JPH064572B2 - N−ビニルホルムアミドの製法 - Google Patents

N−ビニルホルムアミドの製法

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JPH064572B2
JPH064572B2 JP19968585A JP19968585A JPH064572B2 JP H064572 B2 JPH064572 B2 JP H064572B2 JP 19968585 A JP19968585 A JP 19968585A JP 19968585 A JP19968585 A JP 19968585A JP H064572 B2 JPH064572 B2 JP H064572B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はN−ビニルホルムアミドの製法に関するもので
ある。
〔従来の技術〕
N−ビニルホルムアミドは凝集剤として優れた水溶性ポ
リマーを与える重合性モノマーとして有用なものであ
り、その製造法として、例えば、アセトアルデヒドとホ
ルムアミドとを反応して得られるN−(α−ヒドロキシ
エチル)ホルムアミドをアルコールによりエーテル化
し、次いで、このエーテル化物を高温で気相において熱
分解する方法が知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕 上述の方法においては、N−(α−ヒドロキシエチル)
ホルムアミドをエーテル化するためのアルコールとし
て、一般的にメタノールなどの1価の脂肪族低級アルコ
ールが使用されているが、この場合、生成するエーテル
化物の分解温度が高いため、気相における熱分解温度を
例えば、400℃以上と高くする必要がある。そのた
め、この方法を工業的に実施するには、加熱のための熱
媒が限定されるばかりか、加熱に多大のエネルギーを要
する。また、この方法では熱分解時にハルツ成分が副生
し、その結果、単に目的生成物の収率が低下するばかり
か、気相熱分解を行なう多管式熱交換器の反応管内がハ
ルツ成分により閉塞を起し操作面からも問題があった。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等等は上記実情に鑑み、N−(α−ヒドロキシ
エチル)ホルムアミドのエーテル化物を低温において、
しかも、ハルツ成分の副生を抑制しながら良好に熱分解
する方法について種々検討した結果、N−(α−ヒドロ
キシエチル)ホルムアミドを多価アルコールと反応させ
エーテル化し、次いで、該エーテル化物を減圧下、液相
において加熱し、生成するN−ビニルホルムアミドを留
去しつつ熱分解を行なうことにより、本発明の目的が達
成されることを見出し本発明を完成した。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明ではN−(α−ヒドロキシエチル)ホルムアミド
と多価アルコールとを反応させるものであるが、N−
(α−ヒドロキシエチル)ホルムアミドとしては通常、
アセトアルデヒドとホルムアミドとを例えば、炭酸カリ
ウムなどの弱塩基性塩触媒の存在下、−10〜100℃
の温度で反応させて得たものが使用される。反応は溶媒
の存在下又は不存在下で実施されるが、生成物の融点が
52.5〜53.8℃であるが、これより低温で実施する場合に
は溶媒を用いるのが望ましく、例えば、ヘキサン、ヘプ
タン、ペンゼン、トルエン、キシレンなど、生成物を実
質的に溶解しないものが挙げられる。反応後の混合物は
通常、種晶を加えるか又は冷却晶析することにより、目
的とする生成物の結晶を析出させ、次いで、これを過
することにより回収することができる。
一方、多価アルコールとしては、例えば、トリエチレン
グリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−、1,4−あるいは2,3
−ブタンジオール、分子量300〜1000のポリエチ
レングリコールあるいはポリプロピレングリコールなど
の2価アルコール、又は、例えば、グリセリンなどの3
価アルコールが挙げられるが、通常、2価アルコールが
望ましく、なかでも、熱分解後のN−ビニルホルムアミ
ドとの分離面からトリエチレングリコールが好ましい。
これら多価アルコールの使用量は原料のN−(α−ヒド
ロキシエチル)ホルムアミドに対して0.5モル以上であ
ればよいが、通常、第3の溶媒を用いることなく、多価
アルコールを溶媒を兼ねて用いるので、例えば、N−
(α−ヒドロキシエチル)ホルムアミドに対して0.5〜
7モル倍、好ましくは1.2〜4モル倍である。
N−(α−ヒドロキシエチル)ホルムアミドと多価アル
コールとの反応は通常、硫酸、塩酸、硝酸、燐酸などの
鉱酸触媒の存在下で実施される。鉱酸触媒の使用量は通
常、N−(α−ヒドロキシエチル)ホルムアミドに対し
て0.1〜2モル%である。反応温度は通常、0〜100
℃、好ましくは10〜50℃であり、また、反応時間は
通常、原料のN−(α−ヒドロキシエチル)ホルムアミ
ドの80%以上、好ましくは90%以上が消費されるま
で実施され、例えば、0.5〜5時間程度である。
反応は通常、所定量の鉱酸触媒を加えた多価アルコール
に対し、N−(α−ヒドロキシエチル)ホルムアミドを
混合し、所定の温度で撹拌することにより実施すること
ができる。この反応においては、反応開始時にはN−
(α−ヒドロキシエチル)ホルムアミドは殆んど溶解し
ていないが、反応の進行に伴なって徐々に溶解し、反応
終了時には完全な均一混合溶液が得られる。
なお、原料として用いるN−(α−ヒドロキシエチル)
ホルムアミド中には、その製造原料であるホルムアミド
や触媒である炭酸カリウムなどのアルカリ成分などを含
む場合があるが、この場合には、アルカリ成分を中和す
るに必要な酸を追加して上述の反応を実施するのが望ま
しい。
反応終了後の混合物は通常、苛性アルカリを加えること
により、触媒である鉱酸を中和するが、この際に、例え
ば、芒硝などの中和塩が副生する。この中和塩の一部は
エーテル化反応で副生した水の作用により反応系に溶解
しているが、一部は結晶として析出するので、必要に応
じて、これを過により除去するのがよい。
本発明ではこのようにして得たエーテル化物を次いで、
減圧下、液相において加熱し、生成するN−ビニルホル
ムアミドを留去しながら熱分解を行なうことを必須の要
件とするものである。すなわち、本発明の場合、エーテ
ル化物が特定の多価アルコールとの反応により得られた
ものであるので、この場合に限って、熱分解が低温で実
施でき、その結果、気相でなくても、液相にて良好な熱
分解ができるのである。
熱分解の温度は通常、90〜200℃、好ましくは12
0〜180℃であり、この温度があまり低い場合には、
エーテル化物の分解が良好に進行せず、逆に、あまり高
い場合には、ハルツ成分の副生量が多くなり、目的とす
るN−ビニルホルムアミドを高収率で得ることができな
い。また、減圧度は通常、20mmHg以下、好ましくは1
0〜1mmHgであり、この減圧度も不十分であると高収率
でN−ビニルホルムアミドを得ることができない。
本発明における熱分解は通常、前記のエーテル化反応で
得た混合物を引き続き熱分解に供するが、この場合、混
合物を減圧下、加熱昇温すると、一般的には先ず、水が
留出し、次いで、週剰分の多価アルコールが留去した
後、熱分解により生ずるN−ビニルホルムアミドと多価
アルコールとが一緒に留出するので、この留出物を回収
する。そして、N−ビニルホルムアミドの沸点が、例え
ば3mmHgにおいて70℃であるのに対し、多価アルコー
ルの沸点は、これよりかなり高い(トリエチレングリコ
ールの場合、約150℃/3mmHg)ので、この留出物を
減圧下で、更に蒸留することにより、N−ビニルホルム
アミドと多価アルコールとを容易に分離することができ
る。なお、例えば、多価アルコールとしてポリエチレン
グリコールなどの高沸点のものを用いた場合には、熱分
解によりN−ビニルホルムアミドのみが留出するので、
留出物を更に分離する必要はない。また、ここで回収さ
れるN−ビニルホルムアミドはその他の有機不純物を多
少含んでいるので、必要に応じて、更に、精留すること
により高純度品を得ることができる。一方、同じく回収
された多価アルコールはエーテル化反応の原料として再
使用することができる。
なお、本発明では熱分解時に、原料のエーテル化物を希
釈するために、通常、熱媒として用いられているような
高沸点溶媒を加えても差し支えない。この高沸点溶媒は
当然のことながら、不活性で、しかも、原料及び分解生
成物よりも高沸点のものが使用される。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本
発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定され
るものではない。
実施例1 撹拌機及び温度調節器を備えた0.5ガラス製反応器
に、ホルムアミドとアセトアルデヒドとを炭酸ソーダ触
媒の存在下で反応させることにより得られたN−(α−
ヒドロキシエチル)ホルムアミド(以下、ヒドロキシ体
と言う)結晶(純度73%、ホルムアミド含量0.5%、K
2CO3含量0.5%)30gを仕込み、これに、トリエチレ
ングリコール148g(ヒドロキシ体に対して4モル
倍)及び硫酸0.25g(K2CO3の中和量+ヒドロキシ体に
対して0.5モル%)を加え、撹拌下、25〜40℃の温
度で反応系内のヒドロキシ体の残量が8%となるまでエ
ーテル化反応を行ない(反応時間180分)、次いで、
これに20%苛性ソーダ水溶液を加え触媒を中和するこ
とによりpHを7とした。
反応終了後のエーテル化物を含む混合物(均一溶液)を
減圧留出装置を備えた熱分解反応器に全量を仕込み、こ
れを3mmHgの減圧下、液温150〜160℃で2時間、
加熱することにより、分解生成物を含む留出物を留去し
ながら熱分解反応を行なった。なお、この際の塔頂温度
は120℃〜130℃の温度であった。
この熱分解反応により留出回収された留出物163g及
び残留物1.8gの組成を分析したところ下記の通りであ
り、これより目的生成物であるN−ビニルホルムアミド
のヒドロキシ体に対する収率及び残留物中のハルツ副生
量を求めたところ第1表に示す結果を得た。
(留出物の組成) N−ビニルホルムアミド 8.0% トリエチレングリコール 88.9% その他有機成分 0.5% 水 3.6% (残留物の組成) N−ビニルホルムアミド 1% トリエチレングリコール 66% その他有機成分 2% ハルツ 1% 無機塩 30% なお、留出物は3mmHgの減圧下で塔頂温度69℃の条件
下で単蒸留を行なったところ、純度95%以上の高純度
N−ビニルホルムアミドを得ることができた。
実施例2〜3および比較例1〜2 実施例1の方法において、エーテル化反応に第1表に示
すアルコールを用い、また、熱分解を第1表に示す条件
としたこと以外は実施例1と同様に反応を実施した。結
果を第1表に示す。
比較例3 比較例1の方法において、熱分解を、径10m/m、長さ
300m/mのステンレス製単管に3m/m径のガラスビーズ
を充填した反応器を用い、100mmHgの減圧下、450
℃の温度で滞留時間1秒にて連続的にエーテル化物の気
相熱分解を実施したところ、当初は順調な熱分解反応が
行なわれたが、次第に反応器がつまり、3時間後に完全
閉塞となったので反応を中止した。なお、その後、反応
器内のハルツ量を分析したところ、ヒドロキシ体に対し
て5重量%であった。
〔発明の効果〕
本発明によれば、多価アルコールを用いてN−(α−ヒ
ドロキシエチル)ホルムアミドをエーテル化するととも
に、このエーテル化物を減圧下、液相において熱分解す
ることにより、ハルツ成分を始めとする副生物の生成が
少なく、高収率で目的とするN−ビニルホルムアミドを
得ることができる。また、本発明の方法では熱分解の温
度が従来の気相法に較べて低いので熱エネルギー的に有
利である上、気相法の場合のように、反応管内がハルツ
で閉塞すると言うような操作上の問題点もない。したが
って、本発明の方法は工業的に極めて優れた方法であ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−(α−ヒドロキシエチル)ホルムアミ
    ドを多価アルコールと反応させエーテル化し、次いで、
    該エーテル化合物を減圧下、液相において加熱し、生成
    するN−ビニルホルムアミドを留去しつつ熱分解を行な
    うことを特徴とするN−ビニルホルムアミドの製法。
  2. 【請求項2】多価アルコールが2価アルコールであるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の製法。
  3. 【請求項3】熱分解を20mmHg以下の減圧下、90〜2
    00℃の温度で実施することを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の製法。
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