JP2559524Y2 - 正特性サーミスタ装置 - Google Patents

正特性サーミスタ装置

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JP2559524Y2
JP2559524Y2 JP684492U JP684492U JP2559524Y2 JP 2559524 Y2 JP2559524 Y2 JP 2559524Y2 JP 684492 U JP684492 U JP 684492U JP 684492 U JP684492 U JP 684492U JP 2559524 Y2 JP2559524 Y2 JP 2559524Y2
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positive temperature
coefficient thermistor
thermistor device
electrodes
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英浩 井上
淳 小島
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、リード線付きの正特性
サーミスタ装置に関し、特に、正特性サーミスタ素体の
両主面に形成された電極が改良された正特性サーミスタ
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、消磁回路用素子や過電流に対する
保護や温度補償のための回路素子として、正特性サーミ
スタ装置が多用されている。この種の用途に用いられて
いるリード線付きの正特性サーミスタ装置を、図1〜図
3を参照して説明する。図1に示す正特性サーミスタ装
置1は、チタン酸バリウム系半導体磁器よりなる板状の
正特性サーミスタ素体2の両主面に電極3,4を形成し
た構造を有する。電極3,4は、Niを正特性サーミス
タ素体2の主面に無電解めっきすることにより形成され
た内側電極層3a,4aと、内側電極層3a,4a上に
Agペーストを塗布・焼き付けることにより形成された
外側電極層3b,4bとを有する。リード線5,6は、
外側電極層3b,4bにはんだにより接合されている。
【0003】また、図2に示す正特性サーミスタ装置7
は、上記図1に示した正特性サーミスタ装置1に樹脂外
装8を施したものである。さらに、図3に示すように、
板状の正特性サーミスタ素体2の両主面にNi単層より
なる電極9,10を形成した正特性サーミスタ装置11
も用いられている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】図1に示した正特性サ
ーミスタ装置1では、電極3,4の外側電極層3b,4
bがAgを主成分とするため、正特性サーミスタ素子1
の発熱によってサーマルマイグレーションが生じ、短絡
事故を引き起こすという問題があった。特に、図2に示
した樹脂外装8を有する正特性サーミスタ装置7に比べ
て、樹脂外装が施されていない図1の正特性サーミスタ
装置1では、周囲の水分やハロゲンイオン等の影響によ
り上記サーマルマイグレーションがより一層発生しやす
く、従ってマイグレーションの発生を防止することが強
く求められていた。
【0005】他方、図3に示したNi単層よりなる電極
9,10を有する正特性サーミスタ装置11では、上記
のようなサーマルマイグレーションの問題は生じない。
しかしながら、電極9,10がNi単層よりなるため、
リード線をはんだ付けにより強固に接合することが難し
く、しかも長時間使用した場合には電極間抵抗値が増加
し、初期の特性を維持し得なくなるという致命的な問題
があった。
【0006】本考案の目的は、リード線付きの正特性サ
ーミスタ装置であって、電極間のサーマルマイグレーシ
ョンが生じ難く、かつ長時間の使用に際しても特性の劣
化が生じ難いものを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案は、板状の正特性
サーミスタ素体と、前記正特性サーミスタ素体の両主面
に形成された電極と、前記各電極に接合されたリード線
とを備えるリード線付きの正特性サーミスタ装置におい
て、電極が、Al−Siを主成分としかつ正特性サーミ
スタ素体の主面にオーミック接触している内側電極層
と、該内側電極層の外側に形成された少なくとも1層の
外側電極層とを備えることを特徴とする。
【0008】上記Al−Siを主成分とする電極材料と
しては、アルミニウムを48〜96重量%に対してけい
素を4〜52重量%で含有するAl−Si合金が用いら
れる。このAl−Si合金は、本願出願人が先に提出し
た特願平2−340860号に開示されているように、
耐湿特性に優れており、かつAg電極と異なり電極間マ
イグレーションを生じさせ難い。しかも、Al及びSi
を上記特定の割合で含有するAl−Si合金は、半導体
磁器との間で障壁を形成しないため、正特性サーミスタ
素体の両主面に直接形成することにより電極として作用
させることができる。本考案の正特性サーミスタ装置に
おける外側電極層としては、リード線をはんだ付けによ
り接合するのに適した材料、例えばはんだ付け性に優れ
たSn、PbまたはSn−Pb合金等が用いられる。
【0009】
【作用】本考案の正特性サーミスタ装置では、上記Al
−Siを主成分とする材料により内側電極層が形成され
ているため、両主面の電極間におけるマイグレーション
が生じ難い。また、後述の実施例から明らかなように、
電極の経時による劣化も生じ難い。
【0010】
【実施例の説明】図4(a),(b)は、本考案の一実
施例にかかる正特性サーミスタ装置の側面図及び正面図
である。正特性サーミスタ装置21は、例えばチタン酸
バリウム系半導体磁器よりなる円板状の正特性サーミス
タ素体22を用いて構成されている。正特性サーミスタ
素体22の両主面には電極23,24が形成されてい
る。電極23,24は、Al及びSiを主成分とする内
側電極層23a,24aと、内側電極層23a,24a
の外側に形成されたSnよりなる外側電極層23b,2
4bとを有する。外側電極層23b,24bの外側主面
には、リード線25,26がはんだ付け(はんだは図示
せず)により接合されている。
【0011】本実施例の正特性サーミスタ装置21の特
徴は、上記のように電極23,24が、Al及びSiを
主成分とする内側電極層23a,24aを有し、該内側
電極層23a,24aの外側に外側電極層23b,24
bが形成されていることにある。内側電極層23a,2
4aは、上記のようにAl−Si合金よりなり、半導体
磁器よりなる正特性サーミスタ素体22の主面にオーミ
ック接触を果たし、かつ後述の実験例から明らかなよう
に、電極間におけるサーマルマイグレーションが生じ難
い。
【0012】上記実施例の正特性サーミスタ装置21の
具体的な実験例につき、説明する。正特性サーミスタ素
体22として、直径10mm×厚み1mmの円板状のチ
タン酸バリウム系半導体磁器よりなるものを用意した。
上記正特性サーミスタ素体22の両主面に、Al及びS
iを重量比で70対30の割合で含有するAl−Siペ
ーストを10μmの厚みに塗布し、内側電極層23a,
24aとした。次に、上記内側電極層23a,24a上
に、Snを主成分とする導電ペーストを塗布することに
より、外側電極層23b,24bを形成した。なお、内
側電極層23a,24a及び外側電極層23b,24b
は、いずれも上記ペーストを塗布した後、600℃の温
度で焼き付けることにより電極として完成させた。
【0013】上記のようにして、電極23,24を形成
した後に、径0.6mmのCuよりなるリード線25,
26をはんだ付けにより接合し、実施例1の正特性サー
ミスタ装置21を得た。また、上記正特性サーミスタ装
置21のリード線25,26が引き出されている部分を
除いた残りの部分にSiよりなる樹脂外装を施し、樹脂
外装付きの正特性サーミスタ装置を実施例2として用意
した。
【0014】比較のために、図2に示した従来の正特性
サーミスタ装置7を作製した。なお正特性サーミスタ素
体としては、実施例1,2と同一のものを用い、電極
は、該正特性サーミスタ素体の両主面に1μmの厚みに
Niをめっきし、その上にAgペーストを10μmの厚
みに塗布し、600℃の温度で焼き付けて形成したもの
を用いた。さらに、比較例2として、図3に示したNi
単層よりなる電極9,10を形成した正特性サーミスタ
装置11に実施例2と同様に樹脂外装を施したものを用
意した。なお、比較例2の正特性サーミスタ装置では、
電極9,10は、Niを1μmの厚みにめっきしたもの
を用いた。
【0015】上記のようにして用意した実施例1,2及
び比較例1,2の各正特性サーミスタ装置について、H
Cl蒸気中(濃度10%、温度60℃)にて100Vの
電圧を連続的に印加して通電試験を行い、抵抗値の変化
率を求めた。結果を、図5に示す。図5において、実線
A,Bは、それぞれ、実施例1,2の結果を、破線Cは
比較例1の結果を、一点鎖線Dは比較例2の結果を示
す。
【0016】図5から明らかなように、比較例1の正特
性サーミスタ装置では、通電開始から2時間後に抵抗値
が大きく変化し、500時間後に電極間の短絡が発生し
た。これは、外側のAgを主成分とする電極間でマイグ
レーションが起こったためと考えられる。また、比較例
2の正特性サーミスタ装置では、一点鎖線Dから明らか
なように、時間の経過とともに抵抗値が大きく変化し
た。
【0017】これに対して、実施例1,2の各正特性サ
ーミスタ装置では、1000時間経過後においても抵抗
値の変化率が非常に小さいことがわかる。しかも、実施
例1,2の比較から明らかなように、樹脂外装を施して
いない実施例1の正特性サーミスタ装置においても抵抗
値の変化率が非常に小さいことがわかる。従って、内側
電極層をAl−Si合金により形成することにより、樹
脂外装を施さずとも耐湿性に優れており、かつマイグレ
ーションの生じ難い正特性サーミスタ装置を提供し得る
ことがわかる。
【0018】
【考案の効果】本考案では、正特性サーミスタ装置の電
極がAl−Siを主成分とする内側電極層を有するた
め、正特性サーミスタ装置の電極間マイグレーションが
生じ難く、かつ耐湿特性が高められる。従って、樹脂外
装を施さずに使用した場合であっても、抵抗値の変化が
非常に小さな、信頼性に優れたリード線付きの正特性サ
ーミスタ装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、従来の正特性サーミスタ
装置の一例を示す正面図及び側面図。
【図2】樹脂外装が施された従来の正特性サーミスタ装
置を示す正面図。
【図3】従来の正特性サーミスタ装置の他の例を示す側
面図。
【図4】(a),(b)は、実施例の正特性サーミスタ
装置の側面図及び正面図。
【図5】実施例1,2及び比較例1,2の正特性サーミ
スタ装置の連続通電試験結果を示す図。
【符号の説明】
21…正特性サーミスタ装置 22…正特性サーミスタ素体 23,24…電極 23a,24a…内側電極層 23b,24b…外側電極層

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状の正特性サーミスタ素体と、前記正
    特性サーミスタ素体の両主面に形成された電極と、前記
    各電極に接合されたリード線とを備える正特性サーミス
    タ装置において、 前記電極が、Al−Siを主成分としかつ正特性サーミ
    スタ素体の主面にオーミック接触している内側電極層
    と、内側電極層の外側に形成された少なくとも1層の外
    側電極層とを備えることを特徴とする、正特性サーミス
    タ装置。
JP684492U 1992-02-19 1992-02-19 正特性サーミスタ装置 Expired - Lifetime JP2559524Y2 (ja)

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