチのオン/オフによるセン
サ出力の変動を回避して、測定誤差を生じさせることの
ない電解製錬における異常電極の検出方法及びを提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為
に、請求項1に記載の本発明は、電解液が溜められた電
解槽に、電解槽の対向する両側壁上面に固定された導体
の陰極側には陰極板が、陽極側には陽極板が、それぞれ
導電可能に支持された状態で交互に浸漬され、導体と複
数の陰極板との接点近傍及び/又は導体と複数の陽極板
との接点近傍の磁気を測定することにより電極板の異常
位置を特定して検出する電解製錬における異常電極の検
出方法であって、磁気を測定するセンサとして、フラッ
クスゲート型磁気センサを用いると共に、その駆動電源
を専用の直流バッテリとしてオン/オフを行わない連続
印加で操作し、それにより、駆動電源のオン/オフに伴
う出力変動による測定誤差を回避することを特徴とす
る。
【0009】上記課題を解決する為に、請求項2に記載
の本発明は、請求項1に記載の電解製錬の異常電極の検
出方法において、直流バッテリを少なくとも2系列並列
して設置して切り替え使用し、使用していない方の直流
バッテリは必要に応じて充電するようにしてなることを
特徴とする。
【0010】上記課題を解決する為に、請求項3に記載
の本発明は、請求項1又は2に記載の電解製錬における
異常電極の検出方法において、さらに、水平移動可能な
頭上移動形クレーンに吊具装置を昇降可能に吊り下げ設
置する工程と、吊具装置に、取り付けフレームを取付フ
レームの長手方向を軸として、揺動かつ直線移動可能に
取り付ける工程と、取付フレームに複数のフラックスゲ
ート型磁気センサを配置する工程と、頭上移動形クレー
ンを作動して吊具装置を目標とする電解槽の上方に移動
させた後、降下させ、フラックスゲート型磁気センサを
導体により支持される各陰極板又は各陽極板との接点近
傍に位置させて磁気を測定する工程と、吊具装置を上昇
させ、取付フレームを揺動且つ直線移動させた後、各フ
ラックスゲート型磁気センサが反対側の各陽極板又は各
陰極板との接点近傍に位置するように吊具装置を降下さ
せ、磁気を測定する工程と、を備えて構成されてなる。
【0011】上記課題を解決する為に、請求項4に記載
の本発明は、電解液が溜められた電解槽に、電解槽の対
向する両側壁上面に固定された導体の陰極側には陰極板
が、陽極側には陽極板が、それぞれ導電可能に支持され
た状態で交互に浸漬され、導体と複数の陰極板との接点
近傍及び/又は導体と複数の陽極板との接点近傍の磁気
を測定することにより電極板の異常位置を特定して検出
する電解製錬における異常電極の検出システムであっ
て、フラックスゲート型磁気センサを、導体と複数の陰
極板との接点近傍及び/又は導体と複数の陽極板との接
点近傍に選択的に移動可能なように設置すると共に、フ
ラックスゲート型磁気センサに対しオン/オフを行わな
い連続印加で直流電圧を付与する専用の直流バッテリを
電気的に接続してなり、それにより、駆動電源のオン/
オフに伴う出力変動による測定誤差を回避することを特
徴とする。
【0012】上記課題を解決する為に、請求項5に記載
の本発明は、請求項4に記載の電解製錬における異常電
極の検出システムにおいて、直流バッテリは、少なくと
も2系列並列して設置され、それぞれは、切り替えスイ
ッチにより切り替え使用されるように構成されていると
共に、使用していない方の直流バッテリは必要に応じて
充電するようにしてなることを特徴とする。
【0013】上記課題を解決する為に、請求項6に記載
の本発明は、請求項4又は5に記載の電解製錬における
異常電極の検出システムにおいて、水平移動可能な頭上
移動形クレーンと、頭上移動形クレーンに吊り下げられ
た吊具装置と、吊具装置に揺動かつ直線移動可能に取り
付けられた取付フレームと、そして、取付フレームに配
置された複数のフラックスゲート磁気センサと、を含み
構成される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電解製錬にお
ける異常電極の検出方法及び異常電極の検出システムに
ついて図示された好ましい実施形態に基づいて詳細に説
明する。図1は本発明に係る電解製錬における異常電極
の検出方法を実施するためのシステムの一実施形態を示
す概略斜視図である。
【0015】多数配列されたCu精錬のための電解槽3
0は、希硫酸等の電解液を溜める槽であり、全体を枠組
み固定され複数の脚35によりがたつかないように床に
置かれている。それぞれの電解槽30にはアノード側電
極であるアノ−ド板Aとカソード側電極であるカソード
板Kが交互に並列支持して配置される。そして、電解槽
30の側面上部には、位置決め手段20が取り付けられ
ている。
【0016】頭上移動形クレーン18は、複数並列配置
された電解槽30の縦方向X又は横方向Y(図1におい
ては横方向Yのみ連続して複数の電解槽30を描いた)
に水平移動する装置であり、レール18b上をX軸方向
に移動するスライド本体18cを有し、このスライド本
体18cにはモータ18aが設置されている。レール1
8bは図示しないフレーム内に敷設されており、このフ
レームがY軸方向に移動するようになっている。スライ
ド本体18cの下面には、その下部にフレア状の拡開部
を有する一対の第1筒状ガイド部材18dが取り付けら
れていると共に、第1ワイヤ16bにより昇降可能とさ
れた懸垂部材16が吊り下げられている。
【0017】懸垂部材16の上面には、一対の第1ガイ
ド棒16aが、第1筒状ガイド部材18dの内側に入れ
子式に挿入されるようになっている。これは、頭上移動
形クレーン18を水平移動させたときに、その慣性力に
よって吊り下げられている懸垂部材16が揺れるのを防
止するためである。懸垂部材16の下面には、下端部が
フレア状に拡開された筒状の一対の第2筒状ガイド部材
16dが取り付けられていると共に、吊具装置15が図
示しない昇降モータにより第2ワイヤ15bを巻き上げ
巻き下げることにより昇降可能に吊り下げられている。
尚、本実施例においては、電解槽30上にある障害物を
避けて吊具装置15を移動させるために頭上移動形クレ
ーン18と吊具装置15の中間に懸垂部材16を介在さ
せているが、もちろんこれに限られるものではなく、頭
上移動形クレーン18に直接吊具装置15を取り付けた
ものであってもよい。
【0018】吊具装置15の上面には、一対の第2ガイ
ド棒15aが第2筒状ガイド部材16dの内側に入れ子
式に挿入されて取り付けられている。これは、上述した
ように、頭上移動形クレーン18を水平移動させたとき
の吊具装置15の揺れ防止を図るためである。この第2
ガイド棒15aの上部先端部は、吊具装置15が所定位
置に到達して下降することにより位置案内手段10が位
置決め手段20に係合し始めた直後に、第2筒状ガイド
部材16dのフレア状に拡開された部分に位置するよう
になっている。そして、位置案内手段10と位置決め手
段20の係合が完了するまでの間は、第2ガイド棒15
aの上部先端部は第2筒状ガイド部材16dのフレア状
に拡開された部分の内側を移動可能となっている。ま
た、吊具装置15の両側面には、電解槽30の側面上部
に設けられた位置決め手段20と係合するための位置案
内手段10が取り付けられている(図2では図示されて
いない)。
【0019】吊具装置15の下面には、長手方向(X軸
方向)に取付軸15cが取り付けられ、磁気センサ取付
フレーム15dが、この取付軸15cを中心として揺動
し且つ長手方向に直線移動可能となるように取付けられ
ている。そして、カソードK側又はアノードA側の磁気
を一度に測定するために、磁気センサ取付フレーム15
dには複数の磁気センサ13が設置されている。ここ
で、このような構造としたのは、図10に示したよう
に、陰極支持用竿34の両端及びアノード板Aの耳部
は、左右いずれか一方の電解槽側壁30cの上面及び他
方の電解槽側壁30cに設けられた共通導体32にそれ
ぞれ支持されているため、カソードKの磁束を測定する
箇所とアノードAの磁束を測定する箇所はそれぞれ対向
する位置の電解槽側壁30cで測定する必要がある。吊
具装置15に、カソードKの磁束を測定するセンサとア
ノードAの磁束を測定するセンサをそれぞれ取り付ける
ことも可能であるが、磁気センサ13の取付数が約倍に
なりコストがかかると共に、重量も増加して好ましくな
い。そこで、X軸方向で揺動可能な取付軸15cを設
け、これに磁気センサ取付フレーム15dを取り付けて
複数の磁気センサ13を配置し、カソードKとアノード
Aの両側の磁束をそれぞれ測定できるようにしたもので
ある。
【0020】但し、カソードKとアノードAが共通導体
32に支持されている位置は、X軸方向で約5cm程の
ズレがあるので、例えば、カソードK側を測定した後、
磁気センサ13を単に揺動しただけでは磁気センサ13
はアノードA側の測定位置近接されない。そのため、X
軸方向への移動を可能とするように磁気センサ取付フレ
ーム15dに直線移動案内機構を設けている。また、各
磁気センサ13は、テフロン製の丸棒の先端に取り付け
られている。これは、万が一、磁気センサ13が陰極支
持用竿34や電解槽側壁30c等に接触し乗り上げたよ
うな場合にテフロン製の丸棒を撓ませることにより磁気
センサ13の損傷を回避するためである。さらに、各磁
気センサ13は、カソード板K又はアノ−ド板Aに近接
した所定位置に正確に配置されることが必要であるた
め、磁気センサ取付フレーム15dへの取り付け位置が
微動ネジにより調整可能とされている。尚、本実施例に
おいては、この磁気センサ13は、カソード板Kの数だ
け、例えば、56本設置されている。
【0021】本実施例において磁気センサ13には、フ
ラックスゲート型磁気センサを用いている。このフラッ
クスゲート型磁気センサは電解製錬における異常電極の
検出には使用された事例は見当たらないが、素子の信号
処理が簡明であり、汎用型であるため価格も安いという
メリットがある。フラックスゲート型磁気センサは、図
8に示すような構成を有するものであるが、かかる構成
は従来周知であるためここでの詳細な説明は省略する。
【0022】本発明においては、各磁気センサ13が駆
動電源スイッチのオン/オフに同期して起こる出力変動
による測定誤差の発生を回避するため、各磁気センサ1
3には2つの駆動用バッテリ14a、14bが並列して
連結されており、この駆動用バッテリ14a、14bか
ら各磁気センサ13にそれぞれ別系統で電流を供給する
ようになっている。そして、各磁気センサ13にはこの
2系統のうちいずれか一方の駆動用バッテリ14a、1
4bから本システムの運転停止に関わらず、常に電流が
供給され連続印加とされている。このように駆動用バッ
テリ14a、14bを2系統設けたことにより、いずれ
か一方の、例えば、駆動用バッテリ14bが充電中であ
っても、もう一方の駆動用バッテリ14aにスイッチ1
4cを切り替えることによって連続して各磁気センサ1
3電流を供給することが可能となる。さらに、周囲の雰
囲気変化に伴う各磁気センサ13の出力の変動を絶縁変
換器17を設けることにより防止することとした。
【0023】吊具装置15の下部に取り付けられた磁気
センサ取付フレーム15dには停止装置25が取り付け
られている。停止装置25は、概略として、係止部材2
5a、ストッパ25b、円盤26、検出体27、減速セ
ンサ29a、停止センサ29b、非常停止センサ29c
を有して構成されている。電解槽30の左右のいずれの
電解槽側壁30c上面の磁束を測定することができるよ
うに磁気センサ13を揺動可能としたことから、本実施
例においては、図3に示すように、磁気センサ13に対
して取付軸15cを中心にそれぞれ45度方向に位置す
るように係止部材25aが磁気センサ取付フレーム15
dに摺動可能に2つ取り付けられていると共に、磁気セ
ンサ取付フレーム15dの長手方向ほぼ両端部の2箇所
に取り付けられている。このような構造にすることによ
り、磁気センサ13が左右のいずれの電解槽側壁30c
に向けられても、どちらかの係止部材25aを垂直方向
に位置させることが可能となる。すなわち、磁気センサ
13を右45度方向へ位置させた場合にはbが動作し、
磁気センサ13を左45度方向に位置させた場合にはa
が動作する(図3参照)。従って、本実施例においては
係止部材25aは、磁気センサ取付フレーム15dのほ
ぼ両端2箇所にそれぞれ2つずつの合計4つ設置されて
いる。このように係止部材25aを磁気センサ取付フレ
ーム15dの左右の両端2箇所に取り付けたのは、吊具
装置15を昇降させる2つのモータ(図示されていな
い)を独立して制御することにより吊具装置15の傾き
をなくすためである。
【0024】係止部材25aの上端部には、係止部材2
5aが脱落しないように落下防止用のストッパ25bが
設けられている。一方、係止部材25aの下端部には、
位置決めの起点となる参照位置に接触するようための当
接手段として円盤26が取り付けられている。この円盤
26は、複数の陰極支持用竿34に接触することができ
るような大きさで、且つ、円周方向に自由に回転するよ
うになっている。また、係止部材25aの所定位置に
は、非接触形の近接スイッチに感知される検出体27が
取り付けられている。
【0025】係止部材25a近傍の磁気センサ取付フレ
ーム15dには、検出体27の接近を感知して作動する
近接スイッチである減速センサ29a、停止センサ29
b、非常停止センサ29cがそれぞれ下方から順番に所
定位置に取り付けられており、各センサが検出体27の
接近を感知すると作動してその信号が図示しない昇降モ
ータに送られ、モータが減速、停止、非常停止するよう
になっている。
【0026】図示された好ましい実施形態では、各磁気
センサ13により測定された磁気データは、吊具装置1
5の上面に固定されたデータ処理装置11によってA/
D変換処理され、電解槽30の設置されている場所から
隔離された管理室内に設置されたプリンタでプリントア
ウト及び/又はモニタに表示される。このときの磁気デ
ータの伝達は、高周波による無線通信によって行なわれ
ている。無線通信は伝送できるデータ量は光通信より少
ないが、配線が不要であるというメリットがある。もち
ろん光ファイバによる光通信とすることもできる。
【0027】次に、前述した電解製錬における異常電極
の検出システムの動作について説明する。図示しないフ
レーム及び/又はスライド本体18cを水平移動して目
標とする電解槽30上方に吊具装置15を移動する。こ
の移動の際に障害物等がある場合には、第2ワイヤ15
bを巻き上げると共に、第1ワイヤ16bを巻き上げて
高さの調整をする。移動装置18が所定位置に到達した
ら移動を停止する。この際第1筒状ガイド部材18d及
び第2筒状ガイド部材16dが存在するため、移動装置
18の移動に伴う慣性力による吊具装置15の揺れが抑
制される。その後、図示しない昇降モータを作動させ
て、第2ワイヤ15b巻き下げ、吊具装置15を降下さ
せる。
【0028】吊具装置15が降下すると、磁気センサ取
付フレーム15dのほぼ両端部2箇所の係止部材25a
の下部に取り付けられた円盤26がそれぞれ陰極支持用
竿34に接近し(図4(a))、その後当接する(図4
(b))。円盤26が陰極支持用竿34に当接すると、
係止部材25aの下降は停止するが、磁気センサ取付フ
レーム15dとの取り付け部分は摺動可能となっている
ため吊具装置15はなおも下降を続ける。吊具装置15
が下降を続けると、磁気センサ取付フレーム15dに取
り付けられた各種センサのうち、まず最下部に取り付け
られた減速センサ、29aが検出体27に接近する(図
4(c))。そして、検出体27の接近を感知した減速
センサ29aは昇降モータを減速させるように信号を発
する。この信号を受けた昇降モータは減速を始め、吊具
装置15の下降速度が減速する。
【0029】さらに吊具装置15が降下を続けると、今
度は停止センサ29bが検出体27の接近を感知して、
昇降モータを停止させるように信号を発する。そして、
この信号を受けた昇降モータは停止し、吊具装置15の
下降が停止する。万が一、昇降モータが停止しない場合
には、検出体27は非常停止センサ29cに接近するの
で、非常停止センサ29cが検出体27の接近を感知
し、昇降モータを非常停止させるための信号を発する。
そして、この信号を受けた昇降モータは非常停止させら
れ、吊具装置15が非常停止する。これら一連の動作
は、磁気センサ取付フレーム15dの両端2箇所でそれ
ぞれ独立して行なわれる。
【0030】上述の動きと連動して、位置案内手段10
のフレア状の拡開部が位置決め手段20に取り付けられ
た係合部材20aに接近し、やがて係合が開始される。
吊具装置15がさらに降下を続けると、位置案内手段
10のフレア状の拡開部が円錐形状の係合部材20aの
側面を沿うように摺動し、多数の磁気センサ13が予め
定められたカソード板Kに近接した所定位置に正確に配
置されるように吊具装置15が水平方向に微移動して位
置制御が行なわれて係合され、その後、カソードK側の
磁束を測定する。
【0031】所定位置で磁束を測定した後は、第2ワイ
ヤ15bを巻き上げて吊具装置15を上昇させ、磁気セ
ンサ取付フレーム15dをアノード板A方向に90度揺
動すると共に、磁気センサ13がアノード板Aの磁束測
定位置に位置するようにX軸方向へ移動させる。そし
て、吊具装置15を降下させてアノードA側の磁束を測
定する。その後、第2ワイヤ15bを巻き上げて吊具装
置15を上昇させ、移動装置18を水平移動して次の目
標とする電解槽30上方に吊具装置15を移動して、こ
の作業を繰り返す。磁気センサ13を駆動する駆動用バ
ッテリ14a、14bが弱ってきたらバッテリの充電を
行ない、2系統のうちもう一方のバッテリで電流の供給
を続ける。
【0032】データ処理装置11では、各磁気センサ1
3によって測定された磁束密度から電流値を求めて平均
値を算出する。そして、この平均値から一定以上大きな
値又は小さな値を示す電極板を異常と判断する。この磁
気データはデータ処理装置11から無線通信により、電
解槽30の設置されている場所から隔離された図示しな
い管理室内に設置されたプリンタでプリントアウト及び
/又はモニタに表示される。
【0033】電極板の異常位置の特定は次のように行な
う。まず、図5に示すように、初めに磁気センサ13で
陰極側の磁束密度を測定すると、複数のカソード板Kの
うち、短絡が起こっている「C」に大量の電流が流れて
いるため「C」が異常であると判断される。しかし、陰
極側の磁束密度だけを測定したのでは、異常のあるカソ
ード板K(ここでは、「C」)は特定できるが、アノー
ド板A「B」又は「D」のうちどちらの面と短絡が起こ
っているかまではわからない。そこで、陽極側の磁束密
度を測定すると、「D」には大量の電流が流れているこ
とから「D」は異常値を示し、「B」は正常値を示す。
従って、「C」と「D」の間で短絡が起こっていること
がわかるので、「C」を引き上げて「D」と隣り合う面
に発生したコブの除去を行なう。
【0034】
【発明の効果】このように、システムの運転停止に関わ
らず常にフラックスゲート型磁気センサに電流を供給す
ることとしたので、駆動電源のオン/オフに伴う出力の
変動を回避することができ、測定誤差を発生させること
なく磁気の測定をすることが可能となった。また2系統
から電流を供給することとしたので、いずれか一方の駆
動用バッテリが充電中であっても、別の駆動用バッテリ
により電流の供給が可能となるため、常にフラックスゲ
ート型磁気センサに電流を供給することができるため、
測定誤差を発生させることなく磁気の測定をすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る検出方法を実施するためのシステ
ムの一実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】図1の異常電極の検出システムの部分拡大斜視
図である。
【図3】係止部材の取り付け位置を示す概略側面図であ
る。
【図4】係止部材の動作を示す断面図である。
【図5】図5(a)は短絡を起こした電極を特定する方
法を説明するための平面図であり、図5(b)は(a)
の側面の断面図である。
【図6】磁気センサへの電流供給を説明するための説明
図である。
【図7】本発明に係る検出方法を実施するために用いら
れるフラックスゲート型磁気センサの典型例の斜視図で
ある。
【図8】図7の磁気センサの回路図である。
【図9】従来の電解槽への給電方法を説明するための該
略図である。
【図10】電解製錬におけるアノード板及びカソード板
への給電部の斜視図である。
【符号の説明】
A アノード K カソード 10 位置案内手段 11 データ処理装置 13 磁気センサ 14a 駆動用バッテリ 14b 駆動用バッテリ 14c スイッチ 15 吊具装置 15a 第2ガイド棒 15b 第2ワイヤ 15c 取付軸 15d 磁気センサ取付フレーム 16 懸垂部材 16a 第1ガイド棒 16b 第1ワイヤ 16d 第2筒状ガイド部材 17 絶縁変換器 18 移動装置 18a モータ 18b レール 18c スライド本体 18d 第1筒状ガイド部材 20 位置決め手段 20a 係合部材 25a 係止部材 25b ストッパ 26 円盤 27 検出体 29a 減速センサ 29b 停止センサ 29c 非常停止センサ 30 電解槽 30c 長側壁 32 共通導体 34 陰極支持用竿 35 脚 40 コブ

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解液が溜められた電解槽に、該電解槽
    の対向する両側壁上面に固定された導体の陰極側には陰
    極板が、陽極側には陽極板が、それぞれ導電可能に支持
    された状態で交互に浸漬され、前記導体と複数の前記陰
    極板との接点近傍及び/又は前記導体と複数の前記陽極
    板との接点近傍の磁気を測定することにより電極板の異
    常位置を特定して検出する電解製錬における異常電極の
    検出方法であって、 前記磁気を測定するセンサとして、フラックスゲート型
    磁気センサを用いると共に、その駆動電源を専用の直流
    バッテリとしてオン/オフを行わない連続印加で操作
    し、それにより、駆動電源のオン/オフに伴う出力変動
    による測定誤差を回避することを特徴とする電解製錬に
    おける異常電極の検出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電解製錬における異常
    電極の検出方法において、 前記直流バッテリを少なくとも2系列並列して設置して
    切り替え使用し、使用していない方の直流バッテリは必
    要に応じて充電するようにしてなることを特徴とする電
    解製錬における異常電極の検出方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の電解製錬におけ
    る異常電極の検出方法において、さらに、 水平移動可能な頭上移動形クレーンに吊具装置を昇降可
    能に吊り下げ設置する工程と、 前記吊具装置に、取り付けフレームを該取付フレームの
    長手方向を軸として、揺動かつ直線移動可能に取り付け
    る工程と、 前記取付フレームに複数の前記フラックスゲート型磁気
    センサを配置する工程と、 前記頭上移動形クレーンを作動して吊具装置を目標とす
    る電解槽の上方に移動させた後、降下させ、前記フラッ
    クスゲート型磁気センサを前記導体により支持される各
    前記陰極板又は各前記陽極板との接点近傍に位置させて
    磁気を測定する工程と、 前記吊具装置を上昇させ、前記取付フレームを揺動且つ
    直線移動させた後、各前記フラックスゲート型磁気セン
    サが反対側の各前記陽極板又は各前記陰極板との接点近
    傍に位置するように前記吊具装置を降下させ、磁気を測
    定する工程と、 を備えて構成されてなる電解製錬における異常電極の検
    出方法。
  4. 【請求項4】 電解液が溜められた電解槽に、該電解槽
    の対向する両側壁上面に固定された導体の陰極側には陰
    極板が、陽極側には陽極板が、それぞれ導電可能に支持
    された状態で交互に浸漬され、前記導体と複数の前記陰
    極板との接点近傍及び/又は前記導体と複数の前記陽極
    板との接点近傍の磁気を測定することにより電極板の異
    常位置を特定して検出する電解製錬における異常電極の
    検出システムであって、 フラックスゲート型磁気センサを、前記導体と複数の前
    記陰極板との接点近傍及び/又は前記導体と複数の前記
    陽極板との接点近傍に選択的に移動可能なように設置す
    ると共に、前記フラックスゲート型磁気センサに対しオ
    ン/オフを行わない連続印加で直流電圧を付与する専用
    の直流バッテリを電気的に接続してなり、それにより、
    駆動電源のオン/オフに伴う出力変動による測定誤差を
    回避することを特徴とする電解製錬における異常電極の
    検出システム。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の電解製錬における異常
    電極の検出システムにおいて、 前記直流バッテリは、少なくとも2系列並列して設置さ
    れ、それぞれは、切り替えスイッチにより切り替え使用
    されるように構成されていると共に、使用していない方
    の直流バッテリは必要に応じて充電するようにしてなる
    ことを特徴とする電解製錬における異常電極の検出シス
    テム。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載の電解製錬におけ
    る異常電極の検出システムにおいて、 水平移動可能な頭上移動形クレーンと、 前記頭上移動形クレーンに吊り下げられた吊具装置と、 前記吊具装置に揺動かつ直線移動可能に取り付けられた
    取付フレームと、そして、 前記取付フレームに配置された複数の前記フラックスゲ
    ート磁気センサと、を含み構成される電解製錬における
    異常電極の検出システム。
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