JP2559433B2 - クロロピリジンの製造方法 - Google Patents

クロロピリジンの製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は気相の光反応によってピリジンと塩素から、
2−クロロピリジン及び/又は2,6−ジクロロピリジン
を製造する方法において、反応ガスを冷却する工程の改
良に関する。
〔従来の技術及び問題点〕
ピリジンと塩素とを紫外線照射下、気相にて反応さ
せ、2−クロロピリジン及び/又は2,6−ジクロロピリ
ジンを合成する方法は既にいくつか知られている。とこ
ろで、工業化に際しては、長期安定運転といった観点が
大きな要素を占めるが、当該反応では次の特有な現象が
問題となる。
ピリジンと塩素だけでは、ピリジン−塩素コンプレッ
クスに由来するタール物のため、ランプが汚れたり、反
応物流出配管がつまるなどして、安定に反応を続けるこ
とが困難なことである。
これを避けるため四塩化炭素を希釈剤として用いてい
る例がある(米国特許第3,297,556号)。しかしなが
ら、この方法は副生するピリジン塩酸塩がランプに付着
し、ランプ効率が低下するという欠点を有する。又、ピ
リジンに対し、少なくとも1モル以上の水蒸気又はハロ
ゲン化炭化水素−水蒸気を添加している改良剤がある
(特公昭52-3935号,特公昭52-3936号,特公昭55-4742
号)。しかしながらハロゲン化炭化水素−水蒸気系で
は、ハロゲン化炭化水素が光反応時若干反応し、2−ク
ロロピリジンと蒸留分離し難い生成物を生じ、そのため
反応液を酸処理し、ハロゲン化炭化水素由来の副生物を
除去した後、中和、分留するという複雑な後処理が必要
となる(特開昭50-19753,特開昭56-90058号)。
この改良法として、ハロゲン化炭化水素の代わりに窒
素を稀釈剤として用いる方法(特開昭60-78967号)があ
り、この方法によればハロゲン化炭化水素由来の副生物
は存在しないため比較的簡単な精製プロセスで済む利点
がある。
しかしながら、この方法に於て生成した反応液は、比
較的高温でも結晶化してしまう欠点がある。又、水蒸気
のみを稀釈剤とした場合も2液相に分液した下層液が結
晶化を起こし易くなってしまう。この傾向は、2,6−ジ
クロロピリジンを主生成物とするために、塩素ガスを過
剰に吹込んで反応した場合、より顕著となる。
また反応ガスの冷却に際し、およそ80℃以下に冷却す
ると直ちに結晶が析出し、閉塞してしまう。さらに長期
運転の場合、排ガスクーラーや排気管内でも結晶が析出
し、閉塞を起こす問題もある。
このように従来法では、反応成績については成果が得
られているが、ハンドリング面に於ては、数多くの問題
が残されていた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者は、以上のような点を改良すべく、鋭意検討
を重ねた結果、反応ガスを冷却する工程で、四塩化炭素
又はシクロヘキサンを加えることにより、かゝるハンド
リング上の問題点をすべて解決できることを見出し、本
発明に到った。
即ち、本発明は、ピリジンと塩素を気相で紫外線照射
下で反応せしめるクロロピリジンの製造方法に於いて、
得られた反応ガスの冷却工程に於いて、四塩化炭素又は
シクロヘキサンを反応ガス冷却器の前又は後で、仕込み
ピリジンに対して0.2〜20モル倍量加える水に溶解しな
い有機溶剤を加えることを特徴とするクロロピリジンの
製造方法に関するものである。
光反応の稀釈剤として、有機溶剤を用いると、稀釈剤
そのものが反応を起こし、後の精製工程で問題を生じ
る。このことは四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素
についても同様で、四塩化炭素の場合、ヘキサクロロエ
タンが、トリクレンの場合、ペンタクロロエタンが生成
する。
このために、後の精製工程が、先に述べた通り複雑な
ものとなってしまうため、稀釈剤は、水蒸気や窒素のよ
うな事実上不活性なガスを用いることが好ましい。
本発明者は、水蒸気や窒素を稀釈剤とした場合、排ガ
スクーラーや排気管内にて閉塞する問題に着目し、閉塞
している物質について調べた処、ピリジン又は2−クロ
ロピリジンの塩酸塩、そして2,6−ジクロロピリジンで
あることを見出した。即ち、いずれを稀釈剤とした場合
でも、2,6−ジクロロピリジンを主生成物とした時は特
に、排ガスにピリジンや2−クロロピリジンばかりでな
く、2,6−ジクロロピリジンもわずかに同伴する。これ
らがクーラーへ付着し、かつ塩酸ガスと反応して、塩酸
塩を生じ、付着を始める。この現象はクーラーを通過し
た後の排気管に於ても同様に起き、ここでは主にピリジ
ンの塩酸塩が付着する。
かゝる現象について考慮した上で、反応ガスの冷却工
程に於いて、四塩化炭素又はシクロヘキサンを反応ガス
冷却器の前又は後で、仕込みピリジンに対して0.2〜20
モル倍量を添加したところ、このような閉塞の問題が、
完全に解消されることを見出したのである。
光反応器から出た反応ガスは、既に、活性なラジカル
を失っており、四塩化炭素又はシクロヘキサンと混合し
ても、未反応塩素ガスとの反応は認められなかった。こ
のため、反応液を中和し、分液後、分留するだけで、2
−クロロピリジン及び/又は2,6−ジクロロピリジンを
得ることが出来る。
すなわち、四塩化炭素又はシクロヘキサンを用いるこ
とによって、ピリジン等の排ガスクーラーへの同伴がわ
ずかとなる他に排ガスクーラーへの洗浄効果もみられる
ために、かゝる結晶物の閉塞を完全になくすることが出
来るものと考えられる。
四塩化炭素又はシクロヘキサンを添加する場所は、反
応ガス冷却器前后へ入れると、この冷却器での冷却しす
ぎによる閉塞トラブルも解消されることから、この位置
へ入れることが好ましいが、排ガスクーラーの取付けて
ある反応液受槽へ添加し、加熱する方法でも排ガスクー
ラーの閉塞問題に対して充分効果がある。また排ガスク
ーラー入口付近へ入れることも、もちろん可能である。
即ち、反応器出口から、反応液受槽、排ガスクーラー出
口の間であればいずれの場所に於ても効果を期待でき
る。
四塩化炭素又はシクロヘキサンの量は、冷却器の構
造、生成物の溶解生、分液性等により異なるので、これ
らを勘案して適宜選択されるが、通常、仕込みピリジン
に対し0.2〜20モル倍量用いられる。
四塩化炭素又はシクロヘキサンを用いた場合、排ガス
へわずかずつこれら四塩化炭素又はシクロヘキサンが同
伴される。しかし、排ガス吸収設備に於てこれらの四塩
化炭素又はシクロヘキサンは分液により回収可能であ
る。こうして、未反応ピリジンのロスを低減する効果も
併せもつのである。
こうして得られた反応液は、例えばカセイソーダ水で
中和し、分液することにより四塩化炭素又はシクロヘキ
サン層と水層に分かれるが、2−クロロピリジンと2,6
−ジクロロピリジンはすべて四塩化炭素又はシクロヘキ
サンへ抽出されている。
得られた四塩化炭素又はシクロヘキサン層の液は常法
によって蒸留することにより、容易に四塩化炭素又はシ
クロヘキサン、ピリジンを除去でき、さらに分留を進め
ることにより、2−クロロピリジンと2,6−ジクロロピ
リジンを得る。
反応の稀釈剤としては前述したように水蒸気、窒素等
の不活性ガスを用いることが望ましいが、本発明の範囲
はこれに限定されるものではない。ただし、稀釈剤に水
を用いない場合は、例えば受槽へあらかじめ、所定量の
温水を張り込んでおく等、一部生成するピリジンや2−
クロロピリジンの塩酸塩を溶解する措置が必要である。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば、反応ガスの冷却に際しての結
晶析出、長期運転での排ガスクーラーや排気管等への結
晶析出による閉塞がなく、又得られた反応液中の結晶析
出もなく、簡単な精製で容易にクロロピリジンを得るこ
とができる。
〔実施例〕
以下実施例により本発明を説明するが、本発明はこれ
らの実施例により限定されるものではない。
実施例1 光反応缶はランプ据え付け口、攪拌機取付け口、温度
計口、ガス導入口、ガス流出口等を有するジャケットつ
きの5lパイレックス缶、そして光源は100W、高圧水銀灯
を用いた。
ガス流出部には、溶剤添加口、冷却器が取付けられ、
1の受器が設置されている。また受器へ排ガスクーラ
ーとして、ジムロート型冷却器が取付けられており、こ
れを出た排ガスはアルカリ吸収塔で未反応塩素分等を吸
収できるようになっている。
あらかじめ反応缶内温度を130℃に予熱しておき、ピ
リジンは90.0g/Hで仕込み、水を410g/H、塩素ガスを121
g/Hで仕込んだ。
反応槽温度が160℃を保つようにジャケットの熱媒温
度を調節しながら反応を継続した。
反応ガス出口部へ四塩化炭素を200g/Hで仕込み、混合
ガスを水道水を用いて50℃近くまで冷却した後、受槽へ
ためておき、間欠的に反応液を抜取ったところ、毎時81
1gの反応液を得た。
5日間の連続運転中排ガスクーラーや排気管での詰ま
り、そして反応ガス冷却器での詰まりは全く起きず、常
に安定運転を行なうことができた。
得られた反応液は、2液相に分液しており、両層とも
液体であり、その取扱は容易であって。2時間分の反応
液1623gを取出し、ここへ25%カセイソーダ水溶液を添
加してpHを8に調整した後四塩化炭素層と水層を分液さ
せ分離した。四塩化炭素層を取出し、蒸留したところ、
ピリジン10g、2−クロロピリジン123g、2,6−ジクロロ
ピリジン138gを得た。得られた製品2−クロロピリジン
の純度は99.7%であり、製品2,6−ジクロロピリジンの
純度は99.3%であった。これら製品中、ヘキサクロロエ
タンの存在は認められなかった。
実施例2 溶剤添加口を冷却器出口とし、溶剤をシクロヘキサン
としたこと、そして反応ガス冷却器の冷媒を50℃の温水
として反応ガスを70℃近くまで冷却したこと以外、実施
例1と全く同じ操作を行なった。
この結果、排ガスクーラーや排気管での詰まりは、5
日間の連続運転に於て、全くみられず、安定運転が可能
であった。
また蒸留して得られた製品2−クロロピリジンの純度
は99.7%であり、製品2,6−ジクロロピリジンの純度は9
9.3%であった。
実施例3 実施例1の操作に於て、攪拌機を取外し、水の仕込量
を164g/Hとし、塩素ガス仕込量を88g/Hとして処理し
た。
この条件に於ても同様に、排ガスクーラーや排気管で
の詰まりは全くみられず、5日間安定運転が可能であっ
た。
2時間分の反応液をカセイソーダで中和し、分液した
後、蒸留によりピリジン125G、2−クロロピリジン21
g、2,6−ジクロロピリジン47gが得られ、製品2−クロ
ロピリジンの純度は99.6%であり、製品2,6−ジクロロ
ピリジンの純度は99.2%であった。
比較例1 四塩化炭素を、反応ガス出口ではなく、反応器入口へ
添加した以外は実施例1と同様の処理を行なった。
この結果、反応液中には約2%のヘキサクロロエタン
の存在が認められ、蒸留分離した場合、これが2−クロ
ロピリジン留分に混入するため、実施例1による精製法
では高純度の2−クロロピリジンは得られないことが判
った。
比較例2 実施例3の操作に於て、四塩化炭素の添加を行なわな
いこと以外同様に処理した。
この結果、排ガスクーラーや排気管への結晶物の付着
により3〜4時間で閉塞が度々起きた。得られた反応液
は2液相に分液しており、その下層液へは結晶が多く析
出していた。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピリジンと塩素を気相で紫外線照射下で反
    応せしめるクロロピリジンの製造方法に於いて、得られ
    た反応ガスの冷却工程に於いて、四塩化炭素又はシクロ
    ヘキサンを反応ガス冷却器の前又は後で、仕込みピリジ
    ンに対して0.2〜20モル倍量加えることを特徴とするク
    ロロピリジンの製造方法。
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JPS6078967A (ja) * 1983-10-05 1985-05-04 Daicel Chem Ind Ltd 2−クロロピリジン及び/又は2,6−ジクロロピリジンの製造法

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