JP2553950Y2

JP2553950Y2 - 貨物自動車

Info

Publication number: JP2553950Y2
Application number: JP1991021057U
Authority: JP
Inventors: 米田　　卓; 崇朝倉
Original assignee: Kyokuto Kaihatsu Kogyo Co Ltd
Current assignee: Kyokuto Kaihatsu Kogyo Co Ltd
Priority date: 1991-04-02
Filing date: 1991-04-02
Publication date: 1997-11-12
Anticipated expiration: 2006-04-02
Also published as: JPH04119236U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、ボデーを地上に降ろ
して荷物を積載することができる貨物自動車に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、貨物自動車としては、ボデーをガ
イドレールに沿ってサブフレームから斜め方向にスライ
ドさせて、ボデーを地上とサブフレームとの間に斜めに
差し渡して、このボデーに荷物を積載するようにしたも
のがある(実公昭６１−４３６２３号)。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の貨物自動車には次のような欠点がある。

【０００４】ボデーを地上に対して傾斜状態にし
て、この傾斜状態のボデーに荷物を積載するため、下記
の不具合がある。 (Ａ) 傾斜状態のボデーに荷物を乗せるため、荷物が乗
せにくい。 (Ｂ) 車両をボデーに積載する場合、車両が前上がりと
なるため、運転者が運転する上で不安感を抱きやすく、
ボデー前端ぎりぎりまで車両を乗せることができない。 (Ｃ) ボデーに積載された車両より運転者が降りると
き、地上に対して斜め上方に浮き上がっている狭いボデ
ー上に降りなければならないため危険である。 (Ｄ) 荷物をボデーに固縛する際に、ボデーが斜め方向
に地上より上にあるため、荷物をボデーに固縛するのが
難しい。

【０００５】そこで、この考案は、上記不具合を解消す
るためになされたものであって、ボデーを地上に水平あ
るいは水平に近い状態に降ろして荷物を積載することが
できる貨物自動車を提供することが目的である。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１に記載の考案は、車体上に搭載され、下方
に屈曲した屈曲部を後端側に有するリフトフレームと、
上記リフトフレームを車体と共に地上に対して傾動させ
るリフトフレーム傾動手段と、上記リフトフレーム上に
スライド可能に搭載され、上記屈曲部に沿ってスライド
して昇降させられるボデーと、一端を上記リフトフレー
ムの前端に固定し、他端を上記リフトフレームの後端に
固定したチェーンと、上記ボデーの前端に設けられると
ともに上記チェーンに下方から係合する駆動用スプロケ
ットとを含み、上記駆動用スプロケットの駆動により、
上記ボデーをリフトフレームに対してスライドさせるボ
デー駆動手段とを備えることを特徴としている。

【０００７】請求項２に記載の考案は、請求項１に記載
の構成に加えて、上記リフトフレームを車体に対してス
ライドさせるリフトフレームスライド手段を備えること
を特徴としている。

【０００８】

【作用】上記構成の貨物自動車は、まず、リフトフレー
ム傾動手段によって、リフトフレームを車体とともに、
地上に対して後方が下降するように傾動させる。そうす
ると、上記リフトフレームの屈曲部は地上に接地し、あ
るいは地上にごく近い位置に位置するようになる。その
後、ボデー駆動手段によって、ボデーをリフトフレーム
に沿って後方にスライドさせ、さらに、ボデーの前端を
リフトフレームの後側の屈曲部に沿ってスライドさせて
下降させ、ボデーを地上に水平あるいは水平に近い状態
に降ろす。その後、このボデー上に荷物を積載して、固
縛する。次いで、ボデー駆動手段を駆動して、ボデーを
リフトフレームの屈曲部に沿って上昇させる。その後、
リフトフレーム傾動手段によって、リフトフレームを車
体とともに水平な状態に復帰させる。

【０００９】地上に対して後方に傾動したリフトフレー
ムをリフトフレームスライド手段によって車体に対して
後方にスライドさせる場合には、このスライドによりリ
フトフレームの屈曲部を地上に接近させることができる
ので、上記リフトフレームと車体を地上に対して後方が
下降するように傾動させる傾動角を小さくできて、上記
傾動時の車体の安定性を向上できる。

【００１０】

【実施例】以下、この考案を図示の実施例により詳細に
説明する。図１(Ａ),(Ｂ)および図２(Ａ),(Ｂ)は本考案
の第１の実施例の貨物自動車の動作説明図である。図
１,２において、１はシャーシフレーム、３はリフトフ
レーム、５はボデーである。上記シャーシフレーム１が
車体を構成している。上記リフトフレーム３は後端側に
斜め下方に屈曲した屈曲部９を有している。

【００１１】上記シャーシフレーム１の前端部には、リ
フトフレーム傾動手段としてのジャッキ１１を固定して
おり、このジャッキ１１の作動によって、リフトフレー
ム３をシャーシフレーム１と共に後端が下降するように
傾動し得るようにしている。

【００１２】上記リフトフレーム３の後端の屈曲部９の
下端は、図１(Ｂ)に示すようにシャーシフレーム１とリ
フトフレーム３とを最大限に傾動させた状態ではほとん
ど地上に接するようになっている。

【００１３】一方、上記リフトフレーム３の屈曲部６と
水平部の境目になる箇所にはボデーガイド用のローラ１
２を設けて、このローラ１２に案内されてボデー５がリ
フトフレーム３上をスライドできるようにしている。

【００１４】上記ボデー５は、図３に示す構造によって
リフトフレーム３上をスライドさせるようにしている。
すなわち、一端を上記リフトフレーム３の前端に固定
し、他端を上記リフトフレーム３の後端に固定したチェ
ーン１９を、上記ボデー５の前端に設けた駆動用のスプ
ロケット１８およびアイドラー２０,２１に巻回してい
る。上記スプロケット１８は駆動シャフト２３に固定さ
れている。また、上記一対のアイドラー２０,２１は駆
動シャフト２３に揺動自在に取り付けたブラケット３８
に取り付けている。上記スプロケット１８は上記ボデー
５に固定した図示しない油圧モータが駆動シャフト２３
を駆動することによって駆動される。したがって、上記
油圧モータの駆動によってスプロケット１８をチェーン
１９に沿って走行させることによって、屈曲部９を含め
てリフトフレーム３の全体に渡ってボデー５がスライド
できるようになっている。屈曲部９に沿って、一対のア
イドラー２０,２１を取り付けたブラケット３８が揺動
するので、ボデー５は屈曲部９上をスムーズにスライド
できる。上記スプロケット１８とアイドラー２０,２１
とチェーン１９および上記油圧モータ等でボデー駆動手
段を構成している。

【００１５】また、図１,図２に示すように、ボデー５
の後端には、ローラ２９と歩み板兼用のテールゲート３
１を設けている。

【００１６】上記構成の貨物自動車は、次のように荷物
たとえば自動車を積み込む。

【００１７】まず、この貨物自動車が図１(Ａ)に示す状
態にあるとして、ジャッキ１１を伸長させて、リフトフ
レーム３をシャーシフレーム１と共に後方に傾動させ
て、図１(Ｂ)に示すような状態にする。

【００１８】次に、上記ボデー５に固定した油圧モータ
を駆動して、ボデー５の前端に設けた駆動用のスプロケ
ット１８をリフトフレーム３に沿って張り渡したチェー
ン１９に沿って走行させて、図２(Ａ),(Ｂ)に示すよう
に、上記油圧モータ,スプロケット１８,ブラケット３８
等と共にボデー５をリフトフレーム３に沿って後方にス
ライドさせる。そして、屈曲部９に沿って、一対のアイ
ドラー２０,２１を取り付けたブラケット３８が揺動し
て、ボデー５の前端は、スムーズに上記屈曲部９に沿っ
て下降できる。このとき、ボデー５の後端のローラ２９
は地上に接地してボデー５を地上に対してスムーズに後
退させる。

【００１９】上記ボデー５をリフトフレーム３の屈曲部
９に沿って最も下降させると、図２(Ｂ)に示すような状
態になる。この状態ではボデー５は地上にほぼ水平に降
ろされている。そして、テールゲート３１を水平に倒し
て、ボデー５上に自動車を積み込む。ボデー５は屈曲部
９に沿って下降させられるので、リフトフレーム３の後
端が屈曲していない場合に較べて、ボデー５を下降させ
た時の全長を短くできる。

【００２０】このように、ほぼ水平状態になったボデー
５に自動車を積み込むため、運転者は何等不安感を抱く
ことなく、ボデー５の前端ぎりぎりまで自動車を前進さ
せることができ、自動車を容易にボデーに乗せることが
できる。また、運転者が自動車から降りる際には、ボデ
ー５は地上にほぼ水平にあるため、何ら危険を伴うこと
なく、自動車から運転者は降りることができる。さら
に、自動車あるいは他の荷物をこの水平状態のボデーに
積み込んで固縛する際には、ボデー５が水平状態になっ
ているため、荷物の固縛が容易であり、また荷物がばら
ける恐れもない。

【００２１】次に、上記ボデー５に固定した油圧モータ
を駆動してスプロケット１８,チェーン１９を介してボ
デー５をまず屈曲部９に沿って上昇させ、さらにリフト
フレーム３に沿って前方にスライドさせる。このとき、
自動車の自重によってリフトフレーム３の屈曲部９の下
端は接地し、このリフトフレーム３の屈曲部９は支持部
材の役目をし、車体の後転を防止する。

【００２２】ボデー５をリフトフレーム３上に十分に前
進させた後、ジャッキ１１を収縮させてシャーシフレー
ム１と共にリフトフレーム３を水平状態に復帰させ、図
１(Ａ)に示す状態にする。

【００２３】次に、第２の実施例の貨物自動車の動作説
明図を図４(Ａ)〜(Ｃ)に示す。この実施例は、図５に示
すスライドシリンダ５３等からなるリフトフレームスラ
イド手段とサブフレーム２を備える点のみが、前述の第
１の実施例の貨物自動車と異なる。したがって、前述の
第１の実施例と同一部品には同一番号を付して説明を省
略し、異なる点のみを説明する。

【００２４】図５に示すように、先端をシャフト５１に
枢着したスライドシリンダ５３のチューブをサブフレー
ム２に枢着している。上記シャフト５１の両端には、サ
ブフレーム２の溝内を転動するローラ５２を取り付けて
いる。そして、上記シャフト５１にリフトフレーム３を
取り付けている。上記スライドシリンダ５３の作動によ
って、リフトフレーム３をサブフレーム２とシャーシフ
レーム１からなる車体上を前後方向にスライドし得るよ
うにしている。上記スライドシリンダ５３とシャフト５
１とローラ５２とでリフトフレームスライド手段を構成
している。

【００２５】この実施例の貨物自動車は、次のように荷
物たとえば自動車を積み込む。

【００２６】まず、この貨物自動車が図４(Ａ)に示す状
態にあるとして、ジャッキ１１を伸長させて、リフトフ
レーム３をシャーシフレーム１とサブフレーム２からな
る車体と共に後方に傾動させて、図４(Ｂ)に示すような
状態にする。

【００２７】次に、上記スライドシリンダ５３を収縮さ
せることによって、リフトフレーム３をサブフレーム２
上を後方にスライドさせて、リフトフレーム３の屈曲部
９の下端を地上に接近させることができる。したがっ
て、上記リフトフレーム３と車体を共に後方に傾動させ
る際の傾動角を小さくでき、上記傾動時の車体の安定性
を向上できる。

【００２８】ボデー５を地上に降ろす動作および地上に
降ろしたボデー５に荷物を積み込む動作およびボデー５
を地上からリフトフレーム３の前方にスライドさせる動
作は、第１の実施例と同じであるので説明を省略する。

【００２９】次に、スライドシリンダ５３を伸長させ
て、リフトフレーム３を前方にスライドさせて図４(Ｂ)
に示す状態にする。そして、ジャッキ１１を収縮させて
リフトフレーム３および車体を水平状態に復帰させ、図
４(Ａ)に示す状態にする。

【００３０】上記第１および第２の実施例では、ボデー
５を地上にほぼ水平に降ろしたが、リフトフレームの屈
曲部にボデー５用のストッパー等を設けて、図６(Ａ)に
示すようにボデー５を上記屈曲部の途中で止めるように
してもよい。この場合、荷物をボデーに積載する際にお
ける貨物自動車の全長を、屈曲部９の存在により全長を
短くできる効果に加えて、さらに短くできる。

【００３１】また、図６(Ｂ)に示すように、ボデーの床
面をテーパー状にしてもよい。この場合にも、荷物をボ
デーに積載する際における貨物自動車の全長を短くでき
る。

【００３２】

【考案の効果】以上の説明より明らかなように、本考案
の貨物自動車は、車体上に搭載され、後端側に下方に屈
曲した屈曲部を有するリフトフレームをリフトフレーム
傾動手段によって車体と共に後方に傾動させ、このリフ
トフレーム上にボデーをボデー駆動手段によってスライ
ドさせ、屈曲部に沿って下降させて、ボデーを地上に水
平あるいは水平に近い状態に降ろすようにしたので、水
平あるいは水平に近い状態のボデーに荷物を積載するこ
とができる。

【００３３】したがって、この考案によれば、荷物をボ
デーに容易に乗せることができ、車両の場合、車両を水
平あるいは水平に近い状態のボデーに乗せればよいの
で、運転者は何ら不安感を抱くことなく、容易にボデー
上に車両を乗せることができ、ボデーの前端ぎりぎりま
で車両を前進させることができる。また、車両から運転
者がボデー上に降りる際、ボデーは地上に水平あるいは
水平に近い状態に置かれているため何ら危険を伴うこと
がない。また、水平あるいは水平に近い状態のボデーに
荷物を固縛すればよいから、固縛を容易に行なうことが
できる。

【００３４】また、ボデーはリフトフレームの屈曲部に
沿って下降させられるので、リフトフレームの後端が屈
曲していない場合に較べて、ボデーを下降させた時の全
長を短くできる。そして、ボデーを地上に対して水平状
態に近づけるのみで、上記ボデーの前端を上記リフトフ
レームの屈曲部の途中で止める場合には、荷物をボデー
に積載する際における全長をさらに短くできる。

【００３５】また、地上に対して後方に傾動したリフト
フレームを、リフトフレームスライド手段によって、車
体に対して後方にスライドさせる場合には、このスライ
ドによって、リフトフレームの屈曲部を地上に接近させ
ることができるので、リフトフレーム傾動手段が上記リ
フトフレームと車体を地上に対して後方が下降するよう
に傾動させる傾動角を小さくできて、上記傾動時の車体
の安定性を向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例の貨物自動車の動作説
明図である。

【図２】上記実施例の動作説明図である。

【図３】上記実施例のボデー駆動手段の要部詳細図で
ある。

【図４】本考案の第２の実施例の貨物自動車の動作説
明図である。

【図５】上記第２の実施例のリフトフレームスライド
手段の詳細図である。

【図６】上記貨物自動車の変形例の説明図である。

【符号の説明】

１シャーシフレーム、２サ
ブフレーム、３リフトフレーム、
５ボデー、９屈曲部、１１
ジャッキ、１２,２９,５２ローラ、
１８スプロケット、１９チェーン、
２０,２１アイドラー、２３駆動
シャフト、３１テールゲート、３
８ブラケット、５１シャ
フト、５３スライドシリンダ。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】車体上に搭載され、下方に屈曲した屈曲
部を後端側に有するリフトフレームと、上記リフトフレームを車体と共に地上に対して傾動させ
るリフトフレーム傾動手段と、上記リフトフレーム上にスライド可能に搭載され、上記
屈曲部に沿ってスライドして昇降させられるボデーと、一端を上記リフトフレームの前端に固定し、他端を上記
リフトフレームの後端に固定したチェーンと、上記ボデ
ーの前端に設けられるとともに上記チェーンに下方から
係合する駆動用スプロケットとを含み、上記駆動用スプ
ロケットの駆動により、上記ボデーをリフトフレームに
対してスライドさせるボデー駆動手段とを備えることを
特徴とする貨物自動車。
【請求項２】上記リフトフレームを車体に対してスラ
イドさせるリフトフレームスライド手段を備えることを
特徴とする請求項１に記載の貨物自動車。