JP2556826B2 - 新規化合物 - Google Patents

新規化合物

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JP2556826B2
JP2556826B2 JP7097421A JP9742195A JP2556826B2 JP 2556826 B2 JP2556826 B2 JP 2556826B2 JP 7097421 A JP7097421 A JP 7097421A JP 9742195 A JP9742195 A JP 9742195A JP 2556826 B2 JP2556826 B2 JP 2556826B2
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慎一 桂
喜朗 内山
里美 井上
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Ueno Seiyaku Oyo Kenkyujo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なビス(フェノキ
シメチル又はナフトキシメチル)ベンゼン誘導体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に感熱記録紙は、支持体上に発色剤
としてロイコ染料のような無色又は淡色の発色性染料及
びこれを熱時発色せしめる顕色剤としてフェノール性化
合物、更に結合剤、充填剤、賦形剤、滑剤、その他の助
剤を設けたものであり、広く実用に供されている。感熱
記録紙は加熱時の発色剤と顕色剤との瞬間的な化学反応
により発色画像を得るものであり、図書、文書等の複写
に用いられる他、各種計測器用熱ペン式記録計、サーマ
ルプリンター、感熱式自動券売機、ファクシミリなど広
範囲に普及している。特にファクシミリ等の情報関係機
器においては、記録装置自体の高速化が要求され、使用
する感熱記録紙もまた速やかに濃密な記録像を発現する
性能が要求される。
【0003】顕色剤として用いられるフェノール性化合
物の中で高速感熱記録に適するものとしては、パラヒド
ロキシ安息香酸エステル類、特にパラヒドロキシ安息香
酸ベンジルエステルが知られている(特開昭52−14
0483号、同56−144193号、同57−820
89号及び同57−107885号)。これらの顕色剤
を含有する感熱記録紙は、発色性能が良く、高濃度で鮮
明な記録像が得られいる。しかし発色後の記録像の安定
性は十分でなく、記録像の退色及び白ぬけ現象が起こる
ことが知られている。その理由は必ずしも明らかではな
いが、発色剤とパラヒドロキシ安息香酸エステルとの電
荷移動錯体からパラヒドロキシ安息香酸エステルが脱離
結晶化するためと考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この結晶化を阻止する
ことを目的とし、ある種の化合物を添加する方法が知ら
れているが、必ずしも満足できる結果が得られていな
い。本発明者らは、感熱記録紙の研究において上記の点
に鑑み、鋭意検討した結果、退色ないし白ぬけ現象を阻
止しうる新規な化合物を見い出して、本発明を完成し
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式
【化5】 (式中Aは基
【化6】 を示し、ここにR1はフェニル基又はベンジル基、R2
は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基又はベンジル
基、Xは水素原子又はハロゲン原子を意味する)で表さ
れるビス(フェノキシメチル又はナフトキシメチル)ベ
ンゼン誘導体である。
【0006】本発明の化合物は、感熱記録紙の退色ない
し白ぬけ現象の阻止剤として有用である。式Iの化合物
は、例えば一般式
【化7】A−OH II (式中Aは前記の意味を有する)で表される芳香族ヒド
ロキシカルボン酸エステルのアルカリ塩と一般式
【化8】 (式中Yはハロゲン原子を示す)で表されるキシリレン
ジハロゲノイドとの脱ハロゲン化水素反応により製造す
ることができる。式IIの化合物のアルカリ塩としては例
えばナトリウム塩、カリウム塩などが用いられる。
【0007】本反応は溶媒の存在下で行うことが好まし
い。溶媒としては極性非プロトン溶媒例えばN,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
ジメチルスルホキサイドなどが好ましい。反応温度は5
0〜150℃であり、反応は1〜8時間で終了する。反
応終了後、反応液に水を加え、析出する沈澱を濾取し、
これを再結晶すると、式Iの化合物の精製品が得られ
る。
【0008】式Iの化合物としては、下記のものがあげ
られる。1,2−、1,3−又は1,4−ビス(o−カ
ルボフェノキシ−フェノキシメチル)ベンゼン、1,2
−、1,3−又は1,4−ビス(m−カルボフェノキシ
−フェノキシメチル)ベンゼン、1,2−、1,3−又
は1,4−ビス(p−カルボフェノキシ−フェノキシメ
チル)ベンゼン、1,2−、1,3−又は1,4−ビス
(2−ハロゲノ−4−カルボフェノキシ−フェノキシメ
チル)ベンゼン、1,2−、1,3−又は1,4−ビス
(3−ハロゲノ−4−カルボフェノキシ−フェノキシメ
チル)ベンゼン、1,2−、1,3−又は1,4−ビス
(3−ハロゲノ−2−カルボフェノキシ−フェノキシメ
チル)ベンゼン、1,2−、1,3−又は1,4−ビス
(4−ハロゲノ−2−カルボフェノキシ−フェノキシメ
チル)ベンゼン、1,2−、1,3−又は1,4−ビス
(2−ハロゲノ−3−カルボフェノキシ−フェノキシメ
チル)ベンゼンなど並びにこれらの化合物のカルボフェ
ノキシ基の代わりにカルボベンジルオキシ基を有する化
合物。
【0009】あるいは、1,2−、1,3−又は1,4
−ビス(2−カルボアルコキシ−1−ナフトキシメチ
ル)ベンゼン、1,2−、1,3−又は1,4−ビス
(4−カルボアルコキシ−1−ナフトキシメチル)ベン
ゼン、1,2−、1,3−又は1,4−ビス(1−カル
ボアルコキシ−2−ナフトキシメチル)ベンゼン、1,
2−、1,3−又は1,4−ビス(3−カルボアルコキ
シ−2−ナフトキシメチル)ベンゼン、1,2−、1,
3−又は1,4−ビス(6−カルボアルコキシ−2−ナ
フトキシメチル)ベンゼン、
【0010】1,2−、1,3−又は1,4−ビス(2
−ハロゲノ−4−カルボアルコキシ−1−ナフトキシメ
チル)ベンゼン、1,2−、1,3−又は1,4−ビス
(4−ハロゲノ−2−カルボアルコキシ−1−ナフトキ
シメチル)ベンゼン、1,2−、1,3−又は1,4−
ビス(6−ハロゲノ−2−カルボアルコキシ−1−ナフ
トキシメチル)ベンゼン、1,2−、1,3−又は1,
4−ビス(8−ハロゲノ−4−カルボアルコキシ−1−
ナフトキシメチル)ベンゼン、1,2−、1,3−又は
1,4−ビス(8−ハロゲノ−6−カルボアルコキシ−
1−ナフトキシメチル)ベンゼン、
【0011】1,2−、1,3−又は1,4−ビス(1
−ハロゲノ−4−カルボアルコキシ−2−ナフトキシメ
チル)ベンゼン、1,2−、1,3−又は1,4−ビス
(4−ハロゲノ−1−カルボアルコキシ−2−ナフトキ
シメチル)ベンゼン、1,2−、1,3−又は1,4−
ビス(6−ハロゲノ−8−カルボアルコキシ−2−ナフ
トキシメチル)ベンゼン、1,2−、1,3−又は1,
4−ビス(8−ハロゲノ−6−カルボアルコキシ−2−
ナフトキシメチル)ベンゼン、1,2−、1,3−又は
1,4−ビス(4−ハロゲノ−6−カルボアルコキシ−
2−ナフトキシメチル)ベンゼン、1,2−、1,3−
又は1,4−ビス(1−ハロゲノ−8−カルボアルコキ
シ−2−ナフトキシメチル)ベンゼンなど、並びにこれ
ら化合物のカルボアルコキシ基の代わりにカルボフエノ
キシ基又はカルボベンジルオキシ基を有する化合物。
【0012】式Iの化合物において、カルボアルコキシ
基としては例えばカルボメトキシ基、−エトキシ基、−
プロポキシ基、−ブトキシ基があげられる。また、ハロ
ゲン原子としては塩素原子、臭素原子、弗素原子、沃素
原子があげられる。本発明の化合物を用いて感熱記録紙
を製造するに際しては、まずロイコ染料、顕色剤及び式
Iの化合物を配合する。その配合比率はロイコ染料10
0重量部に対して顕色剤100〜1000重量部が好ま
しい。また式Iの化合物は顕色剤100重量部に対して
1〜200重量部を配合することが好ましい。
【0013】感熱記録紙を製造するに際に用いられるロ
イコ染料としては、例えばトリフエニルメタン系、フル
オラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピ
ラン系染料があげられる。これらの染料は単独で又は2
種以上混合して用いられる。このようなロイコ染料の具
体例としては、下記のものがあげられる。3,3−ビス
(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−
ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルア
ミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクト
ン)、
【0014】3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p
−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、
3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)−フタリ
ド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラ
ン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−
ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−p
−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、
【0015】3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−〔N−(3′−トリルフルオロメチ
ルフェニル)アミノ〕−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−〔3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o
−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム〕、3
−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロ
メチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルア
ミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N
−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−
(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、
【0016】ベンゾイルロイコメチレンブルー、6′−
クロロ−8′−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピリロス
ピラン、6′−ブロモ−3′−メトキシ−ベンゾインド
リノ−ピリロスピラン3−(2′−ヒドロキシ−4′−
ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−
5′−クロルフェニル)フタリド、3−(2′−ヒドロ
キシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−
メトキシ−5′−ニトロフェニル)フタリド、3−
(2′−ヒドロキシ−4′−ジエチルアミノフェニル)
−3−(2′−メトキシ−5′−メチルフェニル)フタ
リド、3−(2′−メトキシ−4′−ジメチルアミノフ
ェニル)−3−(2′−ヒドロキシ−4′−クロル−
5′−メチルフェニル)フタリド、3−モルホリノ−7
−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノフルオ
ラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリ
ノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−
(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオ
ラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニ
ル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5
−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラ
ン、
【0017】3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7
−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエ
チルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルア
ミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−
7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジ
エチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ
−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチ
ルアニリノ)フルオラン、3−(N−ベンジル−N−シ
クロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフ
チルアミノ−4′−ブロモフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4′,5′−ベン
ゾフルオラン等。
【0018】顕色剤としてはパラヒドロキシ安息香酸エ
ステル、例えばパラヒドロキシ安息香酸メチル、−エチ
ル、−プロピル、−イソプロピル、−ヘキシル、−ベン
ジル、−フエネチル、−ナフチルなどがあげられる。こ
れらの材料は水を媒体としてボールミル、アトライタ
ー、サンドグライダーなどの磨砕機又は適当な乳化装置
によつて微粒化し、目的に応じて各種の添加材料を加え
て塗液とする。
【0019】添加材料としては、ポリビニルアルコー
ル、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルローズ、
澱粉類、スチレン−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニ
ル−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共
重合体などの結合剤、カオリン、珪藻土、タルク、酸化
チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化ア
ルミニウムなどの充填剤、脂肪酸金属塩、例えばステア
リン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸
カルシウム、オレイン酸亜鉛などの賦形剤、ワックス
類、例えばパラフインワックス、カウナバロウワック
ス、ポリエチレンワックスなどの滑剤、ベンゾフェノン
系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、グリオキザールな
どの耐水化剤、分散剤、消泡剤などがあげられる。 こ
れらの添加剤を加えた塗液を紙、フィルムなどの支持体
に塗布することによつて、本発明の化合物を用いた感熱
記録紙が得られる。本発明の化合物を用いた感熱記録紙
は発色性、高速記録性及び地肌の安定性を有しており、
しかも記録像の退色及び白ぬけが改善され、安定性が優
れている。
【0020】
【実施例】
実施例1 1,3−ビス(p−カルボベンジルオキシ−フェノキシ
メチル)ベンゼンの合成 パラヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル45.6g
(0.2モル)及び炭酸ナトリウム10.6g(0.1
モル)にN,N−ジメチルホルムアミド200mlを加
え室温で10分間攪拌した。次いでN,N−ジメチルホ
ルムアミド100mlに溶解したm−キシリレンジクロ
ライド17.4g(0.1モル)を攪拌しながら10分
間で滴下し、さらに113℃で4時間加熱した。反応
後、冷却し、水にブローしたのち、沈澱物を濾別した。
得られた沈澱物を水洗し、さらにメタノールに懸濁さ
せ、60℃で30分間攪拌したのち冷却した。次いで沈
澱物を濾別したのち乾燥して、融点92.5〜93.8
℃の白色結晶として、1,3−ビス(p−カルボベンジ
ルオキシ−フェノキシメチル)ベンゼン15.8g(収
率26.9%)を得た。 NMR値:δ 5.11(4H,s)、5.33(4H,s)、6.91〜8.
07(22H,m) Mass値:m/z=558(M+
【0021】実施例2 1,4−ビス(p−カルボベンジルオキシ−フェノキシ
メチル)ベンゼンの合成 パラヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル68.4g
(0.3モル)及び炭酸ナトリウム15.9g(0.1
5モル)にN,N−ジメチルホルムアミド274gを加
え、100℃に加温した。次いでp−キシリレンジクロ
ライド26.2g(0.15モル)を攪拌しながら10
分間で添加し、さらに100℃で1時間加熱した。得ら
れた反応混合物に水を加え、析出した沈澱物を濾別し
た。得られた沈澱物をN,N−ジメチルホルムアミドに
加え、90℃に加温し溶解したのち冷却した。析出した
沈澱物を濾別したのち乾燥して、融点154〜157℃
の白色結晶として、1,4−ビス(p−カルボベンジル
オキシ−フェノキシメチル)ベンゼン27.8g(収率
33.0%)を得た。 NMR値:δ 5.11(4H,s)、5.33(4H,s)、6.92〜8.
07(22H,m) Mass値:m/z=558(M+
【0022】実施例3 1,3−ビス(6−カルボメトキシ−2−ナフトキシメ
チル)ベンゼンの合成 2−ヒドロキシナフタリン−6−カルボン酸メチルエス
テルのナトリウム塩44.8gにN,N−ジメチルホル
ムアミド200mlを加え、室温で攪拌した。次いで
N,N−ジメチルホルムアミドに溶解したm−キシリレ
ンジクロライド17.5g(0.1モル)を攪拌しなが
ら10分間で滴下し、さらに105℃で4時間加熱し
た。反応後、冷却し析出した沈澱物を濾別した。この沈
澱物をN,N−ジメチルホルムアミドで洗浄し、さらに
80℃の温水で30分間攪拌洗浄し、次いで60℃のメ
タノールで30分間攪拌洗浄したのち冷却、濾別、乾燥
して、融点177.3〜178.0℃の白色結晶とし
て、1,3−ビス(6−カルボメトキシ−2−ナフトキ
シメチル)ベンゼン39.7g(収率77.8%)を得
た。 NMR値:δ 3.95(6H,s)、5.21(4H,s)、7.20〜8.
52(16H,m) Mass値:m/z=506(M+
【0023】実施例4 1,3−ビス(2−クロロ−4−カルボベンジルオキシ
−フェノキシメチル)ベンゼンの合成 2−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル
26.3g(0.1モル)及び炭酸ナトリウム5.3g
(0.05モル)にN,N−ジメチルホルムアミド10
0mlを加え、室温で10分間攪拌した。次いでN,N
−ジメチルホルムアミド50mlに溶解したm−キシリ
レンジクロライド8.8g(0.05モル)を攪拌しな
がら10分間滴下し、さらに120℃で2時間加熱し
た。反応後、冷却し、水にブローしたのち、沈澱物を濾
別した。得られた沈澱物を水洗し、さらにメタノールに
懸濁させ、60℃で30分間攪拌したのち冷却した。次
いで沈澱物を濾別したのち乾燥して、融点95.8〜9
7.0℃の白色結晶として、1,3−ビス(2−クロロ
−4−カルボベンジルオキシ−フェノキシメチル)ベン
ゼン25.2g(収率80%)を得た。
【0024】実施例5 1,4−ビス(6−カルボメトキシ−2−ナフトキシメ
チル)ベンゼンの合成 2−ヒドロキシナフタリン−6−カルボン酸メチルエス
テルのナトリウム塩224g(0.1モル)にN,N−
ジメチルホルムアミド1008mlを加え、室温で攪拌
した。次いでN,N−ジメチルホルムアミドに溶解した
p−キシリレンジクロライド61.3g(0.1モル)
を攪拌しながら30分間で滴下し、さらに150℃で3
時間加熱した。反応後、冷却し析出した沈澱物を濾別し
た。この沈澱物を90℃の温水で1時間洗浄し、次いで
N,N−ジメチルホルムアミドで攪拌洗浄したのち冷
却、濾別、乾燥して、融点253〜256℃の白色結晶
として、1,4−ビス(6−カルボメトキシ−2−ナフ
トキシメチル)ベンゼン197g(収率70%)を得
た。
【0025】実施例6 1,2−ビス(6−カルボメトキシ−2−ナフトキシメ
チル)ベンゼンの合成 2−ヒドロキシナフタリン−6−カルボン酸メチルエス
テル36.4gにメタノール100mlを加え、さらに
ナトリウムメタノラートを28%含むメタノール溶液3
4.7gを加え、60℃、30分間加熱攪拌した。冷却
後、メタノールを留去したのち、N,N−ジメチルホル
ムアミド200mlを加え室温で攪拌した。次いでN,
N−ジメチルホルムアミドに溶解したo−キシリレンジ
クロライド15.8gを10分間で滴下し、さらに14
0℃で2時間加熱した。反応終了後、反応液を水にブロ
ーし、析出した沈澱物を濾別した。この沈澱物をメタノ
ールで攪拌洗浄し、濾別、乾燥して、融点163.5〜
167.5℃の白色結晶として、1,2−ビス(6−カ
ルボメトキシ−2−ナフトキシメチル)ベンゼン42.
3g(収率83.6%)を得た。
【0026】実施例7 1,4−ビス(6−カルボベンジルオキシ−2−ナフト
キシメチル)ベンゼンの合成 2−ヒドロキシナフタリン−6−カルボン酸ベンジルエ
ステル26.4gにメタノール100mlを加え、さら
にナトリウムメタノラートを28%含むメタノール溶液
19.3gを加え、60℃、30分間加熱攪拌した。冷
却後、メタノールを留去したのち、N,N−ジメチルホ
ルムアミド300mlを加え、室温で攪拌した。次いで
N,N−ジメチルホルムアミドに溶解したp−キシリレ
ンジクロライド8.8gを30分間で滴下し、さらに1
30℃で2時間加熱した。反応終了後、反応液を水にブ
ローし、析出した沈澱物を濾過体濾別した。この沈澱物
をN,N−ジメチルホルムアミドで再結晶し、乾燥して
融点248〜253℃の白色結晶として、1,4−ビス
(6−カルボベンジルオキシ−2−ナフトキシメチル)
ベンゼン13.2g(収率22.2%)を得た。
【0027】実施例8 1,3−ビス(6−カルボベンジルオキシ−2−ナフト
キシメチル)ベンゼンの合成 2−ヒドロキシナフタリン−6−カルボン酸ベンジルエ
ステル57.7g、m−キシリレンジクロライド17.
5gおよび炭酸ナトリウム10.6gにN,N−ジメチ
ルホルムアミド250mlを加え、攪拌しながら、12
0℃で3時間加熱した。反応終了後、反応液を水にブロ
ーし、析出した沈澱物を濾別した。この沈澱物をメチル
イソブチルケトンで再結晶し、濾別、乾燥して融点13
0.5〜132.0℃の白色結晶として、1,3−ビス
(6−カルボベンジルオキシ−2−ナフトキシメチル)
ベンゼン17.7g(収率27%)を得た。
【0028】実施例9 1,2−ビス(6−カルボベンジルオキシ−2−ナフト
キシメチル)ベンゼンの合成 2−ヒドロキシナフタリン−6−カルボン酸ベンジルエ
ステル40.4g、o−キシリレンジクロライド12.
3gおよび炭酸ナトリウム7.4gにN,N−ジメチル
ホルムアミド80mlを加え、攪拌しながら、130℃
で2時間加熱した。反応終了後、反応液を水にブロー
し、析出した沈澱物を濾別した。この沈澱物をメタノー
ルで攪拌洗浄し、濾別、乾燥して融点131〜132.
5℃の白色結晶として、1,2−ビス(6−カルボベン
ジルオキシ−2−ナフトキシメチル)ベンゼン24.2
g(収率52%)を得た。
【0029】参考例1 A液(染料分散液) 3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン 4.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 9.2部 水 5.0部 B液(顕色剤分散液) パラヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル 6.0部 1,3−ビス(p−カルボベンジルオキシ−フェノキシ
メチル)ベンゼン 0.6部 10%ポリビニルアルコール水溶液 30.0部 前記組成の各液をボールミルで粉砕混合する。次いでA
液1.0部とB液4.0部を混合して塗液を調製し、こ
の塗液をワイヤーバーにより、上質紙に塗布することに
より感熱記録紙(塗布量6g/m2 )を得た。
【0030】参考例2 1,3−ビス(p−カルボベンジルオキシ−フェノキシ
メチル)ベンゼンの代わりに1,4−ビス(p−カルボ
ベンジルオキシ−フェノキシメチル)ベンゼンを用い、
その他は参考例1と同様にして感熱記録紙を得た。 参考例3 1,3−ビス(p−カルボベンジルオキシ−フェノキシ
メチル)ベンゼンの代わりに1,3−ビス(6−カルボ
メトシ−2−ナフトキシメチル)ベンゼンを用い、その
他は参考例1と同様にして感熱記録紙を得た。 参考例4 1,3−ビス(p−カルボベンジルオキシ−フェノキシ
メチル)ベンゼンの代わりに1,3−ビス(2−クロロ
−4−カルボベンジルオキシ−フェノキシメチル)ベン
ゼンを用い、その他は参考例1と同様にして感熱記録紙
を得た。 比較例 1,3−ビス(p−カルボベンジルオキシ−フェノキシ
メチル)ベンゼンを使用することなく、その他は参考例
1と同様にして感熱記録紙を得た。
【0031】試験例1 参考例1〜4及び比較例の5種の感熱記録紙について、
地肌濃度及び120℃発色時の画像濃度を測定した。次
いで発色後の感熱記録紙を40℃、湿度90%又は60
℃の条件でそれぞれ24時間放置し、地肌濃度及び画像
濃度変化を測定した。その結果を表1及び表2に示す。
これより本発明の感熱記録紙は、比較例の感熱記録紙に
比べ、画像濃度の経時変化が少なく、保存安定性に優れ
ていることが知られる。
【0032】
【表1】 ○はほとんど変化なし、△はまだらに消色。
【0033】
【表2】
【0034】試験例2 参考例1及び比較例の2種の感熱記録紙について120
℃で発色後、60℃、湿度90%の過酷な条件で24時
間放置し、画像濃度変化を測定した。その結果を表3に
示す。表中の○はほとんど変化なし、×は結晶が白く析
出し又はまだらに消色したことを示す。
【表3】

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中Aは基 【化2】 を示し、ここにR1はフェニル基又はベンジル基、R2
    は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基又はベンジル
    基、Xは水素原子又はハロゲン原子を意味する)で表さ
    れるビス(フェノキシメチル又はナフトキシメチル)ベ
    ンゼン誘導体。
  2. 【請求項2】 置換基Aが基 【化3】 (ただし、R1 及びXは前記のとおり)である請求項1
    記載の化合物。
  3. 【請求項3】 置換基Aが基 【化4】 (ただし、R2 及びXは前記のとおり)である請求項1
    記載の化合物。
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