JPH10195688A - 電解製錬の異常検出方法及びそれを実施する異常検出システム - Google Patents

電解製錬の異常検出方法及びそれを実施する異常検出システム

Info

Publication number
JPH10195688A
JPH10195688A JP35690596A JP35690596A JPH10195688A JP H10195688 A JPH10195688 A JP H10195688A JP 35690596 A JP35690596 A JP 35690596A JP 35690596 A JP35690596 A JP 35690596A JP H10195688 A JPH10195688 A JP H10195688A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrolytic cell
electrolytic
anode
cathode
processing device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP35690596A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3189947B2 (ja
Inventor
Yoshiaki Maeda
美紹 前田
Katsuto Ito
克人 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikko Kinzoku KK
Original Assignee
Nikko Kinzoku KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikko Kinzoku KK filed Critical Nikko Kinzoku KK
Priority to JP35690596A priority Critical patent/JP3189947B2/ja
Publication of JPH10195688A publication Critical patent/JPH10195688A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3189947B2 publication Critical patent/JP3189947B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrolytic Production Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 陰極と陽極との間の短絡(ショート)を高精
度且つ迅速に検出することができる電解製錬の異常検出
方法を提供する。 【解決手段】 電解製錬における異常状態の検出方法で
あって、垂吊装置15に、共通導体36に支持されてい
る側付近の陰極種板K及び陽極耳付き型Aに接触可能又
は近接して配置可能なように複数の磁気検出手段10を
設ける工程と、直流電源より直流電流を陽極耳付き型
A、電解槽30内の電解液及び陰極種板Kを通して供給
する工程と、そして、クレーンを作動して垂吊装置15
を目標とする電解槽30の上方に移動させ、該垂吊装置
15を所定の高さまで降下して複数の磁気検出手段10
を共通導体36に支持されている側付近の陰極種板K及
び陽極耳付き型Aに接触又は近接して位置させる工程
と、を備えて構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解製錬の電解槽
における電流効率阻害の要因である異常状態を検出する
電解製錬の異常検出方法及びそれを実施する異常検出シ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電解製錬設備の概要について説明
する(図5参照)。電解槽50は、上に向って解放した
直方体形状で、その長側壁50aの上面に共通導体52
(ブスバー)を設置する。電解槽50は、図4に最も良
く示されているように縦方向及び横方向に複数隣接して
設置されており、その総数は数百槽にも及ぶ。各電解槽
50の電解液には、複数(Cuの場合、通常、20枚か
ら50枚程度)の陰極種板K及び陽極耳付き型Aが交互
に平行になるようにして浸漬される。各陰極種板Kは、
導電用棹54(クロスバー)に吊り下げられている。ク
ロスバー54の両端及び陽極耳付き型Aの耳部A1は、
左右いずれか一方の電解槽側壁50aの上面及び他方の
電解槽側壁50aに設けられた共通導体52にそれぞれ
支持されている。
【0003】図4に示されたウオルカ式電流供給方式で
は、縦横2つずつ合計4つの電解槽50を一組として各
電解槽50の全陽極耳付き型Aから全陰極種板Kにそれ
ぞれ電流が流れるように配線されている。電解製錬用電
源としては、低電圧、大電流を必要とし、大容量であり
ながら電解操業の条件に応じて広い範囲の電圧調節が可
能であるため、サイリスタ方式又はダイオード方式の半
導体整流器が用いられる。
【0004】かかる電解製錬における正常操業を妨げる
要因として、陰極面での樹枝状晶やコブの発生、陰極の
湾曲、大きな陽極破片による橋渡しなどがある。作業員
による巡回以外の方法で、これら異常を早期に発見する
方法として従来2つの異常検出方法があった。
【0005】第一は、クロスバーの電流を測定する方法
で、短絡(ショート)を起こしている電極ではクロスバ
ーを流れる電流が異常に大きくなることに着目したもの
である。また、第二の方法は、図6に示されているよう
に、クレーン70に赤外線カメラ72を設置し、電解槽
74の温度を管理室60内に設けられたモニタ62に表
示する方法である。この方法も、短絡部分の温度が局所
的に上昇することに着目したものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した両
方法とも、流れる電流が短絡により大きくなる場合に有
効な方法であるが、以下に述べる欠点を有している。
【0007】すなわち、前記第一の方法は、各クロスバ
ーを流れる電流測定装置の設置及びその配線が現実的に
は難しく、また、電流そのものの変動を直接測定監視す
ることは精度の点で難点がある。また、上述した第二の
方法は、短絡部分の温度が電解槽の他の部分に比べて顕
著に高くなるまでに時間的遅れがあり、そのような短絡
を早期に発見することができない欠点を有している。さ
らに、そのような温度変化は、比較的広い範囲にわたっ
て漠然と現れるため、現実に短絡している陰極種板を特
定するのにある程度の時間がかかる欠点を有している。
【0008】このため、前記両方法とも作業員による巡
回を併用して採用することにより、短絡の早期発見の監
視を行っている。しかしながら、前述のように、工場内
に設置される電解槽の数は数百に及びその各々に40枚
から100枚程度の電極が吊り下げられるから、巡回監
視しなければならない電極の数は膨大なものとなる。そ
のため、常時、数名の巡回作業員が必要であるという欠
点があった。
【0009】従って、本発明は、陰極と陽極との間の短
絡を高精度且つ迅速に検出することができる電解製錬の
異常検出方法を提供することを目的とする。本発明は、
また、そのような方法を実施する異常検出システムを提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為
に、本発明は、上に向って解放した直方体形状の電解
槽、電解槽側壁の上面に固定された共通導体、左右いず
れか一方の電解槽側壁の上面及び他方の電解槽側壁に設
けられた共通導体にそれぞれ吊り下げられた電解槽に交
互に浸漬された複数の陰極種板及び陽極耳付き型、陽極
側から陰極側に電流を流す直流電源、複数の陰極種板及
び/又は陽極耳付き型を一括して電解槽に挿入/抜出し
する垂吊装置、該垂吊装置を水平移動するクレーンを用
いて行う電解製錬における異常状態の検出方法であっ
て、垂吊装置に、共通導体に支持されている側付近の陰
極種板及び陽極耳付き型に接触可能又は近接して配置可
能なように複数の磁気検出手段を設ける工程と、直流電
源より直流電流を陽極耳付き型、電解槽内の電解液及び
陰極種板を通して供給する工程と、そして、クレーンを
作動して垂吊装置を目標とする電解槽の上方に移動さ
せ、さらに、該垂吊装置を所定の高さまで降下して複数
の磁気検出手段を共通導体に支持されている側付近の陰
極種板及び陽極耳付き型に接触又は近接して位置させる
工程とを備えて構成されてなる電解製錬の異常検出方法
を提供する。
【0011】クレーンを水平移動して目標とする電解槽
の上方に垂吊装置を移動する。クレーンを作動させて垂
吊装置を降下し、該垂吊装置に取り付けられた複数の磁
気検出手段を陰極種板及び陽極耳付き型の所定の位置に
接触又は近接して配置する。ここで、所定の位置とは、
交互に配置された陰極種板及び陽極耳付き型の共通導体
に支持されている側付近をいう。各磁気検出手段は、そ
れぞれの陰極種板及び陽極耳付き型を通る電流により発
生せしめられる磁界を検出し、その磁界密度に対応した
検出信号を発生する。
【0012】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の電解製錬の異常検出方法において、さらに、クレーン
又は垂吊装置に設置したデータ処理装置により複数の磁
気検出手段からの検出信号をデータ処理する工程と、そ
して、電解槽の設置されている場所から隔離された管理
室内に設けられた演算処理装置によりデータ処理装置か
らの処理データに基いて異常状態を検出し、プリントア
ウトする及び/又はモニタに表示する工程とを備えて構
成されてなる。
【0013】クレーン又は垂吊装置に設置したデータ処
理装置は、複数の磁気検出手段から送られてきたこれら
検出信号をデータ処理して、出力信号を発する。管理室
内に設けられた演算処理装置は、データ処理装置からの
処理データに基いて異常状態を検出し、オペレータが認
知できるようにプリントアウト及び/又はモニタに表示
する。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の電解製錬の異常検出方法において、磁気検出手
段が、垂直方向静止磁界の磁界密度を検出可能なセンサ
ヘッドと、該センサヘッドからの磁界密度をそれに比例
したアナログ電圧に変換する変換器と、そして、両者を
接続する信号伝達線とから構成されていることを特徴と
する。
【0015】変換器を垂吊装置に取り付け、センサヘッ
ドを信号伝達線によって該垂吊装置から吊り下げるよう
に設置する。これにより、クレーンを作動させて垂吊装
置を降下した際、センサヘッドが電極に衝突して作動不
良を起こすといった事故を削減する。
【0016】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれか1項に記載の電解製錬の異常検出方法におい
て、データ処理装置から演算処理装置への信号伝達は、
光ファイバによる有線光通信により又は高周波による無
線通信によって行う。
【0017】光ファイバによる有線光通信は、ノイズの
侵入を排除しつつデータ処理装置からの大量の処理デー
タを瞬時に管理室内に設けられた演算処理装置に伝送す
る。高周波による無線通信は、伝送できるデータ量は光
通信に劣るものの、データ処理装置と管理室内に設けら
れた演算処理装置との間の配線を不要とする。
【0018】本発明の第二の態様は、上に向って解放し
た直方体形状の電解槽と、電解槽側壁の上面に固定され
た共通導体と、左右いずれか一方の電解槽側壁の上面及
び他方の電解槽側壁に設けられた共通導体にそれぞれ吊
り下げられた電解槽に交互に浸漬された複数の陰極種板
及び陽極耳付き型と、陽極側から陰極側に電流を流す直
流電源と、複数の陰極種板及び/又は陽極耳付き型を一
括して電解槽に挿入/抜出しする垂吊装置、該垂吊装置
を水平移動するクレーンと、そして、垂吊装置に、共通
導体に支持されている側付近の陰極種板及び陽極耳付き
型に接触可能又は近接して配置可能なように取り付けら
れた複数の磁気検出手段とを備えて構成されてなる電解
製錬における異常状態の検出システムを提供する。
【0019】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の電解製錬の異常検出システムにおいて、さらに、複数
の磁気検出手段からの検出信号をデータ処理するクレー
ン又は垂吊装置に設置したデータ処理装置と、電解槽の
設置されている場所から隔離された管理室内に設けら
れ、データ処理装置からの処理データに基いて異常状態
を検出する演算処理装置と、管理室内に設けられ、演算
処理装置からの処理結果を表示するための出力手段とを
備えて構成されている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電解製錬の異
常検出方法及びそれを実施する異常検出システムについ
て、図示された好ましい実施例に基いて詳細に説明す
る。図1は、本発明に係る電解製錬の異常検出方法を実
施する異常検出システムの一実施形態を示す概略斜視図
である。
【0021】多数配列されたCu精錬のための電解槽3
0は、希硫酸等の電解液を溜める槽であり、全体を枠組
み固定され複数の脚34によりがたつかないように床に
置かれている。それぞれの電解槽30にはアノード側電
極であるアノ−ド板Aとカソード側電極であるカソ−ド
板Kが交互に並列支持して配置される。又、それぞれの
電解槽30の上縁には、上方に突出する凸部材32が各
2個づつ固定され、後述するガイドロッド18と嵌合す
るようになっている。
【0022】吊垂装置15は、メインフレーム16上面
の4箇所の吊り部材14の部分でクレーンのワイヤ−W
により水平に吊り下げられている。ワイヤ−Wの上方
は、図示されていない従来周知のクレーンであり、ワイ
ヤ−Wを巻き上げる巻き上げ機構と、この巻き上げ機構
を搭載したフレームをレール上で複数並列配置された電
解槽30の縦方向X又は横方向Y(図1においては横方
向Yのみ連続して複数の電解槽30を描いた)に水平移
動する水平移動手段と、フレームを所望の電解槽30の
上方に停止させる位置制御手段とを備えている。そし
て、吊垂装置15は、クレーンにより、任意の電解槽3
0上方とコンベヤ40上方との間を水平移動し、Z方向
に昇降して電解槽30の所定位置或いはコンベヤ上の所
定位置に並列支持された多数のアノ−ド板A及びカソ−
ド板Kをまとめて吊り上げ又は吊り下げる。
【0023】メインフレーム16の下部には、カソ−ド
板Kを吊すためのカソード用フックとアノ−ド板Aを吊
すためのアノード用フックとがそれぞれの電極数の2倍
の数取付けられているが、図の見易さのために省略し
た。メインフレーム16の長手方向の両端部近傍には、
一対となるガイドロッド18が夫々スライド軸受12に
より上下スラスト方向にスライド自在に取付けられてい
る。ガイドロッド18の下端面には、円錐形状の凹部1
8aと逆V字形の溝18bとが形成されており、電解槽
30の上縁面30a、30bに上方に向って突設された
凸部材32a,32b及びコンベヤ40側の凸状レ−ル
42と嵌合し簡単且つ精密に位置合わせできるようにな
っている。
【0024】メインフレーム16の下面には、多数の磁
気検出センサ10がアノ−ド板Aとカソ−ド板Kの合計
数だけ設置されている。なお、吊垂装置15は、アノ−
ド板A用とカソ−ド板K用とを別個に設けることができ
るが、その場合、いずれかのタイプ又は両方のタイプの
吊垂装置15に多数の磁気検出センサ10を設けること
ができる。磁気検出センサ10の設置位置は、アノ−ド
板A又はカソ−ド板Kが電解槽側壁30cの上面に固定
された共通導体36(図2参照)に支持されている側の
対応する位置となる。交互に配置されたアノ−ド板A又
はカソ−ド板Kが共通導体36に接触する位置付近は、
材料の太さが減少しており、相対的に大量の電流が流れ
る。従って、この部分の磁束密度はそれだけ大きくな
り、その変化を測定し易い。また、電解槽30の上縁に
形成された上方に突出する凸部材32が、吊垂装置15
のガイドロッド18と嵌合するようになっているため、
両者の正確な位置決めは確保される。
【0025】図4に示されたようなウオルカ式電流供給
方式では、アノ−ド板A側の磁気検出センサ10はメイ
ンフレーム16の一方の長辺に沿って、そして、カソ−
ド板K側の磁気検出センサ10はメインフレーム16の
他方の長辺に沿って設置される。これに対して、アノ−
ド板A及びカソ−ド板Kが、各電解槽30の一方の電解
槽側壁30cの上面に固定された一対の共通導体36と
通電する方式では、全ての磁気検出センサ10がメイン
フレーム16の一方の長辺に沿って設置される。
【0026】図示された好ましい実施形態では、磁気検
出センサ10は、垂直方向静止磁界の磁界密度を検出可
能なセンサヘッド10aと、センサヘッド10aからの
磁界密度をそれに比例したアナログ電圧に変換する変換
器10bと、そして、両者を接続する信号伝達線10c
とから構成されていることを特徴とする。センサヘッド
10aは、アノ−ド板A又はカソ−ド板Kの所定の位置
に接触させるように配置される。この場合、クレーンを
作動させて垂吊装置15を降下した際、センサヘッド1
0aが電極に衝突して作動不良を起こすといった事故を
防止しなければならない。図示された好ましい実施形態
では、そのためにセンサヘッド10aを固定した内筒1
0dを外筒10eに入れ子式に挿入し、両者の間に圧縮
スプリング10fを介在させている。かかる磁気検出セ
ンサ10の変換器10bを垂吊装置15に取り付け、セ
ンサヘッド10aを信号伝達線10cによって該垂吊装
置15から吊り下げるように設置する。これにより、セ
ンサヘッド10aが電極と接触した後は、スプリング1
0fが圧縮して内筒10dが外筒10e内に入り込む。
センサヘッド10aは、電極に非接触とすることもでき
る。そうすると、センサヘッド10aの摩耗がなく長期
間にわたる正確な測定が可能となる利点がある。
【0027】複数の磁気検出センサ10からの検出信号
は、吊垂装置15上に固定されたデータ処理装置11に
よってデータ処理される。データ処理装置11は、クレ
ーンのフレームに取り付けることもできる。データ処理
装置11としては、多点高速スキャン可能な、例えば、
スキャン速度0.3ms/点(512点/秒)のデータ
ロガMD4100A(商品名)を用いることができる。
【0028】電解槽30の設置されている場所から隔離
された管理室20内に設けられた演算処理装置22は、
データ処理装置11からの処理データに基いて異常状態
を検出する。この異常状態を示す出力は、管理室20内
のプリンタ24でプリントアウト及び/又はモニタ26
に表示される。
【0029】図示された好ましい実施形態では、データ
処理装置11から演算処理装置22への信号伝達は、高
周波による無線通信によって行なわれている。高周波に
よる無線通信は、伝送できるデータ量は光通信に劣るも
のの、クレーン側のデータ処理装置11と管理室20内
に設けられた演算処理装置22との間の配線を不要とす
る利点を有する。なお、高周波による無線通信の場合に
は、送信側機器の方向性の理由により、少なくてもデー
タ処理装置11の送信器11aは、クレーンのフレーム
に取り付けることが好ましい(図1では、便宜的にメイ
ンフレーム16の上面に取り付けて図示されている)。
データ処理装置11から演算処理装置22への信号伝達
は、また、光ファイバによる有線光通信により行うこと
もできる。光ファイバによる有線光通信は、ノイズの侵
入を排除しつつデータ処理装置11からの大量の処理デ
ータを瞬時に管理室20内に設けられた演算処理装置2
2に伝送する。
【0030】次に、前述した異常検出システムの動作に
ついて説明する。クレーンを水平移動して目標とする電
解槽30上方に垂吊装置15を移動する。クレーンを作
動させて垂吊装置15を降下し、この垂吊装置に取り付
けられた複数の磁気検出センサ10のセンサヘッド10
aをアノ−ド板Aの耳部及びカソ−ド板Kのクロスバー
に接触又は近接して配置する。各磁気検出センサ10の
センサヘッド10aは、それぞれの電極を通る電流によ
り発生せしめられる磁界を検出し、信号伝達線10cを
通して変換器10bに送る。変換器10bは、検出され
た磁界密度に比例するアナログ信号を発生し、クレーン
又は垂吊装置15に設置したデータ処理装置11に図示
されていない信号伝達線を介して伝送する。
【0031】データ処理装置11では、複数の磁気検出
センサ10から送られてきたこれらアナログ検出信号を
データ処理する。例えば、許容電流値の範囲を設定して
おき、複数の磁気検出センサ10から送られてきた検出
信号がこの許容値以外であった場合に異常信号を発生す
るように設定することができる。管理室20内に設けら
れた演算処理装置22は、データ処理装置11からの処
理データに基いて異常状態を検出し、オペレータが認知
できるようにプリンタ24でプリントアウト及び/又は
モニタ26に表示する。
【0032】図3(a)及び(b)は、それぞれ、同一
の電解槽を本発明に係る電解製錬の異常検出方法及び従
来の電流計を用いる異常検出方法で計測した場合の検出
データを示すグラフである。
【0033】両者を比較すると、両データは異常状態の
検出という点においてはほぼ同じ検出結果を示してい
る。従って、本発明に係る電解製錬の異常検出方法は、
電流計を用いる異常検出方法に代用して用いることがで
きる。このことは、磁気検出センサ10を電極に接触さ
せた場合(センサクリアランスがゼロ)も、非接触の場
合(センサクリアランスが10mm)も同様の結果を示
しており、さらに、電流の大きさが変化しても同じであ
る。
【0034】また、本発明の丸印のデータは、1つの電
解槽の端から4つずつの電極における磁束密度を一緒に
測定したものである。そのような複数の電極の同時測定
によっても同様の結果を示している。理論的には、1つ
の電解槽の全ての電極を同時に測定できるから、測定に
要する時間はそれだけ少なくなる。
【0035】より詳細に見ると、従来方法では、短絡時
に針が振り切れてしまう。そこで、従来は、正常運転時
の電流の3倍の電流が流れた時、短絡と見做して異常除
去のための対策をとるようにしている。一方、本発明方
法は、磁束密度で測定しているため、短絡した場合にも
正常運転時の3倍程度の磁束密度であるため、データの
記録がコンパクトに且つ正確に行うことができる。
【0036】
【発明の効果】本発明の電解製錬の異常検出方法では、
垂吊装置に設けられた複数の磁気検出手段で、共通導体
に支持されている側付近の陰極種板及び陽極耳付き型を
通る電流によって発生せしめられた磁界を測定するか
ら、陰極面での樹枝状晶やコブの発生、陰極の湾曲、大
きな陽極破片による橋渡しなどに起因する電流の増加を
正確に把握することができる。
【0037】すなわち、そのような位置を流れる電流そ
のものを測定するのではなく、磁気検出手段によって磁
束密度の変化を測定するため、その測定値は正確で且つ
時間的遅れはほぼゼロである利点もある。
【0038】さらに、本発明では、各電極(陽極耳付き
型及び陰極種板の両方)の各々について個々的に異常を
検出するから、現実に短絡している電極を直接知ること
ができ異常原因の除去を迅速に行える利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電解製錬の異常検出方法を実施
する異常検出システムの一実施形態を示す概略の斜視図
である。
【図2】 図1に示された磁気検出センサの詳細を示す
分解斜視図である。
【図3】(a)及び(b)は、それぞれ、同一の電解槽
を本発明に係る電解製錬の異常検出方法及び従来の電解
製錬の異常検出方法で計測した場合の検出データを示す
グラフである。
【図4】 ウオルカ式電流供給方式における電解槽への
給電方法を説明するための概略平面図である。
【図5】 従来の電解製錬におけるアノ−ド板及びカソ
−ド板への給電部の斜視図である。
【図6】 赤外線カメラを用いた従来の電解製錬の異常
検出方法を説明するための概略斜視図である。
【符号の説明】
10 磁気検出センサ 11 データ処理装置 12 スライド軸受 14 吊り部材 15 吊垂装置 16 メインフレーム 18 ガイドロッド 20 管理室 22 演算処理装置 24 プリンタ 26 モニタ 30 電解槽 30a、30b 上縁面、30c 電解槽側壁 32 凸部材 34 脚 36 共通導体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上に向って解放した直方体形状の電解
    槽、電解槽側壁の上面に固定された共通導体、左右いず
    れか一方の電解槽側壁の上面及び他方の電解槽側壁に設
    けられた共通導体にそれぞれ吊り下げられた前記電解槽
    に交互に浸漬された複数の陰極種板及び陽極耳付き型、
    陽極側から陰極側に電流を流す直流電源、複数の陰極種
    板及び/又は陽極耳付き型を一括して前記電解槽に挿入
    /抜出しする垂吊装置、該垂吊装置を水平移動するクレ
    ーンを用いて行う電解製錬における異常状態の検出方法
    であって、 前記垂吊装置に、前記共通導体に支持されている側付近
    の陰極種板及び陽極耳付き型に接触可能又は近接して配
    置可能なように複数の磁気検出手段を設ける工程と、 前記直流電源より直流電流を前記陽極耳付き型、電解槽
    内の電解液及び陰極種板を通して供給する工程と、そし
    て、 前記クレーンを作動して垂吊装置を目標とする電解槽の
    上方に移動させ、さらに、該垂吊装置を所定の高さまで
    降下して複数の磁気検出手段を前記共通導体に支持され
    ている側付近の陰極種板及び陽極耳付き型に接触又は近
    接して位置させる工程と、 を備えて構成されてなる電解製錬の異常検出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電解製錬の異常検出方
    法において、さらに、前記クレーン又は前記垂吊装置に
    設置したデータ処理装置により前記複数の磁気検出手段
    からの検出信号をデータ処理する工程と、そして、 前記電解槽の設置されている場所から隔離された管理室
    内に設けられた演算処理装置により前記データ処理装置
    からの処理データに基いて異常状態を検出し、プリント
    アウトする及び/又はモニタに表示する工程と、 を備えて構成されてなる電解製錬の異常検出方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の電解製錬の異常
    検出方法において、 前記磁気検出手段が、垂直方向静止磁界の磁界密度を検
    出可能なセンサヘッドと、該センサヘッドからの磁界密
    度をそれに比例したアナログ電圧に変換する変換器と、
    そして、両者を接続する信号伝達線とから構成されてい
    ることを特徴とする電解製錬の異常検出方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電
    解製錬の異常検出方法において、 前記データ処理装置から演算処理装置への信号伝達は、
    光ファイバによる有線光通信により又は高周波による無
    線通信によって行うことを特徴する電解製錬の異常検出
    方法。
  5. 【請求項5】 上に向って解放した直方体形状の電解槽
    と、 電解槽側壁の上面に固定された共通導体と、 左右いずれか一方の電解槽側壁の上面及び他方の電解槽
    側壁に設けられた共通導体にそれぞれ吊り下げられた前
    記電解槽に交互に浸漬された複数の陰極種板及び陽極耳
    付き型と、 陽極側から陰極側に電流を流す直流電源と、 複数の陰極種板及び/又は陽極耳付き型を一括して前記
    電解槽に挿入/抜出しする垂吊装置、該垂吊装置を水平
    移動するクレーンと、そして、前記垂吊装置に、前記共
    通導体に支持されている側付近の陰極種板及び陽極耳付
    き型に接触可能又は近接して配置可能なように取り付け
    られた複数の磁気検出手段と、 を備えて構成されてなる電解製錬における異常状態の検
    出システム。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の電解製錬の異常検出シ
    ステムにおいて、さらに、 前記複数の磁気検出手段からの検出信号をデータ処理す
    る前記クレーン又は前記垂吊装置に設置したデータ処理
    装置と、 前記電解槽の設置されている場所から隔離された管理室
    内に設けられ、前記データ処理装置からの処理データに
    基いて異常状態を検出する演算処理装置と、 前記管理室内に設けられ、前記演算処理装置からの処理
    結果を表示するための出力手段と、 を備えて構成されてなる電解製錬の異常検出システム。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6に記載の電解製錬の異常
    検出システムにおいて、 前記出力手段が、モニタ及び/又はプリンタであること
    を特徴とする電解製錬の異常検出システム。
JP35690596A 1996-12-26 1996-12-26 電解製錬の異常検出方法及びそれを実施する異常検出システム Expired - Fee Related JP3189947B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35690596A JP3189947B2 (ja) 1996-12-26 1996-12-26 電解製錬の異常検出方法及びそれを実施する異常検出システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35690596A JP3189947B2 (ja) 1996-12-26 1996-12-26 電解製錬の異常検出方法及びそれを実施する異常検出システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10195688A true JPH10195688A (ja) 1998-07-28
JP3189947B2 JP3189947B2 (ja) 2001-07-16

Family

ID=18451354

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35690596A Expired - Fee Related JP3189947B2 (ja) 1996-12-26 1996-12-26 電解製錬の異常検出方法及びそれを実施する異常検出システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3189947B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007529629A (ja) * 2004-03-17 2007-10-25 ケネコツト・ユタ・コツパー・コーポレーシヨン 電解セル電流のモニタリング
JP2013533390A (ja) * 2010-08-11 2013-08-22 オウトテック オサケイティオ ユルキネン 電解製錬および電解採取用装置
JP2017111157A (ja) * 2013-03-01 2017-06-22 オウトテック (フィンランド) オサケ ユキチュアOutotec (Finland) Oy 電気分解システムにおける個別電極の電流測定装置
JP2018521224A (ja) * 2015-07-01 2018-08-02 インドゥストリエ・デ・ノラ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ 非鉄金属の電着のための電極構造
CN110589042A (zh) * 2019-05-31 2019-12-20 苏州艾隆科技股份有限公司 全自动中药封装机

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007529629A (ja) * 2004-03-17 2007-10-25 ケネコツト・ユタ・コツパー・コーポレーシヨン 電解セル電流のモニタリング
JP2013533390A (ja) * 2010-08-11 2013-08-22 オウトテック オサケイティオ ユルキネン 電解製錬および電解採取用装置
US9783900B2 (en) 2010-08-11 2017-10-10 Outotec (Finland) Oy Apparatus for use in electrorefining and electrowinning
JP2017111157A (ja) * 2013-03-01 2017-06-22 オウトテック (フィンランド) オサケ ユキチュアOutotec (Finland) Oy 電気分解システムにおける個別電極の電流測定装置
JP2018521224A (ja) * 2015-07-01 2018-08-02 インドゥストリエ・デ・ノラ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ 非鉄金属の電着のための電極構造
CN110589042A (zh) * 2019-05-31 2019-12-20 苏州艾隆科技股份有限公司 全自动中药封装机

Also Published As

Publication number Publication date
JP3189947B2 (ja) 2001-07-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107767360B (zh) 一种用于电解槽极板故障的预警方法及检测装置
JP6138283B2 (ja) 電気分解システムにおける個別電極の電流測定
RU2641289C2 (ru) Усовершенствованная система измерения и управления электрическим током для цехов электролиза
JP6431099B2 (ja) 電気分解システムにおける個別電極の電流測定装置
JP3925983B2 (ja) 電解製錬の異常検出方法及びそれを実施する異常検出システム
JP2561019B2 (ja) 電解用極板の平坦度測定装置
JP3189947B2 (ja) 電解製錬の異常検出方法及びそれを実施する異常検出システム
JP2002012996A (ja) 電解製錬における異常電極の自動検出方法
CN105463512B (zh) 铝电解槽铝液界面波动和极距在线监测方法及其装置
JP3180902B2 (ja) 電解製錬における異常電極の検出方法及び異常電極検出システム
CN110760895A (zh) 铜电积车间极板电路故障实时监测预警方法
CN115046626A (zh) 基于振动信号的电力设备监测装置及方法
JP7136735B2 (ja) 電解精製における検査装置、システム、及び検出方法
JP3180901B2 (ja) フラックスゲート型磁気センサを用いた電解製錬における異常電極の検出方法及び異常電極の検出システム
CN217879575U (zh) 一种提板机精确定位系统及提板机
RU2704395C1 (ru) Система для мониторинга анодов, применяемая в электролитическом процессе
EP3460106B1 (en) Automatic auxiliary crane for maintaining an electrolysis installation
JP3183400B2 (ja) 電解製錬における異常電極の検出に用いる磁気センサの校正方法
JPH11323590A (ja) 電解製錬における相対評価による異常電極の検出方法
CN218884887U (zh) 一种石英坩埚电极零位的校准装置
CN117092548A (zh) 一种电解车间极板电路故障检测方法及装置
CN214937865U (zh) 一种铝电解槽母线平衡保护装置
JP7324722B2 (ja) 遮断機駆動部監視装置
CN218445277U (zh) 一种铁桶生产用无损检测装置
CN219609050U (zh) 一种电解铝生产在线监测显示系统

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees