JP2560578B2 - バイパスミキシング方式の給湯装置 - Google Patents

バイパスミキシング方式の給湯装置

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JP2560578B2
JP2560578B2 JP3250374A JP25037491A JP2560578B2 JP 2560578 B2 JP2560578 B2 JP 2560578B2 JP 3250374 A JP3250374 A JP 3250374A JP 25037491 A JP25037491 A JP 25037491A JP 2560578 B2 JP2560578 B2 JP 2560578B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はバイパスミキシング方式
の給湯装置に関する。具体的にいうと、本発明は、熱交
換器を通過した湯とバイパス通路を通過した水を混合し
て設定温度の湯を出湯するバイパスミキシング方式の給
湯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】バイパスミキシング方式の給湯装置とし
ては、例えば特開昭63−311039号公報に開示さ
れたものがある。これは、給湯路の熱交換器から出湯さ
れる高温の湯とバイパス通路を通過した水とを混合する
ことによって設定温度の湯をカラン等の給湯部から出湯
させるものであり、熱交換器側においては熱交換器を加
熱するガスバーナの燃焼力を能力制御装置でフィードフ
ォワード制御することによって設定温度よりも高温の疑
似設定温度の湯を熱交換器から出湯させている。一方、
バイパス通路においては、バイパス通路を流れる水の流
量をバイパス弁でフィードバック制御することにより、
熱交換器から出湯された湯とバイパス通路を通過した水
の混合比率を調整し、給湯部から設定温度の湯を吐出さ
せている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなバイパスミ
キシング方式の給湯装置においては、バイパス弁の弁位
置の調整が脱調したり、弁の固着等によって動作しなく
なったりすると、バイパス弁が動かなくなるため、給湯
部から設定温度の湯が吐出されなくなる。特に、弁開度
が小さな状態でバイパス弁が故障すると、給湯部から高
温の湯が吐出されるため、危険であった。
【0004】しかし、従来の給湯装置にあっては、バイ
パス弁の故障を検出することができなかったので、バイ
パス弁が故障すると、熱交換器から出湯された高温の湯
がそのまま給湯部から出湯されることがあった。
【0005】本発明は叙上の従来例の欠点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところはバイパス弁の
故障を検知する機能を有するバイパスミキシング方式の
給湯装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によるバイパスミ
キシング方式の給湯装置は、熱交換器を有する給湯路
と、熱交換器の入口側及び出口側をバイパスするよう給
湯路に接続されたバイパス通路と、バイパス通路に設け
たバイパス弁及びバイパス弁の開度を制御する弁制御装
置と、熱交換器を通過する流量を検出する流量検知器
と、入水温度を検知する入水温度検知器と、熱交換器か
らの出湯温度を検出する湯温検知器と、熱交換器から出
湯された湯とバイパス通路を通過した水との混合温度を
検出するミキシング温度検知器と、流量検知器、入水温
度検知器、湯温検知器の各検出値及び弁制御装置による
バイパス弁の制御量から給湯温度を演算し、給湯温度の
演算値とミキシング温度検知器で検知した給湯温度とを
比較することによってバイパス弁の故障を検出する故障
検出部とを備えたことを特徴としている。
【0007】
【作用】本発明にあっては、流量検知器、入水温度検知
器、湯温検知器の各検出値及び弁制御装置によるバイパ
ス弁の制御量から給湯温度の計算値を求め、これをミキ
シング温度検知器で検知した実際の給湯温度と比較す
る。 すなわち、バイパス弁が正常であれば、バイパス流
量の演算値Qccは、バイパス弁の制御量、たとえば弁
制御装置であるステッピングモータのステップ数Nと流
量検知器で検出された熱交換器側の流量Qhとから決ま
る。バイパス弁の制御量(ステップ数)Nによってバイ
パス流量Qcと湯側流量Qhとの分配比αが決まり、 Qc/Qh=α(N) となるので、 Qcc=Qh・α(N)=f(Qh,N) …(イ) となるからである。この(イ)式の関係は例えば実験的
に予め求めておくことができる。 このバイパス流量の演
算値Qccが求まると、給湯温度の演算値Temは、入
水温度検知器で検知された入水温度Tcと湯温検知器で
検出された熱交換器からの出湯温度Thを用いて、熱力
学的な関係式 Tcm=(Qh・Th+Qcc・Tc)/(Qh+Qcc) …(ロ) から求めることができる。 ここで、バイパス弁が正常で
あれば、(イ)式が正しいので(ロ)式も正しくなり、
(ロ)式より求めた給湯温度の演算値Tcmはミキシン
グ温度検知器で検出した給湯温度(湯水混合温度)Tm
とほぼ等しくなる。 これに対し、バイパス弁が故障して
いれば、(イ)式が正しくなくなるので(ロ)式も正し
くなくなり、(ロ)式より求めた給湯温度の演算値Tc
mとミキシング温度検知器で検出した給湯温度Tmとが
一致しなくなる。 従って、給湯温度の演算値Tcmと実
際の給湯温度Tmとのずれの大きさを評価し、ずれが大
きい場合にはバイパス弁が故障であると判断し、ずれが
一定値以下であれば正常であると判断することができ
る。
【0008】
【実施例】図1は本発明の一実施例によるバイパスミキ
シング方式の給湯装置を示す概略構成図である。給湯路
1は、熱交換器2の入口と市水等の入水部3の間を結ぶ
給水配管1aと、熱交換器2の出口とカランやシャワー
等の給湯部4の間を結ぶ給湯配管1bとから構成されて
いる。給水配管1aと給湯配管1bとの間には熱交換器
2の入口及び出口間をバイパスするようにしてバイパス
通路5が設けられている。
【0009】給水配管1aのバイパス通路分岐点よりも
上流側には入水温度Tcを検知するサーミスタ等の入水
温度センサ6が設けられており、給水配管1aの熱交換
器2側には熱交換器2を通過する流量(湯側流量)Qh
を検出する流量センサ7が設けられている。バイパス通
路5には、バイパス通路5を通過する水の流量(バイパ
ス流量)Qcを制御するためのバイパス弁8が設けられ
ており、バイパス弁8はバイパス弁駆動用ステッピング
モータ9によって弁開度を制御されている。給湯配管1
bのバイパス通路接続点よりも熱交換器2側には熱交換
器2から出湯される高温の湯の温度Thを検出するため
のサーミスタ等の湯温センサ10が設けられている。さ
らに、給湯配管1bのバイパス通路接続点よりも給湯部
4側には、熱交換器2から出湯された湯とバイパス通路
5を通過した水との混合温度Tmを検出するためのミキ
シング温度センサ11と、総流量Qtを制御するための
過流出防止弁12とが設けられている。また、13は熱
交換器2を通過する水を加熱するためのガスバーナ、1
4はガスバーナ13の燃焼力を制御するための能力制御
装置である。
【0010】図2は給湯部4から設定温度の湯を吐出さ
せるための給湯温度制御部15の構成を示す。給湯温度
制御部15は、能力制御装置14でガス量をフィードフ
ォワード制御することによって熱交換器2から高温の湯
を出湯させるためのフィードフォワード制御部(以下、
FF制御部という。)16と、バイパス弁8でバイパス
流量Qcをフィードバック制御することによって給湯部
4から設定温度Tsの湯を吐出させるためのフィードバ
ック制御部(以下、FB制御部という。)17と、疑似
設定温度演算部18とから構成されている。
【0011】19は給湯部4の希望設定温度Tsを入力
する設定器であって、設定器19の出力は疑似設定温度
演算部18に接続されている。疑似設定温度演算部18
では、設定温度Ts及び入水温度センサ6により検知さ
れている入水温度Tcに応じて設定温度Tsよりも高温
の疑似設定温度Tpsが演算される。すなわち、入水部
3から流入した総流量Qtのうち熱交換器2側に流れる
湯側流量Qhとバイパス通路5を流れるバイパス流量Q
cの仮分配比(既定値)を Qc/Qh=α とするとき、疑似設定温度Tpsは、 Tps=(1+α)Ts−αTc … によって求められる。この疑似設定温度Tpsは、容易
に確かめられるように設定温度Tsよりも高温である
が、上限温度(例えば、80℃)を設定されている。
【0012】FF制御部16へは疑似設定温度演算部1
8の演算出力や入水温度センサ6及び流量センサ7の検
知信号が出力されており、FF制御部16はこれらのセ
ンサ出力に基づいて熱交換器2からの出湯温度が疑似設
定温度Tpsとなるよう能力制御装置14によりガスバ
ーナ13の燃焼力をフィードフォワード制御する。
【0013】一方、FB制御部17には設定器19から
の信号やミキシング温度センサ11の検知信号が入力さ
れており、FB制御部17はミキシング温度センサ11
によって検知されている混合温度Tmと設定温度Tsと
の偏差(Tm−Ts)に基づきステッピングモータ9を
駆動してバイパス弁8の開度を調整し、混合温度Tmが
設定温度Tsと等しくなるようバイパス通路5を流れる
水量をフィードバック制御する。なお、バイパス弁8の
制御方向(例えば、バイパス弁8を開く、あるいは閉じ
る)を決めるためには、図2のような構成で十分である
が、混合温度Tmを速やかに設定温度Tsに収束させる
ため、入水温度や流量の検出値等も用いてバイパス弁8
の制御速度もコントロールしてもよい。
【0014】このようにしてバイパスミキシング方式の
給湯装置においては、能力制御装置14によるガス量の
フィードフォワード制御とバイパス弁8によるバイパス
流量Qcのフィードバック制御とによって給湯部4から
設定温度Tsの湯を出湯している。しかし、バイパス弁
8が故障してバイパス弁8の弁位置等の調整が狂った
り、弁がケーシング等に固着して動かなくなった場合、
バイパス流量Qcの制御が不可能となるので、上記のよ
うな制御方式のみでは給湯部4から設定温度Tsの湯を
給湯できなくなる。このため、本発明の給湯装置にあっ
ては、図1に示すようにバイパス弁8の故障を検出する
ための故障検出部20を備えている。
【0015】図3はバイパス弁8の故障を検出するため
の故障検出部20の構成を示す。故障検出部20は、バ
イパス流量演算部21、総流量演算部22、給湯温度演
算部23及び比較判断部24とから構成されている。バ
イパス通路5には流量センサが設けられていないので、
バイパス通路5を流れるバイパス流量Qcはバイパス流
量演算部21によって湯側流量Qhとステッピングモー
タ9のステップ数Nとから求められる。すなわち、バイ
パス流量演算部21には、流量センサ7の検出値Qhと
ステッピングモータ9のステップ数Nが入力されてお
り、バイパス流量演算部21は、次式に従ってバイパス
流量の演算値Qccを求める。 Qcc=f(Qh,N) …… ここで、バイパス流量Qcと湯側流量Qbの分配比αは
バイパス弁8の開度で決まり、バイパス弁8の開度はス
テッピングモータ9のステップ数Nによって制御される
ので、バイパス流量Qcは上記式のように湯側流量Q
hとステッピングモータ9のステップ数Nの関数として
表わすことができ、これをバイパス流量演算部21に予
め記憶させておくことによりバイパス流量の演算値Qc
cを求めることができるのである。
【0016】また、バイパス流量演算部21及び流量セ
ンサ7の出力は総流量演算部22に入力されており、総
流量演算部22では両入力信号に基づき総流量の演算値
Qctを Qct=Qh+Qcc に従って演算する。
【0017】さらに、総流量演算部22、バイパス流量
演算部21、流量センサ7、湯温センサ10及び入水温
度センサ6の出力は給湯温度演算部23に入力されてお
り、給湯温度演算部23では、これらの入力信号に基づ
き給湯温度の演算値Tcmを Tcm=(Qh・Th+Qcc・Tc)/Qct に従って演算する。
【0018】バイパス弁8が正常であれば、こうして演
算された給湯温度の演算値Tcmはミキシング温度セン
サ11によって検出している混合温度Tmとほぼ等し
い。一方、バイパス弁8に故障が発生していれば、演算
によって求めたバイパス流量Qccが実際のバイパス流
量Qcと異なり、給湯温度の演算値Tcmと検出されて
いる混合温度Tmとの間に差が生じる。そこで、比較判
断部24はミキシング温度センサ11の検出温度Tmと
給湯温度演算部23の演算値Tcmとの偏差が一定値以
上か以下かを比較することによってバイパス弁8の故障
の有無を判断し、判定結果を出力する。
【0019】比較判断部24の出力がバイパス弁8の正
常であることを示すものであれば、給湯温度制御部15
は、通常どおり能力制御装置14によってガス量をフィ
ードフォワード制御すると共にバイパス弁8によってバ
イパス流量Qcをフィードバック制御することにより給
湯部4から設定温度Tsの湯を給湯する。これに対し、
比較判断部24の出力がバイパス弁8の異常を示すもの
であれば、給湯温度制御部15は、設定温度Tsとミキ
シング温度センサ11で検出している混合温度Tmとの
偏差(Tm−Ts)に基づき、給湯部4から設定温度T
sの湯を給湯するよう能力制御装置14によってガス量
をフィードバック制御する。
【0020】なお、上記実施例においては、全体の構成
を簡略化するためバイパス通路5に流量センサ7を設け
ていないため、熱交換器2側の流量センサ7によって検
知された湯側流量Qhとステッピングモータ9のステッ
プ数Nとからバイパス流量Qcを演算により求めたが、
バイパス通路5にバイパス流量Qcを検出するための流
量センサを設け、この流量センサの検出値を用いて給湯
温度の演算値Tcmを求めても差し支えない。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、給湯温度の計算値をミ
キシング温度検知器で検知した実際の出湯温度と比較す
ることにより、バイパス弁の故障を検出することができ
る。従って、バイパス弁に故障が発生した時には直ちに
故障を検出し、例えば熱交換器の能力を小さくしたり、
給湯を中止したりすることにより、カランやシャワー等
の給湯栓から高温の湯が吐出されるのを防止することが
でき、給湯装置の安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による給湯装置の概略構成図
である。
【図2】同上の給湯温度制御部を示すブロック回路図で
ある。
【図3】同上の故障検出部を示すブロック回路図であ
る。
【符号の説明】
1 給湯路 2 熱交換器 5 バイパス通路 6 入水温度センサ 7 流量センサ 8 バイパス弁 9 ステッピングモータ 10 湯温センサ 11 ミキシング温度センサ 20 故障検出部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱交換器を有する給湯路と、熱交換器の
    入口側及び出口側をバイパスするよう給湯路に接続され
    たバイパス通路と、バイパス通路に設けたバイパス弁及
    びバイパス弁の開度を制御する弁制御装置と、熱交換器
    を通過する流量を検出する流量検知器と、入水温度を検
    知する入水温度検知器と、熱交換器からの出湯温度を検
    出する湯温検知器と、熱交換器から出湯された湯とバイ
    パス通路を通過した水との混合温度を検出するミキシン
    グ温度検知器と、流量検知器、入水温度検知器、湯温検
    知器の各検出値及び弁制御装置によるバイパス弁の制御
    量から給湯温度を演算し、給湯温度の演算値とミキシン
    グ温度検知器で検知した給湯温度とを比較することによ
    ってバイパス弁の故障を検出する故障検出部とを備えた
    バイパスミキシング方式の給湯装置。
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JPS63311039A (ja) * 1987-06-12 1988-12-19 Noritsu Co Ltd 給湯制御装置

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