JP2554056Y2 - 遊技機の特定入賞球報知装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、遊技機の特定入賞報知
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】最近の遊技機例えばパチンコ機では、遊
技盤上の特定の入賞装置に遊技球が入賞すると当たり外
れを判定して、その結果を例えば３桁の数字・図形と言
った図柄要素の組み合わせで表示する特定入賞報知装置
を備えるものがある。特定入賞報知装置は、例えば３桁
の図柄要素を一斉に変動表示してから、例えば左の図柄
要素と右の図柄要素を静止表示し、最後に中央の図柄要
素を静止表示して図柄全体を確定表示していた。例えば
７７７のように３桁揃えば当たり表示となる設定なら、
左と右の図柄要素が７に確定すれば、その後中の図柄要
素が何になるかで当たり外れが決まることになり、これ
がリーチ状態である。そして、中の図柄要素が７で確定
すれば（７７７になれば）判定が当たりであること表す
当たり図柄が確定表示されたわけで、この表示に続い
て、パチンコ機は例えば大入賞口を開放するなどの特別
遊技を実行する。

【０００３】したがって、遊技者は、当たりが表示され
ることに大きな期待をかけ、リーチ状態となるとその期
待感はきわめて大きくなるのが普通であった。もちろ
ん、リーチ状態から外れ表示になることもあるが、遊技
者は、リーチ状態になる毎に当たりを期待し、たとえ外
れになっても「次回こそは」と期待を新たにして遊技を
続行するのであった。つまり、リーチ状態が出現すれば
それだけ遊技者を遊技に引きつけることができるわけで
ある。

【考案が解決しようとする課題】普通、リーチ状態の出
現率は、総図柄数（当たり図柄＋外れ図柄）中の当たり
図柄と外れリーチ図柄（外れ図柄の一種である）の数で
決まるので、確率的には一定と言えた。このためリーチ
状態がしばしば出現するわけでなく、ときには当たりど
ころかリーチ状態すらも出現しないので、遊技客が嫌気
を起こすこともあった。 そこで、遊技客の気を引くため
にリーチ状態の出現率を高めることも考えられるが、そ
れだけではリーチ状態の出現回数に対する当たりの比率
が小さくなってしまう（リーチばかりで当たりが出な
い）ので、良し悪しであった。

【０００４】勿論、当りの確率を上げることは、一つの
解決方法である。しかし、諸種の法律や規定上、勝手に
確率を上げることは許されてはおらず、確率を変更する
ことなく当りの期待感を高めるための工夫が望まれてい
た。 本考案は、やがて当たりが出ることが決まってい
る、特別な状況にあるときに限ってリーチ状態の出現率
を高めて、パチンコ等の遊技の娯楽性の向上を図るもの
である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案の遊技機の特定入
賞球報知装置は、図１に例示するごとく、遊技盤上の特
定の入賞装置に遊技球が入賞すると、この遊技球を特定
入賞球として検出する特定入賞球検出手段と、該特定入
賞球検出手段によって遊技球が検出されたことに起因し
て選択される乱数値に基づいて当たり外れを判定する判
定手段と、上記各特定入賞球毎に、上記判定手段による
判定結果が当たりであると複数の図柄要素からなる当た
り配列を決定し、該判定結果が外れであると特定の位置
の上記図柄要素のみが上記当たり配列とは異なるリーチ
外れ配列または該リーチ外れ配列以外で上記図柄要素の
配列が上記当たり配列とは異なる単純外れ配列を決定す
る配列決定手段と、上記各特定入賞球毎に、上記当たり
配列、リーチ外れ配列または単純外れ配列の表示を指示
する表示制御手段と、複数の上記図柄要素を変動表示し
た後に上記表示制御手段から指示された当たり配列、リ
ーチ外れ配列または単純外れ配列を確定表示する表示手
段と、上記特定入賞検出手段によって検出されても上記
表示手段による判定結果の表示が未実施の特定入賞球が
あれば、該特定入賞球に対応する上記乱数値（ａ）また
は上記判定結果（ｂ）を記憶する保留記憶手段とを備え
る遊技機の特定入賞球報知装置において、上記配列決定
手段は、上記保留記憶手段に外れの乱数値または判定が
記憶されている上記特定入賞球のそれぞれについて上記
リーチ外れ配列または単純外れ配列を決定するに当たっ
て、上記保留記憶手段に当たりの乱数値または判定が記
憶されていない場合には、上記判定が外れの特定入賞球
のそれぞれについて、通常確率に従って上記リーチ外れ
配列または単純外れ配列を決定し、上記保留記憶手段に
当たりの乱数値または判定が記憶されている場合には、
該記憶に対応する上記当たり配列の表示に先行して表示
される、上記判定が外れの特定入賞球のそれぞれについ
て、上記通常確率よりも上記リーチ外れ配列に決定され
る確率が高い特別確率に従って上記リーチ外れ配列また
は単純外れ配列を決定することを特徴とする。

【０００６】

【作用】例えば先行する特定入賞球についての判定結果
の表示が完了しないうちに次の特定入賞球が検出される
というような状況下では、特定入賞検出手段によって検
出されても表示手段による判定結果の表示が未実施の特
定入賞球があれば、保留記憶手段が、表示が未実施の特
定入賞球球に対応する乱数値または判定結果を記憶す
る。 乱数値を記憶している場合は、判定手段による判定
がいまだ実行されていない場合であるが、乱数値が記憶
されていれば判定結果が記憶されているのと同等であ
る。

【０００７】この保留記憶手段に当たりの乱数値（当た
りと判定されるはず乱数値）または当たりの判定結果が
存在する場合がある。この状態では、先行する特定入賞
球の表示は外れ配列であっても、順次記憶内容に従って
表示処理していくと、必ず当たり配列が表示されるはず
である。

【０００８】配列決定手段は、保留記憶手段に当たりの
乱数値または判定が記憶されていない場合には、判定が
外れの特定入賞球のそれぞれについて、通常確率に従っ
てリーチ外れ配列または単純外れ配列を決定するが、保
留記憶手段に当たりの乱数値または判定が記憶されてい
る場合には、この記憶に対応する当たり配列の表示に先
行して表示される、判定が外れの特定入賞球のそれぞれ
について、通常確率よりもリーチ外れ配列に決定される
確率が高い特別確率に従ってリーチ外れ配列または単純
外れ配列を決定する。その結果、保留記憶手段に当たり
の乱数値または判定が記憶されているとき（やがて当た
り配列が表示されるとき）には、それに先行してリーチ
外れ配列が表示される確率（リーチ出現率）が通常より
も高くなる。

【０００９】このことにより例えばリーチ外れ配列が連
続して現れて、遊技者に、「もうじき当たりが出るので
はないか？」といった期待感を抱かせるので、当たりの
確率を高めることなく娯楽性が高まる。

【００１０】

【実施例】以下に、本考案の一実施例としてのパチンコ
遊技機について説明する。尚、本考案はこれに限られる
ものではなく、アレンジボール遊技機、アレンジボール
式パチンコ遊技機、コイン遊技機等、広く弾球遊技機が
含まれる。

【００１１】図２は、パチンコ遊技機１０の正面図であ
る。パチンコ遊技機１０の遊技盤１２上には、電気的に
制御される、３桁のデジタル表示装置１４、可変入賞球
装置１８が配設されている。デジタル表示装置１４は、
可変入賞球装置１８の開閉条件である特別遊技権利発生
状態を表示するものである。３つのスタート入賞装置２
０のいずれかにパチンコ玉が入賞すると、後述する電子
制御回路により特別遊技権利発生有無が決定され、次い
でデジタル表示装置１４の図柄が所定数例えば各１０種
類の間で繰り返し変化する。この変化状態が所定時間経
過した後、またはパチンコ遊技機１０の前面板２２の左
下部に設けられたストップボタン２４が遊技者により押
圧されると、これに応答して、デジタル表示装置１４の
表示変化が停止される。表示変化の停止は、通常、左側
桁、右側桁、中央桁の順である。この停止した際の表示
状態は特別遊技権利発生有無に対応している。また可変
入賞球装置１８の開閉状態も、この特別遊技権利発生有
無に対応している。

【００１２】デジタル表示装置１４の上方に４個配置さ
れたランプは、ＬＥＤでできた入賞保留表示ランプ４０
である。入賞保留表示ランプ４０は、デジタル表示装置
１４が表示変化中にさらにスタート入賞装置２０にパチ
ンコ玉が入賞した場合、入賞玉に応じて点灯される。そ
して、デジタル表示装置１４の表示変化が一旦終了した
後、入賞保留表示ランプ４０が点灯していれば、入賞保
留表示ランプ４０の点灯を１つ消し、再度デジタル表示
装置１４の表示変化がなされる。

【００１３】パチンコ遊技機１０には、さらに、遊技の
雰囲気を盛り上げるための、電気的に制御される各種ラ
ンプ類やスピーカ等が設けられている。フィーバランプ
２６，２８は、可変入賞球装置１８が最大に開成するい
わゆる「フィーバ」状態（「当り」）のときに点灯また
は点滅制御されるランプである。可変入賞球装置１８に
備えられたＶ入賞ランプ３０は、パチンコ玉が可変入賞
球装置１８に入賞し更に後述するＶポケット装置５３に
て検出されたとき、即ちＶ入賞があったときに点灯制御
される。チューリップランプ３２は、チューリップと称
される役物３４の可動片内に備えられている。可動片は
透光性の部材でできており、チューリップランプ３２の
点滅が外部から認識できるようにされている。チューリ
ップランプ３２は、フィーバ時に点灯または点滅制御さ
れる。

【００１４】前面板に取付けられた打球供給皿３６の、
図２に向かって左端部下側には、斜めに、スピーカ３８
が埋設されている。スピーカ３８は、デジタル表示装置
１４の表示が変化中や、可変入賞球装置１８が開成中等
の所定の状態のときに効果音を出すようにされている。

【００１５】スタート入賞装置２０に入賞した玉は、図
示しない裏面の径路に導かれて後述するスタート入賞玉
検出スイッチ５５に与えられる。そして、このスタート
入賞玉検出スイッチ５５の出力は、図示しない配線を介
して後述する電子制御回路に与えられる。

【００１６】図３は、本実施例の電子制御回路を中心と
する電気的な構成ブロック図である。電子制御回路は、
マイクロコンピュータ５１を中心として構成されてい
る。マイクロコンピュータ５１はＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡ
Ｍ、Ｉ／Ｏ等から構成されているが、これらの基本的機
能はよく知られているので説明は省略する。

【００１７】マイクロコンピュータ５１には、次のよう
な信号が与えられる。Ｖ検出器５３ａおよびＶ入賞検出
回路５３ｂを有するＶポケット装置５３からは、Ｖ検出
信号が与えられる。スタート入賞玉検出スイッチ５５の
出力に基づいて、スタート入賞回路５７からは入賞信号
が与えられる。ストップボタン２４が押されると、スト
ップ回路５９からストップ信号が与えられる。センサ６
１により可変入賞球装置１８への入賞玉を検出計数する
入賞玉検出計数器６３は、パチンコ玉の計数値が１０個
になったことを検出する１０カウント検出回路を備えて
いる。そして、入賞玉検出計数器６３で計数されるパチ
ンコ玉（可変入賞球装置１８に入賞したパチンコ玉）の
数が１０個になったとき、カウント信号が与えられる。

【００１８】割り込みクロック回路６５からは、たとえ
ば１ｍｓごとの割り込みクロック信号が与えられる。マ
イクロコンピュータ５１は、この割り込みクロック信号
によって、後述するように、割り込み制御処理を実行す
る。マイクロコンピュータ５１は、スタート入賞回路５
７から入賞信号を受けると、その数と当り状態との組合
せを最大５つ記憶できる。更にマイクロコンピュータ５
１は、この記憶に基づいて入賞保留表示ランプ４０を点
灯させる入賞保留表示信号を、スタート入賞保留表示回
路６７に与える。この入賞保留表示信号は、マイクロコ
ンピュータ５１に記憶された数−１に対応した数の入賞
保留表示ランプ４０を点灯させる。

【００１９】各種の発音信号は、音出力回路６９に与え
られる。これにより、スピーカ３８が鳴動する。デジタ
ル表示制御信号は、デジタル表示制御回路７１に与えら
れる。それに基づいて、デジタル表示制御回路７１は、
デジタル表示装置１４を制御し、表示を変化させるとと
もに、変化後の表示状態を特別遊技権利発生有無に合わ
せたものとしている。

【００２０】開成制御信号は開成制御回路７３に与えら
れる。開成制御回路７３は、可変入賞球装置１８のソレ
ノイド７５を制御して、可変入賞球装置１８の開成制御
を行う。ランプ制御信号は、ランプ制御回路７７に与え
られ、フィーバランプ２６，２８、Ｖ入賞ランプ３０、
チューリップランプ３２等の点灯／消灯が制御される。

【００２１】上述した各回路ブロックには、電源回路７
９から予め定める直流電圧が供給されている。次にマイ
クロコンピュータ５１による制御の内、特別遊技権利
（当り）発生に関する制御を図４〜７のフローチャート
に基づいて説明する。

【００２２】図４は、乱数用の数値を発生する１ｍｓｅ
ｃ時間割込処理を表す。本処理が開始されるとまず乱数
用数値の発生処理が行われる（ステップ１０１）。この
数値は割込が発生する毎に、「１」から「１００」まで
値がインクリメントされ、「１００」に至れば、再度
「１」からインクリメントされることにより発生する。
即ち、数値は「１」から「１００」までの整数値として
決定される。そしてこの値がＲＡＭ上の乱数用数値を記
憶するための番地に格納される（ステップ１０３）。こ
うして処理を終了し、１ｍｓｅｃ毎に上述の処理を繰り
返す。従って、ＲＡＭ上のこの番地には、１ｍｓｅｃ毎
に更新された数値が記憶されていることになる。

【００２３】図５は、スタート入賞割込処理を示し、ス
タート入賞回路５７からの入賞信号が入力された場合
に、開始される割込処理である。まずＲＡＭ上に設定さ
れた保留メモリ内のスタート入賞記憶数が５つ以上か否
かが判定される（ステップ２０１）。５つを越える数は
保留メモリに記憶しないので、そのまま処理を終了す
る。５つ未満であると、図４のステップ１０３にて記憶
した乱数用数値が読み出される（ステップ２０３）。次
に、空いている保留メモリ内の最下位のメモリにその数
値を記憶する（ステップ２０５）。例えば、０番目から
４番目までの５つのメモリの内、全てが空いていれば、
０番目に記憶され、０番目から２番目まで既に記憶され
ていれば、３番目に記憶されることになる。

【００２４】スタート入賞回路５７からの入賞信号が入
力されるのは、スタート入賞装置２０にパチンコ玉が入
賞したタイミングである。従って、偶然のタイミングで
乱数用数値が読み込まれることになり、結果として、保
留メモリ内には乱数として数値が格納されることにな
る。この乱数が１つでも保留メモリ内に存在すれば、後
述する処理により、特別遊技権利発生有無が決定され、
デジタル表示装置１４の表示が変化することになる。

【００２５】また、上述のごとくスタート入賞記憶数は
最大５個まで記憶されることになるので、０番目の記憶
内容に応じてデジタル表示装置１４の表示が変化してい
る間は、その間は４つのスタート入賞しか記憶できない
ことになり、それ以上スタート入賞装置２０にパチンコ
玉が入賞しても、無視されることになる。ただし、０番
目のデジタル表示装置１４の表示処理が終了した場合
は、次の図６の処理で記憶内容が０番目の方にシフトし
て５番目が空くので、それ以後スタート入賞装置２０に
パチンコ玉が入賞すれば受け入れることは可能となる。

【００２６】図６は、保留メモリ内の記憶内容に応じた
特別遊技権利発生有無の決定と、デジタル表示装置１４
の表示変化の内容決定を行う処理を表している。まず、
デジタル表示装置１４の表示変化が終了したか否かが判
定される（ステップ３０１）。表示が変化している状態
では、次の保留メモリの記憶内容処理に移れないので、
このまま他の処理（ステップ３１３）に移す。

【００２７】表示変化が終了した場合、０番目の記憶内
容が処理されたので、保留メモリの記憶内容が０番目の
方にシフトされる（ステップ３０３）。従って、０番目
には直前の１番目の記憶内容がシフトして来る。次にこ
の保留メモリの０番目に「１」から「１００」までのい
ずれかの数値が記憶されているか否かが判定される（ス
テップ３０５）。０番目に「１」から「１００」までの
いずれかの数値が記憶されていなければ、記憶はないと
して他の処理に移る。

【００２８】該当数値が記憶されていれば、その数値が
当りか否かが判定される（ステップ３０７）。例えば
「５」を「当り」の数値と予め決定されていれば、
「５」が記憶されていれば、「当り」と判断し、それ以
外の値が記憶されていれば「当りでない」と判断する。
「当り」の場合は、当り設定処理が行われる（ステップ
３０９）。当り設定処理とは、デジタル表示制御回路７
１に「当り」の表示を実行させ、更に開成制御回路を特
別遊技状態とする。即ち、前述した３桁の表示変化処理
の後に、３桁を「当り」の図柄で停止させる処理と、可
変入賞球装置１８の所定時間の開成処理とがなされる。
この後、他の処理（ステップ３１３）に移る。この他の
処理では、例えば、「当り」に対応して、フィーバラン
プ２６，２８、チューリップランプ３２が点灯または点
滅制御され、スピーカ３８が鳴動され、その他、必要な
処理が行われる。

【００２９】ここで、「当り」の表示は、表１にその一
例を示すように、図柄としての数字が３桁ともに同一の
数字となる状態である。勿論、数字以外でよいし、３桁
ともに同一の図柄でなく、特定の組合せでもよい。本実
施例では、「０」〜「９」までの数字を図柄として用
い、同一の数字が３桁とも揃った状態を「当り」の表示
としている。

【００３０】

【表１】

【００３１】ステップ３０７で「はずれ」と判断された
場合は、はずれリーチ選択処理が行われる（ステップ３
１１）。はずれリーチ選択処理の詳細を図７に示す。ま
ず、まだ処理されていない保留メモリの１〜４番目の記
憶内容に、「当り」が有るか否かが判定される（ステッ
プ４０１）。即ち、本実施例では１〜４番目の記憶内容
に「５」があるか否かが判定される。

【００３２】「５」が１つでもあれば、はずれリーチ高
確率の確率発生処理が行われる（ステップ４０３）。一
方、「５」が１つもなければ、はずれリーチ低確率の確
率発生処理が行われる（ステップ４０５）。ここで「は
ずれリーチ」とは、デジタル表示装置１４の３桁の内、
最初に停止する左側桁と２番目に停止する右側桁との図
柄が揃い、中央桁が揃っていない状態を言う。即ち、表
１にその一例を示したように、「はずれリーチ」の表示
は、数字３桁の内、左右の２桁が同一の数字となり、中
央桁が異なる数字となる状態である。また「はずれ」と
は、上述した「当り」および「はずれリーチ」以外の状
態を言う。

【００３３】各桁とも「０」〜「９」の数字を用いてい
るので、組合せの比は、「当り」：「はずれリーチ」：
「はずれ」＝１０：９０：９００となる。「当り」の出
現確率については、図４の１ｍｓｅｃ時間割込処理が１
から１００の数値を発生・記憶し、「５」のみを「当
り」としていることから、本実施例での「当り」の出現
確率は、１／１００となっている。

【００３４】従って、ステップ４０３，４０５では、残
りの当りでない９９／１００の場合について、所望の確
率により「はずれリーチ」および「はずれ」のいずれか
に決定する。「はずれリーチ」および「はずれ」の場合
の数字の組合せ比は、「はずれリーチ」：「はずれ」＝
９０：９００＝１：１０となる。

【００３５】従って、はずれリーチ高確率の確率発生処
理（ステップ４０３）では、一例として、「はずれリー
チ」／「はずれ」＞１／１０とし、はずれリーチ低確率
の確率発生処理（ステップ４０５）では、「はずれリー
チ」／「はずれ」＜１／１０としてもよい。

【００３６】しかし、この「はずれリーチ」／「はず
れ」の出現確率は任意に設定しても「当り」の出現確率
に影響はない。従って、本実施例の場合は、はずれリー
チ高確率の確率発生処理（ステップ４０３）側では、
「はずれリーチ」：「はずれ」＝１：０とし、はずれリ
ーチ低確率の確率発生処理（ステップ４０５）側では、
「はずれリーチ」：「はずれ」＝１：１０としてしてい
る。勿論これ以外でも、ステップ４０３側がステップ４
０５側よりも、「はずれリーチ」の出現確率が高けれ
ば、いかなる出現確率に設定してもよい。

【００３７】このようにして、表示すべき状態が「はず
れリーチ」または「はずれ」のいずれかに決定される。
次にいずれが発生したかが判定され（ステップ４０
７）、「はずれリーチ」が選択された場合には、はずれ
リーチ設定処理が行われ（ステップ４０９）、「はず
れ」が選択された場合には、はずれ設定処理が行われる
（ステップ４１１）。即ち、はずれリーチ設定処理で
は、デジタル表示制御回路７１に表１に示した「はずれ
リーチ」の表示を実行させる。即ち、３桁の表示変化処
理の後に、３桁を「はずれリーチ」の図柄に一致させた
表示で停止させる処理がなされる。はずれ設定処理で
は、３桁の表示変化処理の後に、３桁を表１に示した
「はずれ」の図柄に一致させた表示で停止させる処理が
なされる。このはずれリーチ設定処理およびはずれ設定
処理では、特別遊技状態の条件ではないので、ステップ
３０９と異なり可変入賞球装置１８の所定時間の開成処
理はなされない。

【００３８】こうして次の他の処理（ステップ３１３）
を実行して終了する。本実施例は上述のごとく構成され
ているため、「当り」の確率は、従前の確率を維持しつ
つも、「当り」が保留メモリ内の記憶中に存在する場合
には、完全な「はずれ」と「当り」との中間の状態を表
している「はずれリーチ」の出現確率が高まる。従っ
て、遊技者は、「当り」前に、「はずれリーチ」が盛ん
に出現することから、期待感が高まり、その娯楽性を十
分高めることができる。

【００３９】本実施例において、スタート入賞玉検出ス
イッチ５５およびスタート入賞回路５７が特定入賞球検
出手段に該当し、デジタル表示装置１４およびデジタル
表示制御回路７１が表示手段に該当する。またマイクロ
コンピュータ５１が判定手段、保留記憶手段、表示制御
手段および配列決定手段として機能し、ステップ１０
１，１０３，２０３が判定手段としての処理に、ステッ
プ２０５，３０１，３０３が保留記憶手段としての処理
に、ステップ３０５，３０７，３０９，３１１が表示制
御手段としての処理に、ステップ４０１，４０３，４０
５が配列決定手段としての処理に、それぞれ該当する。

【００４０】上記実施例にては、１ｍｓｅｃ毎にインク
リメントされる記憶値から、スタート入賞がなされたタ
イミングで、読み出すことより乱数を生じさせていた
が、１ｍｓｅｃ時間割込処理を実行せずに、直接、スタ
ート入賞割込時に、乱数を発生する演算を行ってもよ
い。

【００４１】また、上記実施例にては、スタート入賞が
なされるとデジタル表示装置１４の表示が変化していな
くても、一旦、保留メモリ内に記憶されるため（図
５）、保留メモリには最大５個のスタート入賞が記憶さ
れる。従って、５つの保留メモリの内、１〜４番目のメ
モリが、保留記憶手段として使用されている。このた
め、スタート入賞が連続せずに１つ有った場合には、保
留メモリの０番目に記憶すること無く、直ちにデジタル
表示装置１４の表示変化を開始すれば、０番目のメモリ
は特に保留メモリに存在しなくてもよい。

【００４２】また、図４と図６の時間割込処理は、別々
の割込処理で実行されているが、一つの割込処理として
実行しても良い。即ち、ステップ１０３に続いてステッ
プ３０１〜３１３を実行してもよい。

【００４３】

【考案の効果】以上説明したように本考案によれば、当
たりの判定または当たりと判定されるはずの乱数値が保
留記憶手段に存在する場合には、その当たり配列の表示
に先行する外れ配列の表示に際してリーチ外れ配列の出
現確率が高まる。従って、リーチ外れ配列が盛んに出現
することから遊技者の期待感は高まり、しかもリーチ外
れ配列の頻繁な出現の後に当たり配列が表示されるから
期待を裏切らない。よって、当たりの確率は従前の確率
を維持しつつも、弾球遊技の娯楽性を十分高めることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の構成を例示する説明図である。

【図２】パチンコ機の正面図である。

【図３】電子制御系統のブロック図である。

【図４】マイクロコンピュータが実行する１ｍｓｅｃ時
間割込処理のフローチャートである。

【図５】同じくスタート入賞割込処理のフローチャート
である。

【図６】同じく時間割込表示決定処理のフローチャート
である。

【図７】同じくはずれリーチ選択処理のフローチャート
である。

【符号の説明】

１０…パチンコ遊技機、 １４…デジタル表示
装置、１８…可変入賞球装置、 ２０…スター
ト入賞装置、２４…ストップボタン、 ２６…
フィーバランプ、３２…チューリップランプ、 ３
８…スピーカ、４０…入賞保留表示ランプ、 ５１
…マイクロコンピュータ、５３…Ｖポケット装置、
５５…スタート入賞玉検出スイッチ、５７…スタ
ート入賞回路、 ５９…ストップ回路、６３…入
賞玉検出計数器、 ６５…割り込みクロック回路、
６７…スタート入賞保留表示回路、６９…音出力回路、
７１…デジタル表示制御回路、 ７３…開成制御回
路、７５…ソレノイド、 ７７…ランプ制
御回路

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】遊技盤上の特定の入賞装置に遊技球が入賞
   すると、この遊技球を特定入賞球として検出する特定入
   賞球検出手段と、 該特定入賞球検出手段によって遊技球が検出されたこと
   に起因して選択される乱数値に基づいて当たり外れを判
   定する判定手段と、 上記各特定入賞球毎に、上記判定手段による判定結果が
   当たりであると複数の図柄要素からなる当たり配列を決
   定し、該判定結果が外れであると特定の位置の上記図柄
   要素のみが上記当たり配列とは異なるリーチ外れ配列ま
   たは該リーチ外れ配列以外で上記図柄要素の配列が上記
   当たり配列とは異なる単純外れ配列を決定する配列決定
   手段と、 上記各特定入賞球毎に、上記当たり配列、リーチ外れ配
   列または単純外れ配列の表示を指示する表示制御手段
   と、 複数の上記図柄要素を変動表示した後に上記表示制御手
   段から指示された当たり配列、リーチ外れ配列または単
   純外れ配列を確定表示する表示手段と、 上記特定入賞検出手段によって検出されても上記表示手
   段による判定結果の表示が未実施の特定入賞球があれ
   ば、該特定入賞球に対応する上記乱数値または上記判定
   結果を記憶する保留記憶手段とを備える遊技機の特定入
   賞球報知装置において、 上記配列決定手段は、上記保留記憶手段に外れの乱数値
   または判定が記憶されている上記特定入賞球のそれぞれ
   について上記リーチ外れ配列または単純外れ配列を決定
   するに当たって、 上記保留記憶手段に当たりの乱数値または判定が記憶さ
   れていない場合には、上記判定が外れの特定入賞球のそ
   れぞれについて、通常確率に従って上記リーチ外れ配列
   または単純外れ配列を決定し、 上記保留記憶手段に当たりの乱数値または判定が記憶さ
   れている場合には、該記憶に対応する上記当たり配列の
   表示に先行して表示される、上記判定が外れの特定入賞
   球のそれぞれについて、上記通常確率よりも上記リーチ
   外れ配列に決定される確率が高い特別確率に従って上記
   リーチ外れ配列または単純外れ配列を決定することを特
   徴とする遊技機の特定入賞球報知装置。