JP2558314B2 - 塩素化エチレン−プロピレン系共重合体組成物 - Google Patents

塩素化エチレン−プロピレン系共重合体組成物

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JP2558314B2 JP63025014A JP2501488A JP2558314B2 JP 2558314 B2 JP2558314 B2 JP 2558314B2 JP 63025014 A JP63025014 A JP 63025014A JP 2501488 A JP2501488 A JP 2501488A JP 2558314 B2 JP2558314 B2 JP 2558314B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は機械的特性がすぐれた塩素化エチレン−プロ
ピレン系共重合体組成物に関する。さらにくわしくは、
耐摩耗性および機械的特性がすぐれているばかりでな
く、柔軟性および圧縮永久歪性も良好であり、しかも耐
熱性がすぐれている塩素化エチレン−プロピレン系共重
合体組成物に関する。
〔従来の技術〕
塩素化ポリエチレン、とりわけ非晶性塩素化ポリエチ
レンゴム状物は化学的に飽和構造であり、かつ塩素含有
高分子物質であることに基いて、その架橋物(加硫物)
は、耐候性、難燃性、耐薬品性、電気的特性および耐熱
性のごとき物性が良好であるため、電線被覆、電気部
品、ホース、建材、自動車部品、パッキン、シートなど
に成形されて広範囲の産業分野において利用されいる。
しかし、この塩素化ポリエチレンは汎用ゴム(たとえ
ば、ブタジエンを主成分とするゴム)と異なり、前記し
たごとく化学的に飽和構造であるために硫黄または硫黄
供与体を加硫剤として加硫させることが困難である。そ
のため、架橋剤として一般には、有機過酸化物を使って
架橋させる方法が行なわれている。しかし、ホース、シ
ート、チューブなどを押出成形後、一般にゴム業界で使
われている加硫かんを用いて架橋した場合、得られる架
橋物を適正に架橋させることは難しい。そのために得ら
れる架橋物の引張強度、耐熱性などが劣る。
そのため、硫黄または硫黄供与体を使用して加硫させ
ることが提案されている(たとえば、特開昭55−71742
号公報明細書)。また、本発明者の一部らは、硫黄およ
び/または硫黄供与体にさらにチオウレア系化合物、ジ
チオカーバメートの金属塩ならびに受酸剤として酸化マ
グネシウムおよび/または酸化鉛を配合させることによ
り、加硫が可能であり、さらに種々の機械的特性(たと
えば、引張強度)もすぐれている加硫性塩素化ポリエチ
レン系組成物を提案した(特開昭61−209244号)。
しかし、この組成物は、加硫性はかならずしも満足す
べきものではなく、したがって柔軟性および圧縮永久歪
性が充分でなく、しかも耐熱性についても劣るという欠
点がある。
さらに、一般に用いられている個々の熱可塑性エラス
トマーについて、問題点を詳細に論述する。
スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)およびアク
リロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)について
は、耐油性、耐寒性および耐屈曲性はすぐれているが、
構造上二重結合を有しているために耐候性、耐オゾン性
および耐熱老化性が比較的多量の老化防止剤、酸化防止
剤などを添加しても長時間の保持性が劣る。また、エチ
レン−プロピレン−ジエン三元共重合ゴム(EPDM)につ
いては、耐寒性、耐屈曲性、耐オゾン性および耐熱老化
性はすぐれている。しかし、耐油性においてすぐれた特
性を有しない。さらに、クロロプレン系ゴム(CR)につ
いては、耐油性、耐寒性および耐屈曲性はすぐれた特性
を発揮する。しかしながら、SBRおよびNBRと同様に二重
結合を有するために老化防止剤を比較的多量添加するこ
とによって短時間の耐候性および耐オゾン性を改良する
ことができる。しかし、長時間使用することにともな
い。これらの特性が低下する。また、120℃以上の激し
い温度条件では、耐熱老化性が低い。さらに、クロロス
ルフォン化ポリエチレンについては、耐油性、耐寒性、
耐屈曲性、耐オゾン性および耐候性はすぐれた特性を有
する。
また、耐熱老化性においては120℃までの温度条件で
はすぐれた特性を有する。しかしながら、120℃以上の
厳しい条件にさらされると、耐熱老化性が低下する。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上のことから、本発明はこれらの欠点(問題点)が
なく、すなわち耐熱性、耐油性および耐候性が良好であ
るのみならず、引張強度、耐摩耗性およびモジュラスな
どの特性がすぐれている組成物を得ることであり、しか
も前記のごとき一般に利用されている熱可塑性エラスト
マーが有する欠点を改良した組成物を得ることである。
〔課題を解決するための手段および作用〕
本発明にしたがえば、これらの課題は、 (A)プロピレンの含有量が15〜40重量%であり、かつ
メルトフローインデックス(JIS K7210にしたがい、条
件が14で測定、以下「MFR」と云う)が0.01〜5.0g/10分
であり、差動走査熱量計で測定した融解ピークが80℃以
上であり、X線で測定した結晶化度が3%以上であり、
しかもゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定
した分子量分布の指標である重量平均分子量かか(
w)/数平均分子量(N)が4以上であるエチレン−
プロピレン系共重合体を塩素化させることによって得ら
れる塩素含有率が20〜45重量%であり、かつムーニー粘
度(ML1+4、100℃)が10〜150である塩素化エチレン−
プロピレン系共重合体 (B)カーボンブラック ならびに (C)Si−O結合を有する無機物質およびSi−O結合を
有さない無機物質からなる群からえらばれた少なくとも
一種の無機物質 からなり、塩素化エチレン−プロピレン系共重合物100
重量部に対する組成割合は、カーボンブラックが3.0〜1
00重量部であり、無機物質が20〜150重量部であるが、
カーボンブラックと無機物質との合計量は多くとも200
重量部である塩素化エチレン−プロピレン系共重合体組
成物、 によって解決することができる。以下、本発明を具体的
に説明する。
(A)塩素化エチレン−プロピレン系共重合体 本発明において使われる塩素化エチレン−プロピレン
系共重合体を製造するにあたり、原料であるエチレン−
プロピレン系共重合体のプロピレンの含有量は15〜40重
量%であり、18〜40重量%が好ましく、特に20〜38重量
%が好適である。プロピレンの含有量が15重量%である
エチレン−プロピレン系共重合体を使って塩素化させる
と、得られる塩素化エチレン−プロピレン系共重合体は
ゴム的な弾性が乏しく、むしろ製品においてプラスチッ
クライクであり、得られる組成物のゴム的特性を発揮し
ない。一方、40重量%を超えたエチレン−プロピレン系
共重合体を用いて塩素化すると、塩素化のさいに得られ
る塩素化エチレン−プロピレン系共重合体の粒子が大き
くなり、反応系において団塊状になるために好ましくな
い。
また、該エチレン−プロピレン系共重合体のMFRは0.0
1〜5.0g/10分であり、0.02〜5.0g/10分が望ましく、と
りわけ0.05〜5.0g/10分が好適である。MFRが0.01g/10分
未満のエチレン−プロピレン系共重合体を使用して塩素
化するならば、得られる塩素化エチレン−プロピレン系
共重合体の加工性がよくない。一方、5.0g/10分を超え
たエチレン−プロピレン系共重合体を使って塩素化する
と、塩素化エチレン−プロピレン系共重合体の製造時に
おける反応効率が悪く、しかも塩素化物の団塊化が激し
い。
該エチレン−プロピレン系共重合体のムーニー粘度
(ML1+4、100℃)は通常10〜180であり、10〜170が好ま
しく、特に10〜150が好適であるムーニー粘度が10未満
のエチレン−プロピレン系共重合体を塩素化すれば、塩
素化中に塩素化物の団塊化が激しい。一方、180を超え
たエチレン−プロピレン系共重合体を用いると、得られ
る塩素化物の機械的特性はすぐれているが、ゴム的な弾
性が乏しく、むしろプラスチックライクである。
なお、該エチレン−プロピレン系共重合体は、通常差
動走査熱量計(Differential Scanning Calorimeter,DS
C)で測定した融解ピークが80℃以上であり、かつX線
で測定した結晶化度が5%以上であり、80〜125℃が好
ましく、特に85〜125℃が好適である。前記融解ピーク
が80℃未満では、塩素化エチレン−プロピレン系共重合
体を製造するさいに塊状になり、均一な塩素化物が得ら
れないために好ましくない。
また、該エチレンプロピレン系共重合体はX線で測定
した結晶化度が3%以上であり、3〜50%が望ましく、
とりわけ3〜45%が好適である。この結晶化度が3%未
満のエチレン−プロピレン系共重合体を使って塩素化す
ると、塩素化の段階で塊状となり、同様に均一な塩素化
物が得られない。
さらに、該エチレン−プロピレン系共重合体はゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した
分子量分布の指標である重量平均分子量(w)/数平
均分子量(n)は4以上であり、4〜8が好ましい。
w/nが4未満のエチレン−プロピレン系共重合体を
使用するならば、得られる塩素化物の加工性がよくない
ために好ましくない。
本発明の塩素化エチレン−プロピレン系共重合体を製
造するには、該エチレン−プロピレン系共重合体を水性
媒体中に懸濁させる。この水性懸濁状態を保持するため
に、少量の乳化剤、懸濁剤を加えることが好ましい。こ
のさい、必要に応じて、ベンゾイルパーオキサイド、ア
ゾビスイソブチロニトリルおよび過酸化水素のごときラ
ジカル発生剤、ライトシリコン油などの消泡剤ならびに
その他の添加剤を加えてもさしつかえない。
本発明の塩素化エチレン−プロピレン系共重合体を製
造するにあたり、前記の水性懸濁下で下記のごとき三つ
の方法で塩素化させることが望ましい。
第一の方法は第一段階において用いられるエチレン−
プロピレン系共重合体の融点よりも少なくとも25℃低い
温度であるが、50℃より高い温度において全塩素化量の
20〜60%を塩素化し、第二段階において前記第一段階に
おける塩素化温度よりも10℃以上高い温度であるが、該
エチレン−プロピレン系共重合体の融点よりも5〜15℃
低い温度において残りの塩素化を行なう方法である。
また、第二の方法は、第一段階において使われるエチ
レン−プロピレン系共重合体の融点よりも少なくとも25
℃低い温度であるが、50℃より高い温度において全塩素
化量の20〜60%を塩素化し、第二段階において該エチレ
ン−プロピレン系共重合体の融点よりも1〜7℃高い温
度まで昇温させ、この温度において塩素を導入すること
なく10〜60分間アニールさせ、第三段階において該エチ
レン−プロピレン系共重合体の融点よりも2〜25℃低い
温度において残りの塩素化を行なう方法である。
さらに、第三の方法は第一段階において使用されるエ
チレン−プロピレン系共重合体の融点よりも少なくとも
25℃低い温度であるが、50℃より高い温度において全塩
素化量の20〜60%を塩素化し、第二段階において前記第
一段階における塩素化温度よりも10℃以上高い温度であ
るが、該エチレン−プロピレン系共重合体の融点よりも
5〜15℃低い温度で残りの塩素化量の少なくとも30%で
あり、この段階までに全塩素化量の60〜90%塩素化し、
ついで第三段階において該エチレン−プロピレン系共重
合体の融点よりも低い温度であるが、融点よりも2℃以
下低い温度において塩素化を行なう方法である。
このようにして得られる本発明において使用される塩
素化エチレン−プロピレン系共重合体の塩素含有率は20
〜45重量%(好ましくは、20〜42重量%、好適には、25
〜42重量%)である。この塩素化エチレン−プロピレン
系共重合体の塩素含有率が20重量%未満では、得られる
塩素化エチレン−プロピレン系共重合体を回収および精
製するのに問題がある。その上、耐焔性が乏しい。一
方、45重量%を超えると生成される塩素化エチレン−プ
ロピレン系共重合体は、熱安定性および耐熱性において
著しく低下するために好ましくない。
またムーニー粘度は100℃の温度においてラージ・ロ
ータで10〜150ポイントであり10〜120ポイントが望まし
く、とりわけ15〜100ポイントが好適である。
さらに、メルトフローインデックス(JIS K−7210に
したがい、条件が7で測定、以下「FR」と云う)は、一
般には1〜100g/10分であり、3〜50g/10分が好まし
く、とりわけ5〜30g/10分が好適である。
(B)カーボンブラック また、本発明において用いられるカーボンブラックと
しては、一般にはその非表面積が低温窒素吸着法および
BET法で測定して20〜1800m2/gおよび細孔容積が細孔半
径30〜7500Å(3〜750nm)の範囲において水銀圧入法
で測定して1.5〜4.0cc/gであり、特に比表面積が600〜1
200m2/gのものが有効である。
該カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、
サーマルブラック、アセチレンブラックおよびファーネ
スブラック法によって製造されるカーボンブラックがあ
げられる。これらのカーボンブラックについては、カー
ボンブラック協会編“カーボンブラック便覧”(図書出
版社、昭和47年発行)、ラバーダイジェスト社編“便
覧、ゴム・プラスチック配合薬品”(ラバーダイジェス
ト社、昭和49年発行)、前記“合成ゴムハンドブック”
などによってそれらの製造方法および物性などがよく知
られているものである。これらのカーボンブラックのう
ち、導電性カーボンブラックおよびアセチレン法によっ
て得られるアセチレンブラック(一般には、比表面積は
600〜1200m2/g)は、導電性が大きく、高モジュラスに
なるため好適でない。また、チャンネル法によって得ら
れるチャンネルブラック(一般には、比表面積50〜1200
m2/g)は特殊な用途に使用されているが、pHが酸性を示
しているために本発明に使用するカーボンブラックとし
ては好適ではない。これらに対し、サーマル法、ファー
ネス法によって得られるサーマルブラックおよびファー
ネスブラックは塩素化ポリエチレンに対して補強性、屈
曲性、耐摩耗性、耐熱性、耐油性およびアルカル性(pH
として)を有しているため、比較的少ない配合量で高い
特性を付与することができる理由によって好適である。
(C)Si−O結合を有する無機物質 また、本発明において用いられるSi−O結合を有する
無機物質のSiO2の含有量は通常少なくとも10重量%であ
り、30重量%以上が好ましく、特に50重量%以上が好適
である。また、H2Oの含有量は通常1.0〜20重量%であ
り、1.0〜15重量%が望ましく、とりわけ1.5〜15重量%
が好適である。さらに、該無機物質の粒径は一般には10
nmないし30μmであり、特に10nmないし25μmが好まし
く、特に15nmないし25μmの粒径を有する無機物質が好
適である。
Si−O結合を有する無機物質の代表例としては湿式法
ホワイトカーボン、ケイ酸カルシウム、コロイダル・シ
リカ、若干のカルシウム、アルミニウム、ナトリウム、
鉄などの酸化物を含有する合成ケイ酸塩系ホワイトカー
ボン、超微粉ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム
(クレー)、タルク、霞石閃長石、雲母粉、珪石粉、ケ
イ藻土、ケイ砂などがあげられる。これらのSi−O結合
を有する無機物質については、ラバーダイジェスト社編
“便覧 ゴム・プラスチック配合薬品”)ラバーダイジ
ェスト社、昭和49年発行)第221頁ないし第253頁などに
よって、それらの製造方法、物性および商品名などが記
載されており、よく知られているものである。
(D)Si−O結合を有さない無機物質 また、本発明において用いられるSi−O結合を有さな
い無機物質(ただし、カーボンブラックは含まない)は
一般にゴム業界および合成樹脂業界において充填剤、補
強剤などとして広く使用されているものである。その代
表例としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、黒鉛、カーボン繊維、水酸化アルミ
ニウム(アルミナ・水和物)、水酸化マグネシウムおよ
びアルミナがあげられる。これらのSi−O結合を有さな
い無機充填剤のうち、粉末状物の粒径は一般には10nm〜
7μmであり、特に20nm〜6μmが好ましい。また、繊
維状物では、通常径が2〜25μm(好適には2〜15μ
m)であり、長さが5μm〜10mm(好適には5μm〜6m
m)である。これらの無機充填剤は後記“便覧 ゴム・
プラスチック配合薬品”などによってよく知られている
ものである。
(E)組成割合 100重量部の塩素化エチレン−プロピレン系共重合体
に対するカーボンブラック、Si−O結合を有する無機物
質およびSi−O結合を有さない無機物質の組成割合は下
記の通りである。
カーボンブラックについては3.0〜100重量部であり、
5.0〜100重量部が好ましく、特に5.0〜80重量部が好適
である。カーボンブラックの組成割合が5.0重量部未満
では、得られる組成物の機械的強度および耐摩耗性が劣
る。一方、100重量部を超えるならば、加工性がよくな
い。
また、Si−O結合を有する無機物質およびSi−O結合
を有さない無機物質は、それらの合計量として20〜150
重量部であり、20〜130重量部が望ましく、とりわけ20
〜120重量部が好適である。Si−O結合を有する無機物
質およびSi−O結合を有さない無機物質がそれらの合計
量として20重量部未満では、機械的強度などが劣り、し
かも得られる製品の成形状態がよくない。一方、150重
量部を超えると、組成物の加工性がよくない。
さらに、カーボンブラック、Si−O結合を有する無機
物質およびSi−O結合を有さない無機物質の合計量は多
くとも200重量部であり、150重量部以下が好ましく、特
に120重量部以下が好適である。これらの合計量が200重
量部を超えると、成形性の点で劣り、すぐれた製品が得
られない。
(F)混合方法、加硫方法、成形方法など 以上の物質を均一に配合させることによって本発明の
組成物(混合物)を得ることができるけれども、さらに
ゴム業界において一般に使われている充填剤、硫黄、硫
黄供与体、加硫促進剤、加硫促進助剤、有機過酸化物、
架橋助剤、可塑剤、酸素、オゾン、熱および光(紫外
線)に対する安定剤、滑剤ならびに着色剤のごとき添加
剤、ならびに脱塩化水素防止剤を組成物の使用目的に応
じて添加してもよい。
本発明の組成物を製造するさい、その配合(混合)方
法は、当該技術分野において一般に用いられているオー
プンロール、ドライブレンダー、バンバリーミキサーお
よびニーダーのごとき混合機を使用して配合すればよ
い。これらの混合方法のうち、一層均一な組成物を得る
ためにはこれらの混合方法を二種以上適用してもよい
(たとえば、あらかじめドライブレンダーで混合した
後、その混合物をオープンロールを用いて混合する方
法)。これらの混合方法において、溶融混練するさいに
比較的高い温度で実施すると、使用される塩素化エチレ
ン−プロピレン系共重合体の一部または全部が架橋する
ことがある。このために通常70℃以下において実施する
必要がある。
このようにして得られる組成物を使って一般のゴム業
界において一般に使用されている押出成形機、射出成形
機、圧縮成形機、トランスファ成形機などを利用して所
望の形状に形成される。
また、加硫または架橋させる場合、加硫または架橋は
通常100〜200℃の温度範囲に成形中において、あるいは
スチーム缶、エアーバスなどによって加熱される。加硫
または架橋時間は加硫または架橋温度によって異なる
が、一般には0.5〜120分である。
(実施例および比較例) 以下、実施例によって本発明をさらにくわしく説明す
る。
なお、実施例および比較例において、引張試験はJIS
K6301に準じて引張強度(以下「TB」と云う)および伸
び率(以下「EB」と云う)を測定した。また、耐熱老化
試験は、温度がそれぞれ120℃に設定されたJISギャーオ
ーブン中にJIS No.3号ダンベルを5日間放置した後、シ
ョッパー型引張試験機を使用し、TBおよびEBを測定し、
TBおよびEBの変化率を求めた。さらに、耐油性試験は温
度が120℃に設定されたJISテストチューブ試験機中にJI
S #3オイルを入れ、その中にJIS No.3号ダンベルと体
積変化率測定用の試料を浸漬させ、5日間それぞれ放置
した後、耐熱老化試験と同じ測定機を用いて同様に測定
を行なった。なお、体積変化率(以下「ΔV」と云う)
はアルキメデス法で測定を行なった。また、耐寒性試験
は衝撃脆化によって破壊する温度を測定した。さらに、
耐屈曲性試験はデマチャー式試験機を使って40%伸長
し、100万回くり返し疲労を行ない、クラックスの有無
を観察した。
なお、実施例および比較例において使用した塩素化エ
チレン−プロピレン系共重合体、カーボンブラック、Si
−O結合を有する無機物質、Si−O結合を有さない無機
物質、受酸剤、架橋剤、加硫剤、架橋助剤、加硫促進剤
および可塑剤のそれぞれの種類および物性などを下記に
示す。
〔(A)塩素化エチレン−プロピレン系共重合体) 塩素化エチレン−プロピレン系共重合体として、水性
懸濁状でプロピレン含有量が22重量%であり、かつムー
ニー粘度(ML1+4、100℃)が115であるエチレン−プロ
ピレン系共重合体〔MFR 1.0g/10分、融点 120℃、以
下「EPR(1)」と云う〕10Kgを仕込み、撹拌しながら5
0〜90℃の温度範囲において該共重合体の塩素含有量が1
8.2重量%になるまで塩素化した(第一段階塩素化)。
ついで、反応系を121〜125℃に昇温させ、この温度範囲
において塩素の導入を中止させて30分間アニール化を行
なった(第二段階アニール化)。ついで、反応系を冷却
し、95〜118℃の温度範囲において塩素含有量が35.6重
量%になるまで塩素化し(第三段階塩素化)、得られる
ムーニー粘度(ML1+4、100℃)が42.0である塩素化エチ
レン−プロピレン系共重合体〔FR 10.0g/10分、以下
「ClEPR(A)」と云う〕および前記EPR(1)10Kgを上
記と同様に仕込み、攪拌しながら50〜90℃の温度範囲に
おいて該共重合体の塩素含有率が18.2重量%になるまで
塩素化した(第一段階塩素化)。ついで反応系を105〜1
15℃に昇温させ、この温度範囲において塩素含有量が2
7.1重量%になるまで塩素化した(第二段階塩素化)。
ついで118〜120℃の温度範囲で塩素含有量が36.2重量%
になるまで塩素化し(第三段階塩素化)、ムーニー粘度
(ML1+4、100℃)が61である塩素化エチレン−プロピレ
ン系共重合体〔FR 11.0g/10分、以下「ClEPR(B)」
と云う〕を使った。
〔(B)カーボンブラック〕
また、カーボンブラックとして、ファーネス法で製造
されたカーボンブラック(昭和キャボット社製、商品名
ショウブラックFEF、平均粒径51ミリミクロン、比表
面積41m2/g、FEF、以下「CB−1」と云う)および同法
で製造されたカーボンブラック(旭カーボン社製、商品
名 旭サーマル、平均粒径 118ミリミクロン、比表面
積 19m2/g、SRF、以下「CB−2」と云う)をそれぞれ
用いた。
〔(C)Si−O結合を有する無機物質〕
さらに、Si−O結合を有する無機物質として、超微粉
ケイ酸マグネシウム(密度 2.75g/cm3、比表面積 20m
2/g、粒径 0.32〜6μm、SiO2含有量 62.5重量%、M
gO含有量 30.6重量%、Fe2O3含有量 1.0重量%、H2O
含有量 4.99重量%、以下「MgO・SiO2」と云う)、シ
リカ(密度 1.95g/cm3、比表面積 19,000cm2/g、平均
粒径 16nm、SiO2含有量 86.5重量%、H2O含有量 13.
0重量%、以下「SiO2」と云う)を使用した。
〔(D)Si−O結合を有さない無機物質〕
また、Si−O結合を有さない無機物質として、水酸化
アルミニウム〔昭和軽金属社製、商品名ハイジライト
H−32、平均粒径 20〜30μm、比重 2.42、以下「Al
(OH)」と云う〕および炭酸カルシウム(平均粒径1.
7μm、以下「CaCO3」と云う)をそれぞれ用いた。
〔(E)受酸剤〕
さらに、受酸剤として、三塩基性硫酸鉛(耕正社製、
商品名 TS、平均粒径 2.0μm、密度 約7.0g/cm3
以下「トリベース」と云う)および酸化マグネシウム
(協和化学社製、商品名 キョーワマグ 150、100メッ
シュパス、比表面積 150m2/g、以下「MgO」と云う)を
使用した。
〔(F)架橋剤、加硫剤〕
また、架橋剤としてn−ブチル−ビス(第三級−ブチ
ルパーオキシ)バレレート(以下「V」と云う)を、さ
らに加硫剤としてトリチオシアヌル酸(以下「トリアジ
ン」と云う)を使った。
〔(G)架橋助剤、加硫促進剤〕
さらに、架橋助剤としてトリアリルイソシアヌレート
(以下「TAIC」と云う)を、また加硫促進剤として2−
メルカプトベンゾチアゾールヘキシルアミン塩(以下
「MDCA」と云う)およびペンタメチレン・ジチオカーバ
メートのナトリウム塩(以下「PMTC」と云う)を用い
た。
〔(H)可塑剤〕
また、可塑剤として、トリオクチルトリメリテート
(以下「TOTM」と云う)を使用した。
実施例 1〜15、比較例 1〜14 第1表にそれぞれの種類が示されている塩素化エチレ
ン−プロピレン系共重合体(以下「ClEPR」と云う)、1
00重量部ならびに配合量および種類が示されているカー
ボンブラック(以下「C.B.」と云う)、「Si−O結合を
有する無機物質およびSi−O結合を有さない無機物質」
(以下「無機物質」と云う)、加硫剤または架橋剤なら
びに加硫促進剤または架橋助剤ならびに受酸剤として実
施例1ないし8および比較例1ないし5、9および10で
は10重量部のTSを、また実施例9ないし15および比較例
6ないし8、11ないし14では10重量部のMgOを、さらに
全実施例および全比較例では、可塑剤として30重量部の
TOTMを室温(約20℃)においてオーブンロールを使って
20分間混練し、それぞれをシート状に成形した。得られ
た各シート状物を圧縮成形機を用いて温度が165℃およ
び圧力が200kg/cm2の条件下で30分間加硫または架橋し
ながら加硫物および架橋物を製造した。得られた各加硫
物および架橋物について引張試験、耐熱性試験、耐油性
試験、耐寒性試験および耐屈曲性試験を行なった。それ
らの結果を第2表に示す。
以上の実施例および比較例の結果から、本発明の塩素
化エチレン−プロピレン系共重合体組成物は、引張強度
(TB)および耐油性についてすぐれているのみならず、
耐熱性についてもすぐれており、かつ耐寒性についても
良好であり、しかも耐屈曲性についてもすぐれているこ
とは明白である。
〔発明の効果〕
本発明の塩素化エチレン−プロピレン系共重合体組成
物は下記のごとき効果(特徴)を発揮する。
(1)機械的強度(たとえば、引張強度)が良好であ
る。
(2)成形物の寸法精度がすぐれている。
(3)二重結合を有するゴムに対し、耐薬品性および耐
候性が良好である。
(4)圧縮永久歪がよい。
(5)加硫物または架橋物の加硫性または架橋性がすぐ
れている。
(6)耐油性が良好である。
(7)永久伸性がすぐれている。
(8)耐熱性が良好である。
(9)耐屈曲性についてもすぐれている。
(10)耐寒性についても良好である。
本発明の塩素化エチレン−プロピレン系共重合体組成
物は以上のごとき効果を発揮するために多方面にわたっ
て利用することができる。代表的な用途を下記に示す。
(1)自動車用各種ゴム部品(たとえば、パッキン、ホ
ース) (2)電線被覆 (3)電気機器、電子機器などの部品 (4)各種のパッキン、シート (5)ホース類 (6)各種の建材部品 (7)ルーフィング、ポンドライナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寒河江 一郎 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3―2 昭 和電工株式会社川崎樹脂研究所内 (56)参考文献 特開 平1−182341(JP,A) 特開 昭59−27938(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)プロピレンの含有量が15〜40重量%
    であり、かつメルトフローインデックスが0.01〜5.0g/1
    0分であり、差動走査熱量計で測定した融解ピークが80
    ℃以上であり、X線で測定した結晶化度が3%以上であ
    り、しかもゲルパーミエーションクロマトグラフィーで
    測定した分子量分布の指標である重量平均分子量/数平
    均分子量が4以上であるエチレン−プロピレン系共重合
    体を塩素化させることによって得られる塩素含有率が20
    〜45重量%であり、かつムーニー粘度(ML1+4、100℃)
    が10〜150である塩素化エチレン−プロピレン系共重合
    体、 (B)カーボンブラック ならびに (C)Si−O結合を有する無機物質およびSi−O結合を
    有さない無機物質からなる群からえらばれた少なくとも
    一種の無機物質 からなり、塩素化エチレン−プロピレン系共重合体100
    重量部に対する組成割合は、カーボンブラックが3.0〜1
    00重量部であり、無機物質が20〜150重量部であるが、
    カーボンブラックと無機物質との合計量は多くとも200
    重量部である塩素化エチレン−プロピレン系共重合体組
    成物。
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